特許第6441962号(P6441962)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6441962電力管理システム、中継装置及び電力管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6441962
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】電力管理システム、中継装置及び電力管理方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/15 20060101AFI20181210BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   H04B7/15
   H04Q9/00 311H
   H04Q9/00 321D
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-566386(P2016-566386)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(86)【国際出願番号】JP2015085828
(87)【国際公開番号】WO2016104501
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年6月6日
(31)【優先権主張番号】特願2014-261788(P2014-261788)
(32)【優先日】2014年12月25日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2014-261794(P2014-261794)
(32)【優先日】2014年12月25日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】山根 毅史
【審査官】 川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−100884(JP,A)
【文献】 特開2002−141910(JP,A)
【文献】 特開2014−187839(JP,A)
【文献】 特開2014−068190(JP,A)
【文献】 特開2012−156671(JP,A)
【文献】 TR-1052 HEMS−スマートメーター(Bルート) 通信インタフェース 実装詳細ガイドライン,一般社団法人 情報通信技術委員会,2014年 3月17日,第1.0版,URL,http://www.ttc.or.jp/jp/document_list/pdf/j/TR/TR-1052v1.pdf
【文献】 ディスプレイメニューの使い方 Aterm MR03LN ユーザーズマニュアル Ver.3.02,NECプラットフォームズ株式会社,2014年10月13日
【文献】 JJ-300.10 ECHONET Lite 向けホームネットワーク通信インタフェース (IEEE802.15.4/4e/4g 920MHz帯無線),一般社団法人情報通信技術委員会,2014年 5月22日,第2.1版,p.59〜135
【文献】 斉藤 健ほか,スマートグリッドの最新の標準化動向と東芝の取組み,東芝レビュー,2013年,第68巻,第8号,p.18〜21
【文献】 P. Duffy et al.,Protocol for Carrying Authentication for Network Access (PANA) Relay Element,RFC 6345,Internet Engineering Task Force (IETF),2011年 8月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/15
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信機能を有する電力管理装置と第1無線接続を確立する第1無線通信部と、
無線通信機能を有するスマートメータと第2無線接続を確立する第2無線通信部と、
前記スマートメータにより得られた電力情報を前記電力管理装置に中継する制御部とを備え、
前記制御部は、前記電力管理装置との第1認証処理及び前記スマートメータとの第2認証処理を行い、
前記制御部は、前記第1認証処理を行って前記第1無線接続を確立した後に、前記第2認証処理を行って前記第2無線接続を確立することを特徴とする中継装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第2認証処理を行う前において、前記スマートメータからの無線信号の第2信号品質を測定するととともに、前記第2信号品質をユーザに提示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の中継装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1認証処理を行う前において、前記電力管理装置からの無線信号の第1信号品質を測定するととともに、前記第1信号品質をユーザに提示する制御を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中継装置。
【請求項4】
前記制御部は、第1ユーザ操作に応じて前記第1認証処理を行って前記第1無線接続を確立した後に、第2ユーザ操作に応じて前記第2認証処理を行って前記第2無線接続を確立することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項5】
前記制御部は、1つのユーザ操作に応じて、前記第1認証処理を行って前記第1無線接続を確立した後に、前記第2認証処理を行って前記第2無線接続を確立することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1無線接続が確立された場合に、その旨をユーザに提示する制御を行い、前記第2無線接続が確立された場合に、その旨をユーザに提示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1無線接続の接続状態が悪化した場合に、その旨をユーザに提示する制御を行い、前記第2無線接続の接続状態が悪化した場合に、その旨をユーザに提示する制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の中継装置。
【請求項8】
無線通信機能を有する電力管理装置と第1認証処理を行って、前記電力管理装置と第1線接続を確立するステップAと、
無線通信機能を有するスマートメータと第2認証処理を行って、前記スマートメータと第2無線接続を確立するステップBと、
前記スマートメータにより得られた電力情報を前記電力管理装置に中継するステップCとを備え、
前記ステップBは、前記ステップAの後に行われることを特徴とする電力管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートメータが設けられた需要家施設において用いられる電力管理システム、中継装置及び電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、需要家施設に設けられる装置(機器)の電力を管理する電力管理システム(EMS:Energy Management System)が注目を浴びている。このような電力管理システムでは、電力を管理する電力管理装置が設けられる。
【0003】
一方で、電力系統から需要家施設に供給される電力を測定するメータとして、通信機能を有するスマートメータが知られている。スマートメータは、電力会社等が提供する装置であり、スマートメータにより得られる電力情報は、ユーザに対する課金等に用いられる。
【0004】
また、電力管理装置とスマートメータとの間で通信を行い、電力管理装置がスマートメータから直接的に電力情報を取得する仕組みの導入が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
スマートメータと電力管理装置との間の通信に近距離無線通信を適用する場合、スマートメータ間の干渉を低減するために、スマートメータからの無線信号の送信電力は低く設定されることがある。
【0006】
また、電力管理装置は、設置可能な位置が限定されることがあるため、必ずしもスマートメータの周辺に電力管理装置を設置できるとは限らない。
【0007】
従って、スマートメータと電力管理装置との間の通信に無線通信を適用する場合、スマートメータと電力管理装置との間で適切に通信を行うことができない虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2014−78841号公報
【発明の概要】
【0009】
第1の特徴に係る中継装置は、無線通信機能を有するスマートメータと無線接続を確立する第1の無線通信部と、前記スマートメータからの無線信号の第1の信号品質を測定し、前記第1の信号品質をユーザに提示する制御を行う制御部と、を備える。前記中継装置は、前記スマートメータと前記スマートメータにより得られた電力情報を管理する電力管理装置との間の通信を中継する。
【0010】
第2の特徴に係る電力管理方法は、中継装置が、無線通信機能を有するスマートメータからの無線信号の第1の信号品質を測定するステップと、前記中継装置が、前記第1の信号品質をユーザに提示するステップと、前記中継装置が、前記スマートメータとの無線接続を確立するステップと、前記中継装置が、前記スマートメータと前記スマートメータにより得られた電力情報を管理する電力管理装置との間の通信を中継するステップと、を含む。
【0011】
第3の特徴に係る電力管理システムは、電力情報を管理する電力管理装置と、無線通信機能を有するスマートメータとの無線接続を確立し、前記スマートメータと前記電力管理装置との間の通信を中継する中継装置と、を備える。前記中継装置は、前記スマートメータとの認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合、前記スマートメータとの無線接続を確立する。
【0012】
第4の特徴に係る中継装置は、無線通信機能を有するスマートメータとの認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合、前記スマートメータとの無線接続を確立する制御部を備える。前記中継装置は、前記スマートメータと電力管理装置との間の通信を中継する。
【0013】
第5の特徴に係る電力管理方法は、中継装置が、無線通信機能を有するスマートメータとの認証処理を行うステップと、前記中継装置が、前記認証処理が成功した場合、前記スマートメータとの無線接続を確立するステップと、前記中継装置が、前記スマートメータと電力管理装置との間の通信を中継するステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、第1実施形態乃至第3実施形態に係る電力管理システムのブロック図である。
図2図2は、第1実施形態及び第2実施形態に係る需要家施設の構成を示す図である。
図3図3は、第1実施形態及び第2実施形態に係る中継装置のブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る中継装置の実装例を示す図である。
図5図5は、第1実施形態乃至第3実施形態に係る電力管理装置のブロック図である。
図6図6は、第1実施形態に係る電力管理システムの動作シーケンスの一例を示すシーケンス図である。
図7図7は、第2実施形態に係る中継装置の実装例を示す図である。
図8図8は、第3実施形態に係る中継装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下において、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0016】
[第1実施形態]
(電力管理システムの構成)
以下において、第1実施形態に係る電力管理システム10の構成について説明する。図1は、電力管理システム10のブロック図である。図1において、ブロック間の実線は電力線を示し、ブロック間の破線は信号線を示す。
【0017】
図1に示すように、電力管理システム10は、負荷100、分電盤110、PV(Photovoltaic)装置130、蓄電池装置140、電力管理装置200、表示装置290、スマートメータ300、及び中継装置400を有する。
【0018】
負荷100は、電力線を介して供給される電力を消費する装置である。負荷100は、単数の装置であってもよく、複数の装置を含んでもよい。例えば、負荷100は、冷蔵庫、照明、エアコン、又はテレビ等を含む。
【0019】
分電盤110は、電力の分配等を行う装置である。分電盤110は、電力会社等が提供する電力系統11に接続されている。また、分電盤110は、電力線を介して、負荷100、PV装置130、及び蓄電池装置140と接続されている。さらに、分電盤110は、電力線を介して、電力管理装置200及び中継装置400と接続されていてもよい。
【0020】
PV装置130は、発電を行う装置であり、PV131及びPCS(Power Conditioning System)132を有する。PV131は、太陽光の受光に応じて発電し、直流電力を出力する。PCS132は、PV131から出力された直流電力を交流電力に変換し、電力線を介して交流電力を出力する。
【0021】
蓄電池装置140は、電力を蓄積する装置であり、蓄電池141及びPCS142を有する。蓄電池141は、電力の蓄積(充電)及び電力の出力(放電)を行う。PCS142は、蓄電池141の充電時において、電力線を介して入力された交流電力を直流電力に変換し、直流電力を蓄電池141に出力する。PCS142は、蓄電池141の放電時において、蓄電池141から出力された直流電力を交流電力に変換し、電力線を介して交流電力を出力する。
【0022】
電力管理装置200は、電力(電力情報)を管理する装置である。電力管理装置200は、狭域ネットワーク(LAN)を構成する信号線を介して、負荷100、PV装置130、蓄電池装置140、表示装置290、及び中継装置400に接続されている。信号線は、無線であってもよく、有線であってもよい。第1実施形態において、電力管理装置200と中継装置400との間の信号線は、無線である。電力管理装置200は、負荷100、PV装置130、蓄電池装置140、及び表示装置290を制御してもよい。電力管理装置200の詳細については後述する。
【0023】
表示装置290は、電力管理装置200の制御下で各種の表示を行う。表示装置290は、広域ネットワーク(WAN)を介して電力管理装置200との通信を行ってもよい。表示装置290は、テレビ、タブレット端末又はスマートフォン等であってもよい。
【0024】
スマートメータ300は、電力系統11から供給される電力を測定するメータ装置である。スマートメータ300は、PV装置130等から電力系統11に供給(逆潮流)される電力を測定してもよい。ここで、逆潮流とは、例えばPV装置130から電力系統11側に流れる電力の流れを指すものである。図1において、単一のスマートメータ300を例示しているが、複数のスマートメータ300が設けられてもよい。
【0025】
スマートメータ300は、例えば、電力会社等から提供される装置である。スマートメータ300により得られる電力情報は、ユーザに対する課金等に用いられる。スマートメータ300は、通信機能を有しており、信号線を介して中継装置400に接続されている。第1実施形態において、スマートメータ300と中継装置400との間の信号線は、無線である。
【0026】
中継装置400は、電力管理装置200とスマートメータ300との間の通信を中継する装置である。電力管理装置200とスマートメータ300との間の通信プロトコルには、例えばECHONET Lite(登録商標、以下同じ)が適用される。通信プロトコルは、これに限定されず、例えばKNX又はSEP2.0を用いることができる。中継装置400の詳細については後述する。
【0027】
(需要家施設の構成)
以下において、第1実施形態に係る需要家施設20の構成について説明する。図2は、需要家施設20の構成を示す図である。第1実施形態において、需要家施設20が住宅である場合を想定する。住宅とは、戸建ての住宅であってもよいし、集合住宅(アパート、マンション)に含まれる住宅であってもよい。
【0028】
図2に示すように、需要家施設20には、電力管理装置200及びスマートメータ300が設置されている。需要家施設20としての住宅に設置される電力管理装置200は、HEMS(Home Energy Management System)、又はHEMSコントローラと称されることがある。
【0029】
需要家施設20には、図1に示した負荷100及び分電盤110が設置される。さらに、需要家施設20には、図1に示したPV装置130及び蓄電池装置140の少なくとも一方が設置されてもよい。
【0030】
このような需要家施設20において、電力管理装置200とスマートメータ300との間で通信を行い、電力管理装置200がスマートメータ300から直接的に電力情報を取得する仕組みの導入が検討されている。このような通信経路は、「Bルート」と称されることがある。
【0031】
スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信には、G3−PLC(登録商標)等の電力線通信規格を用いた有線通信、又はWi−SUN(登録商標、以下同じ)等の近距離無線通信規格を用いた無線通信が適用される。
【0032】
第1実施形態において、スマートメータ300及び電力管理装置200のそれぞれは、Wi−SUNによる無線通信機能を有している。すなわち、スマートメータ300と電力管理装置200との間に無線接続を確立し、スマートメータ300と電力管理装置200との間で無線通信を行うことが可能である。
【0033】
スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信に無線通信を適用する場合、スマートメータ300間の干渉を低減するために、スマートメータ300からの無線信号の送信電力は低く設定されることがある。これは、Bルート通信については、スマートメータ300の設置時において、スマートメータ300が発する無線信号が少しでも需要家施設20内に入ることが確認されれば、スマートメータ300の設置が完了したことになるためである。
【0034】
また、電力管理装置200は、電源確保等の観点から、設置可能な位置が限定されることがある。例えば、電力管理装置200は、分電盤110のブレーカ遮断時にも動作できるように、分電盤110の周辺に設置される。よって、必ずしもスマートメータ300の周辺に電力管理装置200を設置できるとは限らない。
【0035】
従って、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信に無線通信を適用する場合、スマートメータ300と電力管理装置200との間で適切に通信を行うことができない虞がある。具体的には、スマートメータ300と電力管理装置200との間に直接的に無線接続を確立する場合、無線接続の確立に失敗する、又は無線接続を確立できても接続状態が事後的に劣悪になる虞がある。
【0036】
そこで、第1実施形態において、中継装置400は、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続を確立し、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信を中継する。
【0037】
これにより、中継装置400を適切な位置に設置することにより、中継装置400は、スマートメータ300との良好な無線接続及び電力管理装置200との良好な無線接続を確立することができる。よって、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信の品質を改善することができる。
【0038】
中継装置400は、例えば、電力管理装置200とセットで提供される。すなわち、中継装置400は、電力管理装置200に付随する装置である。中継装置400は、「(無線)アダプタ」と称されてもよい。このように電力管理装置200と中継装置400とセットで提供される場合には、周辺環境の変化により無線接続状況が変化した場合でも、中継装置400の位置を変更することにより容易に通信の品質を改善することができる。なお、中継装置400が電力管理装置200とセットで提供される場合には、電力管理装置200がスマートメータ200との通信機能を有していなくてもよい。
【0039】
或いは、中継装置400は、電力管理装置200とは別個に提供されてもよい。中継装置400が電力管理装置200とは別個に提供される場合には、例えば、電力管理装置200を設置したときは中継装置400が不要であったが、事後的に中継装置400が必要になった場合等に利点がある。具体的に、例えば、電力管理装置200が有する通信機能ではスマートメータ200との接続が周辺環境の変化により不十分になったときに中継装置400を別途購入する場合がある。この場合、スマートメータ200又は電力管理装置200の位置を変更しなくても通信の品質を改善することができる。
【0040】
但し、スマートメータ300から得られる電力情報は、需要家施設20におけるユーザの在宅状況等を反映しているため、電力情報のセキュリティを担保することが望まれる。すなわち、電力管理装置200とは異なる装置がスマートメータ300との通信を行うことを防止することが望まれる。
【0041】
(中継装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る中継装置400の構成について説明する。図3は、中継装置400のブロック図である。
【0042】
図3に示すように、中継装置400は、第1の無線通信部410、第2の無線通信部420、記憶部430、表示部440、操作部450、電源部460、及び制御部470を有する。
【0043】
第1の無線通信部410は、スマートメータ300との無線接続を確立するためのブロックである。第1実施形態において、第1の無線通信部410は、Wi−SUN通信規格に準拠したWi−SUN無線通信部である。Wi−SUN通信規格は、1GHz未満の無線周波数帯(例えば、920MHz帯等)を使用する。
【0044】
第2の無線通信部420は、電力管理装置200との無線接続を確立するためのブロックである。第1実施形態において、第2の無線通信部420は、無線狭域ネットワーク(WLAN)通信規格に準拠したWLAN無線通信部である。WLAN通信規格とは、IEEE802.11諸規格を指す。WLAN通信規格は、1GHzよりも高い無線周波数帯(例えば、2.4GHz帯、5GHz帯等)を使用する。
【0045】
このように、第1実施形態において、スマートメータ300と中継装置400との間の無線通信(第1の無線通信部410)に用いられる通信規格と、電力管理装置200と中継装置400との間の無線通信(第2の無線通信部420)に用いられる通信規格とが異なる。特に、第1の無線通信部410における無線周波数帯と第2の無線通信部420における無線周波数帯とが異なるため、第1の無線通信部410と第2の無線通信部420との間で電波干渉が生じにくくすることができる。
【0046】
記憶部430は、中継装置400における制御に用いられる情報及びプログラムを記憶するブロックである。記憶部430は、不揮発性記憶媒体及び揮発性記憶媒体を含む。
【0047】
記憶部430(不揮発性記憶媒体)は、電力管理装置200との認証処理に用いられる第1の認証情報を予め記憶している。第1の認証情報は、認証方式及び認証キーを含む。認証方式とは、共通鍵ベースの方式であってもよいし、公開鍵ベースの方式であってもよい。認証キーとは、例えば、共通鍵ベースの方式で用いられるID及びパスワード、又は公開鍵ベースの方式で用いられるデジタル証明書である。
【0048】
表示部440は、制御部470の制御下で各種の表示を行うブロックである。表示部440は、少なくとも1つの液晶ディスプレイ(LCD)、若しくは少なくとも1つの発光ダイオード(LED)、又はこれらの組み合わせにより構成される。第1実施形態において、表示部440は、複数のLEDにより構成される。
【0049】
表示部440に代えて、又は表示部440に加えて、音を発する音声出力部(スピーカ、ブザー)を設けてもよい。また、表示部440に代えて、又は表示部440に加えて、振動を発する振動発生部を設けてもよい。表示部440、音声出力部、及び振動発生部は、ユーザに対する各種の提示に用いられる。
【0050】
操作部450は、ユーザからの操作を受け付けて、操作内容を制御部470に伝達するブロックである。操作部450は、少なくとも1つのボタン、若しくは少なくとも1つのスイッチ、又はこれらの組み合わせにより構成される。表示部440としてタッチパネル式のディスプレイを用いる場合、操作部450は、表示部440と一体に構成されてもよい。
【0051】
電源部460は、中継装置400における他のブロックに電力を供給するためのブロックである。電源部460は、AC電源(ACアダプタ)若しくはバッテリー、又はこれらの組み合わせにより構成される。電源部460には、イーサネット(登録商標、以下同じ)又は無線給電による給電方式を適用してもよい。
【0052】
制御部470は、記憶部430に記憶されているプログラムを実行することにより各種の制御を行うブロックである。制御部470は、少なくとも1つのプロセッサにより構成される。第1実施形態において、制御部470は、第1の無線通信部410、第2の無線通信部420、及び表示部440を制御する。
【0053】
第1実施形態において、制御部470は、中継装置400に電源が供給された後、電力管理装置200から発する信号の探索を自動的に開始する。「中継装置400に電源が供給された」とは、操作部450を構成する電源スイッチ450C(図4参照)が入れられたことを指す。中継装置400が電源スイッチ450Cを有していない場合、「中継装置400に電源が供給された」とは、電源部460がコンセントに接続されたことであってもよい。また、「電力管理装置200から発する信号」とは、ビーコン信号又はプローブ応答信号等のWLAN無線信号である。
【0054】
このように、中継装置400に電源が供給された後、電力管理装置200から発する信号の探索を自動的に開始することにより、中継装置400と電力管理装置200との間の接続シーケンスの一部が自動化され、ユーザの利便性を向上することができる。
【0055】
探索により電力管理装置200から発した信号が探知された場合、制御部470は、電力管理装置200との認証処理(以下、「第1の認証処理」という)を行う。第1実施形態において、制御部470は、探索により電力管理装置200から発した信号が探知され、かつ、操作部450を構成する接続ボタン450B(図4参照)が押下された場合、第1の認証処理を行う。中継装置400が接続ボタン450Bを有していない場合、制御部470は、探索により電力管理装置200から発した信号が探知された後、直ちに第1の認証処理を行ってもよい。
【0056】
制御部470は、記憶部430に予め記憶されている第1の認証情報を用いて第1の認証処理を行う。制御部470は、電力管理装置200との認証処理が成功した場合、電力管理装置200との無線接続を確立する。
【0057】
ここで、第1の認証処理は、電力管理装置200から認証情報を取得して、取得した認証情報を第1の認証情報と照合することにより、電力管理装置200の正当性を確認する処理を含んでもよい。第1の認証処理は、電力管理装置200に第1の認証情報を通知して、電力管理装置200において第1の認証情報を照合することにより、中継装置400の正当性を確認する処理を含んでもよい。
【0058】
このように、中継装置400に予め組み込まれた第1の認証情報を用いて、電力管理装置200との認証処理を行うことにより、中継装置400(第2の無線通信部420)が、正当な電力管理装置200とのみ無線接続を確立することができる。言い換えると、第3者の装置は、第1の認証処理に失敗するため、中継装置400との無線接続を確立することができない。
【0059】
第1実施形態において、電力管理装置200は、スマートメータ300との認証処理に用いる第2の認証情報を予め記憶している。第2の認証情報の詳細については後述する。
【0060】
制御部470は、電力管理装置200との無線接続を確立した後、第2の認証情報を電力管理装置200から取得する。また、制御部470は、スマートメータ300から発する信号の探索を自動的に開始する。「スマートメータ300から発する信号」とは、Wi−SUN無線信号である。スマートメータ300から発する信号の探索は、第2の認証情報を電力管理装置200から取得する前に開始してもよい。例えば、制御部470は、中継装置400に電源が供給された後、スマートメータ300から発する信号の探索を自動的に開始してもよい。
【0061】
このように、スマートメータ300から発する信号の探索を自動的に開始することにより、中継装置400とスマートメータ300との間の接続シーケンスの一部が自動化され、ユーザの利便性を向上することができる。
【0062】
制御部470は、第2の認証情報を用いてスマートメータ300との認証処理(以下、「第2の認証処理」という)を行う。制御部470は、第2の認証情報を取得し、かつ、操作部450を構成する接続ボタン450A(図4参照)が押下された場合、第2の認証処理を行う。中継装置400が接続ボタン450Aを有していない場合、制御部470は、第2の認証情報を取得した後、直ちに第2の認証処理を行ってもよい。
【0063】
制御部470は、第2の認証処理が成功した場合、スマートメータ300との無線接続を確立する。ここで、第2の認証処理は、スマートメータ300から認証情報を取得して、取得した認証情報を第2の認証情報と照合することにより、スマートメータ300の正当性を確認する処理を含んでもよい。第2の認証処理は、スマートメータ300に第2の認証情報を通知して、スマートメータ300において第2の認証情報を照合することにより、中継装置400の正当性を確認する処理を含んでもよい。
【0064】
このように、電力管理装置200から取得した第2の認証情報を用いて、スマートメータ300との認証処理を行うことにより、中継装置400(第1の無線通信部410)が正当なスマートメータ300とのみ無線接続を確立することができる。
【0065】
このようにして、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続を確立すると、制御部470は、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信を中継する制御を行う。上述したように、中継装置400は、正当な電力管理装置200及び正当なスマートメータ300とのみ無線接続を確立するため、電力管理装置200とスマートメータ300との間の通信は、1対1通信が保証される。すなわち、電力管理装置200とは異なる装置が中継装置400を介してスマートメータ300との通信を行い難くすることができる。よって、スマートメータ300から得られる電力情報のセキュリティを担保することができる。
【0066】
(中継装置のユーザインターフェイス)
以下において、第1実施形態に係る中継装置400のユーザインターフェイスについて説明する。
【0067】
制御部470は、スマートメータ300からの無線信号(Wi−SUN無線信号)の信号品質(以下、「第1の信号品質」という)を測定する。信号品質とは、例えば、RSSI等の受信電力レベル又はSNR等の受信品質レベルである。制御部470は、第1の信号品質をユーザに提示する制御を行う。
【0068】
ここで、「ユーザに提示」とは、表示部440による表示、音声出力部による音声出力、振動発生部による振動発生、又はこれらの組み合わせを指す。第1実施形態において、当該提示が、表示部440による表示である場合を想定する。
【0069】
このように、第1の信号品質をユーザに提示することにより、ユーザは、第1の信号品質を把握可能になる。
【0070】
制御部470は、スマートメータ300との無線接続が確立されていない状態において、第1の信号品質をユーザに提示する制御を行う。これにより、ユーザは、第1の信号品質が良好な位置に中継装置400を設置可能になり、中継装置400がスマートメータ300と良好な無線接続を確立することができる。
【0071】
また、制御部470は、電力管理装置200からの無線信号(WLAN無線信号)の無線品質(以下、「第2の信号品質」という)をさらに測定し、第1の信号品質及び第2の信号品質をユーザに提示する制御を行う。
【0072】
このように、第1の信号品質だけでなく、第2の信号品質もユーザに提示することにより、ユーザは、第2の信号品質を把握可能になる。
【0073】
制御部470は、電力管理装置200との無線接続が確立されていない状態において、第2の信号品質をユーザに提示する制御を行う。これにより、ユーザは、第2の信号品質が良好な位置に中継装置400を設置可能になり、中継装置400が電力管理装置200と良好な無線接続を確立することができる。
【0074】
その結果、中継装置400は、スマートメータ300との良好な無線接続及び電力管理装置200との良好な無線接続を確立することができる。よって、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信の品質を改善することができる。
【0075】
図4は、第1実施形態に係る中継装置400の実装例を示す図である。
【0076】
図4に示すように、中継装置400は、直方体状の筐体401を有する。筐体401は、図3に示した第1の無線通信部410、第2の無線通信部420、記憶部430、電源部460、及び制御部470を収納する。
【0077】
筐体401の1つの面には、表示部440及び操作部450が配置される。このように、表示部440及び操作部450を筐体401の同一面上に配置することにより、ユーザの視認性及び操作性を高めることができる。
【0078】
表示部440は、第1の信号品質を表示する第1の表示部410Aと、第2の信号品質を表示する第2の表示部410Bと、を有する。第1実施形態において、第1の表示部410A及び第2の表示部410Bのそれぞれは、複数のLEDにより構成される。制御部470は、第1の表示部410Aにおいて、第1の信号品質に応じた数のLEDを点灯させる。また、制御部470は、第2の表示部410Bにおいて、第2の信号品質に応じた数のLEDを点灯させる。
【0079】
第1の表示部410Aにおける第1の信号品質の表示態様と、第2の表示部410Bにおける第2の信号品質の表示態様とは異なることが好ましい。例えば、第1の表示部410AにおけるLEDの表示色と、第2の表示部410BにおけるLEDの表示色とは異なる。或いは、第1の表示部410AにおけるLEDの表示形状と、第2の表示部410BにおけるLEDの表示形状とは異なる。これにより、ユーザの視認性を向上させることができる。
【0080】
第1実施形態において、操作部450は、スマートメータ300との無線接続を確立することを指示する第1の接続操作をユーザから受け付ける第1の操作部(接続ボタン450A)と、電力管理装置200との無線接続を確立することを指示する第2の接続操作をユーザから受け付ける第2の操作部(接続ボタン450B)と、を有する。
【0081】
制御部470は、第1の操作部(接続ボタン450A)が第1の接続操作を受け付けた場合、スマートメータ300との無線接続を確立する制御を行う。これにより、ユーザは、第1の表示部410Aに表示された第1の信号品質を確認し、第1の信号品質が良好な位置に中継装置400を設置した上で、スマートメータ300との無線接続を確立させることができる。
【0082】
制御部470は、スマートメータ300との無線接続が確立された場合、スマートメータ300との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する制御を行う。これにより、ユーザは、中継装置400がスマートメータ300との無線接続を確立したことを把握することができる。
【0083】
例えば、制御部470は、第1の表示部410Aを特殊な表示態様に変化させることにより、スマートメータ300との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する。「特殊な表示態様」とは、LEDを点滅させる等の表示態様を指す。或いは、制御部470は、表示部440以外の手段(音声出力部又は振動発生部等)により、当該通知をユーザに提示してもよい。
【0084】
スマートメータ300との無線接続が確立された後、制御部470は、第1の表示部410AのLEDを消灯させる。これにより、中継装置400の省電力化を図ることができる。或いは、制御部470は、第1の表示部410AのLEDを消灯させなくてもよい。第1の表示部410AのLEDを点灯させた状態にしておくことにより、現在の通信品質の状態を容易に確認することができる。
【0085】
また、制御部470は、第2の操作部(接続ボタン450B)が第2の接続操作を受け付けた場合、電力管理装置200との無線接続を確立する制御を行う。これにより、ユーザは、第2の表示部410Bに表示された第2の信号品質を確認し、第2の信号品質が良好な位置に中継装置400を設置した上で、電力管理装置200との無線接続を確立させることができる。
【0086】
制御部470は、電力管理装置200との無線接続が確立された場合、電力管理装置200との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する制御を行う。これにより、ユーザは、中継装置400が電力管理装置200との無線接続を確立したことを把握することができる。
【0087】
例えば、制御部470は、第2の表示部410Bを特殊な表示態様に変化させることにより、電力管理装置200との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する。或いは、制御部470は、表示部440以外の手段(音声出力部又は振動発生部等)により、当該通知をユーザに提示してもよい。
【0088】
電力管理装置200との無線接続が確立された後、一定時間の経過後、制御部470は、第2の表示部410BのLEDを消灯させてもよい。これにより、中継装置400の省電力化を図ることができる。なお、一定時間としては、例えば1分以上10分以下となるように設定することができる。或いは、制御部470は、第2の表示部410BのLEDを消灯させなくてもよい。第2の表示部410BのLEDを点灯させた状態にしておくことにより、現在の通信品質の状態を容易に確認することができる。
【0089】
さらに、制御部470は、スマートメータ300との無線接続が確立された後において、スマートメータ300との接続状態が悪化した場合、スマートメータ300との接続状態が悪化したことを示す警告をユーザに提示する制御を行ってもよい。「接続状態の悪化」とは、信号品質が閾値を下回ったこと、又は無線接続が切断されたことを指す。警告の提示としては、第1の表示部410Aを特殊な表示態様に変化させてもよいし、表示部440以外の手段(音声出力部又は振動発生部等)により警告を行ってもよい。
【0090】
また、制御部470は、電力管理装置200との無線接続が確立された後において、電力管理装置200との接続状態が悪化した場合、電力管理装置200との接続状態が悪化したことを示す警告をユーザに提示する制御を行ってもよい。警告の提示としては、第2の表示部410Bを特殊な表示態様に変化させてもよいし、表示部440以外の手段(音声出力部又は振動発生部等)により警告を行ってもよい。
【0091】
このような警告をユーザに提示することにより、ユーザは、中継装置400の設置位置を変更する等の対処を行うことができる。
【0092】
(電力管理装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る電力管理装置200の構成について説明する。図5は、電力管理装置200のブロック図である。
【0093】
図5に示すように、電力管理装置200は、無線通信部210、有線通信部220、記憶部230、電源部240、及び制御部250を有する。
【0094】
無線通信部210は、中継装置400との無線接続を確立するためのブロックである。第1実施形態において、無線通信部210は、WLAN通信規格に準拠したWLAN無線通信部である。電力管理装置200は、無線通信部210(WLAN無線通信部)に加えて、Wi−SUN無線通信部を有していてもよい。
【0095】
有線通信部220は、需要家施設20内の装置との有線通信に用いられるブロックである。第1実施形態において、有線通信部220を不要としてもよい。
【0096】
記憶部230は、電力管理装置200における制御に用いられる情報及びプログラムを記憶するブロックである。記憶部430は、不揮発性記憶媒体及び揮発性記憶媒体を含む。
【0097】
記憶部230(不揮発性記憶媒体)は、スマートメータ300との認証処理に用いる第2の認証情報を予め記憶している。第2の認証情報は、認証方式及び認証キーを含む。
【0098】
第2の認証情報は、電力管理装置200がスマートメータ300との無線接続を確立する場合における認証処理に使用する認証情報と同じ認証情報である。或いは、第2の認証情報は、電力管理装置200がスマートメータ300との無線接続を確立する場合における認証処理に使用する認証情報とは異なる認証情報であってもよい。
【0099】
電源部240は、電力管理装置200における他のブロックに電力を供給するためのブロックである。電源部240は、AC電源(ACアダプタ)若しくはバッテリー、又はこれらの組み合わせにより構成される。
【0100】
制御部250は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより各種の制御を行うブロックである。制御部250は、少なくとも1つのプロセッサにより構成される。制御部250は、無線通信部210及び有線通信部220を制御する。
【0101】
制御部250は、中継装置400との認証処理(第1の認証処理)を行い、中継装置400との認証処理が成功した場合、中継装置400との無線接続を確立する。また、制御部250は、中継装置400との無線接続を確立した後、第2の認証情報を中継装置400に通知する。
【0102】
(動作シーケンス)
以下において、第1実施形態に係る電力管理システム10の動作シーケンスの一例について説明する。図6は、電力管理システム10の動作シーケンス図である。
【0103】
図6に示すように、ステップS101において、ユーザが電源スイッチ450Cを入れることにより、中継装置400に電源が供給される。
【0104】
ステップS102において、中継装置400は、スマートメータ300から発する無線信号の探索を自動的に開始する。また、中継装置400は、電力管理装置200から発する無線信号の探索を自動的に開始する。
【0105】
ステップS103において、中継装置400は、スマートメータ300からの無線信号の第1の信号品質を測定し、第1の信号品質を表示する。また、中継装置400は、電力管理装置200からの無線信号の第2の信号品質を測定し、第2の信号品質を表示する。
【0106】
ステップS104において、中継装置400は、電力管理装置200との無線接続を確立することを指示する接続操作(第2の接続操作)をユーザから受け付ける。但し、ステップS104は必須ではない。すなわち、中継装置400は、ユーザの接続操作がなくても、電力管理装置200との無線接続の確立を試みてもよい。そして、中継装置400は、電力管理装置200との無線接続の確立に失敗した場合に限り、ユーザの接続操作を待つ状態に遷移してもよい。これにより、接続シーケンスのさらなる自動化を図ることができる。
【0107】
ステップS105において、中継装置400は、中継装置400に予め組み込まれた第1の認証情報を用いて、電力管理装置200との認証処理(第1の認証処理)を行う。
【0108】
ステップS106において、中継装置400は、電力管理装置200との認証処理が成功した場合、電力管理装置200との無線接続を確立する。ここで、中継装置400は、電力管理装置200との鍵交換を行ってもよい。具体的には、中継装置400は、電力管理装置200との無線通信に適用する暗号化鍵を電力管理装置200と交換する。
【0109】
ステップS107において、中継装置400は、電力管理装置200との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する。
【0110】
ステップS108において、電力管理装置200は、第2の認証情報を中継装置400に通知する。中継装置400は、第2の認証処理を取得する。
【0111】
ステップS109において、中継装置400は、スマートメータ300との無線接続を確立することを指示する接続操作(第1の接続操作)をユーザから受け付ける。但し、ステップS109は必須ではない。すなわち、中継装置400は、ユーザの接続操作がなくても、スマートメータ300との無線接続の確立を試みてもよい。そして、中継装置400は、スマートメータ300との無線接続の確立に失敗した場合に限り、ユーザの接続操作を待つ状態に遷移してもよい。これにより、接続シーケンスのさらなる自動化を図ることができる。
【0112】
ステップS110において、中継装置400は、電力管理装置200から取得した第2の認証情報を用いて、スマートメータ300との認証処理(第2の認証処理)を行う。
【0113】
ステップS111において、中継装置400は、スマートメータ300との認証処理が成功した場合、スマートメータ300との無線接続を確立する。ここで、中継装置400は、スマートメータ300との鍵交換を行ってもよい。具体的には、中継装置400は、スマートメータ300との無線通信に適用する暗号化鍵をスマートメータ300と交換する。
【0114】
ステップS112において、中継装置400は、スマートメータ300との無線接続が確立されたことを示す通知をユーザに提示する。但し、ステップS104及びステップS109を1つのステップにまとめてもよい。具体的には、ステップS104を省略し、電力管理装置200との無線接続が確立されたこと、及びスマートメータ300との無線接続が確立されたことを、ステップS109でまとめてユーザに通知してもよい。
【0115】
ステップS113において、中継装置400は、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信(1対1通信)を中継する。スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信プロトコルには、ECHONET Liteが適用される。
【0116】
(第1実施形態のまとめ)
上述したように、第1実施形態によれば、電力管理装置200とスマートメータ300との間の1対1通信が保証されるため、スマートメータ300から得られる電力情報のセキュリティを担保することができる。また、接続シーケンスの自動化を図ることにより、中継装置400の設置時におけるユーザの利便性を高めることができる。
【0117】
第1実施形態によれば、ユーザは、中継装置400の表示に基づいて、電力管理装置200側の信号品質及びスマートメータ300側の信号品質を把握することができる。これにより、中継装置400を適切な位置に設置可能になり、スマートメータ300と電力管理装置200との間の通信の品質を改善することができる。
【0118】
[第1実施形態の変更例]
第1実施形態の変更例において、電力管理装置200は、中継装置400からの無線信号(WLAN無線信号)の信号品質を測定し、信号品質をユーザに提示する制御を行う。電力管理装置200は、中継装置400との無線接続が確立されていない状態において当該提示を行ってもよいし、中継装置400との無線接続が確立された後において当該提示を行ってもよい。電力管理装置200は、例えば、測定した信号品質を表示装置290に表示させる。これにより、ユーザは、電力管理装置200が中継装置400から受信する無線信号の信号品質も把握することができる。
【0119】
また、第1実施形態の変更例において、電力管理装置200は、中継装置400との無線接続が確立された後、中継装置400との接続状態が悪化した場合、中継装置400との接続状態が悪化したことを示す警告をユーザに提示する制御を行う。電力管理装置200は、例えば、当該警告を表示装置290に表示させる。これにより、ユーザは、電力管理装置200と中継装置400との間の接続状態が悪化したことを把握することができる。
【0120】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を説明する。
【0121】
第2実施形態に係る中継装置400は、スマートメータ300との無線接続を確立することを指示する第1の接続操作をユーザから受け付ける第1の操作部(接続ボタン450A)と、電力管理装置200との無線接続を確立することを指示する第2の接続操作をユーザから受け付ける第2の操作部(接続ボタン450B)と、を有していない。
【0122】
図7は、第2実施形態に係る中継装置400の実装例を示す図である。
【0123】
図7に示すように、中継装置400は、操作部450として、接続ボタン450A及び接続ボタン450Bを有しておらず、電源スイッチ450Cを有している。第2実施形態において、電源スイッチ450Cは、接続ボタン450A及び接続ボタン450Bの機能も兼ねている。
【0124】
第2実施形態において、制御部470は、電源スイッチ450Cが入れられた場合、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続の両方を確立することを指示する接続操作をユーザから受け付けたとみなす。そして、制御部470は、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続の両方を確立する制御を行う。具体的には、第2実施形態において、図6に示したステップS104及びステップS109は常に省略される。
【0125】
或いは、中継装置400が電源スイッチ450Cを有していない場合、操作部450として、一括接続ボタンを設けてもよい。当該一括接続ボタンは、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続の両方を確立することを指示する接続操作(一括接続操作)をユーザから受け付ける。そして、制御部470は、一括接続操作に応じて、スマートメータ300との無線接続及び電力管理装置200との無線接続の両方を確立する制御を行う。
【0126】
このように、第2実施形態によれば、接続シーケンスを自動化することにより、中継装置400の設置時におけるユーザの利便性を高めることができる。
【0127】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、第1実施形態との相違点を説明する。
【0128】
第3実施形態において、中継装置400と電力管理装置200との間の接続は、無線接続ではなく、有線接続である。
【0129】
図8は、第3実施形態に係る中継装置400のブロック図である。図8に示すように、中継装置400は、図3に示した第2の無線通信部420に代えて、有線通信部480を有している。有線通信部480は、電力管理装置200の有線通信部220との有線通信を行うブロックである。
【0130】
例えば、有線通信部480は、物理ケーブルを介して、電力管理装置200の有線通信部220と接続される。この場合、図4に示した第2の表示部410B及び接続ボタン450Bを不要とすることができる。また、中継装置400と電力管理装置200との間の接続シーケンスを不要とすることができる。
【0131】
本実施形態では、中継装置400と電力管理装置200との間の接続が有線接続である場合について説明したが、中継装置400とスマートメータ300との間の接続が有線接続であってもよい。
【0132】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態及び第2実施形態において、スマートメータ300と中継装置400との間の無線通信に用いられる通信規格と、電力管理装置200と中継装置400との間の無線通信に用いられる通信規格とが異なる場合を想定した。しかしながら、スマートメータ300と中継装置400との間、電力管理装置200と中継装置400との間には、同じ通信規格(例えば、Wi−SUN通信規格)が適用されてもよい。
【0133】
上述した各実施形態において、電力管理装置200とスマートメータ300との間の通信プロトコルがECHONET Liteである一例を説明した。しかしながら、ECHONET Liteとは異なる通信プロトコルを適用してもよい。
【0134】
上述した各実施形態において、需要家施設20が住宅であり、電力管理装置200がHEMSである一例を説明した。しかしながら、需要家施設20は、住宅とは異なる施設(例えば、ビル、工場、店舗等)であってもよい。すなわち、電力管理装置200は、BEMS(Building Energy Management System)、FEMS(Factory Energy Management System)、又はSEMS(Store Energy Management System)等であってもよい。
【0135】
上述した各実施形態において、中継装置400は、電力管理装置200及びスマートメータ300との無線通信を確立した後、電力管理装置200に無線接続が確立した旨を送信してもよい。このように電力管理装置200に無線接続が確立した旨を送信することで、電力管理装置200は無線接続が確立したことを示す表示を表示装置にすることができる。これによって、需要家の利便性を向上させることができる。なお、無線接続が途絶した場合には、その旨を表示装置に表示させることができる。
【0136】
以上、本発明の実施形態について説明したが、当業者にとっては、本発明が以上で述べた実施形態に限定されるものではないということは明らかであり、本発明は、請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することが可能である。
【0137】
なお、本願の優先権主張の基礎とした2014年12月25日付けの日本国特許出願第2014−261794号および2014年12月25日付けの日本国特許出願第2014−261788号の全内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【産業状の利用可能性】
【0138】
本発明によれば、スマートメータと電力管理装置との間で適切に通信を行うことを可能とする電力管理システム、中継装置及び電力管理方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0139】
10…電力管理システム、11…電力系統、20…需要家施設、100…負荷、110…分電盤、130…PV装置、131…PV、132…PCS、140…蓄電池装置、141…蓄電池、142…PCS、200…電力管理装置、210…無線通信部、220…有線通信部、230…記憶部、240…電源部、250…制御部、290…表示装置、300…スマートメータ、400…中継装置、410…第1の無線通信部、420…第2の無線通信部、430…記憶部、440…表示部、450…操作部、460…電源部、470…制御部、480…有線通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8