特許第6442625号(P6442625)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442625
(24)【登録日】2018年11月30日
(45)【発行日】2018年12月19日
(54)【発明の名称】被実装物作業装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20181210BHJP
【FI】
   H05K13/04 P
【請求項の数】8
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-561094(P2017-561094)
(86)(22)【出願日】2016年1月12日
(86)【国際出願番号】JP2016050738
(87)【国際公開番号】WO2017122281
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2018年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】岡嵜 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直樹
【審査官】 小金井 匠
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5721469(JP,B2)
【文献】 特開2012−119643(JP,A)
【文献】 特開平08−075421(JP,A)
【文献】 特表2011−529262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品(E)が実装される被実装物(P)を保持する被実装物保持ユニット(3)と、
前記被実装物保持ユニットに保持された前記被実装物に作業を行う作業部(4)と、を備え、
前記被実装物保持ユニットは、
前記被実装物を保持する保持部(34)と、
前記保持部に保持された前記被実装物を、上下方向に移動させる昇降機構部(31)と、
前記昇降機構部に取り付けられており、前記保持部に保持された前記被実装物を傾斜させる傾斜機構部(32)と、
前記傾斜機構部に取り付けられており、前記保持部に保持された前記被実装物を回転させる回転機構部(33)と、を含み、
前記回転機構部は、前記傾斜機構部により片持ち状に支持されている、被実装物作業装置。
【請求項2】
前記傾斜機構部は、前記昇降機構部により片持ち状に支持されている、請求項1に記載の被実装物作業装置。
【請求項3】
前記傾斜機構部は、水平方向において、前記昇降機構部により片持ち状に支持されており、
前記回転機構部は、水平方向において、前記傾斜機構部により片持ち状に支持されている、請求項2に記載の被実装物作業装置。
【請求項4】
前記昇降機構部と前記傾斜機構部と前記回転機構部とは、前記昇降機構部に対する前記傾斜機構部の第1の取付方向(Y方向)と前記傾斜機構部に対する前記回転機構部の第2の取付方向(X方向)とが平面視で互いに略直交するように、配置されている、請求項3に記載の被実装物作業装置。
【請求項5】
前記昇降機構部に対する前記傾斜機構部の第1の取付方向(Y方向)における前記昇降機構部と前記傾斜機構部との間の第1の距離(D1)は、前記昇降機構部が前記被実装物を上下方向に移動させることが可能な第2の距離(D3)よりも短く、
前記傾斜機構部に対する前記回転機構部の第2の取付方向(X方向)における前記昇降機構部と前記回転機構部との間の第3の距離(D2)は、前記昇降機構部が前記被実装物を上下方向に移動させることが可能な前記第2の距離(D3)よりも短い、請求項2〜4のいずれか1項に記載の被実装物作業装置。
【請求項6】
前記被実装物保持ユニットの前記保持部は、前記被実装物を載置する載置部材(90)を介して前記被実装物を保持するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の被実装物作業装置。
【請求項7】
前記載置部材は、載置部(90b)と、単一の被保持部(90a)とを含み、
前記被実装物保持ユニットの前記保持部は、前記被保持部を把持することによって、前記載置部を介して前記被実装物を保持するように構成されている、請求項6に記載の被実装物作業装置。
【請求項8】
前記作業部は、直線状に配列された複数の作業ヘッド(41)を含み、
前記被実装物保持ユニットの前記傾斜機構部は、前記複数の作業ヘッドの配列方向と略平行な方向に延びる軸線(A2)回りに前記被実装物を回転させることによって、前記被実装物を傾斜させるように構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の被実装物作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、被実装物作業装置に関し、特に、被実装物を保持して作業を行う被実装物作業装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被実装物を保持して作業を行う被実装物作業装置が知られている。たとえば、特許5721469号公報には、平坦でない部品装着面を有する基板(被実装物)を保持する基板保持装置と、基板保持装置により保持された基板に部品の実装作業を行う部品移載装置とを備える部品実装装置(被実装物作業装置)が開示されている。この部品実装装置では、基板保持装置に、基板を保持する基板保持台が設けられている。また、基板保持装置には、基板保持台とともに基板を回転させる保持台回転装置が設けられている。また、基板保持装置には、基板搬送方向の軸線回りに回転させることにより基板保持台とともに基板を傾斜させる回転装置が設けられている。この部品実装装置の基板保持装置では、基板を回転させる保持台回転装置は、基板を傾斜させる回転装置により基板搬送方向の両側から支持される構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5721469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許5721469号公報に記載の部品実装装置では、保持台回転装置が、回転装置により両側から支持される構造を有しているため、基板保持装置(被実装物保持ユニット)をコンパクト化することが困難であるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、被実装物保持ユニットをコンパクト化することが可能な被実装物作業装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の一の局面による被実装物作業装置は、部品が実装される被実装物を保持する被実装物保持ユニットと、被実装物保持ユニットに保持された被実装物に作業を行う作業部と、を備え、被実装物保持ユニットは、被実装物を保持する保持部と、保持部に保持された被実装物を、上下方向に移動させる昇降機構部と、昇降機構部に取り付けられており、保持部に保持された被実装物を傾斜させる傾斜機構部と、傾斜機構部に取り付けられており、保持部に保持された被実装物を回転させる回転機構部と、を含み、回転機構部は、傾斜機構部により片持ち状に支持されている。
【0007】
この発明の一の局面による被実装物作業装置では、上記のように、回転機構部が、傾斜機構部により片持ち状に支持されている。これにより、回転機構部が傾斜機構部により両側から支持されている場合に比べて、傾斜機構部による回転機構部の支持構造を簡素な構造にすることができるので、被実装物保持ユニットをコンパクト化することができる。
【0008】
上記一の局面による被実装物作業装置において、好ましくは、傾斜機構部は、昇降機構部により片持ち状に支持されている。このように構成すれば、傾斜機構部による回転機構部の支持構造に加えて、昇降機構部による回転機構部の支持構造も簡素な構造にすることができるので、被実装物保持ユニットをよりコンパクト化することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、傾斜機構部は、水平方向において、昇降機構部により片持ち状に支持されており、回転機構部は、水平方向において、傾斜機構部により片持ち状に支持されている。このように構成すれば、傾斜機構部および回転機構部の両方が水平方向において片持ち状に支持されているので、被実装物保持ユニットが上下方向に大型化することを抑制することができる。
【0010】
上記傾斜機構部および回転機構部が水平方向において片持ち状に支持されている構成において、好ましくは、昇降機構部と傾斜機構部と回転機構部とは、昇降機構部に対する傾斜機構部の第1の取付方向と傾斜機構部に対する回転機構部の第2の取付方向とが平面視で互いに略直交するように、配置されている。このように構成すれば、昇降機構部に対する傾斜機構部の第1の取付方向と傾斜機構部に対する回転機構部の第2の取付方向とが平面視で互いに略平行な場合と異なり、平面視で見た場合に被実装物保持ユニットが一方向に大型化することを抑制することができる。
【0011】
上記傾斜機構部および回転機構部が片持ち状に支持されている構成においてにおいて、好ましくは、昇降機構部に対する傾斜機構部の第1の取付方向における昇降機構部と傾斜機構部との間の第1の距離は、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な第2の距離よりも短く、傾斜機構部に対する回転機構部の第2の取付方向における昇降機構部と回転機構部との間の第3の距離は、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な第2の距離よりも短い。このように構成すれば、昇降機構部の近傍に傾斜機構部および回転機構部を配置することができるので、傾斜機構部および回転機構部が片持ち状に支持される場合にも、傾斜機構部および回転機構部を安定して支持することができる。
【0012】
上記一の局面による被実装物作業装置において、好ましくは、被実装物保持ユニットの保持部は、被実装物を載置する載置部材を介して被実装物を保持するように構成されている。このように構成すれば、被実装物保持ユニットにより保持される被保持部が被実装物に設けられていない場合にも、載置部材を介して被実装物を被実装物保持ユニットにより保持することができる。
【0013】
この場合、好ましくは、載置部材は、載置部と、単一の被保持部とを含み、被実装物保持ユニットの保持部は、載置部材の単一の被保持部を把持することによって、載置部を介して被実装物を保持するように構成されている。このように構成すれば、被実装物保持ユニットにより単一の被保持部を把持するだけで被実装物を保持することができるので、被実装物保持ユニットにより複数の被保持部を把持する必要がある場合に比べて、被実装物保持ユニットの構成を簡素にすることができる。
【0014】
上記一の局面による被実装物作業装置において、好ましくは、作業部は、直線状に配列された複数の作業ヘッドを含み、被実装物保持ユニットの傾斜機構部は、複数の作業ヘッドの配列方向と略平行な方向に延びる軸線回りに被実装物を回転させることによって、被実装物を傾斜させるように構成されている。このように構成すれば、被実装物を傾斜させる場合にも、複数の作業ヘッドと傾斜された被実装物とが干渉することを抑制することができる。その結果、複数の作業ヘッドを予め被実装物に近付けておくことができるので、作業部による被実装物への作業時間を短縮することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上記のように、被実装物保持ユニットをコンパクト化することが可能な被実装物作業装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態による被実装物作業装置の全体構成を示す模式的な正面図である。
図2】一実施形態の被実装物作業装置の全体構成を示す模式的な平面図である。
図3】一実施形態の被実装物作業装置の全体構成を示す模式的な側面図である。
図4】一実施形態の被実装物作業装置により作業される被実装物を示す図であり、図4(A)は被実装物を示す模式的な平面図であり、図4(B)は被実装物を示す模式的な正面図であり、図4(C)は被実装物を示す模式的な側面図である。
図5】一実施形態の被実装物作業装置の基板バックアップユニットを示す模式的な正面図である。
図6】一実施形態の被実装物作業装置の制御的な構成を示すブロック図である。
図7】一実施形態の被実装物作業装置の被実装物保持ユニットを示す斜視図である。
図8】一実施形態の被実装物作業装置の被実装物保持ユニットを示す平面図である。
図9】一実施形態の被実装物作業装置の被実装物保持ユニットを示す正面図である。
図10】一実施形態の被実装物作業装置の被実装物保持ユニットを示す側面図である。
図11】一実施形態の被実装物作業装置の傾斜被作業面への実装作業を説明するための図である。
図12】一実施形態の被実装物作業装置の傾斜被作業面への実装作業を説明するための他の図である。
図13】一実施形態の被実装物作業装置による被作業面への実装作業処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
[一実施形態]
(被実装物作業装置の構成)
図1図12を参照して、本発明の一実施形態による被実装物作業装置100の構成について説明する。
【0019】
被実装物作業装置100は、図1図3に示すように、IC、トランジスタ、コンデンサおよび抵抗などの部品E(電子部品)を、プリント基板などの被実装物Pに実装する部品実装装置である。
【0020】
被実装物Pは、図4(A)〜(C)に示すように、1つの水平被作業面(水平被実装面)P1と、水平被作業面P1に対して傾斜した複数(4つ)の傾斜被作業面(傾斜被実装面)P2を有している。複数の傾斜被作業面P2は、水平被作業面P1のY方向の両側に設けられた一対の傾斜被作業面P2aおよびP2bと、水平被作業面P1のX方向の両側に設けられた一対の傾斜被作業面P2cおよびP2dとにより構成されている。傾斜被作業面P2a、P2b、P2cおよびP2dは、それぞれ、水平被作業面P1に向けて下がるように傾斜が形成されている。すなわち、被実装物Pは、周囲を取り囲む傾斜被作業面P2a、P2b、P2cおよびP2dに対して、水平被作業面P1が下方に凹むような形状を有している。
【0021】
1つの水平被作業面P1および複数の傾斜被作業面P2には、それぞれ、後述する基板認識カメラ8により撮像される位置認識マーク(フィデューシャルマーク)FM(黒丸により示す)が付されている。また、1つの水平被作業面P1および複数の傾斜被作業面P2は、共に、後述するヘッドユニット4により部品Eが実装される平坦面である。また、水平被作業面P1は、後述する被実装物搬送部2による搬送方向(X方向)への搬送状態で、水平面(XY平面)と略平行となる被実装物Pの被作業面である。
【0022】
図1図3に示すように、被実装物作業装置100は、水平被作業面P1および傾斜被作業面P2を有する被実装物Pを搬送して、被実装物Pに部品Eを実装する装置である。
【0023】
被実装物作業装置100は、基台1と、被実装物搬送部2と、被実装物保持ユニット3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識カメラ7と、基板認識カメラ8と、高さ計測部9と、制御装置10(図6参照)とを備えている。なお、ヘッドユニット4は、請求の範囲の「作業部」の一例である。
【0024】
基台1のY2側の端部には、複数のテープフィーダ11を配置するためのフィーダ配置部12が設けられている。また、基台1のY1側の端部には、フィーダ配置部12が設けられておらず、テープフィーダ11が配置されていない。
【0025】
テープフィーダ11は、複数の部品Eを所定の間隔を隔てて保持したテープが巻き回されたリール11a(図3参照)を保持している。テープフィーダ11は、リール11aを回転させて部品Eを保持するテープを送出することにより、先端から部品Eを供給するように構成されている。
【0026】
各テープフィーダ11は、フィーダ配置部12に設けられた図示しないコネクタを介して制御装置10に電気的に接続された状態で、フィーダ配置部12に配置されている。これにより、各テープフィーダ11は、制御装置10からの制御信号に基づいて、リール11aからテープを送出するとともに、部品Eを供給するように構成されている。この際、各テープフィーダ11は、ヘッドユニット4の実装作業に応じて、部品Eを供給するように構成されている。
【0027】
被実装物搬送部2は、被実装物Pを搬入し、搬送方向(X方向)に搬送し、搬出するように構成されている。また、被実装物搬送部2は、搬入された被実装物Pを被実装物保持ユニット3に受け渡すように構成されている。被実装物作業装置100では、被実装物搬送部2により、単一の搬送路が形成されている。
【0028】
ここで、図1図3に示すように、被実装物Pは、載置部材90に保持された状態で、被実装物搬送部2により搬送される。載置部材90は、被実装物Pの搬送用の部材である。載置部材90には、板形状を有する載置部90bが設けられている。板形状を有する載置部90bには、上面(Z1側の面)に微粘着性の接着層が形成されている。載置部90bは、被実装物Pが接着層に接着されることにより、上面上に着脱可能に被実装物Pを保持して固定するように構成されている。また、載置部90bの下面(Z2側の面)には、被実装物保持ユニット3が保持するための単一の被保持部90aが設けられている。被保持部90aは、載置部90bの上面上に保持された被実装物Pの重心位置近傍に設けられている。被保持部90aは、載置部90bの下面から下方(Z2方向)に向けて突出するように形成されている。被実装物Pは、載置部材90(載置部90b)を介して被実装物保持ユニット3により保持される。
【0029】
被実装物搬送部2は、上流側搬送部21と、中央搬送部22と、下流側搬送部23とを含んでいる。
【0030】
上流側搬送部21は、搬送方向(X方向)の上流側(X1側)に設けられた搬送部である。上流側搬送部21は、図示しない搬送路から実装前の被実装物Pを搬入するとともに、搬入された被実装物Pを中央搬送部22まで搬送するように構成されている。上流側搬送部21は、一対のコンベア部211を有している。上流側搬送部21は、一対のコンベア部211により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から被実装物Pを支持しながら、搬送方向に被実装物Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部211は、搬送方向と直交する方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部211が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部211が固定されている。これにより、被実装物Pの大きさ(Y方向の幅)に応じて、一対のコンベア部211の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
【0031】
中央搬送部22は、上流側搬送部21と下流側搬送部23との間に設けられた搬送部である。中央搬送部22は、実装前の被実装物Pを上流側搬送部21から受け取り、受け取った被実装物Pを下流側搬送部23まで搬送するように構成されている。また、中央搬送部22は、被実装物Pを被実装物保持ユニット3への受け渡し位置まで移動させるように構成されている。
【0032】
中央搬送部22は、一対のコンベア部221を有している。中央搬送部22は、一対のコンベア部221により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から被実装物Pを支持しながら、搬送方向に被実装物Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部221は、図示しない駆動モータにより、搬送方向と直交する方向に互いに独立して移動可能に構成されている。中央搬送部22は、一対のコンベア部221の間の幅(Y方向の幅)を維持しながら、一対のコンベア部221が搬送方向と直交する方向に移動されることにより、被実装物Pを搬送方向と直交する方向に移動するように構成されている。
【0033】
被実装物作業装置100では、搬入された被実装物Pが、中央搬送部22の一対のコンベア部221により搬送方向(X方向)に移動(搬送)されて、搬送方向の所定位置に位置決めされる。その後、被実装物Pが、一対のコンベア部221により搬送方向と直交する方向に移動されることにより、搬送方向と直交する方向の所定位置に位置決めされる。これにより、被実装物作業装置100では、被実装物Pが、被実装物保持ユニット3に被実装物Pを受け渡すための受け渡し位置まで移動される。
【0034】
下流側搬送部23は、搬送方向(X方向)の下流側(X2側)に設けられた搬送部である。下流側搬送部23は、実装後の被実装物Pを中央搬送部22から受け取り、図示しない搬送路に実装後の被実装物Pを搬出するように構成されている。下流側搬送部23は、一対のコンベア部231を有している。下流側搬送部23は、一対のコンベア部231により、載置部材90の搬送方向と直交する方向(Y方向)の両端部を下方から支持することにより、搬送方向と直交する方向の両側から被実装物Pを支持しながら、搬送方向に被実装物Pを搬送するように構成されている。また、一対のコンベア部231は、搬送方向と直交する方向の間隔を調整可能に構成されている。具体的には、Y1側のコンベア部231が搬送方向と直交する方向に移動可能に構成されており、Y2側のコンベア部231が固定されている。これにより、被実装物Pの大きさ(Y方向の幅)に応じて、一対のコンベア部231の間の幅(Y方向の幅)を調整することが可能である。
【0035】
被実装物保持ユニット3は、受け渡し位置において被実装物搬送部2から被実装物Pを受け渡され、被実装物Pを保持するように構成されている。具体的には、被実装物保持ユニット3は、載置部材90(載置部90b)を介して被実装物Pを保持するように構成されている。
【0036】
また、被実装物保持ユニット3は、保持された被実装物Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。また、被実装物保持ユニット3は、保持された被実装物Pを傾斜させるように構成されている。また、被実装物保持ユニット3は、保持された被実装物Pを回転させるように構成されている。被実装物保持ユニット3は、被実装物Pを上下方向に移動させ、傾斜させ、または回転させることにより、被実装物Pの姿勢を調整可能に構成されている。これにより、たとえば、被実装物Pの傾斜被作業面P2(図4参照)が水平面(XY平面)と略平行になるように、被実装物Pの姿勢を調整することが可能である。また、たとえば、被実装物Pの水平被作業面P1(図4参照)が水平面(XY平面)と略平行になるように、被実装物Pの姿勢を調整することが可能である。なお、被実装物保持ユニット3の詳細な構成は、後述する。
【0037】
また、基台1の中央部には、平面視で矩形形状を有する開口部1aが設けられている。基台1の開口部1aには、基台1の上面(Z1側の面)から下方(Z2方向)に向けて凹む凹形状を有する収容部1bが取り付けられている。被実装物保持ユニット3は、少なくとも一部が収容部1b内に収容されるように配置されている。これにより、被実装物保持ユニット3は、少なくとも一部が基台1の上面よりも下方に配置されている。この結果、被実装物保持ユニット3を基台1の上面上に配置する場合に比べて、被実装物作業装置100が上下方向に大型化することを抑制することが可能になる。
【0038】
また、被実装物作業装置100は、被実装物保持ユニット3を他のユニットと取り換え可能に構成されている。具体的には、被実装物作業装置100は、被実装物保持ユニット3を、図5に示す被実装物バックアップユニット80と取り換え可能に構成されている。
【0039】
被実装物バックアップユニット80は、平板形状を有する被実装物(図示せず)を下方(Z2方向)から支持するユニットである。被実装物バックアップユニット80は、複数のバックアップピン81と、バックアッププレート82と、エアシリンダ83とを含んでいる。被実装物バックアップユニット80は、エアシリンダ83によりバックアッププレート82を上下方向に移動させることにより、バックアッププレート82上に固定された複数のバックアップピン81により平板形状を有する被実装物を下方から支持するように構成されている。被実装物作業装置100では、被実装物バックアップユニット80が用いられる場合には、被実装物保持ユニット3および収容部1bを取り外した状態で、基台1の開口部1aに平板状の取付部材84が取り付けられるとともに、取付部材84上に被実装物バックアップユニット80が取り付けられる。
【0040】
したがって、被実装物作業装置100は、被実装物保持ユニット3が取り付けられている場合には、たとえば図4に示すような水平被作業面P1および傾斜被作業面P2を有する被実装物Pに部品Eを実装するのに適した装置になる。また、被実装物作業装置100は、被実装物バックアップユニット80が取り付けられている場合には、平板形状を有する被実装物に部品Eを実装するのに適した装置になる。
【0041】
図1図3に示すように、ヘッドユニット4は、支持部5および一対のレール部6を介して、基台1の上方位置に設けられている。また、ヘッドユニット4は、被実装物搬送部2、被実装物保持ユニット3およびテープフィーダ11よりも上方(Z1方向)の位置に設けられており、水平方向に移動可能に構成されている。
【0042】
ヘッドユニット4は、被実装物保持ユニット3が取り付けられている場合には、被実装物保持ユニット3により保持された状態の被実装物Pに部品Eの実装作業を行うように構成されている。また、ヘッドユニット4は、被実装物バックアップユニット80が取り付けられている場合には、被実装物バックアップユニット80により支持された状態の被実装物(平板形状を有する被実装物)に部品Eの実装作業を行うように構成されている。具体的には、ヘッドユニット4は、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着するとともに、吸着された部品Eを被実装物Pに実装するように構成されている。
【0043】
ヘッドユニット4には、複数(6つ)の実装ヘッド41と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のボールネジ軸42と、ボールネジ軸42毎に設けられた複数(6つ)のZ軸モータ43と、実装ヘッド41毎に設けられた複数(6つ)のR軸モータ44(図6参照)とが設けられている。なお、実装ヘッド41は、請求の範囲の「作業ヘッド」の一例である。
【0044】
複数の実装ヘッド41は、搬送方向(X方向)に沿って直線状に配列されている。各実装ヘッド41の先端には、それぞれ、ノズル41a(図1および図3参照)が取り付けられている。実装ヘッド41は、図示しない負圧発生機によりノズル41aの先端部に発生された負圧によって、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着して保持することが可能に構成されている。
【0045】
各ボールネジ軸42は、それぞれ、上下方向に延びるように形成されている。各Z軸モータ43は、それぞれ、対応するボールネジ軸42を回転させるように構成されている。また、各実装ヘッド41には、それぞれ、対応するボールネジ軸42に係合(螺合)されるボールナット41b(図3参照)が設けられている。実装ヘッド41は、Z軸モータ43によりボールネジ軸42が回転されることにより、ボールネジ軸42と係合(螺合)するボールナット41bとともに、ボールネジ軸42に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、実装ヘッド41は、部品Eの吸着や実装(装着)などを行うことが可能な下降した状態の高さ位置と、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置との間で上下方向に移動可能に構成されている。
【0046】
各R軸モータ44は、それぞれ、対応する実装ヘッド41をノズル41aの中心軸回り(Z方向回り)に回転させるように構成されている。
【0047】
支持部5は、ヘッドユニット4を搬送方向(X方向)に移動させるように構成されている。支持部5は、X方向に延びるボールネジ軸51と、ボールネジ軸51を回転させるX軸モータ52と、X方向に延びる図示しないガイドレールとを含んでいる。また、ヘッドユニット4には、ボールネジ軸51が係合(螺合)されるボールナット45(図3参照)が設けられている。ヘッドユニット4は、X軸モータ52によりボールネジ軸51が回転されることにより、ボールネジ軸51と係合(螺合)するボールナット45とともに、支持部5に沿って搬送方向(X方向)に移動可能に構成されている。
【0048】
一対のレール部6は、共にY方向に延びるように形成されており、基台1のX方向の両端部において基台1上に固定されている。また、一対のレール部6は、支持部5を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるように構成されている。一対のレール部6は、共にY方向に延びる一対のボールネジ軸61と、ボールネジ軸61毎に設けられた複数(2つ)のY軸モータ62とを含んでいる。各Y軸モータ62は、それぞれ、対応するボールネジ軸61を回転させるように構成されている。また、支持部5には、ボールネジ軸61が係合(螺合)される図示しないボールナットが設けられている。支持部5は、各Y軸モータ62により各ボールネジ軸61が同期して回転されることにより、各ボールネジ軸61と係合(螺合)するボールナットとともに、一対のレール部6に沿って搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動可能に構成されている。
【0049】
このような構成により、ヘッドユニット4は、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。これにより、ヘッドユニット4は、たとえばテープフィーダ11の上方に移動して、テープフィーダ11から供給される部品Eを吸着することが可能である。また、ヘッドユニット4は、たとえば被実装物保持ユニット3に保持された状態の被実装物Pの上方に移動して、吸着された部品Eを被実装物Pに実装することが可能である。
【0050】
部品認識カメラ7は、テープフィーダ11の近傍の基台1の上面上に固定されており、部品Eの実装に先立って実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを撮像するように構成されている。部品認識カメラ7は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eを、下方(Z2方向)から撮像するように構成されている。この撮像結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、実装ヘッド41のノズル41aに吸着された部品Eの撮像結果に基づいて、下方から見た部品Eの吸着状態(回転姿勢および実装ヘッド41のノズル41aに対する吸着位置)を認識するように構成されている。また、制御装置10は、部品Eの吸着状態の認識結果に基づいて、部品Eの回転姿勢および実装時の部品実装位置座標位置(XY座標位置)を補正するように構成されている。
【0051】
基板認識カメラ8は、部品Eの実装に先立って被実装物Pに付された位置認識マークFMを撮像するように構成されている。位置認識マークFMは、被実装物Pの位置を認識するためのマークである。この位置認識マークFMの撮像結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、位置認識マークFMの撮像結果に基づいて、被実装物保持ユニット3により保持された状態の被実装物Pの正確な位置および姿勢を認識するように構成されている。また、制御装置10は、被実装物Pの位置および姿勢の認識結果に基づいて、実装時の部品実装位置座標位置(XY座標位置)を補正するように構成されている。
【0052】
また、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4のY1側の側部において、X方向に並んだ実装ノズル配列の中央の位置に取り付けられている。これにより、基板認識カメラ8は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、基板認識カメラ8は、基台1上を水平方向に移動して、被実装物Pに付された位置認識マークFMを、被実装物Pの上方(Z1方向)から撮像するように構成されている。
【0053】
高さ計測部9は、部品Eの実装に先立って被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するレーザ変位計により構成されている。高さ計測部9は、被実装物Pにおける部品実装位置にレーザ光を照射して、部品実装位置から反射された反射光を受光することにより、被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を計測するように構成されている。この高さ位置の計測結果は、制御装置10により取得される。制御装置10は、高さ位置の計測結果に基づいて、被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置を認識するように構成されている。また、制御装置10は、被実装物Pにおける部品実装位置の高さ位置の認識結果に基づいて、実装時の実装ヘッド41の下降量を補正するように構成されている。
【0054】
また、高さ計測部9は、ヘッドユニット4に取り付けられている。具体的には、高さ計測部9は、実装ヘッド42と基板認識カメラ8との間で、X方向に並んだ実装ノズル配列の略中央の位置に取り付けられている。これにより、高さ計測部9は、ヘッドユニット4とともに、基台1上を水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されている。また、高さ計測部9は、基台1上を水平方向に移動して、被実装物Pにおける部品実装位置の上方からレーザ光を照射するように構成されている。
【0055】
図6に示すように、制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、およびRAM(Random Access Memory)などを含み、被実装物作業装置100の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御装置10は、被実装物搬送部2、被実装物保持ユニット3、ヘッドユニット4、支持部5、一対のレール部6、部品認識カメラ7、基板認識カメラ8、高さ計測部9、およびテープフィーダ11などを予め記憶されたプログラムに従って制御して、被実装物Pに部品Eの実装を行うように構成されている。
【0056】
(被実装物保持ユニットの構成)
【0057】
次に、図7図10を参照して、被実装物保持ユニット3の詳細な構成について説明する。図7図10に示すように、被実装物保持ユニット3は、昇降機構部31と、傾斜機構部32と、回転機構部33と、保持部34と、固定部35とを含んでいる。なお、図1図3図11および図12では、図7に示す被実装物保持ユニット3を簡略化して図示している。
【0058】
昇降機構部31は、上下方向に延びる軸線A1(一点鎖線により示す)に沿って、保持部34により保持された被実装物Pを上下方向に移動させるための上下軸機構部である。昇降機構部31は、駆動モータ311と、ベルトプーリ機構部312と、ボールネジ軸313と、取付部314とを有している。
【0059】
駆動モータ311は、ボールネジ軸313を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。ベルトプーリ機構部312は、駆動モータ311により発生された駆動力(回転力)を、ボールネジ軸313に伝達するように構成されている。ボールネジ軸313は、ベルトプーリ機構部312を介して伝達された駆動モータ311の駆動力により、軸線A1回りに回転するように構成されている。なお、軸線A1は、ボールネジ軸313の中心を通る軸線である。
【0060】
取付部314は、昇降機構部31に、傾斜機構部32、回転機構部33および保持部34を取り付けるための部材である。具体的には、取付部314のY1側には、傾斜機構部32が取り付けられている。また、傾斜機構部32のX2側には、回転機構部33および保持部34が取り付けられている。すなわち、取付部314に傾斜機構部32が取り付けられているとともに、傾斜機構部32を介して取付部314に回転機構部33および保持部34が取り付けられている。また、取付部314には、ボールネジ軸313と係合(螺合)されるボールナット314aが設けられている。
【0061】
取付部314は、駆動モータ311によりボールネジ軸313が回転されることにより、ボールネジ軸313と係合(螺合)するボールナット314aとともに、ボールネジ軸313に沿って上下方向に移動可能に構成されている。これにより、昇降機構部31は、取付部314とともに、傾斜機構部32、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを上下方向(Z方向)に移動させるように構成されている。なお、図7図10では、取付部314が下端に配置された状態を示している。
【0062】
傾斜機構部32は、昇降機構部31に取り付けられており、軸線A2(一点鎖線により示す)回りに回転させることにより、保持部34により保持された被実装物Pを傾斜させるためのチルト軸機構部である。軸線A2は、水平方向に延びる軸線である。本実施形態では、軸線A2は、搬送方向に略平行な方向に延びる軸線であって、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向(Y方向)および軸線A1に対して略直交する方向に延びる軸線である。また、軸線A2は、複数の実装ヘッド41の配列方向(X方向)と略平行な方向に延びる軸線である。なお、軸線A2は、請求の範囲の「複数の作業ヘッドの配列方向と略平行な方向に延びる軸線」の一例である。
【0063】
傾斜機構部32は、駆動モータ321と、ベルトプーリ機構部322と、回転軸部323とを有している。
【0064】
駆動モータ321は、回転軸部323を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ321は、正回転(時計回りの回転)および逆回転(反時計回りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部322は、駆動モータ321により発生された駆動力(回転力)を、回転軸部323に伝達するように構成されている。回転軸部323は、ベルトプーリ機構部322を介して伝達された駆動モータ321の駆動力により、軸線A2回りに回転するように構成されている。なお、軸線A2は、回転軸部323中心を通る軸線である。
【0065】
回転軸部323のX2側の端部には、回転機構部33および保持部34が取り付けられている。回転機構部33および保持部34は、駆動モータ321により回転軸部323が回転されることにより、回転軸部323とともに軸線A2回りに回転可能に構成されている。これにより、傾斜機構部32は、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを軸線A2回りに回転させて、YZ平面内で傾斜させる(図10および図11参照)ように構成されている。
【0066】
具体的には、傾斜機構部32は、後述する軸線A3が上下方向と略平行な状態を基準状態とした場合に、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを傾斜させるように構成されている。この際、傾斜機構部32は、基準状態から搬送方向と直交するY1方向側またはY2方向側に、それぞれ、0度以上90度以下の角度範囲で、回転機構部33、保持部34および保持部34に保持された被実装物Pを傾斜可能に構成されている
【0067】
回転機構部33は、傾斜機構部32に取り付けられており、保持部34により保持された被実装物Pを軸線A3(一点鎖線により示す)周りに回転させるための回転軸機構部である。軸線A3は、軸線A2に対して略直交する方向に延びる軸線である。また、軸線A3は、保持部34中心を通る軸線であって、傾斜機構部32により回転機構部33および保持部34が傾斜されるのとともに、傾斜される。
【0068】
回転機構部33は、駆動モータ331と、ベルトプーリ機構部332とを有している。
【0069】
駆動モータ331は、保持部34を回転させるための駆動力を発生するように構成されている。また、駆動モータ331は、正回転(時計回りの回転)および逆回転(反時計回りの回転)が可能に構成されている。ベルトプーリ機構部332は、駆動モータ331により発生された駆動力(回転力)を、保持部34に伝達するように構成されている。保持部34は、ベルトプーリ機構部332を介して伝達された駆動モータ331の駆動力により、軸線A3回りに回転するように構成されている。これにより、回転機構部33は、保持部34とともに、保持部34に保持された被実装物Pを軸線A3回りに回転させるように構成されている。
【0070】
保持部34は、回転機構部33に取り付けられており、載置部材90を介して被実装物Pを保持して固定するように構成されている。保持部34は、円柱形状を有する本体部341と、複数(3つ)の爪部342とを有している。複数(3つ)の爪部342は、本体部341の上面上に等角度間隔(120度間隔)で配置されている。また、複数の爪部342は、それぞれ、保持部34の回転の半径方向に移動可能に構成されている。
【0071】
具体的には、載置部材90の被保持部90a(図1図3参照)を保持する場合には、複数の爪部342は、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心に向かう半径方向(すなわち、軸線A3に向かう方向)に移動する。この結果、複数の爪部342により載置部材90の被保持部90aが把持されるとともに、載置部材90を介して被実装物Pが被実装物保持ユニット3により保持して固定される。
【0072】
また、載置部材90の被保持部90aの保持を解除する場合には、複数の爪部342は、それぞれ、本体部341の上面上で保持部34の回転中心から離間する半径方向(すなわち、軸線A3から離間する方向)に移動する。この結果、複数の爪部342による載置部材90の被保持部90aの把持が解除されるとともに、被実装物保持ユニット3による載置部材90を介した被実装物Pの保持が解除される。
【0073】
固定部35は、被実装物保持ユニット3を基台1に取り付けて固定するための部材である。被実装物保持ユニット3は、図1図3に示すように、固定部35を介して、たとえばネジなどにより基台1に固定される。また、被実装物保持ユニット3は、被実装物搬送部2により形成される単一の搬送路の中央に対して、保持部34がY1側にずれた位置に固定されている。
【0074】
ここで、本実施形態では、図7図10に示すように、回転機構部33は、傾斜機構部32により片持ち状に支持されている。また、傾斜機構部32は、昇降機構部31により片持ち状に支持されている。
【0075】
具体的には、傾斜機構部32は、昇降機構部31の取付部314のY1側の側部に取り付けられることによって、水平方向において、昇降機構部31により片持ち状に支持されている。すなわち、傾斜機構部32は、水平方向の一方側(Y1側)から昇降機構部31により支持されることなく、水平方向の他方側(Y2側)から昇降機構部31により支持されている。昇降機構部31と傾斜機構部32とは、水平方向のうちY方向に並んで配置されている。
【0076】
また、回転機構部33は、傾斜機構部32の回転軸部323のX2側の端部に取り付けられることによって、水平方向において、傾斜機構部32により片持ち状に支持されている。すなわち、回転機構部33は、水平方向の一方側(X2側)から傾斜機構部32により支持されることなく、水平方向の他方側(X1側)から傾斜機構部32により支持されている。傾斜機構部32と回転機構部33とは、水平方向のうちX方向に並んで配置されている。
【0077】
また、本実施形態では、昇降機構部31と傾斜機構部32と回転機構部33とは、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向(本実施形態では、Y方向)と、傾斜機構部32に対する回転機構部33の取付方向(本実施形態では、X方向)とが平面視で(上下方向から見て)互いに略直交するように、配置されている。これにより、昇降機構部31の取付部314と傾斜機構部32と回転機構部33とは、平面視で概略L字形状を有するように、配置されている。なお、Y方向は、請求の範囲の「第1の取付方向」の一例である。また、X方向は、請求の範囲の「第2の取付方向」の一例である。
【0078】
また、昇降機構部31と傾斜機構部32と回転機構部33とは、平面視で互いに重ならない位置に配置されている。また、回転機構部33は、傾斜機構部32に対して昇降機構部31の駆動モータ311が配置される側(X1側)とは反対側(X2側)に配置されている。
【0079】
また、本実施形態では、平面視で見た場合に、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向(本実施形態では、Y方向)における、昇降機構部31の軸線A1と傾斜機構部32の軸線A2との間の距離は、D1(図8参照)である。そして、距離D1は、昇降機構部31が被実装物Pを上下方向に移動させることが可能な距離D3(図9参照)よりも短い。すなわち、傾斜機構部32は、昇降機構部31に十分に近接して取り付けられている。なお、距離D1は、請求の範囲の「第1の距離」の一例である。また、距離D3は、請求の範囲の「第2の距離」の一例である。
【0080】
また、平面視で見た場合に、傾斜機構部32に対する回転機構部33の取付方向(本実施形態では、X方向)における、昇降機構部31の軸線A1と回転機構部33の軸線A3との間の距離は、D2(図8参照)である。そして、距離D2は、昇降機構部31が被実装物Pを上下方向に移動させることが可能な距離D3(図9参照)よりも短い。すなわち、回転機構部33は、昇降機構部31に十分に近接して取り付けられている。なお、距離D2は、請求の範囲の「第3の距離」の一例である。
【0081】
(傾斜被作業面への実装作業に係る制御装置の構成)
制御装置10は、図11および図12に示すように、被実装物保持部3により被実装物Pを傾斜させるとともに、ヘッドユニット4により被実装物Pの傾斜被作業面P2に部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。
【0082】
この際、制御装置10は、被実装物Pを、昇降機構部31により上下方向に移動させ、傾斜機構部32により傾斜させ、または回転機構部33により回転させることにより、被実装物Pの傾斜被作業面P2(図4参照)が水平面(XY平面)と略平行になるように被実装物Pの姿勢を調整するように構成されている。
【0083】
たとえば、図11に示すように、複数(4つ)の傾斜被作業面P2のうちY2側の傾斜被作業面P2bに実装作業を行う場合には、制御装置10は、被実装物Pの傾斜被作業面P2bが水平面と略平行になるように被実装物Pの姿勢を被実装物保持ユニット3により調整させる。そして、制御装置10は、被実装物Pの傾斜被作業面P2bが水平面(XY平面)と略平行になるようにした状態で、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。
【0084】
たとえば、図12に示すように、複数(4つ)の傾斜被作業面P2のうちY1側の傾斜被作業面P2aに実装作業を行う場合には、制御装置10は、被実装物Pの傾斜被作業面P2aが水平面と略平行になるように被実装物Pの姿勢を被実装物保持ユニット3により調整させる。そして、制御装置10は、被実装物Pの傾斜被作業面P2aが水平面(XY平面)と略平行になるようにした状態で、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせるように構成されている。
【0085】
また、制御装置10は、ヘッドユニット4により部品Eの実装作業を行わせる場合には、被実装物Pに部品Eを実装する実装ヘッド41以外の実装ヘッド41を、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置から、実装待機高さ位置まで予め下降させるように構成されている。実装待機高さ位置は、部品Eの吸着や実装(装着)などを行うことが可能な下降した状態の高さ位置よりも高く、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置よりも低い高さ位置である。
【0086】
(傾斜被作業面への実装作業処理)
次に、図13を参照して、本実施形態の被作業面(水平被作業面P1および傾斜被作業面P2)への実装作業処理についてフローチャートに基づいて説明する。被作業面への実装作業処理は、制御装置10により行われる。
【0087】
図13に示すように、まず、ステップS1において、ヘッドユニット4の実装ヘッド41により、テープフィーダ11から供給される部品Eが吸着される。
【0088】
そして、ステップS2において、部品認識カメラ7により、実装ヘッド41に吸着された部品Eの吸着状態が下方から撮像される。この結果、実装ヘッド41に吸着された部品Eの吸着状態が認識される。
【0089】
そして、ステップS3において、被実装物保持ユニット3により、実装作業が行われる被実装物Pの被作業面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)が水平面(XY平面)と略平行にされる。具体的には、ステップS3では、被実装物保持ユニット3の保持部34に保持された被実装物Pが、昇降機構部31により上下方向に移動され、傾斜機構部32により傾斜され、または回転機構部33により回転される。これにより、実装作業が行われる被実装物Pの被作業面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)が水平面(XY平面)と略平行にされる。なお、被実装物Pの被作業面が既に水平面と略平行である場合には、ステップS3の処理は行う必要はない。
【0090】
そして、ステップS4において、部品Eを吸着した実装ヘッド42が水平移動可能な上昇した状態の高さ位置まで上昇される。
【0091】
そして、ステップS5において、被実装物Pに向けて、ヘッドユニット4が水平方向に移動される。
【0092】
そして、ステップS6において、基板認識カメラ8により、実装作業が行われる被実装物Pの被作業面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)の位置認識マークFMが撮像される。この結果、被実装物保持ユニット3により保持された状態の被実装物Pの位置が認識される。
【0093】
そして、ステップS7において、高さ計測部9が被実装物Pにおける部品実装位置の上方位置に移動される。
【0094】
そして、ステップS8において、高さ計測部9により、被作業面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)の高さが計測される。具体的には、ステップS8では、高さ計測部9により、実装作業が行われる被実装物Pの被作業面(水平被作業面P1または傾斜被作業面P2)の部品実装位置の高さ位置が計測される。
【0095】
そして、ステップS9において、実装ヘッド41が部品実装位置の上方位置に移動される。そして、ステップS10において、実装ヘッド41により被実装物Pの部品実装位置に部品Eが実装される。この際、被実装物Pに部品Eを実装する実装ヘッド41以外の実装ヘッド41が、実装ヘッド41の水平方向の移動が可能な上昇した状態の高さ位置から、実装待機高さ位置まで下降される。
【0096】
ステップS9およびS10の処理では、ステップS2における部品認識カメラ7による撮像結果、ステップS6における基板認識カメラ8による撮像結果、およびステップS8における高さ計測部9による計測結果に基づいて、吸着された部品Eの回転姿勢や、実装時の部品実装座標位置(XY座標位置)、実装時の実装ヘッド41の下降量が適宜補正されて、部品Eが実装される。そして、被作業面への実装作業処理が終了される。
【0097】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0098】
本実施形態では、上記のように、回転機構部33が、傾斜機構部32により片持ち状に支持されている。これにより、回転機構部33が傾斜機構部32により両側から支持されている場合に比べて、傾斜機構部32による回転機構部33の支持構造を簡素な構造にすることができるので、被実装物保持ユニット3をコンパクト化することができる。また、本実施形態のように、被実装物保持ユニット3を他のユニット(被実装物バックアップユニット80)と取り換え可能に被実装物作業装置100が構成されている場合には、被実装物保持ユニット3がコンパクトなユニットであることが望ましい。したがって、本実施形態の被実装物作業装置100の場合には、被実装物保持ユニット3をコンパクト化することができるという効果は、特に有効である。
【0099】
また、本実施形態では、上記のように、傾斜機構部32が、昇降機構部31により片持ち状に支持されている。これにより、傾斜機構部32による回転機構部33の支持構造に加えて、昇降機構部31による回転機構部33の支持構造も簡素な構造にすることができるので、被実装物保持ユニット3をよりコンパクト化することができる。
【0100】
また、本実施形態では、上記のように、傾斜機構部32が、水平方向において、昇降機構部31により片持ち状に支持されている。そして、回転機構部33が、水平方向において、傾斜機構部32により片持ち状に支持されている。これにより、傾斜機構部32および回転機構部33の両方が水平方向において片持ち状に支持されているので、被実装物保持ユニット3が上下方向に大型化することを抑制することができる。
【0101】
また、本実施形態では、上記のように、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向(本実施形態では、Y方向)と傾斜機構部32に対する回転機構部33の取付方向(本実施形態では、X方向)とが平面視で互いに略直交するように、昇降機構部31と傾斜機構部32と回転機構部33とを配置する。これにより、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向と傾斜機構部32に対する回転機構部33の取付方向とが平面視で互いに略平行な場合と異なり、平面視で見た場合に被実装物保持ユニット3が一方向に大型化することを抑制することができる。
【0102】
また、本実施形態では、上記のように、昇降機構部31に対する傾斜機構部32の取付方向における昇降機構部31と傾斜機構部32との間の距離D1を、昇降機構部31が被実装物Pを上下方向に移動させることが可能な距離D3よりも短くする。そして、傾斜機構部32に対する回転機構部33の取付方向における昇降機構部31と回転機構部33との間の距離D2を、昇降機構部31が被実装物Pを上下方向に移動させることが可能な距離D3よりも短くする。これにより、昇降機構部31の近傍に傾斜機構部32および回転機構部33を配置することができるので、傾斜機構部32および回転機構部33が片持ち状に支持される場合にも、傾斜機構部32および回転機構部33を安定して支持することができる。
【0103】
また、本実施形態では、上記のように、被実装物Pを載置する載置部材90を介して被実装物Pを保持するように被実装物保持ユニット3の保持部34を構成する。これにより、被実装物保持ユニット3により保持される被保持部90aが被実装物Pに設けられていない場合にも、載置部材90を介して被実装物Pを被実装物保持ユニット3により保持することができる。
【0104】
また、本実施形態では、上記のように、載置部材90の単一の被保持部90aを把持することによって、載置部材90の載置部90bを介して被実装物Pを保持するように被実装物保持ユニット3の保持部を構成する。これにより、被実装物保持ユニット3により単一の被保持部90aを把持するだけで被実装物Pを保持することができるので、被実装物保持ユニット3により複数の被保持部90aを把持する必要がある場合に比べて、被実装物保持ユニット3の構成を簡素にすることができる。
【0105】
また、本実施形態では、上記のように、複数の実装ヘッド41の配列方向と略平行な方向に延びる軸線A2回りに被実装物Pを回転させることによって、被実装物Pを傾斜させるように被実装物保持ユニット3の傾斜機構部32を構成する。これにより、被実装物Pを傾斜させる場合にも、複数の実装ヘッド41と傾斜された被実装物Pとが干渉することを抑制することができる。その結果、複数の実装ヘッド41を予め被実装物Pに近付けておくことができるので、ヘッドユニット4による被実装物Pへの作業時間を短縮することができる。
【0106】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0107】
たとえば、上記実施形態では、被実装物に部品を実装する作業を行う部品実装装置としての被実装物作業装置に本発明が適用された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明は、部品実装装置以外の被実装物作業装置に適用されてもよい。
【0108】
たとえば、本発明は、被実装物にはんだなどの粘性材を塗布する作業を行う粘性材塗布装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物に粘性材を塗布するための粘性材塗布ユニットを粘性材塗布装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、粘性材塗布ユニットにより被実装物に粘性材を塗布する作業を行うようにすればよい。この場合、粘性材塗布ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
【0109】
また、本発明は、被実装物上のはんだなどの粘性材をリフローさせる作業を行うリフロー装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、被実装物上の粘性材をリフローさせるためにレーザ光を照射するレーザ光照射ユニットをリフロー装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、レーザ光照射ユニットによりレーザ光を照射して被実装物上の粘性材をリフローさせる作業を行うようにすればよい。この場合、レーザ光照射ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
【0110】
また、本発明は、可視光や、赤外光、X線などを用いて被実装物を検査する作業を行う被実装物検査装置としての被実装物作業装置に適用されてもよい。この場合、上記実施形態のヘッドユニットの代わりに、可視光や、赤外光、X線などを被実装物に照射して撮影する検査ユニットを被実装物検査装置に設ける。そして、被実装物保持ユニットにより保持された被実装物を傾斜させて、検査ユニットにより可視光や、赤外光、X線などを照射して被実装物を撮影して検査する作業を行うようにすればよい。この場合、検査ユニットは、請求の範囲の「作業部」の一例である。
【0111】
また、上記実施形態では、被実装物が、平坦な被作業面(水平被作業面および傾斜被作業面)を有した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物が、平坦でない被作業面(曲面としての被作業面)を有していてもよい。また、平坦な被作業面と、平坦でない被作業面との両方を有していてもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、被実装物が、1つの水平被作業面と、4つの傾斜被作業面とを有した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物が、2以上の水平被作業面を有していてもよい。また、本発明では、被実装物が、1つまたは4つ以外の複数の傾斜被作業面を有していてもよい。
【0113】
また、上記実施形態では、傾斜機構部および回転機構部の両方が片持ち状に支持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、回転機構部が傾斜機構部により片持ち状に支持されていれば、傾斜機構部が昇降機構部により片持ち状に支持されていなくともよい。たとえば、傾斜機構部が昇降機構部により両側から支持されていてもよい。
【0114】
また、上記実施形態では、傾斜機構部および回転機構部が水平方向において片持ち状に支持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、傾斜機構部および回転機構部が水平方向以外の方向において片持ち状に支持されていてもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、昇降機構部に対する傾斜機構部の取付方向(第1の取付方向)と、傾斜機構部に対する回転機構部の取付方向(第2の取付方向)とが平面視で互いに略直交した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、昇降機構部に対する傾斜機構部の取付方向(第1の取付方向)と、傾斜機構部に対する回転機構部の取付方向(第2の取付方向)とが平面視で互いに略直交していなくともよい。たとえば、昇降機構部に対する傾斜機構部の取付方向(第1の取付方向)と、傾斜機構部に対する回転機構部の取付方向(第2の取付方向)とが互いに略平行であってもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、昇降機構部に対する傾斜機構部の取付方向(第1の取付方向)における昇降機構部と傾斜機構部との間の距離(D1、第1の距離)が、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な距離(D3、第2の距離)よりも短い例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、昇降機構部に対する傾斜機構部の取付方向(第1の取付方向)における昇降機構部と傾斜機構部との間の距離(第1の距離)が、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な距離(第2の距離)以上であってもよい。
【0117】
また、上記実施形態では、傾斜機構部に対する回転機構部の取付方向(第2の取付方向)における昇降機構部と回転機構部との間の距離(D2、第3の距離)が、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な距離(D3、第2の距離)よりも短い例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、傾斜機構部に対する回転機構部の取付方向(第2の取付方向)における昇降機構部と回転機構部との間の距離(第3の距離)が、昇降機構部が被実装物を上下方向に移動させることが可能な距離(第2の距離)以上であってもよい。
【0118】
また、上記実施形態では、傾斜機構部の軸線(A2)が複数の実装ヘッド(作業ヘッド)の配列方向と略平行な方向に延びている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、傾斜機構部の軸線が複数の実装ヘッド(作業ヘッド)の配列方向と略平行な方向に延びていなくともよい。たとえば、傾斜機構部の軸線が複数の実装ヘッド(作業ヘッド)の配列方向と略直交する方向に延びていてもよい。
【0119】
また、上記実施形態では、被実装物が、載置部材(載置部)を介して被実装物搬送部により搬送され、被実装物保持ユニットにより保持された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、搬送可能であれば、被実装物が、被実装物搬送部により直接的に搬送されてもよい。また、本発明では、保持可能であれば、被実装物が、被実装物保持ユニットにより直接的に保持されてもよい。
【0120】
また、上記実施形態では、被実装物保持ユニットにより保持された状態で、被実装物の水平被作業面および傾斜被作業面の両方に対して実装作業が行われた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物保持ユニットにより保持された状態で、被実装物の水平被作業面および傾斜被作業面の両方に対して実装作業が行われなくともよい。たとえば、被実装物保持ユニットにより保持された状態で、被実装物の傾斜被作業面に対してのみ実装作業が行われてもよい。
【0121】
また、上記実施形態では、載置部材に単一の被保持部が設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、載置部材に複数の被保持部が設けられていてもよい。
【0122】
また、上記実施形態では、把持することにより、被実装物を保持するように被実装物保持ユニットが構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、把持以外の方法により、被実装物を保持するように被実装物保持ユニットが構成されてもよい。たとえば、負圧により被実装物を吸着することにより、被実装物を保持するように被実装物保持ユニットが構成されてもよい。
【0123】
また、上記実施形態では、被実装物作業装置が、被実装物保持ユニットと、被実装物バックアップユニットとを取り換え可能に構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被実装物作業装置が、被実装物保持ユニットと、被実装物バックアップユニット以外のユニットとを取り換え可能に構成されていてもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、基台の一方側(Y2側)の端部にのみ、フィーダ配置部が設けられるとともに、テープフィーダが配置された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、基台の両側(Y方向の両側)の端部に、フィーダ配置部がそれぞれ設けられるとともに、テープフィーダがそれぞれ配置されていてもよい。
【0125】
上記実施形態では、説明の便宜上、制御装置の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御装置の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【符号の説明】
【0126】
3 被実装物保持ユニット
4 ヘッドユニット(作業部)
31 昇降機構部
32 傾斜機構部
33 回転機構部
34 保持部
41 実装ヘッド(作業ヘッド)
90 載置部材
90a 被保持部
90b 載置部
100 被実装物作業装置
A2 軸線
D1 距離(第1の距離)
D2 距離(第3の距離)
D3 距離(第2の距離)
E 部品
P 被実装物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13