(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
a.ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.前記第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL*色および10未満の60度光沢値を有する、多層フィルム。
前記第1のポリイミド層が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、請求項2に記載の多層フィルム。
前記第1のポリイミド層が、2〜9マイクロメートルの平均粒径を有するカーボンブラックである、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、請求項2に記載の多層フィルム。
前記第1のポリイミド層の反対側の前記第2のポリイミド層または前記第3のポリイミド層の表面において、前記第2のポリイミド層または前記第3のポリイミド層と直接接触する接着層をさらに含む、請求項8に記載の多層フィルム。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、容認できる電気特性、機械的特性、ならびに取り扱いおよび回路処理に対する耐久性を保持しながら、30未満の所望のL
*色および10未満の60度光沢を達成する多層フィルムに関する。多層フィルムは、第1のポリイミド層と、第2のポリイミド層とを含む。
【0007】
また「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用は、本発明の要素および成分を記載するために使用される。これは便宜上、および本発明の一般的な意味を与えるためのみである。この記述は1つ、または少なくとも1つを含むように解釈されなければならず、かつそれが別の意味を有することが明らかでない限り、単数は複数も含む。
【0008】
「ポリアミド酸」という用語は、本明細書で使用される場合、二無水物およびジアミンの組み合わせから誘導され、かつポリイミドへの変換が可能であるいずれかのポリイミド前駆体材料を含むように意図される。
【0009】
第1のポリイミド層
第1のポリイミド層は、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される。「二無水物」という用語は、本明細書で使用される場合、技術的には二無水物ではないが、それにもかかわらず、ジアミンと反応して、ポリイミドに変換可能なポリアミド酸を形成し得る、それらの前駆体、誘導体または類似体を含むように意図される。「ジアミン」という用語は、本明細書で使用される場合、技術的にはジアミンではないが、それにもかかわらず、二無水物と反応して、ポリイミドに変換可能なポリアミド酸を形成し得る、それらの前駆体、誘導体または類似体を含むように意図される。
【0010】
一実施形態において、芳香族二無水物は、
ピロメリット酸二無水物;
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;
4,4’−オキシジフタル酸無水物;
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;
ビスフェノールA二無水物;ならびに
それらの混合物および誘導体
からなる群から選択される。
【0011】
別の実施形態において、芳香族二無水物は、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;
2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物;
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物;
1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物;
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物;
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物;
オキシジフタル酸二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物;
それらの混合物および誘導体
からなる群から選択される。
【0012】
いくつかの実施形態において、適切な脂肪族二無水物の例としては、限定されないが、シクロブタン二無水物;[1S
*,5R
*,6S
*]−3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3−(テトラヒドロフラン−2,5−ジオン);およびそれらの混合物が含まれる。
【0013】
いくつかの実施形態において、芳香族ジアミンは、3,4’−オキシジアニリン;1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン;4,4’−オキシジアニリン;1,4−ジアミノベンゼン;1,3−ジアミノベンゼン;2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジデン;4,4’−ジアミノビフェニル;4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド;9,9’−ビス(4−アミノ)フッ素;それらの混合物および誘導体からなる群から選択される。
【0014】
別の実施形態において、芳香族ジアミンは、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン;ベンジジン;3,3’−ジクロロベンジジン;3,3’−ジアミノジフェニルスルホン;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン;1,5−ジアミノナフタレン;4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン;4,4’−ジアミノジフェニルシラン;4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド;4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン;4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン;1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン);1,2−ジアミノベンゼン;それらの混合物および誘導体からなる群から選択される。
【0015】
いくつかの実施形態において、適切な脂肪族ジアミンの例としては、ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミン、シクロヘキサンジアミンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0016】
一実施形態において、第1のポリイミド層は、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるポリイミドを含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、以下の厚さ:厚さ8、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120および130ミクロンのいずれか2つの間であり、かつそれを含む。別の実施形態において、第1のポリイミド層は、厚さ8〜130ミクロンである。別の実施形態において、第1のポリイミド層は、厚さ10〜30ミクロンである。別の実施形態において、第1のポリイミド層は、厚さ12〜25ミクロンである。
【0018】
第1のポリイミド層は、任意選択的に、1〜15重量%の低導電率カーボンブラックを含有してもよい。いくつかの実施形態において、以下:1、5、10および15重量%のいずれか2つの間であり、かつそれを含む重量%の低導電率カーボンブラックを含有する。さらに別の実施形態において、第1のポリイミド層は、2〜9重量%の低導電率カーボンブラックを含有する。
【0019】
低導電率カーボンブラックは、チャネルタイプブラック、ファーネスブラックまたはランプブラックを意味するように意図される。いくつかの実施形態において、低導電率カーボンブラックは、表面酸化カーボンブラックである。(カーボンブラックの)表面酸化の範囲を評価する1つの方法は、カーボンブラックの加熱減量を測定することである。加熱減量は、7分間にわたり950℃で焼成した時の重量損失を算出することで測定することができる。一般的に、高度に表面酸化されたカーボンブラック(高い加熱減量)は、次に、本開示の(十分に分散された)充填されたポリイミドベースポリマーにイミド化されることが可能なポリアミド酸溶液(ポリイミド前駆体)に容易に分散可能である。カーボンブラック粒子(凝集体)が互いに接触しない場合、電子トンネル効果、電子ホッピングまたは他の電子流機構は一般に抑制され、低い導電率が得られると考えられる。いくつかの実施形態において、低導電率カーボンブラックは、1%以上の加熱減量を有する。いくつかの実施形態において、低導電率カーボンブラックは、5、9または13%以上の加熱減量を有する。いくつかの実施形態において、ファーネスブラックは、加熱減量を増加させるために、表面処理されてもよい。典型例として、低導電率カーボンブラックは、6未満のpHを有する。
【0020】
単離されたカーボンブラック粒子(凝集体)の均一な分散体は、導電率を減少させるのみならず、追加的に、均一な色強度を生じる傾向がある。いくつかの実施形態において、低導電率カーボンブラックは製粉される。いくつかの実施形態において、低導電率カーボンブラックの平均粒径は、以下の径:0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9および1.0ミクロンのいずれか2つの間である(かつ任意選択的にそれを含む)。
【0021】
第1のポリイミド層は、任意選択的に、1〜40重量%の顔料または染料を含有してもよい。いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、1〜40重量%の顔料および染料の混合物を含有する。いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、以下:1、5、10、15、20、25、30、35および40重量%のいずれか2つの間であり、かつそれを含む重量%の顔料、染料またはそれらの混合物を含有する。いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、1〜40重量%の、以下:低導電率カーボンブラック、顔料または染料のいずれか2つの混合物を含有する。
【0022】
実質的にいずれの顔料(または顔料の組合せ)も、本発明の実施において使用することができる。いくつかの実施形態において、有用な顔料としては、限定されないが、以下:バリウムレモンイエロー、カドミウムイエローレモン、カドミウムイエローレモン、カドミウムイエローライト、カドミウムイエローミドル、カドミウムイエローオレンジ、スカーレットレーキ、カドミウムレッド、カドミウムバーミリオン、アリザリンクリムゾン、パーマネントマゼンタ、ヴァンダイクブラウン、ローアンバーグリーニッシュまたはバーントアンバーが含まれる。いくつかの実施形態において、有用なブラック顔料としては、酸化コバルト、Fe−Mn−Biブラック、Fe−Mn酸化物スピネルブラック、(Fe,Mn)
2O
3ブラック、亜クロム酸銅ブラックスピネル、ランプブラック、ボーンブラック、ボーンアッシュ、ボーンチャー、赤鉄鉱、ブラック酸化鉄、雲母酸化鉄、ブラック錯体無機色顔料(CICP)、(Ni,Mn,Co)(Cr,Fe)
2O
4ブラック、アニリンブラック、ペリレンブラック、アントラキノンブラック、クロムグリーンブラック赤鉄鉱、クロム鉄酸化物、ピグメントグリーン17、ピグメントブラック26、ピグメントブラック27、ピグメントブラック28、ピグメントブラウン29、ピグメントブラウン35、ピグメントブラック30、ピグメントブラック32、ピグメントブラック33またはそれらの混合物が含まれる。
【0023】
いくつかの実施形態において、顔料は、リトポン、硫化亜鉛、硫酸バリウム、酸化コバルト、イエロー酸化鉄、オレンジ酸化鉄、レッド酸化鉄、ブラウン酸化鉄、赤鉄鉱、ブラック酸化鉄、雲母酸化鉄、クロム(III)グリーン、ウルトラマリンブルー、ウルトラマリンバイオレット、ウルトラマリンピンク、シアン化鉄ブルー、カドミウム顔料またはクロム酸鉛顔料である。
【0024】
いくつかの実施形態において、顔料は、スピネル顔料、ルチル顔料、ジルコン顔料またはバナジウム酸ビスマスイエローなどの錯体無機色顔料(CICP)である。いくつかの実施形態において、有用なスピネル顔料としては、限定されないが、Zn(Fe,Cr)
2O
4ブラウン、CoAl
2O
4ブルー、Co(AlCr)
2O
4ブルーグリーン、Co
2TiO
4グリーン、CuCr
2O
4ブラックまたは(Ni,Mn,Co)(Cr,Fe)
2O
4ブラックが含まれる。いくつかの実施形態において、有用なルチル顔料としては、限定されないが、Ti−Ni−Sbイエロー、Ti−Mn−Sbブラウン、Ti−Cr−Sbバフ、ジルコン顔料またはバナジウム酸ビスマスイエローが含まれる。
【0025】
別の実施形態において、顔料は有機顔料である。いくつかの実施形態において、有用な有機顔料としては、限定されないが、アニリンブラック(ピグメントブラック1)、アントラキノンブラック、モノアゾタイプ、ジアゾタイプ、ベンズイミダゾロン、ジアリリドイエロー、モノアゾイエロー塩、ジニタニリンオレンジ、ピラゾロンオレンジ、アゾレッド、ナフトールレッド、アゾ縮合顔料、レーキ顔料、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、キナクリドン、ジアリールピロロピロール、アミノアントラキノン顔料、ジオキサジン、イソインドリノン、イソインドリン、キノフタロン、フタロシアニン顔料、イダントロン顔料、ピグメントバイオレット1、ピグメントバイオレット3、ピグメントバイオレット19またはピグメントバイオレット23が含まれる。さらに別の実施形態において、有機顔料は、例えば、限定されないが、ペリレン、ペリレンブラック、ペリノンまたはチオインジゴなどの建染染料顔料である。
【0026】
単離された個々の顔料粒子(凝集体)の均一な分散体は、均一な色強度を生じる傾向がある。いくつかの実施形態において、顔料は製粉される。いくつかの実施形態において、顔料の平均粒径は、以下の径:0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9および1.0ミクロンのいずれか2つの間である(かつ任意選択的にそれを含む)。いくつかの実施形態において、単独で、または他の顔料もしくは染料と組み合わせて、発光性(蛍光性もしくは蓄光性)または光沢性顔料を使用することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む。別の実施形態において、第1のポリイミド層は、2〜9マイクロメートルの平均粒径を有するカーボンブラックである、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む。なお別の実施形態において、第1のポリイミド層は、
i)2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラック;および
ii)シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物
の混合物である、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層は、
i)ポリイミドであって、
a.ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および
b.ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミン
から誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量パーセントの量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量パーセントの量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む。
【0029】
化学的変換プロセスにおいて、ポリアミド酸溶液は、変換(イミド化)化学物質中で浸漬されるか、またはそれと混合される。一実施形態において、変換化学物質は、第3級アミン触媒(促進剤)および無水物脱水材料である。一実施形態において、無水物脱水材料は無水酢酸であり、これは、ポリアミド酸中のアミド酸(アミド酸)基の量と比較してモル過剰で、典型的にポリアミド酸の当量あたり約1.2〜2.4モルで使用されることが多い。一実施形態において、相当量の第3級アミン触媒が使用される。
【0030】
無水物脱水材料としての無水酢酸の代わりとしては、i.プロピオン酸、酪酸、吉草酸およびそれらの混合物などの他の脂肪族無水物;ii.芳香族モノカルボン酸の無水物;iii.脂肪族および芳香族無水物の混合物;iv.カーボジイミド;およびv.脂肪族ケテン(ケテンは、酸の急激な脱水から誘導されるカルボン酸の無水物として関係し得る)が含まれる。
【0031】
一実施形態において、第3級アミン触媒は、ピリジンおよびベータピコリンであり、かつ典型的に、無水物脱水材料のモルと同様の量で使用される。所望の変換速度および使用される触媒次第で、より低い量またはより高い量が使用されてもよい。ピリジンおよびベータピコリンとほぼ同活性を有する第3級アミンも使用されてよい。これらには、アルファピコリン;3,4−ルチジン;3,5−ルチジン;4−メチルピリジン;4−イソプロピルピリジン;N,N−ジメチルベンジルアミン;イソキノリン;4−ベンジルピリジン、N,N−ジメチルドデシルアミン、トリエチルアミンなどが含まれる。イミダゾールなどのイミド化のための様々な他の触媒が当該技術分野において既知であり、かつ本開示に従って有用であり得る。
【0032】
変換化学物質は、一般に、ポリアミド酸をポリイミドに変換するために室温以上の温度で反応させることができる。一実施形態において、化学的変換反応は15℃〜120℃の温度で生じ、より高温において反応は非常に速く、かつより低温において反応は比較的遅い。
【0033】
一実施形態において、化学的に処理されたポリアミド酸溶液を、加熱された変換表面または基板上へキャストまたは押出することができる。一実施形態において、化学的に処理されたポリアミド酸溶液を、ベルトまたはドラム上にキャストすることができる。溶媒を溶液から蒸発させることができ、およびポリアミド酸をポリイミドへと部分的に化学的に変換することができる。次いで、得られた溶液は、ポリアミド酸−ポリイミドゲルの形態をとる。代わりとして、ポリアミド酸溶液は、希釈溶媒を使用して、または使用せずに、無水物成分(脱水剤)、第3級アミン成分(触媒)または両方からなる変換化学物質の浴中に押出することができる。いずれも、ゲルフィルムが形成され、ゲルフィルムにおけるイミド基へのアミド酸基の変換率は、接触時間および温度次第であるが、通常約10〜75パーセント完全である。98%より高い固体レベルまで硬化するために、ゲルフィルムを、典型的に高温(約200℃、約550℃まで)で乾燥させなければならないが、これによってイミド化が完全化する傾向がある。いくつかの実施形態において、脱水剤および触媒の使用は、ゲルフィルムの形成を促進するため、および所望の変換速度を達成するために好ましい。
【0034】
第2のポリイミド層
第2のポリイミド層は、ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミドを含む。いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層は、以下:25、30、35、40、45および50重量%のいずれか2つの間であり、かつそれを含む重量%のポリイミドを含む。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、27〜50重量%のポリイミドを含む。
【0035】
一実施形態において、芳香族二無水物は、
ピロメリット酸二無水物;
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;
4,4’−オキシジフタル酸無水物;
3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン;
ビスフェノールA二無水物;ならびに
それらの混合物および誘導体
からなる群から選択される。
【0036】
別の実施形態において、芳香族二無水物は、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;
2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物;
3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物;
1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物;
1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物;
ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物;
オキシジフタル酸二無水物;
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物;
それらの混合物および誘導体
からなる群から選択される。
【0037】
いくつかの実施形態において、適切な脂肪族二無水物の例としては、限定されないが、シクロブタン二無水物;[1S
*,5R
*,6S
*]−3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3−(テトラヒドロフラン−2,5−ジオン);およびそれらの混合物が含まれる。
【0038】
いくつかの実施形態において、芳香族ジアミンは、3,4’−オキシジアニリン;1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン;4,4’−オキシジアニリン;1,4−ジアミノベンゼン;1,3−ジアミノベンゼン;2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジデン;4,4’−ジアミノビフェニル;4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド;9,9’−ビス(4−アミノ)フッ素;それらの混合物および誘導体からなる群から選択される。
【0039】
別の実施形態において、芳香族ジアミンは、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン;ベンジジン;3,3’−ジクロロベンジジン;3,3’−ジアミノジフェニルスルホン;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン;1,5−ジアミノナフタレン;4,4’−ジアミノジフェニルジエチルシラン;4,4’−ジアミノジフェニルシラン;4,4’−ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド;4,4’−ジアミノジフェニルN−メチルアミン;4,4’−ジアミノジフェニルN−フェニルアミン;1,4−ジアミノベンゼン(p−フェニレンジアミン);1,2−ジアミノベンゼン;それらの混合物および誘導体からなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実施形態において、適切な脂肪族ジアミンの例としては、以下:ヘキサメチレンジアミン、ドデカンジアミン、シクロヘキサンジアミンおよびそれらの混合物が含まれる。
【0041】
一実施形態において、第2のポリイミド層は、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるポリイミド、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるポリイミドを含む。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるポリイミドを含む。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるポリイミドを含む。さらに別の実施形態において、第2のポリイミド層は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるポリイミドを含む。さらに別の実施形態において、第1のポリイミド層は、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるポリイミドを含み、かつ第2のポリイミド層は、
i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、または
ii)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、または
iii)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるか、または
iv)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導されるポリイミドを含む。
【0042】
いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層は、第1のポリイミド層より薄い。典型的に、第2のポリイミド層は高度に充填され、および第1のポリイミド層は機械的支持を提供しなければならない。したがって、第2のポリイミド層が薄いことが望ましい。いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層は、厚さ0.5〜20ミクロンである。いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層は、以下の厚さ:厚さ0.5、1、5、10、15および20ミクロンのいずれか2つの間であり、かつそれを含む。さらに別の実施形態において、第2の層は、厚さ1〜10ミクロンである。いくつかの実施形態において、第2の層は、厚さ1〜9ミクロンである。
【0043】
第2の層は、第1のポリイミド層と直接接触する。「直接接触する」という用語は、2つの表面の間に介在材料または接着層が存在することなく、2つの表面が互いに隣接することを意味するように意図される。
【0044】
第2のポリイミド層は、0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤を含む。いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層は、0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物を含む。いくつかの実施形態において、シリカ艶消し剤は、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される1種またはそれ以上の追加的な艶消し剤と混合される。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、5重量%より多く、かつ18重量%未満のシリカ艶消し剤を含む。さらに別の実施形態において、第2のポリイミド層は、6〜17重量%のシリカ艶消し剤を含む。
【0045】
第2のポリイミド層は、0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラックを含む。「サブミクロン」という用語は、全ての寸法が1ミクロン未満であることを意味するように意図される。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、2重量%より多く、かつ17重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラックを含む。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、3〜16重量%の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラックを含む。本開示の目的のためのサブミクロンカーボンブラックは、着色剤であることが意図される。当業者は、いずれかの所望の色を作成するために、他の着色剤(顔料または染料)の使用を想定することもできるであろう。いくつかの実施形態において、第2のポリイミド層で使用される同一顔料または染料が第1のポリイミド層で使用されてもよい。さらに別の実施形態において、第2のポリイミド層の着色剤は、第1のポリイミド層で使用されてもよいいずれかの着色剤とも異なることが可能であろう。
【0046】
第2のポリイミド層は、15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物(別名、発熱性金属酸化物)を含む。いくつかの実施形態において、サブミクロンヒュームド金属酸化物は、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカまたはそれらの混合物である。いくつかの実施形態に、第2のポリイミド層は、17〜46重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を含む。サブミクロンヒュームド金属酸化物の添加によって、驚くべきことに、30未満のL
*色を有する多層フィルムを製造するために第2のポリイミド層で必要とされる着色剤(例えば、サブミクロンカーボンブラック)の量が低下する。サブミクロンヒュームドアルミナおよびヒュームドシリカは、単独で、PIフィルム中、白色っぽいか、またはかすんでいるため、それらの添加が、濃い豊富な飽和色を製造するために必要とされる着色剤の量を実際に低下させることは予測不可能であった。他のサブミクロン金属酸化物が同様の影響を有さないことも驚きである。
【0047】
ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカ、サブミクロンカーボンブラック、シリカ艶消し剤または低導電率カーボンブラックの粒径は、Horiba LA−930(Horiba,Instruments,Inc.,Irvine CA)またはMalvern Mastersizer 3000(Malvern Instruments,Inc.,Westborough,MA)のいずれかを使用するレーザー回折によってスラリー中で測定することができる。
【0048】
多層フィルム
本開示による多層フィルムは、上記のとおり、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を有する。この多層フィルムは、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値、ならびに取り扱いおよび回路処理に対する耐久性を有する。L
*色は、HunterLab ColorQuest(登録商標)XEカラーメーター(Hunter Associates Laboratory,Inc.)を使用して反射率、正反射を含むモードにおいて測定し、L
*、a
*、b
*としてCIELAB 10°/D65系において報告する。0のL
*値は純粋な黒であるが、100のL
*値は純粋な白である。60度光沢は、Micro−TRI−グロスグロスメーター(BYK−Gardner製)を使用して測定された。
【0049】
図1は、本開示の一実施形態である、第2のポリイミド層20の反対側の第1のポリイミド層10と直接接触する接着層60を含み、第2のポリイミド層が、シリカ艶消し剤30、サブミクロンカーボンブラック40およびサブミクロンヒュームド金属酸化物50を含む多層フィルムを例示する。いくつかの実施形態において、接着層は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ接着剤である。典型例として、接着層は厚いか、あるいは第1のポリイミド層または第2のポリイミド層より厚い。いくつかの実施形態において、接着層は厚さ8〜300ミクロンである。
【0050】
いくつかの実施形態において、接着剤は2種以上のエポキシ樹脂の混合物である。いくつかの実施形態において、接着剤は、異なる分子量を有する同一エポキシ樹脂の混合物である。
【0051】
いくつかの実施形態において、エポキシ接着剤は硬化剤を含有する。いくつかの実施形態において、エポキシ接着剤は触媒を含有する。いくつかの実施形態において、エポキシ接着剤は、エラストマー強化剤を含有する。いくつかの実施形態において、エポキシ接着剤は難燃剤を含有する。
【0052】
いくつかの実施形態において、多層フィルムは、第3のポリイミド層をさらに含む。いくつかの実施形態において、第3のポリイミド層は、厚さ0.5〜20ミクロンである。別の実施形態において、第3のポリイミド層は、以下の厚さ:厚さ0.5、1、5、10、15および20ミクロンのいずれか2つの間であり、かつそれを含む。いくつかの実施形態において、第3のポリイミド層は、厚さ0.5〜15ミクロンである。いくつかの実施形態において、第3のポリイミド層は、厚さ0.5〜8ミクロンである。いくつかの実施形態において、多層フィルムは、第2のポリイミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層をさらに含む。
【0053】
第3のポリイミド層は、多層フィルムが共押出される場合、特に望ましい。第3のポリイミド層は、第2のポリイミド層と同様または同一である場合、巻くのを防ぐために役立つ。第3のポリイミド層は第2のポリイミド層と同一であってもよいか、または異なってもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、多層フィルムは、第2のポリイミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層をさらに含み、第3のポリイミド層は、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミド;および
ii)艶消し剤またはその混合物
を含む。
【0055】
一実施形態において、第3のポリイミド層における艶消し剤は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される。別の実施形態において、第3のポリイミド層の艶消し剤は、2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラックである。さらに別の実施形態において、第3のポリイミド層における艶消し剤は、
i)2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラック、および
ii)シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物
の混合物である。
【0056】
一実施形態において、第3のポリイミド層は、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるポリイミドを含む。別の実施形態において、第3のポリイミド層は、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるポリイミドを含む。別の実施形態において、第2のポリイミド層は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるポリイミドを含む。別の実施形態において、第3のポリイミド層は、i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるポリイミドを含む。
【0057】
別の実施形態において、多層フィルムは、第2のポリイミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層をさらに含み、第3のポリイミド層は、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;および
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む。
【0058】
図2は、本開示の別の実施形態である、第1のポリイミド層と直接接触する第3のポリイミド層70、第1のポリイミド層10から最も遠い第2のポリイミド層の表面において第2のポリイミド層20と直接接触する接着層60を含み、第2のポリイミド層が、シリカ艶消し剤30、サブミクロンカーボンブラック40およびサブミクロンヒュームド金属酸化物50を含む多層フィルムを例示する。さらに別の実施形態において、接着層60が、第1のポリイミド層10から最も遠い第3のポリイミドの表面において第3のポリイミド層70と直接接触していてもよい。
【0059】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0060】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリイミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂である接着層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0061】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第3のポリイミド層と
を含む。
【0062】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)25〜50重量%のポリイミドであて、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第3のポリイミド層と;
d.第1のポリイミド層の反対側の第2のポリイミド層の表面において第2のポリイミド層と直接接触し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂である接着層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0063】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第3のポリイミド層と;
d.第1のポリイミド層の反対側の第3のポリイミド層の表面において第3のポリイミド層と直接接触し、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂である接着層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0064】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミド;
ii)1〜15重量%の低導電率カーボンブラック、または1〜40重量%の顔料もしくは染料
を含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0065】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミド;
ii)1〜15重量%の低導電率カーボンブラック、または1〜40重量%の顔料もしくは染料;
iii)1〜20重量%の、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される艶消し剤
を含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0066】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.第1のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量%の量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む、第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0067】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.第1のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量%の量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む、第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜25ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミド;
ii)艶消し剤またはそれらの混合物
を含む、第3のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0068】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.第1のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量%の量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む、第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜25ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第3のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0069】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5ミクロンからの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、
a)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリン、
b)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン、
c)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロック、または
d)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0070】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.第1のポリイミド層であって、
i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量%の量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む、第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜25ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、
a)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリン、
b)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン、
c)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロック、または
d)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
v)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
vi)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0071】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.第1のポリイミド層であって、
i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される、71〜96重量%の量の化学的に変換されたポリイミド;
ii)2〜9重量%の量で存在する低導電率カーボンブラック;および
iii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
を含む、第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜25ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、
a)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリン、
b)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン、
c)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロック、または
d)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含み、多層フィルムが、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する、第2のポリイミド層と;
c.第2のポリアミド層の反対側の第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、
a)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリン、
b)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン、
c)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロック、または
d)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第3のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0072】
一実施形態において、多層フィルムは、
a.ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5ミクロンからの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)5重量%より多く、かつ18重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)2重量%より多く、かつ17重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)17〜46重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する。
【0073】
本開示の別の実施形態は、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する多層フィルムを製造する方法であって、
a.厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層を提供するステップと;
b.第1のポリイミド層上に厚さ0.5〜8ミクロンの第2のポリイミド層をコーティングするステップと
を含み、第2のポリイミド層が、
i)ポリイミドであって、ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、およびポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;および
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、方法である。
【0074】
本開示の第1のポリイミド層および第2のポリイミド層は、充填ポリイミドフィルム製造に関する技術分野において周知のいずれの方法によっても製造することができる。いくつかの実施形態において、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層は、ポリアミド酸溶液を250℃より典型的に高い温度まで加熱し、ポリアミド酸をポリイミドに変換する熱的変換プロセス(熱的イミド化)によって製造される。別の実施形態において、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層は、化学的変換プロセス(化学的イミド化)によって製造される。一実施形態において、そのような方法は、顔料スラリーを調製するステップを含む。スラリーは、所望の粒径を達成するために、ボールミルまたは連続メディアミルを使用して製粉されてもよく、または製粉されなくてもよい。スラリーは、いずれの残留する大きい粒子も除去するために、濾過されてもよく、または濾過されなくてもよい。ポリアミド酸プレポリマー溶液は、わずかに過剰量のジアミンと二無水物とを反応させることによって調製される。ポリアミド酸溶液は、高剪断混合機において顔料スラリーと混合される。ポリアミド酸溶液、顔料スラリーおよび仕上げ溶液の量は、フィルム形成のために顔料の所望の充填濃度および所望の粘度を達成するために調節することができる。「仕上げ溶液」とは、本明細書において、分子量および粘度を増加させるためにプレポリマー溶液に添加される、極性非プロトン溶媒中の二無水物を示す。使用される二無水物は、典型的に、プレポリマーを製造するために使用される二無水物と同一(または2種以上が使用される場合、二無水物の1種と同一)である。混合物はスロットダイを通して測量することができ、滑らかなステンレス鋼ベルトまたは基板上にキャストまたは手でキャストして、ゲルフィルムを製造することができる。変換化学物質は、スロットダイを使用するキャストの前に測量することができる。98パーセントより高い固体レベルまで変換するために、ゲルフィルムは、典型的に、高温で乾燥されなければならない(200〜300℃の対流加熱および400〜800℃の放射加熱)。これは、イミド化を完全化する傾向がある。さらに別の実施形態において、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層は、熱的変換プロセスまたは化学的変換プロセスによって独立して製造される。
【0075】
本開示の多層フィルムは、限定されないが、共押出形成、ラミネーション(単層を一緒にラミネーションすること)、コーティングおよびそれらの組合せなどのいずれかの周知の方法によって調製可能である。多層ポリイミドフィルムを調製するための共押出形成プロセスの記載は、Suttonらへの欧州特許出願公開第0659553A1号明細書において提供される。コーティング法としては、限定されないが、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロール、エアナイフ、押出成形/スロットダイ、グラビア、リバースグラビア、オフセットグラビア、ロールコーティングおよびディップ/浸漬が含まれる。
【0076】
いくつかの実施形態において、多層フィルムは、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を同時に押出成形する(共押出する)ことによって調製される。いくつかの実施形態において、多層フィルムは、第1のポリイミド層、第2のポリイミド層および第3のポリイミド層を同時に押出成形する(共押出する)ことによって調製される。いくつかの実施形態において、層は、一個取りまたは多数個取り押出成形ダイによって押出成形される。別の実施形態に、多層フィルムは、一個取りダイを使用して製造される。一個取りダイが使用される場合、流体の層流は、流体の混合を防いで、層化を提供するために高い十分な粘度でなければならない。いくつかの実施形態において、多層フィルムは、スロットダイからの移動ステンレス鋼ベルト上へキャスティングによって調製される。一実施形態において、次いで、ベルトを対流オーブンに通過させ、溶媒を蒸発させて、部分的にポリマーをイミド化して、「グリーン」フィルムを製造する。グリーンフィルムをキャスティングベルトから剥離し、巻き付けることができる。次いで、グリーンフィルムをテンターオーブンに通し、完全硬化ポリイミドフィルムを製造することができる。いくつかの実施形態において、テンタリングの間、(すなわち、クリップまたはピンを使用して)収縮は端縁に沿ってフィルムを制限することによって最小化することができる。
【0077】
いくつかの実施形態において、多層フィルムは、シリカ艶消し剤、サブミクロンカーボンブラックおよびサブミクロンヒュームド金属酸化物スラリーならびにポリアミド酸の溶液を第1のポリイミド層上にコーティングすることによって製造される。コーティングを加熱し、乾燥させる。得られた多層フィルムは、それを平坦に保持するために、ピンフレームに配置される。コーティングは、少なくとも250℃に加熱が可能なバッチまたは連続オーブンにおいて硬化することができる。オーブン温度は、45〜60分間かけて320℃まで高められ、次いで、400℃のオーブンに移されて、5分間保持される。いくつかの実施形態において、化学的イミド化触媒および/または脱水剤をコーティング溶液に添加することができる。
【0078】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層または第1のポリアミド酸溶液または第1のポリアミド酸グリーンフィルムを提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出するステップと;
f)ステップdで形成されるコーティングをイミド化して、第1のポリイミド層上に第2のポリイミド層を形成するか、またはステップdで形成されるコーティングおよび第1のポリアミド酸グリーンフィルムをイミド化して、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を形成するか、またはステップdで形成される共押出された層をイミド化して、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を形成するステップと
を含む、方法である。
【0079】
本開示のさらに別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される第1のポリイミド層または第1のポリアミド酸溶液または第1のポリアミド酸グリーンフィルムを提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップであって、ポリアミド酸が、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、またはi)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に、15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出するステップと;
f)ステップdで形成されるコーティングをイミド化して、第1のポリイミド層上に第2のポリイミド層を形成するか、またはステップdで形成されるコーティングおよび第1のポリアミド酸グリーンフィルムをイミド化して、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を形成するか、またはステップdで形成される共押出された層をイミド化して、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を形成するステップと
を含み、第2のポリイミド層が第1のポリイミド層と直接接触する方法である。
【0080】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含む、方法である。
【0081】
サブミクロンヒュームド金属酸化物またはそれらの混合物は、第2のポリアミド酸溶液に直接添加することができるか、または次いで第2のポリアミド酸溶液に添加されるサブミクロンヒュームド金属酸化物スラリーを調製することによって添加することができる。いくつかの実施形態において、第2のポリアミド酸溶液は、サブミクロンヒュームド金属酸化物スラリーに添加される。いくつかの実施形態において、ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を第1のポリイミド層にコーティングする前に、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸溶液を共押出する前に、シリカ艶消し剤、サブミクロンカーボンブラックおよびサブミクロンヒュームド金属酸化物(およびそれらのスラリー)をいずれかの順番で組み合わせてもよい。
【0082】
ステップcで形成されるポリアミド酸は、限定されないが、スプレーコーティング、カーテンコーティング、ナイフオーバーロール、エアナイフ、押出成形/スロットダイ、グラビア、リバースグラビア、オフセットグラビア、ロールコーティングおよびディップ/浸漬などの当業者に周知の方法によってコーティング可能である。
【0083】
コーティングまたは共押出された層は、前述のとおり、熱変換または化学変換によってイミド化することができる。
【0084】
いくつかの実施形態において、第1のポリアミド酸溶液は、部分的に乾燥されるか、または部分的にイミド化されて、第1のポリアミド酸グリーンフィルムが形成される。次いで、ステップcで形成されるポリアミド酸溶液は、第1のポリアミド酸グリーン上でコーティングされて、両層がイミド化される。
【0085】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含み、第2のポリイミド層が第1のポリイミド層と直接接触する方法である。
【0086】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択され、かつピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含む、方法である。
【0087】
さらに別の実施形態において、多層フィルム中の着色剤の量を低下させる方法において、第2のポリイミド層が、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、またはi)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるポリイミドを含む。
【0088】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択され、かつピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップであって、ポリアミド酸が、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、またはi)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含む、方法である。
【0089】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に、15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含む、方法である。
【0090】
本開示の別の実施形態は、多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択され、かつピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップであって、ポリアミド酸が、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、または3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導されるか、またはi)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導されるステップと;
c)第2のポリアミド酸溶液に、15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液を、第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成されるポリアミド酸溶液と、第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される複合材料をイミド化し、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を製造するステップと
を含む、方法である。
【0091】
量、濃度または他の値もしくはパラメーターが範囲、好ましい範囲、または上位の好ましい値および下位の好ましい値のリストとして示される場合、これは、範囲が別々に開示されるかどうかに関係なく、いずれかの上位の範囲限界または好ましい値およびいずれかの下位の範囲限界または好ましい値のいずれかの対から形成される全ての範囲を特に開示するものとして理解される。本明細書において数値的な範囲が列挙される場合、特に明記されない限り、この範囲は、それらの終点、ならびに範囲内の全ての整数および分数を含むように意図される。数値は、提供される有効数字の数の精度を有するものとして理解される。例えば、数1は、0.5〜1.4の範囲を包含するように理解され、それに対して、数1.0は、明示された範囲の終点を含む0.95〜1.04の範囲を包含するように理解されるであろう。範囲を定義する場合、本発明の範囲は、列挙される特定の値に限定されるように意図されない。
【0092】
特定のポリマーの記載において、本出願人は、それらを製造するために使用されるモノマーまたはそれらを製造するために使用されるモノマーの量により、場合によりポリマーを参照することが理解されるべきである。そのような記載は、最終ポリマーを記載するために使用される特定の命名法を含み得ないか、またはプロダクト−バイ−プロセス用語を含有し得ないが、モノマーおよび量に対するそのような参照は、文脈上、他に示されるか、または暗示されない限り、ポリマーがそれらのモノマーから製造されることを意味するものとして解釈されるべきである。
【0093】
本明細書における材料、方法および実施例は例示に過ぎず、特に明示された場合を除き、限定することが意図されない。本明細書に記載されるものと同様のまたは均等な方法および材料を使用することができるが、適切な方法および材料は本明細書に記載される。
【0094】
本明細書に記載される全ての刊行物、特許出願、特許および他の参照文献は、それらの全体において参照によって組み込まれる。他に定義されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、一般に、本発明が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同一の意味を有する。不一致がある場合、定義を含む本明細書が優先される。
【実施例】
【0095】
フィルムの例示的な調製および評価を以下に記載する。
【0096】
シリカスラリー#1(Syloid(登録商標)C807):
75.4重量%のDMAC、9.6重量%のPMDA/4,4’ODAポリアミド酸プレポリマー溶液(DMAC中20.6重量%のポリアミド酸固体)および15.0重量%のシリカ粉末(Syloid(登録商標)C 807、W.R.Grace Co.から)からなるシリカスラリーを調製した。成分は、高剪断動静翼型混合機において完全に混合した。中央粒径は7ミクロンであった。
【0097】
シリカスラリー#2(Sipernat(登録商標)500LS):
シリカスラリーは、Syloid(登録商標)C807の代わりに、EvonikからのSipernat(登録商標)500LS粉末を使用したことを除き、シリカスラリー#1と同様に調製された。中央粒径は6ミクロンであった。
【0098】
ヒュームド金属酸化物シリカスラリー:
Aerosil(登録商標)OX50、Aersosil(登録商標)200およびAerosil(登録商標)R8200は、ヒュームドシリカである。Aeroxide(登録商標)T805は、ヒュームド二酸化チタンであり、Aerosil(登録商標)MOX 80は、シリカおよびアルミナの混合ヒュームド酸化物であり、Aeroxide(登録商標)Alu 65およびAeroxide(登録商標)Alu C805は、ヒュームドアルミナである。全てのヒュームド金属酸化物粉末は、Evonikから得られた。ヒュームド金属酸化物のスラリーを以下のように調製した。
【0099】
それぞれ、78.9重量%のDMAC、17.6重量%のヒュームド金属酸化物粉末および3.5重量%の分散助剤(Byk ChemieからのDisperbyk 180)からなる、Aerosil(登録商標)OX50、Aerosil(登録商標)200、Aerosil(登録商標)R8200、Aerosil(登録商標)MOX 80、Aeroxide(登録商標)Alu 65およびAeroxide(登録商標)T805スラリーを調製した。成分を高剪断分散器で完全に混合した。次いで、いずれの凝集体も分散させて、表1に示す所望の粒径を達成するために、スラリーをビーズミルで加工した。Aerosil(登録商標)200、Aeosil(登録商標)R8200およびAerosil(登録商標)MOX80粒子が凝結する傾向のため、これらのミル加工されたスラリーの粒径をレーザー回折法(下記のとおり)で正確に測定することは不可能であった。実施例18、19および20の粒径測定は、スラリー中であるが、1ミクロンよりわずかに大きいということが測定された。供給元による情報では、これらのヒュームド金属酸化物の一次粒径は、Aerosil(登録商標)200およびAeosil(登録商標)R8200に関しては12nm、およびAerosil(登録商標)MOX80に関しては30nmであった。加えて、光学顕微鏡によるミル加工されたスラリーの観察によって、粒径が1ミクロンより十分低いことが示された。
【0100】
76.3重量%のDMAC、19.8重量%のヒュームドアルミナ粉末および3.9重量%の分散助剤(Byk ChemieからのDisperbyk 180)からなるAeroxide(登録商標)Alu C805ヒュームドアルミナスラリーを調製した。成分を、高速ディスク型分散機で完全に混合した。次いで、いずれの凝集体も分散させて、所望の粒径を達成するために、スラリーをビーズミルで加工した。中央粒径は0.3ミクロンであった。
【0101】
コロイド状シリカスラリー:
コロイド状スラリーは、DMACへの溶媒移動によって水性コロイド状シリカ(粒径20nm)から調製され、続いて蒸留して、水を除去した。シリカ濃度は、34.7重量%であった。
【0102】
ナノジルコニアスラリー:
DMAC中50重量%のZrO2を含有するスラリーを使用した(Pixelligent Technologies,LLCからのPC−12−50)。動的光散乱法を使用して製造業者によって測定された粒径は8nmであった。
【0103】
カーボンブラックスラリー#1(SB4炭素):
80重量%のDMAC、10重量%のPMDA/4,4’ODAポリアミド酸プレポリマー溶液(DMAC中20.6重量%のポリアミド酸固体)、および10重量%のカーボンブラック粉末(Special Black 4、Orion Engineered Carbons LLCから)からなるカーボンブラックスラリーを調製した。成分は、高剪断動静翼型混合機において完全に混合した。次いで、いずれの凝集体も分散し、所望の粒径を達成するために、スラリーをビーズミルで加工した。中央粒径は、0.3ミクロンであった。
【0104】
カーボンブラックスラリー#2(SB6炭素):
82重量%のDMAC、12重量%のカーボンブラック粉末(Special Black 6、Orion Engineered Carbons LLCから)および6重量%の分散助剤(Byk 9077、Byk Chemieから)からなるカーボンブラックスラリーを調製した。成分は、高剪断動静翼型混合機において完全に混合した。次いで、いずれの凝集体も分散し、所望の粒径を達成するために、スラリーをビーズミルで加工した。中央粒径は、0.14ミクロンであった。
【0105】
アルファアルミナスラリー
41.7重量%のDMAC、23.3重量%のPMDA/4,4’ODAポリアミド酸プレポリマー溶液(DMAC中20.6重量%のポリアミド酸固体)、および約3ミクロンの中央粒径を有する35.0重量%のアルファアルミナ粉末からなるアルミナスラリーを調製した。成分は、高剪断動静翼型混合機において完全に混合した。
【0106】
硫酸バリウムスラリー:
51.7重量%のDMAC、24.1重量%のPMDA/4,4’ODAポリアミド酸プレポリマー溶液(DMAC中20.6重量%のポリアミド酸固体)および24.1重量%の硫酸バリウム粉末からなる合成硫酸バリウム(Sachtleben Chemie GmbHからのBlanc Fixe F)スラリーを調製した。成分を高剪断ローター−固定子型混合機で完全に混合した。中央粒径は1.3ミクロンであった。
【0107】
黒色顔料スラリー:
黒色顔料スラリーは、最初に、38.9グラムのDMAC中で1.52グラムの分散助剤(Byk 9077)を溶解し、次いで、15.55グラムのペリレン黒色顔料(BASFからのPaliogen(登録商標)Black L0086、ピグメントブラック32)とブレンドし、顔料を脱凝集するため、超音波処理機(Sonics&Materials,Inc.,Model VCX−500)を用いて10分間処理することによって調製した。
【0108】
黒色染料スラリー:
黒色染料スラリーは、28.0グラムのDMAC中に12.0グラムの黒色染料粉末(BASFからのNeozapon Black X55、ソルベントブラック29)を溶解することによって調製した。
【0109】
青色染料スラリー:
青色染料スラリーは、28.0グラムのDMAC中に12.0グラムの青色染料粉末(BASFからのNeozapon Blue 807、ソルベントブルー70)を溶解することによって調製された。
【0110】
ウルトラマリン青色顔料スラリー:
青色顔料スラリーは、最初に、38.9グラムのDMAC中で7.5グラムのウルトラマリン青色顔料(NubiolaからのNubiola FP−40)を溶解し、顔料を脱凝集するため、超音波処理機(Sonics&Materials,Inc.,Model VCX−500)を用いて10分間処理することによって調製した。次いで、分散体を、3.6グラムのPMDA/4,4’ODAポリアミド酸プレポリマー溶液(DMAC中20.6重量%のポリアミド酸固体)と混合した。
【0111】
フタロシアニン青色顔料スラリー:
青色顔料スラリーは、最初に、38.9グラムのDMAC中で16.67グラムの銅フタロシアニン青色顔料(BASFからのHeliogen(登録商標)Blue L6700F、ピグメントブルー15:6)を溶解し、顔料を脱凝集するため、超音波処理機(Sonics&Materials,Inc.,Model VCX−500)を用いて10分間処理することによって調製した。
【0112】
Kapton(登録商標)MBCは、DuPontによって製造される不透明な無光沢黒色ポリイミドフィルムである。これはPMDA/4,4’ODAポリイミドをベースとし、約5重量%の低導電率カーボンブラックおよび約2重量%のシリカ艶消し剤を含有する。これは様々な厚さで入手可能である。
【0113】
DMAC中PMDA/4,4’ODAおよびBPDA/PMDA/PPD/4,4’ODA(モル比92/8/95/5)ポリアミド酸溶液は、従来の手段で、過剰量のジアミンを用いて、50〜100ポアズの粘度まで調製された。PMDA/4,4’ODAポリマーは、20.6%のポリアミド酸固体であった。BPDA/PMDA/PPD/4,4’ODAは14.5%固体であった。
【0114】
PMDA/4,4’ODA/PPD(モル比100/70/30)コポリアミド酸溶液#1:
PPDは、40〜45℃において、DMAC中で約2.27重量%の濃度まで溶解された。30〜40℃まで温度を低下させた後、約0.99:1のPMDA:PPD化学量論的比率を達成するために、撹拌しながら固体PMDAを添加した。撹拌しながら、混合物を90分間反応させた。混合物は、DMACの添加によって、約5.8〜6.5%固体まで希釈された。次いで、70:30の4,4’ODA:PPDモル比を達成するために、4,4’ODAを添加し、40〜45℃において約30分間反応させた。撹拌しながら固体PMDAを逐次添加し、40〜45℃で約2時間反応させ、75〜250ポアズのポリマー粘度を達成した。ポリアミド酸固体は19.5%〜20.5%であった。ポリマー溶液を使用まで冷蔵庫で貯蔵した。
【0115】
PMDA/4,4’ODA/PPD(モル比100/70/30)コポリアミド酸溶液#2:
70:30の4,4’ODA:PPDモル比を達成するため、撹拌しながら、PPDを40〜45℃においてDMACに添加し、その直後に4,4’ODAを添加した。混合物を約30分間溶解させた。約0.99:1のPMDA:全ジアミン化学量論的比率を達成するため、撹拌しながら固体PMDAを逐次添加した。混合物を40〜45℃で約2時間反応させ、75〜250ポアズのポリマー粘度を達成した。ポリアミド酸固体は約20%であった。ポリマー溶液を使用まで冷蔵庫で貯蔵した。
【0116】
PMDA/4,4’ODA/PPD(モル比100/60/40)コポリアミド酸溶液#3:
60:40の4,4’ODA:PPDモル比を達成するため、撹拌しながら、PPDを40〜45℃においてDMACに添加し、その直後に4,4’ODAを添加した。混合物を約30分間溶解させた。約0.99:1のPMDA:全ジアミン化学量論的比率を達成するため、撹拌しながら固体PMDAを逐次添加した。混合物を40〜45℃で約2時間反応させ、75〜250ポアズのポリマー粘度を達成した。ポリアミド酸固体は約20%であった。ポリマー溶液を使用まで冷蔵庫で貯蔵した。
【0117】
多層フィルム実施例1〜25、ならびに多層フィルム比較例C1〜C13およびC19〜C26の調製:
第1のポリイミド層は、表1および2で示されるように、Kapton(登録商標)MBCフィルムを含んでなった。
【0118】
第2のポリイミド層は、上記の、ならびに表1および2で示される充填剤スラリーを使用して調製された。スラリーは、硬化後に所望の組成物を製造するために適切な比率で、上記の、および表1および2で示されるポリアミド酸溶液と完全に混合した。得られた混合物は、ステンレス鋼キャスティングロッドを使用して、第1のポリイミド層上へコーティングした。コーティングは100℃でホットプレートで、視覚検査によって乾燥するまで乾燥された。得られた多層フィルムは、次いで、それを平坦に保持するためにピンフレームに配置され、120℃のオーブンに配置された。オーブン温度は、45〜60分間かけて320℃まで高められ、次いで、400℃のオーブンに移されて、5分間保持され、次いで、オーブンから取り外され、冷却された。
【0119】
単層フィルム比較例C14〜C18は以下のとおり調製した:
上記および表1に示すポリアミド酸溶液は、混合しながら、DMAC中PMDAの6重量%溶液を逐次添加して、2500〜3000ポアズの最終粘度を達成することによって仕上げられた。上記および表1に示す充填剤スラリーを、硬化後に所望の組成物を製造するために適切な量で、仕上げられたポリアミド酸溶液と混合した。仕上げられたポリマー混合物を脱気した。ステンレス鋼キャスティングロッドを使用して、ポリマー混合物を、ガラスプレートに取り付けたMylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレートシート上へ手でキャストした。湿潤キャストフィルムを含有するMylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレートシートを、3−ピコリンおよび無水酢酸の50/50混合物からなる浴に浸漬した。浴は、フィルムのイミド化およびゲル化を実施するため、3〜4分間、穏やかに撹拌された。ゲルフィルムをMylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレートシートから剥離し、フィルムを抑制して、縮小を防ぐために、ピンフレームに配置した。残りの溶媒をフィルムから除去した後、フィルムを含有するピンフレームを120℃のオーブンに配置した。オーブン温度は、45〜60分間かけて320℃まで高められ、次いで、400℃のオーブンに移されて、5分間保持され、次いで、オーブンから取り外され、冷却された。
【0120】
硬化されたフィルムの組成は、(硬化の間に除去される)DMAC溶媒を排除し、ポリアミド酸からポリイミドへの変換の間の水の除去を考慮して、混合物中の成分の組成から算出された。
【0121】
60度光沢は、Micro−TRI−グロスグロスメーター(BYK−Gardnerから)を使用して測定された。
【0122】
L
*色は、HunterLab ColorQuest(登録商標)XEカラーメーター(Hunter Associates Laboratory,Inc.)を使用して反射率、正反射を含むモードにおいて測定した。この器具は、それぞれの使用の前に標準化された。器具からの色データは、L
*、a
*、b
*としてCIELAB 10°/D65系において報告した。0のL
*値は純粋な黒であるが、100のL
*値は純粋な白である。典型例として、1単位のL
*値の差異は、目で識別できる。
【0123】
スラリー中の充填剤粒子の粒径は、Horiba LA−930(Horiba,Instruments,Inc.,Irvine CA)またはMalvern Mastersizer 3000(Malvern Instruments,Inc.,Westborough,MA)粒径分析器のいずれかを使用するレーザー回折によって測定した。分散媒としてDMACを使用した。
【0124】
アルコールワイプ試験:
イソプロピルアルコールで湿潤されたタオルで、3回、フィルムを拭き取った。いずれかの着色剤がフィルムからタオルに移動したことが観察される場合、「不合格」グレードが与えられた。この試験は、電子回路製造のプロセス条件に対する耐久性に関するフィルムの適合性の測定である。
【0125】
実施例1〜25は、本発明の実例である。本実施例は、第2のポリイミド層に関する本発明の範囲内で、様々な濃度のサブミクロンカーボンブラック、艶消し剤、ヒュームド酸化金属およびポリイミドを例示する。本実施例は、第2のポリイミド層の様々な厚さも例示する。
【0126】
実施例6〜23、24、および25は、実施例1〜5と比較して、第2のポリイミド層における異なる種類のシリカ艶消し剤を例示する。
【0127】
実施例23は、第2のポリイミド層におけるシリカおよびポリイミド粒子艶消し剤の混合物を例示する。
【0128】
実施例3および8は、第2のポリイミド層における異なる種類のサブミクロンカーボンブラックを例示する。
【0129】
実施例7、8、24および25は、第2のポリイミド層における異なる芳香族ポリイミドを例示する。
【0130】
実施例1〜13、22〜25は、第2のポリイミド層におけるヒュームドアルミナの異なる種類および量を例示する。
【0131】
実施例14〜19は、第2のポリイミド層におけるヒュームドシリカの異なる種類および量を例示する。
【0132】
実施例20は、第2のポリイミド層におけるヒュームド混合金属酸化物を例示する。
【0133】
実施例21は、第2のポリイミド層におけるヒュームド二酸化チタンを例示する。
【0134】
比較例C1〜C6は、第2のポリイミド層におけるポリイミドのパーセントが50重量%より高くまで増加した場合、L
*色が30より高くなることを例示する。
【0135】
比較例C7およびC8は、第2のポリイミド層におけるポリイミドのパーセントが25重量%未満である場合、第2のポリイミド層は、低ポリイミド含有量のため、アルコールワイプ試験が不合格であり、容易に剥がれ落ちることを例示する。
【0136】
比較例C9、C20およびC21は、艶消し剤が第2のポリイミド層に存在しない場合、60度光沢は10より高くなることを例示する。
【0137】
比較例C19は、カーボンブラックが第2のポリイミド層に存在しない場合、L
*色は30より高くなることを例示する。
【0138】
比較例C10およびC11は、第2のポリイミド層においてヒュームドナノサイズのジルコニアまたはシリカ充填剤が存在しない場合、L
*色は30より高くなることを例示する。
【0139】
比較例C12およびC13は、1ミクロンより大きい中央粒径を有する充填剤が第2のポリイミド層において使用される場合、L
*色は30より高くなることを例示する。
【0140】
比較例C14〜C18は、多層フィルムの第2のポリイミド層と同一組成の単層ポリイミドフィルムが、30より高いL
*色を示すことを例示する。追加的に、単層フィルムは非常に脆く、製造不可能であるか、または実用不可能である。
【0141】
結果を表1に示す。
【0142】
比較例C22〜C26は、顔料または染料が第2のポリイミド層において使用され、かつカーボンブラックが第2の層に存在しない場合、多層フィルムはアルコールワイプ試験が不合格であるか、30より高いL
*色を示すか、または10より高い60度光沢を示すことを例示する。
【0143】
結果を表2に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【0146】
【表3】
【0147】
【表4】
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】
本明細書の材料、方法および実施例は例示に過ぎず、特に明示された場合を除き、限定するものとして意図されない。本明細書に記載されるものと同様のまたは均等な方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、適切な方法および材料は、本明細書に記載される。
【0151】
概要または実施例において上記される作業の全てが必要とされず、一部の特定の作業は必要とされなくてもよく、記載されるそれらに加えて、さらなる作業が実行されてもよいことに留意されたい。またさらに、それぞれの作業が記載される順番が、必ずしも、それらが実行される順番であるというわけではない。本明細書を読み取った後、当業者は、それらの特定の必要性または要求のために使用可能である作業を決定することが可能である。
【0152】
上記の本明細書において、本発明は特定の実施形態に関して記載された。しかしながら、当業者は、以下の特許請求の範囲において明らかである本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正形態および変更形態をなし得ることを認識する。本明細書で開示される全ての特徴は、同一、均等または同様の目的に有用な他の特徴によって置き換えられてもよい。
【0153】
したがって、本明細書は、限定的な意味ではなく例示に関連し、全てのそのような修正形態が本発明の範囲内に含まれるように意図される。
【0154】
利益、他の利点および問題の解決策は、特定の実施形態に関して上記された。しかしながら、利益、他の利点および問題の解決策、ならびに利益、他の利点および問題の解決策を生じ得るか、またはより強調させ得るいずれかの要素は、いずれかまたは全ての請求項の重要であるか、必要とされるか、または不可欠な特徴もしくは要素として解釈されない。
本発明は、以下の発明を包含するものである。
1.a.ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミドを含む、厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層と;
b.前記第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第2のポリイミド層であって、
i)ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、第2のポリイミド層と
を含み、30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する、多層フィルム。
2.前記第1のポリイミド層が、
i)1〜15重量%の低導電率カーボンブラック、または
ii)1〜40重量%の顔料もしくは染料
をさらに含む、1に記載の多層フィルム。
3.前記第1のポリイミド層が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、2に記載の多層フィルム。
4.前記第1のポリイミド層が、2〜9マイクロメートルの平均粒径を有するカーボンブラックである、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、2に記載の多層フィルム。
5.前記第1のポリイミド層が、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含み、前記艶消し剤が、
i)2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラック、および
ii)シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物
の混合物である、2に記載の多層フィルム。
6.前記第1のポリイミド層が、
i)2〜9重量%の低導電率カーボンブラック;および
ii)艶消し剤であって、
a.1.6〜10重量%の量で存在し、
b.1.3〜10ミクロンの中央粒径を有し、かつ
c.2〜4.5g/ccの密度を有する、艶消し剤
をさらに含む、1に記載の多層フィルム。
7.前記第2のポリイミド層の反対側の前記第1のポリイミド層と直接接触する接着層をさらに含む、1に記載の多層フィルム。
8.前記接着層が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されるエポキシ樹脂である、7に記載の多層フィルム。
9.前記第2のポリイミド層の前記ポリイミドが、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導されるか、またはピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミンから誘導される、1に記載の多層フィルム。
10.前記第2のポリイミド層の前記ポリイミドが、i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにii)ピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロックから誘導される、1に記載の多層フィルム。
11.前記第1のポリイミド層の前記ポリイミドが、ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンから誘導され、前記第2ポリイミド層の前記ポリイミドが、
i)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリン、
ii)ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン、
iii)ピロメリット酸二無水物および4,4’−オキシジアニリンのブロック、ならびにピロメリット酸二無水物およびパラフェニレンジアミンのブロック、または
iv)3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、4,4’−オキシジアニリンおよびパラフェニレンジアミン
から誘導される、1に記載の多層フィルム。
12.前記第2のポリイミド層の反対側の前記第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層をさらに含み、前記第3のポリイミド層が、
i)ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導されるポリイミド;および
ii)艶消し剤またはその混合物
を含む、1に記載の多層フィルム。
13.前記第3のポリイミド層における前記艶消し剤が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される、12に記載の多層フィルム。
14.前記第3のポリイミド層における前記艶消し剤が、2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラックである、12に記載の多層フィルム。
15.前記第3のポリイミド層における前記艶消し剤が、
i)2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラック、および
ii)シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物
の混合物である、12に記載の多層フィルム。
16.前記第1のポリイミド層が、
i)1〜15重量%の低導電率カーボンブラック、または
ii)1〜40重量%の顔料もしくは染料
をさらに含む、12に記載の多層フィルム。
17.前記第1のポリイミド層が、シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物から選択される、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、16に記載の多層フィルム。
18.前記第1のポリイミド層が、3〜9マイクロメートルの平均粒径を有するカーボンブラックである、1〜20重量%の艶消し剤をさらに含む、16に記載の多層フィルム。
19.前記第1のポリイミド層が、
i)2〜9ミクロンの平均粒径を有するカーボンブラック、および
ii)シリカ、アルミナ、ジルコニア、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ポリイミド粒子、リン酸カルシウム、タルクまたはそれらの混合物
の艶消し剤混合物をさらに含む、16に記載の多層フィルム。
20.前記第1のポリイミド層の反対側の前記第2のポリイミド層または前記第3のポリイミド層の表面において、前記第2のポリイミド層または前記第3のポリイミド層と直接接触する接着層をさらに含む、12に記載の多層フィルム。
21.前記第2のポリイミド層の反対側の前記第1のポリイミド層と直接接触する、厚さ0.5〜20ミクロンの第3のポリイミド層をさらに含み、前記第3のポリイミド層が、
i)ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;および
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、1に記載の多層フィルム。
22.前記サブミクロンヒュームド金属酸化物が、ヒュームドアルミナ、ヒュームドシリカまたはそれらの混合物である、1に記載の多層フィルム。
23.30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を有する多層フィルムを製造する方法であって、
a.厚さ8〜130ミクロンの第1のポリイミド層を提供するステップと;
b.前記第1のポリイミド層上に厚さ0.5〜8ミクロンの第2のポリイミド層をコーティングするステップと
を含み、前記第2のポリイミド層が、
i)ポリイミドであって、前記ポリイミドの全二無水物含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族二無水物、および前記ポリイミドの全ジアミン含有量に基づき、少なくとも50モルパーセントの芳香族ジアミンから誘導される、25〜50重量%のポリイミド;
ii)0重量%より多く、かつ20重量%未満のシリカ艶消し剤、またはシリカ艶消し剤と少なくとも1種の追加的な艶消し剤との混合物;および
iii)0重量%より多く、かつ20重量%未満の少なくとも1種のサブミクロンカーボンブラック;および
iv)15〜50重量%の少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物
を含む、方法。
24.多層フィルム中の着色剤の量を低下させ、かつ30未満のL
*色および10未満の60度光沢値を達成する方法であって、
a)第1のポリイミド層、第1のポリアミド酸溶液および第1のポリアミド酸グリーンフィルムからなる群から選択される成分を提供するステップと;
b)ポリアミド酸、シリカ艶消し剤およびサブミクロンカーボンブラックを含有する第2のポリアミド酸溶液を提供するステップと;
c)前記第2のポリアミド酸溶液に少なくとも1種のサブミクロンヒュームド金属酸化物を添加するステップと;
d)ステップcで形成される前記ポリアミド酸溶液を、前記第1のポリイミド層にコーティングするか、またはステップcで形成される前記ポリアミド酸溶液を、前記第1のポリイミド酸グリーンフォルムにコーティングするか、またはステップcで形成される前記ポリアミド酸溶液と、前記第1のポリイミド酸溶液とを共押出することによって、多層複合材料を形成するステップと;
f)ステップdで形成される前記複合材料をイミド化して、第1のポリイミド層および第2のポリイミド層を形成するステップと
を含む、方法。