(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報がその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、所定の位置よりも内側に設定されている
ことを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光ディスクを多層化する場合、記憶容量の大容量化に伴い、1枚の光ディスクに大量のデータを記録することが可能となる。ここで、当該データの読み出しは、ピックアップから光ディスク上の所定位置にレーザを照射して行うものであり、データのレイアウトによってはアクセス性を損ない、情報を円滑に読み出して再生出来ないことがある。本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、情報を円滑に読み出して再生することが可能な光ディスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一の実施の形態に係る光ディスクは、内周側及び外周側の一方から他方に渦巻き状に形成された情報トラックに情報を記録する記録層を少なくとも3層備える。前記記録層は、内周側に位置する内周側領域と、前記内周側領域に対して外周側に位置し、コンテンツ情報を記録するデータ領域と、前記データ領域に対して外周側に位置する外周側領域とを備える。前記コンテンツ情報は、前記3層以上の記録層の前記データ領域に記録され、内周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報からその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、前記データ領域の最内周位置よりも外側に設定されている。
【0006】
本実施の形態に係る光ディスクにおいては、上記上層のポイント及び下層のポイントの位置を自由に設定可能であり、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分を切り替えのポイントとして選択し、情報を円滑に読み出して再生することが可能である。
【0007】
また、光ディスクは、製造工程中に反り等を生じることがあるため、内周側に記録されたデータを、より信頼性良く保持することが可能である。ここで、本実施の形態に係る光ディスクにおいては、内周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報からその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、前記データ領域の最内周位置よりも外側に設定されている。従って、例えばコンテンツ情報の他に優先的に信頼性良く保持したい特定の情報がある場合等に、この特定の情報を光ディスクの中心付近に保持することが可能である。
【0008】
上記一の実施の形態において、外周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報がその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、所定の位置よりも内側に設定されていても良い。このような実施の形態に係る光ディスクによれ
ば、上述の通り、例えばコンテンツ情報中の切り替えに適した部分を切り替えのポイントとして選択し、情報を円滑に読み出して再生することが可能である。また、コンテンツ情報が全て光ディスク1の中心から所定の範囲内に保持される為、コンテンツ情報全体を信頼性良く保持することが可能である。
【0009】
また、上記一の実施の形態において、前記再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントの前記光ディスクの中心からの距離は、一致しても良い。このような実施の形態に係る光ディスクからは、ピックアップを移動させることなく情報を読み出すことが可能であり、情報を更に円滑に読み出して再生することが可能である。
【0010】
前記下層のコンテンツ情報は、前記上層のコンテンツ情報とは逆向きに再生される様に前記記録層に記録されていても良い。
【0011】
また、前記下層のコンテンツ情報は、前記上層のコンテンツ情報と同一の向きに再生される様に前記記録層に記録されていても良く、この場合には、前記下層のコンテンツ情報は、前記上層のコンテンツ情報からランダムに読み出されて再生されても良い。このような光ディスクは情報を円滑に読み出して再生することが可能であるため、例えば高速な検索システムを実現可能である。
【0012】
また、前記記録層の前記コンテンツ情報が記録されていない領域には、例えば絵柄を表示しても良い。
【0013】
本発明の別の実施の形態に係る光ディスクは、内周側及び外周側の一方から他方に渦巻き状に形成された情報トラックに情報を記録する記録層をn(3≦n)層備える。前記記録層は、内周側に位置する内周側領域と、前記内周側領域に対して外周側に位置し、コンテンツ情報を記録するデータ領域と、前記データ領域に対して外周側に位置する外周側領域とを備える。また、情報再生用の光源から最も離れた層からk(1≦k≦n−1)層目の前記記録層に記録された前記コンテンツ情報の情報量は、k+1層目の前記記録層に記録された前記コンテンツ情報の情報量よりも多い。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報を円滑に読み出して再生することが可能な光ディスクを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[本発明の第1の実施の形態に係る光ディスクの概略構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る光ディスク1の一例を示す概略的な斜視図である。本実施の形態に係る光ディスク1は3層の記録層L0〜L2を積層してなる積層型のブルーレイディスクROM又は記録型ディスクである。記録層L0〜L2の記録面には、内周側の所定の領域に位置する内周側領域10と、内周側領域10に対して外周側に位置し、コンテンツ情報を記録するデータ領域20と、データ領域20に対して外周側に位置する外周側領域30とが設けられる。
【0017】
本実施の形態に係る光ディスク1の記録層L0及びL2には、内周側から外周側にかけて情報トラックが形成される。また、記録層L1には外周側から内周側にかけて情報トラックが形成される。尚、記録層L0〜L2に形成される情報トラックは、全て同一の回転方向に沿って渦巻き状に形成される。従って、光ディスク1は、どの記録層について再生を行う場合にも常に同一の方向に回転する。
【0018】
記録又は再生のための光は、
図1における光ディスク1の下面側から照射され、光源から最も遠い記録層がL0、最も近い記録層がL2となっている。光源の焦点位置を上下に移動させることで記録層L0〜L2の情報が記録又は再生される。
【0019】
図2は、記録層L0のA−A′断面における記録情報のレイアウトを示す図である。本実施の形態において、内周側領域(Inner Zone)IZ(10)は、BCA(Burst Cutting Area)を有する。BCAは、光ディスク1に関する種々の情報を記録する領域で、光ディスク製造原盤に記録され、または光ディスクの製造後にレーザによって外部より形成される。
【0020】
また、内周側領域IZは、リードイン領域としても利用され、第1の保護領域(Protection Zone)PrZ1と、PIC領域(Permanent Information & Control Zone)PICと、第2の保護領域PrZ2と、情報/予約領域(INFO/Reserved)I/Rを有する。
【0021】
光ディスク1が記録型メディアである場合、第1の保護領域PrZ1及び第2の保護領域PrZ2は、それぞれBCA及びPIC領域PICへのデータの書き込み量が所定以上となった場合に、PIC領域PICや情報/予約領域I/Rにデータの上書きが行われることを防止する。
【0022】
一方、光ディスク1がROM型メディアである場合、第1の保護領域PrZ1は、BCAのレーザー書き込みがPIC領域に影響することを防止する。また、第2の保護領域PrZ2は、後述するwide pitch領域とnormal pitch領域の間に設けられ、情報トラック上におけるピッチ間隔の切り替えによる信号乱れが読み取りドライブの動作に影響することを防止する。
【0023】
PIC領域PICは、コンテンツ情報のアドレスや光ディスク1の再生パラメータ等、光ディスク1に関する種々の情報を記録する。同様に、情報/予約領域I/Rも、光ディスク1に関する種々の情報を記録する。
【0024】
本実施の形態において、データ領域(Data Zone)DZ(20)は、24.0から、最大で58.0mmの領域に設けられ、例えば映画や音楽、プログラム等のコンテンツ情報を記録する。
【0025】
本実施の形態において、外周側領域(Outer Zone)OZ(30)は、データ領域DZの外周側の領域である。
【0026】
図3は、記録層L1のA−A′断面における記録情報のレイアウトを示す図である。本実施の形態に係る光ディスク1が3層の記録層を有するROM型メディアである場合、記録層L1には、BCA、リードイン領域及びリードアウト領域(
図4)は設けられていない。
【0027】
図4は、記録層L2のA−A′断面における記録情報のレイアウトを示す図である。本実施の形態に係る光ディスク1が3層の記録層を有するROM型メディアである場合、記録層L2には、BCA及びリードイン領域が設けられていない。また、記録層L2の外周側領域OZはリードアウト領域としても利用される。
【0028】
尚、本実施の形態に係る光ディスク1においては、リードイン領域を記録層L0にのみ設け、リードアウト領域を記録層L2にのみ設けていた。しかしながら、例えば記録層L0、L1及びL2全てにリードイン領域及びリードアウト領域を設けることも可能である。
【0029】
[比較例に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について、比較例に係る方法と比較しつつ説明する。
図5は、第1の比較例に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。第1の比較例においては、コンテンツ情報の内容に拘らず、コンテンツ情報が、記録層L0及びL1のデータ領域DZの全域と、記録層L2のデータ領域DZの最内周から外周側の途中の位置までの領域とに記録されている。
【0030】
光ディスクからデータを読み出す場合、ピックアップから光ディスク上の所定位置にレーザを照射して行うため、データのレイアウトによってはアクセス性を損ない、情報を円滑に読み出して再生できないことがある。例えば、コンテンツ情報が動画である場合、動きの多いシーンでは再生に必要なデータのビットレートが大きい。従って、コンテンツ情報の内容に拘らずコンテンツ情報を規定のレイアウトによって記録してしまうと、このようなタイミングでフォーカシングが行われ、読み出しの速度が落ちて、動画が円滑に再生されない場合がある。
【0031】
また、光ディスクは、製造工程中において、反り等を生じる場合があるため、内周側に記録されたデータを、より信頼性良く保持することが可能である。従って、例えばコンテンツ情報の他に優先的に信頼性良く保持したい特定の情報がある場合、この特定の情報は、光ディスクの中心付近に記録することが望ましい。
【0032】
図6は、第2の比較例に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。第2の比較例においては、コンテンツ情報の内容に拘らず、コンテンツ情報が、記録層L0のデータ領域DZの全域と、記録層L1のデータ領域DZの最外周から内周側の途中の位置までの領域と、記録層L2のデータ領域DZの最内周から外周側の途中の位置までの領域とに記録されている。
【0033】
第2の比較例に係る光ディスクにおいても、コンテンツ情報の内容に拘らずコンテンツ情報が規定のレイアウトによって記録されている。また、第2の比較例に係る光ディスクにおいては、上記特定の情報を記録層L1のデータ領域DZの最内周から内周側の途中の位置までの領域に記録することが可能であり、この特定の情報を信頼性良く保持することが可能である。しかしながら、第2の比較例においては、記録層L1に記録されたコンテンツ情報の記録終了位置と記録層L2に記録されたコンテンツ情報の記録開始位置とが離れている。従って、記録層L1からコンテンツ情報を読み出した後にピックアップを移動させる必要が生じるが、コンテンツ再生に支障のない任意位置を選んで他の層に移動させる手段の選択肢を広げることができる。
【0034】
[本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について説明する。
図7は、本実施の形態に係る光ディスク1の、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。本実施の形態においては、コンテンツ情報の一部が、記録層L0のデータ領域DZの全域に、内周側から外周側にかけて記録されている。また、この一部の続きの情報が、記録層L1のデータ領域DZの最外周から内周側の途中の位置a1までの領域に、外周側から内周側にかけて記録されている。更に、この情報の更に続きの情報が、記録層L2のデータ領域DZの上記位置a1から外周側の途中の位置までの領域に、内周側から外周側にかけて記録されている。尚、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と記録層L2におけるコンテンツ情報の記録開始位置との光ディスク1の中心からの距離は完全に一致している必要は無く、略一致していれば良い。
【0035】
本実施の形態において、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L2におけるコンテンツ情報の記録開始位置には、切り替えに適した部分が採用される。この切り替えに適した部分としては、例えば動画における比較的画像の変化が少ない場面や、音楽における比較的音の少ない部分等、コンテンツ情報中のビットレートが少ない部分を採用することで有効利用できる。
【0036】
ここで、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L2におけるコンテンツ情報の記録開始位置の、水平面内における位置(回転方向における位置)は、略一致している必要は無く、例えば所定の空白の領域を設けることも可能である。この空白の長さは、例えばフォーカシングに要する時間や、この時間内に光ディスク1が回転する角度等を考慮して決定することも可能である。また、この空白の領域には、フォーカシングを行うためのダミーのデータを記録しておくことも可能である。
【0037】
尚、本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法を採用した場合、
図7に示す通り、記録層Lk(k=0及び1)に記録されたコンテンツ情報の情報量が、記録層Lk+1に記録されたコンテンツ情報の情報量よりも多くなる。また、記録層Lk中のコンテンツ情報が記録された領域は、記録層Lk+1中のコンテンツ情報が記録された領域を全て包含する。
【0038】
また、本実施の形態においては、PIC領域に、コンテンツ情報の各記録層L0〜L2における記録開始位置や終了位置等が記録されている。
【0039】
本実施の形態においては、内周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報からその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、前記データ領域の最内周位置よりも外側に設定されている。即ち、本実施の形態に係る光ディスクにおいては、上記上層のポイント及び下層のポイントの位置を自由に設定可能であり、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分を切り替えのポイントとして選択し、情報を円滑に読み出して再生することが可能である。
【0040】
また、記録層L1及びL2の、データ領域DZの最内周から外周側の途中の位置a1までの領域にコンテンツ情報が記録されていない為、この領域に上記特定の情報を記録することが可能である。更に、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と記録層L2におけるコンテンツ情報の記録開始位置との光ディスク1の中心からの距離が略一致している。従って、記録層L1からコンテンツ情報を読み出した後に、ピックアップを移動させることなく迅速に記録層L2からコンテンツ情報を読み出すことが可能である。
【0041】
尚、上記位置a1は、データ領域DZ中に存在する。従って、位置a1の光ディスク1の中心からの距離は、本実施形態においては24.0〜58.0mmとなる。また、位置a1は、例えば、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分に応じて決定することも考えられるし、上記特定の情報の大きさに応じて決定することも考えられる。
【0042】
[本発明の第2の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本発明の第2の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について説明する。
図8は、本実施の形態に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。
【0043】
本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法は、基本的には第1の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法と同様であるが、本実施の形態においては、コンテンツ情報が、記録層L0のデータ領域DZの最内周から位置a2(a2<58.0mm)までの領域と、記録層L1及びL2のデータ領域DZの位置a1から位置a2までの領域とに記録されている。但し、記録層L0及びL2におけるコンテンツ情報の記録終了位置、並びに、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録開始位置の光ディスク1の中心からの距離は完全に一致している必要は無く、略一致していれば良い。
【0044】
尚、位置a2は、例えばコンテンツ情報中の切り替えに適した部分、並びに、コンテンツ情報及び上記特定の情報の大きさに応じて決定することも可能である。
【0045】
また、本実施の形態においては、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L2におけるコンテンツ情報の記録開始位置だけでなく、記録層L0におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録開始位置にも、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分が採用される。
【0046】
本実施の形態に係る光ディスクにおいては、外周に向けて再生中の上層のコンテンツ情報がその一つ下層のコンテンツ情報に再生が切り替わる上層のポイント及び下層のポイントが、58.0mmよりも内側に設定されている。従って、第1の実施の形態と同様に、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分を切り替えのポイントとして選択し、情報を円滑に読み出して再生することが可能である。
【0047】
また、本実施の形態に係る光ディスクにおいては、コンテンツ情報が全て光ディスク1の中心から所定の範囲内に保持される為、コンテンツ情報全体を信頼性良く保持することが可能である。更に、記録層L0におけるデータの記録終了位置及び記録層L1におけるデータの記録開始位置、並びに、記録層L1におけるデータの記録終了位置及び記録層L2におけるデータの記録開始位置が略一致しているため、迅速な読み出しを行うことが可能である。
【0048】
[本発明の第3の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について説明する。
図9は、本実施の形態に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。
【0049】
本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法は、基本的には第2の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法と同様であるが、本実施の形態においては、記録層L0及びL1におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L1及びL2におけるコンテンツ情報の記録開始位置との光ディスクの中心からの距離を、略一致させていない。このような態様においても第1及び第2の実施の形態と同様に、情報を円滑に再生することが可能である。また、本実施の形態においても記録層L0、L1及びL2において、コンテンツ情報はすべてデータ領域DZの最内周から上記位置a2までの領域に保持されており、コンテンツ情報全体を信頼性良く保持することが可能である。
【0050】
[本発明の第4の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本発明の第4の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について説明する。
図10は、本実施の形態に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。
【0051】
本実施の形態に係る光ディスクは、3層の記録層L0〜L2を積層してなる積層型のブルーレイディスクであり、下層の記録層に記録されたコンテンツ情報は、上層の記録層に記録されたコンテンツ情報からランダムに読み出されて再生される。記録層L0〜L2の記録面には、第1の実施の形態と同様に、内周側領域10、データ領域20及び外周側領域30が設けられる。尚、内周側領域10及び外周側領域30のデータ構造等については、説明を省略する。
【0052】
本実施の形態に係る光ディスクの記録層L0〜L2には、内周側から外周側にかけて情報トラックが形成される。また、これら情報トラックは、全て同一の回転方向に沿って渦巻き状に形成される。従って、本実施の形態に係る光ディスクは、どの記録層について再生を行う場合にも常に同一の方向に回転する。尚、情報トラックが形成される方向は、適宜変更可能であり、例えば記録層L0〜L2における情報トラックを、全て外周側から内周側に向かう方向に形成しても良い。
【0053】
記録又は再生のための光は、
図10における光ディスクの下面側から照射され、光源から最も遠い記録層がL0、最も近い記録層がL2となっている。光源の焦点位置を上下に移動させることで記録層L0〜L2の情報が記録又は再生される。
【0054】
記録層L0のデータ領域20にはコンテンツ情報としてリンク情報を含む情報が記録されている。また、記録層L1及びL2のデータ領域20には、このリンク情報のリンク先の情報が記録されている。更に、記録層L0におけるリンク情報の記録終了位置と記録層L1及びL2におけるリンク先の情報の記録開始位置との光ディスクの中心からの距離は、略一致している。
【0055】
また、本実施の形態に係る光ディスクにおいては、
図10に示す通り、記録層Lk(k=0及び1)に記録されたコンテンツ情報の情報量が、記録層Lk+1に記録されたコンテンツ情報の情報量よりも多い。また、記録層Lk中のコンテンツ情報が記録された領域は、記録層Lk+1中のコンテンツ情報が記録された領域を全て包含する。
【0056】
本実施の形態に係る光ディスクを用いた場合、記録層L0に記録されたリンク情報を読み出した後に、外部操作等の条件に応じて、記録層L0に記録された情報の続き又は記録層L1又はL2に記録されたリンク先の情報を迅速に読み出すことが可能である。従って、例えばこのような光ディスクをナビゲーションシステムやデータベース等に適用した場合、ピックアップの動きを抑えて迅速に所望のデータにアクセスすることが可能となり、高速な検索システムを実現可能である。
【0057】
[本発明の第5の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法]
次に、本発明の第5の実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法について説明する。
図11は、本実施の形態に係る光ディスクの、コンテンツ情報の記録方法及び再生方法を説明するための概略的な断面図である。
【0058】
本実施の形態に係る光ディスクは、3層の記録層L0〜L2を積層してなる積層型のブルーレイディスクである。記録層L0〜L2の記録面には、第1の実施の形態と同様に、内周側領域10、データ領域20及び外周側領域30が設けられる。尚、内周側領域10及び外周側領域30のデータ構造等については、説明を省略する。
【0059】
本実施の形態に係る光ディスクは、いわゆるOTPタイプやPTPタイプの光ディスクとは異なり、記録層L0における情報トラックが、内周側から外周側に向かう方向に形成され、記録層L1及びL2における情報トラックが、外周側から内周側に向かう方向に形成される。また、これらの情報トラックは、全て同一の回転方向に沿って渦巻き状に形成される。従って、本実施の形態に係る光ディスクは、どの記録層について再生を行う場合にも常に同一の方向に回転する。
【0060】
記録又は再生のための光は、
図11における光ディスクの下面側から照射され、光源から最も遠い記録層がL0、最も近い記録層がL2となっている。光源の焦点位置を上下に移動させることで記録層L0〜L2の情報が記録又は再生される。
【0061】
記録層L0のデータ領域20には、情報トラックに沿ってコンテンツ情報が記録され、記録層L1のデータ領域20には、更にこの続きのコンテンツ情報が記録される。また、本実施の形態においては、記録層L0におけるコンテンツ情報の記録終了位置と、記録層L1におけるコンテンツ情報の記録開始位置としては、コンテンツ情報中の切り替えに適した部分が採用される。更に、記録層L1のデータ領域20に記録されたコンテンツ情報がリンク情報を含み、記録層L2のデータ領域20には、このリンク情報のリンク先の情報が記録されている。また、記録層L1におけるリンク情報の記録終了位置と記録層L2におけるリンク先の情報の記録開始位置との光ディスクの中心からの距離は、略一致している。
【0062】
尚、本実施の形態に係るコンテンツ情報の記録方法を採用した場合、
図11に示す通り、記録層Lk(k=0及び1)に記録されたコンテンツ情報の情報量が、記録層Lk+1に記録されたコンテンツ情報の情報量よりも多くなる。また、記録層Lk中のコンテンツ情報が記録された領域は、記録層Lk+1中のコンテンツ情報が記録された領域を全て包含する。
【0063】
本実施の形態に係る光ディスクを用いた場合、記録層L1のデータ領域20に記録された情報の読み出しを行いつつ、外部操作等の条件に応じて記録層L2のデータ領域20に記録されたリンク先の情報を迅速に読み出すことが可能である。従って例えば、このような光ディスクを映画等の記録に用いた場合、操作に応じて映画のシーンにまつわる注釈等を表示することも可能である。
【0064】
[その他の実施の形態に係る光ディスク]
上記実施の形態に係る光ディスクは、いずれも記録層を3層有していたが、記録層を4層以上有する光ディスクにおいては、更に記憶容量が増大する。従って、本発明は、4層以上の記録層を有する光ディスクにも適用可能である。
【0065】
また、例えば光ディスクにn(3≦n)層の記録層を設けた場合、情報再生用の光源から最も離れた層からk(1≦k≦n−1)層目の記録層に記録されたコンテンツ情報の情報量が、k+1層目の記録層に記録されたコンテンツ情報の情報量よりも多くなるように調整する事も可能である。
【0066】
また、上記第5の実施の形態に係る光ディスクは、記録層L1に記録されたコンテンツ情報を読み出しつつ記録層L2に記録されたコンテンツ情報にアクセス可能に構成されていた。しかしながら、例えば記録層L0に記録されたコンテンツ情報を読み出しつつ記録層L1又はL2に記録されたコンテンツ情報にアクセス可能に構成しても良い。更に、光ディスクが記録層を4層有する場合には、例えば記録層L0及びL2にリンク情報を含む一連のコンテンツ情報を記録し、記録層L1及びL3に、それぞれリンク先の情報を記録しても良い。
【0067】
また、上記実施の形態に係る光ディスクにおいては、いずれも記録層L0のPIC領域にコンテンツ情報の各記録層における記録開始位置や終了位置を記録していたが、PIC領域以外の領域にこれらデータを記録することも可能である。
【0068】
更に、上記実施の形態に係る光ディスクにおいて、例えば光ディスクの中心から所定の距離以降の領域にデータが記録されていない場合には、このデータが記録されていない領域に絵柄の表示を行うことも可能である。絵柄の表示は、例えば図中のピット、グルーブ又はランドを利用したピットアートによって行うことも考えられるし、例えば上記データが記録されていない領域に印刷を行うことによって行うことも考えられる。これにより、光ディスクの付加価値を増加させることが可能となる。