(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第二のセクション(12B)は、角のある端止め部(20)の相互作用部材(13)との機械的協動によって第一の方向へカートリッジホルダ(2)とボディ(3)の更なる相対的回転を防止するように適合されそして配置された角のある端止め部(20)を含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。
カートリッジホルダ(2)とボディ(3)の連結を解除するために、相互作用部材(13)は、カートリッジホルダ(2)がボディ(3)に対して、第一の方向と反対になる第二の方向に回転するように、ガイドトラック(12)の第二のセクション(12B)及び第一のセクション(12A)と機械的に協動するように構成される、請求項2または3に記載の薬物送達デバイス(1)。
薬物送達デバイス(1)のボディ(3)に着脱可能に連結されるカートリッジホルダ(2)であって、カートリッジホルダ(2)は少なくとも1つのガイドトラック(12)を含んでなり、ここで、ガイドトラック(12)は、カートリッジホルダ(2)の縦軸に対して角度を成して斜めに伸びる第一のセクション(12A)を含み、そしてここで、ガイドトラック(12)は、カートリッジホルダ(2)の縦軸に対して、第一のセクション(12A)の角度よりも大きい角度で第一の方向に伸びる第二のセクションを含む、上記薬物送達デバイス(1)用のカートリッジホルダ(2)。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】薬物送達デバイスの側断面図を図式的に示す。
【
図2】A及びBは、
図1の薬物送達デバイスの透視側面図を図式的に示す。
【
図4】A及びBは、カートリッジホルダの透視側面図を図式的に示す。
【0038】
類似のエレメント、同じ種類のエレメント及び同様に作用するエレメントは、図の同じ参照数字で提示され得る。
【0039】
図1、2A及び2Bにおいて、薬物送達デバイス1が示される。薬物送達デバイス1は、ボディ3を含む。薬物送達デバイス1及びボディ3は、遠位端及び近位端を有する。遠
位端は矢印8によって示される。近位端は矢印9によって示される。用語「遠位端」は、薬物送達デバイス1又は薬物送達デバイス1の投薬末端に最も近くに配置される、若しくは配置しようとするその部材のその末端を指定する。用語「近位端」は、デバイス1又はデバイス1の投与末端から最も離れて配置される若しくは配置しようとするその部材のその末端を指定する。遠位端及び近位端は、軸方向においてお互いの間隔をあけている。軸は、デバイス1の縦軸14になり得る(
図1参照)。
【0040】
薬物送達デバイス1は、カートリッジホルダ2を含む。カートリッジホルダ2は、カートリッジホルダ2に解除可能なように連結したニードルアセンブリ(明確に示されていない)のための係合手段5、例えばねじ山を含む。キャップ21(
図2A及び2B参照)は、薬物送達デバイス1、そして特に環境影響からカートリッジホルダ2を保護するために、デバイス1に固定することができる。
【0041】
薬物送達デバイス1は、カートリッジ6を含む。カートリッジ6は、カートリッジホルダ2内に保持される。カートリッジホルダ2は、カートリッジ6の位置を機械的に固定する。カートリッジ6は、薬物11、好ましくは薬物11の複数の用量を含む。
【0042】
薬物11は流体薬物であり得る。本明細書で使用する用語「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味する。
ここで一つの実施態様において、薬学的に活性な化合物は、最大で1500Daまでの分子量を有し、及び/又は、ペプチド、蛋白質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体、若しくはこのフラグメント、ホルモン、若しくはオリゴヌクレオチド、又は上記の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈又は肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、癌、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症、及び/又は、関節リウマチの治療、及び/又は、予防に有用である。
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、又は糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の治療、及び/又は、予防のための、少なくとも1つのペプチドを含む。
ここで、更なる実施態様において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリン、又はヒトインスリン類似体若しくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)、又はその類似体若しくは誘導体、又はエキセンジン−3又はエキセンジン−4、若しくはエキセンジン−3又はエキセンジン−4の類似体若しくは誘導体を含む。
【0043】
インスリン類似体は、例えば、Gly(A21)、Arg(B31)、Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3)、Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28)、Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;ヒトインスリンであり、ここで、B28位におけるプロリンは、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaで代替され、そして、B29位において、Lysは、Proで代替されてもよく;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、及びDes(B30)ヒトインスリンである。
【0044】
インスリン誘導体は、例えば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイル ヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒト
インスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、及びB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0045】
エキセンジン−4は、例えば、エキセンジン−4(1−39)、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドを意味する。
【0046】
エキセンジン−4誘導体は、例えば、以下の化合物リスト:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);又は
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
ここで、基−Lys6−NH2は、エキセンジン−4誘導体のC−末端と連結してもよく;
【0047】
又は以下の配列のエキセンジン−4誘導体
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)
−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28 Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38 エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5,desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,
Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
又は前述のいずれかのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容可能な塩若しくは溶媒和物;
から選択される。
【0048】
ホルモンは、例えば、ゴナドトロピン(ホリトロピン、ルトロピン、コリオンゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン (ソマトロピン)、デスモプレッシン、テルリプレッシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、ゴセレリンなどのRote Liste、2008年版、50章に表示されている脳下垂体ホルモン又は視床下部ホルモン又は規制活性ペプチド及びそれらの拮抗剤である。
【0049】
多糖類としては、例えば、グルコアミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、又は超低分子量ヘパリン、若しくはその誘導体、又は硫酸化された、例えば、上記多糖類のポリ硫酸化形体、及び/又は、薬学的に許容可能なその塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容可能な塩の例としては、エノキサパリンナトリウム塩がある。
【0050】
抗体はまた、基本構造を分け合う免疫グロブリンとして知られる球状血漿蛋白質(〜150kDa)である。これらはアミノ酸残基に付加した糖鎖を有するので、これらは糖蛋白質である。各抗体の基本機能単位は、免疫グロブリン(Ig)モノマー(1lg単位のみを含む)であり、即ち、分泌型抗体はまた、IgAを備えるような2つのIg単位を備える二量体、硬骨魚IgMのような4つのIg単位を備える四量体、又は、哺乳類IgMのような5つのIg単位を備える五量体であることができる。
【0051】
Igモノマーは、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合される、4つのポリペプチド鎖、2つの同一重鎖及び2つの同一軽鎖から成る「Y」型分子である。各重鎖は約440のアミノ酸長で、各軽鎖は約220のアミノ酸長である。重及び軽各鎖は、これらの折畳みを安定化する鎖内ジスルフィド結合を含む。各鎖は、Igドメインと称される構造ドメインから構成される。これらのドメインは、約70〜110のアミノ酸を含み、そしてそれらのサイズと機能によって各種カテゴリー(例えば可変又はV及び定常又はC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存システインとその他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持された「サンドイッチ」形状を創る独特な免疫グロブリン折畳みを有する。
【0052】
α、δ、ε、γ及びμで示される5タイプの哺乳類Ig重鎖がある。存在する重鎖のタイプは、抗体のイソタイプを規定し、これらの鎖は、それぞれIgA、IgD、IgE、IgG及びIgMで見られる。
【0053】
相異なる重鎖は、サイズ及び組成が異なり、α及びγは約450のアミノ酸を。そしてδは約500のアミノ酸を含むが、一方、μ及びεは約550のアミノ酸を有する。各重鎖は、定常領域(CH)及び可変領域(VH)の2つの領域を有する。1つの種では、定常領域は、同じイソタイプの抗体中で本質的に同一であるが、異なるイソタイプの抗体中では異なる。重鎖γ、α及びδは、3つの直列Igドメインからなる定常領域、及びたわみ性を付加するためのヒンジ領域を有し、重鎖μ及びεは、4つの免疫グロブリンドメインから成る定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって生成された抗体で異なっているが、しかし、単一B細胞又はB細胞クローンによって生成されたすべての
抗体では同一である。各重鎖の可変領域は約110のアミノ酸長があり、そして単一Igドメインから成っている。
【0054】
哺乳類には、λ及びκで示された2つのタイプの免疫グロブリン軽鎖がある、軽鎖は、2つの一連のドメイン、即ち1つの定常領域(CL)及び1つの可変領域(VL)を有する。軽鎖の概略の長さは211から217アミノ酸である。各抗体は、常に同一である2つの軽鎖を含む、即ち、軽鎖κ又はλの1つのタイプのみが、哺乳類抗体毎に存在する。
【0055】
すべての抗体の一般的構造はよく類似しているが、所定の抗体の特異な性質は、上記に詳しく示したように、可変(V)領域によって決定される。更に具体的には、可変ループ、3つの各軽鎖(VL)及び重鎖(VH)の3つは、抗原への結合、即ちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDRs)と称されている。VH及びVL領域両方からのCDRsが抗原結合個所に寄与するので、最終抗原特異性を決定するのは、重と軽鎖の組合せであり、それぞれの単独ではない。
【0056】
「抗体フラグメント」は。上記に規定したようにフラグメントに結合している少なくとも1つの抗原を含み、そして、フラグメントを派生する完全な抗体として本質的に同一機能及び特異性を示す。パパインを用いる制限蛋白質分解消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに開裂する。それぞれ1つの全L鎖と約半分のH鎖を含む2つの同一アミノ末端フラグメントは、抗原結合フラグメント(Fab)である。第三のフラグメントは、サイズは同一だが、これらの鎖間ジスルフィド結合を備える両重鎖の半分がカルボキシル末端を含む結晶形成フラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、補体結合及びFcR結合部位を含む。制限ペプシン消化は、H−H鎖間ジスルフィド結合を含み、Fab断片及びヒンジ領域両方を含有する単一F(ab′)2フラグメントを生じる。F(ab′)2は、抗原結合用に二価である。F(ab′)2のジスルフィド結合は、Fab′を得るために開裂され得る。更に、重及び軽鎖の可変領域は、単鎖可変フラグメント(scFv)を形成するために、一緒に融合され得る。
【0057】
薬学的に許容される塩は、例えば、酸付加塩及び塩基性塩がある。酸付加塩としては、例えば、HCl又はHBr塩がある。塩基性塩は、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属、例えば、Na+、又は、K+、又は、Ca2+から選択されるカチオン、又は、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)を有する塩であり、ここで、R1〜R4は互いに独立に、水素;場合により置換されるC1〜C6アルキル基、場合により置換されるC2〜 C6アルケニル基、場合により置換されるC6〜C10アリール基、又は場合により置換されるC6〜C10ヘテロアリール基である。薬学的に許容される塩の更なる例は、“Remington's Pharmaceutical Sciences”17編、Alfonso R.Gennaro(編集),Mark Publishing社,Easton, Pa., U.S.A., 1985 及び Encyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0058】
薬学的に許容される溶媒和物としては、例えば、水和物がある。
【0059】
薬物送達デバイス1は、ペン型デバイス、特にペン型注射器であってよい。デバイス1は、薬物11の固定用量、即ち使用者によって変更し得ない用量又は薬物11の使用者設定可能な用量を投薬するように構成し得る。栓7は、カートリッジ6内に摺動可能なように保持される。栓7は、カートリッジ6を近位で密封する。
【0060】
カートリッジ6に対する遠位方向での栓7の動きは、薬物11をカートリッジ6から投薬させることを生じる。
【0061】
ボディ3はデバイス1の駆動機構4,10,19を収容する。駆動機構4,10,19
は、薬物11の用量を投薬するためにボディ3に対して遠位方向にピストンロッド17を駆動する。駆動機構4,10,19は、用量設定運動中にボディ3に対してピストンロッド17の近位方向への動きを防止する。軸受部材15は、栓7の近位面に隣接するためにピストンロッド17の遠位端に設置される。
【0062】
図3はボディ3の透視側面図を図式的に示す。
【0063】
カートリッジホルダ2は、薬物送達デバイス1のボディ3に連結解除可能なように連結される。ボディ3は、2つの相互作用部材13を含み、ここで相互作用部材13の1つだけが
図3に示される。あるいは、ボディ3は、1つだけの相互作用部材13又は更に多く、例えば3又は4つの相互作用部材13を含むことができる。
【0064】
相互作用部材13は、ボディ3の遠位端セクション、即ち、カートリッジホルダ2と連結された端部セクションに配置される。相互作用部材13は、ボディ3の内面に配置される。2つの相互作用部材13は、互いに対して反対側に配置される。
【0065】
相互作用部材13はピンを含む。ピンは、ボディ3の内面から半径方向の内側に突出ている。
図3に示した実施態様において、相互作用部材13の角度範囲は、その軸範囲より大きくなる。しかし、この状況は逆にもなり得る、即ち、相互作用部材13の軸範囲は、角度範囲より大きくなり得る。あるいは、相互作用部材13は、四角又は円形を含み得る。それぞれの相互作用部材13は、カートリッジホルダ2に対応するガイドトラック12と機械的に協動する。
【0066】
図4A及び4Bは、カートリッジホルダ2の透視側面図を図式的に示す。
【0067】
カートリッジホルダ2は、2つのガイドトラック12を含む。あるいは、カートリッジホルダ2は、1つだけのガイドトラック12又はそれ以上、例えば3又は4つのガイドトラック12を含むことができる。ガイドトラック12の数は、相互作用部材13の数と対応する。ガイドトラック12は、カートリッジホルダ2の近位端セクション、即ち、ボディ3と連結された端部セクションに配置される。ガイドトラック12は、カートリッジホルダ2の外面に配置される。ガイドトラック12は溝である。2つのガイドトラック12は、互いに対して反対側に配置される。
【0068】
それぞれのガイドトラック12(
図4B参照)は、第一のセクション12Aを含む。ガイドトラック12は、第二のセクション12Bを含む。第一のセクション12Aは、デバイス1の縦軸14(
図1参照)に対して
角度を成して斜めに伸びる。特に、第一のセクション12Aによって画成された経路は、デバイス1の縦軸14で角度を囲む。縦軸14
と第一のセクション12Aによって画成された経路
とによって
成す角度は、
図4A及び4Bで示された実施態様において約45度に達する。しかしながら、また、その他の角度も考えられ、例えば、その角度は、最小値の10度又は最大値の120度に達することができる。第二のセクション12Bは、第一のセクション12A
の角度より縦軸14に対して
大きい角度で
第一の方向に伸びる。縦軸14を備える第一のセクション12Aによって画成された経路で囲まれた角度は、縦軸14を備える第二のセクションによって画成される経路で囲まれた角度より小さい。縦軸14を備える第二のセクション12Bによって画成された経路で囲まれた角度は、
図4A及び4Bに示された実施態様において90度に達する。
【0069】
第一のセクション12A及び第二のセクション12Bは、連続ガイドトラック12を形成する。言い換えれば、ボディ3へのカートリッジホルダ2の連結又は連結解除のために、相互作用部材13は、第一のセクション12Aから第二のセクション12Bに通過でき、そしてこの逆も可能である。
【0070】
第二のセクション12Bは、角のある止め具面20を含む。角のある止め具面20は、第二のセクション12Bの側壁に形成される。相互作用部材13が角のある止め具面20と機械的に協動するとき、カートリッジホルダ2とボディ3とを連結するために、ボディ3に対するカートリッジホルダ2の更なる回転が防止される。
【0071】
カートリッジホルダ2は、更に2つの窪み16を含む。窪み16は、カートリッジホルダ2の近位端セクションに配置される。2つの窪み16は、互いに対して反対側に配置される。それぞれの窪み16は傾斜端を含む。窪み16は、第一のセクション12Aの角度範囲より大きい角度範囲を含む。あるいは、窪み16は、第一のセクション12Aの角度範囲より小さい角度範囲を含み得る。それぞれの窪み16の遠位端は、それぞれのガイドトラック12の第一のセクション12Aの近位端を通過する。
【0072】
ボディ3にカートリッジホルダ2を連結するために、カートリッジホルダ2は、ボディ3に対して移動され、特に、少なくとも1つは軸方向に移動され、そして回転させられる。カートリッジホルダ2は、相互作用部材13が窪み16と機械的に協動するまで、ボディ3に対して移動される。ボディ3に対するカートリッジホルダ2の更なる動きで、相互作用部材は、第一のセクション12Aとの機械的協動がもたらされる。相互作用部材13が第一のセクション12Aと機械的に協動するとき、カートリッジホルダ2は、第一のセクション12Aが相互作用部材13に沿ってスライドするようにボディ3に対して近位方向に移動される。従って、カートリッジホルダ2は、ボディ2に対して第一の方向に回転させられる。この実施態様において、カートリッジホルダ2は、相互作用部材13が第一のセクション12Aと機械的に協動する間に、ボディに対して約30度の角度だけ回転させられる。角度は、第一のセクション12Aによって画成された経路が、上記に記載したように縦軸14と共に囲む角度によって画成される。
【0073】
第一のセクション12Aの遠位端で、第一のセクション12Aは第二のセクション12Bを直接通過する。第一のセクション12Aの遠位端で、相互作用部材13は、ボディ3に対するカートリッジホルダ2の更なる軸方向運動が防止されるように、第二のセクション12Bの近位と遠位壁22,23(
図4B参照)との機械的協動をもたらされる。特に、遠位壁23と相互作用部材13の機械的協働は、連結動作中のボディ3に対するカートリッジホルダ2の更なる近位運動を防止する。
【0074】
従って、カートリッジホルダ2は、第一の方向に更に回転させられる、しかし、ボディ3に対してもはや軸方向には動かない。カートリッジホルダ2は、相互作用部材13が角のある端止め部20と機械的に協動するまで、第二のセクション12Bが相互作用部材13に沿ってスライドするように回転させられる。カートリッジホルダ2は、ボディ3にカートリッジホルダ2を連結するために相互作用部材13が第一及び第二のセクション12A、12Bと機械的に協動するとき、同一方向に回転させられる。
【0075】
相互作用部材13が角のある端止め部20と機械的に協動するとき、、第一の方向でのカートリッジホルダ2の更なる回転が防止される。相互作用部材13が、角のある端止め部20と機械的に協動するとき、カートリッジホルダ2はボディ3としっかりと連結される。相互作用部材13と角のある端止め部20との機械的協働は、カートリッジホルダ2がボディ3にしっかリと連結されたことを使用者に示す触覚フィードバックを提供できる。
【0076】
カートリッジホルダ2とボディ3を解除するために、カートリッジホルダ2は第二の方向に回転させられる。第二の方向は第一の方向と反対である。従って、第二のセクション12Bは、ボディ3の相互作用部材13に沿ってスライドし、ボディ3に対するカートリ
ッジホルダ2の軸方向運動が、第二のセクション12Bの遠位及び近位壁22,23と相互作用部材13の機械的協働によって防止されている。
【0077】
カートリッジホルダ2の第二の方向への更なる回転で、第一のセクション12Aは、相互作用部材13に沿ってスライドする。第一のセクション12Aが相互作用部材に沿ってスライドするとき、カートリッジホルダ2とボディ3を連結解除するために、カートリッジホルダ2は、ボディ3に対して遠位方向に動かされる。
【0078】
相互作用部材13と共に第一のセクション12A及び第二のセクション12Bは、相互作用部材13が連結及び連結解除動作中いつでもセクション12A及び12Bの壁と機械的に協動するような寸法を含む。特に、相互作用部材13が第一のセクションと機械的に協動するとき、相互作用部材13は第一のセクション12Aの側壁と隣接する。相互作用部材13が第二のセクションと機械的に協動するとき、これは第二のセクション12Bの遠位及び近位壁22,23と隣接する。第一の及び第二のセクション12A,12Bが、互いに通り過ぎる、即ち、第一のセクション12Aの側壁が、第二のセクション12Bの遠位及び近位壁22,23を通り過ぎるとき、相互作用部材13は、連結及び連結解除動作中にセクション12A、12Bの1つの壁といつでも機械的に接触している。