【文献】
Hierarchcial Reaource Allocation in Femtocell Networks using Graph Algorithms[online],Cornell University Library,2012年 2月24日,[retrieved on 2018.02.14],URL,https://arxiv.org/pdf/1202.5528.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する初期負荷推定の単一組に基づき、スケーリングされた負荷推定の複数組を計算し、該スケーリングされた負荷推定の複数組の各組は、複数のスケールファクタのうちの1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含み、
複数の目的関数結果を決定し、該複数の目的関数結果の各目的関数結果は、前記スケーリングされた負荷推定の複数組のうちの個々の組ごとの目的関数の結果に少なくとも部分的に基づき、
前記複数の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき前記複数の基地局のための無線リソースの第1の動作組を決定し、
前記複数の基地局から、前記第1の動作組に基づく性能測定に関するフィードバックを受信し、該フィードバックに基づき前記複数の基地局により取得される実際のレートを決定し、前記実際のレートを最大化する無線リソースの第2の動作組を決定する
無線リソース制御方法。
複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する初期負荷推定の単一組に基づき、スケーリングされた負荷推定の複数組を計算し、該スケーリングされた負荷推定の複数組の各組は、複数のスケールファクタのうちの1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含み、
複数の目的関数結果を決定し、該複数の目的関数結果の各目的関数結果は、前記スケーリングされた負荷推定の複数組のうちの個々の組ごとの目的関数の結果に少なくとも部分的に基づき、
前記複数の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき前記複数の基地局のための無線リソースの第1の動作組を決定し、
前記複数の基地局から、前記第1の動作組に基づく性能測定に関するフィードバックを受信し、該フィードバックに基づき前記複数の基地局により取得される実際のレートを決定し、前記実際のレートを最大化する無線リソースの第2の動作組を決定する
動作を実行するようプロセッサによって実行可能なプログラミングコードが符号化されている非一時的なコンピュータ可読媒体を含む中央コントローラ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
フェムトセル及び他の小セルは、多数の環境において使用され得る。エンタープライズ環境として概して本願では記載される、比較的狭い範囲内で高い要求データレート及び数多くのモバイル機器を経験する環境において、高密度のフェムトセルを用いることが好ましいことがある。エンタープライズ環境は、会社建物、ショッピングモール、スタジアム、アリーナ、会議会場、密集した居住地域、密集した商業地域、交通量の多い都市地域、及び同様のものを含んでよい。
【0015】
多数のフェムトセル又は他の小セルが比較的狭い範囲内で展開される場合に、隣接するフェムトセル間の干渉は大きな課題を提示することがある。本願で記載される実施形態は、直交周波数割り当てと周波数再利用割り当てとの間のトレードオフを考慮するリソース割り当て及び干渉管理を含んでよい。直交周波数割り当ては、フェムトセル間の干渉を回避することができる。周波数再利用は、フェムトセルの干渉をもたらし得るが、幾つかの場合に、直交周波数割り当てと比較してスループットを増大させることができる。
【0016】
本願で記載される幾つかの実施形態では、直交周波数割り当ての程度及び周波数再利用の程度は、目的関数が相対的に最適化され得るように選択されてよい。適応グラフ彩色は、目的関数を相対的に最適化するよう直交周波数及び再利用される周波数を割り当てるために使用されてよい。目的関数は、無線ネットワークの端末へ供給される総データレート、端末への最大最小(“max−min”)公平性、及び同様のものを含むがそれらに限られない無線ネットワークの動作に関する目的に関連付けられてよい。
【0017】
本願で記載される幾つかの実施形態は、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)のロングタームエボリューション(LTE)無線アクセスネットワークに基づく通信システムに関係があってよい。LTEに関する記載はまた、3GPPのロングタームエボリューションアドバンスド(LTE−A)無線アクセスネットワークを対象としてよい。なお、本願で記載される実施形態は、記載される通信システムの例に制限されない。むしろ、本願で記載される実施形態は、他の通信システムに適用可能であってよい。
【0018】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して説明されるであろう。
【0019】
図1は、本願で記載される少なくとも1つの実施形態に従って配置される電気通信システム100のネットワークアーキテクチャの例の線図である。幾つかの実施形態において、ネットワークアーキテクチャは、E−UMTS(Evolved Universal Mobile Telecommunications System)のネットワークアーキテクチャを含んでよい。E−UMTSは、LTE無線アクセスネットワーク又は同様のものを含んでよい。無線アクセスネットワークは、eUTRAN(E−UMTS Terrestrial Radio Access Network)を含んでよい。なお、他のタイプのネットワークアーキテクチャが使用されてよい。
【0020】
電気通信システム100は、第1の基地局104a(“基地局104a”)乃至第N番目の基地局104b(“基地局104b”)として概して指定されている複数の基地局(集合的に“基地局104”)を含んでよい。基地局104は、無線通信可能なノード(“無線ノード”)との無線通信を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを含む基地局設備を含んでよい。基地局104は、概して、無線ノードが互いに無線通信を行い且つ/あるいはコアネットワーク及び/又はインターネットプロトコル(IP)ネットワーク、あるいは同様のものに無線によりアクセスすることを可能にすることができる。
【0021】
幾つかの実施形態において、基地局104は、エンタープライズ設定において展開されている複数の小セル基地局104を含む。例えば、基地局104は、会社建物、ショッピングモール、スタジアム、アリーナ、会議会場、密集した居住地域、密集した商業地域、交通量の多い都市地域、及び同様のもののような、地理的に近い範囲において配置されているホームeノードB(HeNB)のような複数のフェムトセルを含んでよい。
【0022】
概して、基地局104は、許可スペクトル上での無線通信を可能にするハードウェア及びソフトウェアを含んでよい。許可スペクトルは、概して、セルラーデータのような無線データの伝送のために許可された無線スペクトルの部分を含んでよい。例えば、基地局104は、3GPP仕様リリース8−12のようなLTEに従うセルラーデータを送信するよう構成されてよい。
【0023】
基地局104は、基地局104と中央コントローラ102との間に形成されているインターフェースを介して中央コントローラ102と通信してよい。例えば、インターフェース105aは基地局104aと中央コントローラ102との間に形成されてよく、インターフェース105bは基地局104bと中央コントローラ102との間に形成されてよい。インターフェース105a及びインターフェース105b(集合的に“インターフェース105”)は有線接続を含んでよいが、幾つかの場合に、インターフェース105は代替的に無線接続を含んでよい。本願で開示されるように、中央コントローラ102は、基地局104がエンタープライズ環境において展開され得るように、許可スペクトルにおけるリソース管理を及び/又は基地局104の間の干渉管理を支援してよい。代替的に、又は追加的に、中央コントローラ102は、電気通信システム100において基地局104の1つの一部であってよい。
【0024】
中央コントローラ102は、概して、プロセッサ107及びメモリ109を含んでよい。命令がメモリ109に記憶されてよい。命令がプロセッサ107によって実行される場合に、中央コントローラ102は、本願で記載されるプロセスに関連する及び/又はそれらのプロセスを含む動作を実行してよい。
【0025】
電気通信システム100は、許可スペクトル上で基地局104と通信する複数の無線ノードを含んでよい。許可スペクトル上で通信することができる無線ノードは、概して、端末として本願で記載される。例えば、端末は、LTEセルラー通信を可能にするスマートフォン、コンピュータ、スマートメータ、及び同様のものを含んでよい。
【0026】
図1で開示されるように、複数の端末110a、110b、110c及び110d(集合的に“端末110”)は、基地局104に関連付けられてよい。例えば、第1の端末110a(端末1
1として指定される“端末110a”)乃至第S番目の端末110b(S
1として指定される“端末110b”)は、基地局104aと関連付けられてよい。他の第1の端末110c(1
Nとして指定される“端末110c”)乃至第S番目の端末110d(S
Nとして指定される“端末110d”)は、基地局104bと関連付けられてよい。
【0027】
端末110は、それらの関連付けられている基地局104とともに、許可スペクトルインターフェース106a及び106b(集合的に“許可スペクトルインターフェース106”)を形成してよい。例えば、端末110a乃至端末100bは、基地局104aとともに許可スペクトルインターフェース106aを形成してよい。許可スペクトルインターフェース106は、概して、データが端末110と基地局104との間でやり取りされることを可能にすることができる、端末110と基地局104との間の無線接続である。端末110はまた、関連付けられていない基地局104からの干渉114a及び114b(集合的に“干渉114”)を経験することがある。例えば、端末110a乃至110bは、基地局104bからの環境114bを経験することがある。端末110c乃至端末110dは、基地局104aからの干渉114aを経験することがある。
【0028】
基地局104及び端末110は、中央コントローラ102のプロセッサ107及びメモリ109と同じプロセッサ及びメモリ(図示せず。)を含んでよい。
【0029】
端末110の夫々は、概して異なる最低通信レート要求を有する多数の接続を有してよい。夫々の最低通信レート要求は、夫々の接続のトラフィックタイプの関数であってよい。例えば、端末110aは、会話音声接続(conversational voice connection)及び伝送制御プロトコル(TCP)に基づく接続を同時に有してよい。端末110ごとの夫々の接続のクオリティオブサービス(QoS)に従って、基地局104は、端末110の夫々に最低レート要求を設定してよい。特定の端末110a、110b、110c又は110dのための最低レート要求は、特定の端末110a、110b、110c又は110dの全ての接続のための最低レート要求の和に設定されてよい。例えば、端末110aは、会話音声通信のための“a”の最低レート要求と、TCP接続のための“b”の最低レート要求とを有してよい。結果として、端末110aのための最低レート要求はa+bであってよい。
【0030】
本願で記載される実施形態は、例えば、端末110によって経験される最低レートを最大化するために、用いられてよい。なお、代替の目的は、電気通信システム100を使用することができる1以上のモバイルネットワークオペレータ(MNO)の選好に応じて考慮されてよい。例えば、目的関数は、電気通信システム100全体の総和レートを最大にしてよい。端末110によって経験される最低レートを最大化する最適化式の例は、式1として以下で記載され得る。
【0031】
本願で記載される式及び関連する議論は、概して、基地局104から端末110へのダウンリンク通信を参照して記載される。端末110から基地局104へのアップリンク通信は、代替的に、又は追加的に、同じように考えられてよい。加えて、LTEレート計算に関連して本願で開示される計算は、開示を簡単にするためにシャノン容量を使用してよい。なお、他のレート計算が行われてよい。例えば、レート計算は、サイクリックプレフィックス及びパイロットのような異なるオーバヘッドに起因するバンド幅効率から成ってよい。加えて、レート計算は、受信機アルゴリズム及びサポートされる変調符号化方式(MCS)に起因する信号対干渉及び雑音比(SINR)から成ってよい。
【0032】
式1及び/又は本願で開示される他の式において使用される多数の変数が以下で記載される。更なる変数は、特定の式に関連して記載されてよく、及び/又は変数のコンテキストから理解され得る。
【0033】
変数Nは、基地局104の数を表す。変数nは、N個の基地局104のうちの特定の基地局104を表し、よって、nは概して、1からNの間の整数の組を含む。
【0034】
S
nは、基地局nへ接続されている許可スペクトルインターフェース106を有する端末110の数を表す。Sは、ネットワーク内の端末110の総数を表す。すなわち、N個の全ての基地局104についてのS
nの和である。式1で、iは概して、全体の電気通信システム100内の特定の端末110を表し、よって、式1に関し、iは概して、1からSの間の整数の組に含まれる。なお、全ての他の式において、iは概して、特定の基地局nに関連する特定の端末110を表し、よって、他の式に関し、iは概して、1からS
nの間の整数の組に含まれる。
【0035】
P
max(n)は、基地局nの最大伝送電力を表す。
【0036】
Kは、許可されたスペクトルに関連する物理リソースブロック(PRB)の総数を表す。物理リソースブロックkは概して、特定のPRBを表す。よって、kは概して、1からKの間の整数の組に含まれる。なお、幾つかの例で、kは、PRBの1以上のサブキャリアを表してよい。PRBを参照して記載されているが、本願で記載される実施形態は、電気通信システム100のあらゆる無線リソースとともに同様に用いられてよい。
【0037】
p
i,k(n)は、PRB又はサブキャリアkでの基地局nから端末iへの割り当て電力を表す。
【0038】
h
i,k(n)は、PRB又はサブキャリアkでの基地局nから端末iへのチャネルゲインを表す。
【0039】
σ
2は、許可されたスペクトルにおけるPRBごとの雑音分散を表す。
【0041】
Ω
nは、基地局nへ接続されている端末の組を表す。
【0042】
M
nは、基地局nへ割り当てられるPRBの潜在的な組を表す。
【0043】
Ψ
nは、基地局nへ割り当てられるPRBの組を表す。
【0045】
派生式1b〜1eは、式1の様々な制約を表す。例えば、派生式1bは、基地局104の夫々の送電総電力制約を表す。
【0046】
加えて、派生式1cは、基地局104の伝送電力を負でないと表す。電気通信システム100がS個全ての端末110を扱うことができるほど十分な容量を有する場合は、全基地局nのための組Ω
nの和集合は組{1,2,...,S}に等しく、そうでない場合は、一部の端末110はアドミッションを認められず、従って、組Ω
nの和集合は、派生式1dによって表されるように{1,2,...,S}の部分集合であり得る。
【0047】
派生式1eは、端末110の夫々が基地局104のうちのただ1つへ接続されることを表す。
【0048】
式1は、端末iごとに及びPRBkごとに最適な電力割り当てを表す組Ω
nを見つけることによって、基地局104への端末110の最適な割り当てを表す。端末110の夫々について及びK個のPRBの夫々について最適な電力割り当てを見つけることは、電気通信システム100における最適なmax−min公平性を進展させることができる。
【0049】
式1は、部分的に、Ω
nに関連する二進関連付け変数に起因して、非凸混合整数プログラミング問題である。加えて、中央コントローラ102で式1の解を見つけることは、概して、全てのPRBについて端末110のチャネルゲインを知ることを中央コントローラ102に期待する。結果として、式1を解くことは、多くの場合に極めて困難であり且つ計算上実用的でないことがある。
【0050】
幾つかの実施形態において、次善の階層アプローチが、式1を解く代わりに使用されてよい。次善の階層アプローチに関連するタスクは、基地局104と中央コントローラ102との間で分けられてよい。
【0051】
幾つかの実施形態において、端末110の夫々は、個々の端末110で最大平均受信信号電力及び最大観測信号対干渉及び雑音比(SINR)を有する基地局104の1つに関連付けられてよいと推測され得る。この推測は、Ω
nに関連付けられる二進関連付け変数が知られ得るので、式1を解くことを容易にすることができる。
【0052】
続けて
図1を参照して、
図2は、本願で記載される少なくとも1つの実施形態に従って配置される、中央コントローラ102及び基地局104によって実行される電気通信プロセス200の線図である。1つの基地局104aしか
図2に示されていないが、電気通信プロセス200は、以下で記載される基地局104aの機能と同じように機能することができる複数の基地局104によって実行されてよい。
【0053】
ブロック202によって表されるように、基地局104aは、端末110a乃至端末110bが基地局104aに関連付けられるように、基地局104aへの端末の関連付けを実行してよい。幾つかの実施形態において、基地局104aは、線204によって表されるように、中央コントローラ102に、基地局104aに関連付けられる端末の数を知らせてよい。
【0054】
幾つかの実施形態において、中央コントローラ102は、基地局104に関連付けられる端末の数に基づき、初期負荷推定206を実行してよい。初期負荷推定206は、基地局104について実行されてよく、基地局104の負荷は、基地局104によって望まれるリソースとして定義されてよい。
【0055】
中央コントローラ102は最初に、式2において開示されるように決定され得る
(外1)
として表される初期負荷推定に従って、基地局104の間でリソースを分配してよい。
【0057】
中央コントローラ102は、適応グラフ彩色208を介して基地局104について干渉管理及び許可スペクトルリソース割り当てを実行してよい。適応グラフ彩色208は、初期負荷推定206の出力
(外2)
に基づいてよい。グラフ彩色に基づき、中央コントローラ102は、線210によって表されるように、許可スペクトルリソース、すなわち、PRBの組を、基地局104aを含む基地局104の夫々へ割り当ててよい。以下で記載されるように、適応グラフ彩色208は、線212によって表されるように、基地局104aのような基地局104からのフィードバックに基づいてよい。
【0058】
式2における初期負荷推定に基づく初期グラフ彩色は、
(外3)
としてリソースの直交周波数割り当てをもたらすことができる。ここで、近似符号は、式2における丸め演算子から得られる。本願で開示される実施形態によれば、リソースは、
(外4)
であるように割り当てられ得る。
【0059】
適応グラフ彩色208の部分として、中央コントローラ102は、基地局104からの基地局測定及び/又は端末100からのリポートに基づき干渉グラフを構成してよい。幾つかの実施形態において、基地局測定は、基地局104aがオンされる場合に、少なくとも部分的に基地局104aによって決定されてよい。例えば、基地局104aは、隣接する基地局104のリファレンス信号伝送及び制御チャネルを捕捉してよい。隣接する基地局104から収集された情報から、基地局104aは、隣接する基地局104のセル識別を決定し、且つ、隣接する基地局104の夫々から基地局104aへの経路損失を決定してよい。端末110からのリポートは、ハンドオーバプロセスの間に端末110が受信することができる隣接する基地局104の受信信号強度インジケータ(RSSI)を含んでよい。
【0060】
中央コントローラ102は、基地局104を表す頂点と、基地局104の間の干渉及び/又はジャミング状態を表す有向辺との干渉グラフを構成することができる。幾つかの実施形態において、干渉及び/又はジャミング状態は、関連する基地局及び干渉する基地局から端末によって経験されるチャネルゲイン間の差が所定の閾値を超える場合に認定されてよい。結果として、弱干渉信号は無視され得る。有利に、弱干渉信号を無視することによって、干渉グラフの複雑性は低減され得、本願で記載されるグラフ彩色は簡素化され得る。代わりに、全ての起こり得る干渉状態は、基地局104のいずれか2つの間の有向辺について考えられてよい。
【0061】
適応グラフ彩色208は、リソースの複数の潜在的な割り当てについてグラフ彩色コア211を実行し、リソースのどの潜在的な割り当てが目的関数への最適な結果を提供することができるのかに関して決定215を行うことを含んでよい。
【0062】
目的関数への最適な結果を決定するためのM
nの全数検索の複雑性は、基地局104の数に対して指数関数的であってよい。以下で記載される幾つかの実施形態において、相対的な最適な結果を決定する複雑性は、基地局104の数に対して線形であってよい。
【0063】
幾つかの実施形態において、グラフ彩色コア211は、スケーリングされた負荷推定の複数組について実行されてよく、これは、スケールファクタによってスケーリングされる、初期負荷推定206によって決定された初期負荷推定に基づいてよい。スケールファクタはλによって表され、ブロック209において最初に設定されてよい。グラフ彩色コア211を実行した後、スケールファクタは変更213されてよく、グラフ彩色コア211は、変更されたスケールファクタによってスケーリングされた初期負荷推定に基づく新しいスケーリングされた負荷推定により、再度実行されてよい。
【0064】
スケールファクタによって負荷推定をスケーリングし、グラフ彩色コア211を実行し、スケールファクタを変更213することは、決定ブロック215へ続く前に、スケールファクタの組について繰り返されてよい。例えば、プロセスは、λ∈[1:Δ:N]によって表されるスケールファクタの組を線形増分することによって繰り返されてよい。ここで、Δはステップサイズを表し、Nは考慮される最大スケールファクタを表す。幾つかの実施形態において、Nは、基地局104の数に等しくてよい。代替的に、二分法が適切なスケールファクタを決定するために使用されてよい。
【0065】
(外5)
によって表される候補負荷を決定する例は、式3において開示されるように決定されてよい。
【0067】
式3において、初期負荷推定
(外6)
は、スケールファクタλによってスケーリングされる。M
n*によって表される相対的な最適な負荷を決定する例は、式4において開示されるように決定されてよい。
【0069】
式4において、λ
*は、相対的な最適なスケールファクタを表す。
【0070】
ブロック215で、適応グラフ彩色208は、目的関数への相対的な最適な結果を提供するPRBの動作組を決定することを含んでよい。相対的な最適な結果は、考えられているスケーリングされた負荷推定の組の全てに対するスケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組に関連付けられてよい。
【0071】
スケールファクタが線形に増分される場合に、スケールファクタの相対的により小さいステップサイズ、すなわち、より小さいΔは、概して、スケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組が実際に最適である程度を高めることができる。しかし、相対的により小さいステップサイズは、グラフ彩色コア211が実行される回数を増やし、且つ、適応グラフ彩色208を実行するために使用される計算リソースを増大させ得る。ステップサイズは、適応グラフ彩色208を実行するために使用される計算リソースと、スケーリングされた負荷推定の動作組が最適であるべき程度との釣り合いを取るよう選択され得る。
【0072】
同様に、スケールファクタが二分法に従って変更される場合は、スケールファクタを二分する更なる繰り返しは、概して、スケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組が実際に最適である程度を高めることができる。しかし、更なる繰り返しの実行は、グラフ彩色コア211が実行される回数を増やし、且つ、適応グラフ彩色208を実行するために使用される計算リソースを増大させ得る。繰り返しの回数及び/又は二分分解能は、適応グラフ彩色208を実行するために使用される計算リソースと、スケーリングされた負荷推定の動作組が最適であるべき程度との釣り合いを取るよう選択され得る。
【0073】
グラフ彩色コア211に関して、最適なグラフ彩色は、従来ヒューリスティックスを用いて解決されてきた非決定性多項式時間困難(NP−hard;non-deterministic polynomial-time hard)である。幾つかの実施形態において、本願で開示される反復グリーディ算法(iterative greedy algorithm)が使用されてよい。反復グリーディ算法は、有意な干渉が期待されない場合に、基地局104の間の周波数再利用を可能にしてよい。結果として、システム容量は増大され得る。反復グリーディ算法を実行するよう、従来の干渉グラフ式は、夫々の有向辺の重み、すなわち、ρ
nmが式5によって与えられる重み付き干渉グラフに変更されてよい。
【0075】
式5の変数G
nmは、基地局nと基地局mとの間の平均経路損失を表し、これは、基地局nと基地局mに関連する端末との間の平均経路損失として定義され得る。代替的に、G
nmは、基地局nと基地局mにある仮想端末との間の経路損失として定義され得る。
【0076】
値P
max(n)/M
nは、基地局nについてのPRBごとの平均電力を表す。
【0077】
干渉グラフに重み付けを導入することは、要求される負荷に関して基地局104の需要に適応するようグラフ彩色スキームを進展させることができる。例えば、全ての基地局104の全体的な要求される負荷が、システムにおける利用可能なPRB及び/又はチャネルの総数より少ないか又はそれに等しい場合、すなわち、
(外7)
である場合に、直交周波数割り当ては、基地局104の間の相互干渉を伴わずにグラフ彩色アルゴリズムによって提供され得る。しかし、基地局104が、電気通信プロセス200に利用可能であるよりも多いPRBを要求する場合は、本願で開示されるグラフ彩色アルゴリズムは、要求されるよりも少ないPRBを基地局104の夫々に割り当てるのではなく、基地局104の夫々によって見られる干渉を最小限とするように、PRBの周波数、すなわち、色を再利用することができる。
【0078】
図3は、本願で記載される少なくとも1つの実施形態に従って配置される
図2のグラフ彩色コア211として用いられ得るグラフ彩色方法300の例のフローチャートである。グラフ彩色方法300は周波数再利用を用いてよい。方法300はブロック302から開始してよく、関連付けテーブル及びコストテーブルが、それらのテーブル内の全てのエントリを0に設定することで初期化され得る。加えて、構成される干渉グラフにおける無彩色の頂点の組を表す組V’は、構成される干渉グラフにおける全ての頂点の組を表すVに等しいよう定義されてよい。構成される干渉グラフの夫々の頂点は、基地局104の1つを表してよい。
【0079】
関連付けテーブルは、二進エントリa
niを有するN×Jのテーブルであってよい。Nは基地局104の総数であってよく、Jは色の総数であってよい。パラメータJはKに等しく設定されてよく、すなわち、1つの色は、夫々の利用可能なPRBごとに示されてよい。代替的に、パラメータJはK/vに等しく設定されてよく、すなわち、1つの色は、v個のPRBごとに示されてよい。1よりも大きいvの値は、より粗く且つより柔軟でないチャネル割り当てを引き起こすが、グラフ彩色の複雑性を低減することができる。関連付けテーブルにおけるエントリa
njは、基地局nが色jを割り当てられる場合に1に設定されてよい。そうでない場合は、エントリa
njは0に設定されてよい。
【0080】
コストテーブルは、基地局nについて色jを用いるコストを表す実数値のエントリc
njを有するN×Jのテーブルであってよい。コストは、色jを割り当てられている全ての他の基地局104からの干渉電力の和として定義されてよい。エントリc
njは、式6において開示されるように定義されてよい。
【0082】
方法300はブロック304で続いてよく、最大総和干渉を引き起こす基地局n’が見つけられ得る。幾つかの実施形態において、これは、式7において開示される外向枝重みの最大和を有する基地局n’を選択することを含んでよい。
【0084】
最大総和干渉を引き起こす基地局を選択することは、選択された基地局n’が基地局104の中で最も厄介であると考えられ得るので、有利であり得る。幾つかの実施形態において、1よりも多い基地局n’が外向枝重みの同じ最大和を有する場合は、最大M
nを有する基地局n’が選択されてよい。
【0085】
方法300はブロック306で続いてよく、M
n’個の色が、ブロック304で選択された基地局n’について選択されてよい。M
n’個の色は、目的関数に基づき選択されてよい。目的関数は、
図1の電気通信システム100のような電気通信システムの目的の定量化を含んでよい。M
n’個の色は、目的関数を最大化し、最小化し、又は別なふうに最適化することに基づき選択されてよい。
【0086】
幾つかの実施形態において、M
n’個の色は、電気通信システムの端末110と基地局104との間の通信の総和レート(“総和レート”)を最大化するよう選択されてよい。幾つかの場合に、干渉は、負荷が軽い基地局104において増大し、一方、干渉は、負荷が重い基地局104において低減又は除去され、電気通信システムの総和レートを高める。
【0087】
一例として、基地局n’について推定されるレートを最大化するM
n’個の色が選択されてよい。コストc
njに基づき、色jに対して基地局n’によって取得される推定レートは、式8において開示されるように決定されてよい。
【0089】
式8において
(外8)
は、基地局n’からその端末110への平均チャネルゲインを表す。色jが基地局n’へ割り当てられる場合に基地局n’によって取得される潜在的な総和レートは、式9において開示されるように決定されてよい。
【0090】
式9:
【数9】
式9において、q≠jの場合に
(外9)
であり、q=1の場合に
(外10)
である。よって、
(外11)
は、ブロック304乃至310の前の繰り返しから、すなわち、以下で開示されるように、方法がブロック312又はブロック314からブロック304へ戻る場合に、基地局n’の関連付けテーブルのエントリを持ち越してよい。j番目のキャリアにおけるエントリ、すなわち、評価段階にあるエントリは、1に設定されてよい。最初に、ブロック306の第1の繰り返しは、q≠1の場合に
(外12)
であり、q=1の場合に
(外13)
である。
【0091】
R
jによって象徴されるリワード関数(reward function)は、色jが基地局n’に割り当てられる場合に、潜在的なネットワークレートを表してよい。リワード関数R
jは、式10において開示されるように決定されてよい。
【0093】
最大リワード関数R
jを有するM
n’個の色が決定されてよい。幾つかの実施形態において、M
n’個よりも多い色が同じ最小コストをもたらす場合は、最も頻繁に使用される色が選択される。最も頻繁に使用される色は関連付けテーブルから識別されてよい。最も頻繁に使用される色を選択することは、最も頻繁に使用されない色が、概して、次の基地局104へより低いコストを有するより高い可能性を有するので、彩色プロセスにおける次の基地局104のためにより低い干渉を提供してよい。
【0094】
方法300はブロック308へ続いてよく、割り当てテーブル及びコストテーブルが更新される。割り当てテーブル及びコストテーブルは、概して、ブロック306で基地局n’へ割り当てられた色、すなわち、PRBを反映するよう更新される。ブロック310で、無彩色の頂点の組V’は、その組から基地局n’に関連する頂点を除くことによって更新される。
【0095】
ブロック312で、無彩色の頂点の組V’は、その組が空であるかどうかを決定するよう確認される。V’が空である場合、すなわち、頂点の全てが彩色されている場合は、方法300はブロック314へ続く。しかし、V’が空でない場合、すなわち、1以上の頂点が彩色されていない場合は、方法300はブロック304へ戻り、新しい基地局n’が選択され、その後にブロック306で彩色される。
【0096】
ブロック314で、収束判定条件が満足されているかどうかが決定されてよい。収束判定基準が満足される場合は、方法300はブロック318へ続いてよい。収束判定基準が満足されない場合は、方法300はブロック320へ続いてよく、無彩色の頂点の組V’は再び全ての頂点の組Vとして定義されてよく、方法300のブロック304〜314が繰り返されてよい。ブロック314及び320によって導入されるグラフ彩色に対する反復アプローチは、グラフ彩色方法300を強化することができる。幾つかの実施形態において、方法300は順次的な様態において頂点の彩色を実行するので、彩色された基地局の影響は、前に彩色された基地局の目的関数において考慮されない。これは、ブロック304で基地局が引き起こす干渉の量の降順において基地局を彩色することによって緩和され得る。この順次的なやり方は、ブロック304〜314を繰り返すことによる反復アプローチによって強化される。ブロック320で、関連付けテーブル及びコストテーブルは、前の繰り返しにおいて実行された基地局の彩色が順次的な反復においてブロック306における色選択に作用することができるように、再初期化され得ない。収束判定基準は、繰り返しの最大数、レートメトリックのための定常状態値、又は同様のものを含んでよい。
【0097】
収束判定基準がブロック314で満足されている場合に、方法300はブロック318へ続いてよい。方法300は、関連付けテーブルに従って、Ψ
nによって表されるPRBの最終の組を基地局nに割り当てることによって、ブロック318で終了してよい。
【0098】
再び
図2を参照すると、方法300の出力は、方法300がグラフ彩色コア211でスケーリングされた負荷推定の複数の組について繰り返され得るので、決定ブロック215へのΨ
nの複数組を含んでよい。
【0099】
決定ブロック215で、適応グラフ彩色208は、Ψ
nの複数組を考慮し、Ψ
n*によって表される割り当てられたリソースの動作組を決定してよい。割り当てられたリソースの動作組を決定することは、概して、λ
*によって表される動作スケールファクタを決定すること、及び/又はM
n*によって表されるスケーリングされた負荷推定の動作組を決定することに対応してよい。
【0100】
幾つかの実施形態において、Ψ
n*は、目的関数に従ってΨ
nの各組がネットワークに対して有し得る影響を推定することによって、選択されてよい(“推定に基づく適応グラフ彩色”)。代替的に、又は追加的に、Ψ
n*は、Ψ
nの各組によりネットワークを動作し、目的関数に従ってΨ
nの各組がネットワークに対して有する影響を考慮することによって、選択されてよい(“フィードバックに基づく適応グラフ彩色”)。
【0101】
1.推定に基づく適応グラフ彩色
中央コントローラ102は、Ψ
nの各組がネットワークに対して有し得る影響を推定するよう、決定ブロック215で目的関数の結果を計算してよい。例えば、中央コントローラ102は、Ψ
nの組に関連する基地局104の推定されるレートを決定してよい。リソースΨ
nを用いて基地局104によって取得される潜在的なレートは、式11において開示されるように決定されてよい。
【0103】
基地局104の夫々についての端末110の平均レートは、式12において開示されるように決定されてよい。
【0105】
中央コントローラ102は、基地局104によって取得された推定レートを最大化するΨ
n*を決定してよい。例えば、中央コントローラ102は、式12における
(外14)
を最大化するλに対応するΨ
nとしてΨ
n*を設定してよい。代替的に、他の目的関数が、式12において開示される目的関数の代わりに使用されてよい。
【0106】
中央コントローラ102は、線210によって示されるように、基地局104aを含む基地局104へ、割り当てられたリソースの動作組、すなわち、Ψ
n*を提供してよい。
【0107】
2.フィードバックに基づき適応グラフ彩色
中央コントローラ102は、線210によって示されるように、基地局104aを含む基地局104へΨ
nの各組を提供してよい。幾つかの実施形態において、Ψ
nの各組は、代替的に、又は追加的に、Ψ
nの組がグラフ彩色コア211によって生成された後に、基地局104へ提供されてよい。
【0108】
基地局104は、Ψ
nの各組を用いて動作してよく、線212によって示されるように、中央コントローラ102へフィードバックを提供してよい。フィードバック212は、Ψ
nの各組について基地局104によって経験される性能の何らかの測定に関係があってよい。例えば、基地局104aは、Ψ
nの提供された組に従って、以下で開示されるリソース及び電力割り当て214を実行してよく、式13において開示されるように、関連する端末110のレートの和から基地局104aの実際の達成されるレートを決定してよい。
【0110】
中央コントローラ102は、次いで、式12を介して、Ψ
nを用いて基地局104によって取得された実際のレートを決定してよい。中央コントローラ102は、基地局104によって取得された実際のレートを最大化するΨ
n*を決定してよい。代替的に、他の基準及び/又は他の目的関数が使用されてよい。
【0111】
3.リソース及び電力割り当て
基地局104aは、基地局104aに割り当てられる端末110の夫々についてリソース及び電力割り当て214を実行してよい。リソース及び電力割り当て214は、端末110の夫々へのリソース割り当てを微調整すること、及び許可スペクトルにおけるリソースについてPRBごとに電力割り当てを実行することを含んでよい。
【0112】
中央コントローラ102は、概して、一般に基地局104aが端末110の夫々へのリソース割り当てを微調整するよりも長い時間スケールで、適応グラフ彩色208を通じて粗分解能のリソース割り当てを実行してよい。夫々の基地局104へ割り当てられるPRBの組210は、電気通信システムにおいて総スループットを高めるために、基地局104の間の干渉制御とスペクトル再利用との間のトレードオフを達成するよう割り当てられてよい。
【0113】
基地局104aは、一般に粗分解能のリソース割り当てを実行する中央コントローラ102よりも短い時間スケールにおいて、リソース及び電力割り当て214を介して、基地局104aへ割り当てられている端末110への細分解能のリソース割り当てを実行してよい。例えば、LTE−Aを用いる実施形態では、リソース割り当ては、概して1ミリ秒(ms)に等しい伝送時間インターバル(TTI)ごとに可能にされ得る。幾つかの実施形態において、中央コントローラ102は、数百のTTIの時間スケールにおいて適応グラフ彩色208及びPRB割り当て210を実行してよく、一方、基地局104aは、TTIごと又は数TTIごとにリソース及び電力割り当て214を実行してよい。
【0114】
幾つかの実施形態において、端末の間の公平性を確かにするよう、基地局104aは、式14において記載されるmax−min公平性基準に従って、ブロック214で、許可スペクトル割り当て及びPRBごと電力割り当てを実行する。
【0116】
割り当てられたPRB、すなわち、Ψ
nとともに、中央コントローラ102はまた、I
kによって表される、夫々のPRBkに対する干渉基地局104の組を、基地局104の夫々に送信してよい。中央コントローラ102はまた、P
k(m)によって表される、I
kにおける全ての干渉基地局mの平均伝送電力及びPRBkを、基地局104の夫々に送信してよい。Pk(m)の値は、値P
max(m)/M
mにより近似されてよい。
【0117】
式14において、G
mniは、基地局mから基地局nに関連する端末iへの経路損失を表す。幾つかの実施形態において、中央コントローラ102は、ネットワーク内の全ての基地局104へ基地局104の位置を送信してよい。代替的に、中央コントローラ102は、基地局104の夫々に、特定の基地局104との干渉を引き起こす可能性が高い隣接する基地局104の位置を提供してよい。例えば、中央コントローラ102は、基地局104aが基地局104とともに密集構造にある場合に、基地局104aに、基地局104aとの干渉を引き起こす可能性が高い隣接する基地局104の位置を提供してよい。基地局104の位置は、基地局104の位置が静的又は半静的である場合には頻繁に更新される必要がない。
【0118】
I
kにおける干渉基地局mの位置によれば、基地局nは、Ω
nにおける関連する端末の位置を用いてG
mniの値を推定してよい。基地局104は、このようにして、関連する端末110の夫々が隣接する基地局104から受けるかもしれない潜在的な干渉を計算することができる。幾つかの実施形態において、G
mniの値の大まかな推定は、適応グラフ彩色208において使用され得るような、基地局mから基地局nへの平均経路損失を考慮することによって、取得されてよい。平均経路損失は、式3、4、5及び9においてG
mnによって表される。
【0119】
変数s
i,k(n)は、基地局nにおける端末iについてのPRBkの時間共有係数を表す。リソースがTTIごとに割り当てられ得る場合に、基地局104は、複数のTTIの期間にわたってPRBを端末110へ割り当ててよい。夫々のPRBkの時間共有は、潜在的に、夫々の端末iへ割り当てられてよい。
【0120】
式14は、基地局nに関連する端末110の間で最小の達成レートを最大化してよい。派生式14bは、基地局nが、基地局nに関連する端末110の全て及びΨ
nにおけるPRBの全てにわたるPRBごとの電力の和の上限境界を基地局nの最大伝送電力、すなわち、P
max(n)とすることによって、無制限の電力を有さないことを表す。
【0121】
派生式14cは、基地局nに関連する端末110についてのPRBkの時間共有の和が1に等しいことを表す。派生式14d及び14eは、最適化変数p
i,k(n)及びs
i,k(n)の範囲を表す。
【0122】
式14は、効率的に且つ容易に解かれ得る凸最適化問題である。なお、幾つかの実施形態において、式14は簡略化されてよい。例えば、p
i,k(n)/s
i,k(n)はp
max(n)/M
nとして近似されてよい。ここで、M
nは、中央コントローラ102によって基地局nへ割り当てられるPRBの組のサイズを表す。式14は、式15において開示されるように簡略化してよい。
【0124】
式15は、式14よりも計算的に容易に解くことができる線形プログラミング問題である。
【0125】
式14及び式15において、基地局104は、中央コントローラ102から受信された平均干渉情報を用いる。平均干渉情報は、実際の達成されるレートに比較的近い夫々の最適化問題からの達成レートをもたらすことができる。なお、幾つかの実施形態において、平均干渉情報は、中央コントローラ102と基地局104との間の通信オーバヘッドが低減されるように、中央コントローラ102によって基地局104へ送信されなくてよい。
【0126】
幾つかの実施形態において、SNRは、SINRとは対照的に、考慮されてよい。SNRが考慮される場合、中央コントローラ102は、割り当てられるPRBの組のみを基地局104へ送信してよく、中央コントローラ102と基地局104との間の通信オーバヘッドを低減する。しかし、性能は、特に、全ての端末100の平均要求レートが比較的高く且つ干渉が無視することが不利益となり得るほど大きい場合に、悪化することがある。
【0127】
干渉が無視されない実施形態では、最適化問題は、式14において見られるように、しかし、干渉項が分母から削除された状態で、定式化されてよい。結果として得られる式は、式16において開示されるように、式15と同様に更に簡略化されてよい。式16は、式15よりも通信オーバヘッドを必要としない線形プログラミング問題である。
【0129】
基地局104aは、付加的なスケジューリング要件を管理することができる任意の許可スペクトルスケジューラ216を含んでよい。例えば、LTEを用いる実施形態では、許可スペクトルスケジューラ216は、HARQ(hybrid automatic repeat request)エラー訂正スケジューリングを適応させてよい。他の実施形態では、許可スペクトルスケジューラ216は、他のエラー確認及び/又はスケジューリング機能を適応させてよい。
【0130】
許可スペクトルスケジューラ216は、従来の許可スペクトルスケジューリングメカニズムを適用してよい。例えば、許可スペクトルスケジューラ216は、チャネルの可変な性質、端末のアップリンクCQIリポート、及び/又は端末からの肯定応答(ACK)若しくは否定応答(NAK)を考慮するスケジューリングメカニズムに従って、ダウンリンクパケットをスケジューリングしてよい。
【0131】
許可スペクトルスケジューラ216は、よりチャネル条件に適応したより細かいスケジューリング分解能を進めるよう、リソース及び電力割り当て214よりも頻繁に実行されてよい。
【0132】
図4は、無線リソース制御方法400の例のフローチャートである。方法400は、
図1の中央コントローラ102のような、電気通信システム内の中央コントローラによって実行されてよい。
【0133】
方法400は、スケーリングされた負荷推定の複数組を初期負荷推定の単一組に基づき計算することによって、ブロック402で開始してよい。初期負荷推定の単一組は、複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する。スケーリングされた負荷推定の組の夫々は、複数のスケールファクタのうちの1つのスケールファクタによってスケーリングされた初期負荷推定の単一組を含んでよい。
【0134】
方法400は、複数の目的関数結果を決定することによって、ブロック404で続いてよい。夫々の目的関数結果は、スケーリングされた負荷推定の複数組のうちの個々の組ごとの目的関数の結果に少なくとも部分的に基づいてよい。
【0135】
幾つかの実施形態において、目的関数は、上記の式12のようなリワード関数を含んでよい。スケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組は更に、複数の基地局について最大化されるリワード関数と関連してよい。
【0136】
幾つかの実施形態において、最大化されるリワード関数は、複数の基地局の夫々に関連する複数の端末についての推定される最大最小レートを含んでよい。
【0137】
幾つかの実施形態において、複数の目的関数の夫々は、複数の基地局の推定されるレートを含んでよい。スケーリングされた負荷推定の動作組を決定することは、複数の基地局の推定されるレートに少なくとも部分的に基づいてよい。推定されるレートは、複数の基地局の夫々についての平均端末位置に基づいてよい。
【0138】
幾つかの実施形態において、複数の目的関数結果を決定することは、スケーリングされた負荷推定の複数組の夫々に基づき複数の基地局へリソースを割り当てることと、複数の基地局の夫々によって達成されるレートを含むフィードバックを受信することとを更に含んでよい。複数の目的関数結果は、複数の基地局によって達成されるレートの和に基づいてよい。最大化されるリワード関数は、複数の基地局の夫々に関連する複数の端末についての最大最小レートを含んでよい。
【0139】
方法400は、複数の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき複数の基地局のためのPRBの動作組を決定することによって、ブロック406で続いてよい。
【0140】
幾つかの実施形態において、PRBの動作組を決定することは、ノイズレベル、基地局の数、基地局間の距離、及び端末密度のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づいてよい。代替的に、又は追加的に、PRBの動作組を決定することは、無線ネットワークの目的に従って複数の目的関数結果に対して最適な目的関数結果に関連するスケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組を識別することを含んでよい。
【0141】
当業者は、この及び他のプロセスが異なる順序で実施されてよいことを認識するであろう。加えて、概説されているステップ及び動作は例としてのみ与えられており、一部のステップ及び動作は、開示されている実施形態の本質から逸脱することなしに、任意であっても、より少ないステップ及び動作にまとめられても、あるいは、更なるステップ及び動作に拡張されてもよい。
【0142】
本願で記載される実施形態は、以下でより詳細に論じられるように、様々なコンピュータハードウェア又はソフトウェアモジュールを含む特別目的の又は汎用のコンピュータの使用を含んでよい。
【0143】
本願で記載される実施形態は、コンピュータにより実行可能な命令又はデータ構造を搬送又は記憶するコンピュータ可読媒体を用いて実施されてよい。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用の又は特別目的のコンピュータによってアクセスされ得る如何なる利用可能な媒体であってもよい。一例として、しかし制限なしに、そのようなコンピュータ可読媒体には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能なプログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)若しくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置若しくは他の磁気記憶装置、フラッシュメモリ装置(例えば、固体状態メモリ装置)、又はコンピュータにより実行可能な命令若しくはデータ構造の形で所望のプログラムコードを搬送又は記憶するために使用され且つ汎用若しくは特別目的のコンピュータによってアクセスされ得る何らかの他の記憶媒体を含む有形なコンピュータ可読記憶媒体がある。上記の組み合わせもコンピュータ可読媒体の適用範囲内に含まれてよい。
【0144】
コンピュータにより実行可能な命令は、例えば、汎用のコンピュータ、特別目的のコンピュータ、又は特別目的のプロセッシング装置(例えば、1又はそれ以上のプロセッサ)に特定の機能又は機能のグループを実行させる命令及びデータを有する。対象は構造上の特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語において記載されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される態様は必ずしも、上述された具体的な特徴又は動作に制限されないことが理解されるべきである。むしろ、上述された具体的な特徴又は動作は、特許請求の範囲を実施する形態の例として開示されている。
【0145】
本願で使用されるように、語“モジュール”又は“コンポーネント”は、モジュール若しくはコンポーネントの動作を実行するよう構成される具体的なハードウェア実施及び/又は、コンピュータシステムの汎用ハードウェア(例えば、コンピュータ可読媒体、プロセッシング装置、等)に記憶され及び/又はそれによって実行され得るソフトウェアオブジェクト若しくはソフトウェアルーチンを指すことができる。幾つかの実施形態において、本願で記載される異なるコンポーネント、モジュール、エンジン、及びサービスは、(例えば、別個のスレッドとして)コンピュータシステムで実行するオブジェクト又はプロセスとして実施されてよい。本願で記載されるシステム及び方法の一部は概して、ソフトウェア(汎用ハードウェアによって記憶及び/又は実行される。)において実施されているように記載されるが、具体的なハードウェア実施又はソフトウェアと具体的なハードウェア実施との組み合わせも可能であり且つ考えられる。本明細書において、“コンピューティングエンティティ”は、本願で先に定義されたあらゆるコンピュータシステム、又はコンピュータシステムで実行されるあらゆるモジュール又はモジュールの組み合わせであってよい。
【0146】
本願で挙げられている全ての例及び条件付き言語は、当該技術を増進することに対して本発明者によって寄与される概念及び発明を読者が理解することを助けるよう教育上の目的のために意図され、そのような具体的に挙げられている例及び条件に制限されないと解されるべきである。本発明の実施形態が詳細に記載されてきたが、当然に、様々な変更、置換及び代替が、本発明の精神及び適用範囲から逸脱することなしにそれらの実施形態に対してなされ得る。
【0147】
以下、上述された実施形態に加えて、以下の付記を記載する。
(付記1)
複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する初期負荷推定の単一組に基づき、スケーリングされた負荷推定の複数組を計算し、該スケーリングされた負荷推定の複数組の各組は、複数のスケールファクタのうちの1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含み、
複数の目的関数結果を決定し、該複数の目的関数結果の各目的関数結果は、前記スケーリングされた負荷推定の複数組のうちの個々の組ごとの目的関数の結果に少なくとも部分的に基づき、
前記複数の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき前記複数の基地局のための無線リソースの動作組を決定する
無線リソース制御方法。
(付記2)
前記無線リソースの動作組の決定は、更に、ノイズレベル、基地局の数、基地局間の距離、及び端末密度のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、
付記1に記載の無線リソース制御方法。
(付記3)
前記無線リソースの動作組の決定は、電気通信システムの目的に従って前記複数の目的関数結果に対して最適な目的関数結果に関連するスケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組を識別することを含む、
付記1に記載の無線リソース制御方法。
(付記4)
前記目的関数はリワード関数を含み、
前記スケーリングされた負荷推定の前記相対的な最適な組は、更に、前記複数の基地局について最大化される前記リワード関数に関連する、
付記3に記載の無線リソース制御方法。
(付記5)
前記最大化されるリワード関数は、前記複数の基地局に関連する複数の端末についての推定される最大最小比を含む、
付記4に記載の無線リソース制御方法。
(付記6)
前記複数の目的関数結果の夫々は、前記複数の基地局の推定されるレートを含み、
前記無線リソースの動作組の決定は、前記複数の基地局の前記推定されるレートに少なくとも部分的に基づく、
付記3に記載の無線リソース制御方法。
(付記7)
前記推定されるレートは、前記複数の基地局の夫々についての平均端末位置に基づく、
付記6に記載の無線リソース制御方法。
(付記8)
前記複数の目的関数の決定は、
前記スケーリングされた負荷推定の複数組の夫々に基づき前記複数の基地局へリソースを割り当てることと、
前記複数の基地局の各基地局によって達成されるレートを含むフィードバックを受信することと
を更に含む、付記3に記載の無線リソース制御方法。
(付記9)
複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する初期負荷推定の単一組に基づき、スケーリングされた負荷推定の複数組を計算し、該スケーリングされた負荷推定の複数組の各組は、複数のスケールファクタのうちの1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含み、
複数の目的関数結果を決定し、該複数の目的関数結果の各目的関数結果は、前記スケーリングされた負荷推定の複数組のうちの個々の組ごとの目的関数の結果に少なくとも部分的に基づき、
前記複数の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき前記複数の基地局のための無線リソースの動作組を決定する
動作を実行するようプロセッサによって実行可能なプログラミングコードが符号化されている非一時的なコンピュータ可読媒体を含む中央コントローラ。
(付記10)
前記無線リソースの動作組の決定は、更に、ノイズレベル、基地局の数、基地局間の距離、及び端末密度のうちの少なくとも1つに少なくとも部分的に基づく、
付記9に記載の中央コントローラ。
(付記11)
前記無線リソースの動作組の決定は、電気通信システムの目的に従って前記複数の目的関数結果に対して最適な目的関数結果に関連するスケーリングされた負荷推定の相対的な最適な組を識別することを含む、
付記9に記載の中央コントローラ。
(付記12)
前記目的関数はリワード関数を含み、
前記スケーリングされた負荷推定の前記相対的な最適な組は、更に、前記複数の基地局について最大化される前記リワード関数に関連する、
付記11に記載の中央コントローラ。
(付記13)
前記最大化されるリワード関数は、前記複数の基地局に関連する複数の端末についての推定される最大最小比を含む、
付記12に記載の中央コントローラ。
(付記14)
前記複数の目的関数結果の夫々は、前記複数の基地局の推定されるレートを含み、
前記無線リソースの動作組の決定は、前記複数の基地局の前記推定されるレートに少なくとも部分的に基づく、
付記11に記載の中央コントローラ。
(付記15)
前記推定されるレートは、前記複数の基地局の夫々についての平均端末位置に基づく、
付記14に記載の中央コントローラ。
(付記16)
前記複数の目的関数の決定は、
前記スケーリングされた負荷推定の複数組の夫々に基づき前記複数の基地局へリソースを割り当てることと、
前記複数の基地局の各基地局によって達成されるレートを含むフィードバックを受信することと
を更に含む、付記11に記載の中央コントローラ。
(付記17)
複数の基地局の推定される無線リソース負荷に関連する初期負荷推定の単一組を受信し、
複数のスケールファクタのうちの第1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含むスケーリングされた負荷推定の第1の組を計算し、
前記スケーリングされた負荷推定の第1の組についての目的関数の第1の結果に少なくとも部分的に基づき第1の目的関数結果を決定し、
前記複数のスケールファクタのうちの第1のスケールファクタによってスケーリングされた前記初期負荷推定の単一組を含むスケーリングされた負荷推定の第2の組を計算し、
前記スケーリングされた負荷推定の第2の組についての前記目的関数の第2の結果に少なくとも部分的に基づき第2の目的関数結果を決定し、
前記第1の目的関数結果及び前記第2の目的関数結果に少なくとも部分的に基づき前記複数の基地局のための無線リソースの動作組を決定する
適応グラフ彩色方法。
(付記18)
前記第1の目的関数結果は、前記複数の基地局の第1の総和レートを含み、前記第2の目的関数結果は、前記複数の基地局の第2の総和レートを含む、
付記17に記載の適応グラフ彩色方法。
(付記19)
前記第1の総和レート及び前記第2の総和レートは推定される、
付記18に記載の適応グラフ彩色方法。
(付記20)
前記第1の総和レート及び前記第2の総和レートは、前記複数の基地局からフィードバックとして受信される、
付記18に記載の適応グラフ彩色方法。