(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したパチンコ機(混合機)や確変口(特定領域)を備えた遊技機では、特定領域を備えた大入賞口に、該大入賞口を開閉する開閉部材に加えて、特定領域への通過率を調整するためのシャッター部材を設ける場合がある。このため、部品点数が多くなることから、製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少、といった問題があった。
【0005】
そこで本発明は前記事情に鑑み、製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題を解消すると共に、特定領域への通過率を調整可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、所定条件の成立に基づいて、遊技球が入球不能な閉鎖状態から入球可能な開放状態となる大入賞口を備え、大入賞口は、閉鎖姿勢となることで該大入賞口を閉鎖状態とし、且つ開放姿勢となることで開放状態とする開閉手段と、該大入賞口に内蔵されて入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を具備してなる弾球遊技機に関するものである。
【0007】
この弾球遊技機の開閉手段は、開放姿勢として、特定領域への遊技球の通過が不能である第1開放姿勢と、特定領域への遊技球の通過が可能であり、且つ第1開放姿勢よりも大入賞口への入球が容易な第2開放姿勢を備える。
【0008】
このように構成することにより、大入賞口は、開閉手段の姿勢変化すなわち、閉鎖姿勢および開放姿勢に係る姿勢変化のみに因って、遊技球が入球可能な開放状態または入球不能な閉鎖状態に変化可能となる。また、大入賞口は、開閉手段の姿勢変化すなわち、第1開放姿勢および第2開放姿勢に係る姿勢変化のみに因って、特定領域への通過が可能な状態と不能な状態に変化可能となる。これにより、大入賞口の開閉および特定領域の開閉という異なる機能を、開閉手段の作用だけで実現可能とすることで、部品点数の減少を実現し、ひいては製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
また、大入賞口を開閉する開閉手段によって、特定領域への通過率を調整することができる。
【0009】
なお、請求項1に係る弾球遊技機では、開閉手段(開閉部材)は、閉鎖姿勢と第1開放姿勢の変化を実現する第2大入賞口ソレノイド(駆動手段)と、第1開放姿勢と第2開放姿勢の変化を実現する拡縮用ソレノイド(駆動手段)の異なる駆動手段によって駆動する構成が好適である。しかし、1つの駆動手段によって実現するよう構成しても良い。
このようにすることで、更に部品点数を減少することができるし、個別の構成に対する制御処理も不要になる。
【0010】
また1つの駆動手段によって実現するために、次のような構成としても良い。
例えば、位置固定された回転駆動手段にピニオンを備え、変位可能な開閉手段(開閉部材)に、前記ピニオンと噛合する円弧状ラックと、該円弧状ラックの終端部に連接してなる直線状ラックとを備えた構成としても良い。
このような構成とすることで、ピニオンを円弧状ラックの始端部にて噛合させた状態にて開閉手段(開閉部材)を例えば起立した閉鎖姿勢とし、回転駆動手段による回転駆動でピニオンを一方向に回転させる。これにより、開閉手段(開閉部材)は、ピニオンを定点とする円弧上を変位する。該円弧上の変位は、ピニオンが円弧状ラックの終端部に噛合させた状態にて終了し、当該状態にて、開閉手段(開閉部材)は、例えば傾倒した第1開放姿勢となる。また、当該状態にて直線状ラックが水平姿勢をとるよう設定しておき、続いて再度ピニオンを前記一方向に回転させる。これにより、開閉手段(開閉部材)は、ピニオンを定点とする横方向の直線上を変位する。該直線上の変位は、所定の拡開距離に到達した時点で終了し、当該状態にて、開閉手段(開閉部材)は、例えば拡開した第2開放姿勢となる。
これにより、開閉手段(開閉部材)の駆動手段を複数備えることなく、駆動手段の駆動量を調整することで、開閉手段を閉鎖姿勢、第1開放姿勢、および第2開放姿勢の3姿勢に変化可能となり、部品点数の減少を実現し、ひいては、製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
【0011】
なお、請求項1に係る弾球遊技機では、開閉手段(開閉部材)の閉鎖姿勢および第1開放姿勢の変化を、開放(回転)変位とし、第1開放姿勢および第2開放姿勢の変化を、スライド(直線)変位により実現する構成が好ましい。しかし、これに限らず、スライド(直線)変位のみで実現するように構成しても良い。この場合、横方向に2段階のスライド変位や、前後方向と横方向のスライド変位の組み合わせによって実現することも考えられる。
このようにすることで、開閉手段(開閉部材)の変位だけで実現する、大入賞口の開閉、大入賞口への入球率の調整、および特定領域への通過率の調整が、個別具体的な弾球遊技機の構成に適宜則した形で設定することができる。
【0012】
また、請求項1に係る弾球遊技機では、所謂右打ちに対応して、開閉部材を時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで右方向にスライド変位する構成が好適である。しかし、これに限らず、開閉部材を反時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで左方向にスライド変位する構成としても良い。
このようにすることで、所謂通常打ち(左打ち)時に大入賞口および特定領域へ入球させる遊技性にも対応することができる。
【0013】
また、請求項1に係る弾球遊技機では、例えば、開閉部材を時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで右方向にスライド変位する構成が好適である。しかし、これに限らず、順位を逆転して、開閉部材を右方向にスライド変位し、その後で時計回り方向に開放(回転)変位する構成としても良い。
このようにしても、本発明の効果を奏することができる。
【0014】
また、請求項1に係る弾球遊技機では、例えば、開閉手段(開閉部材)の閉鎖姿勢および第1開放姿勢の変化を、一般的なアタッカーと同様、前方に向かっての開放(回転)変位により為し、第1開放姿勢および第2開放姿勢の変化を、開閉手段(開閉部材)の一部が横方向に向かって伸展(拡開)して為す、ように構成しても良い。
これにより、狭隘な遊技領域を前後方向と左右方向の両方向に亘って、有効に利用することで、本発明の効果を一層奏し易くなる。
【0015】
また、請求項1に係る弾球遊技機では、特定領域を、遊技球が入球すると大当りが発生するものや、入球すると大当り遊技後に確率変動機能が作動するもの(確変口)や、普通電動役物の開放延長機能を作動させるためのものや、各種抽選口とすることも考えられる。
このように、特定領域に種々の機能を担わせることが可能であり、これによって本発明の効果を奏しつつ、遊技性に富んだ面白みのある弾球遊技機を提供することが可能となる。
【0016】
さらに、請求項1に記載されているように、この弾球遊技機では、特図始動口に遊技球が入球したことに起因して特別図柄に係る当否判定を実行する当否判定手段と、当否判定手段の判定結果に基づいて特別図柄に係る小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段と、該当否判定手段の判定結果に基づいて特別図柄に係る第1大当り遊技を実行すると共に、小当り遊技時に遊技球が特定領域を通過することによって第2大当り遊技も実行する大当り遊技実行手段と、を備え、所定条件の成立は、少なくとも小当り遊技を実行することであって、少なくとも小当り遊技時の開放姿勢を、第2開放姿勢に設定する、ように構成する。
【0017】
このようにすることで、特定領域を具備してなる大入賞口の開閉手段の開放姿勢を、小当り遊技時には第2開放姿勢に設定することで、特定領域への遊技球通過を可能とすることができる。
また、開閉手段の開放姿勢を変化させることによって、1つの大入賞口にて大当り遊技と小当り遊技を、実行可能となる。これにより、小当り時に特定領域への遊技球通過の機能のみを持たせた大入賞口を別個備える必要が無くなり、部品点数の減少を実現することが出来る。
【0018】
また、請求項2に記載の発明は、所定条件の成立に基づいて、遊技球が入球不能な閉鎖状態から入球可能な開放状態となる大入賞口を備え、大入賞口は、閉鎖姿勢となることで該大入賞口を閉鎖状態とし、且つ開放姿勢となることで開放状態とする開閉手段と、該大入賞口に内蔵されて入球した遊技球が通過可能な特定領域と、を具備してなる弾球遊技機に関するものである。
【0019】
この弾球遊技機の開閉手段は、開放姿勢として、特定領域への遊技球の通過が不能である第1開放姿勢と、特定領域への遊技球の通過が可能であり、且つ第1開放姿勢よりも大入賞口への入球が容易な第2開放姿勢を備える。
【0020】
このように構成することにより、大入賞口は、開閉手段の姿勢変化すなわち、閉鎖姿勢および開放姿勢に係る姿勢変化のみに因って、遊技球が入球可能な開放状態または入球不能な閉鎖状態に変化可能となる。また、大入賞口は、開閉手段の姿勢変化すなわち、第1開放姿勢および第2開放姿勢に係る姿勢変化のみに因って、特定領域への通過が可能な状態と不能な状態に変化可能となる。これにより、大入賞口の開閉および特定領域の開閉という異なる機能を、開閉手段の作用だけで実現可能とすることで、部品点数の減少を実現し、ひいては製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
また、大入賞口を開閉する開閉手段によって、特定領域への通過率を調整することができる。
【0021】
なお、請求項2に係る弾球遊技機では、開閉手段(開閉部材)は、閉鎖姿勢と第1開放姿勢の変化を実現する第2大入賞口ソレノイド(駆動手段)と、第1開放姿勢と第2開放姿勢の変化を実現する拡縮用ソレノイド(駆動手段)の異なる駆動手段によって駆動する構成が好適である。しかし、1つの駆動手段によって実現するよう構成しても良い。
このようにすることで、更に部品点数を減少することができるし、個別の構成に対する制御処理も不要になる。
【0022】
また1つの駆動手段によって実現するために、次のような構成としても良い。
例えば、位置固定された回転駆動手段にピニオンを備え、変位可能な開閉手段(開閉部材)に、前記ピニオンと噛合する円弧状ラックと、該円弧状ラックの終端部に連接してなる直線状ラックとを備えた構成としても良い。
このような構成とすることで、ピニオンを円弧状ラックの始端部にて噛合させた状態にて開閉手段(開閉部材)を例えば起立した閉鎖姿勢とし、回転駆動手段による回転駆動でピニオンを一方向に回転させる。これにより、開閉手段(開閉部材)は、ピニオンを定点とする円弧上を変位する。該円弧上の変位は、ピニオンが円弧状ラックの終端部に噛合させた状態にて終了し、当該状態にて、開閉手段(開閉部材)は、例えば傾倒した第1開放姿勢となる。また、当該状態にて直線状ラックが水平姿勢をとるよう設定しておき、続いて再度ピニオンを前記一方向に回転させる。これにより、開閉手段(開閉部材)は、ピニオンを定点とする横方向の直線上を変位する。該直線上の変位は、所定の拡開距離に到達した時点で終了し、当該状態にて、開閉手段(開閉部材)は、例えば拡開した第2開放姿勢となる。
これにより、開閉手段(開閉部材)の駆動手段を複数備えることなく、駆動手段の駆動量を調整することで、開閉手段を閉鎖姿勢、第1開放姿勢、および第2開放姿勢の3姿勢に変化可能となり、部品点数の減少を実現し、ひいては、製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
【0023】
なお、請求項2に係る弾球遊技機では、開閉手段(開閉部材)の閉鎖姿勢および第1開放姿勢の変化を、開放(回転)変位とし、第1開放姿勢および第2開放姿勢の変化を、スライド(直線)変位により実現する構成が好ましい。しかし、これに限らず、スライド(直線)変位のみで実現するように構成しても良い。この場合、横方向に2段階のスライド変位や、前後方向と横方向のスライド変位の組み合わせによって実現することも考えられる。
このようにすることで、開閉手段(開閉部材)の変位だけで実現する、大入賞口の開閉、大入賞口への入球率の調整、および特定領域への通過率の調整が、個別具体的な弾球遊技機の構成に適宜則した形で設定することができる。
【0024】
また、請求項2に係る弾球遊技機では、所謂右打ちに対応して、開閉部材を時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで右方向にスライド変位する構成が好適である。しかし、これに限らず、開閉部材を反時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで左方向にスライド変位する構成としても良い。
このようにすることで、所謂通常打ち(左打ち)時に大入賞口および特定領域へ入球させる遊技性にも対応することができる。
【0025】
また、請求項2に係る弾球遊技機では、例えば、開閉部材を時計回り方向に開放(回転)変位し、次いで右方向にスライド変位する構成が好適である。しかし、これに限らず、順位を逆転して、開閉部材を右方向にスライド変位し、その後で時計回り方向に開放(回転)変位する構成としても良い。
このようにしても、本発明の効果を奏することができる。
【0026】
また、請求項2に係る弾球遊技機では、例えば、開閉手段(開閉部材)の閉鎖姿勢および第1開放姿勢の変化を、一般的なアタッカーと同様、前方に向かっての開放(回転)変位により為し、第1開放姿勢および第2開放姿勢の変化を、開閉手段(開閉部材)の一部が横方向に向かって伸展(拡開)して為す、ように構成しても良い。
これにより、狭隘な遊技領域を前後方向と左右方向の両方向に亘って、有効に利用することで、本発明の効果を一層奏し易くなる。
【0027】
また、請求項2に係る弾球遊技機では、特定領域を、遊技球が入球すると大当りが発生するものや、入球すると大当り遊技後に確率変動機能が作動するもの(確変口)や、普通電動役物の開放延長機能を作動させるためのものや、各種抽選口とすることも考えられる。
このように、特定領域に種々の機能を担わせることが可能であり、これによって本発明の効果を奏しつつ、遊技性に富んだ面白みのある弾球遊技機を提供することが可能となる。
【0028】
さらに、請求項2に記載されているように、この弾球遊技機では、特図始動口に遊技球が入球したことに起因して特別図柄に係る当否判定を実行する当否判定手段と、該当否判定手段の判定結果に基づいて特別図柄に係る大当り遊技を実行する大当り遊技実行手段と、を備え、所定条件の成立は、大当り遊技を実行することであって、大当り遊技実行手段は、大入賞口を予め定められた複数回のラウンドに亘って開放して大当り遊技を実行し、複数回のラウンドの内の所定のラウンド中に特定領域に遊技球が通過することに基づいて、所定のラウンドの次のラウンドへ移行制御するラウンド移行制御手段と、を更に備え、所定のラウンド中の開放姿勢を、ラウンド開始時は第2開放姿勢に設定し、特定領域を遊技球が通過後は第1開放姿勢に設定する、ように構成する。
【0029】
このようにすることで、所謂ラウンド継続口として機能する特定領域を具備してなる大入賞口の開閉手段の開放姿勢を、所定のラウンドの開始時には第2開放姿勢に設定することで、特定領域への遊技球通過を可能とし、特定領域に通過後には第1開放姿勢に設定することで、特定領域への遊技球通過を不能とすることができる。つまり、ラウンド継続の契機となる特定領域への通過を許容する所定のラウンドでは、開閉手段の姿勢を第2開放姿勢に変化させ、特定領域通過後には不要な特定領域への通過を防止するために第1開放姿勢に変化させることで、ラウンド継続の契機発生を、自在に実行可能となる。これにより、所定のラウンド時における特定領域への遊技球通過の機能のみを持たせた大入賞口を別個備える必要が無くなり、部品点数の減少を実現することが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、後述する実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0032】
図1は、本実施形態におけるパチンコ機の遊技盤8の正面図である。なお、このパチンコ機の全体的な構成は公知技術に沿っているので図示及び説明は省略する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、図示しない多数の遊技釘が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(
図2参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0033】
液晶枠飾り28の直下には、第1始動口31が配置されている。
また、液晶枠飾り28の右下方には、前後方向に進退可能な舌状部材を備えた普通電動役物40で構成されてなる第2始動口32が配置されている。
また、液晶枠飾り28の右側方には、普通図柄作動ゲート42が配置されている。
なお、第2始動口32は、普通電動役物40の舌状部材が前方に進出変位しないと遊技球が第2始動口32に入球できない構成となっている。
【0034】
第1始動口31の右側下方にはアタッカー式の第1大入賞口33aが配置されている。また、第1始動口31の左側下方には、3個の一般入賞口35aが設けられている。なお、この一般入賞口35aは、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0035】
遊技領域26の右下部には、複数個(図示2個)のLEDからなると共に普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置(図示しない)と、第1特図保留数表示装置(図示しない)と、第2特図保留数表示装置(図示しない)と、其々複数個(図示8個)のLEDからなる第1特図表示装置29、第2特図表示装置30とが配置されている。
【0036】
普通図柄作動ゲート42と第2始動口32の間には、第2大入賞口装置74が配置されている。
第2大入賞口装置74は、第2大入賞口70と、略羽根状に形成され且つ起立した閉鎖姿勢と右方向に傾倒した開放姿勢とに変位することで第2大入賞口70を閉鎖状態と開放状態とに変化させる開閉部材71と、第2大入賞口70の内部に設けられて遊技球が通過可能な特定領域72と、を備える。
【0037】
本実施形態の開閉部材71は、大当り遊技状態となると、閉鎖姿勢から開放姿勢である第1開放姿勢に変位して、第2大入賞口70を遊技球の入球が可能な開放状態とする。次いで、開閉部材71は、第1開放姿勢から第2開放姿勢に変位して、第2大入賞口70を遊技球の入球が前記開放状態よりも更に容易な拡開状態とする。そして、該第2開放姿勢に変位すると、開閉部材71は、特定領域72を遊技球の通過が不能な状態から可能な状態に変化させる。特定領域72に遊技球が入球(特定領域スイッチ72a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、開閉部材71は、再度第1開放姿勢に復帰して、特定領域72を遊技球入球が不可能に閉鎖する。また、開閉部材71は、閉鎖姿勢にあるときも、特定領域72を閉鎖するよう構成されている。従って、第2大入賞口70の開閉部材71が駆動しない大当り遊技時及び通常時は、開閉部材71は特定領域72に遊技球が入球不可能な位置で停止し、これを維持する。
第2大入賞口装置74の構成および作用については、後で詳述する。
【0038】
上述したように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、図示しない普図当否判定手段によって当たり遊技状態とするか否かの判定が行われ、判定結果に基づいて、普図表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、当たり遊技状態となると、普通電動役物40の舌状部材が駆動して、第2始動口32への入球が可能となるように構成されている。
【0039】
普通電動役物40の舌状部材が開放(進出)駆動する開放(進出)時間は、通常時においては、0.100秒の開放を1回(ショート開放)、又は0.100秒の開放を1回行ったあとに5.400秒の開放を1回(ロング開放)行う2種類の開放(進出)パターンのいずれかとなり、普通図柄の当り図柄の種類に応じて何れかの開放パターンが実施される。また、時短状態で作動する開放(進出)延長機能(電チューサポート機能)では1回の普通図柄の当りで1.880秒の開放を3回実施する。
【0040】
第1始動口31に遊技球が入球(第1特図始動口スイッチ31a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に遊技球が入球(第2特図始動口スイッチ32a(
図2参照)が遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。本実施形態の普通電動役物40は、始動口として構成されている。
【0041】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となってから、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。
【0042】
第1特別図柄及び第2特別図柄が大当り表示態様となる(所定の大当り図柄が確定表示される)と、第1大入賞口33aの扉部材と第2大入賞口70の開閉部材71とが駆動し遊技球の入球が可能となる。
詳しくは、
図11に示すように、第1特別図柄、第2特別図柄のどちらの特別図柄が大当り表示態様となっても、大当り遊技の1ラウンドから12ラウンドまでは第1大入賞口33aの扉部材が28.0秒間、又は第1カウントスイッチ33b(
図2参照)が9個の遊技球を検出するまで駆動する。
続く最終13ラウンドは、第2大入賞口70の開閉部材71が28.0秒間経過するか、又は第2カウントスイッチ70bが9個の遊技球を検出するまで駆動する。
【0043】
このとき開閉部材71は、大当り表示態様によって、すなわち確定表示される大当り図柄によって異なる駆動態様となるように構成されている。具体的には、確定表示される大当り図柄が入球通常図柄である場合には、特定領域72への入球が可能な位置に変位しないよう制御され、入球確変図柄である場合には、特定領域72への入球が可能な位置に変位するよう制御される。
換言すれば、開閉部材71は、入球通常図柄である場合には、特定領域72への入球を不能とする第1開放姿勢となり、入球確変図柄である場合には、特定領域72への入球を可能とする第2開放姿勢となる。開閉部材71は、第1開放姿勢と第2開放姿勢の、2種類の開放姿勢に変位可能である。
【0044】
本実施形態では、入球通常図柄が選択された場合、特定領域72への入球を不能とするために、開閉部材71は、入球不能な位置から変位せずその状態を維持する。また、入球確変図柄が選択された場合、特定領域72への入球を高い確率で発生させるように、開閉部材71は、入球不能な位置から入球可能な位置に変位する。
【0045】
なお、本実施形態では上述したように、第1大入賞口33aと第2大入賞口70の2つの大入賞口を備えて、大当り図柄が入球確変図柄であった場合に、大当り遊技の1ラウンドから12ラウンドまでは特定領域を備えない第1大入賞口33aが開放し、確率変動機能の作動を決定する所定のラウンドとしての13ラウンドでは、特定領域72を具備した第2大入賞口70が開放すなわち、開閉部材71が特定領域72への入球可能な第2開放姿勢となるよう構成されている。
しかし、第1大入賞口33aを備えずに、第2大入賞口70のみを備えた構成も考えられる。
つまり、大当り図柄が入球確変図柄及び入球通常図柄の何れの図柄であったとしても、第2大入賞口70の開閉部材71は、大当り遊技の1ラウンドから12ラウンドまでは、特定領域72への入球不能な第1開放姿勢となるよう制御される。また、確率変動機能の作動を決定する所定のラウンドとしての13ラウンドにおいて、大当り図柄が入球確変図柄であった場合の開閉部材71は、特定領域72への入球可能な第2開放姿勢となるよう制御され、大当り図柄が入球通常図柄であった場合の開閉部材71は、特定領域72への入球不能な第1開放姿勢となるよう制御されるように構成すれば良い。
換言すれば、複数回のラウンドにて構成される大当り遊技において、大当り遊技中の所定のラウンド(13ラウンド)で、大当り図柄に基づいて開閉手段(開閉部材71)は第1開放姿勢または第2開放姿勢となり、また、所定のラウンド以外のラウンド(1ラウンド乃至12ラウンド)で、開閉手段は第1開放姿勢となる。
【0046】
続いて、
図2に本実施形態におけるパチンコ機の電気配線を示すブロック図を示し説明する。
図2には煩雑になる電源の供給系統に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には、電源装置(図示せず)から直接的又は間接的に電源が供給される構成となっている。
【0047】
主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1特図始動スイッチ31aと、第2始動口32である普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2特図始動スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、第1大入賞口33aに入球した遊技球を検出する第1カウントスイッチ33bと、第2大入賞口70に入球した遊技球を検出する第2カウントスイッチ70bと、第2大入賞口70内に配置された特定領域72に入球した遊技球を検出する特定領域スイッチ72aと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35bとが接続されている。
【0048】
また、裏配線中継端子板を介して前面枠が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチと、意匠枠が閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチと、が接続されている。なお、主制御装置50の入力端に接続された各種入賞検出スイッチ(第1特図始動スイッチ31a、第2特図始動スイッチ32a、普通図柄作動スイッチ42a、第1カウントスイッチ33b、第2カウントスイッチ70b、特定領域スイッチ72a、一般入賞口スイッチ35b)は、電波(電磁波)ゴトに有効(遊技球検出状態時のみ電波の影響を受ける)なスイッチとしてノーマルクローズタイプ(NCタイプ)の近接スイッチ(遊技球通過孔を備えた形状)を用いている。
【0049】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1大入賞口33aの扉部材を駆動する第1大入賞口ソレノイド33cと、第2大入賞口70の開閉部材71を第1開放姿勢に開放駆動する第2大入賞口ソレノイド70cと、同じく開閉部材71を第2開放姿勢に拡開駆動する拡縮用ソレノイド71cと、普通電動役物40の舌状部材を進退駆動する普通電役ソレノイド42cとが接続されており、図柄表示装置中継端子板64を介して第1特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特図保留数表示装置(図示しない)と、第2特別図柄を表示する第2特図表示装置30と、第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特図保留数表示装置(図示しない)と、普通図柄を表示する普図表示装置41と、普通図柄の保留記憶数を表示する普図保留数表示装置(図示しない)とが接続されており、裏配線中継端子板及び外部接続端子板を介して図示しないホールコンピュータと、が接続されている。
【0050】
主制御装置50は、CPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51及びサブ統合制御装置53に出力する。ここで、主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
主制御装置50は、本実施形態のパチンコ機の遊技を統括制御する主制御手段である。
【0051】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板を介して球タンク又はタンクレール内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチと、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチと、各種端子板を介することなく下皿への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチとが接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板及び払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータが接続されている。
【0052】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50及び発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
【0053】
また、払出制御装置51は、外部接続端子板を介して賞球に関する情報などをホールコンピュータに送信するほか、発射制御装置52に対して発射停止信号を送信する。発射制御装置52は発射モータを制御して、遊技球を遊技領域26に発射させる。なお、発射制御装置52には払出制御装置51以外に発射ハンドルからの回動量信号、タッチスイッチからのタッチ信号、発射停止スイッチから発射停止スイッチ信号が入力される。
【0054】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドルを操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルに触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチを押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置52に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。
【0055】
サブ統合制御装置53の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14aが接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、図示しない意匠枠及び遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠及びスピーカユニットに備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
【0056】
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。
【0057】
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。
【0058】
演出図柄制御装置54aは、サブ統合制御装置53から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置50から送信されてきたものとサブ統合制御装置53が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置54bを制御して、疑似図柄等の演出画像を窓部28aに表示させる。
【0059】
[本発明要部の構成について]
図3を参照して、本発明の要部に係る構成および作用を説明する。
図3は、第2大入賞口装置74の構成及び作用を示す概略説明図である。
図3に示すように、第2大入賞口装置74は、前方視異形状且つ遊技領域26に取り付け可能に形成されている。第2大入賞口装置74は、右上部に羽根状に形成され且つ変位可能な開閉部材71と、該開閉部材71の変位によって閉鎖状態又は開放状態に変化可能な第2大入賞口70を備える。また、第2大入賞口70は、下部左側部に第2カウントSW70bと、該第2カウントSW70bの下方に第2通路77を備える。また、第2大入賞口70は、第2カウントSW70bの図示右側方に特定領域72と、該特定領域72の下方に特定領域SW72aと、該特定領域SW72aの下方に第1通路76を備える。
【0060】
個々の構成について詳述する。
開閉部材71は、遊技領域26(右遊技領域)を流下する遊技球が第2大入賞口70に入球不能に起立した閉鎖姿勢(
図3(a)参照)と、遊技領域26(右遊技領域)を流下する遊技球が第2大入賞口70に入球可能に右方向に回転変位(開放変位)して傾倒した第1開放姿勢(
図3(b)参照)と、該第1開放姿勢よりも第2大入賞口70にさらに入球容易に第1開放姿勢から右方向にスライド変位(拡開変位)した第2開放姿勢(
図3(c)参照)と、に変化可能に構成される。
開閉部材71は、第2大入賞口70を、閉鎖姿勢にあるとき遊技領域26を流下する遊技球が入球不能な閉鎖状態とし、第1開放姿勢または第2開放姿勢にあるとき遊技領域26を流下する遊技球が入球可能な開放状態とする。当該開放状態は、上述したように、遊技球の入球の容易さが異なる。つまり、
図3(b)に示す開閉部材71の第1開放姿勢では、第2大入賞口70の開口部は「距離X」の間隙により形成され、
図3(c)に示す開閉部材71の第2開放姿勢では、第2大入賞口70の開口部は「距離Y」の間隙により形成され、「距離Y」は「距離X」より大きい。このため、開閉部材71が第1開放姿勢にあるときよりも第2開放姿勢にあるときの方が、遊技領域26(右遊技領域)を流下する遊技球を、容易に第2大入賞口70に入球させることが可能となっている。
さらに、開閉部材71は、閉鎖姿勢および第1開放姿勢にあるとき、特定領域72に遊技球が通過不能にし、また、第2開放姿勢にあるとき、特定領域72に遊技球が通過可能にする。また、開閉部材71は、閉鎖姿勢から第1開放姿勢および第1開放姿勢から閉鎖姿勢の姿勢変位を第2大入賞口ソレノイド70c(
図2参照)の駆動により実現し、第1開放姿勢から第2開放姿勢および第2開放姿勢から第1開放姿勢の姿勢変位を拡縮用ソレノイド71c(
図2参照)の駆動により実現する。
【0061】
特定領域72は、第2大入賞口70の内部で開閉部材71の近傍に開設される。特定領域72の開口部は、
図3(b)に示すように第1開放姿勢にある開閉部材71の図示左半部により閉塞され、
図3(c)に示すように第2開放姿勢にある開閉部材71の図示左半部によっては閉塞されないよう構成される。また、特定領域72の直下には、該特定領域72を通過した遊技球を検知する特定領域SW70bが設けられ、該特定領域SW70bに連通して、第1通路76が遊技球をパチンコ機内部に誘導可能に設けられている。
なお、遊技球が特定領域72を通過し特定領域SW70bにて検知されると、本実施形態では大当り遊技状態終了後に、遊技者に有利な特別遊技状態として確変状態且つ時短状態に移行するよう構成されている。
【0062】
第2カウントSW70bは、第2大入賞口70の内部で特定領域72よりも開閉部材71から離隔した位置に設けられている。第2カウントSW70bは、第2大入賞口70に入球し且つ特定領域72を通過しなかった遊技球を検知する。第2カウントSW70bの直下には、該第2カウントSW70bに連通して、第2通路77が遊技球をパチンコ機内部に誘導可能に設けられている。
【0063】
[本発明要部の作用について]
次に、上述した構成を備えた第2大入賞口装置74の作用について説明する。なお、第2大入賞口装置74の開閉部材71は主制御装置50によって、遊技盤中継端子板62を介して駆動制御される。
先ず
図3(a)に示すように、第2大入賞口装置74の開閉部材71は、上方に向けて起立することで第2大入賞口70を遊技球の入球を困難(不能)とする閉鎖姿勢をとることが可能となっている。第2大入賞口70は、開閉部材71が該閉鎖姿勢をとることで、閉鎖状態を維持する。本実施形態では大当たり遊技状態の13R以外の場合、第1大入賞口33aにてラウンド遊技を行うため、その間は、開閉部材71はこのような閉鎖姿勢を維持する。また、開閉部材71は、閉鎖姿勢をとることで、特定領域72への遊技球の通過を不能とする。
【0064】
特図当否判定処理(
図5乃至
図8)において大当り(当選)と判定されたことに起因して、大当り遊技状態に移行し、さらに大当り遊技状態の13Rとなると、第2大入賞口装置74の開閉部材71は、
図3(b)に示すように、閉鎖姿勢から第1開放姿勢に変化する。第1開放姿勢は、起立した閉鎖姿勢から時計回り方向に向けて所定角度だけ開放(回転)変位して、第2大入賞口70の開口部を図示「距離X」となるまで開口させることで、遊技領域26(右側遊技領域)を流下してくる遊技球を受け止めて第2大入賞口70に入球可能とする姿勢である。
また、第1開放姿勢は、特定領域72の開口部を閉塞(遮蔽)して遊技球の通過を困難(不能)とし、一方、入球可能に開口された第2カウントSW70bに向けて遊技球を誘導することが可能な姿勢である。
なお、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図13参照)の第2大入賞口開放処理(S420)において、第2大入賞口ソレノイド70c(
図2参照)を駆動制御することで、開閉部材71を閉鎖姿勢から第1開放姿勢に変化させる。また、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図15参照)の大入賞口閉鎖処理(S510)において、第2大入賞口ソレノイド70c(
図2参照)を駆動制御することで、開閉部材71を第1開放姿勢から閉鎖姿勢に変化させる。
また、開閉部材71が第1開放姿勢にあるとき、第2大入賞口70に入球した遊技球が第2カウントSW70bを通過して検知されると、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図15参照)のS500において、検知した累計数が9個より少ないか否かの判定処理の対象とする。なお、この累計数は、特定領域SW72aの検知数も合算された数値である。
【0065】
大当り遊技状態の13Rであって且つ大当り図柄が入球確変図柄で大当りした場合、第2大入賞口装置74の開閉部材71は、
図3(c)に示すように、第1開放姿勢から第2開放姿勢に変化する。第2開放姿勢は、傾倒した第1開放姿勢から横(右)方向に向けて所定距離だけスライド(拡開)変位して、第2大入賞口70の開口部を図示「距離Y」となるまで開口を拡大させることで、遊技領域26(右側遊技領域)を流下してくる遊技球を、第1開放姿勢よりも更に広範囲で受け止めて、第2大入賞口70に入球可能とする姿勢である。
また、第2開放姿勢は、特定領域72の開口部を開放して遊技球の通過を容易(可能)とし、一方、入球可能に開口された第2カウントSW70bに向けて流下する遊技球を、第2カウントSW70bの手前で特定領域72に誘導することが可能な姿勢である。
なお、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図13参照)の開閉部材71拡開処理(S425)において、大当り図柄が「入球確変図柄」であったと判断した場合に限り、拡縮用ソレノイド71c(
図2参照)を駆動制御することで、開閉部材71を第1開放姿勢から第2開放姿勢に変化させる。また、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図14および
図15参照)の開閉部材71拡開終了処理(S470)または大入賞口閉鎖処理(S510)において、拡縮用ソレノイド71c(
図2参照)を駆動制御することで、開閉部材71を第2開放姿勢から第1開放姿勢に変化させる。
また、開閉部材71が第2開放姿勢にあるとき、第2大入賞口70に入球した遊技球が特定領域72および特定領域SW72aを通過して検知されると、主制御装置50は、後述する特別遊技処理1(
図14参照)のS460およびS465において、特定領域入球フラグに1を設定することで、当該大当り遊技状態終了後に有利な確変状態及び時短状態に移行するよう制御する。
【0066】
上記説明したように、本実施形態の第2大入賞口装置74は、特定領域72を内蔵した第2大入賞口70を、開閉部材71のみの姿勢変化によって、入球不能な閉鎖状態と、入球可能な開放状態に変化させる。すなわち、開閉部材71が閉鎖姿勢にあるときには閉鎖状態となり、第1開放姿勢または第2開放姿勢にあるときには開放状態となる。
また、開放状態は、開閉部材71のみの姿勢変化によって、特定領域72への通過可能な状態と通過不能な状態に変化させる。すなわち、開閉部材71が第1開放姿勢にあるときには通過不能な状態となり、第2開放姿勢にあるときには通過可能な状態となる。
【0067】
このように、本実施形態の第2大入賞口装置74は、開閉部材71の姿勢変化のみに因って、第2大入賞口70を開放状態または閉鎖状態に変化可能であると共に、特定領域72への通過が可能な状態と不能な状態に変化可能に構成されている。つまり、第2大入賞口70の開閉および特定領域72の開閉という異なる機能を、開閉部材71の作用だけで実現可能な構成とすることで、部品点数の減少を実現し、ひいては製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
【0068】
なお、本実施形態では大入賞口を2つ備える構成で説明したが、上記のように第2大入賞口装置74のみで第1大入賞口33aを兼ねることが可能になる。大入賞口装置が1つになれば上記効果を更に奏することになる。
【0069】
また、第1大入賞口33aを用いる場合は、第1大入賞口33aにも特定領域を備え、第2大入賞口装置74と同様に開放姿勢を複数備えて、どちらの大入賞口でも入球可能にしたりすることも考えられる。その際は、大入賞口毎に賞球数を異ならせたり、大入賞口への入賞率を異ならせる構成が望ましい。
このようにすることで、いずれかの方が有利な大入賞口として設定され、どちらの大入賞口が開放するかといった興趣を、遊技者に与えることができる。
【0070】
また、各々に特定領域72を備える場合は、一方を大当り遊技が開始される機能とし、他方を確率変動が作動する機能とすることも考えられる。
これにより、各々、機能の異なる特定領域72を使い分ける遊技構成を実現させることが可能となる。実際は一機種で大当りを発生させる機能と確率変動の機能を使い分けるのは難しい。しかし、シリーズ機(名称やモチーフが共通だが性能が異なる遊技機)でいずれかを用いる場合など、共通部品で作成しておくことが可能となり、使い分ける必要がなく、部品種別を減少させる効果も奏し得る。
【0071】
また、第2大入賞口70を開閉する開閉部材71によって、特定領域72への通過率を調整することができる。
【0072】
また、特定領域72を、確率変動を付与する領域として用いる構成を前提としたときに、大当り図柄が入球通常図柄の場合は、特定領域72への通過を困難にするために大入賞口を短時間しか開放しない制御を行なうのが従来の方法だった。しかし、本願発明ならば第1開放姿勢にて開放すれば特定領域72に入球することはないため、他のラウンド遊技と同様の開放時間で開放することが可能となる。
このようにすることで、今までのように短時間開放であるが故に、確率変動のみならず、賞球も得られなかったラウンド遊技を、確率変動を得られなくても多量の賞球を獲得できるラウンド遊技にすることができる。
【0073】
次に、
図4を用いて、主制御装置50が行う始動入賞処理について説明する。
始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かについて、当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0074】
本実施形態においては、普図保留数表示装置(図示しない)、第1特図保留数表示装置(図示しない)、第2特図保留数表示装置(図示しない)による各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっている。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
【0075】
始動入賞処理を開始すると、先ず、第1特図始動スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
【0076】
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上述した判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
【0077】
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)(第1先読判定コマンド送信手段)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
【0078】
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2特図始動スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数、小当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算する(S60)。
【0079】
S60に続いては、記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。具体的には、第1保留記憶と同様に、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、リーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上述した判定を行うことによって、記憶した乱数値が遊技者が期待のもてる特定の値か否かを判定する。
【0080】
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
【0081】
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し(普図保留記憶手段)、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)(保留記憶数送信手段)、リターンする。
【0082】
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施形態では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置53に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40のロング開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
【0083】
次に
図5、6、7を用いて主制御装置50が行う特図当否判定処理を説明する。
この処理は、主制御装置50が第1始動口31又は第2始動口32への遊技球の入球時に取得した大当り判定用乱数と抽選時(判定時)の遊技状態(通常遊技状態か確変状態か)とに応じて大当りを生起させるか否か判定(特図当否判定手段)し、判定結果が大当りなら、大当り図柄判定用乱数に基づいて複数の大当り図柄の中から確定表示を行う大当り図柄を決定し、決定した大当り図柄に応じて大当り遊技の遊技内容や大当り遊技後の遊技状態の種別が決定される。
【0084】
図5に示す特図当否判定処理を開始すると、主制御装置50は条件装置が未作動か否か判定する(S100)。この判定は大当りフラグに基づいて行われる。大当りフラグとは、特別図柄の抽選で当選した場合(取得した大当り判定用乱数の値が予め定められた所定の値と一致していた場合)に立つフラグである。S100が肯定判定であれば(S100:yes)、特別図柄が変動停止中であるか(S105)、確定図柄の非表示期間であるか(S110)の判定が行われる。
【0085】
S105、S110の両方が肯定判定なら(S105:yes、S110:yes)、
図6に進み、第2保留記憶があるか否か判定する(S120)。肯定判定なら(S120:yes)、S130に進み、否定判定なら(S120:no)、第1保留記憶があるか否か判定する(S125)。否定判定なら(S125:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S125:yes)、S130に進む。このS120とS125の判定順により、第2保留記憶の当否判定を第1保留記憶よりも優先して実施する構成となっている。
【0086】
S130では、時短フラグが0か否か判定する(S130)。否定判定なら(S130:no)、時短状態中の処理に進む。本実施形態では、後述する複数種類の時短状態(時短フラグ=1、2)を備えるものであって、各々で選択する変動パターンテーブルが異なるように構成されている。但し、当該構成を除けば基本的にこの処理は公知の処理と何ら変わりないため、具体的な図示は割愛する。
【0087】
時短フラグとは、主制御装置50にて記憶される値である。本実施形態では、時短フラグの値が「0」のときは、時短状態ではないことを、時短フラグの値が「1」或いは「2」のときは、時短状態であることを主制御装置50が判断するための値である。そして、時短状態では、普通図柄、第1及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるとともに、開放延長機能が作動し普通電動役物40の作動回数が増加するとともに作動時間が通常状態よりも延長される。
【0088】
S130が肯定判定なら(S130:yes)判定する第1保留記憶又は第2保留記憶のシフト処理を行い、これにより最も古い第1保留記憶又は第2保留記憶を当否判定の対象とするとともに、対象となった第1又は第2保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算し(S135)、該減算した保留記憶カウンタの値を示す保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S140)。
【0089】
続く、大当り判定用乱数比較処理では、特図当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数と予め設定された特図当否判定テーブルとを比較して、大当り判定用乱数の値が特図当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する(S145)。特図当否判定テーブルは通常確率(低確率1/358.1148)用と高確率用(1/37.6855)の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常確率状態であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の確変状態であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
【0090】
続いてS145の比較結果が大当りか否かを判定し(S150)、肯定判定なら(S150:yes)、読み出した大当り図柄決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S155)、決定した大当り図柄の種類に応じて遊技状態設定フラグを設定する(S160)。
【0091】
遊技状態設定フラグは、大当り図柄の種別に基づき設定されるフラグである。また、遊技状態設定フラグは、大当り遊技中の特定領域72への遊技球の入球に基づいて大当り遊技終了後の遊技状態(本実施形態では「通常確率通常時短100回」、「次回大当りまで確変、時短」、「通常確率非常時短100回」)を設定するために、大当りとなる変動終了時(後述するS217のモードバッファ設定処理)まで、主制御装置50が記憶する値である。
図10(1)に示すように、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球通常図柄」なら、遊技状態設定フラグに「0」を設定し、S155で決定した大当り図柄の種類が、上述した「入球確変図柄」なら、遊技状態設定フラグには「1」を設定する。
【0092】
上述した設定される大当り遊技終了後の遊技状態について更に説明すると、確率状態に係る高確率状態及び低確率状態、時短状態、これに加えて、当該時短状態に係る遊技条件が挙げられる。遊技条件は、例えば、時短回数(時短状態が維持される特別図柄の変動回数)、時短状態中に選択される普通電動役物40の開放パターンが設定される開放パターンテーブル、時短状態中に選択される特別図柄の変動パターンが設定される変動パターンテーブル、等がある。
このように、本実施形態では、大当り図柄が決定した時点で、大当り遊技後の確率状態、時短状態、時短状態中の遊技条件等が、設定され、大当り遊技終了時に各種フラグの設定により確定される。
本実施形態では、遊技状態設定フラグが「0」に設定された時点で、大当り遊技終了後の遊技状態として「通常確率通常時短100回」となることが設定され、遊技状態設定フラグが「1」に設定された時点で、大当り遊技終了後の遊技状態として「次回大当りまで確変、時短」或いは「通常確率非常時短100回」の2つの状態が設定される。「次回大当りまで確変、時短」と「通常確率非常時短100回」の何れとするかの決定は、大当り遊技の終了時の特定領域72への球通過判定結果を待って決定される。
S160の処理は、特定領域72への球通過判定に先んじて、予め「次回大当りまで確変、時短」と「通常確率非常時短100回」の2つの遊技状態を事前に選択して記憶する処理であって、遊技状態事前選択手段を構成するものである。
また、遊技状態事前選択手段によって、予め球通過判定の複数の結果に対応した遊技状態並びに遊技条件を決定しておくことで、大当り図柄が選択された時点で決定されるべき時短回数等の遊技条件を、球通過判定の複数の結果に対応して個別に決定しておくことが可能となっている。
【0093】
図6に戻り、S160に続いては、読み出した大当り判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を選択する(S165)。S150が否定判定なら(S150:no)、S145の比較処理で小当り判定用の当り値と一致していたか否かを判定し(S170)、肯定判定なら(S170:yes)、読み出した小当り図柄決定用乱数の値に基づいて小当り図柄を決定し(S175)、読み出した小当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。S170が否定判定なら(S170:no)、ハズレ図柄を決定し(S180)、読み出したリーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数の値によって変動パターン(変動時間)を決定する(S165)。
【0094】
S165の処理に続いては、上述の抽選結果を示すデータ(大当り図柄の種類、小当りの有無、ハズレの種類(リーチの有無)、変動時間等)を含んだ変動指示コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30において特別図柄を変動表示させる処理を行い(S185)、特別遊技処理1に移行する。従って、サブ統合制御装置53は変動指示コマンドにより、大当り図柄の種類、ハズレ図柄、リーチの有無、変動時間を把握することが出来る。
【0095】
図5の処理に戻り、S105が否定判定(S105:no)、即ち特別図柄が変動中なら、
図7のフローチャートに進み、特図の変動時間(S165で選択した変動パターンに基づく)が経過したか否かを判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S200:yes)、図柄停止コマンドをサブ統合制御装置53に出力するとともに、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御してS155、S175又はS180で決定した図柄を確定表示させる(S205)。図柄停止コマンドを受信したサブ統合制御装置53は演出図柄制御装置54aに予め決めておいた擬似(演出)図柄を確定表示させる指示信号を出力し、演出図柄制御装置54aは、その信号により演出図柄表示装置54bを制御して擬似(演出)図柄を確定表示させる。これにより、特別図柄と擬似(演出)図柄の変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
【0096】
S205の処理に続いては、確定表示した特別図柄が大当りを示すか否かを判定し(S210)、肯定判定なら(S210:yes)、確定図柄表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S215)、モードバッファ設定処理を行う(S217)。
モードバッファ設定処理は、S160にて決定した遊技状態設定フラグの内容を大当り遊技終了時まで一時的にモードバッファに置換して記憶設定する処理である。
モードバッファ設定処理では、遊技状態設定フラグの値が「0」である場合にはモードバッファの値を「0」に、遊技状態設定フラグの値が「1」である場合にはモードバッファの値を「1」に設定する。
なお、大当り遊技中には、モードバッファの値が維持されて、大当り遊技終了時に、モードバッファの内容に基づいて、大当り遊技後の遊技状態を決定するための各種フラグが所定の値に設定されることで、置き換えられる。このように、大当り図柄の種別、遊技状態設定フラグ、モードバッファ、及び大当り後の遊技状態が一定の関係性をもって構成されている。
【0097】
ではここで、遊技状態設定フラグ、モードバッファ、及び大当り遊技後の遊技状態の関係について、
図10(2)及び(3)を参照して説明する。
遊技状態設定フラグが「0」であることにより、モードバッファの値が「0」の場合、大当り遊技終了時には「通常確率通常時短100回」が設定される。具体的には、確率状態が通常(低)確率状態で、通常時短状態が変動回数100回を限度として実行される状態に設定される。
遊技状態設定フラグが「1」であることにより、モードバッファの値が「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球通過が確認されれば、「次回大当りまで確変/時短」が設定される。具体的には、確率状態が高確率状態且つ通常時短状態が、変動回数10000回を限度(実質的は、次回大当りまでと略同義)として実行される状態に設定される。
【0098】
遊技状態設定フラグが「1」であることにより、モードバッファの値が「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への遊技球通過が確認されなければ、「通常確率非常時短100回」が設定される。具体的には、確率状態が通常(低)確率状態で、非常時短状態が変動回数100回を限度として実行される状態に設定される。
本実施形態では、このように大当り遊技の終了時における特定領域72への遊技球の通過有無の判断を待って、3種類の遊技状態の最終的な設定処理がなされるようになっている。
【0099】
また、本実施形態では、時短状態として、特定領域72への遊技球通過の有無により異なる時短状態を備えている。特定領域72への遊技球通過が有った場合には、「通常時短状態」が、特定領域72への遊技球通過が無かった場合には、「非常時短状態」が設定される。「通常時短状態」は、アクシデント無く予定通りに高確率状態を獲得出来た場合に実行される時短状態であり、「非常時短状態」はアクシデントによって惜しくも高確率状態の獲得を逃してしまった場合の非常時に実行される時短状態である。個々の作用等については、後で詳述するものとする。
尚、本実施形態では、モードバッファの値が「0」の場合も、特定領域72への遊技球通過が有った場合と同じ「通常時短状態」が実行される構成となっているが、3種類の時短状態を備えるようにしても良い。そのように構成することによって、遊技の異なる展開に、より対応した時短状態を提供することが可能となる。
【0100】
モードバッファと各種フラグ及び各種カウンタとの関係について説明する。
モードバッファが「0」の場合、大当り遊技終了時に、確変フラグを「0」、時短フラグを「1」、時短カウンタを「100」に設定する。
モードバッファが「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への通過が確認出来れば、確変フラグを「1」、時短フラグを「1」、確変カウンタ及び時短カウンタを「10000」に設定する。
モードバッファが「1」の場合、大当り遊技終了時に特定領域72への通過が確認出来なければ、確変フラグを「0」、時短フラグを「2」、時短カウンタを「100」に設定する。
なお、確変フラグは、主制御装置50にて記憶される値であり、確変フラグの値が「0」のときは、大当り確率が通常状態中(通常確率)であることを、確変フラグの値が「1」のときは、確変状態(高確率状態)であることを主制御装置50が判断するための値である。
【0101】
図7に戻って、次に、大当りフラグを立てる条件装置作動開始処理を行い(S220)、確変フラグが1か否か(現在が確変状態であるか否か)を判定する(S225)。S225が肯定判定なら(S225:yes)、確変フラグと時短フラグに0を設定し(S230)特別遊技処理1に進む。S225が否定判定なら(S225:no)、時短フラグが1或いは2であるか否か判定し(S235)、否定判定なら(S235:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S235:yes)時短フラグに0を設定して(S240)特別遊技処理1に進む。
【0102】
尚、本実施形態では遊技状態が確変状態であれば必ず時短状態でもあるため、S225の判定が肯定判定なら大当り遊技中は確変機能と時短機能を停止する必要があるため、確変フラグと時短フラグの両方を落す(0をセットする)構成になっている。また、本実施形態では時短フラグが立つことで開放延長機能も作動し、時短フラグが落ちると開放延長機能も終了する構成となっている。従って、S230及びS240の処理で開放延長機能も終了する。
【0103】
S210が否定判定(S210:no)、即ち確定表示した特別図柄が大当りを示さない場合、確定図柄表示設定処理(確定図柄の表示時間設定)を行い(S245)、確変フラグが1か否か判定する(S250)。S250が肯定判定なら(S250:yes)、確変カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S255)、確変カウンタの値が0か否か判定する(S260)。S260が否定判定なら(S260:no)S290に進み、肯定判定なら(S260:yes)、確変フラグと時短フラグの両方に0を設定して(S265)S290に進む。
【0104】
S250が否定判定なら(S250:no)、時短フラグが1或いは2であるか否か判定し(S270)、肯定判定なら(S270:yes)時短カウンタから−1するデクリメント処理を行い(S275)、時短カウンタの値が0か否か判定する(S280)。S280が否定判定なら(S280:no)S290に進み、肯定判定なら(S280:yes)、時短フラグに0を設定して(S285)S290に進む。
【0105】
S290では確定表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判定し(S290)、否定判定なら(S290:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S290:yes)、小当り遊技開始処理を行ない(S295)特別遊技処理1に進む。
【0106】
図5に戻り、S110が否定判定(S110:no)、即ち特別図柄が確定表示中なら、
図8に進みS215又はS245で設定された確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)特別遊技処理1に進み、肯定判定なら(S300:yes)、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、サブ統合制御装置53に指示信号を送信して疑似(演出)図柄の確定表示を終了させる確定図柄表示終了処理を行い(S305)特別遊技処理1に進む。
【0107】
次に、
図9を用いて、本実施形態の第1特別図柄と第2特別図柄の大当り図柄の種類について説明する。
図9は、第1特別図柄或いは第2特別図柄が大当りの場合に第1特図表示装置29或いは第2特図表示装置30に表示される図柄の内容を示す表図である。
大当り図柄の数は20個となり、それぞれの図柄が二つのアルファベットの組合せで構成されている。第1特別図柄(及び第2特別図柄)の大当り図柄は、
図1を用いて説明したように遊技盤面の端に判別しづらい複数個(図示8個)のLEDの発光態様(上記、二つのアルファベットの組合せに対応した態様)の組合せにより小さく表示されるため、遊技者は大当り図柄の種類を区別するのが難しい構成となっている。20個の大当り図柄は、10個の「入球確変図柄」と10個の「入球通常図柄」に大別される。
【0108】
従って、第1特別図柄或いは第2特別図柄が大当りとなると、1/2の確率で「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かが選択される構成となっている。本実施形態では、「入球確変図柄」か「入球通常図柄」かの振り分けが同確率となっているが、これに限定せず、異なる確率としても良い。
【0109】
次に主制御装置50が実行する特別遊技処理1について、
図12乃至
図16を参照して説明する。特別遊技処理1は大当り遊技の進行を制御する処理である。
図12に示すように特別遊技処理1を開始すると、大当りフラグに基づいて条件装置が未作動か否かを判定する(S310)。S310が肯定判定なら(S310:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aが作動中か否かを判定する(S315)。S315が否定判定なら(S315:no)リターンし、肯定判定なら(S315:yes)、小当り開始演出中であるか否かを判定し(S320)、肯定判定なら(S320:yes)、小当り開始演出の終了時間か否かを判定し(S325)、否定判定なら(S325:no)、リターンし、肯定判定なら(S325:yes)、小当り遊技として第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理を行い(S330)リターンする。尚、本実施形態での小当り遊技は、第1大入賞口33aの開放を0.5秒間行う構成となっている。
【0110】
S320が否定判定なら(S320:no)、小当り動作中か否か(第1大入賞口33aが0.5秒の開放を行っているか否か)を判定し(S335)、肯定判定なら(S335:yes)、大入賞口への入賞球数が9個未満か否かを判定し(S340)、肯定判定なら(S340:yes)開放してから0.5秒経過したか否かを判定する(S345)。S345が否定判定なら(S345:no)、リターンし、S340の否定判定(S340:no)又はS345が肯定判定なら(S345:yes)、第1大入賞口33aを閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行い(S350)、続いて小当り終了演出処理を行い(S355)リターンする。
【0111】
S335が否定判定で小当り遊技中ではないなら(S335:no)、小当り終了演出が終了する時間か否かを判定し(S360)、否定判定なら(S360:no)リターンし、肯定判定なら(S360:yes)、小当り遊技終了処理を行ない(S365)リターンに抜ける。
【0112】
図12のS310が否定判定なら(S310:no)、即ち大当りフラグが立っていれば、
図13に移行し第1大入賞口33a及び第2大入賞口70が閉鎖中か否か判定し(S380)、肯定判定なら(S380:yes)、大当り遊技の開始演出中か否か判定する(S385)。S385が肯定判定なら(S385:yes)、大当り遊技の開始演出が終了する時間か否かを判定し(S390)、否定判定なら(S390:no)リターンし、肯定判定なら(S390:yes)、第1大入賞口33aを開放する大入賞口開放処理(S395)を行いリターンする。
【0113】
S385が否定判定なら(S385:no)、即ち大当り遊技の開始演出中ではないなら、インターバル中か否か判定する(S400)。このインターバルとは、第1大入賞口33aが閉じている状態から再度第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放されるまでの時間のことである。S400が肯定判定なら(S400:yes)、インターバルが終了する時間か否かを判定し(S405)、肯定判定なら(S405:yes)、次回の大当り動作が1ラウンド目から12ラウンド目までの範囲か判定する(S410)。肯定判定なら(S410:yes)、第1大入賞口33aを開放する第1大入賞口開放処理を行い(S415)リターンする。S410が否定判定なら(S410:no)、第2大入賞口70を開放する、すなわち開閉部材71を第1開放姿勢に変位させる、第2大入賞口開放処理を行い(S420)、次いで開閉部材71を更に遊技球入球が容易となる第2開放姿勢に変位させる開閉部材拡開処理を行い(S425)リターンする。
S425の開閉部材拡開処理では、図示しないが、当該大当りの発生が、何れの大当り図柄によって発生したか、すなわち、「入球確変図柄」か「入球通常図柄」の何れの大当り図柄であったかを判断する。上述した、遊技状態設定フラグ或いは、モードバッファの値を確認して判断する構成でも良い。次いで、「入球確変図柄」であったと判断した場合に限り、開閉部材71の拡開処理を実行するように構成されている。拡開処理が実行されると、極めて高い確率で当該ラウンド中に特定領域72への遊技球の通過が見込まれる状態となるように構成されている。
【0114】
S400が否定判定なら(S400:no)、即ちインターバル中ではないなら、大当り遊技の終了演出中か否か判定し(S430)、否定判定なら(S430:no)リターンし、肯定判定なら(S430:no)、サブ統合制御装置53に大当り開始演出を指示するコマンドを送信する大当り開始演出処理を行い(S435)リターンする。
【0115】
大当り開始演出処理(S435)では、主制御装置50はサブ統合制御装置53に大当り開始演出指示コマンドを送信し、大当り開始演出指示コマンドを受信したサブ統合制御装置53は、パチンコ機に設けられたランプ、LED37を大当り遊技演出用に激しく発光させたり、大当り遊技用の音をスピーカ10から出力させる。また、サブ統合制御装置53は、演出図柄制御装置54aに信号を送信し、演出図柄表示装置54bにおいて大当り開始演出を表示させる。実施される大当り遊技が入球確変図柄による大当り遊技か、入球通常図柄による大当り遊技か、に係る報知をこの時点で実施しても良い。
【0116】
次に、S380が否定判定なら(S380:NO)、即ち、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70が開放中なら、
図14に進み、開放中の大当り遊技が最終13ラウンドか否か、即ち第2大入賞口70が開放中か否か判定する(S450)。S450が肯定判定なら(S450:yes)、遊技状態設定フラグが1か否か判定する(S452)。S452では、モードバッファが1か否かを判定するように構成しても良い。S452が肯定判定なら(S452:yes)、すなわち当該大当りが入球確変図柄が選択されたことによって発生した場合には、次いで特定領域入球フラグが0か否か判定する(S455)。特定領域入球フラグは主制御装置50が記憶する値であり、値が1なら既に特定領域72に遊技球が入球した(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出した)ことを主制御装置50が判断し、値が0なら特定領域72に遊技球が入球していない(特定領域スイッチ72aが遊技球を検出していない)ことを判断する。
【0117】
S455が肯定判定なら、即ち特定領域72に遊技球が未入球なら(S455:yes)、特定領域スイッチ72aが遊技球を検出したか否か判定し(S460)、肯定判定なら(S460:yes)、特定領域入球フラグに1を設定し(S465)、開閉部材71の駆動(第2開放姿勢を維持する駆動)を終了する拡開終了処理を行う(S470)。
【0118】
S470の処理、又はS450、S452、S455、S460の否定判定(S450:no、S452:no、S455:no、S460:no)に続いては、
図15に進み、作動中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)への遊技球の入球数が規定数(9個)未満か否かを判定し(S500)、肯定判定なら(S500:yes)、第1大入賞口33a又は第2大入賞口70の最大開放時間が経過したか否かを判定し(S505)、否定判定なら(S505:no)リターンに抜ける。
【0119】
S500が否定判定(S500:no)又は、S505が肯定判定なら(S505:yes)、開放中の大入賞口(第1大入賞口33a又は第2大入賞口70)を閉鎖する大入賞口閉鎖処理を行う(S510)。S510の処理では、第1大入賞口33aの扉部材の閉鎖、又は第2大入賞口70の開閉部材71を閉鎖姿勢に変位する処理を行うことで第2大入賞口70を閉鎖状態とする。
S510の処理後は、S510で終了したラウンドが最終13ラウンドであったか否か判定し(S515)、否定判定なら(S515:no)、インターバル処理を開始し(S535)リターンに抜け、肯定判定なら(S515:yes)、S525の処理に移行する。
【0120】
S515が否定判定なら(S515:no)、サブ統合制御装置53に大当り終了演出を指示するコマンドを送信する(S525)。S525の大当り終了演出処理は、S435の大当り開始演出処理と同様に、主制御装置50からサブ統合制御装置53に大当り終了演出指示コマンドを送信することによって、パチンコ機に設けられたランプ、LED37や演出図柄表示装置54bにおいて大当りの終了演出を行うための処理である。
【0121】
S525に続いては、条件装置停止処理を行い(S530)、
図16に進み、モードバッファが1か否か判定し(S555)、肯定判定なら(S555:yes)、特定領域入球フラグが1か否かを判定し(S560)、肯定判定なら(S560:yes)、大当り遊技終了後の遊技状態を「次回大当りまで確変、時短」とするために、確変フラグに1を設定し(S565)、確変カウンタに10000回を設定し(S570)、時短フラグに1を設定し(S575)、時短カウンタに10000回を設定する(S580)。
【0122】
S560が否定判定、即ち特定領域入球フラグが0ならば(S560:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率非常時短100回」とするために、確変フラグに0を設定し(S585)、確変カウンタに0を設定し(S590)、時短フラグに2を設定し(S595)、時短カウンタに100を設定する(S597)。
【0123】
S555が否定判定、即ちモードバッファが0ならば(S555:no)、大当り遊技終了後の遊技状態を「通常確率通常時短100回」とするために、確変フラグに0を設定し(S600)、確変カウンタに0を設定し(S605)、時短フラグに1を設定し(S610)、時短カウンタに100を設定する(S615)。
【0124】
S580、S597又はS615に続いては、特定領域入球フラグに0を設定し(S620)、続いて、設定されたモードバッファの値に基づいて決定された、大当り遊技後の遊技状態を、演出図柄表示装置54b上で報知する指示信号を、演出図柄制御装置54aに送信する(S625)。次に、決定された大当り遊技後の遊技状態を指定する状態指定コマンドを状態指定コマンドテーブルから選択して、サブ統合制御装置53に送信する処理を実行して(S630)、リターンする。
サブ統合制御装置53では、受信した状態指定コマンドに基づいて、各種演出制御を実行する。
尚、上述した状態指定コマンドを送信する処理は、当該大当り遊技終了のタイミングに限らず、特別図柄の変動開始時、さらに変動終了時にも行うようにしても良い。このようにすることで、遊技状態の切り替わるタイミングに先立って、変更する状態指定コマンドを送信することが出来、サブ統合制御装置53が実行する演出上の不具合を防止することが出来る。
【0125】
図17を参照して、サブ統合制御装置53が実行する演出モード設定処理について説明する。
サブ統合制御装置53は、上述したS630において主制御装置50から状態指定コマンドを受信すると、所定の記憶領域として例えば状態指定コマンドバッファ等に記憶格納する。大当り遊技が終了すると、状態指定コマンドバッファの内容を参照して確認する処理を実行する(S650)。次いで、S650での確認結果が、通常確率非常時短を指定するコマンドであるか否かを判定する(S655)。肯定判定であれば(S655:yes)、お詫び演出モードへの移行処理が実行されて(S660)、リターンする。否定判定であれば(S655:no)、S650での確認結果が、通常確率通常時短を指定するコマンドであるか否かを判定する(S665)。肯定判定であれば(S665:yes)、時短演出モードへの移行処理が実行されて(S670)、リターンする。否定判定であれば(S665:no)、S650での確認結果が、次回大当りまで確変/時短を指定するコマンドであると判定して確変演出モードへの移行処理が実行されて(S675)、リターンする。
【0126】
演出モード設定処理において各演出モードに移行した場合には、図示しないが、主制御装置50側の処理として、複数種類の変動パターンを備えた変動パターンテーブル、普通電動役物40の開放パターンを備えた開放パターンテーブル等が、設定された演出モードに対応して選択されるように構成されても良い。これにより、演出モードによって、個々に異なる演出態様を実現することが容易となる。
【0127】
このような演出モード毎に異なる変動パターンテーブルや開放パターンテーブル等を選択する構成としては、以下のような構成も採用可能である。
お詫びモードが選択された場合の普通電動役物40の開放パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、開放時間が長く設定され入賞可能性の高い有利な開放状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことを、入賞率の高い時短状態とすることによって救済し、遊技者の落胆を充分に軽減することが出来る。
お詫びモードが選択された場合の普通電動役物40の開放パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、開放時間が比較的に短く設定され入賞可能性の低いやや不利な開放状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことに対して、「おまけ」的な比較的利益度の低い時短状態を提供することで、遊技者の落胆を有る程度軽減すると共に、更に利益度の高い時短状態の獲得に対して遊技者の意欲を掻き立てることが出来る。
お詫びモードが選択された場合の第1特図表示装置29及び第2特図表示装置30における特別図柄の変動パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、変動時間が短く設定され単位時間当たりの抽選回数が多い有利な変動状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことを、単位時間当たりの抽選回数が多い時短状態とすることによって救済し、遊技者の落胆を充分に軽減することが出来る。
お詫びモードが選択された場合の第1特図表示装置29及び第2特図表示装置30における特別図柄の変動パターンテーブルについて、時短演出モードや確変演出モードが選択された場合と比較して、変動時間が比較的に長く設定され単位時間当たりの抽選回数がやや少ないやや不利な変動状態に設定されるようにしても良い。このように構成することにより、入球確変図柄が選択されたにも拘わらず期待された確変獲得が実現出来なかったことに対して、「おまけ」的な比較的利益度の低い時短状態を提供することで、遊技者の落胆を有る程度軽減すると共に、更に利益度の高い時短状態の獲得に対して遊技者の意欲を掻き立てることが出来る。
【0128】
次に、演出モード設定処理により設定された演出モード中の演出図柄表示装置54bによる演出態様について、
図18を参照して説明する。
図18(A)乃至(C)には各演出モードに設定された場合の演出表示態様を示す。演出図柄表示装置54bの略横長矩形状に形成されてなる表示領域の上部左側方には、特別図柄に対応した演出図柄の変動表示態様が示されている。また、上部右側方には、現在設定されているモード種別を報知する演出モード種別表示が示されている。中央位置には、本実施形態で用いられるキャラクタ表示としての「熊の達吉」の表情によって、演出モードを補助的に報知すると共に、選択された演出モードによる遊技者の遊技意欲の向上を図る演出が実行される。更に、下部では、上述したキャラクタ表示としての「熊の達吉」のコメントを表示することで、キャラクタ表示の表情に加えて明確に報知内容を示すように構成されている。
図18(A)は、上述したS675で確変演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球確変図柄が選択された後に、特定領域72への入球が有ったことで、期待通りに遊技者が確変を獲得出来たことへの称賛と確変状態の継続した獲得に対する遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの満面の笑顔、及び、コメントとしての「さらに上を目指して!!」)が実行される。
図18(B)は、上述したS670で時短演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球通常図柄が選択されたことで、確変を獲得し損なったものの設定された時短状態中に再度大当りを引き当てる可能性が残されていることを示唆することで、遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの笑顔、及び、コメントとしての「まだまだこれから!!」)が実行される。
図18(C)は、上述したS660でお詫び演出モードに移行設定された場合の演出表示態様を示している。入球確変図柄が選択されたにも拘わらず、特定領域72への入球が無かったことで、確変を獲得できずに期待を裏切る結果となってしまったことに対する遊技者を慰撫し、且つ期待に叶わなかったけれどもその補填として時短状態が供与することで、遊技者の落胆の軽減を図り、継続した遊技意欲の鼓舞を図る演出(キャラクタの残念そうな表情、及び、コメントとしての「残念でした。でも時短がつくよ!!」)が実行される。
このように本実施形態では、予定された特定領域72への入球が、アクシデント等で実現出来なかった場合に、上述した補填や演出を実行するので、本発明の開閉部材71の姿勢のみで特定領域72への通過率を調整する構成で予定した結果が得られなくなった際、遊技者の落胆を軽減することができる。
【0129】
なお、パチンコ機の種別として、上述した実施形態では、いわゆる確変口を備えた弾球遊技機として説明したが、特定領域72へ通過すると大当り遊技が発生する弾球遊技機(混合機)に用いることも考えられる。
[弾球遊技機(混合機)に用いた場合の実施形態]
先ず、弾球遊技機(混合機)の概略構成について説明する。
弾球遊技機(混合機)は、遊技者により発射された遊技球が流下する遊技領域を備える。該遊技領域は、左打ち(弱目打ち)遊技時に対応した左打ち遊技領域、及び右打ち(強目打ち)遊技時に対応した右打ち遊技領域を設けることで、発射強度すなわち打ち出し位置によって、異なる遊技が行えるように構成される。
左打ち遊技領域には、入球に起因して第1特別図柄(以降、第1特図とも記載)に係る当否抽選を実行するための第1特図始動口を備える。
右打ち遊技領域には、遊技球の通過に起因して普通図柄(以降、普図とも記載)に係る当否抽選を実行するための普図作動ゲートを備える。また、本発明の特定領域72を備えた第2大入賞口70を備える。
また、遊技領域には、普図の当否抽選にて当りとなった場合に入球不能な閉鎖状態から入球可能な開放状態に変化する普通電動役物が設けられている。該普通電動役物は、遊技球の入球に起因して第2特別図柄(以降、第2特図とも記載)に係る当否抽選を実行するための第2特図始動口を構成する。該第2特図始動口(普通電動役物)への入球は、普図の変動時間、普図の当選確率、及び普通電動役物の開放時間などから、通常遊技状態時において困難となるように設定されている。
また、遊技を統括制御する遊技制御手段としての主制御装置50を備える。該主制御装置50は、所定のプログラムに従い、上述した第1特図始動口および第2特図始動口への入球に基づいて、特別図柄に係る当否抽選を実行し、該抽選結果が大当りとなったとき、大入賞口を予め定められた複数回のラウンドに亘って開放状態とする第1大当り遊技(図柄当り)を実行制御する。また、主制御装置50は、大当りの他に、抽選結果が小当りとなったとき、第2大入賞口70を開放状態とする小当り遊技を実行制御すると共に、該小当り遊技中に遊技球が特定領域72へ入球したことに基づいて、大入賞口を予め定められた複数回のラウンドに亘って開放状態とする第2大当り遊技(役物当り)を実行制御する。
また、主制御装置50は、第1特図に係る当否抽選の結果として第1大当り遊技(図柄当り)を実行制御した場合、該第1大当り遊技(図柄当り)後に、普通電動役物に係る1回の当りによって開放される時間が延長する開放延長制御を実行する。
また、主制御装置50は、第1特図及び第2特図について、当否抽選の「大当り」に係る抽選確率を同じ確率にて実行するが、「小当り」に係る抽選確率は、第2特図の方が第1特図に比して高い確率にて実行する。つまり、当否抽選において小当りとなる可能性は、第1特図よりも第2特図の方が高くなっている。さらに、主制御装置50は、第1特図に係る当否抽選で「大当り」となる抽選確率よりも、第2特図にて「小当り」となる確率の方が高い確率にて抽選を実行する。つまり、第1特図で「大当り」となるよりも、第2特図で小当りとなる方が、より可能性が高くなっている。
【0130】
概ね以上のような構成を、弾球遊技機(混合機)は備えるが、これを換言すると、
所定条件の成立に基づいて、遊技球が入球不能な閉鎖状態から入球可能な開放状態となる大入賞口(第2大入賞口70)を備え、
前記大入賞口は、
閉鎖姿勢となることで該大入賞口を前記閉鎖状態とし、且つ開放姿勢となることで前記開放状態とする開閉手段(開閉部材71)と、
該大入賞口に内蔵されて入球した遊技球が通過可能な特定領域(特定領域72)と、を具備してなる弾球遊技機(パチンコ機(混合機))において、
前記開閉手段は、前記開放姿勢として、
前記特定領域への遊技球の通過が不能である第1開放姿勢と、
前記特定領域への遊技球の通過が可能であり、且つ前記第1開放姿勢よりも前記大入賞口への入球が容易な第2開放姿勢を備え、
特図始動口(第1特図始動口又は第2特図始動口)に遊技球が入球したことに起因して特別図柄に係る当否判定を実行する当否判定手段(主制御装置50が実行する当否判定処理)と、
前記当否判定手段の判定結果に基づいて前記特別図柄に係る小当り遊技を実行する小当り遊技実行手段(主制御装置50が実行する小当り遊技処理)と、
該当否判定手段の判定結果に基づいて前記特別図柄に係る第1大当り遊技(主制御装置50が実行する図柄大当り遊技)を実行すると共に、前記小当り遊技時に遊技球が特定領域を通過することによって第2大当り遊技(主制御装置50が実行する役物大当り遊技)も実行する大当り遊技実行手段(主制御装置50が実行する大当り遊技処理)と、を備え、
前記所定条件の成立は、少なくとも前記小当り遊技を実行することであって、
少なくとも小当り遊技時の前記開放姿勢を、第2開放姿勢に設定する、
ことを特徴とする弾球遊技機である。
【0131】
このような構成となる弾球遊技機(混合機)の作用、効果、および遊技性について次に説明する。
上述した弾球遊技機(混合機)では、遊技者は通常遊技状態時に、左打ち遊技を行うことで、左打ち遊技領域に設けられた第1特図始動口へ入球させて、第1大当り遊技(図柄当り)及び、該第1大当り遊技(図柄当り)後に普通電動役物の開放延長制御が実行される開放延長作動状態を目指して遊技を行う。
第1大当り遊技(図柄当り)となり、その後の開放延長作動状態となると、右打ち遊技を行うことで、右打ち遊技領域に設けられた普図作動ゲートに遊技球を通過させ、入球容易となった普通電動役物(第2特図始動口)に入球させて、小当りが当選することを目指して遊技を行う。さらに、小当り当選となると、第2大入賞口70の開閉部材71が第2開放姿勢となることにより、特定領域72に遊技球が通過可能となる。特定領域72に遊技球が通過することにより、第2大当り遊技(役物大当り遊技)が実行される。
通常遊技時の左打ち遊技にて、一旦、第1大当り遊技から開放延長作動状態になると、第1特図始動口への入球に起因した第1大当り遊技(図柄当り)の当選確率よりも高い確率で、普通電動役物(第2特図始動口)への入球に起因した小当り、該小当りからの特定領域通過、ひいては第2大当り遊技(役物大当り遊技)の実行が行われるよう構成されているため、開放延長作動状態となった後は右打ち遊技にて当該有利な状態で遊技を行うことが出来る遊技性となっている。換言すれば、通常遊技状態時は左打ち遊技(第1特図)にて当否判定による大当り(図柄当り)を目指し、該大当りによる大当り遊技後に開放延長機能が作動したら右打ち遊技(第2特図)にて特定領域へ入球させて大当り(役物当り)を発生させることを目指す遊技構成となる。
【0132】
なお、上述したように、「図柄当り」を目指す遊技性は旧第1種的な遊技性であり、「役物当り」を目指す遊技性は旧第2種的な遊技性である。そして、上記構成の弾球遊技機は、1つの弾球遊技機にて両方の遊技性を併せ持つ事から、パチンコ機の1種別として、混合機とも呼称されている。
さらに、本発明の第2大入賞口70を、このような混合機に用いる場合には、小当り遊技時は第2大入賞口70の開閉部材71を第2開放姿勢として、また一方、大当り遊技時は開閉部材71を第1開放姿勢とすることで、1つの大入賞口(第2大入賞口70)で両方の遊技に対応させることができる。
【0133】
また、他の大当り遊技の構成として、各ラウンド遊技で特定領域72に入球させることを条件に、次回のラウンド遊技に移行が可能とした場合(いわゆる継続口を備える弾球遊技機)は、ラウンド遊技開始時は第2開放姿勢で開始し、特定領域72に入球すると第1開放姿勢に変位させる構成が考えられる。
このように所謂継続口として特定領域を機能させる弾球遊技機に本発明を利用した場合には、概ね次のような構成とすることができる。
【0134】
すなわち、
所定条件の成立に基づいて、遊技球が入球不能な閉鎖状態から入球可能な開放状態となる大入賞口(第2大入賞口70)を備え、
前記大入賞口は、
閉鎖姿勢となることで該大入賞口を前記閉鎖状態とし、且つ開放姿勢となることで前記開放状態とする開閉手段(開閉部材71)と、
該大入賞口に内蔵されて入球した遊技球が通過可能な特定領域(特定領域72)と、を具備してなる弾球遊技機(パチンコ機(混合機))において、
前記開閉手段は、前記開放姿勢として、
前記特定領域への遊技球の通過が不能である第1開放姿勢と、
前記特定領域への遊技球の通過が可能であり、且つ前記第1開放姿勢よりも前記大入賞口への入球が容易な第2開放姿勢を備え、
特図始動口に遊技球が入球したことに起因して特別図柄に係る当否判定を実行する当否判定手段(主制御装置50が実行する当否判定処理)と、
該当否判定手段の判定結果に基づいて前記特別図柄に係る大当り遊技(主制御装置50が実行する図柄大当り遊技)を実行する大当り遊技実行手段(主制御装置50が実行する大当り遊技処理)と、を備え、
前記所定条件の成立は、前記大当り遊技を実行することであって、
前記大当り遊技実行手段は、
前記大入賞口を予め定められた複数回のラウンドに亘って開放して前記大当り遊技を実行し、
前記複数回のラウンドの内の所定のラウンド中に前記特定領域に遊技球が通過することに基づいて、前記所定のラウンドの次のラウンドへ移行制御するラウンド移行制御手段(主制御装置50が実行するラウンド移行制御処理)と、を更に備え、
前記所定のラウンド中の前記開放姿勢を、ラウンド開始時は第2開放姿勢に設定し、前記特定領域を遊技球が通過後は第1開放姿勢に設定する、
ことを特徴とする弾球遊技機である。
【0135】
このように構成すれば、遊技者は開放姿勢を見るだけで、次回ラウンドへ移行できるか否かが判別できる。また、第2開放姿勢の方が大入賞口へ入球しやすいため、少ない入球数(カウント数)で特定領域72へ入球するよりも、上限カウント数に到達間近となったタイミングで特定領域72へ入球した方が、第2開放姿勢よりも大入賞口へ入球し難い第1開放姿勢で残りのカウント数だけ入球させるために発生してしまう無駄玉を、発生し難くさせることが出来る等、戦略性の高い遊技性を備えることが可能となる。
【0136】
また、例えば同じラウンド数の大当り遊技を付与する場合でも、所定のラウンド数までは無条件でラウンド遊技が継続していくが、所定のラウンド遊技以降は特定領域72に入球しないと次回のラウンド遊技に移行できない構成が考えられる。その場合は所定のラウンド遊技までは第1開放姿勢で行ない、所定のラウンド遊技以降は第2開放姿勢で行なえば、遊技者は開放姿勢の違いにより、特定領域への入球が必要な遊技性に変化したことに気付くことができる。また、第1開放姿勢でのラウンド遊技は、比較して大入賞口への入球率は低くなるが、継続遊技が確定した状態で安定的な遊技が行なえる。一方、第2開放姿勢でのラウンド遊技は、比較して大入賞口への入球率は高い状態で遊技できるが、特定領域72に入球できなければ大当り遊技が終了してしまうというリスクのある遊技が行なえるようになる。
【0137】
また、第1大入賞口33aを備える構成ならば、第1大入賞口33aの開放状態と、第2大入賞口70の開閉部材71が第1開放姿勢にある状態とで、入球率を異ならせたり、入球一個あたりの賞球数を異ならせる構成が考えられる。このようにすれば、どちらの大入賞口で大当り遊技を行なうかで優劣が生じることになり、有利度の異なる大当り遊技を備えることが可能となる。
【0138】
無論、特定領域72を、大当り遊技を開始させる機能として用いるならば、上記混合機に限定する必要はなく、所謂旧第2種(旧2種、羽根モノ)タイプのパチンコ機であっても良い。
その場合は、第1特図始動口だけの構成でも良く、当否判定として大当りと小当りを備えさせ、小当りと判定された際に、第2大入賞口70の開閉部材71を第2開放姿勢とする小当り遊技を行なえばよい。
また、このようなパチンコ機では、大入賞口内部に遊技球振分装置等の各種構成を備える必要がある。このため、より一層大入賞口内に内蔵すべき構成が多く、またスペースが確保し難い。したがって、本発明の技術を採用することで、部品点数を減少させ、ひいては製造コストの高騰、故障発生率の上昇、および配置スペースの減少等の問題発生を回避することができる。
【0139】
以上、本発明に係る実施形態を説明してきたが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、これに限定する必要はない。例えば、弾球遊技機としてパチンコ機(ぱちんこ遊技機)を例示したが、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機であっても良い。
また、遊技球を機内に封入する封入式遊技機であっても良い。このような構成であっても、本発明の効果は同様に奏しうる。
【0140】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0141】
主制御装置50が実行する「特図当否判定処理」のS150にて肯定判定(大当りと判定)されることは、所定条件の成立に相当する。
【0142】
第2大入賞口70が、大入賞口に相当する。
【0143】
開閉部材71が、開閉手段に相当する。
【0144】
大当り遊技状態終了後に移行する確変状態および時短状態が、有利な特別遊技状態に相当する。
【0145】
パチンコ機が、弾球遊技機に相当する。
【0146】
主制御装置50が実行する図柄大当り遊技が、第1大当り遊技に相当する。
【0147】
主制御装置50が実行する役物大当り遊技が、第2大当り遊技に相当する。