(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442488
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】ルミネセンス顕微鏡検査
(51)【国際特許分類】
G01N 21/64 20060101AFI20181210BHJP
G02B 21/00 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
G01N21/64 E
G01N21/64 F
G02B21/00
【請求項の数】15
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-515770(P2016-515770)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(65)【公表番号】特表2016-520837(P2016-520837A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】EP2014060892
(87)【国際公開番号】WO2014191382
(87)【国際公開日】20141204
【審査請求日】2017年5月11日
(31)【優先権主張番号】102013009042.3
(32)【優先日】2013年5月28日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506151659
【氏名又は名称】カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エンゲル、イェルク
(72)【発明者】
【氏名】カルクブレナー、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】バッセ、ウォルフガング
【審査官】
吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−331887(JP,A)
【文献】
米国特許第07675045(US,B1)
【文献】
特表2010−540994(JP,A)
【文献】
特開2009−229715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62−74
G02B 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
標識分子で標識された試料の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法であって、該標識分子がルミネセンス放射線の放出のために励起可能であり、かつその際、画像撮影が以下の工程、すなわち
a)該試料中に存在する該標識分子の一部の量を、ルミネセンス放射線の放出のために励起する工程、
b)光学撮影機器(1)により捕捉領域内の該標識分子を結像し、かつ該標識分子の該結像の時点を、該光学撮影機器(1)の作動時点として信号整形器(3)に伝送する工程、前記作動時点は前記光学撮影機器により伝送され、
c)該結像をフレーム取り込み器(2)に伝送する工程、
d)該作動時点を前記信号整形器(3)からデータ記録器(4)に伝送する工程、
e)該光学撮影機器(1)の対物レンズに対する深さ方向での該試料の位置を、該データ記録器(4)において受信する工程、
f)前記作動時点を用いて前記標識分子の前記結像の時点での前記試料の前記位置を決定し、前記試料の前記位置を、前記結像と前記位置を一緒にする前記フレーム取り込み器(2)に伝送する工程
を有している、高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項2】
前記光学撮影機器(1)の対物レンズに対する深さ方向での前記試料の位置決めが、以下の工程、すなわち
前記試料の垂直方向の位置を設定するための信号を信号生成器(5)によって生成する工程、および
該対物レンズに対する前記試料の位置を制御する工程
を有している、請求項1に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項3】
前記標識分子が、前記標識分子が、活性化が行われた後に初めてルミネセンス放射線の放出のために励起可能となるように活性化され、かつ画像撮影がさらに以下の工程、すなわち
ルミネセンス放射線を放出させるため、前記試料中に存在する前記標識分子の一部の量を活性化する工程を有するように、行うことができる、請求項1または2に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項4】
前記信号整形器(3)が、深さ方向での位置の発動のために信号生成器(5)に制御信号を提供する、請求項1、2、または3のいずれか1項に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項5】
前記試料の測定が、多数の画像撮影および位置決めを含んでおり、その際、前記試料の前記位置と関連した該画像撮影が、層画像へと組み合わされる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項6】
前記作動時点が、前記標識分子の励起および活性化のうちの少なくとも一つのためのコントロール信号として使用される、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項7】
前記照明用ビーム経路の前記遮蔽が、前記光学撮影機器(1)の読み出し時間中に行われる、請求項6に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項8】
調節要素(6)が、前記試料の垂直方向の位置を制御し、かつ前記標識分子の前記結像の時点での前記試料の前記位置を前記データ記録器(2)に伝送する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項9】
前記試料の位置の前記制御が、前記光学撮影機器(1)の読み出し時間中に行われる、請求項8に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項10】
前記調節要素(6)が前記試料または前記光学撮影機器(1)の前記対物レンズを位置決めする、請求項8に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項11】
調節要素(6)が任意の位置シーケンスを制御すること、および位置決めを連続的に実行することのうちの少なくとも一方が行われる、請求項7乃至10のいずれか1項に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項12】
標識分子で標識された試料の高解像度ルミネセンス顕微鏡であって、該標識分子がルミネセンス放射線の放出のために励起可能である、高解像度ルミネセンス顕微鏡において、
該試料中に存在する該標識分子の一部の量を、ルミネセンス放射線の放出のために励起するように構成されたレーザ装置(7)と、
光学撮影機器(1)であって、捕捉領域内の該標識分子を結像し、かつ該標識分子の該結像の時点を、該光学撮影機器(1)の作動時点として生成するように構成された前記光学撮影機器(1)と、
該結像を前記光学撮影機器(1)から受信するように構成されたフレーム取り込み器(2)と、
前記作動時点を前記光学撮影機器から受信するように構成された信号整形器(3)と、
前記作動時点を前記信号整形器(3)から受信し、かつ前記光学撮影機器(1)の対物レンズに対する深さ方向での該試料の位置を受信するように構成されたデータ記録器(4)と
を備え、
前記データ記録器(4)は、前記作動時点を用いて前記標識分子の前記結像の時点での前記試料の前記位置を決定し、前記試料の前記位置を、前記結像と前記位置を一緒にする前記フレーム取り込み器(2)に伝送する、高解像度ルミネセンス顕微鏡。
【請求項13】
前記信号整形器(3)が、前記標識分子の前記結像と同期して、信号生成器(5)に制御信号を提供する、請求項4に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項14】
照明用ビーム経路を遮蔽するために、前記作動時点が、前記標識分子の励起および活性化のうちの少なくとも一つのためのコントロール信号として使用される、請求項6に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【請求項15】
前記調節要素(6)は圧電式の調節要素を含む、請求項8に記載の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標識分子で標識された試料の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法に関し、この標識分子がルミネセンス放射線の放出のために励起可能であり、およびルミネセンス顕微鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
生物標本の調査には、細胞の一部のような試料を特異的に標識するため、ルミネセンス顕微鏡検査において決定された色素、例えばリンまたは蛍光体を使用する。励起放射線である照明放射線で試料を照明し、それにより励起されたルミネセンス放射線を検出器によって捕捉する。このために顕微鏡には例えば、ルミネセンス放射線を励起放射線から分離し、別々の観察を可能にするビームスプリッタおよびブロックフィルタが設けられている。こうすることで、顕微鏡において細胞の様々に着色された幾つかの部分を表示することができる。マルチルミネセンスでは、標本の複数の部分が、標本の異なる構造に特異的に付加された様々な色素によって同時に着色される。さらに、色素添加なしでルミネセンスを発する試料を測定することができる。この場合、ルミネセンスは燐光および蛍光の上位概念として理解される。
【0003】
こうして、光学的放射線により活性化可能な標識分子または標識物質を使用することが知られている。この標識分子は、活性化状態でのみ、特定のルミネセンス放射線の放出のために励起され得る。活性化されていない標識分子は、励起放射線の照射後もルミネセンス放射線をまったくまたは少なくとも顕著には発しない。つまり活性化放射線が、標識物質をルミネセンスのために励起可能な状態にもっていく。他の活性化、例えば熱による方法も可能である。その際、活性化放射線は、活性化された標識分子の少なくともある程度の割合が、隣接する活性化された分子から離隔しているように適用される。ルミネセンス放射線を撮影した後、この孤立した分子に関し、その解像限界に条件づけられた放射分布の中心が確定され、それを基に計算によって分子の位置が比較的高い精度で決定される。
【0004】
ルミネセンス顕微鏡検査では、位置決定は光学撮影機器、例えばナノメートル範囲内までの精度をもつ高感度カメラによって行われる。標識分子の位置特定に関しては様々な画像評価法が知られている。しかし位置特定の高い精度は横方向にしか、つまり撮影機器の画像面に割り当てられた平面内でしか達成されない。つまりこれらの方法は、この点で2次元の試料分析に制限されており、この平面は例えばxy平面と呼ばれる。
【0005】
試料の結像に関する深さ方向を例えばzで表している第3の次元において、ルミネセンスを発する標識分子の位置を特定することに関し、現況技術から複数の手法が知られている。この場合は、フレームとも呼ばれる1つの層の画像撮影をした後、次の層のさらなる画像を撮影するために試料または撮影機器の対物レンズを深さ方向で変位させる。これら画像撮影はその後、すべての層を含む層画像へと組み合わされる。層画像を作成するには、各々の画像撮影を、深さ方向での試料の位置と結びつけなければならない。
【0006】
その際、画像撮影から画像撮影への深さ方向の間隔は、対物レンズの焦点深度(または捕捉領域とも言う)より大きくなってはならない。なぜなら、そうでないと層画像内に欠落箇所が生じるからである。したがって質的に高価値の層画像を得るには、標識分子の位置特定に基づき、多数の画像を撮影しなければならない。
【0007】
これに関し、標識分子を使用する場合は追加的な問題が生じる。励起放射線または活性化放射線は、単一画像の画像領域には制限されず、つまり画像領域の上および下の標識分子も励起または活性化される。こうなると、より浅いまたはより深い層でのさらなる画像撮影のためにこれらの標識分子を使うことができなくなる。試料は、励起放射線または活性化放射線によって退色する。
【0008】
この効果を減らすため、(非特許文献1)により、多くの個々の画像撮影の測定工程中に試料を深さ方向で変位させることが提案されており、この試料は、測定中に励起放射線または活性化放射線で照射される。この場合、試料の退色は、この測定工程全体のすべての層に割り振られる。
【0009】
これに関する本質的な問題は、各々の個々の画像撮影に対して深さ方向の試料の位置を決定することである。なぜなら試料の退色に基づき、測定の全体時間が位置決定によって延長されてはならないからである。それだけでなく深さ方向の位置の、決定された信号形態を得るために、任意のシーケンスにおける任意の位置を使用できなければならない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】ムロジアノスキーら(Mlodzianoski et al.)、Optics Express 19、15009(2011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって本発明の課題は、深さ方向での任意の位置軌道を有する試料の1つの位置の画像撮影が遅滞なく可能な方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はこの課題を請求項1に基づき、標識分子の励起および結像を含み、作動時点および作動時点での試料の位置の伝送を含むルミネセンス顕微鏡検査方法によって解決する。さらなる有利な形態は従属請求項から明らかである。
【0013】
試料の高解像度ルミネセンス顕微鏡検査方法では、ルミネセンス放射線の放出のために励起可能であるかまたは自らルミネセンス発光性である標識分子、例えば合成色素または蛍光を発するタンパク質が用いられる。試料中に存在する標識分子が自己ルミネセンス発光性でない場合、試料の1つの層を画像撮影するには、最初に、試料中に存在する標識分子の一部の量を、ルミネセンス放射線の放出のために励起する。この励起は、例えば光学的にレーザによって、または熱によって行うことができる。その際に留意すべきは、これらの領域が少なくとも部分的に相前後しており、かつ部分的に重なり合っていること、およびこれらの領域が検出に際して識別可能であるように照射されることである。
【0014】
放射線は、深さ方向を横切って存在するシート光の形態で照射することができる。この場合、深さ方向での試料の変位は、シート光の半分の厚さより小さいことが好ましい。その代わりに、互いに深さ方向で重なり合うように存在している2つのシート光を用いてもよい。このシート光は、検出軸に対して角度をつけて、例えば深さ方向において照射される照明である。その際、一般的に照明領域は、検出光学系によって設定された検出面の領域を含んでいる。この照明は、例えばアナモフィック光学系を用いて平行にも、励起ビームを用いたラスタ走査によりシーケンシャルにも行うことができる。両方の形態から成る組合せも可能である。
【0015】
次の工程では、捕捉領域内の標識分子が光学撮影機器、例えばカメラによって結像され、かつこの結像が、フレーム取り込み器(またはフレームグラバとも言う)に伝送される。
【0016】
続く方法工程は、標識分子の結像の時点を、光学撮影機器の作動時点として信号整形器(またはシグナルシェーパとも言う)に伝送することを含んでいる。信号整形器は、後のさらなる加工および利用のために作動時点を記憶する。この信号整形器は、データまたはデータフォーマットに関し、作動時点のことによると必要な処理を実施する。
【0017】
次に、作動時点がデータ記録器に伝送され、このデータ記録器はさらなる加工のために作動時点を記憶する。次の工程では、光学撮影機器の対物レンズに対する深さ方向またはz方向での試料の位置が、データ記録器に伝送される。
【0018】
本方法の有利な一形態では、深さ方向での試料の位置を伝送する前に、試料の垂直方向の位置を設定するための信号を信号生成器によって生成し、かつ対物レンズに対する試料の特定の位置を制御する。この場合、試料または対物レンズを変位することができる。
【0019】
本発明のさらなる有利な一形態では、標識分子の活性化は、この標識分子が、活性化が行われた後に初めてルミネセンス放射線の放出のために励起可能であり、かつ画像撮影がさらに、ルミネセンス放射線を放出させるため、試料中に存在する標識分子の一部の量を活性化することを有するように、行うことができる。
【0020】
本発明の特に有利な一実施形態では、信号整形器が、垂直方向の位置の発動のために信号生成器に制御信号を提供する。この制御信号は、標識分子の結像と同期していることが好ましい。
【0021】
さらなる一実施形態では、データ記録器が作動信号を用いて標識分子の結像の時点での試料の位置を決定し、かつフレーム取り込み器に伝送し、このフレーム取り込み器は、結像と位置を一緒にするかまたは結びつける。
【0022】
本発明のさらなる有利な一実施形態では、作動信号が、標識分子の励起および活性化のうちの少なくとも一方のためのコントロール信号として使用される。これはとりわけ、照明用ビーム経路、例えばレーザの、ブランキングとも言う遮蔽のために使用することができる。これに関する一形態では、照明用ビーム経路の遮蔽が、光学撮影機器の読み出し時間、例えば無駄時間中に行われる。
【0023】
本発明の一実施形態では、調節要素が試料の垂直方向の位置を制御し、かつ標識分子の結像の時点での試料の位置をデータ記録器に伝送する。この調節要素は、圧電式の調節要素として形成されるのが好ましい。これに関して有利な一形態ではさらに、試料の位置の制御が、光学撮影機器の読み出し時間または無駄時間中に行われる。さらなる一形態では、調節要素が試料または光学撮影機器の対物レンズのいずれかを位置決めする。この場合に重要なのは、対物レンズに対する試料の相対的な位置である。これに関する特に有利な一形態では、調節要素が、z信号形態とも呼ばれる任意の位置シーケンスを制御する。その際、位置決めを連続的に行うことができる。
【0024】
上で挙げた特徴および下でさらに説明する特徴を、提示した組合せでだけでなく、他の組合せまたは単独でも本発明の枠を超えることなく用い得ることは自明である。
本発明のさらなる特徴、細部、および利点は、請求項の文言および図に基づく例示的実施形態の説明から明らかである。
【0025】
本発明のさらなる細部を、図に基づく好ましい例示的実施形態に関する以下の文章によりさらに詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】ルミネセンス顕微鏡検査のための画像撮影の概略的なフロー図。
【
図2】同期した位置生成を伴う、ルミネセンス顕微鏡検査のための画像撮影の概略的なフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
符号およびその意味は符号リストにまとめている。一般的に同じ符号は同じ部分を示している。
図1は、ルミネセンス顕微鏡検査のための画像撮影のフローを概略図で示している。試料中に存在する標識分子の一部の量をルミネセンス放射線の放出のために励起した後、光学撮影機器1が捕捉領域内の標識分子を結像し、かつ結像のデータをフレーム取り込み器2に伝送する。この撮影機器1は例えば自走式であり、この場合、画像撮影は撮影機器1によって規定されている。
【0028】
撮影機器1は、結像の時点を作動時点として信号整形器3に伝送する。続いて作動時点がデータ記録器4に伝送される。データ記録器4は作動信号を用いて標識分子の結像の時点での試料の位置を決定し、かつこの位置をフレーム取り込み器2に伝送する。結像のデータはフレーム取り込み器2により作動時点での試料の位置と一緒にされ、これによりいわゆるフレームが、または1つの層の画像撮影が生じる。測定が終了した後、これらのフレームまたは層を試料の3次元の層画像へと一緒にする。
【0029】
光学撮影機器1の対物レンズに対する深さ方向またはz方向での試料の位置決めは、信号生成器5を用いて試料の垂直方向の位置を設定するための信号を生成することによって行われる。これは通常の場合、試料の測定前に1回行われ、ただし測定中にも行うことができ、かつ任意に何回も繰り返すことができる。測定中に、各々の層に基づき、信号に対応して新たな位置が制御される。その際、調節要素6、例えば圧電式の調節要素が、試料の垂直方向の位置を制御する。さらに試料の位置は、好ましくは撮影機器1の読み出し時間中に調節要素6によって制御される。この調節要素は、標識分子の結像の時点での試料の位置をデータ記録器4に伝送する。これに関し、標識分子の結像の時点での試料の位置を、追加的にまたは排他的に信号生成器5により、設定信号としてアナログまたはデジタルの形態でデータ記録器4に送ることもできる。
【0030】
調節要素6は、例えばz信号形態での任意の位置シーケンスを制御する。これに関し任意の信号形態は、例えば周期的または確率論的に選択することができる。さらに、調節要素6による試料の位置決めを連続的に行うことができる。調節要素は、試料の位置の実信号をアナログまたはデジタルの形態で生成し、データ記録器4に追加的にまたは排他的に送るため、内部の位置センサを追加的に備えることができる。
【0031】
それだけでなく例えば、照明用ビーム経路、レーザ7の遮蔽またはブランキングを制御するために、撮影機器1の作動信号を、標識分子の励起および活性化のうちの少なくとも一方のためのコントロール信号として使用することができる。この遮蔽は、なかでも試料の不要な退色を避けるために必要である。試料が退色すると、画像領域の上および下の標識分子が励起または活性化される。こうなると、より浅いまたはより深い層でのさらなる画像撮影のためにこれらの標識分子を使うことができなくなる。レーザ7の遮蔽またはブランキングでは、1つの層の結像が行われて、最新データの加工工程および次の層のための位置決め工程が進行し始めるとすぐに、レーザ信号が遮蔽される。
【0032】
図2は、同期した位置生成方法を説明している。この場合、
図1におけるような方法が、深さ方向での試料の位置決めを信号整形器3によって作動させるという相違点を伴って進行する。したがって位置決めは、撮影機器1の画像撮影に同期して、例えば予め規定された位置リストが発動されることによって行われる。
【符号の説明】
【0033】
1 撮影機器
2 フレーム取り込み器
3 信号整形器
4 データ記録器
5 信号生成器
6 調節要素
7 レーザ