特許第6441892号(P6441892)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441892
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】出生前スクリーニング
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/62 20060101AFI20181210BHJP
   G01N 33/493 20060101ALI20181210BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   G01N27/62 V
   G01N33/493 Z
   G01N33/483 E
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-503723(P2016-503723)
(86)(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公表番号】特表2016-518591(P2016-518591A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】GB2014050876
(87)【国際公開番号】WO2014147404
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】1305317.8
(32)【優先日】2013年3月22日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】516162870
【氏名又は名称】マップ アイピー ホールディング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】アイルズ,レイモンド クルーズ
(72)【発明者】
【氏名】バトラー,ステファン アンドリュー
【審査官】 伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−513031(JP,A)
【文献】 国際公開第97/003363(WO,A1)
【文献】 特表2008−542742(JP,A)
【文献】 特開2012−093230(JP,A)
【文献】 特表平08−503067(JP,A)
【文献】 特表2010−509596(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/60−27/70
H01J 49/00−49/48
G01N 33/48−33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
妊娠第2期までの妊娠性絨毛疾患または胎児異数性の検出のための、妊婦からの母体尿試料の質量スペクトル分析の方法であって、
希釈されていないか、または希釈した、検出しようとするタンパク質を濃縮していない妊婦からの母体尿試料を直接質量スペクトル分析することを含み、
行われる質量スペクトル分析は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−ToF MS)であり、前記検出は、前記質量スペクトル分析から得られたパターンを妊娠性絨毛疾患または胎児異数性のない妊婦からの尿試料から得られた質量スペクトルパターンと比較し、その比較の結果を、前記母体尿試料からの前記質量スペクトル分析から得られたパターンが妊娠性絨毛疾患または胎児異数性を示すかどうかの指標とすることを含む、方法。
【請求項2】
記尿試料を直接質量スペクトル分析することを含み、
前記検出は、前記質量スペクトル分析から得られたパターンを異数性を有さない胎児を持つ妊婦からの尿試料から得られた質量スペクトルパターンと比較し、その比較の結果を、前記母体尿試料からの前記質量スペクトル分析から得られたパターンが胎児異数性を示すかどうかの指標とすることを含む、妊娠第2期までの胎児異数性の検出のための、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記母体尿試料は、妊娠7〜16週の妊婦からのものである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記尿試料は、直接質量スペクトル分析の前に希釈される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記質量スペクトルのパターンは、妊娠性絨毛疾患または胎児異数性のない妊婦からの尿試料の質量スペクトルと妊娠性絨毛疾患または異数性を有する胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルパターンとを区別することができる自動化された定量的な方法によって決定される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記質量スペクトルのパターンは、異数性を有さない胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルと異数性を有する胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルパターンとを区別することができる自動化された定量的な方法によって決定される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記胎児異数性は、ダウン症候群である、請求項に記載の方法。
【請求項8】
各試料は、同等の妊娠期間の妊娠性絨毛疾患または胎児異数性のない妊婦の尿試料の収集の統計的分析から決定される約500〜100,000m/zの予測質量の参照スペクトルモデルに対して比較される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
各試料は、同等の妊娠期間の異数性を有さない胎児を持つ妊婦からの尿試料の収集の統計的分析から決定される約6,000〜14,000m/zの予測質量の参照スペクトルモデルに対して比較される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記参照スペクトルモデルは、500〜100,000m/zの間の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標をもたらすデータ処理方法によって作製される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
疾患モデルは、妊娠8〜16週の妊娠性絨毛疾患または胎児異数性を有する妊婦から得られた母体の尿からの500〜100,000m/zの間の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標をもたらすデータ処理方法によって作製される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
疾患モデルは、妊娠8〜16週の胎児異数性を有する妊婦から得られた母体の尿からの6,000〜14,000m/zの間の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標をもたらすデータ処理方法によって作製される、請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記参照スペクトルモデルおよび前記疾患モデルは、2つのモデルの間の相違点を特定するためにプロッティングによって比較される、請求項11または12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、ダウン症候群などの胎児異数性の特徴であることがわかり、他の胎児の異常および妊娠性絨毛疾患を含む妊娠性疾患のスクリーニングの用途を有する、質量スペクトルのフィンガープリントのパターンの変化を用いて母体の尿試料をスクリーニングする方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、ダウン症候群、パトー症候群、ターナー症候群、クラインフェルター症候群、エドワーズ症候群およびトリプルXなどの胎児異数性を検出する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
ダウン症候群として一般に知られている21トリソミーは、21番染色体の余分なコピーによって特徴づけられ、学齢期の子供における重大な学習障害の最も頻度の高い単一の原因をもたらす、最も一般的な重度の先天的異常の1つである。ダウン症候群を患っている人は、重度の精神遅滞、平均寿命の低下、および重度の感染症にかかりやすくする異常な免疫反応がある。ダウン症候群患者の40%には先天性心疾患があり、白血病を発症するリスクが高い。ダウン症候群を有する40歳以上のすべての人は、アルツハイマー病に特有の神経病理学的変化を発症しやすい。
【0004】
妊娠初期、すなわち約15〜16週でのダウン症候群の決定的な検査は、羊水穿刺の後の染色体分析である。これに必要な羊水のサンプリングは自然流産を誘発する危険を伴い、これは100例のうち約1例に起こりうる。
【0005】
当初、母体の年齢は、ダウン症候群の赤ちゃんをもつリスクの高い女性を特定するために用いられる唯一の因子であった。40歳で、ダウン症の新生児を持つ可能性は100分の1である。このため、多くの病院は一定の年齢、通常35歳または37歳を超える女性に羊水穿刺を提供するようになった。しかしながら、これはダウン症候群のすべてのケースの15〜30%を特定するのみであり、大多数は依然としてより若い女性に起こる。
【0006】
過去25年間で、ダウン症候群のスクリーニングのために複数のマーカーの血液検査が開発された。血清α−フェトプロテイン(AFP)+ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、最も一般的なマーカーである。しかしながら、最近では、非共役エストリオール(uE3)およびインヒビンAがスクリーニングのマーカーに加えられた。
【0007】
スクリーニング性能は、使用するマーカーの選択、ならびに妊娠期間を見積もるために、および15〜22週での項部折り厚さを測定するために超音波が用いられるかどうかによって変化する。血清マーカーおよび超音波のスクリーニングが母体の年齢と組み合わせて用いられると、5%の偽陽性率での検出率は、二重検査(AFP+hCG)で59%、三重検査(AFP、hCG、uE3)で69%、およびインヒビンAを含む四重検査で76%であると見積もられる。
【0008】
現在のスクリーニング技術は高額であり、血液サンプリングの最小の侵襲的処置とともに、妊娠期間によるレベル変化に対して補正された、検出された値の数学的なモデリングを必要とする。
【0009】
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、胎児の胎盤の合胞体性栄養膜細胞によって産生されるグリコペプチドホルモンであり、約38キロダルトンの分子量を有する。これは、受精から数日以内に、母体の尿で免疫測定によって検出されうる。インタクト(intact)hCG分子は、他の糖タンパク質と共通のαサブユニットに非共有結合で結合した特定のβ25サブユニットを含むヘテロ二量体である。
【0010】
インタクトhCGおよび遊離β−サブユニットの双方の母体血清レベルは、ダウン症候群で平均して上昇するが、上昇の程度は30の遊離β−hCGでより大きい。HCGは妊婦の血清および尿の両方で検出され、hCGの遊離αおよびβサブユニット、ならびにhCGおよびhCGの遊離β−サブユニットの分解産物である。
【0011】
hCGのβ−サブユニットの最終的な分解産物は、尿中ゴナドトロピンペプチド(UGP)であり、別名β−コア−hCG、β−コアフラグメント、β−コアまたは尿中ゴナドトロピンフラグメント(uGF)として知られている。
【0012】
UGPは尿に排出される。国際公開第97/03363号には、妊娠第1期の間の母体の尿試料を試験して試料のUGPのレベルが正常の10の妊娠からの尿試料で見られるUGPのレベルを上回って上昇しているかどうかを決定することを含む、出生前の、尿を用いたダウン症候群のスクリーニング方法が記載されている。国際公開第97/03363号に記載の方法は、UGPに特異的な免疫測定法を使用する。
【0013】
hCGの正確な構造は、HPLC質量分析によって、および、結晶学的解析によってよく特徴づけられた。トリプシン消化を用いて、hCGおよびそのサブユニットのペプチド質量マッピングは、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(matrix−assisted laser desorption/ionization time−of−flight mass spectrometry)(MALDI−ToF MS)を用いて行った。Jacoby,E.S.らはClinical Chemistry,46(11),1796−1803(2000)に、hCGβ−コアフラグメント(hCGβcf)の妊婦の尿からの精製を記載し、これはジチオスレイトール(DTT)還元によって還元され、MALDI−ToF MSによって分析された。彼らは、生成したDTT−還元hCGβcfの質量スペクトルは、hCGβcfグリコシル化を正確に明確にしないものの、特徴的な「フィンガープリント」をもたらすように見えると結論づけた。妊婦からの抽出されていない尿試料のMALDI−ToF MS分析は、タンパク化合物化された(proteinated)hCGβcfに対応するブロードなピークのみを示した。
【0014】
国際公開第03/065043号には、hCGβcfなどのタンパク質の識別および相対的定量化において後に用いられうるMALDI−TOF MSターゲット上の免疫グロビン(immunoglobins)の固定化が記載されている。
【0015】
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、4つのN−結合オリゴ糖と4つのO−結合オリゴ糖とを含む8つのグリコシル化部位を有するヘテロ二量体糖タンパク質ホルモンである。N−結合オリゴ糖は、アスパラギン残基上のβ−N−グリコシド結合によって、ポリペプチド鎖に結合する;2つはα−サブユニット上に、2つはβ−サブユニット上に存在する。これらは同じ基本的な構造的特徴を共有する:N−アセチルグルコサミン(GLcNAc)は、アスパラギン残基に結合し、続けて、他のGLcNAc、マンノースおよびマンノースのもう2つの分岐に結合する。これは、残りの構成要素が可変である、一分岐の(monantennary)五糖コアである。O−結合オリゴ糖は、β−サブユニットカルボキシル末端ペプチドのセリン残基上に、α−O−グリコシド結合によって結合する。
【0016】
炭水化物不均質性(Carbohydrate heterogeneity)は広く報告されており、可変の一分岐、二分岐、および三分岐の炭水化物構造を有するhCGの遊離β−サブユニット(hCGβ)は正常および異常妊娠で見つかっている(Elliott MM,Kardana A,Lustbader JW,Cole LA.Endocrine.1997 Aug;7(1):15−32.正常および異常妊娠ならびに絨毛がんからのヒト絨毛性ゴナドトロピンのα−およびβ−サブユニットの炭水化物およびペプチド構造)。
【0017】
β−コアフラグメント(hCGβcf)として知られるhCGのβ−サブユニットの分解産物は、4つのジスルフィド架橋によって結合されたhCGのβ−サブユニットからのペプチド(すなわち、ペプチドβ6−40およびβ55−92)から構成される。これは主に腎臓に起こる代謝の前の元のhCGβ分子の抗原性決定部位(antigenic determinates)の多くを保持する。β6−40ポリペプチド鎖は2つのhCGβN−結合炭水化物部分を含むが、オリゴ糖類は代謝により先端を切り取られる。
【0018】
hCGβcfのグリコシル化はMALDI−ToF MSを用いて研究され、これは明確な「フィンガープリント」を与えるようにみえる質量スペクトルをもたらしたが、用いられる方法は、ペプチドの質量を減少させ、質量分析計の比較的最適な分解能範囲に入れるために、ジチオスレイトールを用いた試料の前処理を含む。Jacobyら(2000)によれば、MALDI−ToF MS分析は、プロトン化された(protonated)hCGβcfに対応するブロードなピークをもたらした。
【0019】
MALDI−ToF MSの欠点は、定量的な技術ではないことである。したがって、得られた生の質量スペクトルは、診断テストアルゴリズムの比較データを作成するために直接用いることはできない。
【発明の概要】
【0020】
発明の記述
hCGのグリコシル化は非常に変化しやすく、hCGのハイパーグリコシル化は妊娠性疾患およびダウン症候群などの胎児異数性において起こる。現在では、妊娠第2期まで、好ましくは妊娠7〜13週の妊婦から得られる、抽出されていない、未処理の尿試料をMADLI−ToF MS分析することによって、グリコシル化変異体でパターンの変化を示しうる独特な質量スペクトルが得られることがわかっている。パターンのこれらの変化は、妊娠性疾患および胎児異数性におけるトロホブラスト細胞でのグリコシル化プロセスに特徴的なハイパーグリコシル化hCGの代謝産物を示し、したがってこれらの状態を示す。
【0021】
本発明の一形態によれば、妊婦からの母体の尿試料を直接質量スペクトル分析し、前記分析から得られたパターンを正常妊娠から得られた質量スペクトルパターンと比較して前記試料からの前記パターンが妊娠性疾患または胎児異数性を示すかどうかを決定することを含む、妊娠第2期までの妊娠性疾患または胎児異数性の検出方法が提供される。
【0022】
本発明の一形態によれば、妊婦からの母体の尿試料を直接質量スペクトル分析し、前記分析から得られたパターンを異数性を有さない妊娠から得られた質量スペクトルパターンと比較して、前記試料からの前記パターンが胎児異数性を示すかどうかを決定することを含む、妊娠第2期までの胎児異数性の検出方法が提供される。
【0023】
本発明の方法は、妊娠性障害を有する、もしくは発症する、または異数性を有する胎児を持つリスクのある母親を特定するための、患者をスクリーニングする手段を提供する。
【0024】
本明細書中、妊娠性疾患は、正常生殖および補助生殖の両方における子宮外妊娠、切迫流産、妊娠悪阻および妊娠性絨毛疾患、胎盤機能不全、子癇前症、妊娠糖尿病、産科胆汁うっ滞(Obstetric Cholestasis)および反復流産を含む。本発明の方法は、子宮外妊娠、切迫流産、妊娠悪阻および妊娠性絨毛疾患など、試料を得たときに既に存在している妊娠性疾患をスクリーニングする方法を提供する。本発明の方法はまた、一般に妊娠後期(すなわち、試料採取後)に正常生殖および生殖補助の両方における、胎盤機能不全、子癇前症、妊娠糖尿病、産科胆汁うっ滞、および反復流産などの他の妊娠性疾患を発症するリスクの表示(indication)を提供する。したがって、本方法は、診断および予測の両方の価値を有する。
【0025】
本明細書中、「胎児異数性(fetal aneuploidy)」は、胎児が46よりも多い、または少ない染色体を有する状態を意味する。これは、ダウン症候群(21トリソミー)、パトー症候群(13トリソミー)、ターナー症候群(X染色体の全てまたは一部が欠損している)、クラインフェルター症候群(男性の過剰なX染色体によって引き起こされる)、エドワーズ症候群(18トリソミー)およびトリプルX(女性の過剰なX染色体によって引き起こされる)などの状態をもたらす。好ましくは、前記胎児異数性は、トリソミー疾患(例えば、ダウン症候群、パトー症候群およびエドワーズ症候群)であり、より好ましくはダウン症候群である。
【0026】
「直接質量スペクトル分析(Direct mass spectral analysis)」は、試料中に存在する成分の推定質量ではなく、質量スペクトル分析から生じたデータが本方法に用いられることを意味する。
【0027】
本発明の方法は、妊娠第2期を含む、妊娠第2期までに得られた試料で行われる。好ましくは、母体の尿試料は、妊娠7〜16週の妊婦、例えば、妊娠7、8、9、10、11、12、13、14、15または16週の妊婦からのものである。より好ましくは、母体の尿試料は、妊娠8〜13週の妊婦からのものである。
【0028】
好ましくは、前記尿試料はニート尿試料である。または、前記尿試料は、希釈または処理(濃縮、濾過など)される。
【0029】
好ましくは、前記尿試料は希釈される。前記尿試料は1/100(すなわち、希釈剤100部中に試料1部)、1/500、1/1000、1/2500またはそれ以上に希釈されうる。最も好ましくは、前記試料は1/1000、すなわち、尿試料1部が希釈剤1000部中に希釈される。好ましくは、希釈剤は水であり、より好ましくは脱イオン水である。
【0030】
好ましくは、前記尿試料は、希釈前に処理されない。このような処理としては、所望のタンパク質(例えばhCG)を濃縮する;HPLCによって、または化学物質で処理して分子内結合を分断もしくは切断することによってhCGを単離することが挙げられる。特に、前記試料は、還元剤で処理されていないことが好ましい。より好ましくは、前記試料は、ジチオスレイトール(DTT)で処理されていない。
【0031】
好ましくは、質量スペクトルのパターンは、正常な妊婦からの尿試料の質量スペクトルと妊娠性疾患または異数性を有する胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルパターンとを区別することができる自動化された定量的な方法によって決定される。本明細書中、「正常な」妊婦は、妊娠性疾患がなく、異数性を有さない胎児を持つ妊婦である。
【0032】
本明細書中、「自動化された定量的な方法(automated quantitative method)」は、試料が入れられた質量分析計からの直接的な出力データのコンピュータソフトウエアプログラムによる処理を意味する。
【0033】
好ましくは、質量スペクトルのパターンは、異数性を有さない胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルと異数性を有する胎児を持つ妊婦からの尿試料の質量スペクトルパターンとを区別することができる自動化された定量的な方法によって決定される。MALDI−Tof MSなどの質量スペクトルを得る方法は、一般に定量的な技術ではない。例えば、これらのスペクトルのY軸は、スペクトル中の質量ピークの「相対強度」の指標であるが、1つの試料の質量ピークと他の試料の質量ピークとの間のものではない。これを克服するために、規格化は、Y軸値を試料のスペクトル間で比較可能な状態にする必要がある。規格化は、データの繰り返しおよび矛盾を低減するためにデータ構造を作製するプロセスである。いくつかの規格化技術が可能である。典型的な規格化法としては、与えられた点における総面積の百分率、二乗差(Square difference)および比の差(ratio of difference)がある。百分率差(percentage difference)は、以下のように計算される:
【0034】
【数1】
【0035】
式中、YrefはスペクトルのY値の最小値であり、Y1は各点のY値である。
【0036】
二乗差(Square difference)は、以下のように計算される:
【0037】
【数2】
【0038】
比の差(ratio difference)は、以下のように計算される:
【0039】
【数3】
【0040】
したがって、質量スペクトルからのデータは、スペクトル上の定性的な変化の定量的な尺度(quantitative measure)を与えるために操作される。
【0041】
好ましくは、各試料は、参照スペクトルモデルに対して比較される。「参照スペクトルモデル(reference spectral model)」は、同等の妊娠期間の正常妊娠の尿試料の収集の統計的分析から決定される、設定された範囲内の予測質量である。好ましくは、前記範囲は、約500〜100,000m/z、例えば、1,000〜75,000m/z、2,500〜50,000m/z、5,000〜25,000m/z、または6,000〜14,000m/zである。最も好ましくは、前記範囲は、6,000〜14,000m/zである。好ましくは、約6,000〜14,000m/zの予測質量のスペクトルモデルは、同等の妊娠期間の異数性を有さない妊娠の尿試料の収集の統計的分析から決定される。
【0042】
好ましくは、前記スペクトルモデルは、設定された範囲内の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標をもたらすデータ処理方法によって作製される。これは、任意の質量の値で中央値およびパーセンタイル値の変動がモデルされうるように、すべてのスペクトルを比較可能な状態にする。好ましくは、前記範囲は約6,000〜14,000m/zである。
【0043】
好ましくは、平行する「疾患」モデルは、上記の設定された範囲内の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標から作られ、妊娠性障害または胎児異数性、例えばダウン症候群を有する妊娠8〜16週の妊婦から得られる母体の尿から作製される。好ましくは、前記範囲は約6,000〜14,000m/zである。
【0044】
任意の範囲の質量スペクトルの相対的比率の規格化された統計学的に決定された指標は、質量スペクトルの総曲線下面積を用いて計算されうる。そして、これは相対強度を計算するために用いられうる。
【0045】
質量スペクトルの曲線下面積は、質量スペクトルをm/zの所定の数の複数のビン(bin)に分けることによって計算される。本明細書中、「ビン」はその通常の統計学的意味(例えば、データが統計的分析において分類される数値の一連の範囲の1つであるという意味)を有する。例えば、ビンは、100m/z、50m/z、25m/z、10m/zまたは5m/zのサイズでありうる。使用されるビンのサイズが小さいほど、方法はより正確になる。
【0046】
相対強度(Y軸値)は、「差の二乗」法によって計算することができ、したがって、比較可能な(comparable)Y値がすべてのビンに与えられる。この方法では、すべてのビンでスペクトルのY値の最小値(Yref)をY値から差し引き、差を二乗した。差の二乗を計算するために用いた式は、差の二乗=(y1−yref)であり、計算された差の二乗は「相対強度」として名付けられた。
【0047】
規格化技術を適用した後、妊娠7〜16週での正常妊娠の女性から得た試料および妊娠性疾患を患っている、または異数性を有する胎児を持つ女性から得た試料の規格化されたスペクトル値(平均、標準偏差、歪度、上位四分位点および下位四分位点、中央値、尖度、ならびに95パーセンタイル値および5パーセンタイル値)の比を計算した。
【0048】
それぞれの妊娠期間で、正常妊娠の女性から得られた試料と、妊娠性障害を患う、または、異数性を有する胎児を持つ女性からの試料との間の各質量ビンでの相対強度の差は、MATLAB(登録商標)、Stats Direct(商標)およびOrigin8(商標)のような市販の統計的検定を用いて捉えることができる。
【0049】
次いで、参照スペクトルモデルおよび疾患モデルは、「ホットスポット」、すなわち、2つのモデルの間の相違点を特定するためにプロッティング(例えば、図1に示されるように)によって比較される。これは、ピークの大きさの減少もしくは増加、またはピークの出現でありうる。そして、前記相違点は、胎児異数性または妊娠性疾患などの存在を決定するために用いられうる。これは適当なアルゴリズムを用いることによって行われうる。
【0050】
6,000から<8,000m/zまで、9,000から<9,600m/zまで、および10,900から12,000m/zまでの特定の領域は、胎児異数性の妊娠からの試料と異数性を有さない妊娠からの試料との間の質量スペクトルの差の面積として特定された。これらの差の面積(areas of difference)は、特に妊娠14週までに得た試料、好ましくは妊娠12、13または14週で採取した試料の予測アルゴリズムスコア=(m/z 11400)+(m/z 9200)/(m/z 6700)を作製するために用いられた。
【0051】
10,900から12,000m/zまでの特定の領域は、妊娠第2期における胎児異数性の妊娠からの試料と異数性を有さない妊娠からの試料との間の質量スペクトルの差の面積として特定された。これらの差の面積は、妊娠第2期、好ましくは妊娠15、16または17週に採取された試料の予測アルゴリズムスコア=(m/z 11300)+(m/z 11400)+(m/z 11500)+(m/z 11600)+(m/z 11700)+(m/z 11800)+(m/z 11900)を作製するために用いられた。
【0052】
質量スペクトル解析は、適当なコンピュータソフトウエアプログラムを用いて容易に計算されうる。コンピュータはまた、胎児異数性または妊娠性疾患などの存在の指標を与えるために適当なアルゴリズムを用いてプログラムされうる。
【0053】
好ましくは、行われる質量スペクトル分析は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−ToF MS)である。
【0054】
また、
a)妊婦から母体の尿試料を採取し;
b)前記試料を直接質量スペクトル分析し;
c)前記分析から得られたパターンを正常な妊婦からの母体の尿試料から得られた質量スペクトルパターンと比較して、妊婦からの前記試料からの前記パターンが妊娠性疾患または胎児異数性を示すかどうかを決定する;
ことを含む、妊娠第2期までの妊娠性疾患または胎児異数性の検出方法を記載する。
【0055】
好ましくは、前記方法は胎児異数性を検出し、前記分析から得られたパターンは異数性を有さない妊娠をしている女性のものと比較される。
【0056】
本明細書において、「含む」という動詞はその通常の辞書的定義を有し、非排他的な包含を意味する。すなわち、1以上の特徴を含めるための「含む」の語(またはその任意の派生語)の使用は、さらなる特徴をも含む可能性を排除しない。「好ましい」という語(またはその任意の派生語)は、好ましいが必須ではない1以上の特徴を示す。
【0057】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示された全てのまたは任意の特徴、および/または同様に開示された任意の方法または工程の全てのまたは任意の段階は、少なくともこのような特徴および/または段階のいくつかが互いに排他的である組み合わせを除いては、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。
【0058】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示されたそれぞれの特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同一、等価、または同様の目的にかなっている代替の特徴と置き換えられうる。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示されたそれぞれの特徴は、一般的な一連の等価または同様の特徴の1つの例にすぎない。
【0059】
本発明は上述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示された特徴の任意の新規の1つ、もしくは任意の新規の組み合わせ、または同様に開示された任意の方法もしくは工程の段階の任意の新規の1つ、または任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
【図面の簡単な説明】
【0060】
次に、本願を下記の図面を参照して以下の実施例で説明する:
図1図1は、妊娠12〜14週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較を示す。
図2図2は、スペクトル差に基づくダウン症候群のスクリーニングの簡易予測アルゴリズムならびに妊娠12〜14週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較の図である。
図3図3は、妊娠15〜17週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較を示す。
図4図4は、スペクトル差に基づくダウン症候群のスクリーニングの簡易予測アルゴリズムならびに図3に示す妊娠15〜17週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較の図である。7つの「ホットスポット」が簡易アルゴリズムに適用された。
【実施例】
【0061】
実施例1
母親の年齢および民族性に関係なく、32の非選択の単胎妊娠の尿試料のアーカイブコレクションを用いた。
【0062】
質量スペクトル分析のためのMALDIターゲットプレート上にスポッティングする前に、尿試料を3分間、1500rpmで遠心機で沈降させ、細胞残屑を除去した。試料は脱イオン水で1/100〜1/1000(部 試料/水)に希釈した。
【0063】
MALDIプレート(394ウェル)は、0.5μlのシナピン酸マトリクス溶液(50/50 v/vのアセトニトリル(ACN)およびddHO中の0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)に20mg/mlで溶解させた)をピペットで分注することによって調製し、乾燥させた。希釈した尿の試料(0.5μl)を添加し、次いで乾燥させ、その後、さらに0.5μlのシナピン酸マトリクス溶液を添加した。質量分析を実施する前に、これを1時間室温で乾燥させた。
【0064】
質量分析は、Shimadzu Axima plus MALDI質量分析計を用いて実施した;パルス窒素レーザー(λmax=337nm)を90%のパワーで発振させて各試料からイオンを脱離させた。イオンを1.2mの線形チューブの下方に20kVの電場で加速し、500MHzのサンプリングレートで、マイクロチャンネルプレート検出器によって検出した。スペクトルは、20〜30のレーザーショットを合計することによって発生させた。スペクトルを取得するために正の線形モードを用いた。
【0065】
MALDI−ToF装置の質量較正は、既知の正確な質量の試料を測定することによって確立した。ダウン症候群のために装置を較正するために、スペクトルフィンガープリントのウマ心臓シトクロムCを10pmol/μlの濃度で外部較正体として測定した。2点の較正は、[M+H]=12.361Daおよび[M+2H]2+=6181Daで行った。ソフトウェアプログラム間の互換性を有するデータファイルとしてスペクトルデータを転送するために、カンマ区切りの(CSVとしても知られる)数値データセットとして、6,000〜14,000m/zの間のスペクトルフィンガープリントを取得した。
【0066】
規格化:
その後、カンマ区切りのデータを、MATLABソフトウエアで読めるようにするためにM.fileフォーマットに変換した。
【0067】
6,000〜14,000m/zの質量範囲の各試料の総曲線下面積を計算し、前記範囲を100m/z単位の80の個々のビンに分けた。
【0068】
相対強度(Y軸値)は、「差の二乗」法によって計算し、したがって、比較可能なY値がすべてのビンに与えられた。この方法では、すべてのビンでスペクトルのY値の最小値(Yref)をY値から差し引き、差を二乗した。差の二乗を計算するために用いた式は、差の二乗=(y1−yref)であり、計算された差の二乗は「相対強度」として名付けられた。
【0069】
それぞれの規格化技術を適用した後、妊娠12〜13週での合併症のない妊娠および異数性の規格化されたスペクトル値(平均、標準偏差、歪度、上位四分位点および下位四分位点、中央値、尖度、ならびに95パーセンタイル値および5パーセンタイル値)の比を計算した。
【0070】
それぞれの妊娠期間で、合併症のない妊娠と、異数性を有する妊娠との間の各質量ビン(100m/zごと)でのスペクトル強度の差を、統計的検定(Stats Direct(商標)およびOrigin8(商標))を用いて得た。
【0071】
結果
合併症のない単胎妊娠と比較したダウン症候群の6,000〜14,000m/zの間のフィンガープリントのパターンのスペクトル強度の相対的なレベルを評価するための計算モデルは、妊娠12〜13週の妊婦の尿からの、6,000〜14,000ダルトンの質量電荷比(m/z)に対する、すべてのビンの規格化曲線下面積の対数の中央値、95パーセンタイル値および5パーセンタイル値をプロットすることによって作製した。
【0072】
添付の図面の図1は、妊娠12〜14週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較を示す。パネルAは、ダウン症(■)および異数性を有さない(●)妊娠の6000〜14,000m/zでの重ね書きした平均質量スペクトルであり、ビン中央値をベタの形状(solid shape)で、5パーセンタイル値および95パーセンタイル値をウィスカーで示す。
【0073】
添付の図面の図2は、スペクトル差に基づくダウン症候群のスクリーニングの簡易予測アルゴリズムならびに図1に示す妊娠12〜14週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較の図である。3つの「ホットスポット」が簡易アルゴリズムに適用された。
【0074】
予測アルゴリズムスコア=(m/z 11400)+(m/z 9200)/(m/z 6700)。
【0075】
6のダウン症候群の試料および33の異数性を有さない試料に対して、総スコアを計算し、このアルゴリズムを適用した点のプロットとしてプロットした−これはカットオフ9で、99.9%超の潜在的検出率および0.1%未満の偽陽性率を示す。
【0076】
実施例2
実施例1の方法を、妊娠第2期、すなわち、妊娠15、16および17週に得た尿試料を用いて繰り返した。
【0077】
添付の図面の図3は、妊娠15〜17週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較を示す。パネルAは、ダウン症(■)および異数性を有さない(●)妊娠の6000〜14,000m/zでの重ね書きした平均質量スペクトルであり、ビン中央値をベタの形状(solid shape)で、5パーセンタイル値および95パーセンタイル値をウィスカーで示す。
【0078】
添付の図面の図4は、スペクトル差に基づくダウン症候群のスクリーニングの簡易予測アルゴリズムならびに図3に示す妊娠15〜17週でのダウン症および異数性を有さない妊娠の最小二乗規格化法に基づく比較の図である。7つの「ホットスポット」が簡易アルゴリズムに適用された。
【0079】
予測アルゴリズムスコア=(m/z 11300)+(m/z 11400)+(m/z 11500)+(m/z 11600)+(m/z 11700)+(m/z 11800)+(m/z 11900)。
【0080】
10のダウン症候群の試料および44の異数性を有さない試料に対して、総スコアを計算し、このアルゴリズムを適用した点のプロットとしてプロットした−これはカットオフ9で、90%の潜在的検出率および6%の偽陽性率を示す。
【0081】
実施例3 妊娠性疾患の試料の分析
妊娠性絨毛疾患(例えば、奇胎妊娠および妊娠悪阻)を有する女性からの尿試料を、正常妊娠の女性から得られた試料と比較した。三分枝(tri−antennary)糖型によるhCGβcfハイパーグリコシル化が、奇胎妊娠および妊娠悪阻を有する女性の尿において、正常妊娠からの試料と比較して最も高いことがわかった。このような分子は代謝処理をされるが、これは、hCGが妊娠性疾患および異常妊娠でより多くN−結合ハイパーグリコシル化されていることを示した、以前発表したデータを支持する。hCGのグリコシル化のこれらの違いは、質量スペクトル分析によって検出可能な質量変化をもたらす。これらの変化は、本発明の方法において、妊娠性絨毛疾患などの妊娠性疾患を検出するために用いられうる。
【0082】
本明細書において、「含む」という動詞はその通常の辞書的定義を有し、非排他的な包含を意味する。すなわち、1以上の特徴を含めるための「含む」の語(またはその任意の派生語)の使用は、さらなる特徴をも含む可能性を排除しない。「好ましい」という語(またはその任意の派生語)は、好ましいが必須ではない1以上の特徴を示す。
【0083】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示された全てのまたは任意の特徴、および/または同様に開示された任意の方法または工程の全てのまたは任意の段階は、少なくともこのような特徴および/または段階のいくつかが互いに排他的である組み合わせを除いては、任意の組み合わせで組み合わせてもよい。
【0084】
本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示されたそれぞれの特徴は、明示的に別段の定めをした場合を除き、同一、等価、または同様の目的にかなっている代替の特徴と置き換えられうる。したがって、明示的に別段の定めをした場合を除き、開示されたそれぞれの特徴は、一般的な一連の等価または同様の特徴の1つの例にすぎない。
【0085】
本発明は上述の実施形態の詳細に限定されない。本発明は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)中に開示された特徴の任意の新規の1つ、もしくは任意の新規の組み合わせ、または同様に開示された任意の方法もしくは工程の段階の任意の新規の1つ、または任意の新規の組み合わせにまで及ぶ。
図1
図2
図3
図4