(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6442564
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構
(51)【国際特許分類】
F16H 15/28 20060101AFI20181210BHJP
F16D 43/14 20060101ALI20181210BHJP
【FI】
F16H15/28
F16D43/14
【請求項の数】5
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-112710(P2017-112710)
(22)【出願日】2017年6月7日
【審査請求日】2017年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】514283021
【氏名又は名称】モーティブ パワー インダストリー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】MOTIVE POWER INDUSTRY CO. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チェン,シン−リン
【審査官】
前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−89737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 15/28
F16D 43/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速ケースと複数の変速球体と複数の変速ロッドとを備え、前記変速球体が前記変速ケースに移動自在に設けられ、且つ円環状に配列され、前記変速ロッドに各々回動自在に連結される無段変速機と、
第1動力入力回転体と複数のクラッチ球体と第1ボール環体と第2動力入力回転体と複数の弾性部材と複数の移動制限柱体とを含み、前記変速ケースの動力入力部に回動自在に連結され、前記第1動力入力回転体の内側面に動力入力挟持環面を有し、クラッチ式で前記変速球体の一側を挟持し、前記第1動力入力回転体の外側面に円環状に配列された複数の第1水滴形状凹溝及び円環状に配列された複数の半径方向摺動溝を有し、前記第2動力入力回転体が円環状に配列された複数の円弧状ガイド孔を備え、前記第2動力入力回転体の内側面に円環状に配列された複数の第2水滴形状凹溝及び円環状に配列された複数の傾斜摺動溝を有し、前記第2水滴形状凹溝と前記第1水滴形状凹溝が反対方向に向かい、前記第1ボール環体の複数のボールが前記第1水滴形状凹溝と前記第2水滴形状凹溝の間を移動自在に挟持し、前記クラッチ球体が前記半径方向摺動溝と前記傾斜摺動溝の間を移動自在に挟持し、前記移動制限柱体が前記円弧状ガイド孔を挿通して、前記第1動力入力回転体の外側面に固設され、前記弾性部材が円環状に配列され、且つ前記移動制限柱体と前記第2動力入力回転体の間を連結する動力入力回転体と、
第1動力出力回転体と第2ボール環体と第2動力出力回転体とを備え、前記変速ケースの動力出力部に回動自在に連結され、前記変速球体の他側を挟持するため、前記第1動力出力回転体の内側面に動力出力挟持環面を有し、前記第1動力出力回転体の外側面に円環状に配列された複数の第3水滴形状凹溝を有し、前記第3水滴形状凹溝と前記第1水滴形状凹溝が同じ方向に向かい、前記第2動力出力回転体の内側面に円環状に配列された複数の第4水滴形状凹溝を有し、前記第4水滴形状凹溝と前記第3水滴形状凹溝が反対方向に向かい、前記第2ボール環体の複数のボールが前記第3水滴形状凹溝と前記第4水滴形状凹溝の間を移動自在に挟持する動力出力回転体と、
前記第2動力入力回転体の軸方向に沿って前記第2動力入力回転体に連接する動力入力軸と、
前記動力入力軸に垂直となり、且つ前記動力入力軸の第1かさ歯車が動力伝達軸の第2かさ歯車と噛み合う動力伝達軸と、
前記動力伝達軸に垂直となり、且つ前記動力入力軸に平行となり、動力源出力軸の第4かさ歯車が前記動力伝達軸の第3かさ歯車と噛み合う動力源出力軸と、
を含むことを特徴とするローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構。
【請求項2】
各前記弾性部材の両端は、各々嵌め輪と固定フックとを備え、前記第2動力入力回転体の外側面に円環状に配列された複数の係止溝を有し、各前記弾性部材の嵌め輪が各前記移動制限柱体に嵌め込まれ、各前記弾性部材の固定フックが各前記係止溝に係止することを特徴とする請求項1に記載のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構。
【請求項3】
各々前記第2動力入力回転体の外側面及び前記第2動力出力回転体の外側面に回動自在に連結するため、第1推力軸受と第2推力軸受とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構。
【請求項4】
前記無段変速機は、各々前記変速ケースの動力入力部及び動力出力部に回動自在に連結するため、動力入力支持回転体と動力出力支持回転体とを備え、前記動力入力支持回転体及び前記動力出力支持回転体が各々前記変速球体底部の両側を支持し、前記動力入力挟持環面及び前記動力出力挟持環面が各々前記変速球体頂部の両側を挟持することを特徴とする請求項1に記載のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構。
【請求項5】
前記第2動力出力回転体の軸方向に沿って前記第2動力出力回転体に連接する動力出力軸を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構に関し、特に、シャフトドライブに合わせた無段変速クラッチ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
現在一般的な交通用具には、均しくシフト機構が設けられ、また一般的な交通用具がガソリン消費量を減少させるため、そのシフト機構にベルト式無段変速機が使用されている。しかしながら、一般的な交通用具のベルト式無段変速機は、稼働時大量の廃熱が発生して摩耗を増えてしまう。よって、如何にして廃熱の減少及び摩耗の軽減をさせることができるローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構を発明するかが、本発明の積極的に開示しようとするところである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、上記従来技術の欠陥に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構を開発し、廃熱の減少及び摩耗の軽減が可能という目的の達成を期する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係るローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構は、変速ケースと複数の変速球体と複数の変速ロッドとを備え、それら変速球体が該変速ケースに移動自在に設けられ、且つ円環状に配列され、それら変速ロッドに各々回動自在に連結される無段変速機と、第1動力入力回転体と複数のクラッチ球体と第1ボール環体と第2動力入力回転体と複数の弾性部材と複数の移動制限柱体とを備え、該変速ケースの動力入力部に回動自在に連結され、該第1動力入力回転体の内側面に動力入力挟持環面を有し、クラッチ式でそれら変速球体の一側を挟持し、該第1動力入力回転体の外側面に円環状に配列された複数の第1水滴形状凹溝及び円環状に配列された複数の半径方向摺動溝を有し、該第2動力入力回転体が円環状に配列された複数の円弧状ガイド孔を備え、該第2動力入力回転体の内側面に円環状に配列された複数の第2水滴形状凹溝及び円環状に配列された複数の傾斜摺動溝を有し、それら第2水滴形状凹溝とそれら第1水滴形状凹溝が反対方向に向かい、該第1ボール環体の複数のボールがそれら第1水滴形状凹溝とそれら第2水滴形状凹溝の間を移動自在に挟持し、それらクラッチ球体がそれら半径方向摺動溝とそれら傾斜摺動溝の間を移動自在に挟持し、それら移動制限柱体がそれら円弧状ガイド孔を挿通して、該第1動力入力回転体の外側面に固設され、それら弾性部材が円環状に配列され、且つそれら移動制限柱体と該第2動力入力回転体の間を連結する動力入力回転体と、第1動力出力回転体と第2ボール環体と第2動力出力回転体とを備え
、該変速ケースの動力出力部に回動自在に連結され、それら変速球体の他側を挟持するため、該第1動力出力回転体の内側面に動力出力挟持環面を有し、該第1動力出力回転体の外側面に円環状に配列された複数の第3水滴形状凹溝を有し、それら第3水滴形状凹溝とそれら第1水滴形状凹溝が同じ方向に向かい、該第2動力出力回転体の内側面に円環状に配列された複数の第4水滴形状凹溝を有し、それら第4水滴形状凹溝とそれら第3水滴形状凹溝が反対方向に向かい、該第2ボール環体の複数のボールがそれら第3水滴形状凹溝とそれら第4水滴形状凹溝の間を移動自在に挟持する動力出力回転体と、該第2動力入力回転体の軸方向に沿って該第2動力入力回転体に連接する動力入力軸と、該動力入力軸に垂直となり、且つ該動力入力軸の第1かさ歯車が動力伝達軸の第2かさ歯車と噛み合う動力伝達軸と、該動力伝達軸に垂直となり、且つ該動力入力軸に平行となり、動力源出力軸の第4かさ歯車が該動力伝達軸の第3かさ歯車と噛み合う動力源出力軸と、を含む。
【0005】
上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、各該弾性部材の両端は各々嵌め輪と固定フックとを備え、該第2動力入力回転体の外側面に円環状に配列された複数の係止溝を有し、各該弾性部材の嵌め輪が各該移動制限柱体に嵌め込まれ、各該弾性部材の固定フックが各該係止溝に係止する。
【0006】
上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、各々該第2動力入力回転体の外側面及び該
第2動力出力回転体の外側面に回動自在に連結するため、第1推力軸受と第2推力軸受とを更に含む。
【0007】
上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、該無段変速機は、各々該変速ケースの動力入力部及び動力出力部に回動自在に連結するため、動力入力支持回転体と動力出力支持回転体とを備え、該動力入力支持回転体及び該動力出力支持回転体が各々それら変速球体底部の両側を支持し、該動力入力挟持環面及び該動力出力挟持環面が各々それら変速球体頂部の両側を挟持する。
【0008】
上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、動力出力軸を更に含み、該動力出力軸が該第2動力出力回転体の軸方向に沿って該第2動力出力回転体に連接する。
【発明の効果】
【0009】
これを介して、本発明のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構は、廃熱を減少すると共に摩耗を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の好ましい実施例に係るローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構を示す模式図である。
【
図2】本発明の好ましい実施例に係るローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構の別の角度から見た図である。
【
図3】本発明の好ましい実施例に係る無段変速クラッチ機構の分解図一である。
【
図4】本発明の好ましい実施例に係る無段変速クラッチ機構の分解図二である。
【
図5】
図3の無段変速クラッチ機構の組立図である。
【
図6】
図5の無段変速クラッチ機構の別の角度から見た図である。
【
図7】
図5の無段変速クラッチ機構の組立図である。
【
図8】
図7の無段変速クラッチ機構の別の角度から見た図である。
【
図9】
図1の無段変速クラッチ機構の断面図一である。
【
図10】
図1の無段変速クラッチ機構の断面図二である。
【
図11】
図1の無段変速クラッチ機構の断面図三である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の目的、特徴及び効果を十分理解してもらうため、下記具体的実施例を通じて添付図面を基に、本発明に対し詳細な説明を行う。
【0012】
図1乃至
図11を参照すると、
図9は、
図1の複数のクラッチ球体23の中心断面に沿った後で動力入力支持台14に向かう断面図で、
図10が、
図1の複数のクラッチ球体23の中心断面に沿った後で第2動力入力回転体22に向かう断面図で、
図11が
図1の無段変速機1の軸心断面に沿った後で無段変速機1の後側に向かう断面図である。図に示すように、本発明に係るローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構は、無段変速機1と動力入力回転体2と動力出力回転体3と動力入力軸6と動力伝達軸8と動力源出力軸9とを含み、前記無段変速機1、該動力入力転体2及び該動力出力回転体3で本発明に係る無段変速クラッチ機構を構成する。
【0013】
図3、
図4及び
図11を参照すると、図に示すように、該無段変速機1は、変速ケース11と複数の変速球体12と複数の変速ロッド13とを備え、該変速ケース11がホイール状を呈すことができ、且つその両側面に内方へ凹む動力入力部112と動力出力部113とを有し、それら変速球体12が該変速ケース11の複数の円形収容貫通孔111内に移動自在に設けられ且つ円環状に配列され、それら変速球体12の両側が各々該変速ケース11の両側の動力入力部112及び動力出力部113に露出し、それら変速球体12が各々それら変速ロッド13に回動自在に連結される。
【0014】
図1、
図3乃至
図7及び
図9乃至
図11を参照すると、図に示すように、該動力入力回転体2は、第1動力入力回転体21と複数のクラッチ球体23と第1ボール環体24と第2動力入力回転体22と複数の弾性部材25と複数の移動制限柱体26とを備え、該動力入力回転体2が該変速ケース11の動力入力部112に回動自在に連結され、その円形周縁又は中心を介して該変速ケース11の動力入力部112上の対応構造に回動自在に連結することができ;該第1動力入力回転体21は、環状体とすることができ、該第1動力入力回転体21の内側面に動力入力挟持環面211を有し、クラッチ式でそれら変速球体12の一側を挟持し、該動力入力挟持環面211が該第1動力入力回転体21の中心に向けて傾斜しクラッチ式でそれら変速球体12頂部の一側を挟持でき、該第1動力入力回転体21の外側面に外方から内方へ円環状に配列された複数の第1水滴形状凹溝212及び複数の半径方向摺動溝213を有し、それら第1水滴形状凹溝212が該第1動力入力回転体21の接線方向に沿って設けられ、それら半径方向摺動溝213が該第1動力入力回転体21の半径方向に沿って設けられ;該第2動力入力回転体22は、環状体とすることができ、円環状に配列された複数の円弧状ガイド孔225を備え、それら円弧状ガイド孔225が該第2動力入力回転体22の接線方向に沿って設けられ、該第2動力入力回転体22の内側面に外方から内方へ円環状に配列された複数の第2水滴形状凹溝221及び複数の傾斜摺動溝222を有し、それら第2水滴形状凹溝221が該第2動力入力回転体22の接線方向に沿って設けられ、
図4に示すように、該傾斜摺動溝222の内側端が該第2動力入力回転体22の半径方向に沿って該第2水滴形状凹溝221の頭部に対応でき、該傾斜摺動溝222の外側端が該第2動力入力回転体22の半径方向に沿って該第2水滴形状凹溝221の尾部に対応でき、且つそれら傾斜摺動溝222が各々円弧状を呈し、各該円弧状ガイド孔225が2つの傾斜摺動溝222の間に位置でき、それら第2水滴形状凹溝221及びそれら第1水滴形状凹溝212が反対方向に向かい、つまり各該第1水滴形状凹溝212の頭部が時計回りの方向(或いは反時計回りの方向)に向いた時、各該第2水滴形状凹溝221の頭部が反時計回りの方向(或いは時計回りの方向)に向かい、該第1ボール環体24の複数のボール241がそれら第1水滴形状凹溝212とそれら第2水滴形状凹溝221の間を移動自在に挟持し、それらクラッチ球体23がそれら半径方向摺動溝213とそれら傾斜摺動溝222の間を移動自在に挟持し、それら移動制限柱体26がそれら円弧状ガイド孔225を挿通した後、該第1動力入力回転体21の外側面に固設され、且つそれら円弧状ガイド孔225の時計回り方向の一端(
図1)に近設し、それら弾性部材25が円環状に配列され、且つそれら移動制限柱体26と該第2動力入力回転体22の間を連結することで、該第1動力入力回転体21と該第2動力入力回転体22を寄せてくる。
【0015】
図3、
図4、
図6、
図8及び
図11を参照すると、図に示すように、該動力出力回転体3は、第1動力出力回転体31と第2ボール環体33と第2動力出力回転体32とを備え、該動力出力回転体3が該変速ケース11の動力出力部113に回動自在に連結され;該動力出力回転体3は、その円形周縁或いは中心を介して該変速ケース11の動力出力部113上の対応構造に回動自在に連結でき、又はそれら変速球体12の他側に直接回動自在に連結でき;該第1動力出力回転体31は、環状体とすることができ、それら変速球体12の他側を挟持するため、該第1動力出力回転体31の内側面に動力出力挟持環面311を有し、それら変速球体12頂部の他側を挟持するため、該動力出力挟持環面311が該第1動力出力回転体31の中心に向けて傾斜し、該第1動力出力回転体31の外側面に円環状に配列された複数の第3水滴形状凹溝312を有し、それら第3水滴形状凹溝312が該第1動力出力回転体31の接線方向に沿って設けられ、それら第3水滴形状凹溝312及びそれら第1水滴形状凹溝212が同じ方向に向かい、つまり各該第1水滴形状凹溝212の頭部が時計回りの方向(或いは反時計回りの方向)に向いた時、各該第3水滴形状凹溝312の頭部も時計回りの方向(或いは反時計回りの方向)に向かい、該第2動力出力回転体32の内側面に円環状に配列された複数の第4水滴形状凹溝321を有し、それら第4水滴形状凹溝321が該第2動力出力回転体32の接線方向に沿って設けられ、それら第4水滴形状凹溝321及びそれら第3水滴形状凹溝312が反対方向に向かい、つまり、各該第3水滴形状凹溝312の頭部が時計回りの方向(或いは反時計回りの方向)に向いた時、各該第4水滴形状凹溝321の頭部が反時計回りの方向(或いは時計回りの方向)に向かい、該第2ボール環体33の複数のボール331がそれら第3水滴形状凹溝312とそれら第4水滴形状凹溝321の間を移動自在に挟持する。
【0016】
図1及び
図2を参照すると、図に示すように、該動力入力軸6は、該第2動力入力回転体22の軸方向に沿って該第2動力入力回転体22に連接することで、該動力入力軸6と該第2動力入力回転体22を同期に回転させ;該動力伝達軸8は、該動力入力軸6に垂直となり、且つ該動力入力軸6の自由端の第1かさ歯車61が該動力伝達軸8の自由端の第2かさ歯車81と噛み合い;該動力源出力軸9は、エンジンのクランクシャフトとすることができ、また該動力伝達軸8に垂直となり、且つ該動力入力軸6に平行となり、該動力源出力軸9の自由端の第4かさ歯車91が該動力伝達軸8の別の自由端の第3かさ歯車82と噛み合う。このほかに、本発明のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構は、動力出力軸7を更に含むことができ、該動力出力軸7が該第2動力出力回転体32の軸方向に沿って該第2動力出力回転体32に連接することで、該動力出力軸7と該第2動力出力回転体32を同期に回転させ、該動力出力軸32がエンジンの動力を外部に向かって車輪に伝達できる。
【0017】
図1乃至
図4及び
図9乃至
図11を参照すると、図に示すように、
図1の動力源出力軸9が、該動力伝達軸8及び該動力入力軸6を経由して該動力入力転体2の第2動力入力回転体22に対し動力を入力し、また該動力入力軸6が伝動の回転速度(例えば4000rpm)より小さい状態で時計回りに回転した時、該動力入力回転体2の動力入力挟持環面211がそれら変速球体12に接触しない、若しくはそれら変速球体12に摺動するが、それら変速球体12を回転させない。
図1の動力源出力軸9は、該動力伝達軸8及び該動力入力軸6を経由して該動力入力転体2の第2動力入力回転体22に対し動力を入力し、また該動力入力軸6が伝動の回転速度(例えば4000rpm)より大きいか又は等しい状態で時計回りに回転した時、それらクラッチ球体23が遠心力により外方へ移動し、
図9に示すように、それらクラッチ球体23がそれらクラッチ球体23の位置からそれら半径方向摺動溝213の他端に向けて移動し、それらクラッチ球体23の移動過程中において、それら弾性部材25の収縮力を克服すると共にそれら傾斜摺動溝222を押進して外方に向けて移動し、
図10に示すように、それらクラッチ球体23がそれらクラッチ球体23の位置からそれら傾斜摺動溝222の他端に向けて移動することで、該第1動力入力回転体21はそれら移動制限柱体26及びそれら円弧状ガイド孔225のガイドを通じて、該第2動力入力回転体22の回転方向と逆方向に向かってやや一つの角度を回転し、この時、該第1ボール環体24の複数のボール241がそれら第1水滴形状凹溝212の頭部及びそれら第2水滴形状凹溝221の頭部からそれら第1水滴形状凹溝212の尾部及びそれら第2水滴形状凹溝221の尾部までに移動し、該第1ボール環体24のそれらボール241が該動力入力回転体2の軸方向に沿って該第1動力入力回転体21を押動してそれら変速球体12に向けて移動させることで、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211でそれら変速球体12を加圧させ、その後、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211がそれら変速球体12を回転させることができ;次にそれら変速球体12は、該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311を通じて該第1動力出力回転体31を該動力入力回転体2の回転方向と逆方向に向かって回転させ、この時、該第2ボール環体33の複数のボール331がそれら第3水滴形状凹溝312の尾部及びそれら第4水滴形状凹溝321の尾部までに移動でき、該第2ボール環体33のそれらボール331が該動力出力回転体3の軸方法に沿って該第1動力出力回転体31を押動してそれら変速球体12に向けて移動させることで、該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311でそれら変速球体12を加圧させ、最後にそれら変速球体12が該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211と該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311の間を挟持でき、該第2動力入力回転体22から入力した動力を該第2動力出力回転体32から出力させる。
図1の動力入力軸6は、伝動の回転速度より小さい状態に戻って時計回りに回転した時、それらクラッチ球体23及び該第1ボール環体24の複数のボール241が、それら弾性部材25の収縮力を介して元の位置に戻ることで、該第1動力入力回転体21がそれら変速球体12を回転させない。
【0018】
図11を参照すると、図に示すように、それら変速ロッド13が直立した時、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211及び該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311で挟持する位置は、それら変速球体12の同じ半径箇所にあり、よって該動力入力回転体2と該動力出力回転体3の回転速度が同じであり;それら変速ロッド13が直立状態からそれら変速球体12を右側に回転させる角度は90度より小さい場合、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211で挟持する位置がそれら変速球体12の比較的小さい半径箇所にあり、該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311で挟持する位置がそれら変速球体12の比較的大きな半径箇所にあるため、該動力出力回転体3の回転速度が、該動力入力回転体2の回転速度(速度を上げる)より大きくなり;それら変速ロッド13が直立状態からそれら変速球体12を左側に回転させる角度は、90度より小さい場合、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211で挟持する位置がそれら変速球体12の比較的大きな半径箇所にあり、該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311で挟持する位置がそれら変速球体12の比較的小さな半径箇所にあるため、該動力出力回転体3の回転速度が該動力入力回転体2の回転速度(速度を下げる)より小さくなる。
【0019】
上記をまとめると、本発明に係るローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構は、シャフトドライブを利用することで、摩擦によって生じる廃熱を減少すると共に摩耗を軽減することができる。
【0020】
図1及び
図3乃至
図7を参照すると、図に示すように、上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、各該弾性部材25は、ヘリカルスプリングとすることができ、各該弾性部材25の両端に各々嵌め輪251及び固定フック252を有することができ、該第2動力入力回転体22の外側面に円環状に配列された複数の係止溝226を有することができる。
図7に示すように、各該移動制限柱体26は、各該円弧状ガイド孔225の時計回り方向の一端に近設され、各該係止溝226が各該移動制限柱体26の時計回り方向の一側に位置し、各該弾性部材25の嵌め輪251が各該移動制限柱体26の外方に近い一端に嵌め込まれ、各該弾性部材25の固定フック252が各該係止溝226に係止される。
【0021】
図3乃至
図6を参照すると、図に示すように、上述のローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、それら弾性部材25はあらかじめ引っ張られることができ、且つそれら弾性部材25の弾性係数(K)を変わることができる。それら弾性部材25の弾性係数(K)を変えることによって該伝動の回転速度の大きさを調整でき、それら弾性部材25の弾性係数(K)が大きければ大きいほど(該第1動力入力回転体21と該第2動力入力回転体22が益々寄せてくる)、該伝動の回転速度の値就が大きくなり、それら弾性部材25の弾性係数(K)が小さくなれば小さくなるほど(該第1動力入力回転体21と該第2動力入力回転体22が益々離れる)、該伝動の回転速度の値が小さくなる。
【0022】
図1乃至
図8を参照すると、図に示すように、上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、各々該第2動力入力回転体22の外側面及び該第2動力出力回転体32の外側面に回動自在に連結するため、第1推力軸受4と第2推力軸受5とを更に含むことができる。
【0023】
図3、
図4及び
図11を参照すると、図に示すように、上記ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構において、該無段変速機1は、各々該変速ケース11の動力入力部112の動力入力支持台14及び動力出力部113の動力出力支持台15に回動自在に連結するため、動力入力支持回転体16と動力出力支持回転体17とを備えることができ、該動力入力支持回転体16の動力入力支持環面161が、該動力入力支持回転体16の外側に向けて傾斜でき、該動力出力支持回転体17の動力出力支持環面171が該動力出力支持回転体17の外側に向けて傾斜でき、該動力入力支持回転体16の動力入力支持環面161及び該動力出力支持回転体17の動力出力支持環面171が各々それら変速球体12底部の両側を支持し、該動力入力挟持環面211及び該動力出力挟持環面311が各々それら変速球体12頂部の両側を挟持する。これを介して、それら変速球体12は、該第1動力入力回転体21の動力入力挟持環面211、該第1動力出力回転体31の動力出力挟持環面311、該動力入力支持回転体16の動力入力支持環面161及び該動力出力支持回転体17の動力出力支持環面171の間を安定して挟持させることができる。
【0024】
発明の詳細な説明の項においてなされた好ましい実施例は、あくまでも本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではないことは当業者にとって明白だろう。当該実施例との等価構造変化及び置換は、いずれも本発明の範疇内にカバーする。よって本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で特定するものに準じる。
【符号の説明】
【0025】
1 無段変速機
11 変速ケース
111 円形収容貫通孔
112 動力入力部
113 動力出力部
12 変速球体
13 変速ロッド
14 動力入力支持台
15 動力出力支持台
16 動力入力支持回転体
161 動力入力支持環面
17 動力出力支持回転体
171 動力出力支持環面
2 動力入力転体
21 第1動力入力回転体
211 動力入力挟持環面
212 第1水滴形状凹溝
213 半径方向摺動溝
22 第2動力入力回転体
221 第2水滴形状凹溝
222 傾斜摺動溝
224 第2固定手段
225 円弧状ガイド孔
226 係止溝
23 クラッチ球体
24 第1ボール環体
241 ボール
25 弾性部材
251 嵌め輪
252 固定フック
26 移動制限柱体
3 動力出力回転体
31 第1動力出力回転体
311 動力出力挟持環面
312 第3水滴形状凹溝
32 第2動力出力回転体
321 第4水滴形状凹溝
33 第2ボール環体
331 ボール
4 第1推力軸受
5 第2推力軸受
6 動力入力軸
61 第1かさ歯車
7 動力出力軸
8 動力伝達軸
81 第2かさ歯車
82 第3かさ歯車
9 動力源出力軸
91 第4かさ歯車
【要約】
【課題】ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構を提供することを課題とする。
【解決手段】ローリング車両のシャフトドライブ無段変速クラッチ機構であって、変速球体を備えた無段変速機と、第1動力入力回転体とクラッチ球体と第1ボール環体と第2動力入力回転体と弾性部材と移動制限柱体とを含み、第1動力入力回転体がクラッチ式で変速球体を挟持し、半径方向摺動溝を備え、該第2動力入力回転体が傾斜摺動溝を備え、クラッチ球体が半径方向摺動溝と傾斜摺動溝の間を移動自在に挟持し、移動制限柱体が第2動力入力回転体の円弧状ガイド孔を挿通して、該第1動力入力回転体に固設され、弾性部材が移動制限柱体と該第2動力入力回転体を連結する動力入力回転体と、変速球体を挟持する動力出力回転体と、順次に噛み合う動力入力軸と、動力伝達軸と、動力源出力軸とを含む。
【選択図】
図1