【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様において、吸入可能エアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品が提供されている。加熱式エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、たばこと、20℃〜150℃の融点を有する脂質と、エアロゾル形成剤とを含む均質化したたばこ材料である。
【0009】
さらなる態様において、均質化したたばこ材料が提供されてもよく、均質化したたばこ材料は、たばこと、20℃〜150℃の融点を有する脂質と、エアロゾル形成剤とを含む。
【0010】
さらなる態様において、吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品が提供される。加熱式エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、たばこと、20℃〜150℃の融点を有する脂質と、補強材とを含む均質化したたばこ材料である。
【0011】
さらなる態様において、均質化したたばこ材料が提供されてもよく、均質化したたばこ材料は、たばこと、20℃〜150℃の融点を有する脂質と、補強材とを含む。
【0012】
好ましい態様において、吸入可能なエアロゾルを生成するための加熱式エアロゾル発生物品が提供される。加熱式エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含む。エアロゾル形成基体は、たばこと、20℃〜50℃の融点を有する脂質と、エアロゾル形成剤とを含む均質化したたばこ材料である。脂質は脂肪であり、オイルであることが好ましい。
【0013】
さらに好ましい態様において、均質化したたばこ材料が提供されてもよく、均質化したたばこ材料は、たばこと、20℃〜50℃の融点を有する脂質と、エアロゾル形成剤とを含む。脂質は脂肪であり、オイルであることが好ましい。
【0014】
「均質化したたばこ材料」という用語は本明細書を通して、たばこ材料の粒子の凝集によって形成される任意のたばこ材料を含むように使用される。均質化したたばこのシートまたはウェブは、たばこ葉ラミナおよびたばこ葉茎の一方または両方を粉砕することによって、またはその他の方法で粉末化することによって得られた粒子状たばこを凝集することによって形成される。さらに、均質化したたばこ材料は、たばこの処理、取り扱い、および輸送の間に形成された少量のたばこダスト、たばこ微粉、およびその他の粒子状たばこ副産物のうちの一つ以上を含んでもよい。
【0015】
均質化したたばこ材料が脂質の融点を超える温度に加熱される時、均質化したたばこ材料は固体マトリクス内部で液体状態である材料の領域を含む。エアロゾル形成剤およびニコチンなどの揮発性成分の拡散率は、固相よりも液相において大きい。加熱後、融解した脂質領域は、均質化したたばこ材料内からその表面への揮発性成分の移動を促進するために作用しうる。従って、脂質の融点を超える所定の温度では、均質化したたばこ材料からエアロゾルへのこれらの揮発性成分の移動は、脂質相を含まない均質化したたばこ材料の場合と比較して、促進されうる。脂質は均質化したたばこ材料全体に均一に分散されることが好ましく、これは室温で別個に識別可能な脂質やたばこの領域がないことを意味する。むしろ、脂質やたばこの粒子は完全に均質化されている。
【0016】
均質化したたばこ材料は、加熱式エアロゾル発生物品の最も高価な要素の一つである。本明細書に記載した通り、融解可能な脂質成分を有する均質化したたばこ材料を使用することは、脂質成分を含まない均質化したたばこ材料の使用と比較して、より少ないたばこの使用を可能にしつつ、ニコチンまたはエアロゾルの生成量は同等となりうる。これによって、コストが節約されるとともに、消費者にはなおも同等の体験が提供されうる。
【0017】
脂質成分を有する均質化したたばこ材料を使用することはまた、同一量のたばこを有するが融解可能な脂質成分を含まない均質化したたばこ材料と比較して、ニコチンまたはエアロゾルの生成量を増大しうる。
【0018】
本明細書に記載した通り、脂質成分を有する均質化したたばこ材料を使用することは、脂質成分を含まない均質化したたばこ材料の使用と比較して、より低い温度で同等なニコチンまたはエアロゾル生成量を可能にしうる。これは多数の利点を提供しうる。例えば、より低い動作温度は、電池の再充電を必要とせずに、より長い期間の使用を可能にしうる。さらなる例として、より低い動作温度は、より小さい電池の使用を可能にしうる。さらなる例として、より低い動作温度は、均質化したたばこ材料からの望ましくないエアロゾル成分の遊離を減少させうる。
【0019】
加熱式エアロゾル発生物品が提供される場合、物品のエアロゾル形成基体は、均質化したたばこ材料シートの捲縮および集合によって作製されたロッドの形態であることが好ましいことがある。加熱式エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備えうる。これらの構成要素は、紙巻たばこ用紙などのラッパー内で組み立てられ、口側の端と口側の端から上流の遠位端とを有するロッドを形成しうる。それ故に、加熱式エアロゾル発生物品は従来的な紙巻たばこと類似したものでありうる。加熱式エアロゾル発生物品は、マウスピースフィルターおよびエアロゾル冷却要素など、一つ以上のその他の構成要素を含みうる。
【0020】
加熱式エアロゾル発生物品は、加熱に伴いエアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品である。加熱式エアロゾル発生物品は不燃性のエアロゾル発生物品である。不燃性のエアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体の燃焼なしに揮発性化合物を放出する。
【0021】
エアロゾル形成基体は、エアロゾル揮発性化合物を形成できる揮発性化合物、およびエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されうる揮発性化合物を放出する能力を有する。エアロゾル発生物品で使用される均質化したたばこ材料のために、エアロゾル形成剤はキャストリーフを形成するスラリーに含まれることが好ましい。
【0022】
脂質はオイルなどの脂肪であることが好ましい。一部の実施形態において、脂質はろうであってもよい。多くの脂肪およびろうは、特定の範囲の融点を有する。脂肪は、脂肪酸として知られる長鎖有機酸に基づく化合物の幅広い群である。ろうは、周囲温度で展性であるが、一般に45℃より高い温度で融解する化学物質の群である。
【0023】
脂質は20℃〜50℃の範囲の融点を有する脂肪であってもよい。こうした脂肪は、周囲温度では主に固体である可能性が高いが、熱の適用に伴い急速に融解する。それ故に、均質化したたばこ材料の揮発性成分の拡散は熱の適用に伴い直ちに改善される場合がある。任意の態様による均質化したたばこ材料は、ココアバター、パーム油、パーム核油、マンゴーオイル、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツオイル、および水素添加ココナッツオイルから成るリストから選択された一つ以上の脂肪を含有してもよい。
【0024】
脂肪は、特定の融点よりもむしろ、融解温度範囲を示す傾向にある。適切な脂肪の融解温度範囲の例は以下の通りである。
ココアバター−融点範囲34〜35℃
パーム油−融点範囲36〜40℃
マンゴーオイル−融点範囲35〜43℃
シアバター/カリテ(karite)−融点範囲37〜38℃
水素添加していないコプラ油(ココナッツオイル)−融点範囲20〜28℃
水素添加したコプラ油(ココナッツオイル)−融点範囲30〜32℃。
【0025】
脂質は50℃〜150℃の範囲の融点を有するろうであってもよい。こうしたろうは周囲温度では固体であるが、加熱時に融解する。ろうは植物由来の天然ろうであることが好ましい。ろうを使用することの利点は、脂質がより低い温度の融点を有する脂肪である場合よりも簡単に、均質化したたばこ材料の周囲温度での強度および安定性が維持される可能性が高いことである。
【0026】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、カンデリラろう、カルナウバろう、シェラック、ヒマワリろう、米ぬか、およびRevel Aから成るリストから選択される一つ以上のろうを含んでもよい。
【0027】
ろうは、特定の融点よりもむしろ、融解温度範囲を示す傾向にある。適切なろうの融解温度範囲の例は以下の通りである。
カンデリラろう−融点範囲68.5〜72.5℃
カルナウバろう−融点範囲82〜86℃
シェラック−融点範囲80〜100℃
ヒマワリろう−融点範囲74〜77℃
米ぬか−融点範囲77〜86℃。
【0028】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、異なる融点または異なる融点範囲を有する2つ以上の脂質を含みうる。それ故に、異なる温度で融解または液化する2つ以上の脂質の領域または相を含む均質化したたばこ材料を生成可能でありうる。均質化したたばこは、周囲温度をほんのわずかに超える温度で融解する低い融点の脂肪と、より高い融点のろうのそれぞれを、ある割合で含んでもよい。これによって、均質化したたばこ材料とエアロゾルとの間での、加熱に伴う揮発性成分の移動の最適化を可能にしうる。例えば、均質化したたばこ材料は、ココアバター、パーム油、パーム核油、マンゴーオイル、シアバター、大豆油、綿実油、ココナッツオイル、水素添加ココナッツオイル、カンデリラろう、カルナウバろう、シェラック、ヒマワリろう、米ぬか、およびRevel Aから成るリストから選択される2つ以上の脂質を含みうる。
【0029】
均質化したたばこ材料中の脂質の総含有量は、乾燥重量基準で4重量パーセントまたは5重量パーセント〜15重量パーセントでありうる。例えば、均質化したたばこ材料中の脂質の総含有量は、乾燥重量基準で7重量パーセント〜12重量パーセント、例えば乾燥重量基準で8重量パーセント〜11重量パーセント、または乾燥重量基準で約10重量パーセントでありうる。脂質の総含有量は単一種の脂質に由来しうる。脂質の総含有量は2つ以上の種の脂質に由来しうる。
【0030】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、挽いたたばこ粉末の形態のたばこを含みうる。例えば、たばこ材料は特定の粒子サイズを持つ粉末を形成するために挽いてもよい。それ故に、均質化したたばこ材料は、平均粉末粒子サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートル、例えば0.05ミリメートル〜約0.10ミリメートルのたばこ粉末を含みうる。たばこ粉末は異なるたばこの混合物を含みうる。有利なことに、この細かいサイズ範囲まで細かく粉砕することによって、たばこ細胞構造を開くことができると考えられる。それ故に、ニコチンなどの揮発性たばこ物質のたばこ自体からのエアロゾル化が改善される。均質化したたばこ材料は乾燥重量基準で少なくとも60%のたばこを含有することが好ましく、乾燥重量基準で少なくとも70%または70%〜80%のたばこを含有することが特に好ましい。
【0031】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、エアロゾル形成剤を含みうる。機能的には、エアロゾル形成剤は、均質化したたばこ材料がエアロゾル形成剤の特定の揮発温度を超えて加熱された時に揮発してエアロゾル中のニコチンおよび/または風味剤を運ぶことができる構成要素である。エアロゾル形成剤は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、加熱式エアロゾル発生物品の使用温度で実質的に熱分解耐性のある、任意の適切な化合物または化合物の混合物としてもよい。異なるエアロゾル形成剤は異なる温度で気化する。それ故に、エアロゾル形成剤は、室温またはその付近で安定性を保つが、より高い温度、例えば40℃〜450℃で揮発するその能力に基づいて選ばれてもよい。
【0032】
エアロゾル形成剤はまた、均質化したたばこ材料中で望ましいレベルの水分を保つのに役立つ湿潤剤タイプの属性を持ちうる。特に、一部のエアロゾル形成剤は、湿潤剤として機能する吸湿性材料である。
【0033】
均質化したたばこ材料中に含有するのに適切なエアロゾル形成剤が当業界で周知であり、それらには例えば、一価アルコール(メントールなど)、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、またはグリセロールトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチル、エリスリトール、1,3−ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアクチン(Triactin)、メソ−エリスリトール、ジアセチン混合物、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、およびプロピレングリコールなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
例えば、本明細書による均質化したたばこ材料が加熱式エアロゾル発生物品においてエアロゾル形成基体として使用されるように意図されている場合、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で約5重量パーセント〜約30重量パーセントのエアロゾル形成剤含有量を有してもよい。発熱体を有する電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料は、均質化したたばこ材料の乾燥重量の約5パーセント〜約20パーセントを形成するエアロゾル形成剤を含みうることが好ましく、例えば均質化したたばこ材料の乾燥重量の約10パーセント〜約15パーセントである。発熱体を持つ電気的に動作するエアロゾル発生システムでの使用が意図されている均質化したたばこ材料の場合、エアロゾル形成剤はグリセロール(グリセリン(glycerin)またはグリセリン(glycerine)としても知られる)またはプロピレングリコールとしうることが好ましい。エアロゾル形成剤は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリン、グリセロールモノアセテート、グリセロールジアセテート、グリセロールトリアセテート、ドデカン二酸ジメチル、およびテトラデカン二酸ジメチルから成るリストから選択される一つ以上のエアロゾル形成剤としうる。
【0035】
一つ以上のエアロゾル形成剤を組み合わせてそれらの組み合わせたエアロゾル形成剤の一つ以上の特性を利用してもよい。例えば、トリアクチンをグリセリンおよび水と組み合わせて、活性構成要素を運ぶトリアクチンの能力とグリセリンの保湿性を利用してもよい。
【0036】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、一つ以上の結合剤構成要素を含みうる。たばこスラリー中に、それ故にスラリーをキャストすることによって形成される均質化したたばこ材料中に存在しうる結合剤の量には事実上の限界がある。これは、水と接触した時に結合剤がゲルになる傾向に起因する。ゲル化はたばこスラリーの粘性に強く影響し、これがその後のウェブ製造プロセス(例えば、キャストのようなプロセス)のためのスラリーの重要なパラメータとなる。従って、均質化したたばこ材料の中に比較的少量の結合剤を有することが好ましい。一部の実施形態において、結合剤は均質化したたばこ材料の乾燥重量の約1パーセント〜約5パーセントを成してもよい。結合剤は、本明細書に記述されるガムまたはペクチンのうちのいずれかとしうる。結合剤は、たばこ(例えば、たばこ粉末)が均質化したたばこ材料を通して実質的に分散されたままになるのを確実にするのに役立ちうる。
【0037】
任意の結合剤を採用してもよいが、好ましい結合剤は、天然ペクチン(果実ペクチン、柑橘類ペクチン、またはたばこペクチンなど)、グアーガム(ヒドロキシエチルグアーおよびヒドロキシプロピルグアーなど)、ローカストビーンガム(ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルローカストビーンガムなど)、アルギネート、デンプン(変性デンプンまたは誘導体化デンプンなど)、セルロース(メチルセルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースなど)、タマリンドガム、デキストラン、プラロン、コンニャク粉、キサンタンガム、およびこれに類するものである。特に好ましい結合剤はグアーである。
【0038】
たばこ、脂質、エアロゾル形成剤、および随意的に結合剤を含む均質化したたばこ材料は、加熱式エアロゾル発生物品のためのエアロゾル形成基体を形成するための取り扱いおよび加工に必要な強度が不足しうる。これは特に、均質化したたばこ材料が乾燥重量基準で高比率のエアロゾル形成剤または高比率の脂質を含む場合、低い融点の脂質である場合、またはたばこが細かく挽いた粉末の形態である場合に当てはまる。より高い強度を達成するために、均質化したたばこ材料は、結合剤および補強材など一つ以上のさらなる構成要素を含みうる。
【0039】
任意の態様による均質化したたばこ材料は、補強繊維を含みうる。補強繊維の繊維長さは平均0.2mm〜4.0mmでありうる。補強繊維はセルロース繊維としうる。一部の実施形態において、均質化したたばこ材料は、乾燥重量基準で1重量パーセント〜15重量パーセントの補強繊維、例えば乾燥重量基準で1.5重量パーセント〜10重量パーセントの補強繊維を含みうる。
【0040】
均質化したたばこ材料中にセルロース繊維などの繊維を含めることで、材料の引張強さが増大する。従って、補強繊維を添加することで、均質化したたばこ材料のウェブの弾力性を増大させうる。これは、エアロゾル発生物品の製造中、均質化したたばこ材料の円滑な製造プロセスおよびその後の取り扱いを支援する。一方で、これはエアロゾル発生物品および他の喫煙物品を製造する上での製造効率、コスト効率、再現性、および生産速度の増加につながる可能性がある。
【0041】
均質化したたばこ材料に含めるセルロース繊維は当業界において周知であり、柔らかい木材繊維、堅い木材繊維、ジュート繊維、亜麻繊維、たばこ繊維、およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。パルプ化に加えて、セルロース繊維は、精製、機械的パルプ化、化学的パルプ化、漂白、硫酸塩パルプ化、およびこれらの組み合わせなどの適切な処理を受ける場合がある。
【0042】
繊維粒子は、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料を含む場合がある。木材繊維などのセルロースベースの繊維はリグニン含有量が低いことが好ましい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上記の繊維とともに、またはその代替として使用してもよく、これには大麻および竹が含まれる。
【0043】
補強繊維について考慮されるべき一つの関連要因は、繊維の長さである。繊維は短すぎる場合、結果として得られる均質化したたばこ材料の引張強さに効率的に貢献しないであろう。繊維は長すぎる場合、均質化したたばこ材料の均一性に影響しうる。平均サイズが約0.03ミリメートル〜約0.12ミリメートルであり、かつ結合剤の量がスラリーの乾燥重量の約1パーセント〜約3パーセントであるたばこ粉末を含む均質化したたばこ材料における繊維のサイズは、約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルであることが有利である。繊維の平均サイズは、約1ミリメートル〜約3ミリメートルであることが好ましい。このさらなる低減が精製する工程によって得られることが好ましい。本明細書において、繊維の「サイズ」は繊維長さを意味し、すなわち繊維長さは繊維の主要寸法である。さらに、本発明によると繊維の量は、均質化したたばこ材料の総重量の乾燥重量基準で約1パーセント〜約3パーセントを成すことが好ましい。エアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体として均質化したたばこ材料が使用される時に、平均サイズが約0.2ミリメートル〜約4ミリメートルである繊維は、細かく挽いたたばこ粉末からの物質の放出を著しく阻害しない。補強繊維は、たばこスラリーの中に、またその結果として均質化したたばこ材料の中に、バラバラの繊維として導入されてもよい。
【0044】
いずれかの態様による均質化したたばこ材料は、均質化したたばこ材料中に組み込まれた連続的な補強材の形態の補強材を含んでもよい。連続的な補強材は、均質化したたばこ材料の形成中に、たばこスラリーの中に組み込まれてもよい。連続的な補強材は多孔性の補強シートであることが好ましい。
【0045】
補強シートは、スラリーが乾燥する前にたばこスラリーが多孔性補強シートの中へと透過し、それによって補強シートを均質化したたばこ材料の中へと組み込むために、十分に多孔性であるべきである。多孔性補強シートは、乾燥した均質化したスラリーの中に封入されて、均質化したたばこ材料を形成することが好ましい。多孔性補強シートは代わりに、多孔性補強マトリクスと呼ばれてもよい。多孔性補強シートは、多孔性セルロースシートもしくは紙シート、または多孔性織布などの多孔性繊維シートまたは多孔性繊維マトリクスであってもよい。
【0046】
セルロースから形成された多孔性補強シートは、好ましい連続的な補強材料でありうる。しかし、他の材料が使用されてもよい。例えば、多孔性補強シートは、多孔性繊維シートまたは多孔性繊維マトリクスとして記載することができるシートであってもよい。シートの繊維は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリフェニレンスルファイド、またはポリオレフィンなどの他の高分子材料から形成されてもよい。繊維は綿などの天然材料であってもよい。
【0047】
均質化したスラリーの中への補強シートの組み込みは、結果として得られる均質化したたばこ材料の引張強さを、材料が高比率の脂質相を含むことができうるほど十分に高める場合がある。均質化したスラリーの中への補強シートの組み込みは、結果的に得られる均質化したたばこ材料の引張強さを、材料が低融点を有する脂質相を含むことができうるほど十分に高める場合がある。
【0048】
いずれかの態様による均質化したたばこ材料は、水を含みうる。いずれかの態様による均質化したたばこ材料は、メントールなどの非たばこ風味剤を含んでもよい。
【0049】
好ましい実施形態において、吸入可能なエアロゾルを製造するための加熱式エアロゾル発生物品はエアロゾル形成基体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、60%〜80%、好ましくは71%〜75%のたばこと、20℃〜50℃の融点を有する4%〜6%の脂肪と、16%〜19%のエアロゾル形成剤とを含む均質化したたばこ材料である。こうした組成物は、エアロゾル形成剤およびニコチンの送達と感覚的受容性の最適化された組み合わせを持つ場合がある。
【0050】
上述した任意の態様による均質化したたばこ材料を形成する方法は、たばこ(例えばたばこ粉末)および20℃〜150℃の融点を有する脂質を含む均質化したスラリーを形成する工程と、均質化したスラリーを移動するベルト上にキャストする工程と、キャストされた均質化したスラリーを乾燥して均質化したたばこ材料を形成する工程とを含みうる。均質化したスラリーはエアロゾル形成剤をさらに含みうる。均質化したスラリーは補強繊維をさらに含みうる。連続的な補強シートは、スラリーが乾燥する前に、均質化したスラリーに組み込まれうる。均質化したスラリーは結合剤をさらに含みうる。均質化したスラリーは追加的に水を含みうる。
【0051】
上述した一つ以上の態様による均質化したたばこ材料を形成する好ましい方法は、たばこ(例えばたばこ粉末)および20℃〜50℃の融点を有する脂肪を含む均質化したスラリーを形成する工程と、均質化したスラリーを移動するベルト上にキャストする工程と、キャストされた均質化したスラリーを乾燥して均質化したたばこ材料を形成する工程とを含みうる。均質化したスラリーはエアロゾル形成剤をさらに含みうる。均質化したスラリーは補強繊維をさらに含みうる。連続的な補強シートは、スラリーが乾燥する前に、均質化したスラリーに組み込まれうる。均質化したスラリーは結合剤をさらに含みうる。均質化したスラリーは追加的に水を含みうる。
【0052】
均質化したスラリーは、スラリーの様々な構成要素を混合することによって製造される。スラリーの混合は、高エネルギーミキサーまたは高剪断ミキサーを用いて実施されることが好ましい。こうした混合は、スラリーの様々な相を壊して均一に分布させる。
【0053】
一部の実施形態において、スラリーは、異なるたばこタイプのたばこブレンド粉末を結合剤と組み合わせることによって形成されてもよい。それ故に、均質化したたばこ材料の風味は、異なるたばこをブレンドすることによって制御されてもよい。
【0054】
結合剤が使用される場合、結合剤はスラリーの総重量の乾燥重量基準で約1パーセント〜約5パーセントの量でスラリーの中に添加されることが好ましい。結果的に得られる均質化したたばこ材料は、均質化したたばこ材料の総重量の乾燥重量基準で約1パーセント〜約5パーセントの量で外来的な結合剤を含む。
【0055】
本方法はスラリーを振動する工程を含んでもよい。スラリーを振動すること、すなわち例えばスラリーが存在するタンクまたはサイロを振動することは、スラリーの均質化を補助する場合がある。混合と一緒に振動も実施される場合、キャストするために最適な標的値までスラリーを均質化するために必要な混合時間がより短くなる場合がある。
【0056】
均質化したたばこ材料のウェブは、均質化したスラリーを移動ベルトなどの移動支持表面上にキャストする工程を一般的に含むタイプのキャストプロセスによって形成されることが好ましい。キャストする工程における前記キャストたばこ材料ウェブの水分は、キャストする工程におけるたばこ材料の総重量の約60重量パーセント〜約80重量パーセントであることが好ましい。均質化したたばこ材料の製造方法は、前記キャストされたウェブを乾燥する工程と、前記キャストされたウェブを巻き取る工程とを含み、巻き取る工程における前記キャストされたウェブの水分は、たばこ材料ウェブの乾燥重量の約7パーセント〜約15パーセントであることが好ましい。巻き取る工程における前記均質化したたばこウェブの水分は、均質化したたばこウェブの乾燥重量の約8パーセント〜約12パーセントであることが好ましい。
【0057】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。