特許第6442007号(P6442007)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000002
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000003
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000004
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000005
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000006
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000007
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000008
  • 特許6442007-血管内超音波システム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442007
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】血管内超音波システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   A61B8/12
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-140693(P2017-140693)
(22)【出願日】2017年7月20日
(62)【分割の表示】特願2016-513907(P2016-513907)の分割
【原出願日】2013年5月14日
(65)【公開番号】特開2017-185364(P2017-185364A)
(43)【公開日】2017年10月12日
【審査請求日】2017年8月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】アルカーディ エルバート
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−050706(JP,A)
【文献】 米国特許第05957941(US,A)
【文献】 特表2009−515606(JP,A)
【文献】 特表2001−513659(JP,A)
【文献】 特表2011−512961(JP,A)
【文献】 特開2007−105450(JP,A)
【文献】 特開2011−245326(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0183723(US,A1)
【文献】 米国特許第06398755(US,B1)
【文献】 特表2012−527964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IVUSカテーテルと移動機構とを含む血管内超音波(IVUS)システムであって、
前記IVUSカテーテルは、
シースと、
遠位端でIVUSトランスデューサに接続され、前記シースを通して延びる駆動ケーブルと、
前記駆動ケーブルの近位端に接続される、前記IVUSカテーテルの近位端のコネクタと、
前記シースの近位端付近に配置され、前記IVUSカテーテルの前記コネクタから分離されているアンカアセンブリと、を含み、
前記移動機構は、
前記IVUSカテーテルのコネクタに、電気的かつ機械的に接続するよう構成されるカテーテルインターフェースと、
前記カテーテルインターフェースから分離され、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリを前記移動機構に固定するために、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリを受けるよう構成される、アンカポートと、
前記アンカポートの近位に配置され、前記IVUSのアンカアセンブリが前記移動機構の前記アンカポートに固定されたか否かを表示する信号を出力する、センサと、を含み、
前記移動機構は、前記アンカポートに対して前記カテーテルインターフェースを移動させるよう構成されている、
IVUSシステム。
【請求項2】
前記センサは光センサを含む、請求項1に記載のIVUSシステム。
【請求項3】
前記アンカポートは、前記移動機構の一部に形成されたノッチを含み、前記ノッチは第1側と前記第1側の反対側にある第2側とを有し、前記光センサは、前記ノッチの第1側に配置された光エミッタと、前記ノッチの第2側に配置された光検出器とを含み、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリが、前記移動機構のアンカポートに固定されたとき、前記アンカアセンブリが、前記光エミッタからの光が前記光検出器に到達するのを遮断する、請求項2に記載のIVUSシステム。
【請求項4】
前記センサは機械的スイッチを含む、請求項1に記載のIVUSシステム。
【請求項5】
前記IVUSカテーテルのアンカセンブリが前記移動機構の前記アンカポートに係合している場合、前記センサの出力により測定し、前記IVUSの前記アンカアセンブリが前記移動機構に固定されている場合、前記移動機構を接続モードし、前記IVUSカテーテルが前記移動機構に固定されていない場合、前記移動機構を切断モードにする、ように構成されたコントローラをさらに含む、請求項1に記載のIVUSシステム。
【請求項6】
少なくとも一つのIVUS動作は、前記移動機構が接続モードにある場合、イネーブルされ、前記移動機構が切断モードにある場合、ディスエーブルされる、請求項5に記載のIVUSシステム。
【請求項7】
少なくとも一つのIVUS動作は、前記移動機構によってプルバック動作を実行することを含む、請求項6に記載のIVUSシステム。
【請求項8】
さらに、前記コントローラと接続され、グラフィック表現を表示するよう構成されたディスプレイを備え、前記グラフィック表現は、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリが前記移動機構の前記アンカポートに固定されているか否かを表示する表示手段を含む、請求項5に記載のIVUSシステム。
【請求項9】
前記IVUSカテーテルは、カテーテルの情報を含むメモリを備え、コントローラは、前記コネクタ及び前記カテーテルインターフェースを介して前記IVUSカテーテルのメモリと通信する、請求項1に記載のIVUSシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記IVUSカテーテルのアンカアセンブリが、前記移動機構のアンカポートに固定された場合のみ、前記IVUSカテーテルのメモリと通信する、請求項9に記載のIVUSシステム。
【請求項11】
前記移動機構は、患者インターフェースモジュール(PIM)と、直線移動システム(LTS)を含み、前記LTSは、遠位の位置と近位の位置との間の前記PIMを移動させるように構成され、前記移動機構の前記アンカポートは、前記LTSに配置され、前記移動機構の前記カテーテルインターフェースは、前記PIMに配置される、請求項1に記載のIVUSシステム。
【請求項12】
血管内超音波(IVUS)システムであって、
回路と、IVUSカテーテルと、アンカポートを有する移動機構と、コントローラとを備え、
前記IVUSカテーテルは、
シースと、
前記シース内に配置され、遠位端でIVUSトランスデューサに接続される、駆動ケーブルと、
前記駆動ケーブルの近位端に配置され、前記シースから分離されているコネクタと、
前記シースの近位端付近に配置され、前記移動機構の前記アンカポートに係合するよう構成された、アンカアセンブリと、を有し、
前記移動機構は、カテーテルインターフェースと前記カテーテルインターフェースから分離された前記アンカポートとを含み、前記アンカポートに対して前記IVUSカテーテルを移動させるよう構成された移動機構であって、前記カテーテルインターフェースは、前記IVUSカテーテルのコネクタを介して前記IVUSカテーテルと接続するよう構成され
前記回路は、前記アンカポートに近接して配置されたセンサを備え、前記センサは、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリが前記移動機構の前記アンカポートに固定されているか否かを表す信号を出力し、
前記コントローラは、前記回路の前記センサと通信するコントローラであって、
前記センサからの、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリと前記移動機構との間の係合に対応する第一の出力を測定し、
前記第一の出力を介して、前記IVUSカテーテルの前記アンカアセンブリが前記移動機構に固定されているかを判断し、
前記IVUSの前記アンカアセンブリが前記移動機構に固定されていない場合、使用者に警告する信号を提供するよう、構成される、
IVUSシステム。
【請求項13】
前記IVUSシステムの前記アンカアセンブリが前記移動機構に固定されていない場合に、使用者に警告する前記信号を前記使用者に提供することは、聴覚的警報を鳴らすことを含む、請求項12に記載のIVUSシステム。
【請求項14】
さらにディスプレイを備え、
前記IVUSシステムの前記アンカアセンブリが前記移動機構に固定されていない場合に、使用者に警告する前記信号を前記使用者に提供することは、前記アンカアセンブリが、前記アンカポートに固定されていないことをディスプレイに示すことを含む、請求項12に記載のIVUSシステム。
【請求項15】
前記コントローラは、前記アンカアセンブリと前記アンカポートの接続状態を含む表示を生成するよう構成されている、請求項14に記載のIVUSシステム。
【請求項16】
前記センサは、光センサ及び/又は機械的スイッチを含む、請求項12に記載のIVUSシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血管内超音波(IVUS)システムおよびその操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IVUSには1つまたは複数の超音波トランスデューサが関わり、これは受け取った電気信号に基づいて超音波エネルギーを放出し、各種の血管内構造で反射された超音波エネルギーに基づいて帰還電気信号を送信する。IVUSは画像の生成によく使用される。いくつかの例において、高解像度ディスプレイを備えるコンソールはIVUS画像をリアルタイムで表示できる。このようにして、IVUSは、血管構造と血管内腔、例えば冠状動脈内腔、冠状動脈の壁構造や、冠状動脈壁表面の、またはその付近の機器、例えばステントの生体内可視化を提供するために使用可能である。IVUS画像形成は、病変血管、例えば冠状動脈疾患を視覚化するために使用されてもよい。いくつかの例において、超音波トランスデューサは、比較的高周波数(例えば、10MHz〜60MHz、いくつかの好ましい実施形態においては40MHz〜60MHz)で動作でき、IVUSカテーテルの遠位端付近で担持できる。いくつかのIVUSシステムは、360度の視覚化を可能にするために、IVUSカテーテルを機械的に回転させることを含む。
【0003】
多くのIVUSシステムはプルバック動作を実行するように構成され、この動作では、カテーテルの画像形成部品が画像取得中に患者の冠状動脈内で移動される。その結果、長軸部品による360度の画像が得られる。しかしながら、プルバック動作の実行時には、確実に正しい構成部品が他の部品に関して移動するようにするために、IVUSシステムの構成部品が正しく固定されていることが重要となりうる。構成部品が正しく固定されていないと、プルバック動作から所望の結果が得られないことがある。さらに、プルバック動作が失敗しても、IVUSシステムのオペレータは、プルバック動作が用をなしていないことにその実行が終わってから気付くことが多く、その時に気付いたとしても、なぜプルバック動作がうまくいかなかったかがわからないことがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示において論じられる実施形態は、IVUSカテーテルが他のIVUS機器に適正に固定されていることを確認してから、特定のIVUS動作の実行をイネーブルできるようにすることが可能である。システムの実施形態は、患者の血管系に挿入されるカテーテルを含むことができ、カテーテルはトランスデューサを含み、これが超音波画像を構成できる超音波信号を生成し、受信する。IVUSシステムのいくつかの実施形態は、カテーテルを固定するためのアンカポートを含む移動機構と、カテーテルと移動機構のアンカポートとの間の係合に対応する第一の出力を提供するように構成された回路と、を含んでいてもよい。回路は光スイッチ等のセンサを含むことができ、それがカテーテルと移動機構との間の係合を検出する。いくつかの例において、回路はデジタル回路を含むことができ、第一の出力はデジタル信号を含むことができる。
【0005】
いくつかの実施形態は、第一の出力を介して、IVUSカテーテルが移動機構のアンカポートと係合しているか否かを判断するように構成されたコントローラを含むことができる。するとコントローラは、カテーテルが移動機構に固定されているか否かに基づいて、移動機構を接続モードまたは切断モードにすることができる。直線移動機構が接続モードにあると、コントローラはIVUSシステムの、移動機構が切断モードにある時には許可不能な特定の動作をイネーブルできる。このような許可可能な動作としては、画像形成動作および、カテーテルの中に位置付けられていてもよいメモリ内に保存された情報へのアクセスがありうる。いくつかの実施形態において、システムは、移動機構が接続モードにあるか否かを表示するように構成されたディスプレイを含むことができる。
【0006】
いくつかの実施形態によるIVUSシステムの移動機構は、患者インタフェースモジュール(PIM)と、直線移動システム(LTS)と、を含むことができる。PIMはカテーテルと係合でき、LTSに固定できる。するとLTSは、PIMをそこに固定されたカテーテルと共に移動させて、プルバック動作を実行できる。トランスデューサはカテーテルの内部で移動して、長軸画像を取得できる。いくつかの実施形態において、プルバックはカテーテルと移動機構との間の接続状態に応じて許可または不許可とすることができる。移動機構のアンカポートはLTSに配置でき、PIMはLTSとカテーテルの接続状態に基づいて接続または切断状態とされてもよい。
【0007】
1つまたは複数の例の詳細は添付の図面と以下の説明の中に示されている。その他の特徴、目的、および利点は、説明と図面および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】IVUSシステムのある例示的な実施形態である。
図2】IVUSシステムのある実施形態のブロック図である。
図3】本発明の特定の実施形態による直線移動システムのある実施形態の図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態によるカテーテル、PIM、およびLTSの連結を示す。
図5】本発明の特定の実施形態によるLTSのアンカポートの斜視図である。
図6】コントローラを含むIVUSシステムのある実施形態を示すシステムレベルブロック図である。
図7】IVUSシステムのある実施形態の動作を示すプロセスフロー図である。
図8】IVUSシステムの特定の実施形態と共に使用されるディスプレイの例示的ブロックレイアウトである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明は例示的な性質のものであり、本発明の範囲、用途、または構成を一切限定しようとしていない。むしろ、以下の説明は、本発明の例を実施するためのいくつかの現実的な実例を提供する。構成、材料、寸法、および製造工程の例は選択された要素について提供されており、他の要素はすべて、本発明の分野の当業者にとって知られているものを利用する。当業者である場合、示されている例の多くに様々な適当な代替案があることがわかるであろう。
【0010】
図1は、IVUSシステム100のある例示的実施形態である。図1のIVUSシステム100はカテーテル102を含み、これは近位端104と、画像形成のために患者144の動脈に挿入される遠位端106と、を有する。カテーテル102は患者144の体内に、例えば大体動脈を介して挿入されてもよい。図1において、破線は、カテーテル102のうち、患者144の体内にある部分を表す。特定の実施形態によれば、カテーテル102は遠位端106に、またはその付近にトランスデューサ108を含むことができる。画像形成機能を実行するために、トランスデューサ108は超音波パルスを放出できる。すると超音波パルスは患者144の組織で反射でき、トランスデューサ108により検出可能であり、これは反射された超音波パルスを画像構成のための電気信号に変換できる。したがって、内蔵の超音波発生器がIVUSシステムに含められてもよい。
【0011】
図1のIVUSシステム100はまた、移動機構も含む。図のように、移動機構119は、患者インタフェースモジュール(PIM)120と、直線移動システム(LTS)122と、を含む。LTSは、カテーテル102と機械的に係合できる。LTSは、プルバックまたはその他の移動動作中にカテーテル102を患者144の体内で制御された距離だけ移動させるように構成できる。この実施形態において、移動機構119のPIM 120はまた、カテーテル102との接合部としても機能する。
【0012】
IVUSシステム100はユーザインタフェース140を含むことができ、これはシステムの使用者142によるコマンドを受け取り、および/またはカテーテル102から取得したIVUSデータ(例えば、IVUS画像)を表示できる。ユーザインタフェース140は、IVUSシステム100の他の構成部品と通信するように構成されたソフトウェアを有する従来のPCを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース140は、システム情報および/またはカテーテル102からのIVUS信号(例えば、IVUS画像)を表示してもよい。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース140はタッチスクリーンディスプレイを含むことができ、これはシステムユーザ142からのコマンドの受信とカテーテル102からのIVUSデータの表示の両方を行うように機能できる。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース140は画像形成エンジンを含むことができ、これは、カテーテル102により供給されるIVUSデータ、例えばトランスデューサ108により供給される超音波信号から画像を構築するように構成される。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース140は超音波発生器を含み、またはこれと通信できる。
【0013】
図2は、あるIVUSシステムの実施形態のブロック図である。いくつかの実施形態において、IVUSエンジン246(例えば、画像形成エンジン)は、プロセッサ/コントローラと、メモリ/データ記憶装置と、ユーザインタフェースと、ディスプレイ(およびその他の考えられる構成部品)と、を含むことができる。これらの構成部品は、例えばタッチスクリーンディスプレイおよび/またはコンピュータに組み込まれてもよい。IVUSエンジン246は一般に、カテーテル202またはカテーテル202の一部を移動させるように構成された移動機構248と通信できる。移動機構248は、いくつかの実施形態において、独自のディスプレイとユーザインタフェースを含むことができる。移動機構248とユーザインタフェースにより、移動機構248は、IVUSエンジン246からの動作命令を必要としないマニュアルモードで使用することが可能となる。いくつかの実施形態において、移動機構248はモータを含むことができ、これを使ってカテーテル202の遠位端にあるトランスデューサの位置を回転方向に、および/または直線移動方向に調整できる。
【0014】
いくつかの実施形態において、移動機構248は直線移動システム(LTS)222を含むことができる。LTS 222は、移動機構248のマニュアル動作を許可するための上記のディスプレイとインタフェースを含むことができる。いくつかの実施形態において、移動機構248は患者インタフェースモジュール(PIM)220を含むことができる。PIM 220はカテーテルインタフェースを含むことができ、これはけカテーテル202に取り付け可能とすることができる。いくつかの実施形態において、PIM 220は、カテーテル202の遠位端にあるトランスデューサの位置を調整するために上記のモータを含むことができる。いくつかの実施形態によれば、移動機構248はPIM 220とLTS 222の両方を含むことができる。このような実施形態において、PIM 220とLTS 222は相互に固定して取り付けられてもよい。PIM 220とLTS 222は相互に通信してもよく、各々が個別にIVUSエンジン246と通信してもよい。
【0015】
IVUSシステムのいくつかの実施形態において、カテーテル202の遠位端のトランスデューサは回転および/または移動できる。カテーテル202の回転は360度回転で、患者の動脈等、ある箇所の360度の画像形成を可能にできる。いくつかの実施形態において、カテーテルは動脈カテーテルとすることができ、この場合、回転はこのような360度の画像形成に必要なものでなくてもよい。カテーテル202の移動により、動脈に沿った複数の位置の画像形成を可能にできる。複数の移動位置で連続スキャンを行い、集約的な長軸画像を形成できる。いくつかの実施形態において、カテーテル202は駆動ケーブルを含むことができ、これは送電線を含み、トランスデューサに連結される。いくつかの実施形態において、カテーテル202はシースを含むことができ、これはルーメンを画定し、その中でトランスデューサと駆動ケーブルが自由に移動できる。それゆえ、いくつかの実施形態において、シースを動脈内で移動させずに、トランスデューサが駆動ケーブルを介してシース内で移動および回転できる。これは、画像形成またはその他のIVUS動作中にトランスデューサが移動される際にカテーテルと患者の動脈の内部との間の過剰な摩擦を回避する上で有利となりうる。例えば、カテーテルは、シースの内部での移動中に、破れやすいプラークが付着していることもある血管に沿って引きずられない。
【0016】
IVUSシステムのいくつかの実施形態によれば、カテーテル202は、カテーテルメモリ210を含むことができる。それゆえ、カテーテル202がシステムから取り除かれても、カテーテルメモリ210がカテーテル202と共に残ることができる。このようにして、特定のカテーテル202にとって重要とみなされる情報をその特定のカテーテル202と共に保持できる。特定の実施形態において、カテーテルメモリ210は、カテーテル202の近位端に配置される。いくつかの実施形態において、カテーテルメモリ210は、カテーテル202に固有の情報、例えばカテーテル202のモデルを含むことができる。いくつかの実施形態において、カテーテルメモリ210はカテーテル202内の特定の構成部品に関する情報、例えばトランスデューサに関する情報を含むことができる。このようなトランスデューサ情報としては、トランスデューサの周波数応答、その組立微、利得、出力レベル、IVUSシステムと係合された回数、および/またはその他のトランスデューサごとの情報等がある。いくつかの実施形態において、カテーテルメモリ210は、カテーテル202および/またはトランスデューサに関する利用情報、例えば使用時間、日付、継続時間、および/またはカテーテル202が使用された患者に関する情報を保存できる。いくつかの例において、カテーテルメモリ210の中にこのような情報を保存することにより、この情報が正しいカテーテル202に関連付けられること、および/またはIVUSエンジン246がカテーテル202の係合時に、またはエンジン246によるこのような情報の要求時にこの情報を検出できることが保証される。
【0017】
前述のように、いくつかのIVUS動作に関して、トランスデューサは動脈の長さに沿って移動できる。このような測定を容易にするために、IVUSシステムのいくつかの実施形態は移動機構248を含む。移動機構248は、カテーテル202と係合して、IVUSシステムのオペレータがカテーテル202の中でトランスデューサを具他的な方法で移動できるようにすることが可能である。IVUSシステムの各種の実施形態の中で、移動機構248はカテーテル202を所望の距離だけ、所望の速度で、または任意選択によりその両方で移動させることができる。トランスデューサの移動は、移動機構248から直接、および/またはIVUSエンジン246等の外部コントローラから開始できる。外部コントローラの場合、移動は使用者が手動で実行しても、自動化された工程の一部であってもよい。
【0018】
IVUSシステムのいくつかの実施形態おいて、移動機構248はPIM 220とLTS 222を含むことができる。いくつかの実施形態において、PIM 220は、カテーテル202の近位端に取り付けられるように構成できる。この取り付けは、電気的および機械的両方の取り付けを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態において、PIM 220は、カテーテル202を固定するための機械的接合部と、カテーテル202内でトランスデューサを回転させるための機械的エネルギーを提供できる。いくつかの実施形態において、PIM 220は、内蔵された超音波発生器からカテーテル202へと信号を送信し、帰還信号を受信する電気的接合部を提供できる。したがって、いくつかの実施形態において、PIM 220は、カテーテル202とIVUSエンジン246との間の電気機械的接合部を提供できる。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、PIM 220は、LTS 222と嵌合するように構成できる。LTS 222は、PIM 220およびカテーテル202と嵌合されている間に、トランスデューサの長軸方向への移動を提供できる。多くの実施形態において、トランスデューサの長軸方向の移動には、カテーテルのイメージングコアの制御された速度でのプルバックが関わることができる。LTS 222は、長軸方向のIVUSデータを(例えば、画像形成用に)取得するために、校正された直線移動を提供できる。LTS 222は、ディスプレイを特徴としてもよい。ディスプレイは、移動した直線距離および/または移動速度を表示してもよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイは、移動を開始/停止させるため、移動速度を設定するため、移動した直線距離をゼロにリセットするため、マニュアルモードに切り替えるため、およびその他のための制御手段を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、マニュアルモードで、IVUSシステムのオペレータはカテーテルのイメージングコアを前後に自由に移動させることができる。
【0020】
図3は、本発明の特定の実施形態によるLTS 322のある実施形態を示す。LTS 322は、LTS 322への設定を使用者が観察し、操作するためのディスプレイ324と制御手段326を含むことができる。LTS322は、PIMと嵌合されるように構成されてもよいクレードル328を含むことができる。いくつかの実施形態において、クレードル328はトラック330に沿って移動できる。いくつかのこのような実施形態において、カテーテルはPIMに連結され、PIMがクレードル328と嵌合すると、LTS 322はトラック330に沿ってクレードル328を移動させることによって、カテーテルにより担持されるトランスデューサを所望の方法で移動できる。図3のクレードル328は2つのとりうる位置で示されており、すなわち実線で示される遠位位置334と、破線で示される近位位置332である。多くの実施形態において、LTS 322は、プルバック動作において遠位位置334から近位位置332へとクレードル328を移動させることができる。理解するべき点として、いくつかのIVUS動作中、LTS 322は、遠位位置334と近位位置332との間で何れの方向にも移動するように、および/またはトラック330に沿ったそれらの位置間の何れの位置でも停止するように構成できる。
【0021】
いくつかの実施形態において、LTSが移動可能であることによって、IVUSトランスデューサの長軸方向の移動は、IVUSシステムのオペレータによって手動でも、またはモータの制御によっても実行できる。モータを用いる長軸方向の移動によって、校正された立体体積データの取得を可能にできる。これによって、IVUSエンジンが検査対象の動脈の長さに沿った距離を正確に測定できるほか、カテーテルシースを移動させずにIVUSアセンブリを前進または後退させることにより、1回の手順で複数の関心対象領域の画像形成を可能にすることができる。
【0022】
図4は、本発明のいくつかの実施形態によるカテーテル402、PIM 420、およびLTS 422の例示的な連結を示す。カテーテル402の近位端は、PIM 420に取り付けられるコネクタ416を含むことができる。いくつかの実施形態において、コネクタ416はカテーテルインタフェース418におけるカテーテル402とPIM 420との間の接続を確実にすることができる。いくつかの実施形態において、コネクタ416は、IVUSシステムからカテーテル402への電気的および機械的接合部を提供できる。PIM 420はLTS 422のクレードル428の中に支持され、これがプルバック等の移動動作中にPIM 420を固定できる。カテーテル402はアンカアセンブリ414を含むことができる。LTS 422はアンカポート436を含むことができる。いくつかの実施形態において、アンカポート436は、カテーテル402のアンカアセンブリ414を受けるように構成できる。
【0023】
多くの例において、PIM 420がLTS 422に固定されると、カテーテル402の駆動ケーブル412がPIM 420に接続でき、カテーテル402のアンカアセンブリ414はLTS 422のアンカポート436に固定できる。多くのこのような例において、移動動作(例えばプルバック動作)が実行されてもよい。駆動ケーブル412により担持されるトランスデューサは、患者の血管内の関心対象領域の遠位側の位置に配置できる。LTS 422は、クレードル428を遠位位置から近位位置へとトラックに沿って移動させ、それによってトランスデューサをその初期位置から関心対象領域を横切るように移動させることができる。PIM 420が、そこに固定されたカテーテル402の駆動ケーブルと共に移動している間に、カテーテル402内のトランスデューサがそれと共に移動する。それゆえ、長軸方向のIVUS測定が、PIM 420を介してIVUSエンジンと接合するトランスデューサによって行われてもよい。カテーテルのアンカアセンブリ414がLTS 422のアンカポート436に固定されている時、カテーテル402のシース410は所定の位置に保持され、その間、トランスデューサはその中で移動し、任意選択で回転する。それゆえ、プルバック動作(またはその他の移動動作)を実行でき、その一方でシース410が患者の血管内でスライドしないことが確実とされる。
【0024】
いくつかの実施形態において、カテーテル402のLTS 422との適正な係合を確認することが重要でありうる。前述のように、いくつかの実施形態において、カテーテル402は、カテーテル402のアンカセンブリ414がLTS 422のアンカポート436に固定されることによってLTS 422と係合できる。カテーテルがLTSに固定されていることが分かると、これはシステムが特定の測定を実行できる状態にあることを示唆する。それゆえ、カテーテル402がLTS 422に適正に固定されていない時にはいくつかのIVUS動作を防止することが有利となりうる。そのためには、IVUSシステムのいくつかの実施形態は、カテーテル402とLTS 422との間の係合を感知するように構成されたセンサを含む。いくつかのこのような実施形態は、カテーテル402のアンカアセンブリ414がLTS 422のアンカポート436に固定されていることを検出できる。いくつかの実施形態において、センサがカテーテル402とLTS 422との間の係合を感知しない場合、IVUSシステムの特定の動作がディスエーブルされる。
【0025】
図5は、本発明の特定の実施形態によるLTS 522のある例示的なアンカポート536を示す。アンカポート536は、LTS 522の表面のノッチ538を含むことができる。カテーテル502のアンカアセンブリ514の一部はノッチ538に挿入できる。アンカアセンブリ514は、中央部分550と、第一の停止部分552と、第二の停止部分554と、を含むことができる。好ましい実施形態において、停止部分552、554は、直径において、中央部分550より大きい。理解するべき点として、いくかの実施形態において、1つの停止部分を使用できる。
【0026】
図の実施形態において、アンカアセンブリ514の中央部分550は、LTS 522のノッチ538によって受けられる。受けられると、停止部分552、554はアンカアセンブリ514が実質的にアンカアセンブリ514の長軸に沿った方向、すなわち、いくつかの実施形態において、IVUSシステムの動作中のプルバック方向に移動するのを防止する機能を果たす。当然のことながら、図5のアンカアセンブリ550とアンカポート536の構成は単なる例に過ぎず、アンカアセンブリの軸方向の移動を防止する機能を果たす、他の多くの相補的なアンカアセンブリとアンカポートの構成。
【0027】
図5のアンカポートは、アンカポート536内にアンカアセンブリ514が存在することを検出するように構成されたセンサ560を含むことができる。センサ560は、機械スイッチ、圧力センサ、光スイッチ、またはその他の適当なセンサとすることができる。図5は1つの実施形態を示している。センサ560は光スイッチとすることができ、これはノッチ538のそれぞれの側に配置された光エミッタ562と光検出564を含む。光エミッタ562は電磁放射566を光検出器564に向かって放出でき、これが放射566を検出する。しかしながら、電磁放射が光検出器564から、例えばアンカアセンブリ514によって遮断されると、光検出器564は放射566を感知しなくなる。それゆえ、光スイッチ装置は、ノッチ538内の物体、例えばカテーテル502のアンカアセンブリ514等の存在を検出するために使用できる。留意するべき点として、図5においては光スイッチがノッチ538の近端にあるように示されているが、センサの位置はノッチ538の略中央でも、アンカアセンブリ514がアンカポート536と係合したときに、光エミッタ562からの電磁放射が光検出器564に到達するのを十分に遮断できるかぎり、他の何れの所望の位置でもよい。いくつかの構成において、センサはレバー等の機械的スイッチを含むことができ、それによって、カテーテル502のアンカアセンブリ514がアンカポート536の中に十分に挿入されると、これがレバーを押して、2つの係合を表示する。レバーは、例えば押された時に回路を開く、または閉じるように機能してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、図5のセンサ560は、図6に示されるような回路660の中で実現できる。図6は、さらにコントローラを含むIVUSシステムのこのような実施形態を示すシステムレベルブロック図である。IVUSシステムのいくつかの実施形態は、第一の出力信号658を供給するように構成された回路660を含むことができる。第一の出力信号658は、カテーテル602と移動機構との間の係合に対応できる。いくつかの実施形態において、係合は、カテーテル602のアンカアセンブリをLTS 622のアンカポートの中に固定することを含んでいてもよい。回路660は、第一の出力658を生成するスイッチ(例えば、光スイッチ)またはその他のセンサを含んでいてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、回路660はデジタル回路を含むことができる。デジタル回路は、第一の出力658を介して、カテーテル602と移動機構との間の係合状態(例えば、カテーテル602がLTS 622に固定されているか否か)に応じて、第一の信号または第二の信号を供給できる。いくつかの実施形態において、回路660はアナログ回路を含むことができる。このような実施形態において、カテーテル602と移動機構との間の係合はアナログ出力が閾値を越えることによって判断できる。本発明の各種の実施形態によれば、係合を示すために、閾値を越えることは閾値より上からでも、下からでもよい。
【0030】
図6のIVUSシステム600は、LTS 622に連結されたカテーテル602を含む。回路660は、カテーテル602と移動機構の係合状態に応じて、第一の出力658をコントローラ662に供給できる。図6に示されるもののようないくつかの実施形態において、係合状態はカテーテル602とLTS 622の係合に関することができる。いくつかの実施形態において、コントローラ662が第一の出力658を直接測定できる。いくつかの実施形態において、別の構成部品が第一の出力658を測定して、コントローラ662に信号を送信してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、コントローラ662は、IVUSカテーテル602が移動機構の一部に固定されている場合、移動機構またはその一部を接続モードに、またはIVUSカテーテル602が固定されていない場合、切断モードにすることができる。いくつかの実施形態において、コントローラ662は、移動機構またはその一部が接続モードにある場合、IVUS動作の実行をイネーブルし、またはそれが切断モードにある場合、動作をイネーブルしないように構成できる。
【0032】
図6に示される実施形態において、コントローラ662は、第一の信号658を介した判断により、カテーテル602が適切にLTS 622と係合しているか否かに基づいて、PIM 620を接続または切断モードにすることができる。コントローラ662は、係合状態を判断した後、PIM 620と通信し、出力658に基づいてそれを接続または切断モードにすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態において、IVUSシステム600は、ユーザインタフェースまたは、コマンドを受け取るための何らかのその他のインタフェースを介して、IVUS動作またはタスクを実行するコマンドを受け取ることができる。IVUSシステム600は、コマンドを受け取ると、IVUSカテーテル602がLTS 622に固定されているか否かを判断することができ、それに応じてPIM 620を接続または切断モードにすることができる。いくつかの実施形態において、IVUSシステム600および/またはPIM 620は、IVUS動作またはタスクを実行するコマンドを受け取る前に、接続モードまたは切断モードにあってもよい。多くの実施形態において、PIM 620が接続モードにある場合、IVUSタスクはコマンドに従って実行できる。多くの実施形態において、PIM 620が切断モードにある場合、IVUSシステム600はコマンドによるIVUSタスクの実行を拒否できる。
【0034】
いくつかの実施形態において、動作モードに基づいてイネーブルまたはディスエーブルできるIVUS動作またはタスクとしては、画像形成とメモリアクセス動作のうちの少なくとも1つがある。いくつかの実施形態において、メモリアクセス動作は、IVUSカテーテル602に含まれるメモリに保存されている情報へのアクセスを含むことができる。イネーブルまたはディスエーブルされるIVUS動作は、それに加えて、またはその代わりに、プルバック動作を含んでいてもよく、この場合、移動機構(例えば、PIM 620とLTS 622)は、IVUSカテーテル602により担持されるIVUSトランスデューサをある距離だけ後退させ、またはIVUSトランスデューサをIVUSカテーテル602の近位方向に移動させるあらゆるそのようなタスクを行わせる。
【0035】
いくつかの実施形態において、IVUSシステム600は、ディスプレイ640を含むことができる。ディスプレイ640は、移動システムが、その一部であるPIM 620等も含めて、接続モードにあるか否かを示すように構成できる。理解するべき点として、移動システム、または特に例えばPIMが接続モードにあるか否かを示すことは多くの選択肢を含みうる。例えば、システムのいくつかの実施形態は、適正な係合が検出されない場合、「未接続」のメッセージを表示できる。このような実施形態において、「未接続」のメッセージが行われないということは、システムが接続モードにあると表示しているということであってもよい。本発明のいくつかの実施形態は、十分な係合が検出された場合、「接続」のメッセージを表示するように構成されてもよい。「接続」のメッセージが表示されないということは、移動システムが切断モードにあることを表示しているということであってもよい。他の実施形態は、使用者に対して示す「接続」、「切断」の両方を表示できる。さらに図6を参照すると、ディスプレイ640を含むこのような実施形態において、ディスプレイ640は、所望の情報を表示するために、コントローラ662および/またはPIM 620と通信してもよい。例えば、コントローラ662は移動機構が接続モードにあるか否かを示すようにディスプレイ640に信号を送信してもよく、その一方で、PIM 620はIVUS画像形成信号をカテーテル602からディスプレイ640に送信してもよい。
【0036】
図7は、IVUSシステムのある実施形態の動作を示すプロセスフロー図である。本開示で論じられるその他のIVUSシステムと同様に、図7のIVUSシステムは、PIMと、カテーテルと、LTSと、を含むことができ、各々が相互に分離されている。カテーテルをPIMと係合させることができる(772)。PIMをLTSに取り付けることができる(774)。カテーテルをLTSに取り付けることができる(776)。特定の実施形態において、カテーテルのLTSへの取り付けは、カテーテルの固定アセンブリをLTSのアンカポートに固定することを含むことができる。前述のように、このような取り付けと接続は、画像形成および/またはプルバックをはじめとする様々なIVUS動作において重要でありうる。いくつかの実施形態において、IVUSシステムは、カテーテルの適切な固定が検出されたか否かを判断できる(778)。検出されている場合、システムまたはシステムの構成部品を接続モードにすることができ(780)、いくつかの実施形態において、使用者に動作の接続モードの警報を発行できる(790)。これは、前述のようにシステムの表示部品を介しても、および/または何れかの適当な聴覚的または視覚的警報を介しても行われてよい。システムまたはシステムの構成部品を接続モードにしたところで、特定のIVUS動作をイネーブルしてもよい(782)。すると、IVUSシステムはプルバック長軸画像形成測定等のIVUSタスクを実行してもよい(784)。システムのうち、接続モードにすることのできる構成部品としては、例えばPIM、LTS、カテーテル等がある。IVUSシステムの各種の実施形態の中で、これらおよびその他の構成部品のあらゆる組合せを接続モードにしてもよい。
【0037】
他方で、カテーテルがLTSに適正に固定されていないと判断された場合、IVUSシステムまたはIVUSシステムの構成部品を切断モードにしてもよい(786)。上述の接続モードと同様に、PIM、LTS、およびカテーテル等の構成部品または構成部品の組合せを切断モードにすることができる。切断モードでは、特にIVUS動作がディスエーブルされてもよい(788)。ディスエーブルされるIVUS動作としては、画像形成動作、移動動作、メモリアクセス動作、その他がある。このような場合、使用者に動作の切断モードの警報を出すことができる(790)。前述のように、この警報は、前述のようにシステムの表示部品を介して、および/または何れかの適当な聴覚的または視覚的警報を介しても行われてよい。理解するべき点として、図7に示されるプロセスは例示的な順序でステップを示しているが、この特定の順序は本発明のすべての実施形態の動作を定義しているわけではない。本発明の様々な実施形態を通じて、IVUSシステムの操作性を犠牲にすることなく、各種のステップを変更してもよい。
【0038】
図8は、IVUSシステムの特定の実施形態に使用されるディスプレイ840のある例示的なブロックレイアウトである。いくつかの実施形態において、ディスプレイ840は、IVUS画像892を表示できる。画像は、IVUS測定中に表示されるリアルタイム画像であってもよい。画像はメモリから呼び出された時に表示される、保存された画像であってもよい。画像形成動作中、ディスプレイ840はさらに画像取得設定894の選択をさらに含んでいてもよい。このような設定は、超音波画像の取得中に調整されるズームまたは利得の設定を含んでいてもよい。これらの設定は、ユーザインタフェースを介して選択され、調整されてもよく、これはタッチスクリーン、またはキーボードおよび/またはマウス等の別の外部選択ツールを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイ840は、接続表示手段896をさらに含んでいてもよく、これはシステムの使用者にどの構成部品が接続され、動作可能であるかを示す。いくつかの実施形態において、接続表示手段896は、特定の構成部品が接続されていると感知された時だけ現れるようにすることができる。例えば、図8において、「LTS」、「カテーテル」、「PIM」のすべてが示されており、これらの要素の各々がシステムによって感知されたことを示している。これに加えて、接続表示手段896のセクションは、「嵌合」という表示を含むことができ、これは、カテーテルが移動機構の一部、例えばLTSに固定され、このような係合を必要とする動作がイネーブルされることを示す。前述のように、カテーテルを例えばLTSに十分に係合しているとの表示は、特定のIVUSシステム、内容、およびその他の様々な要素に応じて多様な方法で行うことができる。
【0039】
理解するべき点として、本発明の特定の実施形態に関して説明された構成部品を組み合わせて、また別の実施形態を形成してもよい。本開示において説明された技術はまた、コンピュータ読取可能媒体、例えば、命令を実行する非一時的なコンピュータ読取可能記憶媒体で具現化または符号化されてもよい。コンピュータ読取可能記憶媒体において具現化または符号化される命令は、プログラム可能プロセッサまたはその他のプロセッサに、指示された命令に従わせてもよい。コンピュータ読取可能記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、光媒体、またはその他のコンピュータ読取可能媒体を含んでいてもよい。
【0040】
各種の例を説明した。これらおよびその他の例は以下の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8