特許第6442400号(P6442400)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッドの特許一覧

特許6442400N−メチル−N−アシルグルカミンの界面活性剤溶液中における増粘剤としての使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442400
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】N−メチル−N−アシルグルカミンの界面活性剤溶液中における増粘剤としての使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/46 20060101AFI20181210BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20181210BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20181210BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20181210BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20181210BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
   A61K8/46
   A61K8/86
   A61K8/60
   A61K8/02
   A61Q5/02
   A61Q19/10
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-514492(P2015-514492)
(86)(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公表番号】特表2015-518028(P2015-518028A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】EP2013061100
(87)【国際公開番号】WO2013178697
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年5月27日
(31)【優先権主張番号】102012010652.1
(32)【優先日】2012年5月30日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102013208258.4
(32)【優先日】2013年5月6日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】398056207
【氏名又は名称】クラリアント・ファイナンス・(ビーブイアイ)・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(72)【発明者】
【氏名】クルーク・ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ミルトナー・カリナ
【審査官】 松元 麻紀子
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−270534(JP,A)
【文献】 特表平06−501731(JP,A)
【文献】 特表平11−505839(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/46
A61K 8/02
A61K 8/60
A61K 8/86
A61Q 5/02
A61Q 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキルエーテルサルフェート及びアルキルサルフェートの群からの一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤を含有する界面活性剤の水溶液中におけるN−メチル−N−アシルグルカミンの増粘剤としての使用であって、その際、N−メチル−N−アシルグルカミンが、C12−脂肪酸残基、C14−脂肪酸残基又は不飽和のC18−脂肪酸残基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンを少なくとも60重量%含有し、かつ同時に、<C12の脂肪酸残基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンが5重量%未満であり、
不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が少なくとも8重量%であり、
前記界面活性剤の水溶液が、アニオン性界面活性剤としてアルキルサルフェート及び/又はアルキルエーテルサルフェートを含有することを特徴とする、上記の使用。
【請求項2】
前記少なくとも60重量%のN−メチル−N−アシルグルカミンが、次式(I)の化合物である、請求項1に記載の使用。
【化1】
(式中、残基Rは、ラウリン酸、ミリスチル酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸から誘導される。)
【請求項3】
12−アシル基、C−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が少なくとも70重量%である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
12−アシル基、C−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が少なくとも80重量%である、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
12−アシル基、C−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が少なくとも90重量%である、請求項4に記載の使用。
【請求項6】
<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が3重量%未満である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の使用。
【請求項7】
<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が2重量%未満である、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合が少なくとも15重量%である、請求項に記載の使用。
【請求項9】
前記界面活性剤の水溶液が、線状のC−C20−アルキルサルフェート及び/又は線状のC−C20−アルキルエーテルサルフェートを含有することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の使用。
【請求項10】
前記界面活性剤の水溶液がラウリルサルフェート及び/又はラウリルエーテルサルフェートを含有することを特徴とする、請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N−メチル−N−アシルグルカミンの界面活性溶液中における増粘剤としての使用並びにそのような界面活性溶液を含有する化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料製品に対する要求は高い。化粧料製品は、透明な外観を示し、毒物学的かつ生態毒物学的に問題がなく、さらに、心地よい皮膚の感触を生み出し、そして幅広いpH領域にわたって一定の、卓越したレオロジー挙動を有さなくてはならない。
【0003】
エマルション又は懸濁液のような水又は溶媒を含有する多成分系は、しばしば、経済的な理由、適用技術的な理由、あるいは安定性の理由からより高い粘度に調節されるか、又は増粘される。
【0004】
例えば、エマルション又は懸濁液の外部相又は内部相の粘度を高めることによって、そのような系の成分が分離するまでの時間を大幅に引き延ばせることが実現でき、これは、貯蔵時間の延長として現れる。多くの製品の場合でも、粘度を高めることによっても、特に、不均等な表面上での該系の一様な分布が向上される。
【0005】
分布が一様であるほど、そして有効期間がより長いほど、その効果は高められる。さらに、上述の適用技術についての利点以外に、そのような調合物の高い粘度もまた、その製造、梱包、充填及び貯蔵並びに輸送時にさらなる利点をもたらす。
【0006】
文献には、水性の又は溶剤含有の系、エマルション又は懸濁液のレオロジー特性を調整するための多種多様な系が開示されている。知られているものとしては、例えば、セルロースエーテル及び別のセルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース)、ゼラチン、でんぶん及びでんぷん誘導体、アルギン酸ナトリウム、脂肪酸ポリエチレングリコールエステル、アガーアガー、トラガカント及びデキストリンである。合成ポリマーとして様々な材料が使用でき、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸の様々な塩、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテルポリエチレンオキシド、無水マレイン酸及びビニルメチルエーテルのコポリマー、並びに上記の化合物の様々な混合物及び共重合体である。
【0007】
しかしながら、上記の化合物はその適用時に多様な欠点を示す。そのため、例えば、セルロース誘導体又は天然の原料をベースとする材料及びそのような材料から結果として得られる調合物は、一般に、細菌類に対する耐性が非常に低い。適用技術の観点から、それらの調合物は、不快な“フィラメント状”のゲルを形成することを特徴とする。脂肪酸ポリエチレングリコールエステルは、水の存在下で加水分解する傾向があり、その際に生じる不溶性の脂肪酸によって望ましくない曇りが引き起こされる。天然由来の増粘剤(例えば、アガーアガー又はトラガカント)は、その起源に依存して非常に変わりやすい組成を持っている。
【0008】
欧州特許出願公開第0 285 768A号(特許文献1)では、液体の水性界面活性剤系のための増粘剤としてN−ポリヒドロキシアルキル脂肪酸アミドが提案されている。この公報の使用例では、N−メチルヤシ脂肪酸グルカミドが、エーテルサルフェート−パラフィンスルホナート−混合系の増粘剤として使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0 285 768A号
【特許文献2】国際公開第2/06158号パンフレット
【特許文献3】国際公開第92/06162号パンフレット
【特許文献4】欧州特許第0 550 637B1号
【特許文献5】欧州特許第0 550 637 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そのような系により良好な結果が達成できるにも拘わらず、例えば、増粘性能など、依然として改善の余地が存在する。それ故、本発明の課題は、従来の系よりも高い増粘性能を示す、界面活性剤系のための増粘剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
特定のN−メチル−N−アシルグルカミンが、アルキルエーテルサルフェート又はアルキルサルフェート、特にベタインと組み合わせて含む界面活性剤系のための増粘剤として特に適していることが見出された。
【0012】
したがって、本発明の対象は、少なくとも一種のアルキルエーテルサルフェート及び/又は少なくとも一種のアルキルサルフェートを含有する水性の界面活性剤系における、N−メチル−N−アシルグルカミンの増粘剤としての使用であって、その際、N−メチル−N−アシルグルカミンが、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を有するN−メチル−N−アシルグルカミンを少なくとも60重量%含有し、かつ、C12より短いアシル基を有するN−メチル−N−アシルグルカミンの含有量が5重量%未満である、該使用である。
【0013】
本発明により使用される、C12−及びC14−アシル基を有するN−メチル−N−アシルグルカミン、及び脂肪酸エーテルサルフェート又は脂肪酸サルフェートは、国際公開第92/06158号パンフレット(特許文献2)又は国際公開第92/06162号パンフレット(特許文献3)から、それらをリンス剤及び清浄剤で使用することが知られている。しかしながら、特に化粧料組成物のための増粘剤としての本発明のクルカミド/界面活性剤の組合せの好ましい特性は、それらの文献から推測することはできない。
【0014】
本発明により使用されるN−メチル−N−アシルグルカミンは、N−メチル−N−1−デオキシソルビチル−脂肪酸アミドとしても知られており、その少なくとも60重量%が、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミン(以下、“C12/18−N−メチル−N−アシルグルカミン”と呼ぶ。)であり、かつ、同時に、その5重量%未満が、<C12の脂肪酸残基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンである。以下において重量%の割合は、N−メチル−N−アシルグルカミン(100重量%)の全重量に基づいている。
【0015】
成分a)として特に好ましいのは、式(I)の飽和N−メチル−N−アシルグルカミンである。(式中、アシル残基RCOは、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸から誘導される。)
【0016】
【化1】
【0017】
12−C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は、少なくとも60重量%、好ましくは少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%、そして特に好ましくは少なくとも90重量%である。
【0018】
本発明による増粘剤として使用されるN−メチル−N−アシルグルカミンは、それ以外に、短鎖、及び/又は長鎖の脂肪酸から誘導されたN−メチル−N−アシルグルカミン、特に、C−C−アシル基、C−アシル基、C−アシル基、C10−アシル基、C16−アシル基、C18−アシル基及び/又はC20−アシル基を少量含有するようなものを包含する。
【0019】
<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は、5重量%未満、好ましくは3重量%未満、より好ましくは2重量%未満である。
【0020】
18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は、好ましくは少なくとも8重量%未満、より好ましくは少なくとも15重量%である。
【0021】
特に好ましくは、C12−アシル基又はC14−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満である。
【0022】
特に好ましくは、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満である。
【0023】
さらなる実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満である。
【0024】
さらなる好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0025】
さらなる好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0026】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0027】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0028】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0029】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも60重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0030】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0031】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0032】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0033】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0034】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0035】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも70重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0036】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0037】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0038】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0039】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0040】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0041】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも80重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0042】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0043】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は5重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0044】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0045】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は3重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0046】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも8重量%である。
【0047】
さらに好ましい実施形態では、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は少なくとも90重量%であり、かつ、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの割合は2重量%未満であり、その際、不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンの量の割合は少なくとも15重量%である。
【0048】
N−メチル−N−アシルグルカミンは、欧州特許第0 550 637 B1号(特許文献4)及び欧州特許出願公開第0 285 768A号(特許文献1)に開示されるように、対応する脂肪酸エステル又は脂肪酸エステル混合物を、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有する溶剤の存在下で、N−メチルグルカミンと反応させることによって製造できる。適当な溶剤は、例えば、C−C−モノアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン並びにアルコキシル化アルコールである。好ましくは、1,2−プロピレングリコールである。N−メチルグルカミンは、同様に、欧州特許第0 550 637 A1号(特許文献5)に開示されるように、グルコースのメチルアミンとの還元性アミン化によって得ることができる。N−メチルグルカミンを用いて本発明のグルカミドに転化される適当な脂肪酸エステルは、一般にメチルエステルであり、これは、天然の脂肪及び油、例えば、トリグリセリドをエステル化することによって得られる。
【0049】
本発明の範囲内における不飽和のC18−アシル基とは、一種又は二種以上の二重結合を有する脂肪酸残基であると理解される。好ましくは、リノール酸及びリノレン酸から誘導された油酸の残基である。
【0050】
界面活性剤水溶液は、アルキルサルフェート及びアルキルエーテルサルフェートの群から選択される一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤を含有する。
【0051】
好ましいアルキルサルフェートは、C8-−C20−アルキルサルフェートであり、特に、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩の形態の線状のC8-−C20−アルキルサルフェートである。アルキルサルフェートの例は、ラウリルサルフェート、ヤシ脂肪酸アルキルサルフェート及び獣脂アルキルサルフェートである。特に好ましいのはラウリルサルフェートである。
【0052】
好ましいアルキルエーテルサルフェートは、C8-20−アルキルエーテルサルフェートであり、特に好ましいのは、線状のC8-20−アルキルエーテルサルフェート、とりわけ、エトキシル化脂肪アルコールから誘導された、ナトリウム塩、カリウム塩又はアンモニウム塩の形態のアルキルグリコールエーテルサルフェートである。アルキルエーテルサルフェートの例は、ラウリルエーテルサルフェート、ヤシ脂肪酸アルキルエーテルサルフェート及び獣脂アルキルエーテルサルフェートである。グリコールエーテルサルフェートの例は、ラウリルトリエチレングリコールエーテルサルフェート、ヤシ脂肪酸アルキルトリエチレングリコールエーテルサルフェート及び獣脂アルキルヘキサエチレングリコールエーテルサルフェートである。特に好ましくは、ラウリルグリコールエーテルサルフェート、例えば、特に、ナトリウム塩の形態のラウリルジエチレングリコールエーテルサルフェート又はラウリルトリエチレングリコールエーテルサルフェートである。
【0053】
好ましくは、界面活性剤水溶液は、それ以外に、ベタイン系界面活性剤であるアニオン界面活性剤を少なくとも一種含有する。
【0054】
ベタイン系界面活性剤は、その同じ分子中に一つのカチオン基、特にアンモニウム基及びカルボキシレート基、硫酸基又はスルホナート基であることができるアニオン基を含有する。適当なベタインは、アルキルベタイン、例えば、ココベタイン又は脂肪酸アルキルアミドプロピルベタイン、例えば、ヤシ脂肪酸アシルアミドプロピルジメチルベタイン、C12−C18−ジメチルアミノヘキサノエート又はC10−C18−アシルアミドプロパンジメチルベタインである。
【0055】
本発明の好ましい実施形態では、界面活性剤水溶液は、次の一般式(II)のアミドプロピルベタインを一種又は二種以上含有する。
【0056】
【化2】
【0057】
式中、Rは、線状又は分岐状の飽和C−C21アルキル基又は線状又は分岐状の一価又は多価の不飽和のC−C21アルケニル基である。
【0058】
本発明のさらに好ましい実施形態では、界面活性剤水溶液は、次式(III)のベタインを一種又は二種以上含有する。
【0059】
【化3】
【0060】
式中、Rは、線状又は分岐状の飽和C−C22アルキル基又は線状又は分岐状の一価又は多価の不飽和のC−C22アルケニル基である。
【0061】
本発明のさらに好ましい実施形態では、界面活性剤水溶液は、次式(IV)のスルホベタインを一種又は二種以上含有する。
【0062】
【化4】
【0063】
式中、Rは、線状又は分岐状の飽和C−C22アルキル基又は線状又は分岐状の一価又は多価の不飽和のC−C22アルケニル基である。
【0064】
本発明のより好ましいさらなる実施形態では、界面活性剤溶液は、式(II)のアミドプロピルベタイン、式(III)のベタイン及び式(IV)のスルホベタインからなる化合物の群から選択される一種又は二種以上のベタイン系界面活性剤を含有する。
【0065】
本発明の特に好ましい実施形態では、界面活性剤溶液は、式(II)のアミドプロピルベタインから選択される一種又は二種以上のベタイン系界面活性剤を含有する。
【0066】
本発明のより好ましいさらなる実施形態では、界面活性剤溶液は、式(III)のベタインから選択される一種又は二種以上のベタイン系界面活性剤を含有する。
【0067】
本発明の特に好ましいさらなる実施形態では、界面活性剤溶液は、式(IV)のスルホベタインから選択される一種又は二種以上のベタイン系界面活性剤を含有する。
【0068】
好ましくは、式(II)の一種又は二種以上のアミドプロピルベタイン中の残基Rは、線状又は分岐状の飽和C−C17アルキル基である。線状及び分岐状の飽和アルキル基Rの中でも、線状の飽和アルキル基が好ましい。
【0069】
特に好ましくは、式(II)のアミドプロピルベタインは、コカミドプロピルベタインである。
【0070】
好ましくは、式(III)の一種又は二種以上のベタイン中の残基Rは、線状又は分岐状の飽和C−C18−アルキル基であり、そしてより好ましくは線状又は分岐状の飽和C12−C18−アルキル基である。線状及び分岐状の飽和アルキル基Rの中でも、線状の飽和アルキル基が好ましい。
【0071】
好ましくは、一種又は二種以上の式(IV)のスルホベタイン中の残基Rは、線状又は分岐状の飽和C−C18アルキル基、そしてより好ましくは、線状又は分岐状の飽和C12−C18アルキル基である。線状及び分岐状の飽和アルキル基Rの中でも、線状の飽和アルキル基が好ましい。
【0072】
特に好ましくは、界面活性剤水溶液は、式(II)のアミドプロピルベタインアミドプロピルベタイン及び/又は式(III)のアルキルベタインを含有する。
【0073】
本発明のさらなる対象は、少なくとも一種のアルキルエーテルサルフェート及び/又は少なくとも一種のアルキルサルフェートを含有する界面活性剤の水溶液を増粘する方法であって、その際、該界面活性剤水溶液に、本発明のN−メチル−N−アシルグルカミン−混合物が添加される。好ましい実施形態は上述のとおりである。
【0074】
本発明の対象は、次を含有する化粧料組成物である。
(a)成分(A)として、C12−アシル基、C14−アシル基又は不飽和のC18−アシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミン(以下、“C12/18−N−メチル−N−アシルグルカミン”と称する。)を少なくとも60重量%含有し、かつ同時に、<C12のアシル基を含有するN−メチル−N−アシルグルカミンを5重量%未満含有するN−メチル−N−アシルグルカミン、
(b)成分(B)として、アルキルエーテルサルフェート及びアルキルサルフェートの群からの一種又は二種以上のアニオン性界面活性剤、
(c)場合によって、成分(C)として、一種又は二種以上のベタイン系界面活性剤、
(d)場合によって、成分(D)として、別の界面活性剤、
(e)成分(E)として、水、並びに
(f)場合によって、成分(F)として、保存料、香料、着色料及び保湿成分(Rueckfettungsmittel)のような更なる添加剤
好ましくは、成分a)、b)及びc)は上述の化合物に相当する。
【0075】
一般に、本発明の化粧料組成物は次のものを含有する。
(a)0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%の成分(A)、
(b)0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%の成分(B)、
(c)0〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の成分(C)
(d)0〜10重量%、好ましくは1〜6重量%の成分(D)、
(e)45〜99.8重量%、好ましくは75〜95重量%の成分(E)及び
(f)0〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の成分(F)
好ましくは、本発明の化粧料組成物は、上述のアルキルサルフェート及び/又はアルキルエーテルサルフェート及びベタイン系界面活性剤を含有する。
【0076】
任意のさらなる界面活性剤(D)は、カチオン性の、非イオン性の又は両性の界面活性剤であることができる。
【0077】
適したカチオン性の界面活性剤は、例えば、RN(CHX、RN(CHX、RN(CH)X又はRNXの種類の、置換された、又は置換されていない、直鎖状の又は分岐鎖状の第四級アンモニウム塩である。残基R、R、R及びRは、好ましくは、相互に独立して、8〜24個のC原子、好ましくは、10〜18個のC原子の鎖長の置換されていないアルキル、1〜4個のC原子を有するヒドロキシアルキル、フェニル、C−〜C18−アルケニル、C−〜C24−アラルキル、(CO)H(式中、xは1〜3を意味する。)、一つ又は二つ以上のエステル基を含有するアルキル残基又は環状の第四級アンモニウム塩であることができる。Xは、適当なアニオンである。好ましくは、(C−C22)−アルキルトリメチルアンモニウムクロリド又は−ブロミド、特に好ましくは、セチルトリメチルアンモニウムクロリド又は−ブロミド、ジ−(C−C22)−アルキルジメチルアンモニウムクロリド又は−ブロミド、(C−C22)−アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド又は−ブロミド、(C−C22)−アルキル−ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド、−ホスフェート、−サルフェート、−ラクテートであり、さらに好ましくは、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジ(C−C22)−アルキルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド及び−メトサルフェートである。
【0078】
本発明の組成物中のカチオン性の界面活性剤の量は、完成した組成物の全重量に基づいて10重量%までであることができる。
【0079】
非イオン性の界面活性剤としては、例えば、次の化合物が挙げられる。
【0080】
アルキルフェノールの、ポリエチレン−、ポリプロピレン−及びポリブチレンオキシド縮合物。これらの化合物は、C−〜C20−アルキル基を有するアルキルフェノールの、アルケンオキシドとの縮合生成物を含み、線状又は分岐状であることができる。これらの界面活性剤は、アルキルフェノールアルコキシレート、例えば、アルキルフェノールエトキシレートと呼ばれる。
【0081】
脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物。この脂肪族アルコールのアルキル鎖又はアルケニル鎖は、線状又は分岐状、第一級又は第二級であることができ、そして、一般に8〜22個の炭素原子を有する。特に好ましくは、この縮合生成物は、C10−〜C20−アルコールと、そのアルコール1モル当たり2〜18モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。アルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの狭い同族体分布(“狭い範囲のエトキシレート”)又はエチレンオキシドの広い同族体分布(“広い範囲のエトキシレート”)を有することができる。市場から入手可能なこの種の非イオン性の界面活性剤の例は、Tergitol(登録商標) 15−S−9(線状の第二級のC11−C15−アルコールと9モルのエチレンオキシドとの縮合生成物)、Tergitol(登録商標) 24−L−NMW(線状の第一級のC12−C14−アルコールと6モルのエチレンオキシドとの、狭い分子量分布の場合の縮合生成物)である。同様に、この製品のクラスは、Clariantの登録商標であるGenapol(登録商標)を包含する。
【0082】
プロピレンオキシドとプロピレングリコールとの縮合によって形成された疎水性のベースを有するエチレンオキシドの縮合生成物。この化合物の疎水性部分は、好ましくは、1500〜1800の分子量を有する。この疎水性の部分に対するエチレンオキシドの付加により、水溶性が向上する。この生成物は、縮合生成物の全重量の約50%のポリオキシエチレン含有量までの液体であり、約40モルまでのエチレンオキシドとの縮合物に相当する。市場から入手可能なこの生成物の例は、BASFの登録商標Pluronic(登録商標)及びClariantの登録商標Genapol(登録商標) PFの製品である。
【0083】
エチレンオキシドと、プロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合生成物。この化合物の疎水性の部分は、エチレンジアミンと、過剰のプロピレンオキシドとの反応生成物からなり、一般に2500〜3000の分子量を有する。この疎水性の部分に、40〜80重量%のポリオキシエチレンの含有量まで、そして5000〜11000の分子量までエチレンオキシドが添加される。市場から入手可能なこの種の化合物の例は、BASFの登録商標Tetronic(登録商標)及びClariantの登録商標Genapol(登録商標) PNの製品である。
【0084】
さらに適した非イオン性の界面活性剤は、アルキル−及びアルケニルオリゴグリコシド並びに脂肪酸ポリグリコールエステル又は脂肪アミンポリグリコールエステルであり、それぞれ、脂肪アルキル残基、アルキルオリゴグリコシド、アルケニルオリゴグリコシド及び脂肪酸−N−アルキルグルカミド中に、8〜20個、好ましくは12〜18個のC−原子を有する。
【0085】
本発明の組成物中の非イオン性の界面活性剤の量は、完成した組成物の全重量に基づき、10重量%までであることができる。
【0086】
さらに、本発明の組成物は、両性界面活性剤を含有することができる。これは、8〜18個のC原子を有するアルキル基を有する、長鎖の第二級又は第三級アミンの誘導体として説明することができ、その際、さらなる基は水溶性をもたらすアニオン性の基、例えば、カルボキシル基、サルフェート基又はスルホネート基で置換される。好ましい両性界面活性剤は、アルカリ塩、モノ−、ジ−及びトリアルキルアンモニウム塩としての、N−(C12−C18)−アルキル−β−アミノプロピオネート及びN−(C12−C18)−アルキル−β−イミノジプロピオネートである。さらに適した界面活性剤はアミンオキシドである。これは、8〜18個のC原子の長鎖の基一つ及び1〜4個のC原子を有する一般に短鎖のアルキル基二つを有する第三級アミンの酸化物である。ここで好ましい例は、C10−〜C18−アルキルジメチルアミンオキシド、脂肪酸アミドアルキルジメチルアミンオキシドである。
【0087】
本発明の組成物中の両性界面活性剤の量は、完成した組成物の全重量に基づき、10重量%までであることができる。
【0088】
助剤及び添加剤e)は、例えば、保存料、香料、着色料及び保湿剤(Rueckfettungsmittel)である。
【0089】
保存料としては、欧州の化粧品の法令の付記に関連して挙げられている保存料が適しており、例えば、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、パラベン、安息香酸及びソルビン酸であり、例えば、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(Nipaguard(登録商標) DMDMH)が特に適している。
【0090】
本発明の組成物中の保存料の量は、完成した組成物の全重量に基づき、一般に、0.1〜2.0重量%である。
【0091】
香料としては、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール及び炭化水素の種類の合成生成物のような個々の匂い化合物を使用できる。エステルの種類の匂い化合物は、例えば、酢酸ベンジル、フェノキシエチルイソブチラート、p−tert.−酢酸ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、エチル−メチルフェニルグリシナート、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸ステアリル、及びサリチル酸ベンジルである。エーテルとしては、例えば、ベンジルエチルエーテルが挙げられ、アルデヒドとしては、例えば、8〜18個のC原子を有する線状のアルカノール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、ユリ及びボーシュナールが挙げられ、ケトンとしては、例えば、イオノン、アルファ−イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトンが挙げられ、アルコールとしては、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオン、リナロール、フェニルエチルアルコール及びテルピネオールが挙げられ、炭化水素としては、主として、テルペン及びバルサムが包含される。好ましくは、一緒に好感をもたらす香りを生じさせる、様々な香り成分の混合物が使用される。
【0092】
香料としては、例えば、植物源及び動物源由来の、例えば、松油、柑橘油、ジャスミン油、ユリ油、バラ油又はイランイラン油のような、天然の匂い混合物も包含される。多くの場合、アロマ成分として使用される揮発性の低いエッセンシャルオイルも香油として適しており、例えば、セージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ(レモンバーム)油、ミント油、シナモンリーフ油、ライムの花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油及びラブダナム油である。
【0093】
本発明の組成物中の香料の量は、完成した組成物の全重量に基づき、一般に、0〜2重量%である。
【0094】
保湿剤としては、ラノリン及びレシチン、エトキシ化されていない及びポリエトキシ化されていない、又はアシル化されたラノリン誘導体及びレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノ−、ジ−及びトリグリセリド及び/又は脂肪酸アルカノールアミドを使用でき、その際、後者はまた泡安定剤としても利用され、これらは、好ましくは、0.01〜10.0重量%、より好ましくは0.1〜5.0重量%、特に好ましくは0.5〜3.0の量で使用される。
【0095】
本発明の組成物中に含有される着色料及び着色顔料は、有機系及び無機系のいずれの着色料も、対応する化粧品規制のポジティブリスト又は化粧料の着色剤のEG−リストから選択できる。
【0096】
真珠光沢顔料、例えば、魚銀(魚鱗由来のグアニン/ヒポキサンチン混晶)及び真珠雲(粉砕されたムール貝)、単結晶の真珠光沢顔料、例えば、ビスマスオキシクロリド(BiOCl)、層状基板顔料、例えば、雲母/金属酸化物、TiOからなる銀白色の真珠光沢顔料、干渉顔料(様々な層の厚さのTiO)、有色光沢顔料(Fe)及び混合顔料(TiO/Fe、TiO/Cr、TiO/ベルリンブルー、TiO/カーマイン)もまた有利に適している。
【0097】
本発明の組成物中の着色料及び顔料の量は、完成した組成物の全重量に基づき、一般に、0.01〜1.0重量%である。
【0098】
本発明の好ましい一実施形態では、本発明の組成物は、毛髪用シャンプー、シャワーソープ、ハンドソープ及び洗顔料のような毛髪及び皮膚を洗浄するための製品の形態にある。
【実施例】
【0099】
本発明は次の例により詳細に説明する。
【0100】
例1〜3並びに比較例1〜5
以下に開示されるグルカミドを、欧州特許第0 550 637号(特許文献4又は5)に従って、対応する脂肪酸メチルエステル及びN−メチルグルカミンから、溶媒としての1,2−プロピレングリコールの存在下で製造し、活性物質及び1,2−プロピレングリコールからなる固体物質として得た(全て重量%で与えられる)。
【0101】
【表1】
【0102】
以下の表に従って、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム[エトキシ化度2EO](Genapol LRO liq.、Clariant)、ココアミドプロピルベタイン(Genagen CAB 818、Clariant)及び糖界面活性剤からなる界面活性剤溶液を製造し、そして、5000mPa・sの均一な粘度になるまで食塩を添加して調整した。界面活性剤の全含有量は、いずれも12%であった。5000mPa・sの粘度を達成するのに要した塩の量を測定した。
【0103】
【表2】
【0104】
本発明の調合物例1、2及び3は、本発明ではない比較例と比較して、はるかに低い塩濃度しか必要としない。これは、化粧品の皮膚及び粘膜との適合性という観点から有利である。特に、例2から、鎖長がC12/14のグルカミドと、不飽和のC18−部分とを組み合わせた場合に、増粘性において相乗効果が現れることがわかる。対照的に、ヤシ油から誘導され、そして欧州特許出願公開第0 285 768A号(特許文献1)に応じた生成物(比較例1及び6)は、例1〜3に相応する増粘性能を示さない。比較例3は、飽和C16/18グルカミドの増粘性能が本発明の組成物のそれに匹敵しないことを示している。