特許第6442523号(P6442523)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442523
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】回転軸シール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/18 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   F16J15/18 C
【請求項の数】14
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-558065(P2016-558065)
(86)(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公表番号】特表2017-512949(P2017-512949A)
(43)【公表日】2017年5月25日
(86)【国際出願番号】US2015021875
(87)【国際公開番号】WO2015143401
(87)【国際公開日】20150924
【審査請求日】2016年9月16日
(31)【優先権主張番号】61/968,434
(32)【優先日】2014年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・ボスコフスキー
【審査官】 杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0242927(US,A1)
【文献】 特開平04−266664(JP,A)
【文献】 実開昭63−101366(JP,U)
【文献】 特表2013−511012(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0131475(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00 − 15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸シールであって、
中心軸と内面を形成する開口を有する環状の本体と、
前記環状の本体内部に少なくとも部分的に位置し、径方向に延在し、前記環状の本体と前記環状の本体の前記開口の内部に配設された軸の間にシールを形成するように構成されたシーリング要素と、
前記シーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素と、を備え
前記環状の本体は、前記環状の本体が配置される筐体に対してシールを提供する外径を備える、前記回転軸シール。
【請求項2】
回転軸シールであって、
中心軸を形成し、開口及び保持要素を有する環状の本体と、
前記環状の本体内部に少なくとも部分的に配設され、フランジを有するシーリング要素と、を備え、
前記シーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素と、を備え
前記環状の本体は、前記環状の本体が配置される筐体に対してシールを提供する外径を備える、前記回転軸シール。
前記回転軸シール。
【請求項3】
回転軸シールであって、
中心軸を形成し、開口及びC字形状の断面を有する環状の本体と、
前記環状の本体内部に少なくとも部分的に配設されたシーリング要素と、
前記シーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素と、を備え、
前記シーリング要素は、断面がU字形であり
前記環状の本体は、前記環状の本体が配置される筐体に対してシールを提供する外径を備える、前記回転軸シール。
【請求項4】
前記回転軸シールは、前記開口を介して軸を受容するように構成されており、前記軸の直径は10mm以下である、請求項3に記載の回転軸シール。
【請求項5】
前記環状の本体は、C字形状の断面を有する請求項1及び2のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項6】
前記環状の本体が第1の端部と第2の端部を有する外側部材と、前記外側部材の前記第1の端部に近接して配設され、前記外側部材から径方向内方に延在する第1のフランジと、前記外側部材の第2の端部に近接して配設され、前記外側部材から径方向内方に延在する第2のフランジと、を形成する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項7】
前記第1のフランジが、前記外側部材から測定した時に径方向の距離D1だけ延在し、前記第2のフランジは、前記外側部材から測定したときに径方向の距離D2だけ延在し、D1/D2は、少なくとも1.05である、請求項6に記載の回転軸シール。
【請求項8】
環状の本体は、前記開口の前記中心軸に同軸であるとともに前記中心軸から前記環状の本体内まで延在する環状の空洞を形成する請求項1ないし7のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項9】
前記シーリング要素は、少なくとも部分的に前記環状の空洞の内部に配設される請求項8に記載の回転軸シール。
【請求項10】
前記シーリング要素は、断面がU字形状である請求項1、2、及び4ないし9のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項11】
前記シーリング要素は、断面がV字形状である請求項1、2、及び4ないし9のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項12】
前記シーリング要素の少なくとも一部が前記付勢要素と前記環状の本体の間に位置する請求項1、2、及び4ないし11のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項13】
前記付勢要素は、断面がL字形状である請求項1、2、及び4ないし12のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【請求項14】
前記回転軸シールは、システム圧3000mbar、室温、500,000サイクルで測定すると、漏出率が約15mL/分以下、例えば、約14mL/分以下、約13mL/分以下、約12mL/分以下、約11mL/分以下、約10mL/分以下、約5mL/分以下、または約2mL/分以下である請求項1ないし13のいずれか1項に記載の回転軸シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸シールに関し、さらに詳しくは、付勢要素を有する軸シールに関する。
【背景技術】
【0002】
回転または往復機械は、軸を駆動する閉鎖された内部機構を特徴付けることができる。場合によっては、その軸は、一端または両端がその機械の筐体を通り抜けることができる。そのような場合、回転軸シール、リップシールと呼ばれることもあるが、出口点の近くに配設して筐体内のオイルやグリースのような潤滑流体を保持するとともに、湿気や埃のような汚染物の侵入を防ぐことができる。回転軸シールは、筐体対してシールを形成する外径を有し、軸に対してシールを形成するシーリングリップを有していてもよい。シーリングリップは、過分な摩擦や摩耗を起こすことなく軸に対して径方向に負荷をかけて十分な密閉特性を提供しなければならない。
【0003】
シーリング特性が改善された回転軸シールのニーズが依然として必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
実施形態は、例示のために示すものであり、添付の図面に限定されない。
図1図1は、実施形態によるシールの上断面図である。
図2図2は、実施形態によるシールの上断面図である。
図3図3は、実施形態による付勢要素の斜視図である。
図4図4は、実施形態による付勢要素の斜視図である。
図5A図5Aは、実施形態によるシールの上断面図である。
図5B図5Bは、実施形態によるシールの斜視断面図である。
図6A図6Aは、実施形態によるシールの上断面図である。
図6B図6Bは、実施形態によるシールの斜視図である。
図7A図7Aは、実施形態によるシールの上断面図である。
図7B図7Bは、実施形態によるシールの斜視図である。
図8図8は、実施形態による軸に係合するシールの上断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図面に関連付けた下記の説明は、ここで開示された教示の理解を助けるためのものである。下記の説明では、その教示の特定の実施及び実施形態に焦点を当てる。この焦点は、その教示を説明するのを助けるために提供するものであり、その教示の範囲や応用性を限定するものとして理解されるべきではない。しかしながら、本願にて開示された教示に基づき、他の実施形態も利用可能である。
【0006】
備える、含む、有する、などの語、または他の変形は、非排他的な含有を意味するよう意図して使用している。例えば、一連の特徴を有する方法、物品、または装置は、必ずしもこれらの特徴のみに限定されるものではなく、それらの方法、物品、または装置に明示的に列記されていなくても、他の特徴も含みうるものである。さらに、明らかに反対のことを述べない限り、「または」という表現は、包括的な「または」であり、排他的な「または」ではない。例えば、条件AまたはBとは、下記のうちのいずれか1つによって満たされるものである。Aは真実(または存在する)でBは虚偽(または存在しない)、Aは虚偽(または存在しない)でBは真実(または存在する)、そして、AとBともに真実(または存在する)。
【0007】
また、不定冠詞も、ここで説明する要素や構成要素を説明する際に使用する。これは、単に便宜上、また、本発明の一般的な範囲を表す意味で使用するものである。この説明は、そうでないことが明らかでない限りは1つ、少なくとも1つ、あるいは単数を含むだけでなく、複数、またはその逆も含むものとして読取るべきである。例えば、単数の項目をここで説明した場合、単数の項目の変わりに2つ以上の項目を使用してもよい。同様に、ここで2つ以上の項目を説明した場合、2つ以上の項目の代わりに単一の項目に置き換えてもよい。
【0008】
特に定義しない限り、ここで使用するすべての技術的、科学的用語は、本発明が帰属する一般の当業者の一人によって一般的に理解されるものと同じ意味を持つものとする。材料、方法、及び例は、単に例示を目的とするものであり、限定することを意味するものではない。ここで説明しないが、特定の材料に関する多くの詳細と処理作業は従来どおりであり、軸シール分野の教本や他の資料で見つけることができよう。
【0009】
第1の局面では、軸シールは、概ね、本体、すなわち環状の本体と、前記本体の内部に配設されたシーリング要素と、回転軸に対してシーリング要素を付勢するように構成された付勢要素とを備えていてもよい。
【0010】
まず図1を参照する。シール1は、概ね、環状の本体2と、少なくとも部分的に環状の本体2の内部に位置するシーリング要素4とを備えていてもよい。
【0011】
環状の本体2の材料のブリネル硬度(HB)は、約70から150を含むそれらの間の範囲、例えば、約75から約145の間の範囲、約80から約140の間の範囲、約85から約135の間の範囲、約90から約130の間の範囲、約95から約125の間の範囲、約100から約120の間の範囲、または約105から約115の間の範囲でもよい。
【0012】
また特定の局面では、環状の本体2の材料の最大抗張力は、少なくとも約350メガパスカル(MPa)、例えば、少なくとも約360MPa、少なくとも約370MPa、少なくとも約380MPa、少なくとも約390MPa、少なくとも約400MPa、あるいは少なくとも約410MPaでもよい。さらなる実施形態では、環状の本体2は、最大抗張力が約5000MPa以下、例えば、約4000MPa以下、約2000MPa以下、約1000MPa以下、あるいは約500MPa以下のような材料を含んでいてもよい。さらに、環状の本体2の材料の抗張力は、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約275と約355の間でもよい。
【0013】
別の局面では、環状の本体2は、弾性係数(MOE)が約10MPaと約1000MPaの間、例えば、約15MPaと約750MPaの間、約20MPaと約500MPaの間、約30MPaと約250MPaの間、約45MPaと約200MPaの間、約75MPaと約150MPaの間、あるいは約90MPaと約130MPaの間の材料を含んでいてもよい。さらに別の特殊な実施形態では、環状の本体2は、MOEが約100MPaと約125MPaの間の材料を含んでいてもよい。
【0014】
さらに別の局面では、環状の本体2の材料の熱膨張係数(CTE)は、約1x10−6in/in°Fと約75x10−6in/in°Fの間、例えば、約2x10−6in/in°Fと約50x10−6in/in°Fの間、約3x10−6in/in°Fと約25x10−6in/in°Fの間、約5x10−6in/in°Fと約15x10−6in/in°Fの間、あるいは約7x10−6in/in°Fと約11x10−6in/in°Fの間でもよい。
【0015】
さらに別の局面では、環状の本体2の材料の破断点伸び(EAB)は、約60%以下、例えば、約55%以下、約50%以下、約45%以下、約40%以下、約30%以下、約20%以下、あるいは約10%以下の材料を含んでいてもよい。さらなる実施形態では、環状の本体2の材料のEABは、約0.5%以上、例えば、約1%以上、約2%以上、あるいは約5%以上の材料を含んでいてもよい。さらに、環状の本体2の材料のEABは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約45%と約55%の間である材料を含んでいてもよい。
【0016】
ある実施形態では、環状の本体2は、金属を含んでいてもよい。例えば、特定の実施形態では、環状の本体2は、アルミニウム、ブロンズ、銅、または鉛を含んでいてもよい。
【0017】
他の実施形態では、環状の本体2は、合金を含んでいてもよい。例えば、限定しない実施形態では、環状の本体2は、銅−亜鉛合金、銅−亜鉛−鉛合金、銅−ニッケル−亜鉛合金、有鉛銅、真鍮、青銅、鉄、合金鉄、あるいは鋼などを含んでいてもよい。本開示は、いかなる場合も、上記の実施形態で述べたように、環状の本体2の材料によって限定されることを意図したものではない。例えば、さらに他の実施形態では、環状の本体2は、ポリマー、例えば、超高分子量ポリウレタン(UHMWPE)、ポリ(塩化ビニル)(PVC)、脂肪族ポリアミド、あるいはパラアラミド、例えばケブラーなどを含む。
【0018】
環状の本体2は、概ね筒型でもよく、さらに、内面8と中心軸10を形成する孔6を含んでいてもよい。また特定の局面では、孔6は、中心軸10と同軸、または略同軸でもよい。
【0019】
ある実施形態では、環状の本体2は、共に接続された多重要素で形成してもよい。多重要素は、例えば、溶融、焼結、溶接、ねじ山付きまたはねじ山なし係合、またはその組み合わせのような、従来技術で知られたいかなる方法によっても環状の本体2を形成するように係合されていてもよい。
【0020】
環状の本体2は、均質な組成を有していても、異なる組成を有する二つ以上の別の部分を含んでいてもよい。
【0021】
さらに、1つの限定しない実施形態では、すべての実施形態には適用できないが、環状の本体2はポリマーを含まなくてもよく、特に、いかなる/すべてのポリマーを本質的に含まないものでもよい。特定の局面では、環状の本体2の材料はいかなるコーティングも、または表面層を含まないものでもよい。
【0022】
環状の本体2は、その物理または化学特性を高めるための処理をしていなくてもしていてもよい。例えば、特定の実施形態では、環状の本体2はレーザ溶融または溶発、機械的サンドブラスティングまたは化学的なピッキングなどのような技術を使って処理してもよい。さらなる実施形態では、環状の本体2は亜鉛めっき、クロム酸塩またはリン酸処理または陽極化によって処理されたものでもよい。
【0023】
特定の局面では環状の本体2は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねC形状の断面を有していてもよい。別の局面では、環状の本体2は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、に見たときに例えば、概ねI形、概ねJ形、もしくは概ねL形のような、他の形状を有していてもよい。
【0024】
特定の実施形態では、環状の本体2は、第1の端部14と第1の端部14と反対側の第2の端部16を有する外側部材12を形成してもよい。第1のフランジ18は、外側部材12の第1の端部14に近接して配設しても、そこから径方向内側に延在してもよい。第2のフランジ20は、外側部材12の第2の端部16に近接して配設しても、そこから径方向内側に延在してもよい。
【0025】
第1と第2のフランジ18及び20は、それぞれ、外側部材12の最も内側の面から測定して、径方向D及びDに延在していてもよい。
【0026】
実施形態によっては、DはDと等しくてもよい。
【0027】
他の実施形態では、DはD以上でもよい。例えば、D/Dは、少なくとも1.01、例えば、少なくとも約1.05、少なくとも約1.25、少なくとも約1.50、少なくとも約1.75、少なくとも約2.0、少なくとも約2.25、少なくとも約2.50、少なくとも約2.75、あるいは少なくとも約3.0でもよい。さらなる実施形態では、D/Dは、約6.0以下、例えば、約5.0以下、約4.0以下、あるいは約3.5以下でもよい。さらに、D/Dは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約2.0と約2.75の間でもよい。
【0028】
外側部材12は、第1と第2の端部14及び16の間距離によって測定したときに、高さがHOMであってもよい。特定の実施形態では、HOM/Dは、少なくとも約0.5、例えば、少なくとも約0.75、少なくとも約1.0、少なくとも約1.25、少なくとも約1.5、あるいは少なくとも約2.0でもよい。さらなる実施形態では、HOM/Dは、約8.0以下、例えば、約7.0以下、約6.0以下、約5.0以下、約4.0以下、あるいは約3.0以下でもよい。さらに、HOM/Dは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約1.75と約2.25の間でもよい。
【0029】
ある実施形態では、HOM/Dは、少なくとも約0.75、例えば、少なくとも約1.0、少なくとも約1.25、少なくとも約1.5、あるいは少なくとも約2.0でもよい。さらなる実施形態では、HOM/Dは、約10.0以下、例えば、約9.0以下、約8.0以下、約7.0以下、約6.0以下、あるいは約5.0以下でもよい。さらに、HOM/Dは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約2.0と約2.5の間でもよい。
【0030】
特定の実施形態では、環状の本体2は、中心軸10から径方向外方に向けて環状の本体2内に延在する環状の空洞22を形成してもよい。環状の空洞22は、中心軸10と同軸でもよい。ある局面では、環状の空洞22は外側部材12の内面8と第1と第2のフランジ18及び20の間に形成された空間内に含まれていてもよい。
【0031】
環状の空洞22は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ね直線的な断面を形成していてもよい。さらに、環状の空洞は、1つ以上のフィレ、面取りした縁部、尖った要素、またはそれらの組み合わせを有していてもよい。
【0032】
シーリング要素4は、少なくとも部分的に環状の本体2の内部に配設されていてもよい。特に、シーリング要素4は、環状の本体2の環状の空洞22の内部に部分的に配設されていてもよい。
【0033】
特定の実施形態では、シーリング要素4は、第1のフランジ24と第2のフランジ26を形成してもよい。シーリング要素4の第1のフランジ24は、環状の本体2の第1と第2のフランジ18及び20間に配設されていてもよい。部材28は、第1と第2のフランジ24及び26の間に延在するか、あるいはそれらを結合してもよい。
【0034】
第1と第2のフランジ24及び26は、それぞれ、部材28から測定した長さがL及びLでもよい。特定の実施形態では、Lは、L図1)と等しくてもよい。
【0035】
別の実施形態では、Lは、L以上でもよい。例えば、L/Lは少なくとも約1.01、例えば、少なくとも約1.05、少なくとも約1.25、少なくとも約1.50、少なくとも約1.75、少なくとも約2.0、少なくとも約2.25、少なくとも約2.50、少なくとも約2.75、あるいは少なくとも約3.0でもよい。さらなる実施形態では、L/Lは、6.0以下、例えば、約5.0以下、約4.0以下、あるいは約3.5以下でもよい。さらに、L/Lは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約1.05と約1.25の間でもよい。
【0036】
ある実施形態では、シーリング要素4は、径方向の幅が、変形していない状態で第1と第2のフランジ24及び26の間の最大径方向距離によって測定したときに、径方向の幅がWでもよい。W/Lは少なくとも約0.05、例えば、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、あるいは少なくとも約1.0でもよい。W/Lは約3.0以下、例えば、約2.0以下、約1.5以下、約1.25以下、あるいは約1.05以下でもよい。さらに、W/Lは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約0.15と約0.25の間でもよい。
【0037】
第1のフランジ24は、変形していない状態、すなわちシール1が軸と係合前に、部材28に対して測定したときに、相対角Aを有していてもよい。特定の実施形態では、Aは、約90度より大きい、例えば、約100度より大きくても、約110度より大きくても、約120度より大きくても、約130度より大きくても、あるいは約140度より大きくてもよい。さらなる実施形態では、Aは、約180度より小さくても、例えば、約170度より小さくても、約160度より小さくても、約150度より小さくてもよい。さらに、Aは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約105度と約115度の間でもよい。
【0038】
同様に、第2のフランジ26は、変形していない状態で部材28に対して測定した時に相対角Aを有していてもよい。特定の実施形態では、Aは、約90度より大きい、例えば、約100度より大きくても、約110度より大きくても、約120度より大きくても、約130度より大きくても、あるいは約140度より大きくてもよい。さらなる実施形態では、Aは、約180度より小さい、例えば、約170度より小さくても、約160度より大きくても、約150度より小さくてもよい。さらに、Aは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約105度と約115度の間でもよい。
【0039】
変形していない状態で、角度AとAは、同じでも異なっていてもよい。さらに、LとLは、同じでも異なっていてもよい。これに関し、シーリング要素4は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、対称の断面図である必要はない。例えば、図2を参照すると、特定の実施形態では、シーリング要素4は、それぞれ分割された、または多角形の断面形状を有していてもよい。
【0040】
図1を参照する。特定の実施形態では、シーリング要素4は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねV字形の断面を有していてもよい。第1と第2のフランジ24及び26は、変形していない状態でその間を測定したときに相対角Aを形成することができる。ある局面では、Aは約20度以上、例えば、約30度以上、約40度以上、約50度以上、約60度以上、約70度以上、約80度以上、あるいは約90度以上でもよい。別の局面では、Aは約150度以下、例えば、約140度以下、約130度以下、約120度以下、約110度以下、あるいは約100度以下でもよい。さらに、Aは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約45度と約55度の間でもよい。
【0041】
ある局面では、シーリング要素4は、モノリシック構造から形成されていてもよい。別の局面では、シーリング要素4は、従来技術で知られた何らかの手段、例えば、機械的変形(例えば圧接やスプライン)、接着、溶接、溶融、またはそれらの組み合わせによって結合された多数の要素から形成してもよい。
【0042】
特定の実施形態では、シーリング要素4は、約0.01ギガパスカル(GPa)以上の、例えば、弾性係数(MOE)を有する材料を含んでいてもよい。約0.5GPa以上、約0.75GPa以上、あるいは約1.0GPa以上でもよい。さらなる実施形態では、シーリング要素4の材料のMOEは、5.0GPa以下、例えば、約4.0GPa以下、約3.0GPa以下、約2.0GPa以下、あるいは約1.5GPa以下でもよい。さらに、シーリング要素4の材料のMOEは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約0.45と約1.5の間でもよい。
【0043】
ある実施形態では、シーリング要素4はポリマーを含んでいてもよい。例えば、シーリング要素4の材料は、ポリケトン、ポリエステルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリルエーエルケトン(PEAK)、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、硫化ポリフェニレン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、フッ素重合体ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、またはその組み合わせを含んでいてもよい。フッ素重合体の例としては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレントリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、あるいは上記の工程の任の組み合わせを含む材料を含むものでもよい。フッ素重合体は、特定の実施形態で使用されている。
【0044】
特定の実施形態では、シーリング要素4の材料は定温硬質コーティング、例えば、その内部に含浸させたダイヤモンド様コーティング(DLC)を含んでいてもよい。特定の実施形態では、DLCは、各炭素原子が4つ炭素原子を等間隔で含む、ダイヤモンドに類似した格子構造を有していてもよい。あるいはシーリング要素4は、高速酸素燃料(HVOF)コーティングを使って内部に含浸させた材料を含んでいてもよい。HVOFコーティングは、シーリング要素の、摩耗や腐食に対する抵抗を大幅に高めることによってシーリング面の寿命を延ばすことができる。さらに、HVOFコーティングは、1平方インチに対して結合強度が約10,000ポンドのより円滑な表面仕上げに作用するようにしてもよい。
【0045】
特定の局面では、シーリング要素4はさらに、一つもしくはそれ以上の賦形剤、例えば、グラファイト、ガラス、芳香族ポリエステル(EKONOL(登録商標))、青銅、亜鉛、窒化ホウ素、炭素、及び/またはポリイミドなどを含んでいてもよい。PTFEなどのようなポリマー内のこれら賦形剤それぞれの濃度は、重量で1%より大きく、例えば、5%より大きく、10%より大きく、または20%よりも大きくてもよい。
【0046】
さらに、シーリング要素4は、さらに軸に対する摺動特性を高めるための潤滑剤を含んでいてもよい。例示の潤滑剤は、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、黒鉛、グラフェン、膨張黒鉛、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、またはその組み合わせを含んでいてもよい。さらに、潤滑剤は、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、マイカ、珪灰石、炭化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、カーボンブラック、色素、またはその組み合わせを含んでいてもよい。
【0047】
図2を参照する。シーリング要素4は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、厚みTSEを有していてもよい。特定の局面では、TSEは、変化するものでもよく、あるいはシーリング要素4全体にわたり略均一でもよい。
【0048】
特定の実施形態では、TSEは、約0.05インチ以上であり、例えば、約0.10インチ以上、約0.15インチ以上、あるいは約0.20インチ以上でもよい。さらなる実施形態では、TSEは、約1.5インチ以下、約1.25インチ以下、約1.0ンチ以下、約0.75インチ以下、約0.5インチ以下、あるいは約0.25インチ以下でもよい。さらに、TSEは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲でもよい。
【0049】
別の実施形態では、シーリング要素4の合計幅は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たときに、WSEとなるようにしてもよい。すなわち、L+L+W及びWSE/TSEは、少なくとも10、例えば、少なくとも約25、少なくとも約50、少なくとも約75、少なくとも約100、少なくとも約125、少なくとも約150、あるいは少なくとも約200でもよい。さらなる実施形態では、WSE/TSEは、約1000以下でもよく、例えば、約900以下、約800以下、約700以下、約600以下、約500以下、約400以下、あるいは約300以下でもよい。さらに、WSE/TSEは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約30と約45の間の範囲でもよい。
【0050】
図1から7を参照すると、ある実施形態では、シール1は、さらにシーリング要素4に隣接して位置する付勢要素30を含んでいてもよい。
【0051】
ある実施形態では、シーリング要素4は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たときに付勢要素30と環状の本体2との間に配設してもよい。このように、付勢要素30は、少なくともシーリング要素4の一部に対して少なくとも部分的に径方向の力をかけることができる。
【0052】
さらに特定の実施形態では、付勢要素30は、少なくとも部分的にシーリング要素4の内面32に沿って、例えば、径方向に見たシーリング要素4の第1と第2のフランジ24及び26の間に位置させることができる。このように、付勢要素30は、シーリング要素4の第1と第2のフランジ24及び26に径方向に付勢する力を提供してもよい。
【0053】
ある実施形態では、付勢要素30は、少なくとも、シーリング要素4の径方向または略径方向の一部を付勢するように構成されたバネを備えていてもよい。さらに特定の実施形態では、付勢要素30は、例えば、ガーターばね(図6)、リム付きばね(例えば図3)、または圧縮ばね(螺旋ばね)などをまげて環状にした環状ばねを備えていてもよい。
【0054】
限定しない実施形態では、付勢要素30は、中心軸10から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねL形状の断面を有していてもよい(図2及び3)。他の実施形態では、図5A及び5Bに示すように、付勢要素30は他の形状、例えば、概ねV字形、概ねU字形、概ねC字形、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0055】
ある実施形態では、付勢要素30は、軸方向の長さに沿って少なくとも部分的に延在する軸方向の隙間34を含むことができる。軸方向の隙間34により、軸方向の隙間がない円周方向に連続した付勢要素と比較すると、シール1の製造や組立てが容易になる。ある実施形態では、軸方向の隙間34周縁を固定して連続的な本体を形成してもよい。周縁は、例えば、溶接、機械的変形(例えば、圧接)、接着、ファスナ(ねじ山付き、またはねじ山なし)またはその組み合わせになど、隣接する部材を結合する周知の工程で固定することができる。
【0056】
図3に示すように、付勢要素30は、環状部材36と、環状部材36から延在する環状フランジ38を含むものでもよい。変形していない状態で、すなわち、シーリング要素4と係合する前に見たときに、環状部材36と環状フランジ38の間に相対角Aを形成してもよい。特定の実施形態では、Aは、約90度より大きくても、例えば、約100度より大きくても、あるいは約110度より大きくてもよい。さらなる実施形態では、Aは、約150度より小さくても、例えば、約140度より小さくても、約130度より小さくても、または約120度より小さくてもよい。さらに、Aは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約110度と約120度の間の範囲でもよい。
【0057】
環状部材36から延在する環状フランジ38の距離によって測定したときに、付勢要素30の環状部材36の径方向の幅はWAMでもよく、環状フランジ38の径方向の長さは、LAFでもよい。ある実施形態では、LAF/WAMは約1.0以上、例えば約1.25以上、約1.5以上、約1.75以上、あるいは約2.0以上でもよい。他の実施形態では、LAF/WAMは、約10以下、例えば、約5.0以下、約4.0以下、約3.0以下、あるいは約2.5以下でもよい。さらに、LAF/WAMは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約4.0と約4.5の間の範囲でもよい。
【0058】
さらなる実施形態では、図4に示すように、付勢要素30は環状フランジ38の反対側の環状部材36から延在する少なくとも1つの歯40を備えていてもよい。少なくとも1つの歯40は、環状部材36に対し、相対角Aを形成していてもよい。特定の実施形態では、Aは、約90度より大きくても、例えば、約100度より大きくても、あるいは約110度より大きくてもよい。さらなる実施形態では、Aは、約150度より小さくても、例えば、約140度より小さくても、約130度より小さくても、または約120度より小さくてもよい。さらに、Aは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約110度と約120度の間の範囲でもよい。
【0059】
付勢要素30は、代替的に複数の歯40、例えば、少なくとも2個の歯、少なくとも3個の歯、少なくとも4個の歯、少なくとも5個の歯、少なくとも6個の歯、少なくとも7個の歯、少なくとも8個の歯、少なくとも9個の歯、少なくとも10個の歯、少なくとも20個の歯、あるいは少なくとも50個の歯を有していてもよい。好ましい実施形態では、隣接する歯40を付勢要素30の周りの円周方向に均等に間隔を空けて設けてもよい。別の実施形態では、隣接する歯40は、付勢要素30の環状部材36の円周の周りで異なる間隔をあけて配置されていてもよい。
【0060】
各歯40の径方向の長さは、歯40が環状部材36から延在する距離によって測定されるとき、Lでもよい。特定の実施形態では、LAF/Lは約0.75以上、約1.0以上、約1.25以上、約1.5以上約1.75以上、あるいは約2.0以上でもよい。他の実施形態では、LAF/Lは約10.0以下、例えば、約5.0以下、約4.0以下、約3.0以下、あるいは約2.5以下でもよい。さらに、LAF/Lは、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば、約4.5と約5.5の間の範囲でもよい。
【0061】
ある実施形態では、付勢要素30の材料の弾性係数は、約5.0ギガパスカル(GPa)以上、例えば、約10.0GPa以上、約25.0GPa以上、約50GPa以上、約100GPa以上、あるいは150GPa以上でもよい。さらなる実施形態では、付勢要素30の材料の弾性係数は、約300GPa以下、例えば、約250GPa以下、あるいは約225GPa以下でもよい。さらに、付勢要素30の材料の弾性係数は、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約120MPaと約180MPaの間のでもよい。
【0062】
特定の局面では、付勢要素30の材料の抗張力は、約1000メガパスカル(MPa)以上、例えば、約1200MPa以上、あるいは約1500MPa以上でもよい。さらなる実施形態では、付勢要素30の材料の抗張力は、約2500メガパスカル(MPa)以下、例えば、約2000MPa以下、あるいは約1800MPa以下のような材料を含んでいてもよい。さらに、付勢要素30の材料の抗張力は、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば上記の値のいずれかを含むそれらの間、例えば、約1600MPaと約1750MPaの間のでもよい。
【0063】
別の局面では、付勢要素30の材料の熱膨張係数(CTE)は、約5.0x10−6in/in°Fと約15.0x10−6in/in°Fの間、例えば、約7.0x10−6in/in°Fと約12.0x10−6in/in°Fの間、約8.5.0x10−6in/in°Fと約11.5x10−6in/in°Fの間、あるいは約10.0x10−6in/in°Fと約10.5x10−6in/in°Fの間でもよい。
【0064】
特定の実施形態では、付勢要素30は、金属を含んでいてもよい。また別の特定の実施形態では、付勢要素30は、スチール、例えば、スプリングスチールでもよい。
【0065】
図7を参照する。特定の実施形態では、シール1は、筐体2内にシーリング要素4を保持するプレスリング42を含んでいてもよい。プレスリング42は、概ね環状のリングを含んでいてもよい。さらに、プレスリング42は、任意でフランジ18において筐体2に取り付けられていてもよい。例えば、プレスリング42は、溶接、接着、スプライン、機械的変形(例えば圧接)またはその組み合わせによって筐体2に取り付けてもよい。代替の実施形態では、プレスリング42は、筐体2と干渉嵌合を形成してもよい。
【0066】
ある実施形態では、組み立て中、プレスリング42の上面が筐体2の上面と面一となり、シーリング要素4が固定できる点にくるまでプレスリング42をシール1の中心軸10に沿って摺動させてもよい。また代替の実施形態では、プレスリング42の上面は、筐体2の上面の下方または上方でもよい。
【0067】
図8は、ここで示す実施形態に従った軸100の周囲に係合されたシール1の断面図である。このように、シーリング要素4の部分は、軸100との接触面44を形成することができる。シーリング要素4は付勢要素30によって径方向に付勢でき、これにより軸100に対してシーリング要素4の接触面44がかける力を増すことができる。
【0068】
図1に示すように、シーリング要素4の最小直径は、シーリング要素4の対向する直径方向に対向する内面の間の最短距離によって測定したときにDMINとなるようにしてもよい。当業者は、自由状態、すなわち、軸と係合する前のシーリング要素4の直径DMINは軸100の直径より小さくてもよいことは理解できよう。このように、シール1、すなわち、シーリング要素4は、軸100に対して有効なシールを形成してもよい。
【0069】
特定の実施形態では、付勢要素30は、シール1に取り付けられると、少なくとも約1.0キロパスカル(KPa)、例えば、少なくとも約5KPa、少なくとも約10KPa、少なくとも約25KPa、少なくとも約50KPa、少なくとも約100KPa、あるいは少なくとも約250KPaの径方向の付勢力を提供できるように構成されていてもよい。さらなる実施形態では、付勢要素30は、約500KPa以下、例えば、約400KPa以下、あるいは約300KPa以下の付勢力を提供するように構成されていてもよい。さらに、付勢要素30が提供する付勢力は、上記の値のいずれかを含むそれらの間の範囲、例えば約225KPaと約275KPaの間としてもよい。
【0070】
特定の実施形態では、シール1は、直径が約50mm以下、例えば約15mm以下、約10mm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、あるいは約5mm以下の軸100を受容するように構成してもよい。他の実施形態では、シール1は、直径が約51mmと約100mmの間の軸を受容するように構成してもよい。さらなる実施形態では、シール1は、直径が100mmより大きい軸を受容するように構成してもよい。
【0071】
シール1は、同時に有効なシール率を維持しながら広い温度範囲内で操作できるように構成してもよい。例えば、シール1は、約−275℃と約300℃の間の範囲内、たとえば約−250℃と約250℃の間の範囲内、約−100℃と約100℃の間の範囲内、あるいは約−40℃と約20℃の間の範囲内の温度で、約10mL/分/mm未満、例えば、約9mL/分/mm未満、約8mL/分/mm未満、約7mL/分/mm未満、約6mL/分/mm未満、約5mL/分/mm未満、約4mL/分/mm未満、約3mL/分/mm未満、約2mL/分/mm未満、約0mL/分/mm未満、約0.75mL/分/mm未満、約0.5mL/分/mm未満、約0.25mL/分/mm未満、約0.1mL/分/mm未満、あるいは約0.01mL/分/mm未満の漏出率を呈しながら操作するように構成してもよい。さらに、シール1は、上記の温度範囲内で、約0mL/分/mmの漏出率で操作できるように構成してもよい。
【実施例】
【0072】
サンプル1は、部分的に筐体内に配設されたV字形シーリング要素を有する筐体を含むシールである。シーリング要素は、厚みが約0.4mm、テスト前に測定したときの表面粗さは0.1、ASTM D1708にしたがって測定したときの伸長率は150%、そしてASTM D1708に従って測定した抗張力は17.2MPaである。サンプル1のシールは、内部付勢要素を持たない。
【0073】
サンプル2は、筐体と、部分的に筐体内に配設されたV字形シーリング要素と、L字型を有し、シーリング要素をここで示す実施形態に従って概ね径方向に付勢する付勢要素とを備えるシールである。シーリング要素は、厚みが約0.4mm、テスト前に測定したときの表面粗さは0.1、ASTM D638にしたがって測定したときの伸長率は450%、そしてASTM D638に従って測定した抗張力は26.9MPaである。
【0074】
静止試験は、まず、孔を有する外側要素の中に挿入する筒型軸を使って行う。各シールは、軸と孔の間の環状の空間の中に挿入する。サンプルは、室温(約23℃)に保たれ、漏出率を記録する。サンプル1と2は、−40℃と160℃の間で所定の率で循環させて、シール及び外側要素の孔に対して軸を静止させて漏出率を記録する。テストは、3回繰り返され、サンプル1及び2両者に対して平均漏出率を算出する。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】
表1及び2に示すように、サンプル2は、全温度サイクルを通して測定したとき、平均漏出率が約10mL/分であり、一方、サンプル1は、約22mL/分の平均漏出率である。よって、サンプル2は、サンプル1の平均漏出率に比べ、約45%の平均漏出率を呈する。
【0078】
そして、孔を有する外側要素の中に挿入する往復動筒型軸を使ってシールをテストする。各シールは、軸と孔の間の環状の空間の中に挿入する。サンプルは、室温(約23℃)に維持され、漏出率は、軸を毎秒1線形サイクルで往復させて記録する(1サイクルは、孔内で軸の線形に一回フルに移動する動きを含む)。シールは、それぞれ6段階のテスト条件を経ることになる。ステージ1では、システムの圧力は、0.00mbar、すなわち、シールの両サイド間で圧力の勾配はない状態で、200,000サイクル行う。ステージ2では、システムの圧力は1,000mbar、すなわち、圧力の勾配は1,000mbarとし、800,000サイクルを行う。ステージ3では、システムの圧力は2,000mbarとし、500,000サイクルを行う。ステージ4では、システムの圧力は2,000mbarとし、1,000,000サイクルを行う。ステージ5では、システムの圧力は2,000mbarとし、2,000,000サイクルを行う。ステージ6では、システムの圧力は3,000mbarとし、500,000サイクルを行う。
【0079】
【表3】
【0080】
表3に示すように、サンプル2は、毎秒1線形サイクルで往復する軸に露出すると、6つのすべてのテストステージ中の漏出率が同じ、もしくは低くなっている。
【0081】
項目
項目1
回転軸シールであって、
中心軸と内面を形成する開口を有する環状の本体と、
前記環状の本体内部に少なくとも部分的に位置し、径方向に延在し、前記環状の本体と前記環状の本体の前記開口の内部に配設された軸の間にシールを形成するように構成されたシーリング要素と、
前記シーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素と、を備える前記回転軸シール。
【0082】
項目2
回転軸シールであって、
中心軸を形成し、保持要素を有する環状の本体と、
前記環状の本体内部に配設された少なくとも部分的にシーリング要素と、
前記フランジ付きシーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素と、を備える前記回転軸シール。
【0083】
項目3
回転軸シールであって、
中心軸を形成し、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねC形の断面を有する環状の本体と、
前記環状の本体の内部に少なくとも部分的に配設され、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねU形の断面を有するシーリング要素と、を備える前記回転軸シール。
【0084】
項目4
前記本体が前記中心軸と同軸である開口を形成している項目2または3のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0085】
項目5
前記回転軸シールは、前記開口を介して軸を受容するように構成されており、前記軸の直径は、約50mm以下、約15mm以下、約10mm以下、約9mm以下、約8mm以下、約7mm以下、約6mm以下、あるいは約5mm以下である、項目3または4のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0086】
項目6
前記回転軸シールは、約−275℃と約300℃の間、約−250℃と約250℃の間、約−100℃と約100℃の間、あるいは約−40℃と約20℃の間の温度で動作するように構成されている前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0087】
項目7
環状の本体は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねC字形の環状の本体を有する項目1に記載の回転軸シール。
【0088】
項目8
前記環状の本体は、第1の端部と第2の端部を有する外側部材と、前記外側部材の前記第1の端部に近接して配設され、前記外側部材から径方向内方に延在する第1のフランジと、前記外側部材の前記第2の端部に近接して配設され、前記外側部材から径方向内方に延在する第2のフランジと、を形成する前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0089】
項目9
前記第1のフランジは、前記外側部材から測定したときに径方向の距離Dだけ延在し、前記第2のフランジは、前記外側部材から測定したときに径方向の距離Dだけ延在し、DはD以上である、項目8に記載の回転軸シール。
【0090】
項目10
/Dが少なくとも約1.01、少なくとも約1.05、少なくとも約1.25、少なくとも約1.50、少なくとも約1.75、少なくとも約2.0、少なくとも約2.25、少なくとも約2.50、少なくとも約2.75、あるいは少なくとも約3.0である、項目9に記載の回転軸シール。
【0091】
項目11
/Dは約6.0以下、約5.0以下、約4.0以下、または約3.5以下である、項目8または9のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0092】
項目12
前記外側部材の高さはHOMでありHOM/Dは、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、少なくとも約1.0、少なくとも約1.25、少なくとも約1.5、あるいは少なくとも約2.0である、項目9〜11のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0093】
項目13
OM/Dは、約8.0以下、約7.0以下、約6.0以下、約5.0以下、約4.0以下、または約3.0以下である、項目12に記載の回転軸シール。
【0094】
項目14
前記環状の本体は、前記開口の前記中心軸に同軸であるとともに前記中心軸から前記環状の本体内まで外方に延在する環状の空洞を形成する前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0095】
項目15
前記シーリング要素は、前記環状の空洞の内部に少なくとも部分的に配設される項目14に記載の回転軸シール。
【0096】
項目16
前記環状の本体の材料のブリネル硬度(HB)は、約70から約150の範囲内、約75から約145の範囲内、約80から約140の範囲内、約85から約135の範囲内、約90から約130の範囲内、約95から約125の範囲内、約100から約120の範囲内、あるいは約105から約115の範囲内である前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0097】
項目17
前記環状の本体の材料の抗張力は、少なくとも約350メガパスカル(MPa)、少なくとも約360MPa、少なくとも約370MPa、少なくとも約380MPa、少なくとも約390MPa、少なくとも約400MPa、少なくとも約410MPaである前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0098】
項目18
前記環状の本体の材料の抗張力は、約5000MPa以下、約4000MPa以下、約2000MPa以下、約1000MPa以下、あるいは約500MPa以下である前記いずれか1つの項目に記載の回転軸シール。
【0099】
項目19
前記環状の本体は、銅−亜鉛合金を含む前記いずれか1つの項目に記載の回転軸シール。
【0100】
項目20
前記環状の本体がさらに鉛を含む、項目19に記載の回転軸シール。
【0101】
項目21
前記シーリング要素の断面は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねU字形である前記項目1、2、または4〜20のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0102】
項目22
前記シーリング要素が第1の端部と第2の端部を有する部材と、前記部材の前記第1の端部に近接して配設され、前記部材から少なくとも部分的に径方向内方に延在する第1のフランジと、前記部材の第2の端部に近接して配設され、前記部材から少なくとも部分的に径方向内方に延在する第2のフランジとを形成する前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0103】
項目23
前記第1のフランジが、前記外側部材から測定した時に径方向の距離Dだけ延在し、前記第2のフランジは、前記外側部材から測定したときに径方向の距離Dだけ延在し、DはD以上である、項目22に記載の回転軸シール。
【0104】
項目24
/Dが少なくとも約1.01、少なくとも約1.05、少なくとも約1.25、少なくとも約1.50、少なくとも約1.75、少なくとも約2.0、少なくとも約2.25、少なくとも約2.50、少なくとも約2.75、あるいは少なくとも約3.0である、項目23に記載の回転軸シール。
【0105】
項目25
/Dは約6.0以下、約5.0以下、約4.0以下、または約3.5以下である、項目23または24のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0106】
項目26
外側部材の幅は、Wであって、W/Dは、少なくとも約0.05、少なくとも約0.1、少なくとも約0.25、少なくとも約0.5、少なくとも約0.75、あるいは少なくとも約1.0である、項目23〜25のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0107】
項目27
/Dが、約3.0以下、約2.0以下、約1.5以下、約1.25以下、または約1.05以下である、項目26に記載の回転軸シール。
【0108】
項目28
前記第1のフランジは、変形していない状態で測定したとき、外側部材との相対角度がAであり、Aは、約90度より大きい、約100度より大きい、約110度より大きい、約120度より大きい、約130度より大きい、あるいは約140度より大きい、項目22〜27のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0109】
項目29
は、約180度より小さい、例えば、約170度より小さい、約160度より小さい、または約150度より小さい、項目28に記載の回転軸シール。
【0110】
項目30
前記第2のフランジは、変形していない状態で測定したとき、外側部材との相対角度がAであり、Aは、少なくとも約90度、少なくとも約100度、少なくとも約110度、少なくとも約120度、少なくとも約130度、あるいは少なくとも約140度である前記項目22〜29に記載の回転軸シール。
【0111】
項目31
は、約180度より小さい、例えば、約170度より小さい、約160度より小さい、あるいは約150度より小さい、項目30に記載の回転軸シール。
【0112】
項目32
前記シーリング要素の断面は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねV字形である、前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0113】
項目33
前記シーリング要素は、変形していない状態でその間を測定したときに相対角度Aを有する第1のフランジと第2のフランジを備え、Aは、約20度以上、約30度以上、約40度以上、約50度以上、約60度以上、約70度以上、約80度以上、あるいは約90度以上である、項目32に記載の回転軸シール。
【0114】
項目34
は、約150度以下、約140度以下、約130度以下、約120度以下、約110度以下、あるいは約100度以下である、項目33に記載の回転軸シール。
【0115】
項目35
シーリング要素の材料の弾性係数(MOE)は、約0.05ギガパスカル(GPa)以上、約0.5GPa以上、約0.75GPa以上、あるいは約1.0GPa以上である、前記項目のいずれかに記載の回転軸シール。
【0116】
項目36
前記シーリング要素の材料のMOEは、約5.0GPa以下、約4.0GPa以下、約3.0GPa以下、約2.0GPa以下、あるいは約1.5GPa以下である、項目35に記載の回転軸シール。
【0117】
項目37
前記シーリング要素は、ポリマーを含む前記項目のいずれかに記載の回転軸シール。
【0118】
項目38
前記シーリング要素は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のようなフッ素重合体を含む前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0119】
項目39
前記シーリング要素は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のようなポリアリルエーテルケトン(PEAK)を含む前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0120】
項目40
前記シーリング要素は、モノリシック片を含む前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0121】
項目41
前記シーリング要素は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、平均の厚みがTSEであり、TSEは、約0.05インチ以上、約0.10インチ以上、約0.15インチ以上、あるいは約0.20インチ以上である前記項目のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0122】
項目42
SEは、約0.75インチ以下、約0.50インチ以下、あるいは約0.25インチ以下である、項目41に記載の回転軸シール。
【0123】
項目43
前記回転軸シールは、さらに前記シーリング要素の少なくとも一部を径方向に付勢する付勢要素を備える、項目3に記載の回転軸シール。
【0124】
項目44
前記シーリング要素は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、前記付勢要素と前記環状の本体の間に位置する、前記項目1、2、または4〜43のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0125】
項目45
前記シーリング要素は、前記付勢要素がばねを含む項目1、2、または4〜44のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0126】
項目46
前記付勢要素は、前記中心軸から径方向に延在する面に垂直な方向に見たとき、概ねL字形である前記項目1、2、または4〜45のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0127】
項目47
付勢要素は、環状部材と、前記環状部材から延在する環状フランジを備え、相対角Aは前記環状部材及び前記環状フランジとの間に形成され、Aは、約90度より大きく、約100度より大きく、あるいは約110度より大きい項目46に記載の回転軸シール。
【0128】
項目48
は、約150度より小さい、例えば、約140度より小さい、約130度より小さい、または約120度より小さい、項目47に記載の回転軸シール。
【0129】
項目49
前記環状部材は径方向の幅がWAMであり、前記環状フランジの径方向の長さがLAFであり、LAF/WAMは約1.0以上、約1.25以上、約1.5以上、約1.75以上、または約2.0以上である、項目47または48のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0130】
項目50
AF/WAMは、約10.0以下、約5.0以下、約4.0以下、約3.0以下、あるいは約2.5以下ある、項目49に記載の回転軸シール。
【0131】
項目51
前記付勢要素は、さらに、前記環状フランジの反対側の前記環状部材から延在する少なくとも1つの歯を備え、前記少なくとも1つの歯は、前記少なくとも1つの歯と前記環状部材との間で測定したときに相対角Aを有し、Aは、約90度より大きく、約100度より大きく、あるいは約110度より大きい、項目46〜50のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0132】
項目52
は、約150度より小さい、例えば、約140度より小さい、約130度より小さい、または約120度より小さい、項目51に記載の回転軸シール。
【0133】
項目53
前記少なくとも1つの歯は、少なくとも2つの歯、少なくとも3つの歯、少なくとも4つの歯、少なくとも5つの歯、少なくとも10個の歯、少なくとも20個の歯、あるいは少なくとも50個の歯を含む項目51または52のうちのいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0134】
項目54
前記歯は、前記環状部材の周りに等間隔をあけて配設された項目51〜53に記載の回転軸シール。
【0135】
項目55
前記少なくとも1つの歯の径方向の長さはLであり、LAF/Lは約0.75以上、約1.0以上、約1.25以上、約1.5以上、約1.75以上、あるいは約2.0以上である、項目51〜54のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0136】
項目56
AF/Lは、約10以下、約5.0以下、約4.0以下、約3.0以下、あるいは約2.5以下である、項目55に記載の回転軸シール。
【0137】
項目57
前記付勢要素は、前記シーリング要素の内面に沿って配設された環状ばねを備える項目1、2、または4〜44のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0138】
項目58
前記付勢要素は、ガータースプリングを含む、項目57に記載の回転軸シール。
【0139】
項目59
前記付勢要素は、圧縮ばねを含む、項目57に記載の回転軸シール。
【0140】
項目60
前記付勢要素は、さらに軸方向の隙間を含む、項目57〜59のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0141】
項目61
前記付勢要素は、前記シーリング要素の外側フランジの径方向内側に配設された、項目57〜60のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0142】
項目62
前記付勢要素の材料の弾性係数は、約5.0ギガパスカル(GPa)以上、約10.0GPa以上、約25.0GPa以上、約50GPa以上、約100GPa以上、あるいは約150GPaである、項目1、2、または6〜61に記載の回転軸シール。
【0143】
項目63
前記付勢要素の材料の弾性係数は、約300GPa以下、約250GPa以下あるいは約225GPa以下である、項目1、2、または6〜62のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0144】
項目64
前記付勢要素の材料の抗張力は、約1000メガパスカル(MPa)以上、約1200MPa以上、あるいは約1500MPa以上である、項目1、2、または6〜63のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0145】
項目65
前記付勢要素の材料の抗張力は、約2500メガパスカル(MPa)以下、約2000MPa以下、あるいは約1800MPa以下である、項目1、2、または6〜64のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0146】
項目66
前記付勢要素は、前記回転軸シールの内部で組立てられると、少なくとも約1.0キロパスカル(KPa)、少なくとも約5KPa、少なくとも約10KPa、少なくとも約25KPa、少なくとも約50KPa、少なくとも約100KPa、あるいは少なくとも約250KPaの付勢力を提供する項目1、2または6〜65のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0147】
項目67
前記付勢要素は前記回転軸シールの内部で組立てられると、約500KPa以下、約400KPa以下、あるいは約300KPa以下である、項目1、2、または6〜66のいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0148】
項目68
前記付勢要素は、金属を含む項目1、2、または4〜67のうちのいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0149】
項目69
前記付勢要素は、ばね鋼を含む項目1、2、または4〜68のうちのいずれか1つに記載の回転軸シール。
【0150】
項目70
前記回転軸シールは、システム圧3000mbar、室温、500,000サイクルで測定すると、漏出率が約15mL/分、例えば、約14mL/分以下、約13mL/分以下、約12mL/分以下、約11mL/分以下、約10ML/分以下、約5mL/分以下、または約2mL/分以下である前記項目のいずれかに記載の回転軸シール。
【0151】
上記の特徴のすべてが必要なわけでなく、特定の特徴の一部は必要ない場合もあり、また、1つ以上の特徴を説明したものにさらに設けてもよい。さらに、特徴を説明した順番は、その特徴が設置された順番とは必ずしも限らない。
【0152】
ここで説明したある特徴は、明確にするために、別の実施形態の内容を単一の実施形態と組み合わせて設けてもよい。逆に、単一の実施形態の内容で説明した様々な特徴を簡潔にするために別々に、または小結合として設けてもよい。
【0153】
利得、他の長所、及び問題の解決について、特定の実施形態を参照しながら説明した。しかしながら、その利得や利点、問題の解決、及び何らかの利得、長所、または解決法を引き出す、あるいはより顕著にする特徴は、いかなる、あるいはすべての請求の範囲の重要な、必要な、または本質的な特徴として解釈しないものとする。
【0154】
ここで説明した実施形態の明細や図示は、各種実施形態の構造を概ね理解できようにすることを目的としている。明細や図示は、ここで説明する構造や方法を使用する装置やシステムのすべての要素と特徴を徹底的にまた、理解しやすいように説明することを目的としたものではない。別の実施形態を単一の実施形態と組み合わせ、単一の実施形態の内容で説明した様々な特徴を簡潔にするために小結合として設けてもよいし逆に、簡素化するために単一の実施形態の内容に説明した各種特徴も別々に設けても、あるいは小結合として設けてもよい。さらに、範囲で示された数値を参照する場合、その範囲のそれぞれの、またすべての数値を含む。他の別の実施形態については、この仕様書を読んだ後は、当業者には明らかである。他の実施形態は、本開示を使って、導き出すことができ、本開示の範囲を逸脱することなく、構造的代替、論理的代替、あるいはいかなる変更も行うことができる。よって、本開示は、限定的と言うよりはむしろ例示的なものである。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8