(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記チオ尿素誘導体が、グアニルチオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、1−ベンゾイル−2−チオ尿素、1−ベンジル−2−チオ尿素、1−ブチル−3−フェニル−2−チオ尿素、1,1−ジメチル−2−チオ尿素、テトラメチル−2−チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1−メチルチオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、1,1−ジプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジイソプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジ(2−トリル)−2−チオ尿素、1−メチル−3−フェニル−2−チオ尿素、1(1−ナフチル)−3−フェニル−2−チオ尿素、1(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1(2−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、1,1,3,3−テトラメチル−2−チオ尿素、及び1,1,3,3−テトラフェニル−2−チオ尿素から選択される、請求項1に記載のインジウム電気めっき組成物。
アミン界面活性剤、エトキシ化ナフトール、スルホン酸化ナフトールポリエーテル、(アルキル)フェノールエトキシレート、スルホン酸化アルキルアルコキシレート、アルキレングリコールアルキルエーテル、及びスルホプロピル化ポリアルコキシル化ベータ−ナフトールアルカリ塩から選択される、1つ以上の界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のインジウム電気めっき組成物。
前記インジウム電気めっき組成物が、1つ以上の塩化物イオン源をさらに含み、前記塩化物イオン対前記インジウムイオンのモル比が、2:1以上である、請求項10に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
金属層上に標的厚さ及び平滑な表面形態のボイドフリーで均一なインジウムを再現可能にめっきする能力は、困難である。インジウム還元は、プロトン還元の電位よりも負の電位で生じ、陰極における著しい水素発泡は、増加された表面の粗さを生じさせる。不活性電子対効果により安定化され、インジウム析出プロセスにおいて形成されるインジウム(1
+)イオンは、プロトン還元を触媒し、不均化反応に関与して、インジウム(3
+)イオンを再生する。錯化剤の不在下では、インジウムイオンは、pH>3で溶液から沈殿し始める。ニッケル、錫、銅、及び金等の金属上でのインジウムのめっきは、これらの金属がプロトン還元にとって良好な触媒であり、インジウムよりも貴であり、したがってガルバニック相互作用においてインジウムの腐食を引き起こし得るため、困難である。インジウムはまた、これらの金属との不要な金属間化合物を形成する場合がある。最後に、インジウムの化学及び電気化学は十分に研究されておらず、したがって、添加剤として機能し得る化合物との相互作用は不明である。
【0003】
概して、従来のインジウム電気めっき浴は、ニッケル、銅、金、及び錫等の複数のバンプ下地金属(UBM)に適合するインジウム析出物を電気めっきすることができていない。より重要なことに、従来のインジウム電気めっき浴は、ニッケルを含む基材上に、高い共平面性及び高い表面平面性を伴ってインジウムを電気めっきすることができていない。しかしながら、インジウムは、その特有の物理特性のため、多数の工業において非常に望ましい金属である。例えば、それは十分に軟性であり、その結果、容易に変形し、2つの嵌合部品間の微細構造を充填し、低い溶融温度(156℃)及び高い熱伝導率(〜82W/m°K)、良好な導電率、合金化し、スタック内で他の金属と金属間化合物を形成する良好な能力を有する。それは、リフロー加工中に誘発される熱応力による組み立てられたチップへの損傷を低減するための3Dスタックアセンブリの望ましいプロセスである、低温はんだバンプ材料として使用され得る。かかる特性は、インジウムを、半導体及び多結晶薄膜太陽電池を含む電子工学及び関連工業における種々の使用に可能にする。
【0004】
インジウムはまた、熱伝導材料(TIM)としても使用され得る。TIMは、集積回路(IC)等の電子デバイス、及び能動半導体デバイス、例えば、マイクロプロセッサを、その動作温度限界の超過から保護するために重要である。それらは、過剰な熱障壁を作り出すことなく、発熱デバイス(例えば、シリコン半導体)をヒートシンクまたはヒートスプレッダ(例えば、銅及びアルミニウム構成要素)に結合することを可能にする。TIMはまた、熱インピーダンス経路全体を構成するヒートシンクまたはヒートスプレッダスタックの他の構成要素のアセンブリにおいても使用され得る。
【0005】
例えば、熱グリース、熱ゲル、接着剤、エラストマー、熱パッド、及び相変化材料等のいくつかの種類の材料が、TIMとして使用されている。前述のTIMは多くの半導体デバイスに適してはいたが、半導体デバイスの性能の増加は、かかるTIMを不適切にしている。多くの現在のTIMの熱伝導率は、5W/m°Kを超えず、多くは1W/m°K未満である。しかしながら、15W/m°Kを超える効果的な熱伝導率を有する熱界面を形成するTIMが、現在必要とされている。
【0006】
したがって、インジウムは、電子デバイスにとって非常に望ましい金属であり、インジウム金属を、具体的には金属基材上にインジウム金属層を電気めっきするための改善されたインジウム組成物に対する必要性が存在する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書を通して使用されるとき、別段に文脈により明確に示されない限り、以下の略称は以下の意味を有する。℃=セ氏度、°K=ケルビン度、g=グラム、mg=ミリグラム、L=リットル、A=アンペア、dm=デシメートル、ASD=A/dm
2=電流密度、μm=ミクロン=マイクロメートル;ppm=100万分率、ppb=十億分率、ppm=mg/L、インジウムイオン=In
3+、Li
+=リチウムイオン、Na
+=ナトリウムイオン、K
+=カリウムイオン、NH
4+=アンモニウムイオン、nm=ナノメートル=10
−9メートル、μm=マイクロメートル=10
−6メートル、M=モル、MEMS=微小電気機械システム、TIM=熱伝導材料、IC=集積回路、EO=エチレンオキシド、及びPO=プロピレンオキシド。
【0012】
「析出させる」、「めっきする」、及び「電気めっきする」という用語は、本明細書を通して同義的に使用される。「コポリマー」という用語は、2つ以上の異なる量体(mer)からなる化合物である。「デンドライト」という用語は、分岐したスパイク様の金属結晶を意味する。別段に記載のない限り、全てのめっき浴は、水性溶媒ベース、すなわち水性のめっき浴である。別段に記載のない限り、全ての量は重量パーセントであり、全ての比率はモル基準である。全ての数値範囲は、かかる数値範囲が最大100%まで加算するよう制約されていることが論理的である場合を除き、包括的であり、任意の順序で組み合わせ可能である。
【0013】
本組成物は、水性環境において可溶性である1つ以上のインジウムイオン源を含む。インジウム組成物は、合金化金属を含まない。かかる源としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、及びトルエンスルホン酸等のアルカンスルホン酸及び芳香族スルホン酸のインジウム塩、スルファミン酸のインジウム塩、インジウムの硫酸塩、インジウムの塩化物及び臭化物塩、硝酸塩、水酸化物塩、酸化インジウム、フルオロホウ酸塩、例えば、クエン酸、アセト酢酸、グリオキシル酸、ピルビン酸、グリコール酸、マロン酸、ヒドロキサム酸、イミノ二酢酸、サリチル酸、グリセリン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、ヒドロキシ酪酸等のカルボン酸のインジウム塩、例えば、アルギニン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グリシン、グルタミン、ロイシン、リジン、トレオニン、イソロイシン、及びバリン等のアミノ酸のインジウム塩、が挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、インジウムイオン源は、硫酸、スルファミン酸、アルカンスルホン酸、芳香族スルホン酸、及びカルボン酸の1つ以上のインジウム塩である。より典型的には、インジウムイオン源は、硫酸及びスルファミン酸の1つ以上のインジウム塩である。
【0014】
インジウムの水溶性塩は、所望の厚さのインジウム析出物を提供するのに十分な量で本組成物中に含まれる。好ましくは、水溶性インジウム塩は、本組成物中に2g/L〜70g/L、より好ましくは2g/L〜60g/L、最も好ましくは2g/L〜30g/Lの量でインジウム(3
+)イオンを提供するように、本組成物中に含まれる。
【0015】
クエン酸、その塩またはその混合物が、本インジウム組成物中に含まれる。クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム二水和物、クエン酸モノナトリウム、クエン酸カリウム、及びクエン酸ジアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。クエン酸、その塩またはその混合物は、5g/L〜300g/L、好ましくは50g/L〜200g/Lの量で含まれ得る。好ましくは、クエン酸の混合物、及びその塩は、前述の量で本インジウム組成物中に含まれる。
【0016】
チオ尿素及びチオ尿素誘導体のうちの1つ以上は、インジウム組成物中に含まれる。チオ尿素誘導体としては、グアニルチオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、1−ベンゾイル−2−チオ尿素、1−ベンジル−2−チオ尿素、1−ブチル−3−フェニル−2−チオ尿素、1,1−ジメチル−2−チオ尿素、テトラメチル−2−チオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1−メチルチオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素、1,1−ジフェニル−2−チオ尿素、1,3−ジフェニル−2−チオ尿素、1,1−ジプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジイソプロピル−2−チオ尿素、1,3−ジ(2−トリル)−2−チオ尿素、1−メチル−3−フェニル−2−チオ尿素、1(1−ナフチル)−3−フェニル−2−チオ尿素、1(1−ナフチル)−2−チオ尿素、1(2−ナフチル)−2−チオ尿素、1−フェニル−2−チオ尿素、1,1,3,3−テトラメチル−2−チオ尿素、及び1,1,3,3−テトラフェニル−2−チオ尿素が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、チオ尿素誘導体は、グアニルチオ尿素、1−アリル−2−チオ尿素、及びテトラメチル−2−チオ尿素から選択される。より好ましくは、チオ尿素誘導体は、グアニルチオ尿素から選択される。チオ尿素及びチオ尿素誘導体は、0.01g/L〜50g/L、好ましくは0.1g/L〜35g/L、より好ましくは0.1g/L〜5g/Lの量で含まれる。
【0017】
任意に、しかし好ましくは、1つ以上の塩化物イオン源が本インジウム電気めっき組成物に含まれる。塩化物イオン源としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化水素、またはそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、塩化物イオン源は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、またはそれらの混合物である。より好ましくは、塩化物イオン源は、塩化ナトリウムである。1つ以上の塩化物イオン源は、塩化物イオン対インジウムイオンのモル比が、少なくとも2:1、好ましくは2:1〜7:1、より好ましくは4:1〜6:1ように本インジウム組成物中に含まれる。
【0018】
任意に、クエン酸、その塩、またはその混合物に加えて、1−4、好ましくは2−3のpHを提供するために1つ以上の追加の緩衝剤が本インジウム組成物中に含まれ得る。緩衝剤には、酸及びその共役塩基の塩が含まれる。酸としては、アミノ酸、カルボン酸、グリオキシル酸、ピルイビック(pyruivic)酸、ヒドロキサム酸、イミノ二酢酸、サリチル酸、コハク酸、ヒドロキシ酪酸、酢酸、アセト酢酸、酒石酸、リン酸、シュウ酸、炭酸、アスコルビン酸、ホウ酸、ブタン酸、チオ酢酸、グリコール酸、リンゴ酸、ギ酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、フッ化水素酸、乳酸、亜硝酸、オクタン酸、ペンタン酸、尿酸、ノナン酸、デカン酸、亜硫酸、硫酸、アルカンスルホン酸及びアリールスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等、スルファミン酸が挙げられる。酸は、共役塩基のLi
+、Na
+、K
+、NH
4+、または(C
nH
(2n+1))
4N
+塩と組み合わされ、式中、nは、1〜6の整数である。
【0019】
任意に、1つ以上の界面活性剤が、本インジウム組成物中に含まれ得る。かかる界面活性剤としては、TOMAMINE(登録商標)−Q−C−15界面活性剤として市販されている、第四級アミン等のアミン界面活性剤、TOMAMINE(登録商標)−AO−455界面活性剤として市販されているアミンオキシド(両方ともAir Productsから入手可能);HuntsmanからSURFONAMINE(登録商標)L−207アミン界面活性剤として市販されている親水性ポリエーテルモノアミン;RALUFON(登録商標)EA15−90界面活性剤として市販されているポリエチレングリコールオクチル(3−スルフロプロピル)ジエーテル;RALUFON(登録商標)NAPE14−90界面活性剤として市販されているカリウム塩である[(3−スルフロプロポキシ)−ポリアルコキシ]−β−ナフチルエーテル、RALUFON(登録商標)EN16−80界面活性剤として市販されているオクタエチレングリコールオクチルエーテル、RALUFON(登録商標)F11−3界面活性剤として市販されているカリウム塩であるポリエチレングリコールアルキル(3−スルフロプロピル)ジエーテル(全てはRaschig GmbHから得られる);BSFから入手可能なTETRONIC(登録商標)−304界面活性剤として市販されているEO/POブロックコポリマー;ADUXOL(商標)NAP−08、ADUXOL(商標)NAP−03、ADUXOL(商標)NAP−06等のSchaerer & Schlaepfer AGからのエトキシ化β−ナフトール;Air Products and Chemicals Co.からのSURFYNOL(登録商標)484界面活性剤等のエトキシ化2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール;TIB Chemicals LUX(商標)NPS界面活性剤等のエトキシ化β−ナフトールであるLUX(商標)BN−13界面活性剤;PCC Chemax,Inc.から入手可能なPOLYMAX(登録商標)PA−31界面活性剤等のエトキシ化−β−ナフトールが挙げられるが、これらに限定されない。かかる界面活性剤は、1ppm〜10g/L、好ましくは5ppm〜5g/Lの量で含まれる。
【0020】
任意に、本インジウム組成物は、1つ以上の結晶微細化剤を含み得る。かかる結晶微細化剤としては、2−ピコリン酸、ナトリウム2−ナプトール(napthol)−7−スルホネート、3−(ベンゾチアゾール−2−イルチオ)プロパン−1−スルホン酸(ZPS)、3−(カルバンイミドイルチオ(carbamimidoylthio))プロパン−1−スルホン酸(UPS)、ビス(スルホプロピル)ジスルフィド(SPS)、メルカプトプロパンスルホン酸(MPS)、3−N,N−ジメチルアミノジチオカルバモイル−1−プロパンスルホン酸(DPS)、及び(O−エチルジチオカルボナト)−S−(3−スルホプロピル)−エステル(OPX)が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、かかる結晶微細化剤は、0.1ppm〜5g/L、より好ましくは0.5ppm〜1g/Lの量で本インジウム組成物中に含まれる。
【0021】
任意に、1つ以上の抑制剤が、本インジウム組成物中に含まれ得る。抑制剤としては、フェナントロリン及びその誘導体、例えば、1,10−フェナントロリン、トリエタノールアミン及びその誘導体、例えば、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、及びラウリル硫酸エトキシ化アンモニウム等、ポリエチレンイミン及びその誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルポリエンイミン(HPPEI−200)等、ならびにアルコキシル化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。かかる抑制剤は、従来的な量で本インジウム組成物中に含まれる。典型的には、抑制剤は、1ppm〜5g/Lの量で含まれる。
【0022】
任意に、1つ以上のレベラーが、本インジウム組成物中に含まれ得る。レベラーとしては、ポリアルキレングリコールエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。かかるエーテルとしては、ジメチルポリエチレングリコールエーテル、ジ−第三級ブチルポリエチレングリコールエーテル、ポリエチレン/ポリプロピレンジメチルエーテル(混合またはブロックコポリマー)、及びオクチルモノメチルポリアルキレンエーテル(混合またはブロックコポリマー)が挙げられるが、これらに限定されない。かかるレベラーは、従来的な量で含まれる。概して、かかるレベラーは、100ppb〜500ppbの量で含まれる。
【0023】
任意に、1つ以上の水素抑制剤が、インジウム金属の電気めっき中の水素ガス形成を抑制するために本インジウム組成物中に含まれ得る。水素抑制剤としては、エピハロヒドリンコポリマーが挙げられる。エピハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン及びエピブロモヒドリンが挙げられる。典型的には、エピクロルヒドリンのコポリマーが使用される。かかるコポリマーは、エピクロルヒドリンまたはエピブロモヒドリンと、窒素、硫黄、酸素原子、またはそれらの組み合わせを含む1つ以上の有機化合物との水溶性重合生成物である。
【0024】
エピハロヒドリンと共重合可能な窒素含有有機化合物としては、
1)脂肪族鎖アミン、
2)少なくとも2つの反応性窒素部位を有する非置換複素環窒素化合物、ならびに
3)少なくとも2つの反応性窒素部位を有し、アルキル基、アリール基、ニトロ基、ハロゲン、及びアミノ基から選択される1−2個の置換基を有する置換複素環窒素化合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0025】
脂肪族鎖アミンとしては、ジメチルアミン、エチルアミン、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、イソオクチルアミン、ノニルアミン、イソノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、及びアルカノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
少なくとも2つの反応性窒素部位を有する非置換複素環窒素化合物としては、イミダゾール、イミダゾリン、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、ピラダジン(pyradazine)、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、及び1,3,4−チアジアゾールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
少なくとも2つの反応性窒素部位を有し、1〜2個の置換基を有する置換複素環窒素化合物としては、ベンズイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、1,3−ジエムチル(diemthyl)イミダゾール、4−ヒドロキシ−2−アミノイミダゾール、5−エチル−4−ヒドロキシイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、及び2−トリルイミダゾリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
好ましくは、イミダゾール、ピラゾール、イミダゾリン、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、ピリダジン、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、及び1,3,4−チアジアゾール、ならびにメチル、エチル、フェニル、及びアミノ基から選択される1または2つの置換基を組み込むその誘導体から選択される1つ以上の化合物が、エピハロヒドリンコポリマーを形成するために使用される。
【0029】
エピハロヒドリンコポリマーのうちのいくつかは、例えば、Raschig GmbH、Ludwigshafen Germany及びBASF、Wyandotte、MI、USAから市販されており、または、文献に開示される方法によって作製され得る。市販のイミダゾール/エピクロルヒドリンコポリマーの例は、BASFから得られるLUGALVAN(登録商標)IZEコポリマーである。
【0030】
エピハロヒドリンコポリマーは、エピハロヒドリンを、上に説明される窒素、硫黄、または酸素を含有する化合物と、任意の好適な反応条件下で反応させることによって形成され得る。例えば、1つの方法では、両材料は、相互溶媒体中に好適な濃度で溶解され、その中で、例えば、45〜240分間、反応される。反応の水溶液化学生成物を、溶媒を蒸留することによって分離し、次に水体に添加し、この水体は、インジウム塩が溶解すると電気めっき液として機能する。別の方法では、これらの2つの材料は、水中に定置され、それらが反応するのに伴い水中に溶解するまで、一定に強く撹拌しながら60℃に加熱される。
【0031】
0.5:1〜2:1モル等の幅広い反応化合物対エピハロヒドリンの比率が使用され得る。典型的には、モル比は0.6:1〜2:1モルであり、より典型的には、モル比は0.7〜1:1であり、最も典型的にはモル比は1:1である。
【0032】
加えて、反応生成物は、インジウム塩の添加によって電気めっき組成物が完成される前に1つ以上の試薬とさらに反応されてもよい。したがって、説明される生成物は、アンモニア、脂肪族アミン、ポリアミン、及びポリイミンのうちの少なくとも1つである試薬とさらに反応されてもよい。典型的には、試薬は、少なくとも150の分子量を有するアンモニア、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン、及びポリエチレンイミンのうちの少なくとも1つであるが、本明細書に記載される定義を満たす他の種が使用されてもよい。反応は、撹拌しながら水中で起こり得る。
【0033】
例えば、エピクロルヒドリン及び上に説明される窒素含有有機化合物の反応生成物と、アンモニア、脂肪族アミン、及びアリールアミンまたはポリイミンのうちの1つ以上から選択される試薬との間の反応は、例えば、30℃〜60℃の温度で、例えば、45〜240分間、起こり得、及び実行され得る。窒素含有化合物−エピクロルヒドリン反応の反応生成物と試薬との間のモル比は、典型的には1:0.3−1である。
【0034】
エピハロヒドリンコポリマーは、0.01g/L〜100g/Lの量で本組成物中に含まれる。好ましくは、エピハロヒドリンコポリマーは、0.1g/L〜80g/Lの量で含まれ、より好ましくは0.1g/L〜50g/Lの量で、最も好ましくは1g/L〜30g/Lの量で含まれる。
【0035】
本インジウム組成物は、種々の基材の金属層上に、実質的に均一でボイドフリーなインジウム金属層を析出させるために使用されてもよい。インジウム層はまた、実質的にデンドライトを有しない。インジウム層は、好ましくは10nm〜100μm、より好ましくは100nm〜75μmの範囲の厚さである。
【0036】
金属層上にインジウム金属を析出させるために使用される装置は、従来的なものである。好ましくは、従来的な可溶性インジウム電極が陽極として使用される。任意の好適な基準電極が使用され得る。典型的には、基準電極は、塩化銀/銀電極である。電流密度は、0.1ASD〜10ASD、好ましくは0.1〜5ASD、より好ましくは1〜4ASDの範囲であってもよい。
【0037】
インジウム金属電気めっき中のインジウム組成物の温度は、室温〜80℃の範囲であり得る。好ましくは、温度は、室温〜65℃、より好ましくは室温〜60℃の範囲である。最も好ましくは、温度は室温である。
【0038】
本インジウム組成物は、磁場デバイス及び超電導MRIのために、電子デバイス用構成要素を含む種々の基材のニッケル、銅、金、及び錫層上に、インジウム金属を電気めっきするために使用されてもよい。好ましくは、インジウムはニッケル上に電気めっきされる。金属層は、好ましくは10nm〜100μm、より好ましくは100nm〜75μmの範囲である。本インジウム組成物はまた、シリコンウエハ等の種々の基材上にインジウム金属小直径はんだバンプを電気めっきするための従来の写真画像法と共に使用されてもよい。小直径バンプは、好ましくは1μm〜100μm、より好ましくは2μm〜50μmの直径を、1〜3のアスペクト比で有する。
【0039】
例えば、本インジウム組成物は、例えば、限定されるものではないが、IC、半導体デバイスのマイクロプロセッサ、MEMS、及び光電子デバイス用構成要素等のためのTIMとして機能するように、電気デバイス用構成要素の上にインジウム金属を電気めっきするために使用されてもよい。かかる電子構成要素は、プリント配線板ならびに密閉されたチップスケール及びウエハレベルパッケージ内に含まれてもよい。かかるパッケージは典型的には、密閉され、ベース基材と蓋との間に形成される包囲された容積を含み、電子デバイスはその包囲された容積内に配置される。パッケージは、パッケージの外部の空気中の汚れ及び水蒸気からの包囲されたデバイスの封じ込め及び保護を提供する。パッケージ内の汚れ及び水蒸気の存在は、金属部品の腐食、ならびに光電子デバイス及び他の光学構成要素の場合には光学的損失等の問題を生じさせ得る。低い溶融温度(156℃)及び高い熱伝導率(〜82W/m°K)は、インジウム金属をTIMとしての使用に非常に望ましくする特性である。
【0040】
TIMに加えて、本インジウム組成物は、電子デバイス内のウィスカ形成を防止するために、基材上に下層を電気めっきするために使用されてもよい。基材としては、半導体チップを取り付けるための膜キャリア等の電気または電子構成要素または部品、印刷回路板、リードフレーム、接点または端子等の接触素子、ならびに良好な外観及び高い動作信頼性を要するめっきされた構造部材が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
以下の実施例は、本発明をさらに例証するが、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。
【0042】
実施例1(比較例)
Silicon Valley Microelectronics,Inc.のSilicon Valley Microelectronics,Inc.の75μmの直径を有する複数のビアと各ビアの基部の銅種層とを有するフォトレジストパターン化シリコンウエハを、Dow Advanced Materialsから入手可能なNIKAL(商標)BPニッケル電気めっき浴を使用して、ニッケル層で電気めっきした。ニッケル電気めっきは、55℃、1ASDの陰極電流密度で120秒間行った。従来的な整流器で電流を供給した。陽極は、可溶性ニッケル電極であった。めっき後、シリコンウエハをめっき浴から取り出し、Dow Advanced Materialsから入手可能なSHIPLEY BPR(商標)Photostripperを用いてフォトレジストをウエハから剥がし、水で濯いだ。ニッケル析出物は、実質的に平滑で、表面上に観察可能なデンドライトを有しないように見えた。
図1Aは、LEICA(商標)光学顕微鏡で撮影したニッケルめっきされた銅種層のうちの1つの光学画像である。
【0043】
以下の水性インジウム電解質組成物を調製した。
【0045】
前述のニッケル層電気めっきプロセスを、ニッケル層を電気めっきした後にニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属層をニッケル上に電気めっきしたことを除いて、別のフォトレジストパターン化ウエハセットに対して反復した。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で30秒間行った。インジウム電気めっき組成物のpHは、2.4であった。陽極は、インジウム可溶性電極であった。インジウムをニッケル上にめっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム析出物の形態を観察した。インジウム析出物は全て、粗く見えた。
【0046】
図1Bは、ニッケル層上に電気めっきされたインジウム金属析出物のうちの1つの光学画像である。インジウム析出物は、
図1Aに示されるニッケル析出物と対照的に非常に粗かった。
【0047】
実施例2
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0049】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で30秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。陽極は、インジウム可溶性電極であった。インジウムをニッケル層上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、均一で平滑に見えた。
【0050】
図2は、ニッケル層上に電気めっきされたインジウム金属析出物のうちの1つの光学顕微鏡画像である。インジウム析出物は、
図1Bのインジウム析出物と対照的に平滑に見えた。
【0051】
実施例3
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0053】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で30秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、均一で平滑に見えた。
【0054】
図3は、ニッケル上に電気めっきされたインジウム金属析出物のうちの1つの光学顕微鏡画像である。インジウム析出物は、
図1Bのインジウム析出物と対照的に平滑に見えた。
【0055】
実施例4
シリコンウエハが、50μmの長さを有する長方形ビアを有するようにフォトレジストでパターン化され、かつインジウム電気めっき組成物が、以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0057】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で11秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、均一で平滑に見えた。
【0058】
図4は、ニッケル層上に電気めっきされたインジウム金属析出物のうちの1つの光学顕微鏡画像である。インジウム析出物は、
図1Bのインジウム析出物と対照的に平滑に見えた。
【0059】
実施例5
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0061】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で11秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、
図2−4に示されるものと実質的に同じように、均一で平滑に見えた。
【0062】
実施例6
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0064】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で11秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、
図2−4に示されるものと実質的に同じように、均一で平滑に見えた。
【0065】
実施例7
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0067】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で11秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、
図2−4に示されるものと実質的に同じように、均一で平滑に見えた。
【0068】
実施例8
インジウム電気めっき組成物が以下の成分を含んだことを除き、上の実施例1に説明される方法を反復した。
【0070】
ニッケルめっきされたシリコンウエハをインジウム電気めっき組成物中に浸漬し、インジウム金属をニッケル上に電気めっきした。インジウム電気めっきは、25℃、4ASDの電流密度で30秒間行った。組成物のpHは、2.4であった。インジウムをニッケル層上に電気めっきした後、フォトレジストをウエハから剥がし、インジウム形態を観察した。インジウム析出物は全て、均一で平滑に見えた。
図5は、表8の浴から電気めっきされたインジウムの光学顕微鏡画像である。
図5に示されるように、インジウム析出物は、均一で平滑であった。