特許第6441938号(P6441938)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6441938粉末冶金のための潤滑剤およびその潤滑剤を含む金属粉末組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441938
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】粉末冶金のための潤滑剤およびその潤滑剤を含む金属粉末組成物
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/02 20060101AFI20181210BHJP
   C10M 133/16 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 103/06 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 103/00 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 159/06 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 143/00 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 129/74 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 149/18 20060101ALI20181210BHJP
   C10M 145/22 20060101ALI20181210BHJP
   C10N 10/06 20060101ALN20181210BHJP
   C10N 10/08 20060101ALN20181210BHJP
   C10N 10/16 20060101ALN20181210BHJP
   C10N 20/06 20060101ALN20181210BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20181210BHJP
   C10N 40/20 20060101ALN20181210BHJP
【FI】
   B22F3/02 M
   C10M133/16
   C10M103/06 A
   C10M103/00 Z
   C10M159/06
   C10M143/00
   C10M129/74
   C10M149/18
   C10M145/22
   C10N10:06
   C10N10:08
   C10N10:16
   C10N20:06 Z
   C10N30:06
   C10N40:20 Z
【請求項の数】21
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-541749(P2016-541749)
(86)(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公表番号】特表2016-537512(P2016-537512A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(86)【国際出願番号】CA2014050861
(87)【国際公開番号】WO2015035515
(87)【国際公開日】20150319
【審査請求日】2017年6月20日
(31)【優先権主張番号】61/877,086
(32)【優先日】2013年9月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508113262
【氏名又は名称】ナショナル・リサーチ・カウンシル・オブ・カナダ
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100126985
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 充利
(72)【発明者】
【氏名】トマス,ヤニグ
(72)【発明者】
【氏名】パリス,ヴァンサン
(72)【発明者】
【氏名】サンローラン,シルヴァン
【審査官】 米田 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−332420(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0099104(US,A1)
【文献】 特開2008−266776(JP,A)
【文献】 特開2000−355702(JP,A)
【文献】 特表2012−509995(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0265602(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第102227274(CN,A)
【文献】 特開2005−105323(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00〜8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末冶金のための粒子複合潤滑剤であって、
少なくとも90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子、および
脂肪質のビスアミドワックスを含んでいる第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子、
を含む、上記粒子複合潤滑剤。
【請求項2】
粒子複合潤滑剤が、10重量%と60重量%の間の第一の離散粒子と40重量%と90重量%の間の第二の離散粒子を含む、請求項1に記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項3】
第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、請求項1または2に記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項4】
第二の離散粒子は少なくとも50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスをさらに含む、請求項1〜3のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項5】
第二の離散粒子は少なくとも90重量%の脂肪質のビスアミドワックスをさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項6】
金属酸化物のナノ粒子が、酸化鉄、ヒュームドシリカ、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項1〜5のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項7】
第一の離散粒子は5重量%未満の金属酸化物のナノ粒子を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項8】
第一の離散粒子の実質的にすべてが250μmよりも小さく、第二の離散粒子の平均粒径が50μmよりも小さい、請求項1〜7のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項9】
少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は15μmと100μmの間の平均粒径を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項10】
第二の離散粒子は実質的に金属を含まない、請求項1〜9のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を0.1重量%と5重量%の間の範囲にある濃度で混合した金属をベースとする粉末を含む冶金用粉末組成物。
【請求項12】
粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法であって、請求項1〜10のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を粉末組成物の全重量に基づいて0.1重量%と5重量%の間の範囲にある濃度で金属をベースとする粉末に添加することを含む、前記方法。
【請求項13】
粉末冶金のための粒子複合潤滑剤であって、
脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子(この少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は15μmと100μmの間の平均粒径を有する)と、
脂肪質のビスアミドワックスを含んでいて、50μmよりも小さな平均粒径を有する第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子と、
を含む、前記粒子複合潤滑剤。
【請求項14】
粒子複合潤滑剤が、10重量%と60重量%の間の第一の離散粒子を含み、第1の離散粒子が90重量%以上の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、請求項13に記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項15】
粒子複合潤滑剤は40重量%と90重量%の間の第二の離散粒子を含む、請求項13または14に記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項16】
第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、請求項13〜15のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項17】
第二の離散粒子はさらに、少なくとも50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、請求項13〜16のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項18】
第二の離散粒子はさらに、少なくとも90重量%の脂肪質のビスアミドワックスを含む、請求項13〜17のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項19】
第二の離散粒子は実質的に金属を含まない、請求項13〜18のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項20】
金属酸化物のナノ粒子が、酸化鉄、ヒュームドシリカ、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項13〜19のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
【請求項21】
0.1重量%と5重量%の間の範囲にある濃度の請求項13〜20のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む冶金用粉末組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術分野は潤滑剤を含む金属粉末組成物に関する。特に、この分野は、粉末冶金のための粒子複合潤滑剤およびこの粒子複合潤滑剤を含む粉末冶金用の粉末組成物を製造するための加工法に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末冶金工業(PM工業)においては、構成部品を製造するために鉄系粉末のような金属粉末が用いられる。特に、金属粉末組成物がダイ(金型)の中で高圧で圧縮されて圧粉体にされ、次いで、圧粉体はダイから射出され、そして焼結されて焼結成形体となる。このニアネットシェイプ技術は、他の従来の方法(例えば、切削加工)よりも低いコストで成形品を製造することを可能にする。
【0003】
金属粉末組成物は金属粉末、潤滑剤、そして場合により、その他の添加剤の混合物を含む。粉末冶金用の潤滑剤は一般に様々なタイプのワックスであり、これらは粉砕されるか、あるいは霧化されて微細な粒子にされ、そして鉄や鋼の粉末などの金属粉末と混合される。潤滑剤は圧縮を行う際の粒子どうしの摩擦とダイ壁との摩擦を低減させ、それにより緻密化を改善するが、その一方で、ダイから成形品を射出する際のダイ壁との摩擦も低減させる。さらに、潤滑剤は、金属粉末組成物がダイの空洞内で適切に流動するのを促進するとともに、圧縮工程を妨げないように十分な展性も備えるように選択される。成形品の機械的特性と最終的な密度との間には強い関係がある。従って、より大きな密度を達成することを可能にする潤滑剤には付加的な価値がある。PM用途のために一般的に用いられる潤滑剤は、金属ステアリン酸塩とエチレンビスステアラミドワックスのようなアミドワックスを含む。優れた潤滑剤ではあるが、金属ステアリン酸塩は焼結を行う間に成形品を汚す場合があり、また焼結炉の排気ガスによってひどい金属汚染を起こす。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の目的は上述した問題に対処することである。
【0005】
包括的な側面によれば、粉末冶金のための粒子複合潤滑剤が提供され、この潤滑剤は、少なくとも約90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子と、脂肪質のビスアミドワックスを含んでいる第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子とを含む。
【0006】
一つの態様において、この粒子複合潤滑剤は約10重量%と約60重量%の間の第一の離散粒子を含む。
【0007】
一つの態様において、この粒子複合潤滑剤は約40重量%と約90重量%の間の第二の離散粒子を含む。
【0008】
一つの態様において、第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る。
【0009】
一つの態様において、第一の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る。
【0010】
一つの態様において、第二の離散粒子は少なくとも約50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと約10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスをさらに含む。
【0011】
一つの態様において、第二の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質のビスアミドワックスをさらに含む。例えば、第二の離散粒子は本質的に脂肪質のビスアミドワックスから成る。
【0012】
一つの態様において、第二の離散粒子の脂肪質のビスアミドワックスは少なくとも2種の脂肪質のビスアミドワックスを含む。
【0013】
一つの態様において、脂肪質の一次モノアミドワックスは12〜24個の炭素の脂肪酸のモノアミドである。モノアミドはラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、オレアミド、エルクアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0014】
一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子は酸化鉄、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む。別の態様において、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む。
【0015】
一つの態様において、第一の離散粒子は約5重量%未満の金属酸化物のナノ粒子を含む。
【0016】
一つの態様において、第一の離散粒子は約250μmよりも小さい。
【0017】
一つの態様において、少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約15μmと約100μmの間の平均粒径を有する。
【0018】
一つの態様において、少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約80μmと約220μmの間である。
【0019】
一つの態様において、脂肪質のビスアミドワックスはメチレンビスオレアミド、メチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキシレンビスステアラミド、およびエチレンビスステアラミド(EBS)、およびこれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸ビスアミドである。
【0020】
一つの態様において、第二の離散粒子は約50μmよりも小さな平均粒径を有する。
【0021】
一つの態様において、第二の離散粒子のD99は約200μmよりも小さい。
【0022】
一つの態様において、第二の離散粒子は実質的に金属を含まない。
【0023】
特定の態様において、第一の離散粒子はエルクアミドの粒子を含み、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドの粒子を含む。この特定の複合潤滑剤は、約10重量%と約60重量%の間のエルクアミドの粒子と約40重量%と約90重量%の間のエチレンビスステアラミドの粒子を含むことができる。エルクアミドの粒子は約60μmの平均粒径と約175μmよりも小さな直径を有することができる。
【0024】
別の包括的な側面によれば、冶金用粉末組成物が提供され、この組成物は約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の上述した粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む。一つの態様において、金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である。
【0025】
別の包括的な側面によれば、粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法が提供される。この方法は、粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の上述した粒子複合潤滑剤を金属をベースとする粉末に添加することを含む。一つの態様において、金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である。
【0026】
さらに別の包括的な側面によれば、粉末冶金のための粒子複合潤滑剤が提供される。この粒子複合潤滑剤は、脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子(この少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約15μmと約100μmの間の平均粒径を有する)と、脂肪質のビスアミドワックスを含んでいて、約50μmよりも小さな平均粒径を有する第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子とを含む。
【0027】
一つの態様において、少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約25μmと約75μmの間の平均粒径を有する。
【0028】
一つの態様において、少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約80μmと約220μmの間である。
【0029】
一つの態様において、少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約115μmと約180μmの間である。
【0030】
一つの態様において、第二の離散粒子は約15μmよりも小さな平均粒径を有する。
【0031】
一つの態様において、第二の離散粒子のD99は約200μmよりも小さい。
【0032】
一つの態様において、第二の離散粒子のD99は約150μmよりも小さい。
【0033】
一つの態様において、第一の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む。
【0034】
一つの態様において、この粒子複合潤滑剤は約10重量%と約60重量%の間の第一の離散粒子を含む。
【0035】
一つの態様において、この粒子複合潤滑剤は約40重量%と約90重量%の間の第二の離散粒子を含む。
【0036】
一つの態様において、第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る。
【0037】
一つの態様において、第一の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る。
【0038】
一つの態様において、第二の離散粒子は少なくとも約50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと約10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスをさらに含む。
【0039】
一つの態様において、第二の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質のビスアミドワックスをさらに含む。
【0040】
一つの態様において、第二の離散粒子は本質的に脂肪質のビスアミドワックスから成る。
【0041】
一つの態様において、第二の離散粒子は実質的に金属を含まない。
【0042】
一つの態様において、脂肪質の一次モノアミドワックスは12〜24個の炭素の脂肪酸のモノアミドである。モノアミドはラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、オレアミド、エルクアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0043】
一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子は酸化鉄、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む。
【0044】
一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む。
【0045】
一つの態様において、第一の離散粒子は約5重量%未満の金属酸化物ナノ粒子を含む。
【0046】
一つの態様において、第一の離散粒子は約250μmよりも小さい。
【0047】
一つの態様において、脂肪質のビスアミドワックスはメチレンビスオレアミド、メチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキシレンビスステアラミド、およびエチレンビスステアラミド(EBS)、およびこれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸ビスアミドである。
【0048】
一つの態様において、第二の離散粒子は約50μmよりも小さな平均粒径を有する。
【0049】
特定の態様において、第一の離散粒子はエルクアミドの粒子を含み、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドの粒子を含む。この特定の複合潤滑剤は、約10重量%と約60重量%の間のエルクアミドの粒子と約40重量%と約90重量%の間のエチレンビスステアラミドの粒子を含むことができる。エルクアミドの粒子は約60μmの平均粒径と約175μmよりも小さな直径を有することができる。
【0050】
さらなる包括的な側面によれば、冶金用粉末組成物が提供され、この組成物は約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の上述した粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む。一つの態様において、金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である。
【0051】
さらなる包括的な側面によれば、粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法が提供される。この方法は、粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の上述した粒子複合潤滑剤を金属をベースとする粉末に添加することを含む。一つの態様において、金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である。
【0052】
さらなる包括的な側面によれば、粉末冶金のための粒子複合潤滑剤が提供され、この潤滑剤は、モンタン酸(Montan acid)エステルワックスと少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含み、脂肪質のアミドワックスは脂肪質のモノアミドワックスと脂肪質のビスアミドワックスのうちの少なくとも一つを含む。
【0053】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤はモンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子を含む。その第一の離散粒子はさらに脂肪質のモノアミドワックスを含むことができ、そしてその脂肪質のモノアミドワックスは脂肪質の一次モノアミドワックスを含むことができる。一つの態様において、粒子複合潤滑剤はさらに第二の離散粒子を含むことができ、その第二の離散粒子は、脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む。一つの態様において、粒子複合潤滑剤はさらに、脂肪質のビスアミドワックスを含む第二の離散粒子を含むことができる。第二の離散粒子はさらに、モンタン酸エステルワックスを含むことができる。
【0054】
一つの態様において、第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている。
【0055】
一つの態様において、第一の離散粒子はさらに脂肪質のビスアミドワックスを含む。粒子複合潤滑剤はさらに第二の離散粒子を含むことができ、その第二の離散粒子は、脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む。粒子複合潤滑剤はさらに、脂肪質のモノアミドワックスを含む第二の離散粒子を含むことができ、その脂肪質のモノアミドワックスは脂肪質の一次モノアミドワックスを含む。一つの態様において、第二の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている。
【0056】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は第一の離散粒子と第二の離散粒子を含み、第一の離散粒子はモンタン酸エステルワックスとエルクアミドを含む脂肪質のモノアミドワックスとを含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドを含む。第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。第二の離散粒子はさらにモンタン酸エステルワックスを含んでいてもよい。
【0057】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、モンタン酸エステルワックスとエチレンビスステアラミドを含む脂肪質のビスアミドワックスとを含む第一の離散粒子を含む。粒子複合潤滑剤はさらに、エルクアミドを含む第二の離散粒子を含むことができる。第二の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。第二の離散粒子はさらにモンタン酸エステルワックスを含んでいてもよい。代替の態様において、粒子複合潤滑剤には第二の離散粒子が含まれていなくてもよい。
【0058】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、モンタン酸エステルワックスとエルクアミドを含む脂肪質のモノアミドワックスとを含む第一の離散粒子を含み、そして第二の離散粒子を含まない。第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。
【0059】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、モンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子と少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含む。粒子複合潤滑剤はさらに第三の離散粒子を含むことができ、その第三の離散粒子は、脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む。
【0060】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤はステアリン酸塩を含まない。
【0061】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は約10重量%と約99.5重量%の間の少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む。
【0062】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は約0.5重量%と約90重量%の間のモンタン酸エステルワックスを含む。一つの態様において、粒子複合潤滑剤の残りの部分は少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む。その残りの部分は金属酸化物のナノ粒子のコーティングを含むことができる。
【0063】
一つの態様において、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスは、一次モノアミドワックス、二次モノアミドワックス、ビスアミドワックス、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0064】
一つの態様において、脂肪質のアミドワックスは、ラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、オレアミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、エルクアミド、ステアリルステアラミド、ステアリルオレアミド、ステアリルエルクアミド、オレイルパルミトアミド、オレイルステアラミド、エルシルステアラミド、エルシルエルクアミド、エチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキサメチレンビスステアラミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0065】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを溶融させ、次いで、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを冷却および粉砕して離散した粒子にすることによって得られる。
【0066】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを溶融させ、次いで、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを霧化して離散した粒子にすることによって得られる。
【0067】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、モンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子と脂肪質のアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含む。脂肪質のアミドワックスの第二の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含むことができる。粒子複合潤滑剤はさらに第三の離散粒子を含むことができ、その第三の離散粒子は、脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む。
【0068】
さらに別の包括的な側面によれば、冶金用粉末組成物が提供され、この組成物は上述した粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む。金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末とすることができる。
【0069】
さらに別の包括的な側面によれば、粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法が提供され、この方法は、粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の上述した粒子複合潤滑剤を金属をベースとする粉末に添加することを含む。金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末とすることができる。
【0070】
本明細書において、約20℃において混練することができる場合のその物質はワックスであり、それは固形であるか、または脆いものであり、粗大な構造または微結晶構造を有し、半透明なものから不透明なものまであり、ガラス状ではなく、分解することなく40℃よりも高い温度で溶融し、融点のすぐ上の温度でわずかに液体状であり(あまり粘稠ではなく)、強い温度依存性の稠度(コンシステンシー)と溶解度を有し、そしてわずかな圧力をかけて磨くことができる。
【0071】
本明細書において、「複合(材料)」という用語は、少なくとも二つの構成要素の組み合わせを意味するものとして用いられる。それらの構成要素は、共に溶融または集塊させることができ、あるいは別個の離散粒子として用いることができる。
【0072】
本明細書では幾つかの文書を参照していて、それらの内容は全体が参考文献として本明細書に取り込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1図1は175μmのD99と63μmの平均粒径を有し、0.5重量%のヒュームドシリカで被覆されたエルクアミドワックスの粒子のSEM顕微鏡写真である。
図2図2は80μmのD99と22μmの平均粒径を有するエチレンビスステアラミド(EBS)ワックスの粒子のSEM顕微鏡写真である。
図3図3は実施例Aの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての圧粉体の密度を示すグラフである。
図4図4は実施例Aの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての抜き取り圧力を示すグラフである。
図5図5は実施例Aの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての滑り圧力を示すグラフである。
図6図6は実施例Aの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としてのダイの外での滑り圧力を示すグラフである。
図7図7は実施例Bの2種の潤滑剤について30分間および24時間の混合を行った後に24時間静置した場合のホール流量を示すグラフである。
図8図8は実施例Bの2種の潤滑剤について30分間および24時間の混合を行った後に24時間静置した場合のホール見掛け密度を示すグラフである。
図9図9は実施例Cの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての圧粉体の密度を示すグラフである。
図10図10は実施例Cの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての抜き取り圧力を示すグラフである。
図11図11は実施例Cの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての滑り圧力を示すグラフである。
図12図12は実施例Cの3種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としてのダイの外での滑り圧力を示すグラフである。
図13図13は実施例Cの3種の潤滑剤についてのホール流量と見掛け密度を示すグラフである。
図14図14は実施例Dの6種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての圧粉体の密度を示すグラフである。
図15図15は実施例Dの6種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての抜き取り圧力を示すグラフである。
図16図16は実施例Dの6種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての滑り圧力を示すグラフである。
図17図17は実施例Dの6種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としてのダイの外での滑り圧力を示すグラフである。
図18図18は実施例Dの6種の潤滑剤についての圧縮圧力の関数としての半径方向のスプリングバックを示すグラフである。
図19図19は実施例Dの6種の潤滑剤のうちの4種についてのホール流量と見掛け密度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0074】
添付図面と関連させて、鉄をベースとする粉末組成物(これには限定されない)のような金属粉末組成物についての特定の複合潤滑剤について記述されるだろう。この複合潤滑剤は金属粉末組成物のための圧縮成形助剤および/または加圧成形助剤として作用することができる。この複合潤滑剤は脂肪酸ワックスを主成分とする。
【0075】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスを含む第一の離散粒子と脂肪質のビスアミドワックスを含む第二の離散粒子との組み合わせで構成されている。第二の離散粒子は金属ステアリン酸塩を含まず、一つの態様において、それは金属粒子を含まない。
【0076】
一つの態様において、第一の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む。第一の離散粒子は1種よりも多い脂肪質の一次モノアミドワックスを含みうる、すなわち、脂肪質の一次モノアミドワックスの組み合わせを含むことができる、ということを認識されたい。それらは実質的に脂肪質のビスアミドワックスを含まない。
【0077】
一つの態様において、第二の離散粒子は脂肪質のビスアミドワックス以外の成分を含むことができる。例えば、それらは比較的少量の脂肪質の一次モノアミドワックスを含むことができる。一つの態様において、第二の離散粒子は少なくとも約50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと約10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む。別の態様において、第二の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質のビスアミドワックスと、例えば、約1重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスを含むことができる。第二の離散粒子は1種よりも多い脂肪質のビスアミドワックスを含みうる、すなわち、脂肪質のビスアミドワックスの組み合わせを含むことができる、ということを認識されたい。
【0078】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスを含む約10重量%と約60重量%の間の第一の離散粒子を含み、別の態様においては、約25重量%と約45重量%の間の第一の離散粒子を含む。一つの態様において、粒子複合潤滑剤は脂肪質のビスアミドワックスを含む約40重量%と約90重量%の間の第二の離散粒子を含み、別の態様においては、約55重量%と約75重量%の間の第二の離散粒子を含む。
【0079】
一つの態様において、脂肪質の一次モノアミドワックスは脂肪酸のモノアミドであり、これは飽和されているか、あるいは不飽和のものであり、12〜24個の炭素を有し、そしてラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、オレアミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、エルクアミド、およびこれらの組み合わせで構成される群から選択することができる。
【0080】
脂肪質の一次モノアミドワックスは親水性の分子であり、これはそれらのアミド機能の極性のためである。従って、実質的に純粋な脂肪質の一次モノアミドワックス粒子は長期間にわたって凝集する傾向があり、特にそれらが比較的湿度の高い環境に晒される場合に凝集しやすい。脂肪質の一次モノアミドワックス粒子が金属粉末と混合される場合、粉末混合物が比較的高い湿度レベルに晒されることによって、粉末混合物の流動速度は低下するだろう。
【0081】
脂肪質の一次モノアミドワックスの親水性を抑えるために、脂肪質の一次モノアミドワックスをベースとする粒子の上にヒュームドシリカ(これには限定されない)のような金属酸化物のナノ粒子のコーティングを設けることができる。このコーティングは粉末混合物の適切な流動速度を保証するだろう。金属酸化物のナノ粒子が脂肪質の一次モノアミドワックスを湿気から保護するために、ナノ粒子は表面上に被覆されなければならない。すなわち、表面上に付着されなければならない。金属酸化物のナノ粒子を金属粉末の配合物に混合することは(これは金属粉末の配合物の流動性を高めるためにしばしば行われる)、高湿度の環境に曝露することに対する何らの保護にもならないだろう。そのような配合物はホール漏斗(Hall funnel)の中で流動を全く示さない傾向がある。
【0082】
第一の離散粒子は、少なくとも一つの金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている。金属酸化物のナノ粒子は、脂肪質の一次モノアミドワックスを主成分とする粒子の外表面を少なくとも部分的に覆っている。金属酸化物のナノ粒子は酸化鉄、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、またはこれらの組み合わせとすることができる。一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む。ナノ粒子は約200nmよりも小さい。一つの態様において、それらは約100nmよりも小さい。一つの態様において、一次粒子の大きさは約5nmと50nmの間である。一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子のコーティングは一次離散粒子の重量の約5重量%未満に相当し、別の態様においては、約2重量%未満に相当する。
【0083】
脂肪質の一次モノアミドワックスの少なくとも部分的に被覆された離散粒子は、約250μmよりも小さな直径によって特徴づけられ、そして約10μmよりも大きな平均粒径を有する。一つの態様において、それらは約15μmと約100μmの間の平均粒径によって特徴づけられ、別の態様においては、約25μmと約75μmの間である。一つの態様において、それらは約80μmと約220μmの間のD99によって特徴づけられ(すなわち、粒子の99%はD99よりも小さい)、別の態様においては、約115μmと約180μmの間のD99によって特徴づけられる。
【0084】
一つの態様において、脂肪質のビスアミドワックスはメチレンビスオレアミド、メチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキシレンビスステアラミド、およびエチレンビスステアラミド(EBS)、およびこれらの混合物からなる群から選択することができる脂肪酸ビスアミドである。
【0085】
一つの態様において、第二の離散粒子は約50μmよりも小さな平均粒径によって特徴づけられ、別の態様においては、約15μmよりも小さい。一つの態様において、それらは約200μmよりも小さなD99によって特徴づけられ、別の態様においては、約150μmよりも小さなD99によって特徴づけられる。
【0086】
実施においては、複合潤滑剤は、脂肪質の一次モノアミドワックスとしてのエルクアミドの離散粒子を含み、金属酸化物としてのヒュームドシリカのナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていて、脂肪質のビスアミドワックスとしてのエチレンビスステアラミド(EBS)の離散粒子と混合されている。エルクアミドは脂肪質の一次モノアミドワックスであり、特に、一不飽和(monounsaturated)脂肪酸をベースとするワックスであり(C22:1)、そしてEBSは脂肪質のビスアミドワックスである。一つの態様において、複合潤滑剤は、ヒュームドシリカのナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された約10重量%と約60重量%の間のエルクアミドの粒子を含む。一つの態様において、複合潤滑剤は約40重量%と約90重量%の間のEBSを含む。
【0087】
実施においては、エルクアミドの粒子は実質的に球形であり、粉末冶金において潤滑剤として典型的に用いられる粒子よりも大きな直径を有する。特に、それらは約60マイクロメートル(μm)の平均粒径によって特徴づけられ、そしてそれらの直径は約175μmよりも小さい。例えば、潤滑剤のAcrawax C(アクラワックスC、登録商標)(これは粉末冶金において典型的に用いられる潤滑剤である)の粒子は、約5〜7マイクロメートル(μm)の平均粒径によって特徴づけられ、そしてそれらの直径は約25μmよりも小さい。Acrawax(登録商標)Cはアミドワックスであり、特に、N,N’-エチレンビスステアラミドである。
【0088】
図1は175μmのD99を有していて0.5重量%のヒュームドシリカで被覆されたエルクアミドワックスの粒子のSEM顕微鏡写真であり、この粒子をEBSワックスの粒子と混合することによって複合潤滑剤を得ることができる。図2は80μmのD99を有するEBSワックスの粒子のSEM顕微鏡写真であり、これを図1に示す粒子と組み合わせることができる。
【0089】
一つの態様において、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスの離散粒子を製造するために、脂肪質の一次アミドワックスを溶融させ、続いて砕解工程を行うことにより離散粒子を生じさせ、次いで、それら離散粒子を金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆することによって、潤滑剤の粒子を調製することができる。砕解は、気体または液体の媒体によって溶融物を霧化し、あるいは溶融物が凝固するまで冷却することを組み合わせ、そして凝固した混合物を粉砕して離散粒子にすることによって行うことができる。次いで、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスの第一の離散粒子を、脂肪質のビスアミドワックスの第二の離散粒子と所定の割合で合体させる。
【0090】
幾つかの実施において、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていて脂肪質のビスアミドワックスの第二の離散粒子と組み合わせた脂肪質の一次モノアミドワックスの第一の離散粒子を含む複合潤滑剤は、慣用の粉末冶金用の潤滑剤と比較して、突き出し力(取り出し力)を低下させることによって突き出し挙動を改善し、流動特性を改善し、そして湿気に対して適切な耐性を示した。
【0091】
別の態様において、粒子複合潤滑剤はモンタン酸エステルワックスと脂肪質のアミドワックスを含む。脂肪質のアミドワックスは脂肪質の一次モノアミドワックス、脂肪質の二次モノアミドワックス、脂肪質のビスアミドワックス、またはこれらの混合物を含む。この潤滑剤はステアリン酸塩を含まない。
【0092】
一つの態様において、複合潤滑剤は約0.5重量%と約90重量%の間のモンタン酸エステルワックスと約10重量%と約99.5重量%の間の脂肪質のアミドワックスを含む。代替の態様において、複合潤滑剤は約5重量%と約75重量%の間のモンタン酸エステルワックスを含み、さらに代替の態様において、それは約10重量%と約65重量%の間のモンタン酸エステルワックスを含む。代替の態様において、複合潤滑剤は約25重量%と約95重量%の間の脂肪質のアミドワックスを含み、さらに代替の態様において、それは約35重量%と約90重量%の間の脂肪質のアミドワックスを含む。
【0093】
本明細書において、「モンタン酸エステルワックス」という用語は、モンタン酸と長鎖脂肪族アルコールまたは多官能価アルコール(ジオール、トリオール・・・)とのエステル化によって得られる生成物を意味する。モンタン酸は加水分解または酸化した精製モンタンワックスから生成される。モンタンワックスは亜炭または褐炭の溶剤抽出によって生成される。黒色ないし褐色で硬くて脆い生成物である未精製のモンタンワックスは、様々な有機溶剤、蒸留および分別を用いて樹脂とアスファルテンを除去することによってさらに精製される。モンタンのワックス成分は、長鎖(C24〜C30)エステル(62〜68重量%)、長鎖酸(22〜26重量%)、および長鎖アルコール、ケトンおよび炭化水素(7〜15重量%)の混合物である。本明細書において、モンタン酸エステルワックスには、脱ろう(delubrication)と焼結を行った後に圧縮成形品の上に汚れを残す可能性のある、例えば、水酸化カルシウムまたは水酸化ナトリウムを生成する金属石鹸で部分的に鹸化されている生成物を含まない。
【0094】
一つの態様において、モンタン酸エステルワックスは70℃〜90℃の滴点を有し、そして代替の態様においては、75℃と85℃の間の滴点、5と30の間の範囲の酸価(mg KOH/g)、そして代替の態様においては、9と20の間の範囲の酸価、100と200の間の鹸化価(mg KOH/g)、そして代替の態様においては、140と170の間の鹸化価、100℃において20と150の間の粘度(mPa.s)を有する。
【0095】
一つの態様において、脂肪質のアミドワックスは一次モノアミド、二次モノアミド、および/またはビスアミドを含む。脂肪質のアミドワックスはこれらの混合物を含むことができる。一つの態様において、脂肪質のアミドワックスは、ラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、オレアミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、エルクアミド、ステアリルステアラミド、ステアリルオレアミド、ステアリルエルクアミド、オレイルパルミトアミド、オレイルステアラミド、エルシルステアラミド、エルシルエルクアミド、エチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキサメチレンビスステアラミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0096】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤はさらに、有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる追加の離散粒子を含むことができ、その追加の離散粒子は、例えば、(これらに限定はされないが)脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物である。
【0097】
一つの態様において、粒子複合潤滑剤はモンタン酸エステルワックスを含めた第一の離散粒子を含む。第一の離散粒子はさらに脂肪質のアミドワックスを含むことができる。例えば、それらは脂肪質の一次モノアミドワックスと脂肪質のビスアミドワックスのうちの少なくとも一つを含むことができる。第一の離散粒子が脂肪質の一次モノアミドワックスを含む場合、それらはさらに金属酸化物のナノ粒子のコーティングを含むことができる。粒子複合潤滑剤はさらに、有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる第二の離散粒子を含むことができる。例えば、第二の離散粒子は脂肪質の一次モノアミドワックスと脂肪質のビスアミドワックスのうちの少なくとも一つを含むことができる。一つの態様において、第一の離散粒子がモンタン酸エステルワックスと脂肪質の一次モノアミドワックスを組み合わせたものを含む場合、第二の離散粒子(これが存在する場合)は脂肪質のビスアミドワックスを含むことができる。代替の態様において、第一の離散粒子がモンタン酸エステルワックスと脂肪質のビスアミドワックスを組み合わせたものを含む場合、第二の離散粒子(これが存在する場合)は脂肪質の一次モノアミドワックスを含むことができ、これらは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよい。
【0098】
(限定するものではないが)例えば、一つの態様において、粒子複合潤滑剤はエルクアミドとモンタン酸エステルのワックスからなる第一の離散粒子を含み、これらは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されていてもよく、EBSからなる第二の離散粒子と混合されていて、この第二の離散粒子もモンタン酸エステルワックスを含んでいてもよい。この態様において、エルクアミドは粒子複合潤滑剤の脂肪質のアミドワックスであり、そしてEBSからなる離散粒子(これはモンタン酸エステルワックスを含むか、または含まない)は追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤として作用する。別の態様において、粒子複合潤滑剤はEBSとモンタン酸エステルのワックスからなる離散粒子を含む。この態様において、EBSは粒子複合潤滑剤の脂肪質のアミドワックスである。この複合潤滑剤は追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤としてエルクアミドからなる第二の離散粒子を含んでいてもよく、これらは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されているか、または被覆されていない。さらに別の態様において、第一の離散粒子はモンタン酸エステルワックスを含むことができ、そして第二の離散粒子はEBSとエルクアミドのいずれかを含むことができ、これらは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されているか、または被覆されていない。代替の態様において、複合潤滑剤は、EBSとモンタン酸エステルワックスの混合物またはエルクアミドとモンタン酸エステルワックスの混合物を含む第一の離散粒子だけを含むことができ、そしてこれは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されているか、または被覆されていない。この態様においては、複合潤滑剤は追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる離散粒子を含まない。
【0099】
さらに別の態様において、粒子複合潤滑剤はモンタン酸エステルワックスの第一の離散粒子と脂肪質の一次モノアミドワックス(例えば、エルクアミド)の第二の離散粒子で構成されていて、これらは金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されているか、または被覆されておらず、あるいは、粒子複合潤滑剤は脂肪質の一次モノアミドワックスとモンタン酸エステルワックスの両者を溶融してさらに冷却および粉砕するか、あるいは霧化することによって得られる。
【0100】
例えば、複合潤滑剤はモンタン酸エステルと脂肪質の一次モノアミドワックスの混合物を含む第一の離散粒子を含むことができ、このときモンタン酸エステルワックスの濃度は約0.5重量%と約90重量%の間の範囲であり、残りの部分は脂肪質の一次モノアミドワックスを含み、そして場合により、金属酸化物のナノ粒子のコーティングを含む。複合潤滑剤はさらに、(これに限定はされないが)脂肪質のビスアミドワックスのような追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる第二の離散粒子を含むことができる。
【0101】
別の実施において、複合潤滑剤はモンタン酸エステルと脂肪質のビスアミドワックスの混合物を含む第一の離散粒子を含むことができ、このときモンタン酸エステルワックスの濃度は約0.5重量%と約90重量%の間の範囲であり、残りの部分は脂肪質のビスアミドワックスである。複合潤滑剤はさらに、(これに限定はされないが)脂肪質の一次モノアミドワックスのような追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる第二の離散粒子を含むことができ、そして場合により、これらは金属酸化物のナノ粒子のコーティングを有する。
【0102】
さらに別の実施において、複合潤滑剤はモンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子と脂肪質の一次モノアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含むことができる。複合潤滑剤はさらに、(これに限定はされないが)脂肪質のビスアミドワックスのような追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる第三の離散粒子を含むことができる。モンタン酸エステルワックスの濃度は約0.5重量%と約90重量%の間の範囲であり、残りの部分は脂肪質の一次モノアミドワックスおよび(存在する場合は)追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤である。
【0103】
さらなる実施において、複合潤滑剤はモンタン酸エステルを含む第一の離散粒子と脂肪質のビスアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含むことができる。複合潤滑剤はさらに、(これに限定はされないが)脂肪質の一次モノアミドワックスのような追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤からなる第三の離散粒子を含むことができ、これは場合により、金属酸化物のナノ粒子のコーティングを有する。モンタン酸エステルワックスの濃度は約0.5重量%と約90重量%の間の範囲であり、残りの部分は脂肪質のビスアミドワックスおよび(存在する場合は)追加の有機質で金属を含まない粉末潤滑剤である。
【0104】
一つの態様において、脂肪酸アミドワックスまたはモンタン酸エステルワックスの離散粒子は約250μmよりも小さな直径を有し、そして約10μmよりも大きな平均粒径を有する。一つの態様において、脂肪酸アミドワックスまたはモンタン酸エステルワックスの離散粒子は約15μmと約100μmの間の平均粒径によって特徴づけられ、別の態様においては、約25μmと約75μmの間である。一つの態様において、それらは約80μmと約220μmの間のD99によって特徴づけられ(すなわち、粒子の99%はD99よりも小さい)、別の態様においては、約115μmと約180μmの間のD99によって特徴づけられる。
【0105】
モンタン酸エステルと脂肪質のアミドのワックスは様々な粒径分布を有する球形の粒子に微分化され、各々の成分の濃度は粉末混合物の中で変化させることができ、それにより複合潤滑剤の性質が最適化される。
【0106】
一つの態様において、モンタン酸エステルと脂肪質のアミドのワックスは、モンタン酸エステルワックスの離散粒子および脂肪質アミドのワックスの離散粒子として金属粉末に添加される。脂肪質アミドのワックスの性質に応じて、金属酸化物のナノ粒子が脂肪質アミドワックス粒子の外表面に付着するようなやり方で、脂肪質アミドワックスの離散粒子を金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆することができる。例えば、(これに限定はされないが)脂肪質アミドワックスがエルクアミドを含む場合、離散粒子は金属酸化物のナノ粒子からなる少なくとも部分的なコーティングを有することができる。
【0107】
別の態様において、粒子複合潤滑剤を製造するために、モンタン酸エステルワックスと脂肪質アミドのワックスを共に溶融させ、続いて砕解工程を行うことによってモンタン酸エステルワックスと脂肪質アミドのワックスの混合物を含む離散粒子を生じさせ、これらの粒子を金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆することによって、潤滑剤の粒子を調製することができる。砕解は、気体または液体の媒体によって溶融物を霧化し、あるいは溶融物が凝固するまで冷却することを組み合わせ、そして凝固した混合物を粉砕して離散粒子にすることによって行うことができる。
【0108】
モンタン酸エステルと脂肪質アミドのワックスを複合潤滑剤として金属粉末に添加し、それにより冶金用の粉末組成物を得る。前述したように、それらは別個の離散した粒子として、あるいはモンタン酸エステルワックスと脂肪質アミドのワックスの両方を含む粒子として添加することができる。金属粉末は、共に混合した幾つかのタイプの金属粉末を含む金属粉末混合物であってもよく、あるいは1種だけの金属粉末を含むものであってもよい。
【0109】
上述した粒子複合潤滑剤を、金属を主成分とする粉末、例えば(これに限定はされないが)鉄系粉末と混合し、それにより粉末冶金組成物を得ることができる。一つの態様において、潤滑剤は粉末冶金組成物の約0.1重量%と約5重量%の間の範囲の濃度で添加することができる。一つの態様において、その濃度は粉末冶金組成物の約2重量%未満であり、別の態様においては、約0.2重量%と約1重量%の間である。金属粉末は、共に混合した幾つかのタイプの金属粉末を含む金属粉末混合物であってもよく、あるいは1種だけの金属粉末を含むものであってもよい。金属粉末は鉄系の金属粉末とすることができ、例えば、中程度の範囲の密度を有する成形品、例えば、1立方センチメートル当り6.8〜7.4グラム(g/cm)のものに適した金属粉末とすることができる。金属粉末と複合潤滑剤を含む冶金用粉末組成物は、粉末冶金によって圧縮成形品を製造するために用いられる。複合潤滑剤は典型的に、製造プロセスの最終段階で粉末混合物に添加される。粉末冶金組成物はさらに、結合剤、加工助剤、硬質相、機械加工性改良剤、その他同種類のものを含むことができる。
【0110】
ここで説明している方法は、説明している順序で、あるいは他の何らかの適当な順序で実施することができる、ということが認識されるだろう。
【0111】
幾つかの実施において、脂肪質アミドのワックスにモンタン酸エステルのワックスを添加すると、これらを含む粉末冶金組成物の流動性と見掛けの密度が改善する、ということが見いだされた。
【実施例】
【0112】
実施例A
粒子複合潤滑剤の第一の態様について説明する。この複合潤滑剤は、ヒュームドシリカのナノ粒子で部分的に被覆された脂肪質のモノアミドワックスからなる離散粒子と脂肪質のビスアミドワックスからなる離散粒子の混合物を含む。特に、それは脂肪質のモノアミドワックスとしてのエルクアミドと脂肪質のビスアミドワックスとしてのエチレンビスステアラミドの混合物を含む。この複合潤滑剤において、脂肪質のモノアミドワックスの濃度は約10重量%と約60重量%の間で変化する。この実施例において、エルクアミドを周囲の湿気から保護するために、溶融し、噴霧微粉化工程を行い、そして0.5重量%のヒュームドシリカのナノ粒子で少なくとも部分的に被覆することによって生成した実質的に球形のエルクアミド粒子(図1)を用いた。このヒュームドシリカで被覆された粒子は、約63μmの平均粒径と、全ての粒子が約250μmよりも小さな直径を有することによって特徴づけられた。
【0113】
この実施例において、全ての粉末混合物は、Rio Tinto Metal Powdersによって製造された水アトマイズ法によるスチール粉末であるATOMET 1001HPを用いて調製した。各々の粉末混合物を1.8重量%の銅、0.7重量%の天然黒鉛、および0.7重量%の潤滑剤と混合した。この実施例において試験を行った粒子複合潤滑剤(混合物ID-1(識別番号-1))は、ヒュームドシリカのナノ粒子で被覆した40重量%のエルクアミド粒子と脂肪質のビスアミドワックスとしての60重量%のAcrawax(アクラワックス、登録商標)Cの粒子を含んでいた。
【0114】
二つの鉄系粉末混合物を基準として用いた。鉄系粉末混合物の第一のものはKenolube(ケノルーブ)P11を含み(混合物ID-2)、そして鉄系粉末混合物の第二のものはアトマイズ化した(微粒化した)Acrawax Cを含んでいた(混合物ID-3)。Kenolube P11とAcrawax Cは市販されている周知の潤滑剤であり、PM工業において広く用いられている。Acrawax Cはアミドワックスであり、特に、約5〜7μmの平均粒径を有するN,N’-エチレンビスステアラミドであり、そしてKenolube P11は22.5重量%のステアリン酸亜鉛と77.5重量%のアミドワックスの組成物である。下の表1は鉄系粉末混合物の圧縮性能と突き出し性能(取り出し性能)についての評価を記述したものである。
【0115】
【表1】
【0116】
見掛けの密度と流動速度を、それぞれMPIF標準規格4および3に従ってホール流量計を用いて測定した(金属粉末と粉末冶金製品のためのMPIF標準試験法−2012年版、ニュージャージー州、プリンストン(米国):金属粉末工業連盟;2012、150p)。圧縮と突き出しの挙動を、カナダ国立研究機関(カナダ、ブーシャーヴィル)において150トンの機械プレスを用いて評価した。プレスは歪ゲージを備えていて、このゲージは圧縮と突き出しの全工程を通して上部パンチと下部パンチに加わった圧力を記録することができる。差し渡しが25.4mmで12.7mmの高さを有していて、心部のピンの直径が14.2mmのリングを、炭化タングステンのダイの上で1分間当り5個の成形品について圧縮した。成形品は4.54のM/Q比を有していて、一方、MPIF標準60に従って製造した標準のTRS棒は約1.4のM/Q比を有していた。完全な圧縮性曲線を得るために、485、620、715および825MPaの四つの圧力で成形品をプレスした。
【0117】
下の表2および図3〜6において示す結果は、混合物ID-1について、Acrawax C(混合物ID-3)およびKenolube P11(混合物ID-2)と近似する圧縮性を示した。混合物ID-1についての突き出し性能はKenolube P11(混合物ID-2)と近似したが、しかし、Acrawax C(混合物ID-3)よりもかなり良好であった。
【0118】
【表2】
【0119】
実施例B
この実施例においては、温度と湿度の高い環境に対する二つの鉄系粉末混合物の耐性を、Thomasらが確立した手順(2009年)に従って測定した(Thomas, Y.;St-Laurent, S.;Pelletier, S;Gelinas, C.「潤滑化した粉末冶金混合物の流動性に及ぼす大気の湿度と温度の影響について」、粉末冶金および粒状材料の進歩、ラスベガス、2009年6月28日〜7月1日、MPIF、プリンストン(米国、ニュージャージー州))。AT-1001HPのベース粉末を主成分とし、0.6重量%の天然黒鉛、0.3重量%のMnSおよび0.8重量%の潤滑剤を含有するサンプルを調製した。それらの混合物を下の表3に記載する。
【0120】
【表3】
【0121】
高度に吸湿性の潤滑剤は状態調節期間の後には流動せず、一方、非吸湿性の潤滑剤はそれらの流動性を維持すると予想される。この試験を行うために、小さなVタイプのブレンダーを備えたブルーM気候制御室の中に1キログラム(kg)の鉄系粉末混合物のサンプルを置いた。各々の粉末配合物をブレンダーの中に置き、ブレンダーをほぼ1時間にわたって開放した。この時間の長さは、粉末混合物が周囲の環境と平衡に達するために必要である。この試験のために、気候制御室を60℃の温度および60%の相対湿度(RH)に設定した。この時間の後、ブレンダーを閉鎖し、粉末混合物を30分間混合し、その後、サンプルを捕集した。サンプルの捕集が完了した後、ブレンダーを24時間にわたって作動させた。この時間が終了したら、別のサンプルを捕集した。最初のサンプル(30分の混合時間の後に捕集したサンプル)について、流動速度と見掛けの密度を測定した。最後のサンプルについても、24時間の静止時間の後に測定を行った。
【0122】
結果を図7図8に示す。混合物ID-4とID-5における両方の潤滑剤は、温熱と高湿度の雰囲気に短時間晒した後に良好なホール流動速度を有していた。このことは、測定できる程度の流動をすでに示していた混合物ID-6の場合は示されなかった。このことは、粉末混合物にヒュームドシリカを混合しても、高湿度の環境に晒すことに対して混合物を保護することができない、ということを示す。一方、高湿度に長時間晒した後に、ヒュームドシリカで被覆したエルクアミド粒子を使用することによる利益を示すほどに流動する混合物は、混合物ID-4だけである。見掛けの密度に関して、高湿度の雰囲気に長時間晒した後に、混合物ID-4についてはわずかに高い値が得られたが、一方、混合物ID-5については見掛けの密度のかなりの低下が観察された。従って、被覆したエルクアミドは湿気に晒すことに対して良好な保護を与える。
【0123】
実施例C
この実施例においては、粒子複合潤滑剤の別の態様について説明する。これにおいて、複合潤滑剤は二つの成分の混合物を含む。特に、それは脂肪質アミドのワックスとしてのエルクアミドと非極性ワックスであるモンタン酸エステルのワックスとの混合物を含み、後者はエルクアミドが水と結合する傾向を低下させるためのものである。この複合潤滑剤において、モンタン酸エステルワックスの濃度は約0.5重量%から約90重量%の間で変化する。二つのワックスが実質的に均一に混合するように、混合物を加熱し、溶融させ、そしてブレンドし、次いで、噴霧微粒化させて実質的に球形の粒子にする。噴霧微粒化の工程の間に、ヒュームドシリカのナノ粒子のコーティングまたはその他の酸化物が粒子の上に付着することができる。例えば、(これに限定はされないが)噴霧微粒化した粒子へのコーティングとして付加されるヒュームドシリカの量は、(粒子が被覆されていないときの)約0%から約2重量%の間で変化させることができる。
【0124】
この実施例において、全ての粉末混合物は、Rio Tinto Metal Powdersによって製造された水アトマイズ法によるスチール粉末であるATOMET 1001HPを用いて調製した。各々の粉末混合物を1.8重量%の銅、0.7重量%の天然黒鉛、および0.7重量%の潤滑剤と混合した。
【0125】
表4は、圧縮と突き出しの性能について評価した粉末混合物について説明している。混合物ID-7は、ヒュームドシリカのナノ粒子で被覆した40重量%のエルクアミドの離散粒子とビスアミドワックスとしての60重量%のAcrawax Cの離散粒子を含んでいた。エルクアミドの粒子は霧化させて、0.5重量%のヒュームドシリカのナノ粒子で被覆した。ヒュームドシリカの被覆粒子は、約63μmの平均粒径を有し、そして全ての粒子が約250μmよりも小さな直径を有すると特徴づけられた。混合物ID-8はエルクアミドとモンタン酸エステルワックスを溶融させてから噴霧微粒化した混合物からなる50重量%の離散粒子を含み、重量比が40%のエルクアミドと60%のモンタン酸エステルワックスであった。エルクアミドとモンタン酸エステルワックスの粒子は、約56μmの平均粒径を有していて、粒子の99%が約160μmよりも小さいと特徴づけられた。残りの50重量%は離散した微粒化EBS粒子から成り、これは約35μmよりも小さな直径を有していた。粉末混合物を基準として用いたが、これは微粒化したAcrawax Cを含んでいた(混合物ID-9)。
【0126】
【表4】
【0127】
実施例Aについて上で説明したようにして、見掛けの密度、流動速度、および圧縮と突き出しの挙動を測定し、評価した。
【0128】
このモンタン酸エステルワックスを含む粒子複合潤滑剤と混合した鉄系粉末を含む冶金用粉末組成物は、表5と図9〜13に示すように、良好な圧縮と突き出しの性能および流動性を示した。これについて、以下でさらに詳しく説明する。
【0129】
混合物ID-7と混合物ID-8の両者は近似する圧縮性を有し、Acrawax Cを含む混合物ID-9とも圧縮性が近似している。しかし、両者とも本発明の潤滑剤を含む混合物ID-7とID-8はかなり低い突き出し圧力を示すことにより、Acrawax Cよりもかなり良い性能を有する。
【0130】
流動速度と見掛けの密度についての結果を図13に記載する。モンタン酸エステルワックスとエルクアミドの混合物を溶融させてから噴霧微粒化した粒子と35μmよりも小さな微粒化EBSの粒子とを含む複合潤滑剤は、最も良好な流動性を有する混合物となった。混合物ID-8は、被覆したエルクアミド粒子とAcrawax Cを含む混合物ID-7よりもかなり良好な流動性を有し、またAcrawax Cだけを含む混合物ID-9よりもかなり良好な流動挙動を示す。一方、モンタン酸エステルとエルクアミドの複合潤滑剤を含む混合物ID-8の見掛けの密度は最も大きく、他の二つの鉄系粉末混合物であるID-7およびID-9よりもわずかに大きい。
【0131】
【表5】
【0132】
実施例D
この四つ目の実施例においては、複合潤滑剤の別の態様について説明する。この複合潤滑剤は二つの成分の混合物を含み、そして特に、脂肪質アミドのワックスとしてのエチレンビスステアラミド(EBS)とモンタン酸エステルのワックスとの混合物を含む。この実施例において、モンタン酸エステルワックスの濃度は50重量%と10重量%のいずれかである。実施例Cについて説明したように、二つのワックスが実質的に均一に混合するように、両成分の混合物を加熱して溶融させ、そしてブレンドし、次いで、噴霧微粒化させて実質的に球形の粒子にする。潤滑剤の性能を適切に比較することができるように、球形の粒子を近似する粒径(約40μmから50μmまでの平均粒径で、全ての粒子が約250μmよりも小さな直径を有する)を有する純粋なEBSと純粋なモンタン酸エステルワックスからも製造した。
【0133】
この実施例において、全ての粉末混合物は、Rio Tinto Metal Powdersによって製造された水アトマイズ法によるスチール粉末であるATOMET 1001HPを用いて調製した。工業上の混合条件をシミュレートするために、Vブレンダーの中で40℃〜50℃の温度において、それぞれを1.8重量%の銅、0.7重量%の天然黒鉛、および0.7重量%の潤滑剤と混合した。下の表6は、圧縮と突き出しの性能について評価した鉄系粉末の混合物について説明している。第一の鉄粉末混合物(混合物ID-10)は、50%のEBSと50%のモンタン酸エステルワックスの混合物を最初に溶融させ、さらに噴霧微粒化させた粒子複合潤滑剤を含んでいた。第二の粉末混合物は、50%のEBS球形粒子と50%のモンタン酸エステルワックスの球形粒子との混合物を含んでいた(混合物ID-11)。他の二つの粉末混合物(混合物ID-12および混合物ID-13)は、この実施例において前に説明した純粋なモンタン酸エステルワックスとEBS潤滑剤のいずれかを含んでいた。別の混合物(混合物ID-16)は、90%のEBSと10%のモンタン酸エステルワックスの混合物を最初に溶融させ、さらに噴霧微粒化させた粒子複合潤滑剤を含んでいた。
【0134】
二つの鉄系粉末混合物も基準として用いた。第一のもの(混合物ID-14)はKenolube P11を含み、そして第二のもの(混合物ID-15)はアトマイズ化した(微粒化した)Acrawax Cを含んでいた。Kenolube P11とAcrawax Cの両者は市販されている周知の潤滑剤であり、PM工業において広く用いられている。Acrawax Cはアミドワックスであって、特に、N,N’-エチレンビスステアラミドであり、そしてKenolube P11は22.5重量%のステアリン酸亜鉛と77.5重量%のアミドワックスの組成物である。
【0135】
【表6】
【0136】
見掛けの密度、流動速度、および圧縮と突き出しの挙動を、実施例Aについて上で説明したようにして測定し、評価した。
【0137】
結果を図14〜18に示す。本発明の複合潤滑剤は、離散粒子のものと溶融させてから噴霧微粒化させた粒子のものの両者とも、優れた圧縮と突き出しの性能を有する。モンタン酸エステルワックスの存在(混合物ID-10および混合物ID-11)は、近似する粒径分布を有するEBSワックス(混合物ID-13)を使用するのと比較して、圧縮性の増大を可能にした。
【0138】
モンタン酸エステルワックスとEBSワックスの離散粒子の組み合わせ(混合物ID-11)を用いると、複合潤滑剤はAcrawax C(混合物ID-15)に近似する圧縮性を有する(図14)。しかし、突き出し性能はかなり改善される(図15〜17)。溶融させ、さらに噴霧微粒化させた粒子(混合物ID-10)は、離散粒子(混合物ID-11)に近似する突き出し性能を有するが、しかし、より高い圧縮性を有し、Kenolube(混合物ID-14)および純粋なモンタン酸エステルワックス(混合物ID-12)で得られたのと近似している。
【0139】
図18は、成形品を圧縮ダイから突き出した(取り出した)後の成形品のスプリングバック(戻り)を示す。Kenolube(混合物ID-14)は最も高いスプリングバックを示し、純粋なモンタン酸エステルワックス(混合物ID-12)は二番目に高い。モンタン酸エステルワックスとEBSワックスの離散粒子の組み合わせ(混合物ID-11)を用いるとスプリングバックをわずかに低減することができるが、しかし、溶融させ、さらに噴霧微粒化させた粒子(混合物ID-10)は、高い圧縮圧力においてEBSワックス(混合物ID-13)およびAcrawax C(混合物ID-15)に匹敵するレベルまでスプリングバックを低減させることができる。
【0140】
流動速度と見掛けの密度についての結果を図19で説明する。10重量%と50重量%のいずれかのモンタンワックスを含む複合潤滑剤は、純粋なモンタンワックス(混合物ID-12)または純粋なEBS(混合物ID-13)よりも良好な流動挙動を鉄粉末混合物であるID-10およびID-16に与えることができる。この複合潤滑剤を含む粉末混合物の見掛けの密度は、純粋なEBSを含む混合物(混合物ID-13)に近似している。
【0141】
幾つかの選択的な態様と実施例について、ここで記述して例証した。上で説明した本発明の態様は典型的なものにすぎない。当業者であれば、個々の態様の特徴点および構成要素の可能な組み合わせと変形を認識できるだろう。当業者であればさらに、各態様のいずれも、ここで開示された他の態様と任意に組み合わせた形で提供することができる、ということを認識できるだろう。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の特定の形態で具現化することができる、ということを理解されたい。従って、ここでの実施例と態様は、あらゆる点で例示的なものであって限定的なものではないと考えるべきであり、また本発明はここで示した詳細には限定されない。よって、特定の態様について例示して説明したが、本発明の精神から著しく逸脱することなく、多数の変形が想起される。従って、本発明の範囲は添付する特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。
(1) 粉末冶金のための粒子複合潤滑剤であって、少なくとも約90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子、および、脂肪質のビスアミドワックスを含んでいる第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子、
を含む、上記粒子複合潤滑剤。
(2) 粒子複合潤滑剤は約10重量%と約60重量%の間の第一の離散粒子を含む、(1)に記載の粒子複合潤滑剤。
(3) 粒子複合潤滑剤は約40重量%と約90重量%の間の第二の離散粒子を含む、(1)または(2)に記載の粒子複合潤滑剤。
(4) 第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、(1)〜(3)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(5) 第一の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、(1)〜(3)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(6) 第二の離散粒子は少なくとも約50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと約10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスをさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(7) 第二の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質のビスアミドワックスをさらに含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(8) 第二の離散粒子は本質的に脂肪質のビスアミドワックスから成る、(1)〜(5)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(9) 第二の離散粒子の脂肪質のビスアミドワックスは少なくとも2種の脂肪質のビスアミドワックスを含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(10) 脂肪質の一次モノアミドワックスは12〜24個の炭素の脂肪酸のモノアミドである、(1)〜(9)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(11) モノアミドはラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、オレアミド、エルクアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(10に記載の粒子複合潤滑剤。
(12) 金属酸化物のナノ粒子は酸化鉄、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(13) 金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む、(1)〜(11)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(14) 第一の離散粒子は約5重量%未満の金属酸化物のナノ粒子を含む、(1)〜(13)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(15) 第一の離散粒子は約250μmよりも小さい、(1)〜(14)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(16) 少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約15μmと約100μmの間の平均粒径を有する、(1)〜(15)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(17) 少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約80μmと約220μmの間である、(1)〜(16)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(18) 脂肪質のビスアミドワックスはメチレンビスオレアミド、メチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキシレンビスステアラミド、およびエチレンビスステアラミド(EBS)、およびこれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸ビスアミドである、(1)〜(17)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(19) 第二の離散粒子は約50μmよりも小さな平均粒径を有する、(1)〜(18)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(20) 第二の離散粒子のD99は約200μmよりも小さい、(1)〜(19)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(21) 第二の離散粒子は実質的に金属を含まない、(1)〜(20)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(22) 第一の離散粒子はエルクアミドの粒子を含み、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドの粒子を含む、(1)に記載の粒子複合潤滑剤。
(23) 粒子複合潤滑剤は、約10重量%と約60重量%の間のエルクアミドの粒子と約40重量%と約90重量%の間のエチレンビスステアラミドの粒子を含む、(22)に記載の粒子複合潤滑剤。
(24) エルクアミドの粒子は約60μmの平均粒径と約175μmよりも小さな直径を有する、(22)または(23)に記載の粒子複合潤滑剤。
(25) (1)〜(24)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度で混合した金属をベースとする粉末を含む冶金用粉末組成物。
(26) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(25)に記載の冶金用粉末組成物。
(27) 粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法であって、(1)〜(24)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度で金属をベースとする粉末に添加することを含む、前記方法。
(28) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(27)に記載の方法。
(29) 粉末冶金のための粒子複合潤滑剤であって、脂肪質の一次モノアミドワックスを含んでいて、脂肪質のビスアミドワックスを実質的に含まず、そして金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子(この少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約15μmと約100μmの間の平均粒径を有する)と、脂肪質のビスアミドワックスを含んでいて、約50μmよりも小さな平均粒径を有する第二の金属ステアリン酸塩非含有離散粒子とを含む、前記粒子複合潤滑剤。
(30) 少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子は約25μmと約75μmの間の平均粒径を有する、(29)に記載の粒子複合潤滑剤。
(31) 少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約80μmと約220μmの間である、(29)または(30)に記載の粒子複合潤滑剤。
(32) 少なくとも部分的に被覆された第一の離散粒子のD99は約115μmと約180μmの間である、(29)〜(30)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(33) 第二の離散粒子は約15μmよりも小さな平均粒径を有する、(29)〜(32)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(34) 第二の離散粒子のD99は約200μmよりも小さい、(29)〜(33)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(35) 第二の離散粒子のD99は約150μmよりも小さい、(29)〜(33)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(36) 第一の離散粒子は少なくとも約90重量%の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、(29)〜(35)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(37) 粒子複合潤滑剤は約10重量%と約60重量%の間の第一の離散粒子を含む、(29)〜(36)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(38) 粒子複合潤滑剤は約40重量%と約90重量%の間の第二の離散粒子を含む、(29)〜(37)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(39) 第一の離散粒子は本質的に、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、(29)〜(38)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(40) 第一の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆された脂肪質の一次モノアミドワックスから成る、(29)〜(38)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(41) 第二の離散粒子はさらに、少なくとも約50重量%の脂肪質のビスアミドワックスと約10重量%未満の脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、(29)〜(40)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(42) 第二の離散粒子はさらに、少なくとも約90重量%の脂肪質のビスアミドワックスを含む、(29)〜(40)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(43) 第二の離散粒子は本質的に脂肪質のビスアミドワックスから成る、(29)〜(40)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(44) 第二の離散粒子は実質的に金属を含まない、(29)〜(43)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(45) 脂肪質の一次モノアミドワックスは12〜24個の炭素の脂肪酸のモノアミドである、(29)〜(44)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(46) モノアミドはラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、オレアミド、エルクアミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、(45)に記載の粒子複合潤滑剤。
(47) 金属酸化物のナノ粒子は酸化鉄、TiO、Al、SnO、SiO、CeO、および酸化インジウムチタンのナノ粒子、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、(29)〜(46)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(48) 金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む、(29)〜(46)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(49) 第一の離散粒子は約5重量%未満の金属酸化物のナノ粒子を含む、(29)〜(48)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(50) 第一の離散粒子は約250μmよりも小さい、(29)〜(49)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(51) 脂肪質のビスアミドワックスはメチレンビスオレアミド、メチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキシレンビスステアラミド、およびエチレンビスステアラミド(EBS)、およびこれらの混合物からなる群から選択される脂肪酸ビスアミドである、(29)〜(50)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(52) 第二の離散粒子は約50μmよりも小さな平均粒径を有する、(29)〜(51)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(53) 第一の離散粒子はエルクアミドの粒子を含み、金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドの粒子を含む、(29)に記載の粒子複合潤滑剤。
(54) 粒子複合潤滑剤は、約10重量%と約60重量%の間のエルクアミドの粒子と約40重量%と約90重量%の間のエチレンビスステアラミドの粒子を含む、(53)に記載の粒子複合潤滑剤。
(55) エルクアミドの粒子は約60μmの平均粒径と約175μmよりも小さな直径を有する、(53)または(54)に記載の粒子複合潤滑剤。
(56) 約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度の(29)〜(44)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む冶金用粉末組成物。
(57) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(56)に記載の冶金用粉末組成物。
(58) 粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法であって、(29)〜(44)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度で金属をベースとする粉末に添加することを含む、前記方法。
(59) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(58)に記載の方法。
(60) 粉末冶金のための粒子複合潤滑剤であって、モンタン酸エステルワックスと少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含み、脂肪質のアミドワックスは脂肪質のモノアミドワックスと脂肪質のビスアミドワックスのうちの少なくとも一つを含む、前記粒子複合潤滑剤。
(61) モンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子を含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(62) 第一の離散粒子はさらに脂肪質のモノアミドワックスを含み、そしてその脂肪質のモノアミドワックスは脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、(61)に記載の粒子複合潤滑剤。
(63) さらに第二の離散粒子を含み、その第二の離散粒子は、脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む、(61)または(62)に記載の粒子複合潤滑剤。
(64) 脂肪質のビスアミドワックスを含む第二の離散粒子をさらに含む、(61)または(62)に記載の粒子複合潤滑剤。
(65) 第二の離散粒子はさらにモンタン酸エステルワックスを含む、(64)に記載の粒子複合潤滑剤。
(66) 第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(62)〜(65)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(67) 第一の離散粒子はさらに脂肪質のビスアミドワックスを含む、(61)に記載の粒子複合潤滑剤。
(68) 脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む第二の離散粒子をさらに含む、(67)に記載の粒子複合潤滑剤。
(69) 脂肪質のモノアミドワックスを含む第二の離散粒子をさらに含み、その脂肪質のモノアミドワックスは脂肪質の一次モノアミドワックスを含む、(67)に記載の粒子複合潤滑剤。
(70) 第二の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(69)に記載の粒子複合潤滑剤。
(71) 第一の離散粒子と第二の離散粒子を含み、第一の離散粒子はモンタン酸エステルワックスとエルクアミドを含む脂肪質のモノアミドワックスとを含み、そして第二の離散粒子はエチレンビスステアラミドを含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(72) 第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(71)に記載の粒子複合潤滑剤。
(73) 第二の離散粒子はさらにモンタン酸エステルワックスを含む、(71)または(72)に記載の粒子複合潤滑剤。
(74) モンタン酸エステルワックスとエチレンビスステアラミドを含む脂肪質のビスアミドワックスとを含む第一の離散粒子を含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(75) エルクアミドを含む第二の離散粒子をさらに含む、(74)に記載の粒子複合潤滑剤。
(76) 第二の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(75)に記載の粒子複合潤滑剤。
(77) 第二の離散粒子はさらにモンタン酸エステルワックスを含む、(75)または(76)に記載の粒子複合潤滑剤。
(78) 粒子複合潤滑剤には第二の離散粒子が含まれていない、(74)に記載の粒子複合潤滑剤。
(79) モンタン酸エステルワックスとエルクアミドを含む脂肪質のモノアミドワックスとを含む第一の離散粒子を含み、そして第二の離散粒子を含まない、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(80) 第一の離散粒子は金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(79)に記載の粒子複合潤滑剤。
(81) モンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子と少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(82) 脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む第三の離散粒子をさらに含む、(81)に記載の粒子複合潤滑剤。
(83) 粒子複合潤滑剤はステアリン酸塩を含まない、(60)〜(70)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(84) 約10重量%と約99.5重量%の間の少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(85) 約0.5重量%と約90重量%の間のモンタン酸エステルワックスを含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(86) 粒子複合潤滑剤の残りの部分は少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスを含む、(85)に記載の粒子複合潤滑剤。
(87) 残りの部分は金属酸化物のナノ粒子のコーティングを含む、(86)に記載の粒子複合潤滑剤。
(88) 少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスは、一次モノアミドワックス、二次モノアミドワックス、ビスアミドワックス、およびこれらの混合物からなる群から選択される、(60)〜(85)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(89) 脂肪質のアミドワックスは、ラウラミド、パルミトアミド、ステアラミド、オレアミド、アラキドアミド、ベヘンアミド、エルクアミド、ステアリルステアラミド、ステアリルオレアミド、ステアリルエルクアミド、オレイルパルミトアミド、オレイルステアラミド、エルシルステアラミド、エルシルエルクアミド、エチレンビスステアラミド、エチレンビスオレアミド、ヘキサメチレンビスステアラミド、およびこれらの混合物からなる群から選択される、(60)〜(88)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(90) 粒子複合潤滑剤は、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを溶融させ、次いで、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを冷却および粉砕して離散した粒子にすることによって得られる、(60)〜(89)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(91) 粒子複合潤滑剤は、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを溶融させ、次いで、少なくとも一つの脂肪質のアミドワックスとモンタン酸エステルワックスを霧化して離散した粒子にすることによって得られる、(60)〜(89)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(92) モンタン酸エステルワックスを含む第一の離散粒子と脂肪質のアミドワックスを含む第二の離散粒子とを含む、(60)に記載の粒子複合潤滑剤。
(93) 脂肪質のアミドワックスの第二の離散粒子は、金属酸化物のナノ粒子で少なくとも部分的に被覆されている、(92)に記載の粒子複合潤滑剤。
(94) 金属酸化物のナノ粒子はヒュームドシリカのナノ粒子を含む、(93)に記載の粒子複合潤滑剤。
(95) 脂肪質のビスアミドワックス、脂肪質のモノアミドワックス、グリセリド、モンタン酸エステルワックス、パラフィンワックス、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、およびこれらの混合物からなる群から選択される有機質で金属を含まない粉末潤滑剤を含む第三の離散粒子をさらに含む、(92)〜(94)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤。
(96) (60)〜(95)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤と混合した金属をベースとする粉末を含む冶金用粉末組成物。
(97) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(96)に記載の冶金用粉末組成物。
(98) 粉末冶金のための粉末組成物を製造するための方法であって、(60)〜(95)のいずれかに記載の粒子複合潤滑剤を粉末組成物の全重量に基づいて約0.1重量%と約5重量%の間の範囲にある濃度で金属をベースとする粉末に添加することを含む、前記方法。
(99) 金属をベースとする粉末は鉄をベースとする粉末である、(98)に記載の方法。
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