(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6442112
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】再構築可能な人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイト
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20181210BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
H01Q1/12 B
H01Q1/42
【請求項の数】39
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-525753(P2018-525753)
(86)(22)【出願日】2016年11月16日
(86)【国際出願番号】IB2016056904
(87)【国際公開番号】WO2017085644
(87)【国際公開日】20170526
【審査請求日】2018年7月13日
(31)【優先権主張番号】14/945,229
(32)【優先日】2015年11月18日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517180785
【氏名又は名称】ワールドビュー・サテライツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・クレメンセン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・セイン・ワイラー
【審査官】
橘 均憲
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2014/0158854(US,A1)
【文献】
米国特許第7397435(US,B2)
【文献】
米国特許第4771293(US,A)
【文献】
特開昭61−43842(JP,A)
【文献】
米国特許第5166696(US,A)
【文献】
米国特許第8867986(US,B1)
【文献】
米国特許第3646564(US,A)
【文献】
欧州特許出願公開第1916738(EP,A1)
【文献】
特開平6−77726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q1/00−25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再構築可能な人工衛星アクセスポイントであって、
輸送用装着構造と、
前記輸送用装着構造と一体化された少なくとも1つのアンテナと、
を備え、
前記輸送用装着構造は、前記人工衛星アクセスポイントが輸送形態と展開形態との間で容易に再構築されるのを可能にし、
前記輸送形態における前記人工衛星アクセスポイントは、前記人工衛星アクセスポイントが地球上の遠隔の人工衛星アクセスサイトに輸送されることを可能にする輸送コンテナの形態要因を有し、
前記展開形態における前記人工衛星アクセスポイントは、前記人工衛星アクセスサイトで前記少なくとも1つのアンテナを空に公開しており、
前記輸送用装着構造は、容器型サブ構造を備え、
前記容器型サブ構造は、ベースと、少なくとも1つの壁と、を含み、
前記ベースは、前記人工衛星アクセスサイトにおいて地面に前記人工衛星アクセスポイントを装着するためのものであり、
前記少なくとも1つの壁及び前記ベースは、輸送中に前記少なくとも1つのアンテナを包囲し、
前記少なくとも1つの壁は、端壁及び側壁を備え、
前記端壁及び前記側壁のそれぞれは、前記ベースに対して別々に回動的に移動可能であり、又は、
前記端壁及び前記側壁のそれぞれは、前記ベースから別々に取り外し可能であり、或いは、
前記端壁及び前記側壁のそれぞれは、前記人工衛星アクセスサイトにおいて前記少なくとも1つのアンテナを空に公開するために、前記ベースに対して別々に回動的に移動可能であり、且つ前記ベースから別々に取り外し可能である、人工衛星アクセスポイント。
【請求項2】
前記容器型サブ構造は、前記ベースに対する前記端壁及び/又は前記側壁の回動的な移動を可能にする、又は、前記端壁及び/又は前記側壁が前記ベースから取り外されることを可能にする、或いは、前記ベースに対する前記端壁及び/又は前記側壁の回動的な移動を可能にし、且つ、前記端壁及び/又は前記側壁が前記ベースから取り外されることを可能にするための少なくとも1つのコネクタをさらに含む、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項3】
前記容器型サブ構造は、上壁又は上壁部分をさらに含む、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項4】
前記容器型サブ構造は、前記上壁又は前記上壁部分を前記少なくとも1つの壁に回動的に且つ取り外し可能に取り付けることのうちの少なくとも1つのための少なくとも1つのコネクタをさらに含み、
それによって、前記少なくとも1つの壁に対する前記上壁又は前記上壁部分の回動的な移動を可能にし、又は、前記上壁又は前記上壁部分が前記少なくとも1つの壁から取り外されることを可能にし、或いは、前記少なくとも1つの壁に対する前記上壁又は前記上壁部分の回動的な移動を可能にし、且つ前記上壁又は前記上壁部分が前記少なくとも1つの壁から取り外されることを可能にする、請求項3に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項5】
前記容器型サブ構造は、前記上壁又は前記上壁部分を自動的に回動する、又は前記上壁又は前記上壁部分が制御された方法で手動的に回動されること及び手動的に取り外されることのうちの少なくとも1つを可能にするためのスロー解放機構をさらに含む、請求項3に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項6】
前記人工衛星アクセスサイトにおいて地面に前記上壁又は前記上壁部分を固定するための固定具をさらに備える、請求項3に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項7】
前記容器型サブ構造は、前記端壁及び/又は前記側壁を自動的に回動する、又は前記端壁及び/又は前記側壁が制御された方法で手動的に回動されること及び手動的に取り外されることのうちの少なくとも1つを可能にするためのスロー解放機構をさらに含む、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項8】
前記スロー解放機構は、前記少なくとも1つのコネクタのうちの少なくとも1つと一体化される、請求項7に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項9】
前記人工衛星アクセスサイトにおいて地面に前記端壁及び/又は前記側壁を固定するための少なくとも1つの固定具をさらに備える、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項10】
前記人工衛星アクセスポイントは、互いに取り外し可能に接続された少なくとも2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアンテナは、複数のアンテナを備え、
前記人工衛星アクセスポイントサブユニットのそれぞれは、前記複数のアンテナのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項12】
アンテナ電子部品をさらに備える、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項13】
前記アンテナ電子部品は、モデムと、モータコントローラと、RF設備とを備える、請求項12に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項14】
人工衛星アクセスサイト設備をさらに備える、請求項1に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項15】
前記人工衛星アクセスサイト設備は、中央コントローラ、電力変換システム、及び補助電力システムのうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載の人工衛星アクセスポイント。
【請求項16】
請求項1に記載の人工衛星アクセスポイントの少なくとも1つを備える、迅速に展開可能な人工衛星アクセスサイト。
【請求項17】
人工衛星アクセスサイトを構成するための方法であって、
人工衛星アクセスポイントを作成するために、少なくとも1つのアンテナを輸送用装着構造と一体化するステップであって、 前記輸送用装着構造は容器型サブ構造を備え、前記容器型サブ構造は、ベースと、少なくとも1つの壁と、を含み、前記ベースは、前記人工衛星アクセスサイトにおいて地面に前記人工衛星アクセスポイントを装着するためのものであり、前記少なくとも1つの壁及び前記ベースは輸送中に前記少なくとも1つのアンテナを包囲し、前記少なくとも1つの壁は端壁及び側壁を備え、前記端壁及び前記側壁のそれぞれは前記ベースに対して別々に回動的に移動可能であり、又は前記端壁及び前記側壁のそれぞれは前記ベースから別々に取り外し可能であり、或いは前記端壁及び前記側壁のそれぞれは、前記人工衛星アクセスサイトにおいて前記少なくとも1つのアンテナを空に公開するために、前記ベースに対して別々に回動的に移動可能であり、且つ前記ベースから別々に取り外し可能である、一体化するステップと、
前記人工衛星アクセスポイントが輸送コンテナの形態要因を有する輸送形態になるように前記人工衛星アクセスポイントを構築するステップと、
前記人工衛星アクセスサイトのために、地球上の所望の位置に前記人工衛星アクセスポイントを輸送するステップと、
前記少なくとも1つのアンテナを空に公開するために、前記サイトで展開形態になるように前記人工衛星アクセスポイントを再構築するステップと、
を備える、方法。
【請求項18】
輸送する前記ステップの前に、前記人工衛星アクセスポイントを検査するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記人工衛星アクセスサイトのために、地球上の所望の位置において、前記人工衛星アクセスポイントを輸送用ビークルから取り外すステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
地球上の所望の位置において、人工衛星アクセスポイントの少なくとも1つのアンテナアセンブリを他の人工衛星アクセスサイトの構成要素に接続するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記他の人工衛星アクセスサイトの構成要素をインターネット又は他のネットワーク及びローカルな電力グリッドの少なくとも1つに接続するステップをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記人工衛星アクセスポイントは、互いに取り外し可能に接続された少なくとも2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つのアンテナは、複数のアンテナを備え、
前記人工衛星アクセスポイントサブユニットのそれぞれは、前記複数のアンテナのうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのアンテナの間の十分な距離を提供するために、人工衛星アクセスポイントサブユニットを分離させるステップをさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記人工衛星アクセスポイントは、アンテナ電子部品をさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記アンテナ電子部品は、モデムと、モータコントローラと、RF設備とを備える、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記構成要素は、人工衛星アクセスサイト設備をさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項28】
前記人工衛星アクセスサイト設備は、中央コントローラ、電力変換システム、及び補助電力システムのうちの少なくとも1つを備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記人工衛星アクセスサイトの1つ又は複数の構成要素をインターネット又は他のネットワークを通じて静止軌道ではない人工衛星群と接続するステップをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記人工衛星と接続された前記人工衛星アクセスサイトの1つ又は複数の構成要素の指向及び取得成分を自動的に調整するステップをさらに備える、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
データをインターネット又は他のネットワークから前記人工衛星及び1つ又は複数のユーザー端末へ流れさせるように、前記人工衛星と接続した前記人工衛星アクセスサイトの1つ又は複数の構成要素を前記人工衛星と通信させるステップをさらに備える、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記容器型サブ構造は、前記ベースに対する前記端壁及び/又は前記側壁の回動的な移動を可能にする、又は、前記端壁及び/又は前記側壁が前記ベースから取り外されることを可能にする、或いは、前記ベースに対する前記端壁及び/又は前記側壁の回動的な移動を可能にし、且つ、前記端壁及び/又は前記側壁が前記ベースから取り外されることを可能にするための少なくとも1つのコネクタをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項33】
前記容器型サブ構造は、上壁又は上壁部分をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項34】
前記容器型サブ構造は、前記上壁又は前記上壁部分を前記少なくとも1つの壁に回動的に且つ取り外し可能に取り付けることのうちの少なくとも1つのための少なくとも1つのコネクタをさらに含み、
それによって、前記少なくとも1つの壁に対する前記上壁又は前記上壁部分の回動的な移動を可能にし、又は、前記上壁又は前記上壁部分が前記少なくとも1つの壁から取り外されることを可能にし、或いは、前記少なくとも1つの壁に対する前記上壁又は前記上壁部分の回動的な移動を可能にし、且つ前記上壁又は前記上壁部分が前記少なくとも1つの壁から取り外されることを可能にする、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
スロー解放機構により、制御された方法で前記上壁又は前記上壁部分を自動的に回動するステップ、又は、スロー解放機構により、制御された方法で前記上壁又は前記上壁部分が手動的に回動されること及び手動的に取り外されることのうちの少なくとも1つを可能にするステップをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
固定具により、前記上壁又は前記上壁部分を地面に固定するステップをさらに備える、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
スロー解放機構により、制御された方法で前記端壁及び/又は前記側壁を自動的に回動するステップ、又は、スロー解放機構により、制御された方法で前記端壁及び/又は前記側壁が手動的に回動されること及び手動的に取り外されることのうちの少なくとも1つを可能にするステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項38】
前記スロー解放機構は、前記少なくとも1つのコネクタのうちの少なくとも1つと一体化される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも1つの固定具により、前記端壁及び/又は前記側壁を地面に固定するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静止軌道ではない人工衛星の通信システムに関する。より具体的には、本開示は、容易に展開されることができる再構築可能な人工衛星アクセスポイント(アンテナシステム)、そのような人工衛星アクセスポイントから構成された人工衛星アクセスサイト又はアンテナファーム、及び、関連した方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低コストのブロードバンドインターネットサービスを地球上の任意の位置にもたらすための人工衛星通信システムが、現在開発されている。
図1は、そのような人工衛星通信システム10を図示する。図示されるように、システム10は、アンテナファームとして言及される、1つ又は複数の人工衛星アクセスサイト(SAS)を含む。人工衛星アクセスサイト12のそれぞれは、地上ゲートウェイアンテナとして知られている、個々の人工衛星アクセスポイント(SAP)14を備える。人工衛星アクセスサイト12はそれぞれ、いくつかのシステムにおいて、4個から20個までの人工衛星アクセスポイント14を含んでもよい。さらに、それらのシステムのいくつかは、世界中で50個以下の人工衛星アクセスサイト12を備えてもよい。
【0003】
また、
図1に図示されるように、人工衛星アクセスサイト12の人工衛星アクセスポイント14は、インターネット又は他のネットワークに接続されることができ、インターネット又は他のネットワークを静止軌道ではない人工衛星群に結び付けることができ、次いで地球上に位置付けられた安価なユーザー端末18に結び付けることができる。ユーザー端末18は、住宅及びビジネスにおいて、ラップトップなどのユーザーコンピュータ及びユーザーの携帯電話等にインターネット接続を提供する。
【0004】
人工衛星アクセスサイト12の人工衛星アクセスポイント14は、比較的大きな追跡アンテナアセンブリを備える。それ故に、民間の作業プロジェクト(civil works project)は、人工衛星アクセスサイト12を構成するように現在要求されている。
【0005】
それ故に、製造施設又は同様の施設において製造及び組み立てられることができ、所望された敷地に輸送するために容易且つ迅速に構築されることができ、人工衛星アクセスサイトを迅速に構成するように、敷地における展開のために容易且つ迅速に再構築される人工衛星アクセスポイントが必要される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願に開示されたものは、再構築可能な人工衛星アクセスポイントであって、様々な実施形態において、輸送用装着構造と、前記輸送用装着構造と一体化された少なくとも1つのアンテナと、を備え、前記輸送用装着構造は、前記人工衛星アクセスポイントが輸送形態と展開形態との間で容易に再構築されるのを可能にし、前記輸送形態における前記人工衛星アクセスポイントは、前記人工衛星アクセスポイントが地球上の遠隔の人工衛星アクセスサイトに輸送されることを可能にする輸送コンテナの形態要因を有し、前記展開形態における前記人工衛星アクセスポイントは、前記人工衛星アクセスサイトで前記少なくとも1つのアンテナを空に公開する、再構築可能な人工衛星アクセスポイントである。
【0007】
さらに本願に開示されたものは、人工衛星アクセスサイトを構成するための方法であって、様々な実施形態において、人工衛星アクセスポイントを作成するために、少なくとも1つのアンテナを輸送用装着構造と一体化するステップと、前記人工衛星アクセスポイントが輸送コンテナの形態要因を有する輸送形態になるように前記人工衛星アクセスポイントを構築するステップと、前記人工衛星アクセスサイトのために、地球上で所望の位置に人工衛星アクセスポイントを輸送するステップと、前記少なくとも1つのアンテナを空に公開するために、前記サイトで展開形態になるように前記人工衛星アクセスポイントを再構築するステップと、を備える、方法である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示による従来技術の人工衛星通信システムの実施形態の概略図である。
【
図2A】本開示による再構築可能な人工衛星アクセスポイント(SAP)の実施形態の端面図である。
【
図2B】
図2Aの輸送可能な人工衛星アクセスポイントの側面図である。
【
図3A】折り畳まれた状態で、又は、輸送のための輸送形態に組み立てられた、
図2A及び
図2Bに示された人工衛星アクセスポイントの斜視図である。
【
図3B】人工衛星のアクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、それを展開構造に分解することによって、それが再構築される、
図3Aに示された人工衛星アクセスポイントの斜視図である。
【
図3C】人工衛星のアクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、それを展開構造に分解することによって、それが再構築される、
図3Aに示された人工衛星アクセスポイントの斜視図である。
【
図3D】人工衛星のアクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、それを展開構造に分解することによって、それが再構築される、
図3Aに示された人工衛星アクセスポイントの斜視図である。
【
図3E】人工衛星のアクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、それを展開構造に分解することによって、それが再構築される、
図3Aに示された人工衛星アクセスポイントの斜視図である。
【
図4A】人工衛星アクセスポイントサブユニットを互いに組み立てる、2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える人工衛星アクセスポイントの他の実施形態の斜視図である。
【
図4B】人工衛星アクセスポイントサブユニットを互いに組み立てる、2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える人工衛星アクセスポイントの他の実施形態の斜視図である。
【
図4C】人工衛星アクセスポイントサブユニットを互いに組み立てる、2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える人工衛星アクセスポイントの他の実施形態の斜視図である。
【
図4D】人工衛星アクセスポイントサブユニットが互いから任意選択的に分離され、人工衛星アクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、展開形態に分解される、2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える人工衛星アクセスポイントの他の実施形態の斜視図である。
【
図4E】人工衛星アクセスポイントサブユニットが互いから任意選択的に分離され、人工衛星アクセスサイトにおける人工衛星アクセスポイントの展開中に、展開形態に分解される、2つの人工衛星アクセスポイントサブユニットを備える人工衛星アクセスポイントの他の実施形態の斜視図である。
【
図5】人工衛星アクセスポイントの他の実施形態である。
【
図6】人工衛星アクセスサイトの様々な実施形態のブロック図である。
【
図7】人工衛星アクセスサイトの様々な実施形態のブロック図である。
【
図8】人工衛星アクセスサイトの様々な実施形態のブロック図である。
【
図9】人工衛星アクセスサイトの様々な実施形態のブロック図である。
【
図10】本開示の実施形態による人工衛星アクセスサイトを構成し、且つ迅速に展開する方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図2A及び
図2Bは、本願開示の実施形態による再構築可能な人工衛星アクセスポイント20を図示する。この人工衛星アクセスポイント20は、人工衛星アクセスサイトに輸送され、そこで迅速に展開されることができる。人工衛星アクセスポイント20は、輸送用装着構造40と一体化した1つ又は複数のアンテナ22を備える。輸送形態で構築された場合に、人工衛星アクセスポイント20は、ISO標準の共同一貫輸送用コンテナなどの輸送用コンテナの形態要因を有することができる。それによって、人工衛星アクセスポイント20が、人工衛星アクセスサイトへのさらなる準備をすることなく輸送されることができる。人工衛星アクセスサイトに着くと、人工衛星アクセスポイント20は、人工衛星アクセスサイトで人工衛星アクセスポイント20を展開するために、人工衛星アクセスポイント20を展開形態に分解する(collapsing)ことによって容易に且つ迅速に再構築されることができる。
【0010】
人工衛星アクセスポイント20のアンテナ22は、パラボラ型アンテナ24を備える。他の実施形態において、アンテナ22は、フェーズアレイアンテナ又はホーンアンテナを備えることができる。さらなる他の実施形態において、アンテナアセンブリは、もし所望される場合に、1つ又は複数のアンテナアセンブリから他のアンテナアセンブリへ変更するアンテナ設計(例えば、パラボラ型、フェーズアレイ型、ホーン型)を有することができる。いくつかの実施形態において、レードーム28(
図2A及び
図2Bに図示される)は、アンテナ22を覆うように設けられてもよい。そのような実施形態におけるレードーム28は、アンテナ22のための保護シェルとして動作する。
【0011】
いくつかの実施形態において、輸送用装着構造40は、剛性容器型サブ構造41と、ペデスタル(pedestal)型サブ構造26とを含むことができる。容器型サブ構造41は、人工衛星アクセスポイント20における使用のために選択された特定のアンテナ22のための形状、サイズ、重量、及び強度(壁厚さ、肋材等)に関して具体的に設計されており、いくつかの実施形態において、特定のアンテナ22と一体化されるであろう特定のアンテナ電子機器のために、具体的に設計される。ペデスタル型サブ構造26は、アンテナ22を容器型サブ構造41と接続しており、容器型サブ構造41に対してアンテナ22を機械的に移動するように適合されることができる。より具体的には、ペデスタル型サブ構造26は、容器型サブ構造41に対してアンテナ22を機械的に移動する1つ又は複数のモータ(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態において、ペデスタル型サブ構造26は、容器型サブ構造41に対してアンテナを傾斜させる第1のモータと、容器型サブ構造41に対してアンテナを回転又は回動させる第2のモータとを備える。
【0012】
いくつかの実施形態において、アンテナ電子機器(図示せず)は、輸送用装着構造40と一体化されてもよい。アンテナ電子機器は、モータコントローラと、データを送信及び受信するためのRF装置と、人工衛星アクセスポイント20が関連した人工衛星アクセスサイトの中央コントローラと通信することを可能にし、且つ関連した人工衛星アクセスサイトの電力変換システムから電力を受信することを可能にするためのモデムと、を備える。
【0013】
図3Aを参照すると、輸送用装着構造40の容器型サブ構造41は、一の実施形態において、ベース42と、対向する上壁部分44、対向する側壁46、及び対向する端壁48とを備える。ベース42は、ペデスタル型サブ構造26と一体であってもよく、又はペデスタル型サブ構造26に一体的に接続されてもよい。人工衛星アクセスポイント20が輸送構造と展開構造との間で再構築できるのを可能にするために、上壁部分44は、側壁46のうちの対応する側壁(及び/又は、他の実施形態において端壁48)に回動可能に及び/又は取り外し可能に取り付けられることができる。側壁46及び端壁48は、ベース42に回動可能に及び/又は取り外し可能に取り付けられることができる。容器型サブ構造41は、硬い保護材料及び/又はそれらの材料の組み合わせから製造されることができる。
【0014】
いくつかの実施形態において、人工衛星アクセスポイント20は、開いた輸送用コンテナ(例えば、ISO標準の共同一貫輸送用コンテナ)の形態になるようにベース42に対して容器型サブ構造の側壁46及び端壁48を上向きに回動的に移動させることによって、且つ容器型サブ構造41を閉鎖するように側壁46及び端壁48に対して上壁部分44を回動的に移動させることによって輸送形態で配置されることができる。それによって、人工衛星アクセスポイント20は、さらなる準備をすることなく、所望される人工衛星アクセスサイトに輸送されることができる。人工衛星アクセスサイトに到着すると、人工衛星アクセスポイント20は、人工衛星アクセスポイント20の電力接続及びネットワーク接続を可能にするために、アンテナ22をカバーから外すために、人工衛星アクセスポイント20の容器型サブ構造41を開き且つ分解するように、側壁46及び端壁48に対して上壁部分44を回動的に移動させること及びベース42に対して側壁46及び端壁48を回動的に移動させることによって展開形態に分解されることができる。他の実施形態において、人工衛星アクセスポイント20は、開いた輸送コンテナの形態になるように容器型サブ構造の側壁46及び端壁48をベース42に取り付けることによって、容器型サブ構造41を閉鎖するように上壁部分44を側壁46及び端壁48に取り付けることによって、輸送形態で配置されることができ、それによって、人工衛星アクセスポイント20は、さらなる準備をすることなく、所望された人工衛星アクセスサイトに輸送されることができる。人工衛星アクセスサイトに到着すると、人工衛星アクセスポイント20は、側壁46及び端壁48から上壁部分44を取り外すことによって、及び、側壁46及び端壁48をベース42から取り外すことによって展開形態に分解されることができ、それによって、アンテナ22をカバーから外し、且つ人工衛星アクセスポイント20の電力接続及びネットワーク接続を可能にする。さらなる他の実施形態において、人工衛星アクセスポイント20は、開いた輸送コンテナの形態になるようにベース42に対して側壁46及び端壁48を上向きに取り付けること及び/又は回動的に移動させることによって、且つ、容器型サブ構造41を閉鎖するように側壁46及び端壁48に対して上壁部分44を取り付けること及び/又は上向きに回動的に移動させることによって、輸送形態で配置されることができ、さらなる準備をすることなく、所望された人工衛星アクセスサイトに輸送されることができる。人工衛星アクセスサイトに到着すると、人工衛星アクセスポイント20は、上壁部分44を側壁46及び端壁48に対して又は側壁46及び端壁48から取り外すこと及び/又は回動的に移動させることによって、及び、側壁46及び端壁48をベース42に対して又はベース42から取り外すこと及び/又は回動的に移動させることによって展開形態に分解されることができ、それによって、アンテナ22をカバーから外し、且つ人工衛星アクセスポイント20の電力接続及びネットワーク接続を可能にする。
【0015】
コネクタ(図示せず)は、上壁部分44のそれぞれを側壁46のうちの対応するものに回動的に及び/又は取り外し可能に取り付けるために、且つ側壁46及び端壁48をベース42に回動的に及び/又は取り外し可能に取り付けるために、設けられることができる。いくつかの実施形態において、コネクタは、ヒンジ配置構成、固定具(例えば、クイックコネクトファスナ)、又は他の配置構成を備えることができる。ヒンジ配置構成は、限定されるものではないが、リビングヒンジ、バレルヒンジ、ピアノヒンジ、その組み合わせ、又は、
図3A〜
図3Eに図示されるように、輸送形態と展開形態との間で人工衛星アクセスポイントの容器型サブ構造41の再構築を可能にするために、上壁部分44、側壁46、及び端壁48が互いに回動的に及び/又は取り外し可能に取り付けられることを可能にする他の適切な配置構成を備えることができる。
【0016】
取り外し可能なピン(図示せず)又は他の手段 は、垂直方向の位置又は直立位置(開いた輸送形態)で人工衛星アクセスポイントの容器型サブ構造41の側壁46及び端壁48をロックするために、且つ、水平位置又は閉鎖位置(閉鎖した輸送形態)で上壁部分44をロックするために使用されることができる。それによって、人工衛星アクセスポイント20は輸送されることができる。取り外し可能なピン又は他の手段は、人工衛星アクセスポイント20が展開形態に分解される場合に、特別な工具を使用することなく壁44、46、及び48を解除し下げることを可能にする。スロー解放ライン50、ストラット、バラストアーム、及び/又は他の手段は、
図3B〜
図3Eに図示されるように、人工衛星アクセスポイント20を展開形態に迅速に分解する制御された方法及び/又は自動的な方法で側壁46及び端壁48を回動させて地面に置くことを可能にするために設けられることができる。
【0017】
展開形態になると、上壁部分44、側壁46、及び端壁48のうちの1つ又は複数は、
図3Eに図示されるように、容器型サブ構造41の壁44、46、48を通じて設けられた孔(見えない)を通じて延在するステーク52及び/又は適切な固定具を使用して適所にロックされることができる。他の実施形態において、上壁部分44、側壁46、及び端壁48は、地面に至るまで回動される場合、自動的にロックするように適合されることができる。例えば、いくつかの実施形態において、ヒンジ配置構成は、壁44、46、48が(展開形態で)回動した下方位置に達した場合に、自動的にロックするように適合されてもよく、それによって、壁44、46、48を回動した下方位置に保持する。他の実施形態において、スロー解放ライン50、ストラット、及び/又はバラストアームは、壁44、46、48が回動した下方位置に達した場合に、自動的にロックするように適合されてもよく、それによって、壁44、46、48を回動した下方位置に保持する。他の実施形態において、ステーク、ボルト、又は他の手動のロック手段は、必要がある場合に又は所望される場合に、自動のロック手段と併せて使用されることができる。
【0018】
人工衛星アクセスポイント20を展開形態で配置した後で、電力及びデータケーブルの接続のみが、展開を完成させるために必要とされる。
【0019】
いくつかの実施形態において、人工衛星アクセスポイント20には、ソーラーパネルが設けられることができ、これらのソーラーパネルは、容器型サブ構造41の上壁部分44、側壁、及び/又は端壁48の内側表面に取り付けられる。ソーラーパネルは、人工衛星アクセスポイントが展開形態に分解される場合に人工衛星アクセスポイント20を自動的に充電し且つ電力供給し始めるように適合されることができ、且つ構築されることができる。
【0020】
図4Aに図示されるように、より小さいセクションで輸送されることができるより小さいアンテナ22又はより大きいアンテナを備えるいくつかの実施形態において、人工衛星アクセスポイント200は、単一のユニットになるように機械的に接続された複数の人工衛星アクセスポイントサブユニット20
1、20
2を備えてもよい。そのような実施形態において、各人工衛星アクセスポイントサブユニット20
1、20
2は、一体化された輸送用装着構造40
1、40
2と、アンテナ又はアンテナ部分22
1、22
2とを含む。人工衛星アクセスポイントサブユニット20
1、20
2は、ボルト又はいくつかの他の固定具配置構成を使用して
図4Bに図示されるように互いに機械的に接続されることができ、それによって、ISO標準規格コンテナなどの輸送コンテナの形態要因を有する単一の輸送可能で迅速に展開可能な人工衛星アクセスポイント200を形成することができる。例えば、一の実施形態において、各アンテナ22
1、22
2は、1.9メートル直径のパラボラ型アンテナ及び選択的なレードームを備えてもよい。そのような寸法のアンテナ22
1、22
2は、20フィートの長さを有するコンテナの形態要因をそれぞれ有する適切に構築された輸送用装着構造40
1、40
2と一体化されることができ、これらの輸送用装着構造40
1、40
2は、
図4Cに図示されるように、互いに機械的に接続される場合に、40フィートの長さを有する人工衛星アクセスポイント200を形成し、この人工衛星アクセスポイント200は人工衛星アクセスサイトの場所に輸送されることができる。人工衛星アクセスサイトに到達すると、人工衛星アクセスポイント200は、前述したように、人工衛星アクセスポイント200を展開形態に分解することによって迅速に展開されることができる。
【0021】
40フィートの長さの人工衛星アクセスポイント200の両側に2つのアンテナ22
1、22
2を提供することは、十分である分離距離を有してもよい。より具体的には、アンテナ22
1、22
2の間の分離距離は、アンテナ22
1、22
2が低い仰角(10〜15度)で空を観察するために互いを通じて指向するのを妨げるのに十分であるべきである。分離距離が十分ではなく、2つ以上のアンテナによって人工衛星アクセスポイントを輸送することが依然として所望される場合に、人工衛星アクセスサイトのサイトに到達すると、人工衛星アクセスポイント200は、人工衛星アクセスポイントサブユニット20
1、20
2を互いから分離することによって、
図4Dに図示されるように、(例えば、互いを通じて指向するのを避けるために)それらを引っ張りそれらを所望された位置に持ち上げることによって、且つ
図4Eに図示されるように、人工衛星アクセスポイントサブユニット20
1、20
2のそれぞれを展開形態に分解することによって、容易に展開されることができる。
【0022】
図5は、アンテナ22がレードームを含まない人工衛星アクセスポイントの実施形態を図示する。そのような実施形態において、アンテナ22のそれぞれは、2.4メートルまでの直径を有するパラボラ型アンテナ24を備えることができる。
【0023】
アンテナ22及び輸送用装着構造40に追加して、人工衛星アクセスポイント20、200は、それに一体化された他の人工衛星アクセスサイトの設備をさらに含んでもよい。これらの他の人工衛星アクセスサイトの設備は、それらに限定するわけではないが、中央コントローラ68(別個のコンテナがそのような設備のために設けられる)と、アンテナ22を移動させるための1つ又は複数のモータとを含み、これらは予備配線されることができる。それ故に、人工衛星アクセスポイント20、200の設置を完成させるための唯一の接続は、(入手可能であるものに応じて110、220、又は440のいずれかである)ローカルな送電網から人工衛星アクセスポイント20、200のための電力供給、及び人工衛星アクセスポイント20、200をインターネット又は他のネットワークに接続するイーサネット(登録商標)ケーブルのいくつかの形態である。
【0024】
アンテナ22は、信号を送信し、且つ信号を受信し、その後、それらの信号は、地上波通信システムにおいて変換され、且つ集約される。様々な実施形態において、通信システムは、デジタルネットワークであってもよく、そのようなシステムのいくつかの実施形態において、データは、ルータを含む中央コントローラによって転送されるIP(レイヤ3)とされるだろう。他の実施形態において、そのようなシステムは、他の種類のコントローラによって処理されることができるデジタルサンプル(レイヤ1)又はWANイーサネット(レイヤ2)を使用してもよい。
【0025】
本開示の再構築可能な人工衛星アクセスポイント20、200(及び他の人工衛星アクセスサイトの設備)はそれぞれ、人工衛星アクセスサイトの中央コントローラによって制御され、且つ管理されることができ、それによって、迅速に展開可能な人工衛星アクセスサイトを形成することができる。いくつかの実施形態において、人工衛星アクセスポイント20、200のそれぞれは、地球上のどこにでも配置されてもよく、人工衛星アクセスポイント20、200のそれぞれが設けられたGPSユニットを使用することは、中央コントローラにその位置及び利用可能性を通知する。それ故に、構築プロセスの大部分が自動化されることを可能にする。人工衛星アクセスサイトの中央コントローラは次いで、人工衛星トラッキング及びデータ転送を含むそれらの機能を実施するために人工衛星アクセスポイント20、200に自動的に命令することを可能にするだろう。
【0026】
図6は、本開示の実施形態による人工衛星アクセスサイト60のブロック図である。人工衛星アクセスサイト60は、複数の前述した人工衛星アクセスポイント20、200から構成されており、それは地球上のどこにでも配置されることができる。各人工衛星アクセスポイント20、200のアンテナ電子部品は、モデム62を含むことができ、このモデムは、人工衛星アクセスサイト60の中央コントローラ68と通信し、且つ中央コントローラ68から受け取ったデジタルビットストリームからのデータを、人工衛星アクセスポイント20、200のアンテナ22、22
1、22
2からの送信に適したアナログ波形に変換する。モデム62はまた、アンテナ22、22
1、22
2によって受信されたアナログ波形を、人工衛星アクセスサイト60の中央コントローラ68に通信されるデジタルビットストリームへ変換する。人工衛星アクセスポイント20、200のアンテナ電子部品は、アナログ波形を増幅し且つフィルタリングするRF構成要素66と、アンテナ22、22
1、22
2のアンテナを指向するモータコントローラ64と、をさらに備えてもよい。それによって、それらのアンテナは正しい人工衛星を常に追跡する。人工衛星アクセスサイト60の中央コントローラ68は、人工衛星アクセスサイト60をインターネット80又は他のネットワークに接続する。一般的な実施形態において、中央コントローラ68はルータを備えることができ、そのルータは、人工衛星アクセスサイト60の場所において、インターネット80又は他のネットワークと人工衛星アクセスポイント20、200との間のデータトラフィックを方向付ける。人工衛星アクセスサイト60は、人工衛星アクセスサイトの電力変換システム70を含み、その電力変換システム70は外部のローカルな電力グリッド90に接続される。電力変換システム70は、ローカルな電力グリッド90によって供給された電力(例えば、50Hzで250V)を、人工衛星アクセスポイント20、200の電力要件(例えば、120V交流)に変換する。人工衛星アクセスサイト60は、ローカルな電力グリッド90を備えていない1つ又は複数の補助電力システムをさらに含むことができる。
図6の実施形態において、補助電力システムは、電力バックアップシステム72(例えば、バッテリ)及びディーゼル発電機及び/又はソーラーパネル74を含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、人工衛星アクセスサイト60は、例えばイリジウム(例えば、イリジウム携帯)を使用して、1つ又は複数の人工衛星システムへの低いデータレートのグローバル相互接続を含むことができる。それによって、送達ビークルから降ろされると、人工衛星アクセスサイト60は、設定を開始し、且つ初期化指示を受信するために、クラウド(インターネット上にホストされた遠隔に位置したサーバのネットワーク)又は他のネットワークと常に接触状態になることができる。このことは、有線のインターネット接続が一時的に失う場合には、中央コントローラ又は使用者に低い速度のデータ接続性を提供することができる。
【0028】
人工衛星アクセスサイト60は、複数の再構築可能な人工衛星アクセスポイント20、200が中央コントローラ68によって一緒にローカル的に接続されることを可能にする。この場合において、人工衛星アクセスポイント20、200の全てが、人工衛星の間のスイッチ移動インターネットトラフィック(switch moving Internet traffic)を形成し、そのようなトラフィックを通過させることができる、有線又は無線の任意の他の媒体を形成する。言い換えれば、データは、任意の人工衛星アクセスポイント20、200から任意の人工衛星アクセスポイント20、200へ通過することができ、又は、任意の人工衛星アクセスポイント20、200からインターネット80へ通過することができる。
【0029】
図7は、本開示の他の実施形態による人工衛星アクセスサイト60.1のブロック図である。図示されるように、人工衛星アクセスサイト60.1の中央コントローラ68及び電力変換システム70は、単一の輸送コンテナ71内に組み合わせられる。
【0030】
図8は、本開示のさらなる実施形態による人工衛星アクセスサイト60.2のブロック図である。図示されるように、人工衛星アクセスサイト60.2の中央コントローラ68及び電力変換システム70(及びいくつかの補助電力システム)は、別個のコンテナ内に設けられる。
【0031】
図9は、本開示のさらなる実施形態による人工衛星アクセスサイト60.3のブロック図である。図示されるように、人工衛星アクセスサイト60.3において、中央コントローラ68及び電力変換システム70は、単一の輸送コンテナ71内に組み合わせされる。この単一の輸送コンテナ71において、電力変換システム70は、ローカルな電力グリッド80に接続されており、中央コントローラ68はインターネット又は他のネットワークに接続されていない。このことは、インターネット又は他のネットワークを使用することなく人工衛星の間のリレーとして作用するように、人工衛星アクセスポイント20、200のうちの人工衛星アクセスポイントにおけるアンテナを一の人工衛星に指向させること及び人工衛星アクセスポイント20、200のうちの他の人工衛星アクセスポイントにおけるアンテナを他の人工衛星に指向させることによって可能になる。
【0032】
図10は、本開示の実施形態による人工衛星アクセスサイトを構成する方法のフローチャートである。ボックス100から開始して、人工衛星アクセスポイントのアンテナ、モデム、モータコントローラ、RF構成要素、輸送用装着構造、及び他の構成要素、並びに、人工衛星アクセスサイトの中央コントローラ、電力変換システム(該当する場合)、1つ又は複数の補助電力システム(該当する場合)、及び他の構成要素は、1つ又は複数の製造施設で製造される。いくつかの実施形態において、1つ又は複数のアンテナ及び対応する他の人工衛星アクセスポイントの構成要素は、人工衛星アクセスポイントを構成するために1つ又は複数の輸送用装着構造と一体化される。また、中央コントローラ、電力変換システム(該当する場合)、及び1つ又は複数の補助電力システム(該当する場合)は、それら自身の輸送可能なコンテナ内に一緒に又は分離して設けられる。他の実施形態において、1つ又は複数の中央コントローラ、電力変換システム、及び1つ又は複数の補助電力システムは、輸送用装着構造及びアンテナを有する人工衛星アクセスポイントと一体化されることができる。人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトの構成要素は次いで、操作上検査されて、各人工衛星アクセスポイントの容器型サブ構造の壁は次いで折りたたまれ、且つ/又は輸送形態に組み立てられる。
【0033】
ボックス102において、人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトの構成要素のコンテナ(該当する場合)は、適切な輸送用ビークル又は複数の輸送用ビークルを使用して、遠隔の人工衛星アクセスサイトの場所に輸送される。人工衛星アクセスサイトの場所に到着すると、人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトの構成要素のコンテナ(該当する場合)は、例えばクレーン又はブレーシングジャック(bracing jack)を使用して輸送用ビークルから取り外され、人工衛星アクセスサイトの場所において、所望な位置に配置される。
【0034】
人工衛星アクセスポイントが複数の人工衛星アクセスポイントのサブユニットから構成される場合に、且つ、人工衛星アクセスポイントがアンテナと同様のものとの間に十分な距離を提供するために分離される必要がある場合に、次いでボックス104において、複数の人工衛星アクセスポイントのサブユニットは、互いに分離しており、複数の人工衛星アクセスポイントのサブユニットのうちの少なくとも1つのサブユニットは人工衛星アクセスサイトの場所において所望の位置に移動し、且つ配置される。
【0035】
ボックス106において、各人工衛星アクセスポイント又は人工衛星アクセスポイントのサブユニットの容器型サブ構造の壁は、展開形態に分解され、地面上の所定の位置にロックされる。
【0036】
ボックス108において、各人工衛星アクセスポイントのモデムは、中央コントローラ及び電力変換システムに接続される。さらに、中央コントローラは、インターネット又は他のネットワークに接続されており、電力変換システムはローカルな電力グリッドに接続される。
【0037】
ボックス110において、人工衛星アクセスサイトは、インターネット又は他のネットワークを通じて、静止軌道ではない人工衛星群と接続する。ボックス112において、人工衛星アクセスポイントはそれらの指向及び取得成分を自動的に調整する。ボックス114において、人工衛星アクセスポイントは人工衛星群のうちの複数の人工衛星と接触し、ボックス116において、データはインターネット又は他のネットワークから人工衛星群のうちの複数の人工衛星へ流れ、且つ1つ又は複数のユーザー端末に流れる。
【0038】
輸送可能で迅速に展開可能な人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトが例示の実施形態に関して記載されているけれども、人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトは、それらに限定されない。むしろ、添付された特許請求の範囲は、人工衛星アクセスポイント及び人工衛星アクセスサイトの技術的範囲及び同等物の範囲から逸脱することなく、当業者によって行われる可能性がある他の変形例及び実施形態を含むように幅広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0039】
10 人工衛星通信システム
12 人工衛星アクセスサイト
14 人工衛星アクセスポイント(SAP)
18 ユーザー端末
20 人工衛星アクセスポイント
22 アンテナ
24 パラボラ型アンテナ
26 ペデスタル(pedestal)型サブ構造
28 レードーム
40 輸送用装着構造
41 剛性容器型サブ構造
42 ベース
44 上壁、上壁部分
46 側壁
48 端壁
50 スロー解放ライン
52 ステーク
60 人工衛星アクセスサイト
62 モデム
64 モータコントローラ
66 RF構成要素
68 中央コントローラ
70 電力変換システム
71 輸送コンテナ
72 電力バックアップシステム
74 ソーラーパネル
80 インターネット
90 電力グリッド
100 ボックス
102 ボックス
104 ボックス
106 ボックス
108 ボックス
110 ボックス
112 ボックス
114 ボックス
116 ボックス
200 人工衛星アクセスポイント
【要約】
再構築可能な人工衛星アクセスポイントは、輸送用装着構造と、輸送用装着構造と一体化された少なくとも1つのアンテナとを含み、輸送用装着構造は、人工衛星アクセスポイントが輸送形態と展開形態との間で容易に再構築されるのを可能にし、輸送形態における人工衛星アクセスポイントは、人工衛星アクセスポイントが地球上の遠隔の人工衛星アクセスサイトに輸送されることを可能にする輸送コンテナの形態要因を有し、展開形態における人工衛星アクセスポイントは、人工衛星アクセスサイトで少なくとも1つのアンテナを空に公開する。さらに、人工衛星アクセスサイトを構成するための方法であって、人工衛星アクセスポイントを作成するために、少なくとも1つのアンテナを輸送用装着構造と一体化するステップと、人工衛星アクセスポイントが輸送コンテナの形態要因を有する輸送形態になるように人工衛星アクセスポイントを構築するステップと、人工衛星アクセスサイトのために、地球上で所望の位置に人工衛星アクセスポイントを輸送するステップと、少なくとも1つのアンテナを空に公開するために、前記サイトで展開形態になるように人工衛星アクセスポイントを再構築するステップと、を備える。