特許第6442743号(P6442743)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442743
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】ワイヤ放電加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23H 7/36 20060101AFI20181217BHJP
   B23H 1/10 20060101ALI20181217BHJP
   B23H 7/02 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   B23H7/36 Z
   B23H1/10 Z
   B23H7/02 Q
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-130678(P2015-130678)
(22)【出願日】2015年6月30日
(65)【公開番号】特開2017-13156(P2017-13156A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2017年12月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002761
【氏名又は名称】キヤノンマーケティングジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100189751
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 友輔
(74)【代理人】
【識別番号】100208904
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 秀起
(72)【発明者】
【氏名】八ケ代 隆幸
【審査官】 奥隅 隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−91613(JP,A)
【文献】 特開2014−658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23H 7/36
B23H 1/10
B23H 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設されたワイヤ群と被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、
ワイヤ群を走行させるために設けられたローラと、
前記ワイヤ群と前記被加工物との間の放電に用いられる加工液を貯留する加工液槽と、
を備え、
前記加工液槽は、更に、前記加工液槽内に貯留された加工液を加工液槽から前記ローラに供給する供給口を備えることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
【請求項2】
前記供給口は、前記ローラの鉛直方向上部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項3】
前記加工液槽は、
前記加工液槽内に貯留された加工液が前記供給口から前記ローラに供給される供給量を調整する調整部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項4】
前記調整部は、前記供給口の位置を、前記ローラにワイヤ群が並設される方向に変更する、又は、前記供給口のサイズを、前記ローラにワイヤ群が並設される方向に調整することを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項5】
前記加工液槽は、前記供給口の位置よりも、前記ワイヤ群の走行方向に関して上流側の前記加工液槽の部位に設けられ、加工液を前記加工液槽内に供給する第1の加工液供給口を更に供え、
前記加工液槽は、前記第1の加工液供給口から供給された加工液を貯留することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項6】
前記加工液槽は、前記第1の加工液供給口から供給された加工液の水流を抑制する第1の水流抑制部を更に備え、
前記第1の水流抑制部は、前記供給口と前記第1の加工液供給口との間の位置に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項7】
前記加工液槽は、
前記被加工物が加工された加工物を収容する収容部と、
前記加工液槽は、前記供給口と前記収容部との間の位置に、加工液槽内を走行するワイヤ群が挿入される挿入口と、
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項8】
前記挿入口よりも上部に設けられた加工液槽の部材は、前記ワイヤ群の走行による、前記加工液槽内の加工液の前記加工液槽内からの流出を抑止する流出抑制部であることを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項9】
前記加工液槽は、
前記収容部の下部に、加工液を前記加工液槽内に供給する第2の加工液供給口と、
前記第2の加工液供給口と、前記加工液槽内を走行するワイヤ群との間の位置に、前記第2の加工液供給口から供給された加工液の水流を抑制する第2の水流抑制部と、
を更に備えることを特徴とする請求項7又は8の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項10】
前記ローラは、前記加工液槽内を前記ワイヤ群が走行させる位置に設けられた第1のローラと第2のローラとを含み、
前記加工液槽は、前記第1のローラと前記第2のローラとの間に設けられ、
前記供給口は、前記第1のローラに、前記加工液槽内に貯留された加工液を供給する第1の供給口と、前記第2のローラに、前記加工液槽内に貯留された加工液を供給する第2の供給口と、を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項11】
前記第1のローラを回転駆動させる駆動部を更に備え、
前記駆動部は、前記第1のローラを反転駆動させる反転手段を備えることを特徴とする請求項10に記載のワイヤ放電加工装置。
【請求項12】
前記ワイヤ群が接触する前記ローラの表面部位は、少なくとも有機化合物の材料を含み構成されていることを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のワイヤ放電加工装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤ放電加工装置に関し、加工液槽内の加工液を加工液槽からローラに供給することで、ローラを冷却する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体材料や太陽電池材料、硬質材料等の被加工材料を、放電加工により、短時間で同時に複数切り出す方法が開発されている。
【0003】
たとえば、ワイヤ放電加工装置は、当該被加工材料を薄板状に切り出すために、給電子を介してワイヤに電圧を印加しながら走行させ、そのワイヤに当該被加工材料を近づけることで放電現象を発生させ、当該被加工材料を放電加工するものである。
【0004】
特許文献1には、走行する複数本のワイヤで被加工物を放電加工することにより、薄片に切断することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−260151号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
マルチワイヤ放電加工装置において、給電子から電圧が印加されたワイヤは、電圧が印加されることにより熱を発する。また、ワイヤと被加工物との放電による放電熱や、ワイヤを走行させる際に用いられる接触する各種部材等(給電子やプーリー等)との摩擦による摩擦熱により、ワイヤは、加熱されることとなる。
【0007】
しかし、ワイヤを走行させるために回転するローラ(例えば、図1に示すメインローラ8、9)の表面は、ワイヤのぶれを低減させ、ワイヤを安定して走行させるため、樹脂などの有機化合物の材料で構成されている。そのため、加熱されたワイヤは、その熱により、ローラの表面を劣化させ、安定したワイヤの走行、及びワイヤのぶれの増大を招くおそれがある。
【0008】
そこで、放電加工を行う際には、当該ローラを水などで冷却する必要がある。
【0009】
しかしながら、大きな被加工物を放電加工するためには、その被加工物を加工液に浸けるため、大きな加工液槽が必要となる。
【0010】
さらに、ワイヤが加工液槽内を走行することにより、ワイヤ上部の加工液槽内の加工液が、加工液槽内から漏れ出してしまう。
【0011】
また、ワイヤの走行による加工液槽内の加工液の水流の流れが強いと、ワイヤと被加工物との間の放電部に、空気などの気体が入り易くなり、空中放電が行われ易くなってしまうおそれがあった。
【0012】
そのため、ワイヤが加工液槽内を走行する位置よりも上部の、ワイヤが走行する加工液槽部分を、ワイヤの走行方向に長くして、加工液槽内からの漏れや、ワイヤの走行による加工液槽内の加工液の水流を低減させ、放電部に、空気などの気体を入り難くすることが考えられる。
【0013】
しかしながら、ワイヤの走行方向に長くした形状の加工液槽を用い、かつ、ローラを冷却するための冷却水を当該ローラに噴射する噴射部材を別で備えると、その噴射部材を設ける空間が新たに必要となり、その空間を確保するために、ローラ間の距離が長くなってしまう。
【0014】
このように、ローラ間の距離が長くなってしまうと、走行するワイヤ群のぶれが生じやすく、被加工物を適切に放電加工することが出来なくなってしまう。
【0015】
そのため、ローラ間の距離を出来るだけ短くしつつ、ローラを冷却する仕組みが必要である。
【0016】
そこで、本発明の目的は、加工液槽内の加工液を加工液槽からローラに供給することで、ローラを冷却する仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は、並設されたワイヤ群と被加工物との間の放電により前記被加工物を加工するマルチワイヤ放電加工装置であって、ワイヤ群を走行させるために設けられたローラと、前記ワイヤ群と前記被加工物との間の放電に用いられる加工液を貯留する加工液槽と、を備え、前記加工液槽は、更に、前記ローラに、前記加工液槽内に貯留された加工液を供給する供給口を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、加工液槽内の加工液を加工液槽からローラに供給することで、ローラを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】マルチワイヤ放電加工システムを前方から見た正面図である。
図2】ワイヤ7が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ20により回転するメインローラ9の斜視図の一例である。
図3図1に示した加工液槽6の外観の正面図(a)、外観の側面図(右側から見た図)(b)、外観の側面図(左側から見た図)(c)の一例を示す図である。
図4図3(b)、図3(c)に示した断面305での加工液槽6の断面図の一例を示す図である。
図5】加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
図6】供給口(403、406)の面積が小さくなるように流量調整部(501、502)を移動させた加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
図7】流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506を備えた加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
図8】流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506を備えた加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
図9】加工液槽6の断面305での断面図の一例を示す図である。
図10】メインローラ8、9の奥行き方向の断面の拡大図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明を好適な実施形態に従って詳細に説明する。
【0021】
図1は、マルチワイヤ放電加工システムを前方から見た正面図である。
【0022】
尚、図1に示す各部品、部材などの機構の構成は一例であり、目的や用途に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0023】
本発明の実施の形態に係るマルチワイヤ放電加工システムは、マルチワイヤ放電加工装置1、電源ユニット(電源装置)15、加工液供給装置17から構成されている。
【0024】
マルチワイヤ放電加工システムは、放電により、並設された複数本のワイヤ7(ワイヤ電極)の間隔で被加工物5(例えば、シリコンインゴットなど)を薄片にスライス加工することができる。
【0025】
マルチワイヤ放電加工装置1は、電源ユニット15と電線(電圧印加線)を介して接続されており、電源ユニット15から供給される電力により作動する。
【0026】
マルチワイヤ放電加工装置1は、不図示のサーボモータにより駆動されるワーク送り装置3が上下方向に移動することにより、ワーク送り装置3に接着剤(接着部4)により接着されている被加工物5を上下方向に移動することができる。
【0027】
また、マルチワイヤ放電加工装置1は、本発明のワイヤ放電加工装置の適用例であり、並設されたワイヤ7群と被加工物5との間の放電により被加工物を加工する。
【0028】
本発明の実施の形態では、被加工物5が下方向に移動することで、被加工物5とワイヤ7とが接近し、被加工物5とワイヤ7との間で放電が発生し、被加工物5の放電加工を行う。このとき、被加工物5とワイヤ7との間の空間(放電ギャップ(被加工物5とワイヤ7との間の隙間))には加工液が満たされており、この加工液が所定幅の電気抵抗値を有していることから、被加工物5とワイヤ7との間で放電が発生し、被加工物5の放電加工を行うことができる。
【0029】
また、ワーク送り装置3をワイヤ7よりも下部へ設け、被加工物5を上方向へ移動させることにより、被加工物5とワイヤ7との間で放電加工を行わせるようにすることも可能である。
【0030】
本実施の形態では、被加工物5の一例としてシリコンインゴットを用いて説明するが、SIC(炭化シリコン)などの、絶縁体ではない他の材料(導体又は半導体)を用いることもできる。
【0031】
マルチワイヤ放電加工装置1は、図1に示すように、マルチワイヤ放電加工装置1の土台として機能するブロック18と、ブロック18の上部の装置内に設置されている、ブロック2と、ワーク送り装置3と、接着部4と、被加工物5と、加工液槽6と、メインローラ8と、ワイヤ7と、メインローラ9と、給電ユニット10と、給電子11と、加工液供給口12と、加工液供給口13と、加工液供給口14とを備えている。
ブロック2は、ワーク送り装置3と接合されている。
【0032】
また、ワーク送り装置3は、被加工物5と接着部4により接着(接合)されている。
【0033】
本実施例では、被加工材料として、シリコンインゴットを例に説明する。
【0034】
接着部4は、ワーク送り装置3と、被加工物5とを接着(接合)するためのものであれば何でもよく、例えば、導電性接着剤が用いられる。
【0035】
ワーク送り装置3は、接着部4により接着(接合)されている被加工物5を上下方向に移動する機構を備えた装置であり、ワーク送り装置3が下方向に移動することにより、被加工物5をワイヤ7に近づけることが可能となる。
【0036】
給電子11は、機械的摩耗に強く、導電性があることが要求され超硬合金が使用されている。
【0037】
給電ユニット10は、給電子11を固定して保持するユニットである。
【0038】
給電ユニット10は、電源ユニット15から電線を介して供給される電力(電圧)を給電子11に供給する。
【0039】
給電子11は、給電ユニット10から介して供給された電圧を、接触しているワイヤ7に供給する。
【0040】
メインローラの間の中央部の上部に、被加工物5が配置され、被加工物5はワーク送り装置3に取付けられており、ワーク送り装置3が上下方向に移動することにより、被加工物5が上下方向に移動し、被加工物5の加工を行う。
【0041】
また、メインローラ間の中央部に加工液槽6を設け、ワイヤ7および被加工物5を加工液槽6に浸漬し、放電加工部の冷却、加工チップの除去を行う。
【0042】
メインローラ9、メインローラ8は、それぞれ、加工液槽6内を、ワイヤ群を走行させる位置に設けられた第1のローラ、第2のローラの適用例である。
【0043】
加工液槽6は、メインローラ9(第1のローラ)とメインローラ8(第2のローラ)との間に設けられている。
【0044】
また、加工液槽6は、メインローラ9(第1のローラ)に、加工液槽6内に貯留された加工液を供給する供給口406(第1の供給口)と、メインローラ8(第2のローラ)に、加工液槽6内に貯留された加工液を供給する供給口403(第2の供給口)とを備えている。
【0045】
ワイヤ7は、メインローラ8、9に取り付けられ、メインローラ8、9の上側、及び下側にワイヤ列を形成している。
【0046】
また、ワイヤ7は、伝導体であり、電源ユニット15から電圧が供給された給電ユニット10の給電子11と、ワイヤ7とが接触することにより、当該供給された電圧が給電子11からワイヤ7に印加される。
【0047】
そして、ワイヤ7と、被加工物5との間で放電が起き、被加工物5を削り(放電加工を行い)、薄板状のシリコン(シリコンウエハ)(加工物)を作成することが可能となる。
【0048】
加工液槽6は、加工液を溜めるための容器である。加工液は、例えば、抵抗値が高い脱イオン水である。ワイヤ7と、被加工物5との間に、加工液が設けられることにより、ワイヤ7と、被加工物との間で放電が発生し、被加工物5を削ることが可能となる。
【0049】
加工液槽6は、本発明の加工液槽の適用例であり、加工液供給口12、加工液供給口14、加工液供給口13(第1の加工液供給口)から供給された加工液を貯留する。そして、この加工液は、ワイヤ群と前記被加工物との間の放電に用いられる。
【0050】
15は、電源ユニット(電源装置)であり、3は、サーボモータを制御する放電サーボ制御回路が放電の状態に応じて効率よく放電を発生させるために放電ギャップを一定の隙間に保つように制御し、また被加工物5の位置決めを行い、放電加工を進行させる。
【0051】
17は、加工液供給装置であり、放電加工部の冷却、加工チップ(屑)の除去に必要な加工液をポンプにより被加工物5とワイヤ7へ送液すると共に、加工液中の加工チップの除去、イオン交換樹脂による比抵抗または電導度(1μS〜250μS)の管理、液温(20℃付近)の管理を行う。
【0052】
加工液には、主に水が使用されるが、放電加工油を用いることもできる。本実施の形態では、加工液の例として水を用いるが、放電加工油でもよい。
【0053】
8,9はメインローラであり、メインローラには、所望する厚さで加工出来るようにあらかじめ決められたピッチ、数で溝101(図10)が形成されており、ワイヤ供給ボビンからの張力制御されたワイヤ7が2つのメインローラに必要数巻きつけられ、巻き取りボビンへ送られる。メインローラ8、9の回転によるワイヤ7の走行速度は100m/minから900m/min程度である。
【0054】
メインローラ8、メインローラ9は、本発明のローラの適用例であり、ワイヤ群を走行させるために設けられている。
【0055】
メインローラ9は、メインローラ9が回転することによりメインローラ9に巻きつけられたワイヤ7を走行させる。
【0056】
2つのメインローラが同じ方向でかつ同じ速度で連動して回転することにより、ワイヤ繰出し部から送られた1本のワイヤ7がメインローラ(2つ)の外周を周回し、並設されている複数本のワイヤ7を同一方向に走行させることができる。
【0057】
ワイヤ7は、1本の繋がった同一のワイヤであり、図示しないボビンから繰り出され、メインローラ8、9の外周面のガイドとなる溝に嵌め込まれながら、当該メインローラの外側に多数回(最大で2000回程度)螺旋状に巻回された後、図示しないボビンに巻き取られる。
【0058】
図10は、メインローラ8、9の奥行き方向(前後方向)の断面の拡大図の一例を示す。
【0059】
図10に示すように、メインローラ8、9は、複数の溝101を有し、その溝101に、ワイヤ7がはめられて、ワイヤ7のぶれやずれを低減させると共に、ワイヤ7が走行できるように構成されている。
【0060】
メインローラにワイヤ7が複数回巻きつけられており、メインローラに刻まれた溝101に従い、所定ピッチでワイヤ7が整列している。
【0061】
メインローラ8、9は中心に金属を使用し、外側は樹脂で覆う構造である。
【0062】
すなわち、ワイヤ群が接触するメインローラ8、9の表面部位は、少なくとも有機化合物の材料を含み構成されている。
【0063】
また、ここで、メインローラ8、9の回転動作の仕組みについて説明する。
【0064】
図2は、ワイヤ7が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ20により回転するメインローラ9について説明する。
【0065】
駆動モータ20は、メインローラ9(第1のローラ)を回転駆動させる駆動部の適用例であり、メインローラ9(第1のローラ)を反転駆動させる反転手段を備えている。
【0066】
メインローラ9(第1のローラ)を反転駆動させると、ワイヤの走行方向が反転するため、メインローラ(第2のローラ)も反転する。
【0067】
図2は、ワイヤ7が巻かれているメインローラ8と、駆動モータ20により回転するメインローラ9の斜視図の一例である。
ワイヤ7は、被加工物との放電に用いられるワイヤである。
【0068】
メインローラ9は、ローラを回転させる駆動モータ20(駆動部)と接続され、駆動モータ20による駆動により回転する。
【0069】
この駆動モータ20(駆動部)は、メインローラ9の回転方向を反転する(逆方向に回転する)反転手段を有している。
【0070】
また、メインローラ8は、駆動モータ20と接続されていないローラであって、駆動モータ20による駆動によりメインローラ9が回転することで走行するワイヤ7により回転する。
図1の説明に戻る。
【0071】
加工液槽6は、所定の範囲の比抵抗(電気伝導度)に管理されたイオン交換水(脱イオン水)を貯留し、イオン交換水(脱イオン水)を並設されたワイヤ7(ワイヤ電極とも言う)と被加工物5とが近接する放電ギャップの位置(放電点)に加工液として供給している。
【0072】
加工液槽6は、被加工物5とワイヤ7との間で放電加工されるために用いられる加工液が貯留される。
【0073】
また、加工液槽6は、加工液槽6に加工液が供給される加工液供給口を、3箇所備えている。
【0074】
具体的には、加工液供給口12、加工液供給口13、加工液供給口14の3箇所である。
【0075】
加工液供給口12、加工液供給口13、加工液供給口14には、加工液供給装置17から供給された脱イオン水が供給される。
【0076】
そして、加工液供給口12、加工液供給口13、加工液供給口14を介して、加工液槽6に脱イオン水が供給される。
【0077】
ここで供給される脱イオン水は、加工液槽6に貯留されている加工液と同一、又はほぼ同一の比抵抗を有する加工液である。
【0078】
加工液供給口12は、加工液槽6の左側上部に配置されている。
【0079】
すなわち、加工液供給口12は、メインローラ8の回転軸よりも左側の上部に位置している。
【0080】
また、加工液供給口13、加工液槽6の右側上部に配置されている。
【0081】
すなわち、加工液供給口13は、メインローラ9の回転軸よりも右側の上部に位置している。
【0082】
加工液供給口13は、本発明の第1の加工液供給口の適用例であり、供給口406の位置よりも、ワイヤ群の走行方向に関して上流側の加工液槽6の部位に設けられ、加工液を加工液槽6内に供給する。
【0083】
加工液供給口14は、加工液槽6の下部の左右に関して中央の位置に位置している。
【0084】
加工液供給口14は、本発明の第2の加工液供給口の適用例であり、収容部902の下部に、加工液を加工液槽6内に供給する。
次に、図3について、説明する。
【0085】
図3は、図1に示した加工液槽6の外観の正面図(a)、外観の側面図(右側から見た図)(b)、外観の側面図(左側から見た図)(c)の一例を示す図である。
【0086】
図3(a)に示すように、加工液槽6は、左右対称の形状(構造)である。図3(a)に示す頂点(A点、B点、C点、D点、E点)をもとに、他の部材、部品などの機構の配置位置を説明する。
【0087】
図3(b)は、図1に示した加工液槽6の外観の側面図(右側から見た図)の一例である。
【0088】
また、図3(c)は、図1に示した加工液槽6の外観の側面図(左側から見た図)の一例である。
【0089】
加工液槽6は、図3(b)、図3(c)に示すように、C点からD点との間の傾斜部302に、ワイヤ7群が挿入し走行するワイヤ群挿入口(303、301)を備えている。
【0090】
ワイヤ群挿入口301は、供給口406と、後述する収容部902との間の位置に設けられ、加工液槽6内を走行するワイヤ群が挿入される挿入口として機能する。
【0091】
図4は、図3(b)、図3(c)に示した断面305での加工液槽6の断面図の一例を示す図である。
【0092】
図4に示すように、加工液供給口12、加工液供給口13から、加工液槽6内に、加工液を供給する。
【0093】
また、加工液槽6は、加工液供給口12から供給された加工液の水流を抑制する水流抑制部402として、加工液を供給する穴(供給口401)を複数有する水流抑制板を備えている。
【0094】
また、加工液槽6は、加工液供給口13から供給された加工液の水流を抑制する水流抑制部407として、加工液を供給する穴(供給口408)を複数有する水流抑制板を備えている。
【0095】
水流抑制部407は、本発明の第1の水流抑制部の適用例であり、加工液供給口13(第1の加工液供給口)から供給された加工液の水流を抑制する。
【0096】
そして、水流抑制部407は、供給口406と加工液供給口13(第1の加工液供給口)との間の位置に設けられている。
【0097】
このように、水流抑制部402により、加工液供給口12からの加工液が供給口401で分散され、加工液が加工液槽内に供給されるため、加工液の水流が抑制(低減)され、加工液槽内の水流によるワイヤ群のぶれを低減させることができる。
【0098】
また、水流抑制部407により、加工液供給口13からの加工液が供給口408で分散され、加工液が加工液槽内に供給されるため、加工液の水流が抑制(低減)され、加工液槽内の水流によるワイヤ群のぶれを低減させることができる。
【0099】
また、水流抑制部407により、加工液の水流が抑制(低減)された状態で、供給口406から加工液がメインローラ9に落下するので、過剰に加工液がメインローラ9に落下するのを防止することができる、又は極端に加工液がメインローラ9に落下する量が減ることを防止し、適量の加工液が供給口406からメインローラ9に落下することができる。
【0100】
また、加工液が供給口406からメインローラ9に落下すると、メインローラ9の回転により走行するワイヤ群により加工液槽6内に、当該落下した加工液がワイヤ群挿入口301を介して運ばれて(供給されて)、加工液内に供給されるため、加工液の無駄を防止することもできる。
【0101】
また、加工液槽6は、B点からC点の間に、加工液槽6内の加工液をワイヤ群と接触するメインローラに供給する供給口406、供給口403を備えている。
【0102】
すなわち、加工液槽6は、加工液槽6内に貯留された加工液を加工液槽6からメインローラに供給する供給口(406、403)を備えている。
【0103】
この供給口406、供給口403から、それぞれ、メインローラ9、メインローラ8に加工液槽6内の加工液が落ちて供給されることで、ワイヤ群により加熱した各メインローラを冷却することができる。
【0104】
供給口406は、メインローラ9の鉛直方向上部に設けられており、また、供給口403は、メインローラ8の鉛直方向上部に設けられている。
【0105】
また、加工液槽6は、C点からD点との間の傾斜部302に、ワイヤ7群が加工液槽6内に入り走行するためのワイヤ群挿入口(303、301)を備えている。
【0106】
また、加工液槽6は、加工液供給口14から供給された加工液の水流を抑制する水流抑制部404として、加工液を供給する穴(供給口405)を複数有する水流抑制板を備えている。
【0107】
水流抑制部404は、本発明の第2の水流抑制部の適用例であり、加工液供給口14(第2の加工液供給口)と、加工液槽6内を走行するワイヤ群との間の位置に、加工液供給口14(第2の加工液供給口)から供給された加工液の水流を抑制する。
【0108】
水流抑制部404により、加工液供給口14からの加工液の水流が分散され、複数の供給口405から加工液槽内に供給されるため、加工液供給口14からの加工液の水流が抑制(低減)され、加工液槽内の水流によるワイヤ群のぶれを低減させることができる。
【0109】
次に、図5を用いて、加工液槽6の上面図について説明する。
図5は、加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
【0110】
図5に示すように、加工液槽6は、B点と、水流抑制部402との間に、加工液供給口12を備えている。
【0111】
また、加工液槽6は、B点と、水流抑制部407との間に、加工液供給口13を備えている。
【0112】
また、水流抑制部402とC点との間に、供給口403を備えている。
【0113】
また、供給口403には、供給口403による加工液のメインローラ8への供給量を調整するために設けられた部材として、流量調整部501を備えている。
【0114】
流量調整部501は、供給口403の面積を小さくしたり、広くしたりすることで、メインローラ8への加工液の供給量を調整する板である。
【0115】
この流量調整部501を、ユーザの(手動)操作により移動させることで、供給口403の面積を小さくしたり、広くしたりすることができる。
【0116】
また、水流抑制部407とC点との間に、供給口406を備えている。
【0117】
また、供給口406には、供給口406による加工液のメインローラ9への供給量を調整するために設けられた部材として、流量調整部502を備えている。
【0118】
流量調整部502は、供給口406の面積を小さくしたり、広くしたりすることで、メインローラ9への加工液の供給量を調整する板である。
【0119】
この流量調整部502を、ユーザの(手動)操作により移動させることで、供給口406の面積を小さくしたり、広くしたりすることができる。
【0120】
図6は、供給口(403、406)の面積が小さくなるように流量調整部(501、502)を移動させた加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
【0121】
図6に示すように、供給口(403、406)の面積が小さくなるように流量調整部(501、502)を移動させることで、供給口(403、406)の面積を小さくなり、供給口(403、406)による加工液のメインローラ(8、9)への供給量を減らすことができる。
【0122】
このように、流量調整部(501、502)により、供給口(403、406)からメインローラ(8、9)への加工液の供給量を調整できるため、例えば、加工液槽内の加工液が少ない場合には、供給口(403、406)からメインローラ(8、9)への加工液の供給量を少なくなるように調整し、加工液槽内の加工液が多い場合には、供給口(403、406)からメインローラ(8、9)への加工液の供給量を多くするように調整することが可能となる。
【0123】
また、供給口403、供給口406は、それぞれ、メインローラ8、メインローラ9の幅(ワイヤ群が並設される方向のローラの長さ)、又は当該幅以上の長さを有する。
【0124】
また、ワイヤ群挿入口(303、301)、水流抑制部404の説明は、上述の通りであるため、ここでは、説明を省略する。
【0125】
次に、図7を用いて、更に、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506を備えた加工液槽6の上面図について説明する。
【0126】
流量調整部501、流量調整部502、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、本発明の調整部の適用例であり、流量調整部501、流量調整部503、流量調整部504は、加工液槽6内に貯留された加工液が供給口403からメインローラ8に供給される供給量を調整する部である。
【0127】
また、流量調整部502、流量調整部505、流量調整部506は、加工液槽6内に貯留された加工液が供給口406からメインローラ9に供給される供給量を調整する部である。
【0128】
図7は、更に、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506を備えた加工液槽6の上面図の一例を示す図である。
【0129】
流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、供給口403の面積を、更に調整する部材である。
【0130】
流量調整部501、流量調整部502は、それぞれ、供給口403、供給口406の左右方向の長さを調整することは出来たが、供給口403、供給口406の前後方向の長さを調整することは出来なかった。
【0131】
ここで、前後方向とは、マルチワイヤ放電加工装置1を前方から見て前後方向(メインローラ8、メインローラ9の幅方向(ワイヤ群が並設される方向))のことである。
【0132】
そこで、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、供給口403、供給口406の前後方向の長さを調整する。
【0133】
すなわち、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、それぞれ、メインローラ8、メインローラ9の幅方向(ワイヤ群が並設される方向)の加工液の供給量、及び供給位置を調整するものである。
【0134】
流量調整部503、流量調整部504は、図7に通り、供給口403の前後方向(メインローラ8、メインローラ9の幅方向(ワイヤ群が並設される方向))の両端に設けられ、スライドするシャッターである。
【0135】
また、流量調整部505、流量調整部506は、図7に通り、供給口406の前後方向(メインローラ8、メインローラ9の幅方向(ワイヤ群が並設される方向))の両端に設けられ、スライドするシャッターである。
【0136】
流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、それぞれ、独立して、前後方向(メインローラ8、メインローラ9の幅方向(ワイヤ群が並設される方向))にスライドして移動することができる。
【0137】
これにより、主として、ワイヤ群が嵌められたメインローラ(8、9)の部位に対して、加工液を供給することができ、ワイヤ群が嵌められたメインローラ(8、9)の部位を冷やすことが出来ると共に、放電加工で用いられる加工液を加工液槽6内に貯め易くなる。
【0138】
このように、流量調整部503、流量調整部504は、本発明の調整部の適用例であり、供給口403の位置を、メインローラ8にワイヤ群が並設される方向に変更する、又は、供給口403のサイズを、メインローラ8にワイヤ群が並設される方向に調整(変更)する。
【0139】
また、流量調整部505、流量調整部506は、本発明の調整部の適用例であり、供給口406の位置を、メインローラ9にワイヤ群が並設される方向に変更する、又は、供給口406のサイズを、メインローラ9にワイヤ群が並設される方向に調整(変更)する。
【0140】
図7は、ワイヤ群挿入口303、ワイヤ群挿入口301に、20本のワイヤ群が入り走行している様子を示している。
【0141】
そのため、図7の流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、20本のワイヤ群が巻かれたメインローラの部位を冷やすために、供給口403、供給口406の前後方向の長さを、その本数に応じた長さになるように調整している。
【0142】
また、図8は、ワイヤ群挿入口303、ワイヤ群挿入口301に、7本のワイヤ群が入り走行している様子を示している。
【0143】
そのため、図8の流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506は、7本のワイヤ群が巻かれたメインローラの部位を冷やすために、供給口403、供給口406の前後方向の長さを、その本数に応じた長さになるように調整している。
【0144】
すなわち、流量調整部503、流量調整部504、流量調整部505、流量調整部506により、ワイヤ群が巻かれたメインローラの部位に、加工液槽6内の加工液が供給されるように、供給口(403、406)の位置を変えることができると共に、その供給量を調整することが可能となる。ワイヤ群が巻かれていないメインローラの部位には、加工液を供給しないようにすることができる。
【0145】
図9は、加工液槽6の断面305での断面図の一例を示す図である。
【0146】
メインローラ8、メインローラ9は、いずれも、左回転しており、ワイヤ7も、その回転方向に応じた方向に走行している。
【0147】
加工液槽6は、加工液供給口14、加工液供給口12、加工液供給口13から加工液が供給され、水流抑制部402、水流抑制部407、水流抑制部404を介して、被加工物5とワイヤ7との間で放電が行われる放電部の方向に、当該加工液が流れる。
【0148】
そして、供給口403から、メインローラ8に、加工液槽6内の加工液が落ちて供給されるため、ワイヤ群が巻かれたメインローラ8の部位を冷やすことができる。
【0149】
また、供給口406から、メインローラ9に、加工液槽6内の加工液が落ちて供給されるため、ワイヤ群が巻かれたメインローラ9の部位を冷やすことができる。
【0150】
図9に示す流出抑制部901は、ワイヤ群挿入口(301、303)よりも上部の加工液槽6の部位である。
【0151】
すなわち、流出抑制部901は、ワイヤ群挿入口301よりも上部に設けられた加工液槽の部材は、ワイヤ群の走行による、加工液槽6内の加工液の加工液槽6内からの流出を抑止する流出抑制部である。
【0152】
流出抑制部901は、加工液槽6内に貯留される加工液の加工液槽6からの流出を抑制する。
【0153】
すなわち、流出抑制部901は、加工液槽6内の加工液が、ワイヤ群が走行している方向に運び出され、加工液槽6の外に運び出されるのを防ぎ、被加工物5とワイヤ群との間の隙間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の水量を確保することができるようになる。
【0154】
流出抑制部901は、放電発生部である、被加工物5とワイヤ7との間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の量を確保するために設けられており、加工液槽6内に貯留される加工液の水位をワイヤ群よりも上位になるように貯留し、ワイヤが走行することによる、加工液槽6内の加工液の加工液槽6外への流出量を減らすように機能する。
【0155】
また、ワイヤ7が走行することによる、加工液槽6内の加工液の加工液槽6外への流出量を減らすことができるため、放電発生部である、被加工物5とワイヤ7との間(放電ギャップ)に、放電加工に必要な加工液の量を確保することが出来るようになり、放電加工を安定して行うことができ被加工物への欠陥の発生を防ぐことが可能となる。
【0156】
被加工物5とワイヤ7との間の隙間に、放電加工に必要な加工液の量を確保するために、この冷却水としての加工液を利用する。
【0157】
メインローラ8、9(ガイドローラとも言う)には、ワイヤ7を取り付けるための溝101が複数列形成されており、その溝にワイヤ7が取り付けられている。そして、メインローラ8、9が右又は左回転(反転)することにより、ワイヤ7が走行する。
【0158】
図9に示す収容部902は、被加工物5が加工された加工物を収容する収容部として機能する加工液槽6の部位である。
【0159】
以上、本発明によれば、加工液槽内の加工液を加工液槽からローラに供給することで、ローラを冷却することができる。
【符号の説明】
【0160】
1 マルチワイヤ放電加工装置
2 ブロック
3 ワーク送り装置
4 接着部
5 被加工物
6 加工液槽
7 ワイヤ
8 メインローラ
9 メインローラ
10 給電ユニット
11 給電子
12 加工液供給口
13 加工液供給口
14 加工液供給口
15 電源ユニット
17 加工液供給装置
18 ブロック
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10