(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442030
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】タッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20181210BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20181210BHJP
G09G 3/36 20060101ALI20181210BHJP
G09G 3/30 20060101ALI20181210BHJP
G09G 3/32 20160101ALI20181210BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
G06F3/041 520
G06F3/044 120
G09G3/36
G09G3/30 H
G09G3/32 A
G09G3/20 670E
G09G3/20 691D
G09G3/20 612R
G09G3/20 612L
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-238558(P2017-238558)
(22)【出願日】2017年12月13日
(65)【公開番号】特開2018-109964(P2018-109964A)
(43)【公開日】2018年7月12日
【審査請求日】2017年12月13日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0183733
(32)【優先日】2016年12月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(72)【発明者】
【氏名】朴龍進
【審査官】
円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−134185(JP,A)
【文献】
特開2015−184313(JP,A)
【文献】
特開2006−209533(JP,A)
【文献】
特開2003−234647(JP,A)
【文献】
特開2015−064402(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G09G 3/20
G09G 3/30
G09G 3/32
G09G 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を表示するための複数個のゲートライン及び複数個のデータライン、及びタッチをセンシングするための複数個のタッチセンシング電極を備えた、表示パネルと、
映像信号、タッチ制御信号及びリセット信号を出力するAPと、
前記映像信号を処理して前記表示パネルに出力し、前記表示パネルに設置されたタッチセンシング電極からタッチ信号を受信し、これをデジタル信号に変換してタッチセンシングデータを出力し、ESDによってエラーが発生するとき、自身をリセットすると同時に、前記APにインタラプト信号を出力するディスプレイドライバICと、
を備えた、タッチ表示装置。
【請求項2】
前記ディスプレイドライバICは、
前記映像信号を処理して前記表示パネルに出力し、ESDによってエラーが発生する場合にディスプレイエラー信号を出力するディスプレイ処理部と、
前記表示パネルに設置されたタッチセンシング電極からタッチ信号を受信し、これをデジタル信号に変換してタッチセンシングデータを出力し、前記ディスプレイエラー信号を受信してディスプレイリセット信号を出力し、ESDによってエラーが発生するとき、前記ディスプレイリセット信号又はタッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプトするタッチセンシング処理部と、
を備える、請求項1に記載のタッチ表示装置。
【請求項3】
前記ディスプレイ処理部は、
前記APからMIPIインターフェースを介してパケットを受信して、垂直同期信号及び水平同期信号を復元し、ESDによって前記MIPIインターフェースを介して伝達される信号にエラーが発生すると、エラー検出信号を出力するDSI部と、
前記DSI部からクロック信号及び映像データを受信して、前記表示パネルにアナログデータ信号を出力し、垂直同期信号毎にMIPIクロックが変更されたかをチェックサムし、前記MIPIクロックが変更された場合にエラー検出信号を出力するDCS部と、
前記DSI部又は前記DCS部からエラー信号が出力されると、前記DSI部にリセット信号を出力し、前記タッチセンシング処理部に前記ディスプレイエラー信号を出力するインタラプトリセット発生部と、
を備える、請求項2に記載のタッチ表示装置。
【請求項4】
前記ディスプレイ処理部は、前記タッチセンシング処理部から出力される前記ディスプレイリセット信号及び前記APから出力されるリセット信号を論理和演算して前記ディスプレイ処理部をリセットさせるORゲートをさらに備える、
請求項3に記載のタッチ表示装置。
【請求項5】
前記タッチセンシング処理部は、
前記APから出力された前記タッチ制御信号を受信して、タッチイネーブル信号及びウェイクアップ信号を出力し、前記表示パネルにタッチセンシングのためのPWM信号を出力するタッチインターフェース部と、
前記表示パネルに設置されたタッチ電極からタッチ信号をセンシングし、これをデジタル信号に変換して出力するタッチセンシング部と、
ESDによって前記タッチインターフェース部及び前記タッチセンシング部にエラーが発生すると、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力し、前記ディスプレイ処理部にエラーが発生すると、ディスプレイリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力する、MCUと、
を備える、請求項2に記載のタッチ表示装置。
【請求項6】
前記タッチセンシング処理部は、前記APから出力されたタッチリセット信号、駆動ICリセット信号及び前記MCUから出力された前記タッチリセット信号を論理和演算して前記タッチセンシング処理部をリセットするORゲートをさらに備える、
請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項7】
前記MCUは、表示区間の後、タッチセンシング区間に前記タッチインターフェース部から前記タッチイネーブル信号又は前記ウェイクアップ信号がない場合、ESDによるエラーと判断し、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力する、
請求項5に記載のタッチ表示装置。
【請求項8】
前記MCUは、前記タッチセンシング部から出力されたタッチセンシングデータが任意の値以上または以下であると、ESDによるエラーと判断し、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力する、
請求項5に記載のタッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、特に、タッチ表示装置の駆動IC内で静電気によるエラーが発生すると、これを感知して自ら復元することができる駆動ICを備えたタッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、デジタルデータを用いて映像を表示する平板表示装置としては、液晶を用いた液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode;以下、OLED)を用いたOLED表示装置などが代表的である。
【0003】
前記液晶表示装置は、電極がそれぞれ形成されている2つの基板を、2つの電極が形成されている面が対向するように配置して貼り合わせ、前記両基板の間に液晶物質が注入されて形成される。このような構造において、前記両電極に電圧を印加して生成される電場によって液晶分子を動かすことによって、これに応じて変わる光の透過率によって画像を表現するようになる。
【0004】
しかし、前記のような液晶表示装置は、自発光表示装置ではないため、バックライトを利用しなければならないという欠点もある。
【0005】
前記OLED表示装置は、電子と正孔との再結合により有機発光層を発光させる自発光素子であって、輝度が高く、駆動電圧が低く、薄膜化が可能であることから、次世代表示装置として期待されている。
【0006】
OLED表示装置を構成する多数のピクセルのそれぞれは、アノードとカソードとの間の有機発光層で構成されたOLED素子、及びOLED素子を独立に駆動するピクセル回路を備える。ピクセル回路は、データ電圧をストレージキャパシタに供給するスイッチング薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)、及びストレージキャパシタに充電された駆動電圧に応じて駆動電流を制御してOLED素子に供給する駆動TFTなどを含み、OLED素子は、駆動電流に比例する光を発生する。
【0007】
このような平板表示装置は、複数個のゲートライン(スキャンライン)及びデータラインを備え、複数個のピクセルがマトリクス状に配列される液晶表示パネル又はOLED表示パネルと、前記ゲートライン(スキャンライン)を駆動するゲート駆動部と、前記データラインを駆動するデータ駆動部と、前記ゲート駆動部及び前記データ駆動部に各種制御信号及び映像データを提供するタイミングコントローラなどを備える。
【0008】
また、一般に、携帯電話などのモバイル装置は、高級化の傾向に伴い、様々な機能が搭載運用されている。特に、高級化及び高機能化の傾向に合わせてMP3プレーヤー、デジタルカメラ機能などのマルチメディア機能が搭載されるに伴い、液晶表示装置又はOLED表示装置などのディスプレイ装置も、単なる文字の伝送ではなく、マルチメディアデータの表現のために解像度がますます高まっており、このようなマルチメディア機能の搭載及びディスプレイ装置の高解像度化によって、中央制御装置とこれらの装置との間のデータ伝送において、非常に高い伝送速度を要求している。
【0009】
上述したデータを高速で伝送するために、モバイル装置は、並列インターフェース方式を用いるが、前記モバイル装置は、その特性上、小型化が必須であるため、面積を多く占める並列インターフェース方式は、モバイル装置に適用しにくいという問題があった。
【0010】
また、画像解像度(image resolution)が増加するに伴い、モバイルアプリケーションプロセッサ(mobile application processor;AP)とディスプレイドライバIC(display driver integrated circuit(IC))との間のデータトラフィック(data traffic)が急速に増加している。これによって、前記モバイルアプリケーションプロセッサ及び/又は前記ディスプレイドライバICで消耗する電力も持続的に増加している。
【0011】
音声通話中心の既存の移動電話機は、マルチメディア(multimedia)データ中心のスマートフォン(smart phone)に急速に代替されており、前記スマートフォンに具現されたディスプレイドライバICは、静止画(still image)信号又は動画(moving image)信号のような前記マルチメディアデータをディスプレイでディスプレイするために頻繁に動作する。したがって、前記スマートフォンのバッテリー持続時間が減少する。前記バッテリー持続時間は、1回の充電で使い続けることが可能なバッテリーの使用時間を意味する。これによって、静止画信号と動画信号を処理するスマートフォンのような移動通信装置のバッテリー持続時間を延ばすことができる方法が必要である。
【0012】
このような問題点を解決するために、高速の直列伝送のためのモバイル製品用プロセッサインターフェース(Mobile Industry Processor Interface:以下、「MIPI」という)方式が提案された。
【0013】
高速でデータを伝送するためには、データと共にクロックを伝送しなければならず、前記MIPI方式は、データと共にクロックが伝送されるが、共通モードが低くなるように、小さなスイング幅でデータが伝送される。
【0014】
前記MIPI方式の表示装置を説明すると、次の通りである。
【0015】
図1は、従来のMIPI方式の表示装置のブロック構成図であり、
図2は、
図1のディスプレイドライバICの具体的な構成図である。
【0016】
前記MIPI方式の表示装置は、静止画信号又は動画信号をディスプレイでディスプレイすることができる移動電話機(mobile phone)、スマートフォン(smartphone)、タブレットPC(tablet personal computer)、PDA(personal digital assistant)、PMP(poetable multimedia player)などのような移動装置(mobile device)、小型機器(handheld device)、または小型コンピュータ(handheld computer)を意味する。
【0017】
前記MIPI方式の表示装置は、
図1に示したように、アプリケーションホストプロセッサ(以下、「AP」という。)10、ディスプレイドライバIC(D−IC)20、及び表示パネル(Display Panel)30を含む。
【0018】
前記AP10は、内部に具現されたコーデック(codec)が実行されるか否かによって、表示パネル30でディスプレイされる映像信号が静止画信号であるか、または動画信号であるかを指示するモード切替命令を含むパケットPACを、クロック信号CLKに応じてMIPIパスを介して前記ディスプレイドライバIC20に伝送する。ここで、前記パケットPACは、垂直同期パケットVsync、水平同期パケットHsync、及びディスプレイされる映像信号を含むデータストリームパケットDS及び命令パケットCPを含み、動作モードは、静止画信号を処理する命令モード(command mode)と、動画信号を処理するビデオモード(video mode)とに区分される。
【0019】
前記ディスプレイドライバIC20は、前記垂直同期パケットVS及び水平同期パケットHSから垂直同期信号及び水平同期信号を復元(restore)し、データストリームパケットからデータを処理又は復元し、前記命令パケットに含まれた切替命令に応答して、処理又は復元されたデータDATAを前記表示パネル30に伝送する。
【0020】
前記表示パネル30は、液晶(liquid crystal)表示パネル、LED(light emitting diode)表示パネル、OLED(Organic LED)表示パネル、またはAMOLED(active−matrix OLED)表示パネルとして具現されてもよい。
【0021】
このように構成されるMIPI方式の表示装置において、外部環境(静電気;ESD)によって、前記ホストから出力されたパケットPACを前記ディスプレイドライバIC20が解釈できないか、または前記外部環境によって、ディスプレイドライバIC20にビデオ信号が受信されない場合が発生し得る。
【0022】
すなわち、前記ディスプレイドライバIC20は、前記AP10からパケットPACを受信して垂直同期信号及び水平同期信号を復元し、前記復元された垂直及び水平同期信号に同期して映像データをインバージョン方式でディスプレイする。ところが、外部環境(ESD)により、前記ディスプレイドライバIC20が前記AP10からパケットPACを見つけられなくなり、前記ディスプレイドライバIC20は、同期信号を認識できなくなる。また、外部環境(ESD)により、前記ディスプレイドライバIC20にビデオ信号が受信されないことがある。
【0023】
このような問題点を解決するために、
図2に示したように、前記ディスプレイドライバIC20が外部環境(ESD)によって同期信号を認識できないか、またはビデオ信号が受信されない場合にリセットさせる構成を有する。
【0024】
すなわち、前記AP10からMIPIインターフェースを介してパケットPACを受信して、垂直同期パケットVS及び水平同期パケットHSから垂直同期信号及び水平同期信号を復元(restore)し、外部環境(ESD)によって前記MIPIインターフェースを介して伝達される信号にエラーがあるかを検出し、エラーがある場合、外部環境(ESD)によるエラーと判断してエラー検出信号(DSI Error)を出力するDSI(Digital Serial Interface)部21と、前記DSI部21から映像データを受信して前記表示パネル30にアナログデータ信号を出力し、垂直同期信号毎にMIPIクロックが変更されたかをチェックサム(Check_SUM)して、前記MIPIクロックが変更された場合、外部環境(ESD)によるエラーと判断してエラー検出信号(CHKSUM Error)を出力するDCS(Display Command Set)部23と、前記DSI部21又は前記DCS部23からエラー信号(DSI Error又はCHKSUM Error)が出力されると、前記DSI部21にリセット信号(DSI Reset)を出力し、前記AP10にインタラプト(Interrupt、INT)を出力し、別途にESDリセット信号(ESD Reset)を出力するインタラプトリセット発生部(Rst Gen.)22と、前記インタラプトリセット発生部22から出力される前記ESDリセット信号(ESD Reset)及び前記AP10から出力されるリセット信号(Reset)を論理和演算してディスプレイドライバICをリセットさせるリセット信号(DIC Reset)を出力するORゲート24とを備えて構成される。
【0025】
したがって、前記MIPI方式の表示装置のディスプレイドライバIC20で外部環境(ESD)によってエラーが発生するとき、ディスプレイドライバIC20をリセットするので、外部環境(ESD)による誤動作を防止することができる。
【0026】
しかし、最近のMIPI方式の表示装置である移動電話機、スマートフォン、タブレットPC、PDA、PMP、または小型コンピュータなどには、表示パネル上に指やスタイラスペン(stylus pen)などが接触するタッチ地点で抵抗や静電容量のような電気的特性が変化してそのタッチ地点を感知し、そのタッチ地点に対応する情報を出力したり、演算を行ったりするタッチ機能を有する。
【0027】
したがって、ディスプレイドライバICは、各フレーム期間を、ピクセルに映像データを書き込むデータライティング期間と、タッチをセンシングするタッチ駆動期間とに時分割し、前記タッチ駆動期間にタッチ情報を伝送するタッチセンシング部を備える。
【0028】
しかし、従来は、前記タッチセンシング部を備えたタッチ表示装置のディスプレイドライバICで外部環境(静電気;ESD)によって前記タッチセンシング部が誤動作することを防止する技術がなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、このような従来の問題点を解決するためのもので、タッチ表示装置の駆動IC内で静電気によるエラーが発生すると、これを感知して自ら復元することができる駆動ICを備えたタッチ表示装置を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0030】
上記のような目的を達成するための本発明に係るタッチ表示装置は、映像信号を処理して表示パネルに出力し、前記表示パネルに設置されたタッチセンシング電極からタッチ信号を受信し、これをデジタル信号に変換してタッチセンシングデータを出力し、ESDによってエラーが発生するとき、自身をリセットすることは勿論、APにインタラプト信号を出力するディスプレイドライバICを備えることにその特徴がある。
【0031】
ここで、前記ディスプレイドライバICは、前記映像信号を処理して前記表示パネルに出力し、ESDによってエラーが発生する場合にディスプレイエラー信号を出力するディスプレイ処理部と、前記表示パネルに設置されたタッチセンシング電極からタッチ信号を受信し、これをデジタル信号に変換してタッチセンシングデータを出力し、前記ディスプレイエラー信号を受信してディスプレイリセット信号を出力し、ESDによってエラーが発生するとき、前記ディスプレイリセット信号又は前記タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプトするタッチセンシング処理部とを備えることを特徴とする。
【0032】
前記ディスプレイ処理部は、前記APからMIPIインターフェースを介してパケットPACを受信して、垂直同期信号及び水平同期信号を復元し、外部環境(ESD)によって前記MIPIインターフェースを介して伝達される信号にエラーが発生すると、エラー検出信号を出力するDSI部と、前記DSI部からクロック信号(Clock)及び映像データ(Data)を受信して、前記表示パネルにアナログデータ信号を出力し、垂直同期信号毎にMIPIクロックが変更されたかをチェックサムし、前記MIPIクロックが変更された場合にエラー検出信号を出力するDCS部と、前記DSI部又は前記DCS部からエラー信号が出力されると、前記DSI部にリセット信号を出力し、前記タッチセンシング処理部に前記ディスプレイエラー信号を出力するインタラプトリセット発生部とを備えることを特徴とする。
【0033】
前記ディスプレイ処理部は、前記タッチセンシング処理部から出力される前記ディスプレイリセット信号及び前記APから出力されるリセット信号を論理和演算して前記ディスプレイ処理部をリセットさせるORゲートをさらに備えることを特徴とする。
【0034】
前記タッチセンシング処理部は、前記APから出力された前記タッチ制御信号を受信して、タッチイネーブル信号及びウェイクアップ信号を出力し、前記表示パネルにタッチセンシングのためのPWM信号を出力するタッチインターフェース部と、前記表示パネルに設置されたタッチ電極からタッチ信号をセンシングし、これをデジタル信号に変換して出力するタッチセンシング部と、ESDによって前記タッチインターフェース部及び前記タッチセンシング部にエラーが発生すると、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力し、前記ディスプレイ処理部にエラーが発生すると、ディスプレイリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力する、MCUとを備えることを特徴とする。
【0035】
前記タッチセンシング処理部は、前記APから出力されたタッチリセット信号、駆動ICリセット信号及び前記MCUから出力された前記タッチリセット信号を論理和演算して前記タッチセンシング処理部をリセットするORゲートをさらに備えることを特徴とする。
【0036】
前記MCUは、表示区間の後、タッチセンシング区間に前記タッチインターフェース部から前記タッチイネーブル信号又は前記ウェイクアップ信号がない場合、ESDによるエラーと判断し、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力することを特徴とする。
【0037】
前記MCUは、前記タッチセンシング部から出力されたタッチセンシングデータが任意の値以上または以下であると、ESDによるエラーと判断し、タッチリセット信号を出力すると同時に、前記APにインタラプト信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
上記のような特徴を有する本発明に係るタッチ表示装置は、次のような効果を有する。
【0039】
すなわち、本発明に係るタッチ表示装置のディスプレイドライバICは、外部環境(ESD)によってディスプレイ処理部にエラーが発生したとき、前記ディスプレイ処理部をリセットさせることは勿論、外部環境(ESD)によってタッチセンシング処理部にエラーが発生したとき、前記タッチセンシング処理部を別途にリセットさせ、前記APにインタラプトTCH_ATTNしてディスプレイドライバIC自体をリセットするので、静電気による誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】一般的なMIPI方式の表示装置のブロック構成図である。
【
図2】
図1のディスプレイドライバICの具体的な構成図である。
【
図3】本発明に係るMIPI方式のタッチ表示装置のブロック構成図である。
【
図4】本発明に係るディスプレイドライバICの具体的な構成図である。
【
図5】本発明に係るタッチセンシング部の具体的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
前記のような特徴を有する本発明に係るタッチ表示装置を、添付の図面を参照してより詳細に説明すると、次の通りである。
【0042】
図3は、本発明に係るMIPI方式のタッチ表示装置のブロック構成図である。
【0043】
本発明に係るタッチ表示装置は、
図3に示したように、アプリケーションホストプロセッサ(以下、「AP」という。)100、ディスプレイドライバIC(D−IC)200、及び表示パネル(Touch Display Panel)300を含む。
【0044】
前記AP100は、内部に具現されたコーデック(codec)が実行されるか否かによって、表示パネル300でディスプレイされる映像信号が静止画信号であるか、または動画信号であるかを指示するモード切替命令を含むパケットPACを、クロック信号CLKに応じてMIPIパスを介して前記ディスプレイドライバIC200に伝送する。ここで、前記パケットPACは、垂直同期パケットVS、水平同期パケットHS、及びディスプレイされる映像信号を含むデータストリームパケットDS及び命令パケットCPを含み、動作モードは、静止画信号を処理する命令モード(command mode)と、動画信号を処理するビデオモード(video mode)とに区分される。
【0045】
また、前記AP100は、前記表示パネル300に設置されたタッチ電極(図示せず)からタッチ位置を検出するためのタッチ同期信号Tsync及びPWM信号Tpwm、クロック信号などの各種制御信号を出力し、前記ディスプレイドライバIC200からタッチセンシングデータTdataを受信する。
【0046】
前記AP100は、前記ディスプレイドライバIC200から、内部にエラーが発生したことを知らせるインタラプト信号TCH_ATTNがあると、リセット信号TCH_RSTn,nRESETを前記ディスプレイドライバIC200に出力する。
【0047】
前記ディスプレイドライバIC200は、前記垂直同期パケットVS及び水平同期パケットHSから垂直同期信号及び水平同期信号を復元(restore)し、データストリームパケットからデータを処理又は復元し、前記命令パケットに含まれた切替命令に応答して、処理された又は復元されたデータDATAを前記表示パネル300に伝送する。
【0048】
また、前記ディスプレイドライバIC200は、前記表示パネル300に設置されたタッチ電極(図示せず)からアナログタッチ信号を受信し、これをデジタル信号に変換して、タッチセンシングデータTdataを前記AP100に伝送する。
【0049】
また、前記ディスプレイドライバIC200は、外部環境(ESD)によってエラーが発生するとき、ディスプレイドライバIC200自体をリセットすることは勿論、外部環境(ESD)によってエラーが発生したことを前記AP100にインタラプトTCH_ATTNする。
【0050】
前記表示パネル300は、液晶(liquid crystal)表示パネル、LED(lightemitting diode)表示パネル、OLED(Organic LED)表示パネル、またはAMOLED(activematrix OLED)表示パネルとして具現されてもよい。また、図示していないが、前記表示パネル300は、映像を表示するための複数個のゲート(gate)ライン及び複数個のデータ(data)ラインと、タッチをセンシングするための複数個のタッチセンシング電極(
図5のS11,S12,S13,S21,S22,S23,S31,S32,S33)及びこれらを接続するタッチセンシングラインを備える。
【0051】
前記タッチ同期信号Tsyncは、各フレーム期間が、ピクセルに映像データを書き込むデータライティング期間(表示区間)と、タッチをセンシングするタッチ駆動期間(タッチセンシング区間)を有する。
【0052】
図4は、本発明に係るディスプレイドライバICの具体的な構成図である。
【0053】
本発明に係るディスプレイドライバICは、
図4に示したように、タッチセンシング処理部30とディスプレイ処理部40とに大別される。
【0054】
前記タッチセンシング処理部30は、前記AP100から出力された前記タッチ同期信号Tsync、PWM信号Tpwm、クロック信号などの各種制御信号を受信して、タッチイネーブル信号T/E及びウェイクアップ信号W/Uを出力し、表示パネル300にタッチセンシングのためのPWM信号を出力するタッチインターフェース部31と、前記表示パネル300に設置されたタッチ電極からタッチ信号をセンシングし、これをデジタル信号に変換して出力するタッチセンシング部(TCH)33と、外部環境(ESD)によって前記タッチインターフェース部(TCH_IN)31及び前記タッチセンシング部33にエラーが発生すると、タッチリセット信号T/RSTを出力すると同時に、前記AP100にインタラプト信号TCH_ATTNを出力し、外部環境(ESD)によって前記ディスプレイ処理部40にエラーが発生すると、ディスプレイリセット信号RSTを出力すると同時に、前記AP100にインタラプト信号TCH_ATTNを出力するMCU32と、前記AP100から出力されたタッチリセット信号TCH_RSTn、駆動ICリセット信号nRESET、及び前記MCU32から出力された前記タッチリセット信号T/RSTを受信して論理和演算し、前記タッチセンシング処理部30をリセットする第1ORゲート34とを備えて構成される。
【0055】
ここで、前記MCU32は、前記タッチインターフェース部31から前記タッチイネーブル信号T/E又は前記ウェイクアップ信号W/Uを受信し、表示区間の後、タッチセンシング区間に前記タッチイネーブル信号T/E又は前記ウェイクアップ信号W/Uがない場合、外部環境(ESD)によるエラーと判断し、タッチリセット信号T/RSTを出力すると同時に、前記AP100にインタラプト信号TCH_ATTNを出力する。
【0056】
また、前記MCU32は、前記タッチセンシング部33から出力されたタッチセンシングデータが任意の値(2500〜3500)以上(4000〜5000)であるか、または以下(2000以下)であると、外部環境(ESD)によるエラーと判断し、タッチリセット信号T/RSTを出力すると同時に、前記AP100にインタラプト信号TCH_ATTNを出力する。
【0057】
前記MCU32は、前記ディスプレイ処理部40から外部環境(ESD)によるディスプレイエラー信号D/errorが入力されると、ディスプレイリセット信号D/RSTを出力すると同時に、前記AP100にインタラプト信号TCH_ATTNを出力する。
【0058】
前記ディスプレイ処理部40は、前記AP100からMIPIインターフェースを介してパケットPACを受信して、垂直同期パケットVS及び水平同期パケットHSから垂直同期信号及び水平同期信号を復元(restore)し、外部環境(ESD)によって前記MIPIインターフェースを介して伝達される信号にエラーがあるかを検出し、エラーがある場合、外部環境(ESD)によるエラーと判断してエラー検出信号DSI/Erを出力するDSI(Digital Serial Interface)部41と、前記DSI部41からクロック信号Clock及び映像データDataを受信して、前記表示パネル300にアナログデータ信号を出力し、垂直同期信号毎にMIPIクロックが変更されたかをチェックサムCheck_SUMし、前記MIPIクロックが変更された場合、外部環境(ESD)によるエラーと判断してエラー検出信号CHKSUM Errorを出力するDCS(Display Command Set)部43と、前記DSI部41又は前記DCS部43からエラー信号DSI Error又はCHKSUM Errorが出力されると、前記DSI部41にリセット信号DSI Reset信号を出力し、前記タッチセンシング処理部30のMCU32に前記ディスプレイエラー信号D/errorを出力するインタラプトリセット発生部(RST Gen.)42と、前記MCU32から出力される前記ディスプレイリセット信号D/RST及び前記AP100から出力されるリセット信号nRESETを論理和演算してディスプレイ処理部40をリセットさせる第2ORゲート44とを備えて構成される。
【0059】
前記において、前記タッチセンシング部33は、次のように構成される。
【0060】
図5は、本発明に係るタッチセンシング部の具体的な構成図である。
【0061】
本発明に係るタッチセンシング部33は、
図5に示したように、前記表示パネル300の複数個のタッチセンシングラインからタッチ信号を受信し、一つの信号を選択して出力するチャネルマルチプレクサ1と、前記チャネルマルチプレクサ1から出力されたタッチ信号を予備増幅する予備増幅部2と、前記予備増幅されたタッチ信号をサンプル及びホールド(Sample&Hold)して増幅するS/H増幅部3と、前記MCUから提供されるクロック信号(ECLK)によって前記S/H増幅部3から出力されるタッチ信号をデジタル信号に変換してSPIインターフェースを介して出力するA/D変換器4とを備えて構成される。
【0062】
以上で説明したように、本発明に係るタッチ表示装置のディスプレイドライバICは、外部環境(ESD)によってディスプレイ処理部にエラーが発生したとき、前記ディスプレイ処理部をリセットさせることは勿論、外部環境(ESD)によってタッチセンシング処理部にエラーが発生したとき、前記タッチセンシング処理部を別途にリセットさせ、前記APにインタラプトTCH_ATTNしてディスプレイドライバIC自体をリセットするので、静電気による誤動作を防止することができる。
【0063】
以上で本発明の技術的思想を例示するために具体的な実施例を図示し、説明したが、本発明は、前記のように具体的な実施例と同じ構成及び作用のみに限定されず、様々な変形が本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で実施可能である。したがって、そのような変形も本発明の範囲に属するものと解さねばならず、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって決定されなければならない。
【符号の説明】
【0064】
30 タッチセンシング処理部、31 タッチインターフェース部、32 MCU、33 タッチセンシング部、40 ディスプレイ処理部、41 DSI部、42 インタラプトリセット発生部、43 DCS部、100 AP、200 ディスプレイドライバIC、300 表示パネル。