【実施例】
【0022】
図1は、遊技盤1の正面図である。
図1に示すように遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域が、第1遊技領域3aと第2遊技領域3bとに分けられており、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5の右側が第1遊技領域3a、左側が第2遊技領域3bとなる。遊技球が所定の発射強度以上で発射された場合に到達するのが第1遊技領域3aとなり、第2遊技領域3bは「第1遊技領域3aへは到達しない発射強度で発射された遊技球が流下する遊技領域」となる。従って、図に示したA部まで到達した遊技球は、第1遊技領域誘導路101を転動し、第1遊技領域3a(センターケース5の右側)に至り、Aに到達しない遊技球が第2遊技領域3b(センターケース5の左側)を流下することになる。また、この第1遊技領域3a,第2遊技領域3bには多数の遊技釘が植設されている。
【0023】
センターケース5のほぼ直下には、第1普通図柄作動口11(本発明の普通図柄作動口に相当)が配置され、センターケース5の右方には、第2普通図柄作動口12(本発明の普通図柄作動口に相当)が配置され、どちらの作動口も遊技球が通過可能なゲートで構成されている。第1普通図柄作動口11(以下第1普図作動口11とも記載)と第2普通図柄作動口12(以下第2普図作動口12とも記載)は、普通図柄(以下、単に普図とも記載)の当否抽選を実行する作動口であり、いずれかに遊技球が入球すると普図の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数は所定数を上限に保留記憶される。
【0024】
センターケース5の直下に位置する第1普通図柄作動口11の右横位置には、普図の当否抽選が当選したときに作動(開放)する普通電動役物からなる特別図柄始動口17(本発明の可変入賞装置からなる特別図柄始動口に相当)が配設されている。特別図柄始動口17(以下、特図始動口17とも記載)は特別図柄(以下、特図とも記載)の当否抽選用の始動口であり、特図始動口17に遊技球が入球すると複数種類の乱数が抽出され、これらの乱数に基づいて特図の当否抽選が行われる。なお、本実施例においては、特図始動口17への入球に起因して抽出した乱数の保留記憶は行わない。特図始動口17となる普通電動役物はアタッカー式の電動役物で構成され、普図の当選時に予め設定された所定時間および所定回数で開放する。具体的には、通常の遊技状態であれば約2.6秒の開放が2回行い、開放延長状態であれば6.0秒の開放を1回行う。なお、特図始動口17に遊技球を入球させるためには、発射された遊技球が第1遊技領域3aに到達するように発射強度を調整する必要がある。
【0025】
第2普通図柄作動口12の下方位置には、特図の当否抽選が当選となって当り遊技(特別遊技)に移行したときに作動する大入賞口14(本発明の大入賞口に相当)が配設されている。大入賞口14はチューリップ式の電動役物であり、開閉可能な左右の翼片が開放しないと規制部材40に阻害されて遊技球が入球不可な構成となっている。
【0026】
また、第1普図作動口11の左横位置には、複数の普通入賞口31,32,33が配設され、特図始動口17の右横位置には普通入賞口34が配設されている。なお、普通入賞口31,32,33,34は、常時、入球率が変化しない普通入賞口である。
【0027】
特図始動口17の下方、ガイドレール2a、2bの外側には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普通図柄保留数表示装置8と、特別図柄表示装置9が配置される。なお、いずれの表示装置も遊技者が視認しづらい位置に配置され、尚且つ表示する図柄自体も判別が難しい態様にすることより、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。特別図柄については、保留記憶機能を設けていない。
【0028】
上記のように遊技盤1を構成することによって、第1普通図柄作動口11、第2普通図柄作動口12への遊技球の入球(第1普図作動スイッチ11a、第2普図作動スイッチ12a(
図2参照)が遊技球を検出)を契機に、普通図柄表示装置7で普図が変動表示を開始するのと同期して演出図柄表示装置では普図の擬似図柄が演出変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図及び擬似図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(
図2参照)を駆動させる。
【0029】
普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して普通電動役物の扉部材が開放し、特図始動口17への入球(特図始動口スイッチ17a(
図2参照)の検出)が可能となるように構成されている。普通電動役物の扉部材が開放した状態で第2遊技領域3bに遊技流を流下させると、特図始動口17に遊技球が入球(特図始動口スイッチ17a(
図2参照)が遊技球を検出)し、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。
【0030】
特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(
図2参照)が駆動する(特別遊技を行う)。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の左右の翼片が開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(
図2参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0031】
第2普通図柄作動口12と普通電動役物からなる特別図柄始動口17と、大入賞口14とは、第1遊技領域3a(センターケース5の右側)に配置されているため、普図当り時、及び遊技状態が開放延長遊技状態に移行した場合は、遊技者は発射した遊技球の全てが第1遊技領域3aに到達するように発射ハンドルを調整することになる。
【0032】
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1普通図柄作動口11及び第2普通図柄作動口12への遊技球入球に基づく普図の当否判定は、普図低確率状態(本発明の通常の遊技状態に相当)と、該普図低確率状態に比べて普図が当選する確率が高い普図高確率状態(本発明の普通図柄高確率状態に相当)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例における普図の当選確率は、普図低確率状態では1/399.9、普図高確率状態では1/1.001(本発明の「前記作動判定手段が前記可変入賞装置を作動させる確率が高確率なら、前記作動判定手段が行われるとほぼ当選する確率に設定し」の構成に相当)に設定されている。
【0033】
また、特別図柄始動口17への遊技球入球に基づく特図の当否判定も、特図低確率状態(本発明の通常の遊技状態に相当)と、該特図低確率状態に比べて特図が当選する確率が高い特図高確率状態(本発明の特別図柄高確率状態に相当)とのいずれかの遊技状態で実施されるが、本実施例における特図の当選確率は、特図低確率状態では1/1.0000305、特図高確率状態では1/1.0000153となり、低確率状態と高確率状態とがほぼ同じで、且つどちらもほぼ当選する確率が設定されている(本発明の「前記当否判定確率は、通常の確率と高確率とをほぼ同じ確率にするとともに、前記当否判定手段が行われるとほぼ当選する確率に設定し」の構成に相当)。
【0034】
第1普通図柄作動口11又は第2普通図柄作動口12に遊技球が入球すると、普図の当否抽選を実行する。このとき普通図柄表示装置7で表示する普通図柄と演出図柄表示装置6で表示する普図に対応した擬似図柄との変動を開始し、所定時間経過後、普通図柄表示装置7に普図の確定図柄を、演出図柄表示装置6に普図に対応する擬似図柄の確定図柄を表示して前記抽選結果を報知する。抽選結果が当りであれば普図の当り遊技として特別図柄始動口17となる普通電動役物を6.0秒間(又は10個入球するまで)開放する。従って、遊技者は普図の当りが報知された時点で、遊技球が第1遊技領域3aを流下するように発射強度を調整する。
【0035】
普通電動役物の開放時に特別図柄始動口17に遊技球が入球すると、特図の当否抽選を実行し、該当否抽選結果が当りであれば、条件装置及び役物連続作動装置が作動し、大入賞口14が複数回の開放を行う。なお特図の抽選結果となる特別図柄は、特別図柄表示装置9のみに確定表示して報知する。演出図柄表示装置6には特図に対応した擬似図柄が表示されないため、遊技者には特図の当りは報知されないが、普図の当りを遊技進行上の大当りと認識して第1遊技領域3aに向けて遊技球を発射しているなら、大入賞口14も第1遊技領域3aに配置されているため遊技進行上の支障はない。
【0036】
特図の当り遊技終了時には、特別図柄表示装置9に表示した確定図柄の種類に基づいて、通常の遊技状態と異なる遊技状態が付与される。この通常の遊技状態と異なる遊技状態には2種類あり、そのうちの一つは、普図の当選確率を高確率とする普通図柄高確率状態、特図の当選確率を高確率とする特別図柄高確率状態、普通電動役物の開放時間を長くする開放延長機能が作動すると共に普図と特図の変動時間が短縮される時短状態の3種類の遊技状態が付与される遊技状態(本発明の第1遊技状態に相当)となり、もう一つは、普通図柄高確率状態と時短状態の2種類の遊技状態が付与される遊技状態(本発明の第2遊技状態に相当)となる(特別図柄高確率状態の有無の違い)。
【0037】
普通図柄が一度当たると、上記した一連の作動内容を普通図柄高確率状態で繰り返すため、遊技者は第1遊技領域3aのみに遊技球を発射して遊技球を獲得する遊技を継続することになるが、普通図柄高確率状態の継続を規制するリミッタ機能を2種類備えることによって、一連の作動が高確率遊技状態で継続する回数を制限している。リミッタ機能の一つ(第1リミッタ機能)は、特図が第1当り図柄で当選した回数(第1遊技状態が付与された回数)が3回に達すると、次回の大入賞口14の作動終了後を普通図柄低確率状態とするリミッタ機能となる。従って、第1遊技状態の付与が3回に至る前に第2遊技状態が付与される限り、普通図柄高確率状態は継続する。
【0038】
もう一つのリミッタ機能(第2リミッタ機能)は、特図の当り回数がトータルで15回に達すると、大入賞口14の作動終了後に普通図柄低確率状態を付与するリミッタ機能となる。この第2リミッタ機能によって際限のない普通図柄高確率状態の継続を制限している。
【0039】
なお、特図始動口17となる普通電動役物への入賞時の賞球数が15個に設定されており、上記した一連の作動内容を繰り返すことで、普通電動役物への入賞により獲得遊技球数が増加していく構成となる。
【0040】
図2は、パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図となり、主制御装置80を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するだけのいわゆる中継基板及び電源回路等は記載していない。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0041】
主制御装置80には、第1普通図柄作動口11に入球した遊技球を検出する第1普図作動スイッチ11a、第2普通図柄作動口12に入球した遊技球を検出する第2普図作動スイッチ12a、特別図柄始動口17に入球した遊技球を検出する特図始動口スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ14a、普通入賞口31,32,33,34に入球した遊技球を検出する入賞口スイッチ31a、等の検出信号が入力される。
【0042】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている特別図柄表示装置9、普通図柄表示装置7の表示、普通図柄保留数表示装置8の点灯を制御する。
【0043】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普電役物ソレノイド12bを制御することで特別図柄始動口17となる普通電動役物の開閉を制御する。主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0044】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出す。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0045】
なお、払出制御装置81には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号の出力が停止したことに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0046】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニットと交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0047】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。なお、本実施例のパチンコ機は、賞球を機外に払い出す構成としたが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに持玉データとして記憶する封入式の構成としても良い。
【0048】
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル27からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
【0049】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル27を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドルを触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドルを触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0050】
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部はランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67が接続されており、遊技者が演出ボタン67を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置83に入力される。
【0051】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄(擬似図柄)等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示させる。
【0052】
次に、
図3に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する「メインルーチン」を説明する。「メインルーチン」は本処理(S10〜S75)と残余処理(S80)とで構成され、2ms周期の割り込み信号に起因して開始され、最初に正常割り込みか否かを判断する(S10)。この判断はRAMの特定アドレスに特定の数値が書き込まれているか否かに基づいて行われ、ここで否定判定(S10:no)なら初期値乱数設定(S15)を実行する。前述の正常割り込みか否かを判断するための数値は、この初期設定の一環としてRAMに書き込まれる。
【0053】
正常割り込みなら(S10:yes)、初期乱数更新処理(S20)、特図の当り決定用乱数の更新処理(S25)、特図当り図柄決定用乱数1の更新処理(S30)、特図当り図柄決定用乱数2の更新処理(S35)、普図の当り決定用乱数の更新処理(S40)、普図当り図柄決定用乱数の更新処理(S45)、普図のリーチに関するリーチ判定用乱数の更新処理(S50)、普図の変動パターンに関する変動パターン決定用乱数の更新処理(S55)、入賞確認処理(S60)、当否判定処理(S65)、各出力処理(S70)、不正監視処理(S75)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内には初期乱数更新処理(S80)をループ処理する。
【0054】
次に、
図4に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する普図始動入賞処理を説明する。本処理は、第1普図作動口11、及び第2普図作動口12を遊技球が通過したときに取得する当り決定用乱数等の種々の乱数を、普図保留記憶として主制御装置80に格納(記憶)する処理となる。また本処理では、記憶した乱数が予め当り値等として設定された値か否かを、後述する普図当否判定処理を実施する以前に判定する先読判定処理を行う。また、第1普図作動口11及び第2普図作動口12への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行う。以後、第1普図作動口11及び第2普図作動口12を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0055】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置8の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えば普通の最大記憶個数が8個であってもよい。また、普図の保留記憶数が0であっても、第1普図作動口11、第2普図作動口12に遊技球が入球したときに抽出される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置80に格納される。
【0056】
本処理を開始すると、第1普図作動口スイッチ11aが遊技球を検出したか否か判定する(S100)。否定判定なら(S100:no)S130に進み、肯定判定なら(S100:yes)、主制御装置80に格納されている普図保留記憶の数が上限数(=4個)未満か否か判定する(S105)。否定判定、即ち、これ以上の保留記憶が不可なら(S105:no)S130に進み、肯定判定であれば(S105:yes)、抽出した当り判定用乱数、当り図柄決定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶の数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算する(S110)。
【0057】
S110に続いては、記憶した普図保留記憶の先読判定を行う(S115)。具体的には、当り判定用乱数の値があらかじめ設定されている当りを生起させる値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、保留記憶した乱数が、遊技者が当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも当りを期待させる演出が可能な否か)を確認する。
【0058】
続いて、S115の判定結果に基づいて普図先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置83に送信し(S120)、S110で加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留数指示コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S125)。
【0059】
S125、又はS100、S105の否定判定(S100:no、S105:no)に続くS130では、第2普図作動口スイッチ12aが遊技球を検出したか否か判定し(S130)、以降はS105からS125と同様の処理を行ってリターンする。
【0060】
次に、
図5,6,7に示したフローチャートを用いて、主制御装置80が実行する普図当否判定処理を説明する。本処理は、本発明の作動判定手段に相当する処理となる。普図当否判定処理を開始すると、特図始動口17となる普通電動役物が作動中か否か判定し(S200)、肯定判定なら(S200:yes)、普電遊技処理に進み、否定判定なら(S200:no)、普通図柄が変動中か否かを判定し(S205)、変動中でなければ(S205:no)、普通図柄の確定図柄表示中であるか否か判定し(S210)、確定表示中でなければ(S210:no)、普図保留記憶が有るか否か判定し(S215)、否定判定なら(S215:no)、普電遊技処理に進む。
【0061】
S215が肯定判定、即ち、普図保留記憶があれば(S215:yes)、判定対象となる普図保留記憶のシフト処理を行う(S220)。これにより最も古い普図保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタから1を減算する。
【0062】
続いて、普図確変フラグが0か否か判定する(S225)。普図確変フラグは主制御装置80が記憶する値であり、
図17の図表に示すように、値が1なら普図の当否判定確率が高確率状態(確変状態ともいう)であることを、値が0なら普図の当否判定確率が低確率状態(通常状態ともいう)であることを判断する。
【0063】
S225が肯定判定、即ち、普図の低確率状態なら(S225:yes)、当否判定の対象とした普図保留記憶の当り判定用乱数値と、予め設定された低確率状態用の当否判定テーブル(低確率1/399.9)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較し(S230)、S225が否定判定、即ち、高確率状態なら(S225:no)、高確率状態用の当否判定テーブル(高確率1/1.0000305)と比較する(S235)。
【0064】
S230又はS235に続いては、比較結果が当り(判定値と同一)であるか否か判定し(S240)、肯定判定なら(S240:yes)、判定対象の当り図柄決定用乱数の値に基づいて普図当り図柄選択処理を行い(S245)、時短フラグを参照して変動パターンを選択する変動パターン選択テーブルを決定し(S250)、普図変動パターン決定用乱数に基づいて普図変動パターン選択処理を行い(S260)、選択した当り図柄および変動パターンの情報を、普図変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信し(S260)、普電遊技処理に進む。
【0065】
普図変動指示コマンドを受信したサブ統合制御装置83からの指示に基づいて、演出図柄制御装置82が演出図柄表示装置6を制御し、普通図柄の当り図柄及び変動パターンの情報に基づいた擬似図柄の演出変動表示を開始する。サブ統合制御装置83への普図変動指示コマンド送信とほぼ同時に、主制御装置80は普通図柄表示装置7を直接制御して普通図柄の変動を開始する。
【0066】
なお、時短フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、
図17の図表にしめすように、値が1なら特別図柄と普通図柄の変動時間が短縮され、尚且つ普通電動役物の開放延長機能が作動する時短状態(開放延長状態)であることを、値が0なら非時短状態(非開放延長状態)であることを主制御装置80が判断する。
【0067】
S240が否定判定、即ち、比較結果がはずれなら(S240:no)、時短フラグを参照して(S250)はずれ変動用の普図変動パターン選択処理を行い(S255)、はずれの普図変動パターンの情報を、普図変動指示コマンドとしてサブ統合制御装置83へ送信し(S260)、普電遊技処理に進む。
【0068】
S205が肯定判定、即ち、普通図柄が変動中なら(S205:yes)、
図6のフローチャートに進み、普通図柄の変動時間(S255で選択された変動パターンに基づく)が経過したか否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)、普電遊技処理に進み、肯定判定なら(S300:yes)、普通図柄表示装置7を制御して普図の当否判定結果となる普通図柄を確定表示させる普図確定図柄表示処理を行い(S305)、普図確定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する(S310)。普図確定コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、演出図柄制御装置82に予め選択されていた擬似図柄を確定表示させる指示信号を送信し、演出図柄制御装置82は、その信号に応じて演出図柄表示装置6を制御して擬似図柄を確定表示させる。これにより、普通図柄と擬似図柄との変動の開始と終了が同じタイミングになる(同期する)。
【0069】
S310に続いては、確定表示させた普通図柄が当り図柄か否か判定し(S315)、否定判定なら(S315:no)普電遊技処理に進み、肯定判定なら(S315:yes)、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置83へ当り演出(遊技者から見た場合は大当り演出となる)を開始させるようにコマンドを送信する普図当り開始演出処理を行い(S320)、普電遊技処理に移行する。
【0070】
図5に戻り、S210が肯定判定、即ち、普通図柄の確定表示中なら(S210:yes)、
図7のフローチャートにすすみ、確定図柄の表示時間が経過したか否か判定し(S350)、否定判定なら(S350:no)普電遊技処理に進み、肯定判定なら(S350:yes)、普通図柄表示装置7の確定図柄表示の終了と、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82へ擬似図柄の確定表示を終了させるコマンドを送信する普図確定図柄表示終了処理を行い(S355)、普電遊技処理へ移行する。
【0071】
次に、
図8,9,10のフローチャートを用いて普電遊技処理を説明する。本処理は、普図当否判定処理の当り判定に基づいて実施される普通電動役物の作動を制御する処理となる。本処理を開始すると、特別図柄始動口17となる普通電動役物が作動中か否か判定し(S400)、作動中でなければ(S400:no)普図当り終了演出中か否か判定し(S405)、普図当り終了演出中でなければ(S405:no)、普図当り開始演出時間が経過したか否か判定し(S410)、普図当り開始演出時間が経過していなければ(S410:no)リターンし、経過していれば(S410:yes)、普電作動開始処理を行って、特別図柄始動口17となる普通電動役物の開放動作を開始して(S415)リターンする。
【0072】
S400が肯定判定、即ち、普通電動役物が作動中なら(S400:no)、
図9のフローチャートに進み、普通電動役物(普電ともいう)に遊技球が10個入賞したか否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)、普通電動役物の作動時間が終了したか否か判定し(S455)、否定判定なら(S455:no)リターンする。
S450、又はS455が肯定判定なら(S450:yes、S455:yes)、普通電動役物の作動終了処理を行い(S460)、普通図柄の当り終了演出処理を行って(S465)リターンする。
【0073】
図8に戻り、S405が肯定判定、即ち、普通図柄の当り終了演出中なら(S405:yes)。
図10のフローチャートに進み、普通図柄の当り終了演出の時間が経過したか否か判定し(S500)、否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)、普図当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S505)リターンする。
【0074】
次に、
図11から
図16を用いて、主制御装置80が実行する特図当否判定処理を説明する。本処理は、本発明の当否判定手段、遊技状態決定手段、計数手段を含む処理となる。本処理を開始すると、条件装置が作動中か否か、即ち大入賞口14の作動中か否かを判定し(S550)、肯定判定なら(S550:yes)、特別遊技処理に進み、否定判定なら(S550:no)、特図が変動中か否かを判定し(S555)、変動中でなければ(S555:no)、特図の確定図柄表示中であるか否か判定し(S560)、確定表示中でなければ(S560:no)、特図始動口スイッチ17aが遊技球を検出したか否か判定し(S565)、否定判定なら(S565:no)、特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S565:yes)、特図当り判定用乱数、特図当り図柄決定用乱数1、特図当り図柄決定用乱数2を抽出して判定対象として一時的に記憶し(S570)、特図確変フラグが0か否か判定する(S575)。
【0075】
特図確変フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、
図17に示すように、値が1なら特図の当否判定確率が高確率状態(確変状態ともいう)であることを、値が0なら特図の当否判定確率が低確率状態(通常状態ともいう)であることを判断する。
【0076】
S575が肯定判定、即ち、特図の当否判定が低確率状態なら(S575:yes)、S570で抽出した特図当り判定用乱数値と、予め設定された低確率状態用の当否判定テーブル(低確率1/1.0000305)とを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較し(S580)、S575が否定判定、即ち、高確率状態中なら(S575:no)、高確率状態用の当否判定テーブル(高確率1/1.0000153)と比較する(S585)。
【0077】
S580、又はS585に続いては、
図12のフローチャートに進み、S580、又はS585の比較結果が特図当り(判定値と同一)であるか否か判定する(S600)(本発明の当否判定手段に相当)。肯定判定なら(S600:yes)、第1リミッタフラグと第2リミッタフラグを参照する(S605)。
【0078】
第1リミッタフラグは、主制御装置80が記憶する値であり、
図17に示すように、値が1なら、後述する第1カウンタの計数に基づいて第1リミッタが作動した状態であることを、値が0なら、第1リミッタが作動していない状態であることを判断する。第2リミッタフラグも、主制御装置80が記憶する値であり、
図17に示すように、値が1なら、後述する第2カウンタの計数に基づいて第2リミッタが作動した状態であることを、値が0なら、第2リミッタが作動していない状態であることを判断する。
【0079】
S605に続いては、参照した第1リミッタフラグ及び第2リミッタフラグと、S570で抽出した特図当り図柄決定用乱数1に基づいて、特別遊技終了後(大入賞口14の作動遊技終了後)の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S615)(本発明の遊技状態決定手段に相当)。なお、大入賞口14が作動する特別遊技の内容は全ての特図当りにおいて同じ動作内容が設定される。
【0080】
S615で設定する特別遊技終了後の遊技状態について、
図18の図表を用いて説明する。リミッタ(第1リミッタ又は第2リミッタ)が未作動時の特図当否判定処理の場合、後述するS620で、第1当り図柄となる特図当り図柄A又はBの2種類が選択される場合と、第2当り図柄となる特図当り図柄CからJの8種類が選択される場合とでは、大入賞口14の作動終了時(規則的には遊技状態の変化が可能な特別遊技終了時となる)に設定される遊技状態が異なる内容となり、その内容を決定する図柄モードをS615図柄モード設定処理で決定する。
【0081】
詳しくは、第1当り図柄(A,B)が選択される場合の遊技状態は、次回の大当りまで普図高確率状態(普図確変フラグ=1,普図確変カウンタ=10000)、特図高確率状態(特図確変フラグ=1,特図確変カウンタ=10000)、時短及び開放延長状態(時短フラグ=1,時短カウンタ=10000)となり(本発明の第1遊技状態に相当)、第2当り図柄(CからJ)が選択される場合は、次回の大当りまで普図高確率状態(普図確変フラグ=1,普図確変カウンタ=10000)、特図低確率状態(特図確変フラグ=0,特図確変カウンタ=0)、時短及び開放延長状態(時短フラグ=1,時短カウンタ=10000)となる(本発明の第2遊技状態に相当)。従って、その相違点は、第1当り図柄が選択される場合は、当り遊技終了後に特図が次回の特図当り時まで高確率状態となるが、第2当り図柄が選択される場合は、特図は低確率状態となる点となる。
【0082】
対して、リミッタ作動時(第1リミッタ又は第2リミッタが作動)の特図当否判定処理の場合は、当り図柄の種類に関係なく、大入賞口14の作動終了時は同一の遊技状態を設定することになる。詳しくは、普図低確率状態(普図確変フラグ=0,普図確変カウンタ=0)、特図低確率状態(特図確変フラグ=0,特図確変カウンタ=0)、時短及び開放延長状態(時短フラグ=0,時短カウンタ=0)となり、大入賞口14の作動終了後は、遊技状態の設定が全て通常に戻り、遊技者が有利な状態が終了する。
【0083】
S615に続いては、S615で設定した図柄モードの種類と特図当り図柄決定用乱数2に基づいて当り図柄選択処理を行う(S620)。これは、図柄モードの設定によって決定した大入賞口14の作動終了後の遊技状態と当り図柄の種類とを関連付けるために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から確定表示する特図当り図柄を決定する処理となる。
【0084】
S620に続いては、S615で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S625)。モードバッファは特図当否判定時に確定した当り遊技終了後の遊技状態の内容(図柄モードの内容)を、該遊技状態を設定する当り遊技終了時(特別遊技処理終了時)まで記憶する装置である(当り遊技中は遊技状態を設定する特図確変フラグ、時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容は記憶せず、具体的な遊技内容に対応した値を記憶する構成となっている。
【0085】
S625に続いては、第1リミッタ設定処理を行う(S630)。第1リミッタ設定処理は、第1当り図柄を決定した特図当りを計数(本発明の計数手段に相当)し、第1リミッタを作動させる処理となる。
【0086】
第1リミッタ設定処理の内容を
図15のフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、第1リミッタフラグが0か否か判定し(S900)、肯定判定なら(S900:yes)、第2リミッタフラグが0か否か判定する(S903)。
【0087】
第1リミッタフラグは、主制御装置80が記憶する値であり、
図17の図表に示すように、値が1なら、第1当り図柄(第1遊技状態を付与)を決定した特図当り回数を計数する第1カウンタ(本発明の計数手段に相当)の計数値が3回に達したことに基づいて第1リミッタが作動した状態であることを、値が0なら第1リミッタが作動していない状態であることを主制御装置80が判断する。第2リミッタフラグも、主制御装置80が記憶する値であり、値が1なら、全ての特図当りを計数する第2カウンタの計数値が15に達したことに基づいて第2リミッタが作動した状態であることを、値が0なら、第2リミッタが作動していない状態であることを主制御装置80が判断する。
【0088】
S903が否定判定、即ち、特図当否判定実施時に既に第2リミッタが作動していたなら(S903:no)リターンに抜け、肯定判定、即ち、第1リミッタも第2リミッタも未作動状態なら(S903:yes)、普図確変フラグが1か否か判定する(S905)。S905が否定判定、即ち、当該処理が普図の通常確率状態からの初当り時の処理であれば(S905:no)、第1カウンタに3をセットして(S910)リターンする。
【0089】
S905が肯定判定、即ち、継続した普図の高確率状態における特図の当り時の処理中であれば(S905:yes)、S620で設定したのが第1当り図柄か否か判定し(S915)、否定判定なら(S915)リターンし、肯定判定なら、第1カウンタのデクリメントを行う(S920)(本発明の計数手段に相当)。
【0090】
続いて、第1カウンタの値が0か否か判定し(S925)、否定判定なら(S925:no)リターンし、肯定判定、即ち、第1当り図柄(第1遊技状態)が付与された回数が所定値に達したなら(S925:yes)、第1リミッタフラグに1をセットし(S930)、第2カウンタをクリアして(S935)リターンする。本処理開始時のS900が否定判定、即ち、当該当否判定処理実施時に第1リミッタが作動していたなら(S900:no)、既に第1リミッタの作動(第1リミッタフラグ=1)に基づいてS615においてリミッタ作動時の図柄モード(大入賞口14作動終了後の遊技状態の内容)を決定しているため、第1リミッタフラグに0をセットし(S940)、終了フラグに1をセットして(S945)リターンする。
【0091】
終了フラグは、主制御装置80が記憶する値であり、
図17の図表に示すように、値が1なら、第1リミッタが先に作動したことに基づいて第2リミッタ設定処理を回避する状態であることを、値が0なら、第2リミッタ設定処理を回避しない状態であることを主制御装置80が判断する。
【0092】
図12のフローチャートに戻り、S630に続いては、第2リミッタ設定処理を行う(S635)。第2リミッタ設定処理は、初当りからの全ての特図当りを計数し、第2リミッタを作動させる処理となる。
【0093】
第2リミッタ設定処理の内容を
図16のフローチャートを用いて説明する。本処理を開始すると、終了フラグが0か否か判定し(S950)、否定判定なら(S950:no)、終了フラグに0をセットして(S995)リターンする。肯定判定なら(S950:yes)、第2リミッタフラグが0か否か判定し(S953)、否定判定、即ち、既に第2リミッタの作動(第2リミッタフラグ=1)に基づいてS615においてリミッタ作動時の図柄モード(大入賞口14作動終了後の遊技状態の内容)を決定しているため、第2リミッタフラグに0をセットして(S990)リターンし、S953が肯定判定なら(S953:yes)、第1リミッタフラグが0か否か判定し(S955)、否定判定、即ち、当該特図当否判定処理において第1リミッタが作動(S930,S935を実施)していたなら(S955:no)、そのままリターンする。
【0094】
S955が肯定判定なら(S955:yes)、普図確変フラグが1か否か判定し(S960)、否定判定、即ち、当該処理が普図の通常確率状態からの初当り時の処理であれば(S960:no)、第2カウンタに15をセットして(S965)リターンする。
【0095】
S960が肯定判定、即ち、継続した普図の高確率状態における特図の当り時であれば(S960:yes)、第2カウンタのデクリメントを行い(S970)、第2カウンタの値が0か否か判定し(S975)、否定判定なら(S975:no)リターンし、肯定判定、即ち、普図高確率状態に移行してからの特図当りの合計が15回に達したなら(S975:yes)、第2リミッタフラグに1をセットし(S980)、第1カウンタをクリアして(S985)リターンする。
【0096】
図12に戻り、S635に続いては、大入賞口14の開放パターン設定処理を行い(S640)、変動パターン(変動時間)を設定し(S645)、特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の変動を開始し(S650)特別遊技処理に進む。S600が否定判定、即ち、特図の当否判定がはずれなら(S600:no)、ハズレ図柄選択処理を行って(S655)、変動パターンを設定し(S645)S650に進む。
【0097】
図11に戻り、S555が肯定判定、即ち、特図が変動中なら(S555:yes)、
図13のフローチャートに進み、特図の変動時間が経過したか否か判定する(S700)。否定判定なら(S700:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S700:yes)、特別図柄表示装置9を制御してS620又はS655で選択した確定図柄を確定表示させる(S705)。
【0098】
S705に続いては、確定表示させた特図が当り図柄か否か判定し(S710)、肯定判定なら(S710:yes)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S715)、特図確変フラグが1か否か判定し(S720)、肯定判定なら(S720:yes)、確変フラグに0をセットする(S725)。S725、又はS720の否定判定(S720:no)に続いては、時短フラグが1か否か判定し(S730)、肯定判定なら(S730:yes)、時短フラグに0をセットする(S735)。S735、又はS730の否定判定(S730:no)に続いては、条件装置作動開始処理(S740)と、役物連続作動装置作動開始処理とを行う(S745)。
【0099】
一方、S710が否定判定、即ち、確定図柄が当りではなかったなら(S710:no)、確定図柄の表示設定処理(確定図柄で表示させておく時間の設定)を行い(S755)、確変フラグが1か否か判定し(S760)、肯定判定なら(S760:yes)、特図確変カウンタからデクリメントし(S765)、特図確変カウンタが0か否か判定し(S770)、肯定判定なら(S770:yes)、特図確変フラグに0をセットする(S775)。
【0100】
S775、又はS760,S770が否定判定なら(S760:no,S770:no)、時短フラグが1か否か判定し(S780)、肯定判定なら(S780:yes)、時短カウンタからデクリメントし(S785)、時短カウンタが0か否か判定し(S790)、肯定判定なら(S790:yes)、時短フラグに0をセットする(S795)。S745,S795、又はS780,S790の否定判定(S780:no、S790:no)に続いては、遊技状態を示す状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S800)特別遊技処理に進む。
【0101】
図11に戻り、S560が肯定判定、即ち、確定図柄の表示中なら(S560:yes)、
図14のフローチャートに進み、確定図柄表示時間が経過したか否か判定し(S850)、否定判定なら(S850:no)特別遊技処理に進み、肯定判定なら(S850:yes)、確定図柄表示終了処理(S855)を行い、特別図柄表示装置9を制御して特別図柄の確定表示を終了させ、特別遊技処理に進む。
【0102】
次に、
図19から
図21を用いて特別遊技処理を説明する。本処理では、
図12のS640、により設定された内容(
図18、大入賞口14の作動内容参照)に基づいて大入賞口14の開放動作となる当り遊技(特別遊技)を行い、特別遊技終了時にS625で設定されたモードバッファに基づいて、遊技状態をセットする。
【0103】
本処理を開始すると、大入賞口14の開放動作を連続して作動させる条件装置及び役物連続作動装置が作動中か否か判定する(S1000)。否定判定なら(S1000:no)リターンし、肯定判定なら(S1000:yes)、大入賞口14が閉鎖中か否か判定し(S1005)、肯定判定なら(S1005:yes)、当り動作の開始インターバル中か否か判定し(S1010)、肯定判定なら(S1010:yes)、当り動作の開始インターバル時間が終了したか否か判定し(S1015)、否定判定なら(S1015:no)リターンし、肯定判定なら(S1015:yes)、大入賞口14の開放処理を行い(S1020)リターンする。
【0104】
S1010が否定判定なら(S1010:no)、開放間インターバル中か否か判定し(S1025)、肯定判定なら(S1025:yes)、開放間インターバル時間が終了したか否か判定し(S1030)、否定判定なら(S1030:no)リターンし、肯定判定なら(S1030:yes)、大入賞口14の開放処理を行いリターンする(S1035)。
【0105】
S1025が否定判定なら(S1025:no)、非終了インターバル中か否か判定し(S1040)、肯定判定なら(S1040:yes)、当り開始インターバル処理を行って(S1045)、リターンする。
【0106】
S1005が否定判定、即ち、大入賞口14が開放中なら(S1005:no)、
図20のフローチャートに進み、カウントスイッチ14aが遊技球を検出したか否か判定し(S1050)、肯定判定なら(S1050:yes)、大入賞口14への入賞数が9個未満か否か判定する(S1055)。S1050が否定判定(S1050:no)、又はS1055が肯定判定なら(S1055:yes)、大入賞口14の開放時間が終了したか否か判定し(S1060)、否定判定なら(S1060:no)リターンする。S1055が否定判定(S1055:no)、又はS1060が肯定判定なら(S1060:yes)、大入賞口14の閉鎖処理を行い(S1065)、最終の2ラウンドが終了したか否か判定し(S1070)、肯定判定なら(S1070:yes)、終了インターバル処理を行って(S1075)リターンし、否定判定なら(S1070:no)、開放間インターバル処理を行って(S1080)リターンする。
【0107】
図19に戻り、S1040が否定判定、即ち、終了インターバル中なら(S1040:no)、
図21のフローチャートに進み、終了インターバル時間が経過したか否か判定し(S1100)、否定判定なら(S1100:no)リターンし、肯定判定なら(S1100:yes)、役物連続作動装置と条件装置の停止処理を行い(S1105、S1110)、S625で設定したモードバッファを参照し(S1115)、参照したモードバッファの値に基づいて普図確変フラグ,普図確変カウンタ,特図確変フラグ,特図確変カウンタ,時短フラグ,時短カウンタを設定し(S1120,S1125,S1130,S1135,S1140,S1145)、モードバッファをクリアし(S1150)、終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信し(S1155)、大入賞口14の作動終了後の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信して(S1160)リターンする。
【0108】
以上が実施例の内容となる。本実施例のパチンコ機は、開放延長状態での普通電動役物への遊技球の入球によって遊技者が獲得遊技球数を増加させていく遊技性を備えており、特図の当りに応じた大入賞口14の連続した開放は、獲得遊技球を増加させるためではなく、規則に則って遊技状態を変化させるための作動となる。
【0109】
本実施では、普通図柄の当否判定確率を普図確変フラグの値に基づいて変化させたが、普図確変フラグは用いずに時短フラグの値に応じて普通図柄の当否判定確率を変化させてもよい。この場合、時短フラグが立っていれば(時短フラグ=1)、時短状態,開放延長状態,となると共に、普通図柄の当否判定確率が高確率状態となる。
【0110】
初当り(通常遊技状態において普図が当り)を獲得すると、普図高確率状態が大入賞口14の当り動作を跨いで継続し、該継続中に特図が第1当り図柄で3回当たると第1リミッタが作動し、次回の当り遊技が終了すると、通常の遊技状態に戻る構成となっている。従って、第2当り図柄で特図が当り続ければ、第1リミッタが作動することはなく普図高確率状態が継続することになる。但し、このような制限のない高確率状態の継続を規制するために第2リミッタを備えている。
【0111】
本実施例においては、特図の第1当り図柄と第2当り図柄との比率を1対4としたがこれに限るわけではない。特図の第1当り図柄と第2当り図柄とで、第1当り図柄を決定する確率が高ければ、第1リミッタが作動するまでに獲得可能な平均当り回数は少なくなり、第1当り図柄を決定する確率を低くすれば第1リミッタが作動するまでに獲得可能な平均当り回数は多くなる構成となる。
【0112】
また、本実施例では、特図の当り図柄としてAからJの10種類を備えているが、当り図柄の種類に応じて、初当り時に第1カウンタに設定する値を変化させてもよい、これは「特図の当り図柄を複数備え、当該当り図柄の種類に応じて異なる前記所定値を設定する」構成となる。
【0113】
但し、本実施例の構成では、特図の当り図柄の種類は演出図柄表示装置6には表示されず、特別図柄表示装置9においてもその種類の判別が容易ではないため、遊技者には、リミッタが作動する時期がわからず、遊技状態が通常状態(低確率状態)に戻る瞬間まで高確率状態の継続を期待して遊技することになる。
【0114】
また、特図が当るごとに演出図柄表示装置6で第1当り図柄の当りか第2当り図柄の当りかを区別可能に履歴を表示する構成としてもよい。これにより、遊技者にリミッタの作動時期を示唆することができる。
【0115】
また、本実施例では第1リミッタ又は第2リミッタが作動すると大入賞口14の作動終了後は必ず通常状態となったが、リミッタ作動時の特図の当り図柄の種類に応じて大入賞口14の作動終了後も普電確変状態とする構成としてもよい。また、この構成は第1リミッタが作動した場合のみ有効とすることで、当り図柄の履歴を表示していた場合はリミッタが作動することを示唆しながらもさらに高確率状態が継続することで意外性のある遊技を提供できる。但し、その場合においても、最高継続回数は第2リミッタにより規制することで、過度な射幸性を抑えることができる。
【0116】
また、第1リミッタが作動した場合と第2リミッタが作動した場合とで、同じ当り図柄でも異なる遊技状態が付与される構成としてもよい。このようにすればどちらのリミッタが作動したかにより有利度を異ならせたりすることができる。