(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポリアクリレートと重合性モノマーとの反応生成物の相互貫入ネットワークを含む硬化接着剤層によって第2の光学フィルムの微細構造化表面層に接着される第1の光学フィルムを含み、前記第2の光学フィルムが前記硬化接着剤層と前記第2の光学フィルムの前記微細構造化表面層との間に配置されるプライマー層を更に含み、前記プライマー層がポリアクリレートと窒素含有ポリマーとを含む、光学フィルム積層体。
前記第1の光学フィルムが、前記硬化接着剤層によって前記第2の光学フィルムの前記微細構造化表面層に接着される第1の表面上に主に光学ゲインをもたらすよう設計される光学活性部分を含む複数の構造体を、前記構造体の一部が前記接着剤層に貫入して、前記硬化接着剤層と前記第1の表面との間に隔離部を設けるようにして、含む、請求項1に記載の光学フィルム積層体。
前記プライマー層が、最大5重量%までの1つ又は2つ以上の窒素含有ポリマーを含み、前記窒素含有ポリマーが、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、又はそれらの組み合わせのホモポリマー又はコポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学積層体。
前記接着剤層の前記重合性モノマーが、カチオン重合性基あたり150g/モル未満の分子量を有するカチオン重合性基を含むモノマーを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学積層体。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に関して、本発明は、概ね基材220、基材に接して配置されるプライマー層225、及びプライマー層に接して配置される接着剤層250を含む物品200に関連する。接着剤層は、通常(例えば、第2の)基材221に更に接着されるか、又は剥離ライナー(図示せず)が基材221の代わりに接着剤層250に接して配置されてもよい。
【0010】
図2に関して、好ましい実施形態では、基材220は、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222を更に含む。プライマー層225は、微細構造化(例えば、ディフューザー)層に接して配置され、接着剤層250はプライマー層に接して配置される。接着剤層は、通常(例えば、第2の)基材221に更に接着されるか、又は剥離ライナー(図示せず)が基材221の代わりに接着剤層250に接して配置されてもよい。基材221は、基材220と同じ基材又は異なる基材にすることができる。
【0011】
一部の実施形態では、第2の基材は、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222を含む。この命名規則は、国際公開第2012/138495号で使用される命名規則と一貫するように選択された。しかしながら、他の実施形態では、プライマーを含む基材は、「第1の基材」である。この実施形態では、第1の又は第2の基材に接する微細構造化(例えば、ディフューザー)層の包含は任意である。
【0012】
第1の又は第2の基材に接して微細構造化(例えば、ディフューザー)層を含む実施形態については、基材220及び/又は221の表面を、粗くするか又は凹凸をつけて、微細構造化(例えば、ディフューザー)層(例えば、222)を提供することができる。これは、ビーズブラスト処理ないしは別の方法で粗くした好適な成形型によって下にある層(複数可)をエンボス加工することを含む、当該技術分野において周知の様々な方法で実現することができる。
【0013】
微細構造化(例えば、ディフューザー)層222はまた、コーティング組成物を、組成物に対して好適な大きさの珪砂、ガラスビーズ、又はポリマービーズのような粒子を含む基材220及び/又は221に塗布することによって調整することができる。その平均粒度は、典型的に約1〜10マイクロメートルの範囲である。このような粒子の濃度は、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222の少なくとも2重量%〜約10重量%以上にしてよい。2重量%未満(例えば1.8重量%、1.6重量%、1.4重量%、1.2重量%、1.0重量%、0.8重量%、0.6重量%)の濃度では、その濃度は典型的には、所望の光沢低下(これはヘイズ値の向上にも貢献する)をもたらすには不十分である。
【0014】
更に別の実施形態では微細構造化(例えば、ディフューザー)層(例えば、222)は、典型的には、米国特許第5,175,030号(Luら)及び第5,183,597号(Lu)に記載されているように、重合性樹脂組成物を成形型表面と接触させて成型及び硬化させることにより、成形型からのマイクロ複製を使用して製作することができる。成形型は、任意の利用可能な製作方法、例えばエングレービング又はダイアモンド切削を用いることにより製作することができる。例示のダイアモンド切削システム及び方法としては、参照により本明細書に援用される、国際公開第2010/141345号に記載されるようにファストツールサーボ(FTS)を挙げ、使用することができる。あるいは、成形型を電着によって製作してもよい。一実施形態では、成形型は、参照により本明細書に援用される、2012年11月21日に出願された米国特許出願第61/728,868号に記載されるように、第1の平均粗さを有する第1の層の第1の主表面をもたらす第1の電気めっきプロセスを使用して金属を電着することによって金属の第1の層を形成することと、第1の平均粗さより小さい第2の平均粗さを有する第2の層の第2の主表面をもたらす第2の電気めっきプロセスを使用して第1の主表面上に金属を電着することによって第1の層の第1の主表面上に金属の第2の層を形成することと、によって準備される。
【0015】
微細構造化(例えば、ディフューザー)層が、重合性樹脂組成物を成形型表面と接触させて成型及び硬化させることにより、成形型からのマイクロ複製を使用して製作されると、微細構造化表面層は複数のピークを含み、大半の(即ち少なくとも50%)及び典型的には、実質的に全てのピークは(例えば、埋め込まれた)艶消粒子を含まない。
【0016】
基材(220及び/又は221)は、部分的に、意図された使用に望ましい(例えば、光学及び機械)特性に基づいて選択される。かかる機械特性としては、典型的に、屈曲性、寸法安定性及び衝撃耐性が挙げられる。大部分の適用例では、基材の厚さは、少なくとも0.02mmで、約0.5mm又は0.2mm未満の以下である。基材を、例えば、化学処理、空気コロナ若しくは窒素コロナ等のコロナ処理、プラズマ、フレーム、又は化学線等、任意に処理して接着を改善することができる。しかしながら、一部の実施形態では、基材は、接着を改善するそのような処理を受けない。
【0017】
好ましい実施形態では、基材(複数可)は光学フィルムである。一部の実施形態では、「光学フィルム」は、光学フィルムがないときにディスプレイを見るのに比べて、少なくとも1つの光学特性を実質的に変更しないディスプレイの光路内の光透過性フィルムである。この実施形態では、「光学フィルム」は、典型的には、高透明であり、少なくとも80%、85%、又は90%の可視光(即ち、400〜700nm)の透過を呈する。光学フィルムの透過は、様々な既知の技術で測定することができる。本明細書で使用される場合、軸上透過は、商標表記「Haze−Guard Plus(カタログ#4725)」でBYK Gardnerから市販されている器具で測定した。表面エネルギーが低いコーティングを典型的に含む防汚フィルムは、少なくとも1つの光学特性を実質的に変更しない光学フィルムの例である。
【0018】
光学フィルムは、ガラス又はセラミック材料からなってもよい。光学フィルムは、一般に、例えば、酢酸酪酸セルロース、酢酸セルロースプロピオネート、三酢酸セルロース、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、シンジオタクチックポリスチレン、環状オレフィンコポリマー、ポリエチレンナフタレート、及びナフタレンジカルボン酸に基づくコポリマー又はブレンドを含む光透過性高分子材料からなる。所望により、光学フィルムには、これらの物質の好適な混合物又は組み合わせを含有させることができる。
【0019】
好ましい実施形態では、「光学フィルム」は、光学フィルムがないときにディスプレイを見るのに比べて、少なくとも1つの光学特性を実質的に変更するディスプレイの光路内の光透過性フィルムを指す。そのような光学フィルムの例として、偏光フィルム、輝度向上光配向フィルム(
図5A、5B、及び6に示されるような)等のプリズムフィルム、及びディフューザーフィルムが挙げられる。他の光学フィルムとしては、艶消又防眩性のフィルム、反射防止フィルム、光平行化フィルム(プライバシーフィルタとも呼ばれる)、並びに参照により本明細書に援用される、米国特許出願公開第2012/0154811号に記載されるような指紋の視認性を低減するコーティングを有する特定のフィルムが挙げられる。指紋の視認性を低減するフィルムは、ヘイズの低減、即ち0.80、0.70、0.60、又は0.50未満の、初期の(シミュレートされた)指紋視認性と20分後の(シミュレートされた)指紋視認性のヘイズ率を呈する。
【0020】
一部の実施形態では、単一の光学フィルムは、(例えば、同時に)1つより多くの光学特性を変更してもよい。例えば、微細構造化(例えば、ディフューザー)層(
図5Bに示されるような)を含む輝度向上光配向フィルムは、輝度又は「ゲイン」を同時に改善し、またディフューザーとしても働くことができる。
【0021】
図5Bに関して、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222の微細構造体は、光学フィルムの(例えば、プリズム)構造体2110とは異なる。一態様では、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222の微細構造体は、不規則パターン又はランダムであるように見える疑似ランダムパターンを形成する。対照的に、光学フィルムの(例えば、プリズム)構造体は、一般に名目上規則的パターンを有する。別の態様では、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222の微細構造体は、典型的には、光学フィルムの(例えば、プリズム)構造体より小さい。例えば、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222の微細構造体は、典型的には、5マイクロメートル以下の山から谷までの平均高さを有するが、(例えば、プリズム)構造体は、典型的には、8、9、又は10マイクロメートル超の山から谷までの高さを有する。一部の実施形態では、2013年10月2日に出願された米国特許出願第61/885,723号に記載されるように、ディフューザー層(プライマー及び接着剤層を含む)の微細構造化表面は、1.5〜7.5マイクロメートルの範囲の表面粗さ(Rz)及び/又は0.75マイクロメートル〜4マイクロメートルの範囲の平均高さを有すると見なすことができ、同出願は参照により本明細書に援用される。別の態様では、光学フィルムの(例えば、プリズム)構造体は、実質的に同じ傾斜(例えば、約90度の頂角)を有するが、微細構造化(例えば、ディフューザー)層222は、異なる大きさの傾斜を有する微細構造体を有し、補完累積傾斜大きさ分布F
cc(θ)と呼ばれる。一部の実施形態では、微細構造化ディフューザーは、先述の2013年10月2日に出願された米国特許出願第61/885,723号に記載されるように傾斜大きさ分布F
cc(θ)を有する。多数の実施形態では、微細構造化ディフューザーの微細構造体の少なくとも(a least)90%は、20又は15度未満の傾斜大きさを有する。
【0022】
プライマー層225は、ポリアクリレート(例えば、感圧性)接着剤中に分散された少量の窒素含有ポリマーを含む。
【0023】
様々な窒素含有ポリマーを接着剤組成物で使用することができる。窒素含有ポリマーとしては、自由(即ち結合されていない)電子対を単独で又は隣接した二重結合の酸素原子との組み合わせで有する窒素原子を含むホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。
【0024】
理論に制限されるものではないが、一部の実施形態では、窒素含有ポリマーは、プライマー境界面で接着剤組成物中に存在するカチオン重合性モノマーの重合を防ぐことができると推測される。これは、次に接着剤がプライマー境界面でより低い弾性率を有し、ますます感圧性が高まる特性の傾きを有する接着剤層を作製する。接着剤は、第1の基材(の、例えばプリズム又は柱状体構造)と接触する反対側の接着剤層境界面の方向に硬さが増す。
【0025】
他の実施形態では、プライマー中の窒素含有ポリマーの包含は、PENなどの難接着基材への接着を改善することができる。窒素含有ポリマーが接着剤中に含まれるとき、窒素含有ポリマーの存在は、典型的には、接着剤の特性に、特に経時後に幾つかの影響を及ぼす。窒素含有ポリマーがプライマー中に存在するとき、接着剤は、酸素への露出、及び酸素への露出によって生じる分解産物からプライマーを保護する。
【0026】
プライマー層は、1つ又は2つ以上の窒素含有ポリマーを、プライマー組成物の少なくとも約0.5、1.0、2重量%(即ち、固形)の、及び典型的には、約10、9、8、7、6、又は5重量%以下の量で含む。ポリマーがコポリマーであるとき、更に高い濃度を使用してもよい。例えば、窒素含有モノマーと前述の窒素原子がない第2のコモノマーの重量比が1:1のコポリマーは、典型的には、その窒素含有ポリマーと比較して2倍の濃度で使用される。
【0027】
窒素含有ポリマーは、そのようなポリマーが調整されたモノマー種を超える重量平均分子量(Mw)を有する。例示の窒素含有モノマーとしては、例えば、ビニルカプロラクタム及びビニルピロリドン等のN−ビニル含有モノマー、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート等の窒素含有部分を含む(例えば、ペンダント)(メタ)アクリレートモノマー、並びにアクリロニトリルが挙げられる。エチルオキサゾリンは、更に別の窒素含有モノマーである。好適な窒素含有モノマー(所望によりコモノマーとの組み合わせ)を、ポリアクリレート及びプライマー組成物のその他の任意成分を添加する前に重合(例えば、インサイツ)することができる。
【0028】
様々な窒素含有ポリマーが、複数の提供元から市販されている。例えば、ビニルピロリドン(PVP)及び酢酸ビニル(VA)のコポリマーは、International Specialties Products(Wayne,N.J.)から商標表記「PVPNA」で、並びにBASF(Mount Olive,N.J.)から商標表記「Luviskol Va.」及び「Kollidon」で市販されている。ポリ(ビニルカプロラクタム)ホモポリマーは、BASFから商標表記「Luviskol Plus」で市販されている。更に、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、及びジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマーは、International Specialty Products(Texas City,Tex)から商標表記「Advantage S」で市販されている。エチルオキサゾリン及び置換エチルオキサゾリンの線状ポリマーもまた、International Specialty Productsから商標表記「Aquazol」で市販されている。更に、アクリロニトリル−スチレンコポリマー及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレンターポリマーは、Dow Chemicals(Midland,Mich)からそれぞれ商標表記「Tyril」及び「Magnum」で市販されている。一部の実施形態では、窒素含有ポリマーは重合性(例えば、エチレン性不飽和)基を欠く。
【0029】
窒素含有ホモポリマー又はコポリマーは、典型的には、例えば、ポリエチレンオキシド基準を参考にGPCで測定したときに少なくとも約2,000g/モルのMwを有する。多くの場合、Mwは、少なくとも5000、10000、15000、又は20000g/モルである。Mwは、最大約100万の範囲であり得るが、典型的には、Mwは、約500,000又は250,000g/モル以下である。窒素含有ポリマーの使用は、より低い残存モノマー含有量を有利にもたらすことができる。例えば、プライマー層の残存窒素含有モノマー含有量は、典型的には、50ppm未満、多くの場合、25ppm未満、及び好ましくは、10ppm未満である。
【0030】
好ましい実施形態では、特に光学フィルム又は光学品質が重要である他の物品を接着する場合に、窒素含有ポリマーは、ポリアクリレートプライマー組成物に可溶性である。窒素含有ポリマーは、接着剤のモノマーを重合した後でポリアクリレート(例えば、PSA)に添加される。「可溶性」によって、窒素含有ポリマーが、直径3インチ(8センチメートル)の試験管内の組成物を目視して検出できるよう光学的に均質の透明な溶液を形成するように、プライマー(溶媒を含む)のポリアクリレート構成成分に溶解することを意味する。均質かつ透明である可溶性窒素含有ポリマー(複数可)を含むプライマー組成物に加えて、そのような組成物はまた安定であり、これは、その組成物が周囲温度での6か月以上(例えば、1〜2年)の貯蔵後も分離しないことを意味する。
【0031】
基材が光学フィルムである実施形態では、接着剤は、光学接着剤と見なしてよいが、これは、未硬化及び硬化状態の一方又は両方において、光学的に透過性、例えば光学的に透明であることを意味する。光学的透明性によって、この接着剤が光学素子の加工に使用可能になる。加速経年変化試験で示させるように、接着剤はまた、通常使用条件下において有用な期間、光学的透明性、例えば透過率を維持することもできる。好ましい(例えば、未硬化)光学接着剤は、少なくとも約90%の視感透過率を示し得る。ASTM−D1003−95に従って測定するとき、硬化による硬化接着剤の光学的透明性は、同範囲内にあってよい。
【0032】
(ヘイズを増加させる好適な大きさの粒子を含まない)接着剤は典型的に、約2%未満のヘイズ及び約1%未満の不透明度を有する。しかしながら、(微細構造化表面層について前述のように)好適な大きさの粒子を、添加してヘイズを少なくとも2%、又は5%、又は10%まで増加させることができる。ほとんどの用途において、一般にヘイズは50、45、又は40%未満である。
【0033】
相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を含む硬化接着剤層は、接着された基材(例えば、光学積層体)と中間体の接着剤層に好ましい接着剤組成物である。好ましい接着剤組成物は、ポリアクリレートと、重合性モノマーとを含み、硬化されると、接着剤が相互貫入ポリマーネットワーク(IPN)を形成する。
【0034】
少なくとも2種類の相互貫入ポリマーネットワーク、構成成分間で反応しないもの、及び異なる構成成分間で反応して化学結合を形成するもの(相互反応IPN)がある、具体的には、IPNの一形態として、ポリアクリレートポリマー、及び、機械的に絡み合ったネットワークにポリマー鎖を交絡させる重合モノマー(例えば、エポキシ又は多(メタクリレート))が挙げられる。IPNの機械的絡み合いにより、接着剤に強度と一体性が付加され、相分離及び透明性の損失を防ぐことができる。本発明によるIPNの第2の形態として、エポキシ構成成分がポリアクリレート構成成分に直接的又は間接的に化学結合する、相互反応相互貫入ポリマーネットワークが挙げられる。ここで、重合性モノマーは、直接的又は間接的にポリアクリレートと反応できる反応性官能基を含む。例として、エポキシ基は、ポリアクリレート構成成分のヒドロキシ又は酸性官能基と直接的に反応する。あるいは、ポリアクリレート及びエポキシ構成成分は、二若しくは多官能性ポリマー、架橋剤、マクロマー、又はオリゴマーなどの中間体化学成分に化学結合できる。中間体化学成分は、エポキシ構成成分をポリアクリレートに化学的に連結し、IPNを生成する。
【0035】
プライマー層と接着剤層は両方とも、ポリアクリレートを含む。そのような(メタ)アクリレートモノマーのうち1つ又は2つ以上の少なくとも50重量%から調整されるポリマーは、まとめて「ポリアクリレート」と称される。本明細書では、アクリレートモノマーとメタクリレートモノマーは、まとめて(メタ)アクリレートモノマーと称される。ポリマーは、所望により、他の、ビニル不飽和のモノマー等の非(メタ)アクリレートエチレン性不飽和モノマーと組み合わせたホモポリマー又はコポリマーであってよい。ポリアクリレートは、接着剤の重合性モノマーと組み合わせる前に重合される。ポリアクリレートは、プライマーの窒素含有ポリマーと組み合わせる前に重合される。
【0036】
本発明に有用なポリアクリレートポリマーの特定例として、米国特許第5,252,694号、第5段、35〜68行に記載されるような、フリーラジカル重合性アクリレートモノマー又はオリゴマーから調製されるものが挙げられる。本発明は、任意の種々の異なる(メタ)アクリレートモノマー及びポリアクリレートを用いて実施できるが、好ましい実施形態では、ポリアクリレートは1つ以上の反応性官能基を含み、この官能基は反応して、ポリアクリレートを直接的又は間接的にエポキシ構成成分に連結できる、すなわち、ポリアクリレートをエポキシ構成成分に連結して相互貫入ポリマーネットワークを生成する。これら反応性官能基は、任意の周知の反応性基、例えばヒドロキシ(−−OH)基又は酸性(例えば、カルボキシル、−−COOH)反応性基であってよい。このような基を、例えば、アクリル酸モノマーなどのポリアクリレートの調製に適したモノマーに含めることにより、ポリアクリレートに含めてよい。あるいは、このポリアクリレートとエポキシとの間の相互反応は、二又は多官能性モノマー、例えば、エポキシアクリレートをポリアクリレートと反応できるグラフト基と共に用いることによって達成できる。有用なモノマー例としては特に、ただし非限定的に、以下の種類が挙げられる。
(i)1〜14個(好ましくは4〜14個)の炭素原子を含有するアルキルアルコール(好ましくは非第三級アルコール)のアクリル酸エステル(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソボルニル(isobomyl)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート、デシルアクリレート、及びドデシルアクリレートを含む)、
(ii)1〜14個(好ましくは4〜14個)の炭素原子を含有するアルキルアルコール(好ましくは非第三級アルコール)のメタクリル酸エステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、及びt−ブチルメタクリレートを含む)、
(iii)ポリヒドロキシアルキルアルコール、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、様々なブチルジオール類、様々なヘキサンジオール類、グリセロールの(メタ)アクリル酸モノエステル、生じたエステルは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと称される。
【0037】
プライマー層と接着剤層の両方のポリアクリレート構成成分のモノマー繰り返し単位は、一般に、ポリアクリレート構成成分が感圧性接着剤であるように選択される。
【0038】
幾つかの実施形態では、プライマー層は、ポリアクリレート感圧接着剤である。更に、接着剤のポリアクリレート構成成分もまた、感圧接着剤である。
【0039】
感圧性接着剤(PSA)組成物は、(1)積極的かつ永久的粘着、(2)指圧以下の圧力での接着、(3)被着体を放さない十分な能力、及び(4)十分な粘着力を含む特性を有することが、当業者には周知である。PSAとして良好に機能することが見出されている材料としては、必須の粘弾性特性を呈し、粘着、剥離接着、及び剪断保持力の所望のバランスをもたらすように設計及び処方されたポリマーが挙げられる。塗布温度、典型的には室温25℃での感圧性接着剤プライマーの弾性率は、1Hzの周波数で3×10
6ダイン/cm未満である。一部の実施形態では、塗布温度、典型的には室温(25℃)での感圧性接着剤プライマーの弾性率は、1Hzの周波数で2×10
6ダイン/cm又は1×10
6ダイン/cm未満である。
【0040】
接着剤層はまた、ポリアクリレート感圧性接着剤を含むが、接着剤層の重合性構成成分の硬化時、硬化接着剤層は、感圧性接着剤より高い弾性率を有する。接着剤のポリアクリレート構成成分はまた、典型的には、25℃でプライマーについて記載したように同じ弾性率特性を有する。
【0041】
ポリアクリレートのPSA特性は、典型的には、C4〜C12アルキル基を含む十分なモノマー繰り返し単位を含めることによってもたらされる。そのようなアルキル基は、典型的には分枝状である。幾つかの実施形態において、ポリアクリレートはイソオクチル繰り返し単位を含む。他の実施形態において、ポリアクリレートはブチル及び/又はヘキシル繰り返し単位を含む。更に他の実施形態において、ポリアクリレートは、C4〜C12アルキル基、例えばヘキシル及びブチルの組み合わせを含む。C4〜C12アルキルモノマー繰り返し単位の量(重量パーセント)は、ポリアクリレート中に存在するC4〜C12アルキル基の鎖長に応じて変わり得る。イソオクチルの場合、その濃度は、典型的には少なくともポリアクリレートの50〜60重量%である。しかしながら、C4〜C12アルキル基がオクチルより長い鎖長を有するとき、その濃度を低下させることができる。更に、C4〜C12アルキル基がオクチルより短い鎖長を有するとき、その濃度を上昇させることができる。したがって、C4〜C12アルキル繰り返し単位の濃度は、ポリアクリレートの約40〜約70重量%の範囲であってよい。
【0042】
共重合性モノマーを更に含む総接着剤組成物又は硬化接着剤層に関して、C4〜C12アルキル繰り返し単位、例えばイソオクチルの濃度は典型的に、約15〜50重量%の範囲である。
【0043】
またポリアクリレートは、典型的には、アクリル酸由来の繰り返し単位も含む。アクリル酸由来の繰り返し単位の濃度は、典型的には、0〜15重量%の範囲である。一実施形態において、エポキシモノマーのオキシラン部分は、ポリアクリレートのアクリル酸部分と共重合して、相互反応相互貫入ポリマーネットワークを形成する。
【0044】
十分なポリアクリレートを含めることによって、未硬化接着剤は、典型的には十分に感圧性である。これにより、例えば基材と基材に接着される材料(例えば別の基材)との間に、未硬化接着剤をうまくかつ正確に適用し、配置できる。その後、硬化性接着剤を硬化させ、構造接着をもたらすことができる。一部の実施形態では、接着剤が硬化された後で、硬化接着剤はもはや感圧性接着剤の特性を呈しない。
【0045】
接着剤組成物又は硬化接着剤層は、典型的には、少なくとも35又は40重量%のポリアクリレートを含む。更に、ポリアクリレートの濃度は、エポキシを接着剤層の重合性モノマーとして使用するとき、一般に70重量%又は75重量%以下である。しかしながら、多(メタ)アクリレートを接着剤層の重合性モノマーとして使用するとき、硬化接着剤層は、80、85、90、95、及び更に100%のポリアクリレートを含むことができる。接着剤組成物又は硬化接着剤層が充填材を含むとき、かかる濃度は、接着剤組成物又は硬化接着剤層の未充填部分のことである。
【0046】
プライマー層中のポリアクリレート感圧性接着剤の濃度は、一般に、少なくとも75、80、85、90、95以上のポリアクリレートである。プライマーは、他の有機又は無機構成成分を除外してポリアクリレート及び窒素含有ポリマーのみを含めることができる。
【0047】
接着剤組成物は、少なくとも1つの重合性モノマーを含む。幾つかの実施形態において、単一のモノマーが利用される。他の実施形態において、モノマーの混合物が使用される。モノマー又はモノマー混合物は、典型的には、周囲温度(例えば25℃)で液体であるが、一方ポリアクリレート構成成分は周囲温度で固体である。モノマーは、ポリアクリレートがモノマー中に溶解するように選択される。このように、重合性モノマーの1つの機能は、ポリアクリレートの反応性希釈剤として作用することである。理論に制限されるものではないが、硬化(一時的)に先だってポリアクリレートを希釈することで、ポリアクリレートの弾性率が低下し、一体型構造体を接着剤層に部分的に貫入しやすくさせる。
【0048】
未硬化接着剤(又は硬化接着剤の重合モノマー)中の重合性モノマーの濃度は、典型的には少なくとも20重量%又は25重量%である。更に、重合性モノマーの濃度は、典型的には60重量%又は65重量%以下である。
【0049】
好ましい実施形態では、重合性モノマーは、カチオン重合性基(エポキシ基等)を含む。重合性モノマーの分子量は、典型的には、カチオン重合性基あたり150g/モル未満、好ましくは官能基あたり145g/モル、又は140g/モル未満である。一部の実施形態において、カチオン重合性基数で除した重合性モノマーの分子量は、少なくとも110g/モル、115g/モル、又は120g/モルである。官能基あたりの重合性モノマーの分子量は、典型的には、少なくとも90g/モルである。
【0050】
本発明による使用に好適なエポキシ材料は、化学及び接着剤及び構造接着剤の技術分野における当業者によっても認められるであろう。このようなエポキシ材料として、カチオン重合性モノマーが挙げられ、様々なものが化学及び接着剤の技術分野において周知である。有用なエポキシ構成成分の一般例として、エポキシモノマー及びマクロマー、並びに多官能性エポキシ架橋剤が挙げられる。幾つかの実施形態において、エポキシモノマー又はマクロマーは脂肪族であり、環式脂肪族基を含んでよい。他の実施形態において、エポキシモノマー又はマクロマーは芳香族基を含む。ビスフェノールF及び特にビスフェノールAエポキシは、複数の供給元から市販されている。
【0051】
一実施形態において、接着剤の重合性モノマーは、Cytec Industries(Woodland Park,NJ)から商品名「Uvacure 1500」で市販されるような(例えば、環状)脂肪族エポキシモノマーである。
【0052】
少なくとも1つの反応開始剤を接着剤中に含め、接着剤を硬化させる。反応開始剤の典型量は、好ましい総接着剤組成物の約0.1〜約5重量部、約0.5〜約3重量部の範囲であってよい。
【0053】
有用なカチオン性光開始剤として、オニウム塩及び特定の有機金属錯体などの例を含む、硬化エポキシに有用な種々の周知の任意の材料が挙げられる。代表的な有機金属錯体の説明、並びに多くのエポキシ及びアクリレートとの使用については、例えば、米国特許第5,252,694号、同第5,897,727号、及び同第6,180,200号に見出すことができ、参考として本明細書に組み込まれる。
【0054】
代表的なオニウム塩は、構造体AXを有するとして説明されており、ここで、Aは、例えば、ジアゾニウム、ヨードニウム、及びスルホニウムカチオンから選択され、好ましくはジフェニルヨードニウム、トリフェニルスルホニウム、及びフェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムから選択される有機カチオンであってよく、Xは、オニウム塩の対イオンである、Xが有機スルホネート、又はハロゲン化金属若しくは半金属のものを含むアニオンである。
【0055】
特に有用なオニウム塩として、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、及びトリアリールスルホニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。オニウム塩の更なる例は、米国特許第5,086,086号、第4段、29〜61行に記載されており、その開示全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0056】
光増感剤を、硬化性接着剤組成物中に用いてよい。光増感剤を用いて、光開始剤の波長感度を変えてよい。光増感剤の代表例として、アントラセン、ベンゾフェノン、ペリレン、フェノチアジン、キサントン、チオキサントン、アセトフェノン、フルオレノン、アントラキノン、9−メチルアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、カンファキノン、及び1,3−ジフェニルイソベンゾフランが挙げられる。
【0057】
硬化性接着剤に含めることができるその他材料として、モノ−及びポリオール、粘着付与剤、補強剤、並びにその他変性剤が挙げられ、その一部は、フリーラジカル若しくはカチオン重合性モノマー、オリゴマー、若しくはポリマーと共重合でき、又は単独で重合できる。存在するとき、このような光学材料は、典型的には、5重量%又は10重量%以下で利用される。好ましい実施形態において、周囲温度で液体の粘着付与剤及び可塑剤を含めると弾性率が低下、及び/又は経年変化時のクリープが増加し得ることから、接着剤はそれらを含まない。
【0058】
一部の実施形態では、硬化接着剤組成物を動的機械分析によって特性化することができる。硬化接着剤の弾性率は、典型的には少なくとも100MPaである。幾つかの実施形態において、弾性率は、少なくとも200MPa、又は300MPa、又は400MPa、又は500MPaである。弾性率は、典型的には2000MPa以下である。25℃における弾性率(E’)は、少なくとも一部は、経年変化による白色度及び/又は貫入率の保持に関連して推測される。
【0059】
一部の実施形態では、25℃及びひずみ速度3%/分における平均強靭性は、典型的には少なくとも1MJ/m
3である。一部の実施形態では、平均強靭性は、少なくとも2、又は3、又は4、又は5MJ/m
3である。平均強靭性は、典型的には15MJ/m
3以下である。
【0060】
一部の実施形態では、硬化接着剤組成物の伸びは、少なくとも一部は、剥離強度に関連して推測される。幾つかの実施形態において、25℃及びひずみ速度3%/分における平均破断点伸びは、少なくとも15%又は20%であり、幾つかの実施形態において、少なくとも25%、50%、又は少なくとも約100%である。平均破断点伸びは、典型的には300%以下である。
【0061】
薄い接着剤層を得るために、接着剤コーティング組成物は、典型的には、溶媒(すなわち、反応性希釈剤ではない)を85%〜97%の範囲の量で含む。代表的な、好ましくは有機溶媒として、アセトン、メチル−エチル−ケトン、エチルアセテート、ヘプタン、トルエン、シクロペンタノン、メチルセロソルブアセテート、塩化メチレン、ニトロメタン、ギ酸メチル、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、及び1,2−ジメトキシエタン(グリム)が挙げられる。典型的なプロセスでは、乾燥によって溶媒が除去され、薄い接着剤が得られる。
【0062】
硬化性接着剤組成物は、ポリアクリレート構成成分、(例えば、エポキシ)重合性モノマー等を化合する従来の方法によって調整することができる。例えば、米国特許第5,252,694号、及び同第6,180,200号を参照されたい。
【0063】
(例えば、光学積層体)物品又は中間体を作製する方法は、一般に、直接コーティングにより基材の上にプライマー層を配置することと、プライマー層の上に接着剤層を(好ましくは直接コーティングにより)配置することと、を含む。あるいは、一部の実施形態では、接着剤を剥離ライナーに最初に塗布してもよく、これを次にプライマー層に接触させる。その後、剥離ライナーを剥がし、例えば、別の(例えば、光学フィルム)基材又は表面に接着できる、光学接着剤層2060の主表面(例えば、
図7A及び7Bの2061)を露出させてよい。光学接着剤層を剥離ライナーから剥がすための剥離力は、一般に約50重量g/インチ(0.2ニュートン/センチメートル)未満である。
【0064】
プライマー組成物及び硬化性接着剤組成物は、限定されないが、グラビアコーティング、カーテンコーティング、スロットコーティング、スピンコーティング、スクリーンコーティング、トランスファーコーティング、ブラシ又はローラーコーティングなどの任意の従来の適用法によって適用してよい。一部の実施形態では、プライマー層は、1/4波長又は1/4波長の倍数(例えば、1/2波長、3/4波長)の光学厚さを有する。この実施形態では、第2の光学基材とプライマー層の組み合わせ、又は微細構造化表面層とプライマー層の組み合わせは、反射防止をもたらし得る。典型的な実施形態では、(即ち、乾燥した)プライマー層及び(即ち、乾燥した)接着剤層は、少なくとも0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、又は1マイクロメートルの厚さを独立して有する。一部の実施形態では、(即ち、乾燥した)プライマー層及び(即ち、乾燥した)接着剤層は、少なくとも1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、又は5マイクロメートルの厚さを独立して有する。(即ち、乾燥した)接着剤層は、典型的には、プライマーを超える厚さを有する。一部の実施形態では、(即ち、乾燥した)プライマーと接着剤層の組み合わせは、約20、15、又は10マイクロメートル以下である。
【0065】
光学積層体を組み立てたら、典型的には光硬化によって接着剤を硬化させる。200〜800nmの領域の光をもたらす放射源は、本発明による接着剤の硬化に有効である。プライマーは、所望により、接着剤と同時に硬化されてもよい。好ましい領域は、250〜700nmである。好適な放射源としては、水銀蒸気放電灯、炭素アーク、石英ハロゲンランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、レーザー、太陽光等が挙げられる。重合をもたらすのに必要な露光量は、特定のフリーラジカル及びカチオン重合性モノマーの種類及び濃度、露光される材料の厚さ、基材の種類、放射源の強度、並びに放射に伴う熱量などの因子に依存し得る。
【0066】
光学構造物を作製する1つの方法において、方法は、プライマー層及び接着剤組成物を基材(の微細構造化表面等)に塗布することと、接着剤層と第1の表面との間に隔離部を形成する接着剤層に構造体が部分的に貫入するように突起構造体を基材と接触させることと、接着剤を硬化させることと、を含む。隔離部は、典型的には、空気が充填される。
図7A及び7Bに関して、(例えば、光学)接着剤層2060の主表面2061を含む平面の実質的な領域は、第2の基材又は第2の基材の(例えば、柱状体等の)構造体よりむしろ空気と接触する場合がある。この実施形態では、(例えば、光学)接着剤層2060の主表面2061の全表面積の50、40、30、20、又は10%未満は、第2の基材又は第2の基材の(例えば、柱状体等の)構造体と接触することができる。本明細書に開示される(光配向)光学フィルム及び光学積層体は、白色度の増加、個別の構成成分又は層の数の削減、及び全厚の低減が所望され得る任意の用途で使用できる。代表的な用途として、テレビ、コンピューターのモニター、投影機、携帯式ビデオプレイヤーなどの携帯式(potable)ディスプレイ、及び携帯電話などの手持ち式デバイスが挙げられる。他の代表的な用途として、大画面テレビなどの大型ディスプレイ、及び携帯電話のディスプレイなどの小型ディスプレイが挙げられる。他の代表的な用途として、画像若しくは情報を表示するディスプレイ、又は汎用照明光学システムが挙げられる。
【0067】
一部の実施形態では、光学フィルム積層体としては、ゲイン及び非プリズムの微細構造化ディフューザーを増加させるように設計された単一の光配向(例えば、プリズム)フィルムが挙げられる。他の実施形態では、光学積層体としては、ゲインを増加させるように設計された少なくとも2つの光配向(例えば、プリズム)フィルムが挙げられる。プリズムフィルムは、典型的には、第1のプリズムフィルムの先端部分が第2のプリズムフィルムの先端部分に直交するように積み重ねられる。一実施形態では、光学フィルム又は光学フィルム積層体は、例えば、国際公開第2011/130155号、同第2011/130144号、同第2011/130151号、及び同第2013/138495号に記載されるように光学不活性接着部分を含む。
【0068】
一実施形態では、第1の光学フィルムは、突出部、例えば、光を方向付ける、及び/又は再利用するための複数の一体型個別構造体を有する、光配向フィルムの光学活性構造体を有する光学部品を含む。軽量光学フィルムは、第1の光学フィルム又はプライマー層及びプライマー層上に配置された(例えば、光学)接着剤層を含むガラスの主表面等の表面に接着することができる。一体型個別構造体は、高い剥離強度を有する(例えば、光学)接着剤層に部分的に貫入する。光学的性質、例えば光学ゲイン又は実効光伝送の低下の原因となり得る、初期及び経年変化後の、構造体の光学接着剤に対する貫入率は、全く又はほとんど変化を呈しない。
【0069】
構造体は、主に光学ゲインをもたらすように設計される光学活性部分を含む。複数の構造体を含む様々な光学フィルムが周知である。好ましい一種類の構造体は、プリズム微細構造体である。
【0070】
幾つかの実施形態において、構造体全体(例えば、構造化表面)は光学的に活性である。好ましい実施形態において、第1の光学フィルム又は構造体の少なくとも一部は、接着部分を含む。接着部分は、接着剤層に貫入する。好ましい実施形態において、構造体の光学活性部分は、接着剤層に貫入しない。
【0071】
図3は、第1の構造化主表面110と、対向する第2の主表面120とを備える、光配向フィルム100の概略側面図である。第1の構造化主表面110は、複数の一体型個別構造体150を含む。各一体型個別構造体150は、上部、つまり接着部分170と、下部、つまり光配向部分160とを含む。本明細書で用いるとき、一体型構造体は、構造体の異なる部分又はセグメント間に、内部又は内側に物理的又は検出可能な界面がない一体型ユニットである構造体を指す。換言すれば、一体型構造体は、構造体の内部に、明確な界面、勾配界面、又は分配界面などのいかなる界面も含まない。幾つかの場合において、一体型構造体は同一の材料構成で作製されるが、これは、構造体内の異なる位置又は部分が、同一の材料構成、かつ同一の屈折率を有することを意味する。幾つかの場合において、一体型構造体は、不均一な材料構成又は屈折率分布を有してよい。例えば、幾つかの場合において、一体型構造体は、例えば、一体型構造体の厚さ方向に沿って勾配屈折率分布を有してよい。
【0072】
例えば、各一体型個別構造体150は、上部170と、下部160とを含み、上部と下部との間に、物理的な又は検出可能な界面がない一体型ユニットを形成する。幾つかの場合において、上部170及び下部160は、同一の材料構成を有してよい。そのような場合、2つの部分間に界面が検出できた場合、構造体はやはり非一体型であると考えられる。一体型構造体は、典型的には単一工程で製造又は作製されるが、これは、一体型構造体の作製プロセスが、合理的には、複数の又は別個の工程に分離し得ないことを意味する。しかしながら、幾つかの場合において、一体型構造体を2つ以上の工程で製造又は作製してもよい。非一体型又は複合材料構造体は、典型的には、複数の工程で製造される。
【0073】
一体型個別構造体150は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状を有してよい。例えば、幾つかの場合において、一体型個別構造体150は、例えば、四面体、プリズム若しくはピラミッドのような三次元の直線体、若しくはそのような体の一部分、又は例えば錘台などそのような体の組み合わせであってもよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの場合において、一体型個別構造体150は、例えば、球体、非球面、楕円体、回転楕円体、放物面、円錐、又は円筒のセグメントのような三次元の曲線体であってもよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの場合において、一体型個別構造体150の少なくとも一部は、プリズム状の形状を有する。
【0074】
一体型構造体150は個別であるが、これは、各一体型構造体が個々に識別でき、基材130上に配置される他の類似する一体型構造体から離れていることを意味する。各一体型個別構造体150は、主に光を方向付けするよう設計される光配向部分160を備える。光配向部分160は、他の機能を果たすように設計されてもよいが、光配向部分の主な機能は、例えば、光を屈折又は反射、例えば全反射することによって光の向きを変えることである。
【0075】
一般には、光配向部分160は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状を有してよい。例えば、幾つかの場合において、光配向部分160は、例えば、四面体、プリズム若しくはピラミッドのような三次元の直線体、若しくはそのような体の一部分、又は例えば錘台などそのような体の組み合わせであってもよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの場合において、光配向部分160は、例えば、球体、非球面、楕円体、回転楕円体、放物面、円錐、又は円筒のセグメントのような三次元の曲線体であってもよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの場合において、光配向部分160は、回転対称の弾丸型構造体を有してよい。
【0076】
光配向部分160は、複数の第1の側部小面162を備える。例えば、代表的な光配向フィルム100では、光配向部分160Aは、第1の側部小面162Aと、対向する第1の側部小面162Bとを備える。一般には、光配向部分160は、2つ以上の側部小面を有してよい。
【0077】
本明細書に開示される一体型個別構造体の光配向部分は、主に、例えば屈折又は反射によって光の方向を変えるよう設計される。
【0078】
例えば、
図4は、上部、つまり接着部分570と、下部、つまり光配向部分560とを備え、下部は第1の側部小面562A及び532Bを備え、主に光を方向付けるよう設計される、一体型個別構造体500の概略側面図である。例えば、光配向部分560は、光線540を光線542として方向付けるが、これは、側部小面562Bにおいて、光線540をまず全反射して光線541とし、次に、側部小面562Aにおいて、光線541を全反射して光線542とすることによるものである。別の例として、光配向部分560は、側部小面562Aにおいて、光線545を屈折することにより、光線546として光線545を方向付ける。
【0079】
図3を再度参照すると、光配向フィルム100の一体型個別構造体150の各光配向部分160は、光配向部分の最大断面である基部を有し、これは光配向フィルムの平面に平行であり、光配向部分の側部小面によって画定される。例えば、光配向部分160は、光配向フィルムの平面105に平行な方向に、光配向部分の最大断面である基部164を有し、これは側部小面162C及び162Dによって画定される。代表的な光配向フィルム100は、xy平面内に、光配向フィルムの平面105を画定する。
【0080】
代表的な光配向フィルム100において、基部164は、x方向に沿った最小寸法d
1を含む。一般には、光配向部分の基部の最小寸法は、ある用途に所望され得る任意の値又はサイズであってよい。例えば、幾つかの場合において、最小寸法d
1は、約500マイクロメートル未満、又は約400マイクロメートル未満、又は約350マイクロメートル未満、又は約300マイクロメートル未満、又は約250マイクロメートル未満、又は約200マイクロメートル未満、又は約150マイクロメートル未満、又は約100マイクロメートル未満、又は約90マイクロメートル未満、又は約80マイクロメートル未満、又は約70マイクロメートル未満、又は約60マイクロメートル未満、又は約50マイクロメートル未満、又は約40マイクロメートル未満、又は約30マイクロメートル未満、又は約20マイクロメートル未満であってよい。
【0081】
一般には、光配向部分の基部は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状、及び任意のサイズの最小寸法を有してよい。
【0082】
一般には、光配向部分の基部は線状であってよいが、これは、基部の線状方向に沿った基部の寸法、例えば平均寸法が、直交方向に沿った基部の寸法、例えば平均寸法よりも実質的に大きいことを意味する。例えば、そのような場合、線状方向に沿った基部の平均寸法の、直交方向に沿った基部の平均寸法に対する比は、少なくとも約10、又は少なくとも約50、又は少なくとも約100、又は少なくとも約500、又は少なくとも約1000である。幾つかの場合において、線状方向に沿った基部の、平均寸法の直交方向に沿った基部の平均寸法に対する比が、少なくとも約10,000であるようなとき、基部、及び光配向部分、及びその基部と関連する一体型個別構造体は、線状方向に沿った無限の、つまり制限のない範囲又は寸法、及び直交方向に沿った有限の、つまり制限のある範囲又は寸法を有すると考えることができる。幾つかの場合において、光配向部分の基部は、多角形などの直線形の形状であってよい。幾つかの場合において、この多角形は、矩形などの非正多角形、又は正三角形、正方形、正六角形、若しくは正八角形などの正多角形であってよい。幾つかの場合において、基部は、不等辺四辺形、台形、平行四辺形、菱形、又は三角形であってよい。幾つかの場合において、基部は、円形、楕円形、又は放物形などの曲線形の形状であってよい。
【0083】
光配向部分160は、基部164又は平面105に垂直な方向に、基部164と接着部分170との間の最大寸法又は最大距離である、最大高さh
1を有する。
【0084】
幾つかの場合において、光配向部分の各第1の側部小面は、光配向フィルムの平面と、約30度〜約60度の範囲の角度を成す。例えば、光配向フィルム100では、側部小面162Cは、光配向フィルムの平面105と角度α
1を成し、側部小面162Dは、光配向フィルムの平面105と角度α
2を成し、α
1及びα
2はそれぞれ、約30度〜約60度の範囲である。幾つかの場合において、光配向部分の各第1の側部小面は、光配向フィルムの平面と、約35度〜約55度、又は約40度〜約50度、又は約41度〜約49度、又は約42度〜約48度、又は約43度〜約47度、又は約44度〜約46度の範囲の角度を成す。幾つかの場合において、光配向部分の各第1の側部小面は、光配向フィルムの平面と、約45度の角度を成す。例えば、幾つかの場合において、角度α
1及びα
2はそれぞれ、約45度であってよい。
【0085】
図3に示されるように、好ましい実施形態では、一体型個別構造体150は、光配向フィルムを表面に接着するよう主に設計される接着部分170を備えてよい。幾つかの場合において、接着部分170は、他の機能を果たしてもよい、又は果たすように設計されてもよいが、光配向部分の主な機能は、光配向フィルムを、隣接する表面に、例えば接着剤層を介して接着することである。
図4参照すると、接着部分570は、光配向部分560と比べて光学的に不活性であるか、光学活性が実質的に低くてよい。接着部分170は、光配向部分160上に配置される。また接着部分170は、側部小面162上、かつ小面間に配置される。例えば、接着部分170Aは、側部小面162C及び162D上、かつ側部小面162Cと162Dとの間に配置される。
【0086】
一般には、接着部分170は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状を有してよい。例えば、幾つかの場合において、接着部分170は、例えば、四面体、プリズム若しくはピラミッドのような三次元の直線体、若しくはそのような体の一部分、又は例えば錘台などそのような体の組み合わせであってもよく、又はそれらを含んでもよい。幾つかの場合において、接着部分170は、例えば、球体、非球面、楕円体、回転楕円体、放物面、円錐、又は円筒のセグメントのような三次元の曲線体であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0087】
接着部分170は、複数の側部小面172を備える。例えば、代表的な光配向フィルム100では、接着部分170Aは、側部小面172Aと、対向する側部小面172Bとを備える。一般には、接着部分170は2つ以上の側部小面を有してよい。
【0088】
本明細書に開示される一体型個別構造体の接着部分は、主に、光配向部分を隣接する表面に接着するよう設計される。例えば、
図4を参照すると、一体型個別構造体500は、側部小面572A及び572Bを備え、光配向部分560をプライマー層600の隣接する表面595に、接着する又は付着させる接着部分570を含む。接着部分570の主な機能は、一体型個別構造体500又は光配向部分560を表面595に接着することである。一部の場合、又は用途では、接着部分570は光を方向付けすることもできる。例えば、接着部分570は、光線550を光線551として方向付けできるが、このような光配向機能は、接着部分の主な機能ではない。むしろ、光配向機能は接着部分の二次的機能である。
【0089】
本明細書に開示される一体型個別構造体の接着部分及び光配向部分は、多数の又は複数の側部小面を有する。一般には、本明細書に開示される側部小面は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状を有してよい。例えば、幾つかの場合において、側部小面は、平面部であってもよく、又はそれを備えてよい。
【0090】
光配向フィルム100の一体型個別構造体150の各接着部分170は、接着部分の最大断面である基部を有し、これは光配向フィルムの平面に平行であり、接着部分の側部小面によって画定される。基部174は、側部小面172によって画定される。例えば、接着部分170は、接着部分の最大断面である基部174を有し、これは光配向フィルムの平面105に平行であり、接着部分の側部小面172A及び172Bによって画定される。
【0091】
代表的な光配向フィルム100において、接着部分の基部174は、x方向に沿った最小寸法d
2を含む。一般には、接着部分の基部は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状、及び任意のサイズの最小寸法を有してよい。一般には、接着部分の基部は線状であってよいが、これは、基部の線状方向に沿った基部の寸法、例えば平均寸法が、直交方向に沿った基部の寸法、例えば平均寸法よりも、実質的に大きいことを意味する。例えば、そのような場合、線状方向に沿った基部の平均寸法の、直交方向に沿った基部の平均寸法に対する比は、少なくとも約10、又は少なくとも約50、又は少なくとも約100、又は少なくとも約500、又は少なくとも約1000である。幾つかの場合において、線状方向に沿った基部の平均寸法の、直交方向に沿った基部の平均寸法に対する比が、少なくとも約10,000であるようなとき、基部、接着部分、及びその基部と関連する一体型個別構造体は、線状方向に沿った無限の、つまり制限のない範囲又は寸法、及び直交方向に沿った有限の、つまり制限のある範囲又は寸法を有すると考えることができる。幾つかの場合において、接着部分の基部は、多角形などの直線形の形状であってよい。幾つかの場合において、この多角形は、矩形などの非正多角形、又は正三角形、正方形、正六角形、若しくは正八角形などの正多角形であってよい。幾つかの場合において、基部は、不等辺四辺形、台形、平行四辺形、菱形、又は三角形であってよい。幾つかの場合において、基部は、円形、楕円形、又は放物形などの曲線形の形状であってよい。
【0092】
図3を再度参照すると、接着部分170は、基部174又は光配向フィルムの平面105に垂直な方向に、基部174と接着部分の上面との間の最大寸法又は最大距離である、最大高さh
2を有する。一般には、本明細書に開示される接着部分の高さは、1つ以上の方向に沿って様々であってよい。一般には、開示される線状一体型個別構造体の高さは、一体型個別構造体の長さに沿って一定であっても、様々であってもよい。幾つかの場合において、接着部分の各側部小面は、光配向フィルムの平面と、約60度超の角度を成す。幾つかの場合において、接着部分の各側部小面は、光配向フィルムの平面と、約65度超、又は約70度超、又は約75度超、又は約80度超、又は約85度超の角度を成す。
【0093】
幾つかの場合において、本明細書に開示される光配向フィルム中の各一体型個別構造体は複数の側部小面を備え、光配向フィルムの平面と、約35度〜約55度、又は約40度〜約50度、又は約41度〜約49度、又は約42度〜約48度、又は約43度〜約47度、又は約44度〜約46度の範囲の角度を成す側部小面が、一体型個別構造体の光配向部分を形成又は画定し、光配向フィルムの平面と、約60度超、又は約65度超、又は約70度超、又は約75度超、又は約80度超、又は約85度超の角度を成す側部小面が、一体型個別構造体の接着部分を形成又は画定する。
【0094】
幾つかの場合において、一体型個別構造体の接着部分の基部の最小寸法は、一体型個別構造体の光配向部分の基部の最小寸法よりも実質的に小さい。例えば、
図1を参照すると、幾つかの場合において、最小寸法d
2は、最小寸法d
1よりも実質的に小さい。例えば、そのような場合、最小寸法d
2は、最小寸法d
1の約20%未満、又は約18%未満、又は約16%未満、又は約14%未満、又は約12%未満、又は約10%未満、又は約9%未満、又は約8%未満、又は約7%未満、又は約6%未満、又は約5%未満、又は約4%未満、又は約3%未満、又は約2%未満、又は約1%未満である。
【0095】
幾つかの場合において、接着部分170は、1超のアスペクト比を有する。例えば、幾つかの場合において、接着部分170の最大高さh
2との、接着部分の第2の最小寸法d
2に対する比は、1超である。例えば、そのような場合では、比h
2/d
2は、少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6、又は少なくとも約1.8、又は少なくとも約2、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3、又は少なくとも約3.5、又は少なくとも約4、又は少なくとも約4.5、又は少なくとも約5、又は少なくとも約5.5、又は少なくとも約6、又は少なくとも約6.5、又は少なくとも約7、又は少なくとも約8、又は少なくとも約9、又は少なくとも約10、又は少なくとも約15、又は少なくとも約20である。
【0096】
別の実施形態において、第1の光学フィルムは、接着部分を欠く複数の構造体を含む。このような実施形態では、実質的に構造体全体が光学的に活性であってよい。
【0097】
例えば、
図5A及び5Bは、基材2120上に配置され、y方向に沿って直線状に延在する、複数の線状プリズム状構造体2110を備える光配向フィルム2100の概略立体図である。
【0098】
接着部分を欠く複数の構造体を含む第1の光学フィルムの別の例において、
図6は、複数の線状プリズム状構造体(例えば、4320、4330、4340)を備える光配向フィルム4300の別の概略立体図である。プリズム状構造体が同一の高さを有さないという点で、
図6は
図5A及び5Bと異なる。むしろ、プリズム部分は、隣接するプリズムよりも大きい高さを有する。
図6にあるように、この実施形態において、プリズム状構造体の先端部は同一平面上にない。
【0099】
一体型個別構造体(例えば、150、500、4320)は、ある用途に所望され得る任意の屈折率を有し得る。例えば、幾つかの場合において、一体型個別構造体の屈折率は、約1.4〜約1.8、又は約1.5〜約1.8、又は約1.5〜約1.7の範囲である。幾つかの場合において、一体型個別構造体の屈折率は、約1.5以上、約1.55以上、約1.6以上、約1.65以上、約1.7以上である。
【0100】
一般には、光配向部分は、多数の側部小面を有してよい。幾つかの場合において、線状一体型個別構造体の場合などでは、各光配向部分は、2つの対向する側部小面を備えてよい。
【0101】
図3を再度参照すると、光配向部分160の対向する側部小面162は、2つの対向する側部小面間の角度である、夾角θ
1を画定する。幾つかの場合において、夾角θ
1は、約60度〜約120度、又は約65度〜約115度、又は約70度〜約110度、又は約75度〜約105度、又は約80度〜約100度、又は約85度〜約95度の範囲である。幾つかの場合において、夾角θ
1は、約88度、又は約89度、又は約90度、又は約91度、又は約92度である。
【0102】
光配向部分160Aの側部小面162Aは、光配向フィルム100又は光配向フィルムの平面105に垂直である法線180と、角度θ
3を成す。幾つかの場合において、光配向部分の側部小面と、光配向フィルムの法線との間の角度θ
3は、約30度〜約60度、又は約35度〜約55度、又は約40度〜約50度、又は約42度〜約48度、又は約43度〜約47度、又は約44度〜約46度の範囲である。
【0103】
今説明した様々な角度は、
図5〜6のような、接着部分を欠く一体型構造体を含む光配向フィルムにも適用できる。
【0104】
接着部分170の対向する側部小面172は、2つの対向する側部小面間の角度である夾角θ
2を画定する。幾つかの場合において、接着部分の2つの対向する側部小面間の夾角θ
2は、約40度未満、又は約35度未満、又は約30度未満、又は約25度未満、又は約20度未満、又は約15度未満、又は約12度未満、又は約10度未満、又は約9度未満、又は約8度未満、又は約7度未満、又は約6度未満、又は約5度未満、又は約4度未満、又は約3度未満、又は約2度未満、又は約1度未満である。幾つかの場合において、接着部分170の対向する側部小面172は互いに平行である。そのような場合、2つの対向する側部小面間の夾角は、ゼロである。
【0105】
接着部分170の側部小面172は、光配向フィルム100又は光配向フィルムの平面105に垂直である法線181と、角度θ
4成す。幾つかの場合において、接着部分170の側部小面172と、光配向フィルム100の法線181との間の角度θ
4は、約0度〜約40度、又は約0度〜約35度、又は約0度〜約30度、又は約0度〜約25度、又は約0度〜約20度、又は約0度〜約15度、又は約0度〜約10度、又は約0度〜約5度の範囲である。
【0106】
幾つかの場合において、一体型個別構造体150の光配向部分の側部小面は、光配向フィルム100の法線、例えば法線180と角度θ
3を成し、同一の一体型個別構造体の接着部分の側部小面は、光配向フィルム100の法線、例えば法線180と角度θ
4を成す。幾つかの場合において、θ
4は、θ
3未満である。幾つかの場合において、θ
4は、θ
3よりも、少なくとも約5度、又は約10度、又は約15度、又は約20度、又は約25度、又は約30度、又は約35度、又は約40度小さい。
【0107】
幾つかの場合において、光配向フィルムの光配向部分は、実質的に同じ最大高さを有してよい。例えば、光配向部分160は、実質的に同じ最大高さh
1を有してよい。幾つかの場合において、少なくとも2つの光配向部分が、同じでない最大高さを有してよい。
【0108】
幾つかの場合において、開示される光配向部分の最大高さは、約500マイクロメートル未満、又は約400マイクロメートル未満、又は約300マイクロメートル未満、又は約200マイクロメートル未満、又は約100マイクロメートル未満、又は約90マイクロメートル未満、又は約80マイクロメートル未満、又は約70マイクロメートル未満、又は約60マイクロメートル未満、又は約50マイクロメートル未満、又は約40マイクロメートル未満、又は約30マイクロメートル未満、又は約20マイクロメートル未満、又は約15マイクロメートル未満、又は約10マイクロメートル未満である。
【0109】
図3を再度参照すると、各接着部分170は、接着部分の複数の側部小面172を連結する上面190を含む。幾つかの場合において、上面190は、実質的に平面であってよい。一般には、接着部分の上面は、ある用途に所望され得る任意の形状、例えば任意の規則的又は不規則な形状、及び輪郭を有してよい。例えば、幾つかの場合において、接着部分の上面は実質的に区分平面である。
【0110】
幾つかの場合において、この面が平面であるようなとき、光配向フィルムの平面と、約60度、又は約65度、又は約70度、又は約75度、又は約80度、又は約85度を超える角度を成す光配向フィルムの接着部分の小面は、接着部分の側部小面を形成し、光配向フィルムの平面と、約60度、又は約55度、又は約50度、又は約45度、又は約40度、又は約35度、又は約30度、又は約25度、又は約20度、又は約15度、又は約10度未満の角度を成す接着部分の小面は、接着部分の上面を形成する。
【0111】
一般には、光配向フィルム中の一体型個別構造体は、ランド部分を有しても、有さなくてもよい。幾つかの場合において、光配向フィルム中の複数の一体型個別構造体のうち、少なくとも一部の一体型個別構造体は、光配向フィルムの垂直方向に対称な断面形状を有し、ここで対称な一体型個別構造体とは、一体型個別構造体の光配向部分及び接着部分が、対称形状を有することを意味する。例えば、一体型個別構造体は、一体型個別構造体の結合部分及び光配向部分が対称形状を有する場合、一体型個別構造体の他の部分、例えばランド部分が非対称形状を有する場合であっても、対称形状を有すると見なされる。幾つかの場合において、光配向フィルム中の複数の一体型個別構造体のうち、少なくとも一部の一体型個別構造体は、光配向フィルムの垂直方向に非対称な断面形状を有する。
【0112】
第1の光学フィルムを、光透過性接着剤層によって基材(例えば、第2の光学フィルム)に接着し、光学積層体を形成する。
【0113】
図7A及び7Bは、光配向フィルム2010上に配置される光学フィルム2090を含み、光配向フィルム2010が本明細書に開示される任意の光配向フィルムであってよい、光学積層体2000の概略側面図である。光配向フィルム2010は、第1の構造化主表面2020と、対向する第2の主表面2025とを含む。第1の構造化主表面2020は、基材2005上に配置される複数の一体型個別構造体2030を含む。少なくとも一部の一体型個別構造体はそれぞれ、主に光を方向付けするための光配向部分2040と、主に光配向フィルムを光学フィルム2090に接着するための接着部分2050とを備える。代表的な光学積層体2000の場合などの幾つかの場合において、光配向フィルム2010少なくとも一部の接着部分2050の少なくとも一部分が、光学フィルム2090に貫入し、光配向フィルム2010の少なくとも一部の光配向部分2040の少なくとも一部分は、光学フィルム2090に貫入しない。そのような場合、光学積層体2000は、光配向フィルム2010と光学フィルム2090との間に複数の未充填空隙2015を含み、ここで未充填空隙は、空気及び/又はガスを含んでよい。幾つかの場合において、複数の未充填空隙2015のうち少なくとも一部はそれぞれ、光学フィルム2090、及び2つ以上の隣接する一体型個別構造体2030の部分によって画定される領域(一体型個別構造体2030は光学フィルムに貫入せず、この領域を直接取り巻く)を実質的に占める。例えば、そのような場合、未充填空隙は、光学フィルム2090、及び光学フィルムに貫入しない2つ以上の隣接する一体型個別構造体2030の部分によって画定される領域の少なくとも50%、又は少なくとも60%、又は少なくとも70%、又は少なくとも80%、又は少なくとも90%を占める。例えば、線状一体型個別構造体2030の場合、未充填空隙2015は、光学フィルム2090の上面、線状一体型個別構造体2030Aの、光学フィルムに貫入していない右側部分2021、線状一体型個別構造体2030Bの、光学フィルムに貫入していない左側部分2022によって画定される領域を実質的に占める。
【0114】
第2の光学フィルム2090は、光学層2070、光学層2070上に配置されるプライマー層2075、及びプライマー層2075上に配置される光学接着剤層2060を含む。光配向フィルム2010の接着部分2050の、光学フィルムに貫入する一部は、光学接着剤層に貫入する。光学接着剤層2060は、大気環境又は光配向部分2040の周囲環境を実質的に維持しながら、光配向フィルム2010を光学層2070又は光学層2070の主表面2071に付着又は接着する。幾つかの場合において、接着部分2050が高いアスペクト比を有し、光学フィルム2090と光配向フィルム2010との間に強い接着をもたらすことができる。幾つかの実施形態では、光学接着層2060は、光学フィルム2090のプライマー層2075に直接接着している。他の実施形態では、光学層2070は、
図7Bに示すようにプライマー層2075を含む微細構造化(例えば、ディフューザー)表面層2076を更に含む。
【0115】
光学接着剤層に貫入する接着部分2050は、平均最大高さh
2,avgを有するが、これは、光学接着剤層に貫入した個々の接着部分の最大高さh
2の平均である。幾つかの場合において、h
2,avgは、光学接着剤層2060の平均厚さh
3よりも大きい。例えば、そのような場合、h
2,avgは、h
3よりも少なくとも0.2マイクロメートル、又は少なくとも0.3マイクロメートル、又は少なくとも0.4マイクロメートル、又は少なくとも0.5マイクロメートル、又は少なくとも0.7マイクロメートル、又は少なくとも1マイクロメートル、又は少なくとも1.2マイクロメートル、又は少なくとも1.5マイクロメートル、又は少なくとも1.7マイクロメートル、又は少なくとも2マイクロメートル大きい。
【0116】
個々の接着部分の平均高さが光学接着剤層の平均厚さh
3よりも大きいとき、接着部分の高さによって、構造体の光学活性部分と接着剤層との間に物理的隔離部が生じ得る。この隔離部又は空気界面は維持されるか又は実質的に不変であるが、ただし、積層体の通常使用間に接着剤組成物が流動しないか、又は「クリープ変形」しないことを条件とする。このような使用は、高温における、所望により高湿と組み合わせる経年変化試験の利用によってシミュレーションできる。
【0117】
あるいは、個々の接着部分の平均高さが光学接着剤層の平均厚さh
3より小さいとき、貫入深さ、及び積層体の通常使用間にかかる貫入率を維持することによって、構造体の光学活性部分と接着剤層との間に隔離部を設ける。
【0118】
一実施形態では、光学接着剤層は、約3〜6マイクロメートルの平均の厚さh
3を有し、接着部分は、約4マイクロメートルの平均最大高さh
2,avgを有する。
【0119】
一般には、光学フィルム基材2070などの基材(例えば、130、2005、2120、4310)は、任意の光学層を含み、ある用途に所望され得る任意の機能をもたらしてよい。例えば、幾つかの場合において、基材は、主に他の層の支持体を提供してよい。別の例として、開示される基材は、例えば、反射偏光子若しくは吸収偏光子を備えて偏光する、光学拡散体を備えて光を拡散する、光配向フィルムを備えて光を方向付ける、又は向きを変えることができる。
【0120】
例えば、幾つかの場合において、光学層2070は吸収偏光子であってもよく、又はそれを備えてよい。別の例として、幾つかの場合において、光学フィルム2090又は光学層2070は、反射偏光子を備えてよい。幾つかの場合において、反射偏光子は、層の少なくとも幾つかが複屈折性である多層光学フィルムを備えてよい。幾つかの場合において、反射偏光子は、交互層の少なくとも1つが複屈折材料を備える交互層を備えてよい。幾つかの場合において、反射偏光子は、ワイヤグリッド反射偏光子又はコレステリック反射偏光子を備えてよい。幾つかの場合において、反射偏光子は、ファイバー偏光子であってもよく、又はそれを備えてよい。そのような場合、反射偏光子は、結合剤内に埋め込まれるファイバーの1つ又は2つ以上の層を形成する複数のほぼ平行なファイバーを含み、結合剤及びファイバーの少なくとも一方は、複屈折材料を含む。実質的に平行なファイバーは、透過軸及び反射軸を画定する。ファイバー偏光子は、透過軸に対して平行に偏光された入射光を実質的に透過し、反射軸に対して平行に偏光された入射光を実質的に反射する。ファイバー偏光子の例は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,599,592号及び同第7,526,164号に記載されている。
【0121】
別の例として、光学層2070は、例えば、光学フィルム2090の支持体を提供するための基材であってもよく、又はそれを備えてよい。例えば、基材2070は、ガラス、並びに/又はポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、及びアクリルなどのポリマー製の光透過性基材を備えてよい。幾つかの場合において、基材は複数の層を有し得る。幾つかの場合において、光学層2070は、液晶パネルのガラス層であってよい。
【0122】
接着剤層の好ましい厚さは、基材20170の組成によって変わり得る。例えば、基材がポリカーボネートなどの表面薄層を含むとき、接着剤層の厚さは、接着部分の平均高さを超える、好ましくは2〜4マイクロメートルである。
【0123】
好ましい実施形態において、光学層2070は、
図5〜6のように複数の線状プリズム状構造体を備える(例えば第2の)光配向フィルム2100であってもよく、又はそれを備えてよい。そのような場合、光配向フィルム2010の一体型個別構造体2030は、線状プリズム状構造体2110の線状方向に垂直の方向に延びる線状構造体であってもよい。光学層2070が、複数の線状プリズム状構造体を備える第2の光配向フィルムであり得る、又はそれを含み得る実施形態では、プリズム状構造体は、通常、表面2072、すなわち、光学層2070の接着剤層2060に対して反対側の表面上に存在する。プリズムは、典型的には、第1の光学フィルムのプリズム状構造体にほぼ直交して位置する。プリズムの他の相対位置が望ましい場合もある。
【0124】
好ましい実施形態において、接着部分2050は、初期及び経年変化後の両方において、白色度などの光学的性質の損失が全く又はほとんどない状態で、光配向フィルム2010を光学フィルム2090又は表面2071にしっかりと固定できる。特に、接着部分は、光配向フィルムと光学フィルムとの間の接着力を高めるため、十分に高いアスペクト比を有して、外面を十分にもたらす。接着部分は、光配向フィルム及び/又は光学積層体の実効透過率の低下が全く又はほとんどないように、光配向部分の幅に対して十分に狭くもある。本明細書で用いるとき、実効透過率(ET)又は光学ゲインは、例えば、光学システム中の所定の場所にフィルムを有するディスプレイシステムなどの光学システムの輝度の、所定の場所にフィルムを持たない光学システム輝度に対する比である。
図7では、接着部分2050、例えば(例えばプリズム)構造体の先端部から延びる柱状体を含む、それぞれの個別(例えばプリズム)構造体を示しているが、他の実施形態において、光配向フィルム中の一部の個別構造体が接着部分と光配向部分とを有することができ、他の一部の個別構造体が接着部分を有さず、光配向部分のみを有してもよい。例えば、
図8は、基材3310上に配置される第1の複数の一体型個別構造体3320と、第2の複数の個別構造体3330とを備える、光配向フィルム3300の概略側面図である。一体型個別構造体3320は、主に光配向フィルムを表面に接着するよう設計される接着部分3340と、主に光を方向付けするよう設計される光配向部分3350とを備え、夾角3355を有する。個別構造体3330は、接着部分を備えず、プリズム状であり、かつ先端部角度3365を有する光配向部分3360のみを備える。幾つかの場合において、先端部角度3365及び夾角3355は、実質的に同等であってよく、例えば約90度であってよい。一般には、一体型個別構造体は、本明細書に開示される任意の一体型個別構造体であってよく、個別構造体3330は、光の方向付けが可能な任意の個別構造体であってよい。幾つかの場合において、一体型個別構造体3320及び個別構造体3330は、例えばy方向などの同一方向に沿って延在する線状構造体であってよい。代表的な光配向フィルム3300では、個別構造体の行は、一体型個別構造体3320と個別構造体3330とが交互に並ぶ。一般には、一体型個別構造体3320及び個別構造体3330はそれぞれ、ある用途に所望され得る任意の模様又は配列を形成してよい。例えば、個別構造体3320及び3330は、規則的、例えば周期的な模様、又は不規則的、例えばランダムな模様を形成してよい。
【0125】
図9、光学接着剤層3420を介してプライマー層600を備える表面3410に積層される光配向フィルム3300を備える光学積層体3400の概略側面図である。一体型個別構造体3320の接着部分3340は、光学接着剤層3420に少なくとも部分的に貫入し、光配向フィルム3300と表面3410との間をしっかりと固定する。代表的な光学積層体3400では、個別構造体3330は光学接着剤層に貫入しないが、幾つかの場合において、少なくとも一部の個別構造体3330の一部が、光学接着剤層に貫入してよい。光配向フィルム3300は、十分な数の接着部分3340を備え、光配向フィルム3300と表面3410との間に十分な接着力を与える。同時に、接着部分3340の数又は密度は、光学積層体3400の光学ゲイン又は実効透過率の低下が全く又はほとんどないように、十分に低い。
【0126】
一部のみが接着部分を備える個別(例えばプリズム)構造体は、一般に、初期及び経年変化後に最大白色度とともに最大剥離力を得るのに好ましい。
【0127】
接着部分2050は、光学フィルムに十分に貫入させることにより、光配向フィルム2010と光学フィルム2090との間に十分な接着力をもたらすように主として設計される。2枚のフィルム間に十分な接着力をもたらす一方で、接着部分は、光配向フィルム2010又は光学積層体2000の実効透過率への影響が全く又はほとんどないように、十分に狭い。例えば、幾つかの場合において、接着部分2050又は一体型個別構造体2030が、光学接着剤層2060又は光学フィルム2090に貫入していないこと以外は光学積層体2000と類似する光学積層体は、同じ実効透過率、又は光学積層体2000の実効透過率よりわずかに大きいだけの実効透過率を有する。幾つかの場合において、経年変化前の光学積層体2000の実効透過率は、接着剤及び接着部分を欠く同じ光学積層体と比較して、低くないか、又は約20%、若しくは約15%、若しくは約10%、若しくは約9%、若しくは約8%、若しくは約7%、若しくは約6%、若しくは約5%、若しくは約4%、若しくは約3%、若しくは約2%、若しくは約1%以下だけ低い。
【0128】
しかしながら、他の実施形態において、個別(例えばプリズム)構造体は、(例えばプリズム)構造体の先端部から延びる柱状体などの接着部分2050を欠く。例えば、光路変更フィルムは、前述の
図5A、5B及び6で示すように、光学活性構造体のみを含んでよい。このような光学積層体構造物は、典型的には、接着剤で覆われていることで光学的に不活性となる光学活性構造体の一部(先端部)によって、ゲインがより低いものの、経年変化後の白色度保持度が高いこと、又は接着剤層の構造体貫入率が変化しないか、若しくは少ないことと相まって剥離強度が改善されていることから、かかる構造物は依然として改善されている。
【0129】
一般には、光学接着剤層2060を含む光路変更フィルム2010を、それが接着される基材、例えば光学フィルム2090から分離する剥離強度は、光学積層体2000が、接着部分2050を光学フィルム2090から層間剥離又は分離せずに単一のフィルム又はユニットとして取り扱うことができるように、しっかりした接着をもたらすほど十分に高い。幾つかの場合において、光路変更フィルム2010及び光学接着剤層2060の初期剥離強度(即ち、高温及び高湿条件において経年変化させていない)は、少なくとも30g/インチ(0.12N/センチメートル)である。
【0130】
接着剤組成物(例えば、接着剤層2060)は、剥離強度によって測定するとき、光学積層体が改善された接着力を有するように選択される。初期剥離力は、少なくとも50グラム/インチ(0.20ニュートン/センチメートル)、又は約75グラム/インチ(0.29ニュートン/センチメートル)、又は約100グラム/インチ(0.4ニュートン/センチメートル)、幾つかの実施形態では、少なくとも約150グラム/インチ(0.58ニュートン/センチメートル)、又は約175グラム/インチ(0.676ニュートン/センチメートル)、又は約200グラム/インチ(0.8ニュートン/センチメートル)である。幾つかの実施形態において、剥離強度は、600、700、又は800グラム/インチ(2、2.7、3ニュートン/センチメートル)以下である。剥離強度が1000グラム/インチ(4ニュートン/センチメートル)に近づくと、通常は、光学フィルム又は接着された基材が破断する結果となる。
【0131】
更に、光学積層体の剥離強度は、経年変化後、先ほど記載した基準内に含まれる。幾つかの実施形態では、経年変化に伴って剥離強度が低下し得るが、初期剥離強度がより高いことによって、そのような低下が起こる場合でも、光学積層体は改善された剥離強度を有する。
【0132】
幾つかの場合において、開示される一体型個別構造体の光配向部分は、例えば、観察者によって見られる画像の白色度を増加又は高めるように、光を再利用するように設計される。例えば、
図10は、画像を形成し、かつその画像を観察者1990に対して表示できる画像形成パネル1950を備え、照明システム1905から光を受光するよう配置されるディスプレイシステム1900の概略側面図である。照明システム1905は、導光板1920と、導光板に入射し、内部全反射によって導光板内に伝搬し、画像形成パネルに向けて光1940として導光板を出射する光1936を発光するためのランプ1930と、画像形成パネルに向けて背面反射体に入射する光を方向変換するための背面反射体1910と、を備える光源1915上に配置された光学積層体2000を備える。光配向部分2040は、導光板1920から出射する光の方向を画像形成パネル1950に向かって変更するか、又は導光板から出射する光を再利用のために反射するように、主として設計される。例えば、光配向部分2040は、導光板1920を出射する光1941の方向を、画像形成パネル又は観察者に向けて光1942として変更する。別の例として、光配向部分2040は、導光板を出射する光1943を受光し、再利用のため、受光した光を光1944として全反射する。
【0133】
一般には、画像形成パネル1950は、画像を形成し、その画像を観察者1990に表示できる任意の種類のパネルであってよい。幾つかの場合において、画像形成パネル1950は、液晶パネルであってもよく、又はそれを含んでもよい。そのような場合、液晶画像形成パネル1950は、2枚のパネル板、例えばガラス板の間に配置された液晶の層と、液晶層の上に配置された上部光吸収偏光子層と、液晶層の下に配置された下部吸収偏光子とを含んでよい。上部及び下部光吸収偏光子と液晶層とが相まって、観察者1990への光の透過を制御する。ある場合には、画像形成パネル1950は、複数の画像形成タイルを備えるモノリシック画像形成パネル又はタイル状画像形成パネルであってよい。幾つかの場合において、光源1915は、複数の光源タイルを備えるモノリシック光源又はタイル状光源であってよい。幾つかの場合において、ディスプレイシステム1900は、モノリシック画像形成パネル1950と、タイル状光源1915とを備える。タイル状光源1915は、別々に制御される複数のタイル状導光板1920を備えてよく、ここで各導光板は、表示画像の異なる領域を照射できる。
【0134】
幾つかの場合において、ディスプレイシステム1900又は照明システム1905は、光学積層体2000と導光板1920との間に配置される1つ以上の任意層1935を備えてよい。代表的な任意層1935として、光拡散層及び偏光遅延層が挙げられる。
【0135】
一般には、開示される光配向フィルムは、複数の一体型個別構造体を備える第1の構造化主表面と、第1の構造化主表面に対向する第2の主表面とを含む。幾つかの場合において、開示される光配向フィルムは、主に、光配向フィルムの第2の主表面側から光を受光するように設計される。例えば、
図10の光配向フィルム2010は、主に、第2の主表面2025から光を受光し、第1の構造化主表面2020から光を放射又は透過させるように設計される。
【0136】
あるいは、開示される一体型個別構造体の光配向部分は、光の再利用ではなく、方向を変更するように設計される。一般には、開示される光配向フィルムは、複数の一体型個別構造体を備える第1の構造化主表面と、第1の構造化主表面に対向する第2の主表面とを含む。幾つかの場合において、開示される光配向フィルムは、主に、光配向フィルムの第1の構造化主表面側から光を受光するように設計される。
【0137】
幾つかの場合において、第2の主表面(例えば
図3の120)は複数の構造体を備え、例えば、光を拡散し、ダスト粒子若しくは傷などの欠陥を隠すかマスキングし、及び/又はモアレなどの望ましくない光学効果が現われるのを低減するのに役立つ。
【0138】
図11は、第1の基材3010上に配置される複数の一体型個別構造体3030を備える光配向フィルム3020と、光配向フィルムに面する主表面3018、及び光配向フィルムから外方向に向く、対向する主表面3019を有するプライマー層3017を含む第2の基材3015と、光配向フィルム3020と第2の基材3015との間に配置され、光配向フィルムを第2の基材の表面3018に接着又は粘着させる光学接着剤層3025とを含む、光学積層体3000の概略側面図である。
【0139】
各一体型個別構造体3030の部分3040は、光学接着剤層3025に貫入し、一体型個別構造体の貫入部分3040と称することができる。各一体型個別構造体3030の部分3045は、光学接着剤層3025に貫入せず、一体型個別構造体の非貫入部分3045と称することができる。貫入した一体型個別構造体はそれぞれ、光学積層体に垂直(z方向)に最も長い貫入距離である貫入深さ3050を画定する。例えば、一体型個別構造体3030Aは貫入深さPD
1を有し、一体型個別構造体3030Bは貫入深さPD
2を有する。また、各一体型個別構造体は、一体型個別構造体の貫入部分3040と非貫入部分3045との間の境界面3056において、貫入基部3054も画定する。貫入基部3054は、幾つかの場合において、x軸に沿った貫入基部の幅であり得る最小貫入基部寸法3058を有する。例えば、一体型個別構造体3030Aは最小貫入基部寸法MD
1を有し、一体型個別構造体3030Bは最小貫入基部寸法MD
2を有する。複数の一体型個別構造体3030は、平均貫入深さ及び平均最小貫入基部寸法を有する。例えば、一体型個別構造体3030A及び3030Bは、平均貫入深さPD
avg((PD
1+PD
2)/2に等しい)及び平均最小貫入基部寸法MD
avg((MD
1+MD
2)/2に等しい)を有する。平均貫入深さの平均最小貫入基部寸法に対する比は、光配向フィルム3020と表面3018との間に十分な接着力をもたらすように、十分に大きい。幾つかの場合では、平均貫入深さの平均最小貫入基部寸法に対する比(即ち、初期及び経年変化後)は、少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6、又は少なくとも約1.8、又は少なくとも約2、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3、又は少なくとも約3.5、又は少なくとも約4、又は少なくとも約4.5、又は少なくとも約5、又は少なくとも約5.5、又は少なくとも約6、又は少なくとも約6.5、又は少なくとも約7、又は少なくとも約8、又は少なくとも約9、又は少なくとも約10、又は少なくとも約15、又は少なくとも約20である。
【0140】
各一体型個別構造体3030は、最小基部寸法3032を有する基部3031を含み、ここで基部3031は、光配向部分3070の基部でもある。例えば、一体型個別構造体3030Aの基部は最小基部寸法BMD
1を有し、一体型個別構造体3030Bの基部は最小基部寸法BMD
2を有する。複数の一体型個別構造体3030は、平均最小基部寸法を有する。例えば、一体型個別構造体3030A及び3030Bは、平均最小基部寸法BMD
avg((BMD
1+BMD
2)/2に等しい)を有する。平均最小貫入基部寸法MD
avgは、光学積層体3000の実効透過率の低下が全く又はほとんどないように、平均最小基部寸法BMD
avgよりも十分に小さい。例えば、幾つかの場合において、平均最小貫入基部寸法は、平均最小基部寸法の約20%、又は約15%、又は約10%、又は約9%、又は約8%、又は約7%、又は約6%、又は約5%、又は約4%、又は約3%、又は約2%、又は約1%未満である。
【0141】
光学積層体3000は、光学接着剤層3025と光配向フィルム3020との間に複数の空隙3060を含む。幾つかの場合において、空隙は個別であるが、これは、各空隙が個々に識別でき、かつ他の空隙から離れていることを意味する。幾つかの場合において、個別空隙は、上部が光学接着剤層3025、底部が光配向フィルム3020、一側面が一体型個別構造体の非貫入部分、及び反対側が隣の又は隣接する一体型個別構造体の非貫入部分によって、画定される。空隙は、典型的には空気で満たされ、それによって光学活性構造体(例えば3030)と空気界面を形成する。
【0142】
貫入部分3040又は一体型個別構造体3030の光学接着剤層3025への貫入により、光学積層体3000の実効透過率の低下が全く又はほとんどないという結果がもたらされる。例えば、そのような場合、光学積層体3000の初期平均実効透過率(即ち、高温及び高湿条件において経年変化させていない)は、一体型個別構造体が光学接着剤層3025に貫入していないこと以外は同一の構成を有する光学積層体と比較して、10%、又は約9%、又は約8%、又は約7%、又は約6%、又は約5%、又は約4%、又は約3%、又は約2%、又は約1%以下減少する。
【0143】
各一体型個別構造体3030は、主に光を方向付けするよう設計される光配向部分3070と、主に光配向フィルム3020を表面3018又は第2の基材3015に接着させるよう設計される接着部分3080とを備える。幾つかの場合において、各一体型個別構造体の接着部分の少なくとも一部分は光学接着剤層3025に貫入し、各一体型個別構造体の光配向部分の少なくとも一部分は光学接着剤層に貫入しない。白色度を高めるため効果的に光を方向付けるのが望まれる場合など幾つかの場合において、接着部分3080の少なくとも一部分のみが光学接着剤層3025に貫入し、光配向部分3070の一部は光学接着剤層3025に全く又はほとんど貫入しない。
【0144】
第1の複数の一体型個別構造体の各一体型個別構造体3030の部分は、光学層3025に貫入する。第1の複数の一体型個別構造体の各一体型個別構造体3030の部分は、光学層3025に貫入しない。第1の複数の一体型個別構造体の各一体型個別構造体(例えば、一体型個別構造体3030A)は、貫入深さ(例えば、PD
1)、及び一体型個別構造体の貫入部分と非貫入部分との間の境界面(例えば、境界面3056)において、貫入基部(例えば、貫入基部3054)を画定する。貫入基部は、最小貫入基部寸法(例えば、MD
1)を有する。第1の複数の一体型個別構造体3030は、平均貫入深さ及び平均最小貫入基部寸法を有する。平均貫入深さの平均最小貫入基部寸法に対する比は少なくとも1.5であり、光配向フィルム3020と光学層3025との間の剥離強度は、約50グラム/インチ(0.2ニュートン/センチメートル)を超える。
【0145】
第1の複数の一体型個別構造体中の全ての構造体は、一体型である。更に、各構造体の一部分のみが光学層3025に貫入することで、平均貫入深さ及び平均最小貫入基部寸法が得られる。加えて、平均貫入深さの平均最小貫入基部寸法に対する比は、少なくとも約1.2、又は少なくとも約1.4、又は少なくとも約1.5、又は少なくとも約1.6、又は少なくとも約1.8、又は少なくとも約2、又は少なくとも約2.5、又は少なくとも約3、又は少なくとも約3.5、又は少なくとも約4、又は少なくとも約4.5、又は少なくとも約5、又は少なくとも約5.5、又は少なくとも約6、又は少なくとも約6.5、又は少なくとも約7、又は少なくとも約8、又は少なくとも約9、又は少なくとも約10、又は少なくとも約15、又は少なくとも約20である。
【0146】
幾つかの場合において、光配向フィルム3020は第2の複数の一体型個別構造体を備えてよく、ここで第2の複数の一体型個別構造体の少なくとも1つの一体型個別構造体は、光学層3025に貫入しない。例えば、第2の複数の構造体の一部の一体型個別構造体は、光学層3025に貫入しないように、構造体3030より十分に短くてよい。例えば、
図9を参照すると、第1の複数の一体型個別構造体は構造体3320を備え、第2の複数の一体型個別構造体は、構造体3320より短いことから光学層3420に貫入しない構造体3330を備えてよい。幾つかの場合において、光配向フィルム3020は、複合材料であって一体型ではない第2の複数の構造体を備えてよい。
【0147】
有効透過率(ET)は、
図12に概略側面図で示すような光学システム3700を使用して測定することができる。光学システム3700は、光軸3750の中心に配置され、放射面又は出射面3712を通ってランバート光3715を放射する中空のランバート光箱3710と、光3715を偏光する線状光吸収偏光子3720と、光検出器3730とを含む。光箱3710は、光ファイバー3770によって光箱の内部3780と接続された、安定化された広帯域光源3760によって光照射される。そのETが光学システムの測定対象である試験サンプル3705は、光箱と吸収線状偏光子との間の位置3740に配置される。
【0148】
試験サンプル3705は、本明細書に開示される任意の光配向フィルム又は光学積層体であってよい。例えば、試験サンプル3705は、y方向に沿って延在する複数の線状一体型個別構造体150を有する光配向フィルム100であってよい。光配向フィルム100のETは、位置3740に、一体型個別構造体150を光検出器に向け、第2の主表面120を光箱に向けた状態で光路変更フィルムを置くことにより、測定できる。次に、スペクトル重み付けされた軸方向輝度I
1(光軸3750に沿った輝度)を、線状吸収偏光子を通じて、光検出器によって測定する。次に、光配向フィルム100を取り外し、光配向フィルムが位置3740に配置されていない状態で、スペクトル重み付けされた輝度I
2を測定する。ETは、比I
1/I
2である。ET0は、線状一体型個別構造体150が線状吸収偏光子3720の偏光軸と平行の方向に沿って延在する場合の実効透過率であり、ET90は、線状一体型個別構造体150が線状吸収偏光子の偏光軸に対して垂直の方向に沿って延在する場合の実効透過率である。平均実効透過率(ETA)は、ET0とET90との平均である。幾つかの実施形態において、本明細書に記載する光学フィルム中間体又は光学フィルム積層体の平均実効透過率(ETA)は、少なくとも1.2、1.4、又は1.6である。光学積層体が第1及び第2の光学フィルムを含むとき、各々は、主に光学ゲインをもたらすために設計される光学活微細構造体を含み、光学フィルム積層体の平均実効透過率(ETA)は、少なくとも2.10、又は2.15、又は2.20、又は2.25、又は2.35であり得る。
【0149】
特に、接着剤組成物は、経年変化後の貫入率及び平均実効透過率(すなわちゲイン)が、実質的に変更しないように選択される。経年変化条件は多種多様であってよい。特に定めのない限り、本明細書で用いるとき、「経年変化」は、65℃かつ相対湿度95%に維持された試験用チャンバ内で、少なくとも200時間、幾つかの実施形態において少なくとも500時間の間実施される、加速環境下経年変化を指す。
【0150】
好ましい実施形態において、平均実効透過率(すなわちゲイン)は、65℃かつ相対湿度95%の状態に光学積層体を200時間置くとき、5%以下の光学ゲインの減少を示す。幾つかの実施形態において、光学ゲインの減少は、4%、3.5%、3%、2.5%、2%、又は1.5%以下である。
【0151】
ゲインの減少は、経年変化に伴う貫入率(PD)の変化に、少なくとも一部関連する。貫入率がわずか1.8マイクロメートル変化すると、光学ゲインが約8%減少する結果となり得ることが判明している。本明細書に記載する具現化された微細構造体では、かかる変化とは、貫入率の62%増加であってよい。幾つかの実施形態において、経年変化による貫入率の変化は全くない。他の実施形態において、貫入率の変化は、5%、又は10%でよく、更に50%以下であってよい。幾つかの実施形態において、貫入率の変化は、45%、40%、35%、30%、又は25%以下である。
【0152】
ゲインの減少は、経年変化によって接着剤が変形(例えばクリープ)し、それによって光学活性部分の大部分を覆うことに起因する場合もある。
【0153】
本発明の幾つかの利点を以下の実施例によって更に説明するが、実施例に記載される特定の材料及びその量並びに他の条件及び詳細は、本発明を不要に限定するものと解釈すべきではない。本明細書における百分率及び比率は全て、特に明記されていない限り重量基準である。本実施例で列挙される特定の材料、量、及び寸法、並びにその他の条件及び詳細は、過度に本発明を制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0154】
以下の材料の一覧は、実施例全体を通して参照される。
【0155】
【表1】
【0156】
実施例に用いた光学フィルム:
第2の光学フィルム−フィルムAは、2つの活性光学面を有する光学フィルムであった。表面Aは、米国特許出願公開第2009/0041553号に記載のプロセスに従って作製したマスターツールを用いて、米国特許第5,175,030号、及び同第5,183,597号に記載のプロセスに従って製造したプリズムフィルムであった。反対側の表面(表面B)は、2013年10月2日に出願された米国特許出願第61/885,723号に記載されるように、ツール4から調整された微細構造化ディフューザー層であった。
【0157】
第1の光学フィルム−フィルムBは、米国特許第5,175,030号、及び同第5,183,597号に記載のプロセスに従って製造したプリズムフィルムであった。具体的には、フィルムBは、米国特許出願公開第2013/0004728号に記載されるプリズムフィルムの種類の一例である。フィルムBの代表的な概略側面図を
図13に示す。光配向フィルム4400は、第1の複数の線状対称な一体型個別構造体4420と、第2の複数の線状対称な個別構造体4460とを備えた。構造体4420及び4460をy方向に沿って延在させ、基材4410上に配置した。基材4410は、厚さ約29マイクロメートル及び屈折率約1.65のPETで作製した。硬化構造体4420及び4460の屈折率は、約1.56であった。各一体型個別構造体に、主に光配向フィルムを表面に接着するように設計される接着部分4430を備え、主に光を方向付け、再利用するように設計される光配向部分4440上に配置した。個別構造体4460は任意の接着部分を備えず、主に光を方向付け、再利用するように設計された。一体型個別構造体4420を個別構造体4460と交互に配置した。
【0158】
各接着部分4430は、xy平面(光配向フィルムの平面)と約80〜85度の角度ω
1を成した2つの対向する側部小面4432を備えた。各接着部分は、最小基部寸法t2が約1.5(±0.5)マイクロメートルで、最大高さt1が約4(±0.5)マイクロメートルの基部4434を有した。各接着部分は、最小上面寸法t3が約0.2(±0.2)マイクロメートルの湾曲した又は丸形の上面も備えた。各光配向部分4420は、xy平面(光配向フィルムの平面)と約45度の角度ω2を成した2つの対向する側部小面4422を備えた。各光配向部分は、最小基部寸法t5が約24マイクロメートルで、最大高さt4が約12マイクロメートルの基部4444を有した。一体型個別構造体4420の接着部分4430の先端部と、個別構造体4460の先端部との間のz軸オフセット高さの差は、7マイクロメートルであった。光配向フィルム4400の平均実効透過率ETAは、約1.63であった。
【0159】
接着剤コーティング溶液Aの調製:
コーティング溶液を、2,950gのポリアクリレートPSA、288gのUvacure 1500、48gのジエチルフタレート、40gのFP5386、1.25gのAdditol ITX、4,328gのエチルアセテート、984gのメタノール、1,375gのトルエンを混合することによって調整した。このコーティング溶液は、乾燥すると、化学放射に曝すことにより硬化され、相互貫入ネットワーク(IPN)を形成できる溶媒系接着剤である。乾燥した接着剤の組成を表1にまとめる。
【0160】
【表2】
【0161】
プライマーコーティング溶液Bの調製:
コーティング溶液を、555gのポリアクリレートPSA、6.09gのLuviskol Plus、1439gの1−メトキシ−2−プロパノールを混合することによって調整した。このコーティング溶液は、溶媒型接着剤プライマーを表す。乾燥したプライマーの組成を表2にまとめる。
【0162】
【表3】
【0163】
プライマーコーティング溶液Cの調製:
コーティング溶液を、279gのポリアクリレートPSA、4.08gのLuvitec VPC 55K 65W、735gの1−メトキシ−2−プロパノールを混合することによって調整した。このコーティング溶液は、溶媒型接着剤プライマーを表す。乾燥したプライマーの組成を表3にまとめる。
【0164】
【表4】
【0165】
プライマーコーティング溶液Dの調製:
コーティング溶液を、1.24gのCYMEL 327、277gのRD1241、及び721gの1−メトキシ−2−プロパノールを混合することによって調整した。このコーティング溶液は、溶媒型接着剤プライマーを表す。乾燥したプライマーの組成を表4にまとめる。
【0166】
【表5】
【0167】
比較実施例1(プライマーなし)幅6インチ(15.2cm)のスロット型ダイと26フィート/分(7.92m/分)のウェブ速度を用いて、フィルムAの平面B側に溶液Aをコーティングした。溶液は、歯車駆動ポンプを使用して流速24.5cc/分で送り出した。コーティングされたフィルムを、150°F(65.6℃)の温度及び25°F(−3.9℃)の露点で維持された対流式オーブン内で乾燥し、このオーブンの長さは30フィート(9.14m)であった。乾燥した接着剤の公称厚さは、3.3マイクロメートルであった。
【0168】
接着剤コーティングされたフィルムAを次に、ラミネーションステーションに運搬し、実施例1のように、フィルムBのプリズムの先端部分がフィルムAのプリズムの先端部分に直交(orthoganol)するようにフィルムBの構造化面に積層した。
【0169】
積層化光学積層体の初期光学ゲイン及び剥離力は、後述の試験方法に従って測定した。表5は、積層化光学積層体の初期をまとめている。
【0170】
比較実施例2(窒素含有樹脂を含む接着剤)幅6インチ(15.2cm)のデュアルマニホールドスロット型ダイと26フィート/分(7.92m/分)のウェブ速度を用いて、コーティング溶液A及びDを、同時に供給した。溶液は、歯車駆動ポンプを用いて、特定の流速で送り出した。コーティングされたフィルムを、150°F(65.6℃)の温度及び25°F(−3.9℃)の露点で維持された対流式オーブン内で乾燥し、このオーブンの長さは30フィート(9.14m)であった。
【0171】
コーティング溶液Dを、基材フィルムAの表面B上にコーティングした。コーティング溶液Aを次に、溶液D上にコーティングした。コーティング溶液Dを、流速6.65cc/分で送り出した。コーティング溶液Aを、流速44.5cc/分で送り出した。乾燥した接着剤層の公称総厚は、3.3マイクロメートルであった。
【0172】
接着剤コーティングされたフィルムAを、ラミネーションステーションに運搬し、フィルムBのプリズムの先端部分がフィルムAのプリズムの先端部分に直交するようにフィルムBの構造化面に積層した。ラミネータを、スチールロールに対してニップされるゴムのロール(40のショアーAデュロメータ)で構成したが、そのニップ圧は、約1.3重量ポンド/インチ(2.3N/cm)で維持された。
【0173】
積層化光学積層体の初期光学ゲイン及び剥離力は、後述の試験方法に従って測定した。表5は、積層化光学積層体の初期をまとめている。
【0174】
(実施例1)
幅6インチ(15.2cm)のデュアルマニホールドスロット型ダイと26フィート/分(7.92m/分)のウェブ速度を用いて、コーティング溶液A及びBを、同時に供給した。溶液は、歯車駆動ポンプを用いて、特定の流速で送り出した。コーティングされたフィルムを、150°F(65.6℃)の温度及び25°F(−3.9℃)の露点で維持された対流式オーブン内で乾燥し、このオーブンの長さは30フィート(9.14m)であった。
【0175】
コーティング溶液Bを、基材フィルムAの表面B上にコーティングした。コーティング溶液Aを次に、溶液B上にコーティングした。コーティング溶液Bを、流速6.65cc/分で送り出した。コーティング溶液Aを、流速44.5cc/分で送り出した。乾燥した接着剤層の公称総厚は、3.3マイクロメートルであった。
【0176】
接着剤コーティングされたフィルムAを、ラミネーションステーションに運搬し、フィルムBのプリズムの先端部分がフィルムAのプリズムの先端部分に直交するようにフィルムBの構造化面に積層した。ラミネータを、スチールロールに対してニップされるゴムのロール(40のショアーAデュロメータ)で構成したが、そのニップ圧は、約1.3重量ポンド/インチ(2.3N/cm)で維持された。
【0177】
積層化光学積層体の初期光学ゲイン及び剥離力は、後述の試験方法に従って測定した。表5は、積層化光学積層体の初期及び経時的な性能をまとめている。
【0178】
(実施例2)
幅6インチ(15.2cm)のデュアルマニホールドスロット型ダイと26フィート/分(7.92m/分)のウェブ速度を用いて、コーティング溶液A及びCを、同時に供給した。溶液は、歯車駆動ポンプを用いて、特定の流速で送り出した。コーティングされたフィルムを、150°F(65.6℃)の温度及び25°F(−3.9℃)の露点で維持された対流式オーブン内で乾燥し、このオーブンの長さは30フィート(9.14m)であった。
【0179】
コーティング溶液Cを、基材フィルムAの表面B上にコーティングした。コーティング溶液Aを次に、溶液C上にコーティングした。コーティング溶液Cを、流速6.65cc/分で送り出した。コーティング溶液Aを、流速44.5cc/分で送り出した。乾燥した接着剤層の公称総厚は、3.3マイクロメートルであった。
【0180】
接着剤コーティングされたフィルムAを、ラミネーションステーションに運搬し、フィルムBのプリズムの先端部分がフィルムAのプリズムの先端部分に直交するようにフィルムBの構造化面に積層した。ラミネータを、スチールロールに対してニップされるゴムのロール(40のショアーAデュロメータ)で構成したが、そのニップ圧は、約1.3重量ポンド/インチ(2.3N/cm)で維持された。
【0181】
積層化光学積層体の初期光学ゲイン及び剥離力は、後述の試験方法に従って測定した。表5は、積層化光学積層体の性能をまとめている。
【0182】
光学ゲインの測定:
各フィルム又はフィルム積層体を、拡散透過性の中空の光箱の上部に置いた。光箱の拡散透過及び拡散反射は、おおよそランベルト型であった。光箱は、約0.6mmの厚さの拡散PTFE板から作製された、12.5cm×12.5cm×11.5cmの寸法の六面中空矩形立体であった。箱の1つの面をサンプル表面として指定した。中空光箱は、サンプル表面で測定し、400〜700nmの波長範囲全体にわたり平均したとき、約0.83%の拡散反射率を有した。ゲイン試験中、箱の、サンプル表面の反対側の表面にある直径約1cmの円孔を介して、サンプル表面に向けて方向付けた光で内部から箱を照射した。この照明は、光を方向付けるために用いられる光ファイバーバンドルに取り付けられている安定化広帯域白熱光源(Schott North America(Southbridge MA)から、直径1cmのファイバーバンドル延長部付きFostec DCR−IIIとして入手可能)によって提供された。線状吸収偏光子(CVI Melles Griot(Albuquerque NM)からMelles Griot 03 FPG 007として入手可能)を、ロータリーステージ(Aerotech,(PittsburghPA)からART310−UA−G54−BMS−9DU−HCとして入手可能)上に取り付け、サンプルとカメラとの間に置いた。カメラの焦点を、0.28mの距離にある光箱のサンプル表面に合わせ、吸収偏光子をカメラレンズから約1.3cmに配置した。偏光子を適所に置き、サンプルフィルムなしで測定した、照射された光箱の輝度は、150cd/m
2超であった。サンプル輝度を、Vis−NIR光ファイバーケーブル(StellarNet Inc(Tampa,FL)からF1000−Vis−NIRとして入手可能)を介してコリメートレンズに接続されたEPP2000スペクトロメーター(StellarNet Inc(Tampa,FL)から入手可能)で測定し、スペクトロメーターは、サンプルフィルムがサンプル表面上に置かれたとき、箱のサンプル表面の平面に対して垂直入射で配置された。コリメートレンズは、鏡筒(Thorlabs(Newton,NJ)からSM1L30として入手可能)及び平凸レンズ(Thorlabs(Newton,NJ)からLA1131として入手可能)からなり、この構成を組み立てて、検出器において5mmの焦点スポットサイズを得た。光学ゲインは、サンプルフィルムを適所に置いたときの輝度の、サンプルが存在しないときの光箱の輝度に対する比として測定した。全てのフィルムについて、サンプルの向きに対して0、45、及び90度の偏光子角度で光学ゲインを測定した。0及び90度で測定した平均光学ゲイン値を報告する。
【0183】
光学積層体の剥離強度の測定:
剥離力を、IMASS SP−2000テスタ(IMASS Inc.(Accord MA)から入手可能)を用いて測定した。幅1インチ(2.54cm)、長さ約10インチ(25.4cm)のテストストリップを、下側プリズムフィルムのプリズムの向きに平行に切断した。積層体ストリップを、幅1インチ(2.54cm)のScotch両面テープ(3M Company(St.Paul,MN)からScotch 665として入手可能)を用いて、テスタの台に接着した。テスタを、180度剥離力を測定するように設定した。下側プリズムフィルムの平面側がテスタの台に接着し、上部フィルムが天秤に接着するようにサンプルを向けた。ロードセルの能力は、10重量ポンド(44.5N)とした。12インチ/分(30.5cm/分)の速度の剥離力を測定した。初期遅延2秒後にデータを収集した。次に、20秒間の試験時間にわたって測定値を平均した。各ストリップサンプルについて、最低2回連続の20秒間測定値を収集した。2枚のストリップについて、それぞれ2回測定した計4回の測定値のデータを平均した。
【0184】
【表6】
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[30]に記載する。
[項目1]
ポリアクリレートと重合性モノマーとの反応生成物の相互貫入ネットワークを含む硬化接着剤層によって第2の光学フィルムの微細構造化表面層に接着される第1の光学フィルムを含み、前記第2の光学フィルムが前記硬化接着剤層と前記第2の基材の前記微細構造化表面層との間に配置されるプライマー層を更に含み、前記プライマー層がポリアクリレートと窒素含有ポリマーとを含む、光学フィルム積層体。
[項目2]
前記第1の光学フィルムが、前記硬化接着剤層によって前記第2の光学フィルムの前記微細構造化表面層に接着される第1の表面上に主に光学ゲインをもたらすよう設計される光学活性部分を含む複数の構造体を、前記構造体の一部が前記接着剤層に貫入して、前記硬化接着剤層と前記第1の表面との間に隔離部を設けるようにして、含む、項目1に記載の光学フィルム積層体。
[項目3]
前記第1の光学フィルム又は構造体の少なくとも一部が、前記接着剤層に貫入する接着部分を含む、項目2に記載の光学積層体。
[項目4]
前記構造体の光学活性部分が、前記接着剤層に貫入しない、項目3に記載の光学積層体。
[項目5]
前記構造体が、プリズム微細構造体を含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目6]
前記プリズムの少なくとも一部が、前記プリズムの先端部から延在し、光学不活性接着部分として機能する柱状体を含む、項目5に記載の光学積層体。
[項目7]
前記光学積層体が、少なくとも1.8の光学ゲインを有する、項目1〜6のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目8]
前記硬化接着剤層と前記第1の表面との間の前記隔離部が、空気界面をもたらす、項目1〜7のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目9]
前記硬化接着剤層が、25℃において100〜2000MPaの範囲の弾性率を有する、項目1〜8のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目10]
前記窒素含有ポリマーが、自由電子対を含む少なくとも1つの窒素原子を含む、項目1〜9のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目11]
前記硬化接着剤層が、窒素含有モノマー又はポリマーを含まない、項目1〜10のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目12]
前記プライマー層が、最大5重量%までの1つ又は2つ以上の窒素含有ポリマーを含む、項目1〜11のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目13]
前記窒素含有ポリマーが、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、又はそれらの組み合わせのホモポリマー又はコポリマーである、項目1〜12のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目14]
前記接着剤層の前記重合性モノマーが、カチオン重合性基あたり150g/モル未満の分子量を有するカチオン重合性基を含むモノマーを含む、項目1〜13のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目15]
前記硬化接着剤層の前記重合性モノマーがエポキシ樹脂である、項目1〜14のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目16]
前記硬化接着剤層が、光活性化カチオン性反応開始剤を更に含む、項目14又は15に記載の光学積層体。
[項目17]
前記硬化接着剤層が、約35重量%〜約75重量%の前記ポリアクリレートを含む、項目1〜16のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目18]
前記硬化プライマー層が、少なくとも75重量%の前記ポリアクリレートを含む、項目1〜17のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目19]
前記プライマー層、接着剤層、又はそれらの組み合わせの前記ポリアクリレートが感圧性接着剤である、項目1〜18のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目20]
前記プライマー層、接着剤層、又はそれらの組み合わせの前記ポリアクリレートが、分枝状のC4〜C12アルキル基を含むモノマー繰り返し単位を少なくとも40重量%含む、項目1〜19のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目21]
前記微細構造化表面層が、複数のピークを含み、前記ピークが艶消粒子を含まない、項目1〜20のいずれか一項に記載の光学積層体。
[項目22]
基材と、前記基材上に配置されたプライマー層と、前記プライマー層上に配置された接着剤層と、を含み、前記プライマー層が、ポリアクリレートと、窒素含有ポリマーと、を含み、前記接着剤層が、ポリアクリレート構成成分を含む、物品。
[項目23]
前記接着剤が、第2の基材又は剥離ライナーに更に接着される、項目22に記載の物品。
[項目24]
少なくとも1つの基材が、微細構造化表面層を更に含み、前記プライマー層が前記微細構造化表面層に接着される、項目22又は23に記載の物品。
[項目25]
前記微細構造化表面層が、複数のピークを含み、前記ピークが艶消粒子を含まない、項目24に記載の物品。
[項目26]
前記基材が、光学基材である、項目22〜25のいずれか一項に記載の物品。
[項目27]
前記接着剤が、前記ポリアクリレートと重合性モノマーとの前記反応生成物の相互貫入ネットワークを含む、項目22〜26のいずれか一項に記載の物品。
[項目28]
前記物品が、項目9〜20のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、項目22〜27のいずれか一項に記載の物品。
[項目29]
基材をプライマー層でコーティングする工程であって、前記プライマー層が、ポリアクリレートと、窒素含有ポリマーと、を含む工程と、
前記プライマー層の上に接着剤層を配置する工程であって、前記接着剤組成物がポリアクリレート構成成分を含む工程と、を含む、基材を作製する方法。
[項目30]
項目23〜28のいずれか一項又は組み合わせによって更に特徴付けられる、項目29に記載の方法。