(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、周囲車両が非等速で動くことが考慮されていないため、周囲車両の位置変化を精度良く予測することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、周辺車両の位置変化を精度よく予測することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、自車両の周辺を走行する周辺車両を検出する検出部と、前記検出部の検出結果を参照して前記周辺車両の位置変化を予測する予測部であって、第1の車両と前記第1の車両の直後を走行する第2の車両とについて、前記第2の車両が前記第1の車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測する予測部と、を備え、前記予測部は、
前記検出部が物体を検出する検出範囲内において前記第2の車両の直前に存在すると推定される前記第1の車両として処理した周辺車両を、前記検出部がロストした場合、前記第1の車両に相当する第1の仮想車両を設定し、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測する車両制御装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記予測部は、
前記第2の車両の直前であって前記第2の車両から所定の距離以内に存在する前記第1の車両として処理した周辺車両を
継続的に検出していた状態から前記検出部がロストした場合
において、前記検出部が物体を検出する範囲内において前記ロストした前記第1の車両が前記第2の車両の直前に存在すると推定される場合、前記第1の車両に相当する第1の仮想車両を
前記第1の車両が存在すると推定される前記第2の車両の直前の位置に設定するものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の車両制御装置であって、前記予測部は、前記第1の車両と前記第2の車両との距離が基準距離以内となった場合、前記第2の車両が走行する車線に隣接する車線に
前記第2の車両に相当する第2の仮想車両を設定するものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のうちいずれか1項記載の車両制御装置であって、前記予測部は、前記第2の車両の速度が前記第1の車両の速度に対して基準速度以上速い場合、前記第2の車両が走行する車線に隣接する車線に
前記第2の車両に相当する第2の仮想車両を設定するものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、自車両の周辺を走行する周辺車両の位置を検出する検出部を備える車両制御装置のコンピュータが、前記検出部の検出結果を参照して前記周辺車両の位置変化を予測し、第1の車両と前記第1の車両の直後を走行する第2の車両とについて、前記第2の車両が前記第1の車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測し、
前記検出部が物体を検出する検出範囲内において前記第2の車両の直前に存在すると推定される前記第1の車両として処理した周辺車両を、前記検出部がロストした場合、前記第1の車両に相当する第1の仮想車両を設定し、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測する車両制御方法である。
【0011】
請求項6記載の発明は、自車両の周辺を走行する周辺車両の位置を検出する検出部を備える車両制御装置のコンピュータに、前記検出部の検出結果を参照して前記周辺車両の位置変化を予測し、第1の車両と前記第1の車両の直後を走行する第2の車両とについて、前記第2の車両が前記第1の車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測させ、
前記検出部が物体を検出する検出範囲内において前記第2の車両の直前に存在すると推定される前記第1の車両として処理した周辺車両を、前記検出部がロストした場合、前記第1の車両に相当する第1の仮想車両を設定させ、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測させるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、5、および6記載の発明によれば、予測部が、第1の車両と前記第1の車両の直後を走行する第2の車両とについて、前記第2の車両が前記第1の車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測することにより、周辺車両の位置変化を精度よく予測することができる。
【0013】
請求項
1、2
、5、6記載の発明によれば、前記予測部は、前記第1の車両として処理した周辺車両を前記検出部がロストした場合、前記第1の車両に相当する第1の仮想車両を設定し、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に追いつくと予測される場合、追いついた後、前記第2の車両が前記第1の仮想車両に対して一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定して、前記第2の車両の位置変化を予測することにより、車両が特定できない場合であっても、周辺車両の位置変化を精度よく予測することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、前記予測部は、前記第1の車両と前記第2の車両との距離が基準距離以内となった場合、前記第2の車両が走行する車線に隣接する車線に第2の仮想車両を設定することにより、第1の車両が車線変更することを予測し、予測結果に基づいて自車両を制御することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、前記予測部は、前記予測部は、前記第2の車両の速度が前記第1の車両の速度に対して基準速度以上速い場合、前記第2の車両が走行する車線に隣接する車線に第2の仮想車両を設定することにより、第1の車両が車線変更することを予測し、予測結果に基づいて自車両を制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。
【0018】
<第1の実施形態>
[車両構成]
図1は、第1の実施形態に係る車両制御装置100が搭載された車両(以下、自車両Mと称する)の有する構成要素を示す図である。車両制御装置100が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の自動車であり、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関を動力源とした自動車や、電動機を動力源とした電気自動車、内燃機関および電動機を兼ね備えたハイブリッド自動車等を含む。また、上述した電気自動車は、例えば、二次電池、水素燃料電池、金属燃料電池、アルコール燃料電池等の電池により放電される電力を使用して駆動する。
【0019】
図1に示すように、車両には、ファインダ20−1から20−7、レーダ30−1から30−6、およびカメラ40等のセンサと、ナビゲーション装置50と、上述した車両制御装置100とが搭載される。ファインダ20−1から20−7は、例えば、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を測定するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。例えば、ファインダ20−1は、フロントグリル等に取り付けられ、ファインダ20−2および20−3は、車体の側面やドアミラー、前照灯内部、側方灯付近等に取り付けられる。ファインダ20−4は、トランクリッド等に取り付けられ、ファインダ20−5および20−6は、車体の側面や尾灯内部等に取り付けられる。上述したファインダ20−1から20−6は、例えば、水平方向に関して150度程度の検出範囲を有している。また、ファインダ20−7は、ルーフ等に取り付けられる。ファインダ20−7は、例えば、水平方向に関して360度の検出範囲を有している。
【0020】
上述したレーダ30−1および30−4は、例えば、奥行き方向の検出範囲が他のレーダよりも広い長距離ミリ波レーダである。また、レーダ30−2、30−3、30−5、30−6は、レーダ30−1および30−4よりも奥行き方向の検出範囲が狭い中距離ミリ波レーダである。以下、ファインダ20−1から20−7を特段区別しない場合は、単に「ファインダ20」と記載し、レーダ30−1から30−6を特段区別しない場合は、単に「レーダ30」と記載する。レーダ30は、例えば、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体を検出する。
【0021】
カメラ40は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の個体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ40は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ40は、例えば周期的に繰り返し自車両Mの前方を撮像する。
【0022】
なお、
図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0023】
図2は、第1の実施形態に係る車両制御装置100を中心とした自車両Mの機能構成図である。自車両Mには、ファインダ20、レーダ30、およびカメラ40の他、ナビゲーション装置50と、車両センサ60と、操作デバイス70と、操作検出センサ72と、切替スイッチ80と、走行駆動力出力装置90、ステアリング装置92、およびブレーキ装置94と、車両制御装置100とが搭載される。
【0024】
ナビゲーション装置50は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や地図情報(ナビ地図)、ユーザインターフェースとして機能するタッチパネル式表示装置、スピーカ、マイク等を有する。ナビゲーション装置50は、GNSS受信機によって自車両Mの位置を特定し、その位置からユーザによって指定された目的地までの経路を導出する。ナビゲーション装置50により導出された経路は、経路情報134として記憶部130に格納される。自車両Mの位置は、車両センサ60の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、車両制御装置100が手動運転モードを実行している際に、目的地に至る経路について音声やナビ表示によって案内を行う。なお、自車両Mの位置を特定するための構成は、ナビゲーション装置50とは独立して設けられてもよい。また、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の一機能によって実現されてもよい。この場合、端末装置と車両制御装置100との間で無線または通信によって情報の送受信が行われる。
【0025】
車両センサ60は、自車両Mの速度(車速)を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0026】
操作デバイス70は、例えば、アクセルペダルやステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー等を含む。操作デバイス70には、運転者による操作の有無や量を検出する操作検出センサ72が取り付けられている。操作検出センサ72は、例えば、アクセル開度センサ、ステアリングトルクセンサ、ブレーキセンサ、シフト位置センサ等を含む。操作検出センサ72は、検出結果としてのアクセル開度、ステアリングトルク、ブレーキ踏量、シフト位置等を走行制御部120に出力する。なお、これに代えて、操作検出センサ72の検出結果が、直接的に走行駆動力出力装置90、ステアリング装置92、またはブレーキ装置94に出力されてもよい。
【0027】
切替スイッチ80は、運転者等によって操作されるスイッチである。切替スイッチ80は、機械式のスイッチであってもよいし、ナビゲーション装置50のタッチパネル式表示装置に設けられるGUI(Graphical User Interface)スイッチであってもよい。切替スイッチ80は、運転者が手動で運転する手動運転モードと、運転者が操作を行わない(或いは手動運転モードに比して操作量が小さい、または操作頻度が低い)状態で走行する自動運転モードとの切替指示を受け付け、走行制御部120による制御モードを自動運転モードまたは手動運転モードのいずれか一方に指定する制御モード指定信号を生成する。
【0028】
走行駆動力出力装置90は、例えば、エンジンと走行用モータのうち一方または双方を含む。走行駆動力出力装置90がエンジンのみを有する場合、走行駆動力出力装置90は更にエンジンを制御するエンジンECU(Electronic Control Unit)を含む。エンジンECUは、例えば、走行制御部120から入力される情報に従い、スロットル開度やシフト段等を調整することで、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を制御する。走行駆動力出力装置90が走行用モータのみを有する場合、走行駆動力出力装置90は、走行用モータを駆動するモータECUを含む。モータECUは、例えば、走行用モータに与えるPWM信号のデューティ比を調整することで、車両が走行するための走行駆動力を制御する。走行駆動力出力装置90がエンジンと走行用モータの双方を含む場合は、エンジンECUとモータECUの双方が協調して走行駆動力を制御する。
【0029】
ステアリング装置92は、例えば、ラックアンドピニオン機能等に力を作用させて転舵輪の向きを変更可能な電動モータ、ステアリング操舵角(または実舵角)を検出する操舵角センサ等を備える。ステアリング装置92は、走行制御部120から入力される情報に従い、電動モータを駆動する。
【0030】
ブレーキ装置94は、ブレーキペダルになされたブレーキ操作が油圧として伝達されるマスターシリンダー、ブレーキ液を蓄えるリザーバータンク、各車輪に出力される制動力を調節するブレーキアクチュエータ等を備える。ブレーキ装置94は、走行制御部120から入力される情報に従い、所望の大きさのブレーキトルクが各車輪に出力されるように、ブレーキアクチュエータ等を制御する。なお、ブレーキ装置94は、上記説明した油圧により作動する電子制御式ブレーキ装置に限らず、電動アクチュエーターにより作動する電子制御式ブレーキ装置であってもよい。
【0031】
[車両制御装置]
以下、車両制御装置100について説明する。車両制御装置100は、例えば、外界認識部102と、自車位置認識部104と、行動計画生成部106と、車線変更制御部110と、走行制御部120と、制御切替部122と、記憶部130とを備える。外界認識部102、自車位置認識部104、行動計画生成部106、車線変更制御部110、走行制御部120、および制御切替部122のうち一部または全部は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラムを実行することにより機能するソフトウェア機能部である。また、これらのうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。また、記憶部130は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等で実現される。プログラムは、予め記憶部130に格納されていてもよいし、車載インターネット設備等を介して外部装置からダウンロードされてもよい。また、プログラムを格納した可搬型記憶媒体が図示しないドライブ装置に装着されることで記憶部130にインストールされてもよい。
【0032】
外界認識部102は、ファインダ20、レーダ30、カメラ40等の出力に基づいて、周辺車両の位置、および速度等の状態を認識する。本実施形態における周辺車両とは、自車両Mの周辺を走行する車両であって、自車両Mと同じ方向に走行する車両である。周辺車両の位置は、他車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、他車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、上記各種機器の情報に基づいて周辺車両の加速度、車線変更をしているか否か(あるいはしようとしているか否か)を含んでもよい。外界認識部102は、周辺車両の位置の履歴や方向指示器の作動状態等に基づいて、車線変更をしているか否か(あるいはしようとしているか否か)を認識する。また、外界認識部102は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。以下、ファインダ20、レーダ30、およびカメラ40と、外界認識部102とを合わせたものを、周辺車両を検出する「検出部DT」と称する。検出部DTは、更に、周辺車両との通信によって周辺車両の位置や速度等の状態を認識してもよい。
【0033】
自車位置認識部104は、記憶部130に格納された地図情報132と、ファインダ20、レーダ30、カメラ40、ナビゲーション装置50、または車両センサ60から入力される情報とに基づいて、自車両Mが走行している車線(自車線)、および、走行車線に対する自車両Mの相対位置を認識する。地図情報132は、例えば、ナビゲーション装置50が有するナビ地図よりも高精度な地図情報であり、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。
図3は、自車位置認識部104により走行車線に対する自車両Mの相対位置が認識される様子を示す図である。自車位置認識部104は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部104は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
【0034】
行動計画生成部106は、所定の区間における行動計画を生成する。所定の区間とは、例えば、ナビゲーション装置50により導出された経路のうち、高速道路等の有料道路を通る区間である。なお、これに限らず、行動計画生成部106は、任意の区間について行動計画を生成してもよい。
【0035】
行動計画は、例えば、順次実行される複数のイベントで構成される。イベントには、例えば、自車両Mを減速させる減速イベントや、自車両Mを加速させる加速イベント、走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させるレーンキープイベント、走行車線を変更させる車線変更イベント、自車両Mに前方車両を追い越させる追い越しイベント、分岐ポイントにおいて所望の車線に変更させたり、現在の走行車線を逸脱しないように自車両Mを走行させたりする分岐イベント、車線合流ポイントにおいて自車両Mを加減速させ、走行車線を変更させる合流イベント等が含まれる。例えば、有料道路(例えば高速道路等)においてジャンクション(分岐点)が存在する場合、車両制御装置100は、自動運転モードにおいて、自車両Mを目的地の方向に進行するように車線を変更したり、車線を維持したりする必要がある。従って、行動計画生成部106は、地図情報132を参照して経路上にジャンクションが存在していると判明した場合、現在の自車両Mの位置(座標)から当該ジャンクションの位置(座標)までの間に、目的地の方向に進行することができる所望の車線に車線変更するための車線変更イベントを設定する。
【0036】
図4は、ある区間について生成された行動計画の一例を示す図である。図示するように、行動計画生成部106は、目的地までの経路に従って走行した場合に生じる場面を分類し、個々の場面に即したイベントが実行されるように行動計画を生成する。なお、行動計画生成部106は、自車両Mの状況変化に応じて動的に行動計画を変更してもよい。
【0037】
[車線変更イベント]
車線変更制御部110は、行動計画生成部106により行動計画に含まれる車線変更イベントが実施される際の制御を行う。車線変更制御部110は、例えば、ターゲット位置決定部112と、他車位置変化予測部113と、車線変更可能期間導出部114と、制御計画生成部115とを備える。
【0038】
ターゲット位置決定部112は、周辺車両の配置に基づいて、車線変更のターゲット位置である車線変更ターゲット位置Tを決定する。
【0039】
他車位置変化予測部113は、検出部DTにより検出された周辺車両のうち、車線変更に干渉する可能性が高い周辺車両(以下の例では3台の周辺車両)について、将来の位置変化を予測する。以下、車線変更に干渉する可能性が高い周辺車両を、監視対象車両mA、mB、mCと称する。
【0040】
車線変更可能期間導出部114は、他車位置変化予測部113により予測された監視対象車両mA、mB、およびmCの位置変化に基づいて、車線変更ターゲット位置Tに対する車線変更可能期間Pを導出する。
【0041】
以下、ターゲット位置決定部112、他車位置変化予測部113、および車線変更可能期間導出部114の処理について、フローチャートを参照しながら説明する。
図5は、車線変更後存在可能期間を導出するための処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0042】
まず、他車位置変化予測部113が、監視対象車両mA、mB、およびmCを特定する(ステップS100)。自車両Mと監視対象車両mA、mB、およびmCとの関係(位置分布)は、例えば、mA−mB−M−mC、mB−mA−M−mC、mA−M−mB−mC・・・のように6通りのパターンに類型化される。なお、先に記載される車両ほど、前を走行していることを表す。
図6は、監視対象車両と自車両および車線変更ターゲット位置との位置関係の一例を示す図である。
図6では、監視対象車両の位置関係は、mB−mC−mA−Mであるものとする。監視対象車両mAは、自車両Mと同じ車線において自車両Mの直前を走行する車両(以下、前走車両)である。また、監視対象車両mBは、車線変更ターゲット位置Tの直前を走行する周辺車両であり、監視対象車両mCは、車線変更ターゲット位置Tの直後を走行する周辺車両である。
【0043】
次に、他車位置変化予測部113が、監視対象車両mA、mB、およびmCの将来の位置変化を予測する(ステップS102)。ところで、上述したステップS102の将来の位置変化は、例えば、車両が現在の速度を保ったまま走行すると仮定した定速度モデル、車両が現在の加速度を保ったまま走行すると仮定した定加速度モデル、その他、種々のモデルに基づいて予測することができる。監視対象車両mA、mB、およびmCの位置変化は、例えば監視対象車両の速度に基づいて、mA>mB>mC、mA>mC>mB、mB>mA>mC・・・のように6通りのパターンに類型化される。
図7は、自車両と監視対象車両の位置関係の一例を示す図である。
図7では、監視対象車両の速度は、mA>mC>mBであるものとする。
図7における縦軸は、自車両Mを基準とした進行方向に関する変位を、横軸は経過時間を、それぞれ表している。図中、車線変更後存在可能領域とは、車線変更を行った後、監視対象車両が同じ傾向で走行を続けた場合に、自車両Mが存在できる進行方向に関する変位の領域を示している。例えば、「速度:mA>mC>mB」の場合において、車線変更可能領域は監視対象車両mAの変位よりも下側にある、すなわち車線変更を行う前には自車両Mが監視対象車両mAよりも前に出ないように制約されるが、車線変更を行った後は、監視対象車両mAよりも前に出ても問題無いことを示している。この車線変更後存在可能領域は、制御計画生成部115の処理に用いられる。
【0044】
例えば将来の位置変化を定速度モデルで予測した場合、
図7の例では、時間Tを超えると監視対象車両mCは、監視対象車両mBを追い抜くことになる。しかしながら、実際には、監視対象車両mCは、監視対象車両mBに近づいた場合に、衝突を回避するために減速し、減速後に監視対象車両mBと一定距離を保ちながら追従して走行する場合がある。このため将来の位置変化を定速度モデルのみに基づいて予測する場合、位置変化を精度よく予測ことができない場合があった。
【0045】
これに対して、本実施形態の車両制御装置100は、必要に応じて追従走行モデルを適用することで、周辺車両の将来位置を予測する。追従走行モデルとは、後方の車両が前方の車両と一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定したモデルである。
図8は、追従走行モデルを適用した場合の自車両と監視対象車両の位置関係の変化の一例を示す図である。他車位置変化予測部113は、追従走行モデルによれば監視対象車両mCが監視対象車両mBに追いつくと予測される時間Tよりも若干前の時間T*において(或いは一定距離まで近づいた時点において)、監視対象車両mCは監視対象車両mBに対して一定距離を保ちながら追従して走行し始めると仮定する。これによって、他車位置変化予測部113は、ある車両が他の車両に追いついた場合に生じる可能性が高い追従走行状態を反映させて位置変化の予測を行うことができる。この結果、他車位置変化予測部113は、精度よく周辺車両の位置変化を予測することができる。
【0046】
次に、車線変更可能期間導出部114は、他車位置変化予測部113により予測された監視対象車両mA、mB、およびmCの位置変化に基づいて、車線変更可能期間の開始時点を決定する(ステップS104)。
【0047】
ここで、車線変更の開始時点を決定するためには、「監視対象車両mAが監視対象車両mCを追い抜く時点」、「自車両Mが監視対象車両mCを追い抜く時点」といった要素が存在し、これを解くためには自車両Mの加減速に関する仮定が必要となる。この点、車線変更可能期間導出部114は、例えば、加速するのであれば、現在の自車両Mの速度から急加速とならない範囲内で、法定速度を上限として速度変化曲線を導出し、監視対象車両mCの位置変化と合わせて「自車両Mが監視対象車両mCを追い抜く時点」を決定する。
【0048】
次に、車線変更可能期間導出部114は、他車位置変化予測部113により予測された監視対象車両mA、mB、およびmCの位置変化に基づいて、車線変更可能期間の終了時点を決定する(ステップS106)。車線変更可能期間導出部114は、例えば、監視対象車両mCが監視対象車両mBに追いつき、監視対象車両mCと監視対象車両mBとの距離が所定距離となったときを終了時点と決定する。そして、車線変更可能期間導出部114は、ステップS104で決定した開始時点とステップS106で決定した終了時点に基づいて、車線変更可能期間を導出する(ステップS108)。また、車線変更可能期間導出部114は、車線変更後存在可能期間を導出しておく(ステップS110)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
【0049】
[制御計画]
制御計画生成部115は、ターゲット位置決定部112により決定された車線変更ターゲット位置Tについて、他車位置変化予測部113により予測された監視対象車両mA、mB、およびmCの位置変化に基づいて、車線変更のための制御計画を生成する。
【0050】
図9は、制御計画生成部115により生成される車線変更のための制御計画の一例を示す図である。制御計画生成部115は、まず、車線変更可能領域に進入可能な自車両Mの速度の制約を求める。自車両Mの速度の制約は、車線変更可能期間P内に車線変更可能領域に進入できることを含む。また、自車両Mの速度の制約は、車線変更後において、前走車両となる監視対象車両mBに追従走行することを含んでもよい。この場合、追従走行を開始した時点では、自車両Mが車線変更可能領域から逸脱し、車線変更後存在可能領域に進入してもよい。
【0051】
更に、制御計画生成部115は、図示した場面においては自車両Mが監視対象車両mCを追い抜いてから車線変更する必要があるため、自車両Mの進行方向に関する変位が監視対象車両mCの進行方向に関する変位よりも十分に大きくなったポイント(図中、CP)で車線変更を開始するように、制御計画を生成する。
【0052】
このような制御によって、車線変更制御部110は、円滑な車線変更制御を実現することができる。
【0053】
[走行制御]
走行制御部120は、制御切替部122による制御によって、制御モードを自動運転モードあるいは手動運転モードに設定し、設定した制御モードに従って制御対象を制御する。走行制御部120は、自動運転モード時において、行動計画生成部106によって生成された行動計画情報136を読み込み、読み込んだ行動計画情報136に含まれるイベントに基づいて制御対象を制御する。このイベントが車線変更イベントである場合、走行制御部120は、制御計画生成部115により生成された制御計画に従い、ステアリング装置92における電動モータの制御量(例えば回転数)と、走行駆動力出力装置90におけるECUの制御量(例えばエンジンのスロットル開度やシフト段等)とを決定する。走行制御部120は、イベントごとに決定した制御量を示す情報を、対応する制御対象に出力する。これによって、制御対象の各装置(90、92、94)は、走行制御部120から入力された制御量を示す情報に従って、自装置を制御することができる。また、走行制御部120は、車両センサ60の検出結果に基づいて、決定した制御量を適宜調整する。
【0054】
また、走行制御部120は、手動運転モード時において、操作検出センサ72により出力される操作検出信号に基づいて制御対象を制御する。例えば、走行制御部120は、操作検出センサ72により出力された操作検出信号を、制御対象の各装置にそのまま出力する。
【0055】
制御切替部122は、行動計画生成部106によって生成された行動計画情報136に基づいて、走行制御部120による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。また、制御切替部122は、切替スイッチ80から入力される制御モード指定信号に基づいて、走行制御部120による自車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに、または手動運転モードから自動運転モードに切り換える。すなわち、走行制御部120の制御モードは、運転者等の操作によって走行中や停車中に任意に変更することができる。
【0056】
また、制御切替部122は、操作検出センサ72から入力される操作検出信号に基づいて、走行制御部120による車両Mの制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、制御切替部122は、操作検出信号に含まれる操作量が閾値を超える場合、すなわち、操作デバイス70が閾値を超えた操作量で操作を受けた場合、走行制御部120の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。例えば、自動運転モードに設定された走行制御部120によって自車両Mが自動走行している場合において、運転者によってステアリングホール、アクセルペダル、またはブレーキペダルが閾値を超える操作量で操作された場合、制御切替部122は、走行制御部120の制御モードを自動運転モードから手動運転モードに切り換える。これによって、車両制御装置100は、人間等の物体が車道に飛び出して来たり、前方車両が急停止したりした際に運転者により咄嗟になされた操作によって、切替スイッチ80の操作を介さずに直ぐさま手動運転モードに切り替えることができる。この結果、車両制御装置100は、運転者による緊急時の操作に対応することができ、走行時の安全性を高めることができる。
【0057】
以上説明した第1の実施形態の車両制御装置100によれば、車線変更可能期間導出部114が、車線変更可能な車線変更可能期間Pを、周辺車両(監視対象車両)の位置変化に基づいて導出することにより、車線変更のための制御計画の生成といった種々の処理に役立てることができる。また、第1の実施形態の車両制御装置100は、周辺車両の位置変化を追従走行モデルに基づいて導出することにより、精度よく周辺車両の位置変化を予測することができる。
【0058】
また、第1の実施形態の車両制御装置100によれば、制御計画生成部115が、車線変更可能期間導出部114により導出された車線変更可能期間P内に車線変更ターゲット位置Tに車線変更するための速度の制約を導出し、導出した速度の制約下で制御計画を生成することにより、実現不可能な制御計画が立てられるような事態が生じるのを抑制することができる。
【0059】
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態における車両制御装置100は、車両のロストが生じた場合に仮想車両(第1の仮想車両)を設定する点で、第1の実施形態と相違する。以下、係る相違点を中心に説明する。
【0060】
図10は、第2の実施形態における車両制御装置100の処理の流れを示すフローチャートである。本処理は、例えば「自車両が走行中」であると判定されている間、繰り返し実行される。まず、他車位置変化予測部113が、検出部DTにより検出された周辺車両であり、同一車線を直前直後の関係で自車両前方を走行する二つの周辺車両を、監視対象車両として特定する(ステップS200)。次に、他車位置変化予測部113は、ステップS200で特定した2つの監視対象車両において、後方の車両(以下、「後方車両」という。)が前方の車両(以下、「前方車両」という。)に追いつく場合、追従走行モデルを適用して後方車両の位置変化を予測する(ステップS202)。
【0061】
次に、他車位置変化予測部113は、前方車両をロストしたか否かを判定する(ステップS204)。前方車両をロストしたと判定した場合、他車位置変化予測部113は、前方車両の位置に仮想車両を設定する(ステップS206)。前方車両の位置に仮想車両を設定する処理をした後、または前方車両をロストしていないと判定した場合、本処理の1ルーチンは終了する。
【0062】
上述した処理において、前方車両の位置に仮想車両が設定された場合(ステップS206)、次のルーチンの処理では、他車位置変化予測部113が、検出部DTにより検出された周辺車両のうち、1つ前のルーチンの処理で設定した仮想車両とその後方車両を特定する(ステップS200)。次に、他車位置変化予測部113が、ステップS200で特定した後方車両が、1つ前のルーチンの処理において設定された仮想車両に追いつく場合、追従走行モデルを適用して後方車両の位置変化を予測してもよい(ステップS202)。
【0063】
車両制御装置100は、必要に応じて追従走行モデルを適用することで、周辺車両の将来位置を予測する。本実施形態における追従走行モデルとは、後方車両が設定された仮想車両(前方車両)と一定距離を保ちながら追従して走行すると仮定したモデルである。これによって、他車位置変化予測部113は、ある車両が他の車両に追いついた場合に生じる可能性が高い追従走行状態を反映させて位置変化の予測を行うことができる。この結果、他車位置変化予測部113は、精度よく周辺車両の位置変化を予測することができる。
【0064】
図11は、前方車両をロストした場面の一例を示す図である。図示する例では、ある時間においては、他車位置変化予測部113は、前方車両mDを認識することができたものとする(左図)。ある時間から所定時間後においては、他車位置変化予測部113は、自車線L2を走行する前方車両mDが後方車両mEによって、ファインダ20による光やレーダ30による電波等が遮られるため、後続の自車両M側から前方車両mDが認識できなくなっている。
【0065】
このような場合、他車位置変化予測部113は、ロスト前の前方車両mD、または後方車両mEの位置や、加速度、速度等に基づいて、前方車両mDの存在を予測する。他車位置変化予測部113は、ロスト前の前方車両mD、または後方車両mEの位置や、加速度、速度等に基づいて、仮想車両mD#を設定する(右図)。この際、他車位置変化予測部113は、ロスト前の前方車両mDの速度として仮想車両mD#の速度を設定してもよいし、静止体(速度ゼロ)として仮想車両mD#を設定してもよい。
【0066】
なお、第2の実施形態では、前方車両mDおよび後方車両mEは自車線の前方を走行しているものとして説明したが、前方車両mDおよび後方車両mEは、自車線に隣接する車線を走行していてもよいし、自車両の後方を走行していてもよい。
【0067】
以上説明した第2の実施形態における車両制御装置100によれば、前方車両をロストした場合に仮想車両を設定することにより、第1の実施形態と同様に、より精度よく周辺車両の位置変化を予測することができる。
【0068】
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態における車両制御装置100は、2つの監視対象車両のうち、後方の車両(以下、「後方車両」という。)が、その直前を走行する前方の車両(以下、「前方車両」という。)に追いつくと予測した場合、追いついて追従走行するだけでなく、隣接車線に車線変更する可能性もあると予測する。このため、他車位置変化予測部113は、後方車両が走行する車線に隣接する隣接車線において仮想車両(第2の仮想車両)を設定する。以下、係る相違点を中心に説明する。
【0069】
図12は、第3の実施形態に係る車両制御装置100により実行される処理の流れを示すフローチャートである。まず、他車位置変化予測部113が、検出部DTにより検出された周辺車両であり、同一車線を直前直後の関係で走行する二つの周辺車両を、監視対象車両として特定する(ステップS300)。
【0070】
次に、他車位置変化予測部113は、ステップS300で特定した監視対象車両の前方車両の速度が後方車両の速度に比して遅いか否かを判定する(ステップS302)。ステップS300で特定した前方車両の速度が後方車両の速度以上であると判定した場合、ステップS300の処理に戻る。
【0071】
ステップS300で特定した前方車両の速度が後方車両の速度より遅いと判定した場合、他車位置変化予測部113は、前方車両と後方車両との車間距離が基準距離以内であるか否かを判定する(ステップS304)。前方車両と後方車両との車間距離が基準距離以内でない場合、ステップS300の処理に戻る。
【0072】
前方車両と後方車両との車間距離が基準距離以内である場合、他車位置変化予測部113は、後方車両が走行する車線に隣接する車線において、後方車両と並走する仮想車両を設定する(ステップS306)。これにより本フローチャートの処理を終了する。
【0073】
図13は、仮想車両の設定位置を示す図である。他車位置変化予測部113は、後方車両mGが走行する車線に隣接する車線L1およびL3において、後方車両mGと並走する仮想車両mG#1およびmG#2を設定する。なお、車線が2車線の場合、他車位置変化予測部113は、自車線に隣接する車両に仮想車両を1つ設定する。
【0074】
後方車両mGは、前方車両mFに近づいた場合に、衝突を回避するために減速し、減速後に前方車両mFと「一定距離」を保って追従して走行する。この場合、ステップS304の「基準距離(図中、「L」)」は、「一定距離」よりも長くてもよいし、短くてもよい。「基準距離」が「一定距離」よりも長い場合、車両制御装置100は、迅速に後方車両mGの車線変更を予測することができるため、安全性を高めることができる。また、「基準距離」が「一定距離」よりも短い場合、車両制御装置100は、後方車両mGが車線変更をする意思がないにも関わらず、車線変更を予測することを抑制することができるため、自車両Mの誤作動を防止することができる。
【0075】
なお、ステップS302の判定(設定された基準の判定)およびステップS304の判定(設定された基準の判定)のうち、いずれか一方の判定を省略してもよい。例えばステップS304を省略する場合、他車位置変化予測部113は、ステップS300で特定した監視対象車両の後方車両の速度が前方車両の速度に対して基準速度以上、速いか否かを判定する(ステップS302参照)。ステップS300で特定した監視対象車両の後方車両の速度が前方車両の速度に対して基準速度以上、速い場合、他車位置変化予測部113は、後方車両が走行する車線に隣接する車線において、後方車両と並走する仮想車両を設定する(ステップS306参照)。ステップS300で特定した監視対象車両の後方車両の速度が前方車両の速度に対して基準速度以上、速くない場合、ステップS300の処理に戻る。
【0076】
以上説明した第3の実施形態の車両制御装置100は、後方車両が、その直前を走行する前方車両に追いつくと予測した場合、追いついて追従走行するだけでなく、隣接車線に車線変更する可能性もあると予測し、後方車両が走行する車線に隣接する隣接車線において仮想車両(第2の仮想車両)を設定する。この結果、車両制御装置100は、後方車両の車線変更を予測し、予測結果に基づいて自車両を制御することができる。
【0077】
なお、第2の実施形態と第3の実施形態を組み合わせてもよい。例えば、車両制御装置100は、前方車両をロストした場合に後方車両の前に仮想車両を設定するのに加えて、その前方車両または仮想車両と後方車両とが設定された基準を満たした場合において、後方車両の隣接車線に仮想車両を設定してもよい。その前方車両または仮想車両と後方車両とが設定された基準を満たした場合とは、例えば前方車両または仮想車両と後方車両との車間距離が基準距離以内である場合や、後方車両の速度が前方車両または仮想車両の速度に対して基準速度以上、速い場合等である。
【0078】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。