特許第6442687号(P6442687)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6442687-ドレン処理構造 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6442687
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】ドレン処理構造
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20060101AFI20181217BHJP
   F16L 55/24 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   C02F1/00 A
   C02F1/00 L
   C02F1/00 N
   F16L55/24 A
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2018-19117(P2018-19117)
(22)【出願日】2018年2月6日
【審査請求日】2018年2月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154521
【氏名又は名称】株式会社フクハラ
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【弁理士】
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】福原 廣
【審査官】 堤 正彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−334440(JP,A)
【文献】 特開2014−176830(JP,A)
【文献】 特開2016−053411(JP,A)
【文献】 特開平10−205696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00
F16L 55/24
B01D 3/00
B01D 24/00 〜 37/00
B01D 53/26 〜 53/28
C02F 3/02 〜 3/10
F04B 25/00
F16T 1/00
F16L 17/00 〜 19/14
F16L 51/00 〜 55/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気に含まれるドレンが発生する冷凍式エアドライヤと、
冷凍式エアドライヤの側面から延びて床に対して排水口が鉛直下側方向を向いている配水管と、
前記排水口から床に対して鉛直下側方向に向けて一直線上に延びている前記ドレンの排水経路と、
該排水経路を構成する配管と、
該配管と前記配水管とを接続する継手部材としてのユニオンと、
前記排水経路の途中に配されているストレーナ及びドレントラップと、
該ドレントラップの鉛直方向下側に配され、且つ、空気管を有し内部が大気圧に保持されていると共に流入口が平面視において中心に配される油水分離装置とを備え、
前記ストレーナ及び前記ドレントラップが有する前記ドレンの流入口及び流出口、さらに前記油水分離装置が有する前記ドレンの流入口は前記排水経路に沿って鉛直一直線上に形成されていることを特徴とするドレン処理構造。
【請求項2】
前記ストレーナは前記ユニオンに内蔵されていることを特徴とする請求項に記載のドレン処理構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドレン処理構造、特に冷凍式エアドライヤに好適に利用できるドレン処理構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
冷凍式エアドライヤ等の圧縮空気を使用する装置を作動させた際に、空気を圧縮する過程で、空気中の水蒸気がドレンとして発生する。特に冷凍式エアドライヤは熱交換により圧縮空気を冷やすので、比較的多くのドレンが発生する。このようなドレンが冷凍式エアドライヤ等の装置内に溜ったままの状態で放置すると、機械性能が落ちたり、装置や配管の腐食や劣化の原因となったりして、結果として機械寿命が短くなってしまう。このような弊害を除去するため、装置内のドレンはドレントラップにて外部に排水される。ドレントラップには流入口と流出口が備えられていて、ドレンが発生する装置のドレン排水口とドレントラップの流入口とが配管により接続されている。これにより、装置内に溜まったドレンは配管内を通ってドレントラップの排水口から排出される。また、ドレンには油分が混じっていることもあり、ドレントラップから排出されたドレンはさらに油水分離装置を通り、油分が分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−176830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されているように、ドレントラップの流入口と流出口との位置が鉛直方向に一直線上にない、すなわち同軸上にないと、ドレンの流通経路が複雑になる。すなわちドレンが一旦ドレントラップ内で溜まってしまい、ドレンの流通効率が悪いものになってしまう。このことは、ドレンの排水経路全般についても同様のことがいえる。ドレントラップは電磁弁等を用いてその解放時の負圧によりドレンを引き込むため、ドレンの流通経路が複雑であるとドレントラップで発生したドレンの排出圧をストップさせてしまい、エネルギー的にもロスが生じている。
【0005】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであり、ドレンの排水効率を高めることができるドレン処理構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明では、圧縮空気に含まれるドレンが発生するドレン発生機器と、該ドレン発生機器から延びて排水口が鉛直下側方向を向いている配水管と、前記排水口から鉛直下側方向に向けて一直線上に延びている前記ドレンの排水経路と、該排水経路を構成する配管と、該配管と前記配水管とを接続する継手部材としてのユニオンと、前記排水経路の途中に配されているストレーナ及びドレントラップと、該ドレントラップの鉛直方向下側に配されている油水分離装置とを備えたことを特徴とするドレン処理構造を提供する。
【0007】
好ましくは、前記ストレーナ及び前記ドレントラップが有する前記ドレンの流入口及び流出口、さらに前記油水分離装置が有する前記ドレンの流入口は前記排水経路に沿って鉛直一直線上に形成されている。
【0008】
好ましくは、前記ストレーナは前記ユニオンに内蔵されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ドレン発生機器に備わる配水管の排水口からドレンの排水経路が鉛直下側方向に一直線上に延びているため、ドレントラップによる排水圧が妨げられることなく、ドレンは流通する。さらに、排水圧と相俟ってドレンの落下重力もドレンの流通エネルギーとして使用でき、ドレンの排水効率が大幅に向上する。このとき、排水経路に備わる各種器具(ストレーナ、ドレントラップ)の流入口及び流出口、さらには油水分離装置の流入口が排水経路に沿った鉛直一直線上にあることで、ドレン処理構造としての収まりがよくなり、スペース的にも効率がよい。また、ストレーナをユニオンに内蔵することで、排水経路の全長を短くでき、様々な高さに位置するドレン発生機器に対応可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るドレン処理構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、本発明に係るドレン処理構造1は、処理すべきドレン2が発生するドレン発生機器3が有するドレンの排水経路4を形成するものである。ドレン2は圧縮空気に含まれるものであり、この圧縮空気はエアコンプレッサ5にて製造される。エアコンプレッサ5で圧縮される空気は、エアコンプレッサ5に備わる空気導入口6から導入される。エアコンプレッサ5にて圧縮された圧縮空気は、接続配管7を通ってドレン発生機器3内に流入する。このドレン発生機器3は、例えば冷凍式エアドライヤであり、その内部には熱交換器8が配されている。熱交換器8は冷水が流れる冷水管9を有し、この冷水管9は熱交換室10内まで延びている。圧縮空気は熱交換室10内で冷水管9内を流れる冷水と熱交換をする。このとき、圧縮空気は冷やされるので露点温度が下がり、圧縮空気内に含まれる水分がドレン2として発生する。ドレン2は、熱交換室10の下側に溜まる。このとき、ドレン2を溜めておく容器を配してもよい。
【0012】
ドレン発生機器3にて発生したドレンは、配水管11を通ってドレン発生機器3の外部へと排水される。この配水管11はドレン発生機器3から延び、終端に位置する排水口12は鉛直下側方向を向いている。なお、配水管11の途中にはバルブ13が取り付けられていて、このバルブ13を利用してドレン2の流量を調整できる。排水口12から鉛直下側方向に向けて、前述した排水経路4が一直線上に延びている。本発明のドレン処理構造1は、排水口12が鉛直下方を向いて、これに続く排水経路4が同様に鉛直下方に向けて一直線上に延びていることが特徴である。
【0013】
排水経路4は配管14にて形成され、その途中に各種器具が配されている。換言すれば、配管14はこれら各種器具の間に配されるため、複数本で構成される。排水経路4には、ユニオン15が配されている。ユニオン15は配管14と配水管11とを接続する継手部材としての役割を果たすものである。さらに排水経路4には、ストレーナ16が配されている。このストレーナ16はドレン2内に含まれる不純物を除去するものである。このストレーナ16は縦型ストレーナであり、略筒形状に形成されて流入口及び流出口とが同軸上に配されている。また、排水経路4にはドレントラップ17が配されている。ドレン2はある程度このドレントラップ17内に溜められ、電磁弁等の開閉により排水される。このドレントラップ17に置いても流入口及び流出口は同軸上に配されている。ドレントラップ17の下流側であって鉛直方向下側には油水分離装置18が配されている。この油水分離装置18はドレン2内の油分を分離するためのものであり、床19に載置されている。油水分離装置18は空気管20を有し、その内部は大気圧に保持されている。このため、ドレントラップ17から流入したドレン2は自然落下状態となる。なお、油水分離装置18のドレン2の流入口は平面視で中心に配されている。中心からドレン2が流入した方が油分の分離効率がよいからである。
【0014】
このように、ドレン発生機器3に備わる配水管11の排水口12からドレン2の排水経路4が鉛直下側方向に一直線上に延びているため、ドレントラップ17による排水圧が妨げられることなく、ドレン2は流通する。さらに、ドレントラップ17の排水圧と相俟ってドレン2の落下重力もドレン2の流通エネルギーとして使用でき、ドレン2の排水効率が大幅に向上する。また一方で、ストレーナ16及びドレントラップ17が有するドレン2の流入口及び流出口、さらに油水分離装置18が有するドレン2の流入口は排水経路4に沿って鉛直一直線上に形成されている。このように各種器具の流入口や流出口を同軸上(鉛直一直線上)に揃えることで、上述したようなドレン2の流通が妨げられることはなくなる。また、各種器具も収まりよく配設することができ、ドレン処理構造1を形成する際のスペース効率も向上する。
【0015】
また、ストレーナ16はユニオン15に内蔵されていてもよい。このようにストレーナ16をユニオン15に内蔵することで、排水経路4の全長を短くでき、様々な高さに位置するドレン発生機器3に対応可能となる。
【符号の説明】
【0016】
1:ドレン処理構造、2:ドレン、3:ドレン発生機器、4:排水経路、5:エアコンプレッサ、6:空気導入口、7:接続配管、8:熱交換器、9:冷水管、10:熱交換室、11:配水管、12:排水口、13:バルブ、14:配管、15:ユニオン、16:ストレーナ、17:ドレントラップ、18:油水分離装置、19:床、20:空気管
【要約】
【課題】ドレンの排水効率を高めることができるドレン処理構造を提供する。
【解決手段】ドレン処理構造1は、圧縮空気に含まれるドレン2が発生するドレン発生機器3と、ドレン発生機器3から延びて排水口12が鉛直下側方向を向いている配水管11と、排水口11から鉛直下側方向に向けて一直線上に延びているドレン2の排水経路4と、排水経路4を構成する配管14と、配管14と配水管11とを接続する継手部材としてのユニオン15と、排水経路4の途中に配されているストレーナ16及びドレントラップ17と、ドレントラップ17の鉛直方向下側に配されている油水分離装置18とを備えている。
【選択図】 図1
図1