特許第6442785号(P6442785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6442785水素運搬管理装置、水素運搬管理システム、および水素運搬管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442785
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】水素運搬管理装置、水素運搬管理システム、および水素運搬管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 61/00 20060101AFI20181217BHJP
   F17C 13/02 20060101ALI20181217BHJP
   B60S 5/02 20060101ALI20181217BHJP
   G06Q 50/30 20120101ALI20181217BHJP
【FI】
   B65G61/00 542
   F17C13/02 301Z
   B60S5/02
   G06Q50/30
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-78011(P2015-78011)
(22)【出願日】2015年4月6日
(65)【公開番号】特開2016-196367(P2016-196367A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2018年1月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】太田 英俊
(72)【発明者】
【氏名】岸田 太
(72)【発明者】
【氏名】大場 潤
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−287197(JP,A)
【文献】 特開2002−373230(JP,A)
【文献】 特開2006−235846(JP,A)
【文献】 特開2006−146431(JP,A)
【文献】 特開2016−183041(JP,A)
【文献】 特開2002−193400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 61/00
G06Q 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素供給源から水素ステーションへの水素の運搬を管理する水素運搬管理装置であって、
日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測部と、
前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理部と、
を備える水素運搬管理装置。
【請求項2】
前記受信部は、日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報と前記水素ステーションに設けられた位置データ取得装置から取得された位置データとを含むステーション情報を受信し、
前記管理部は、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記ステーション情報に含まれる最新の位置データに基づいて前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離を算出し、前記距離に基づいて水素の運搬時間を取得する、
請求項1記載の水素運搬管理装置。
【請求項3】
水素を貯蔵する水素ステーションに設けられた制御装置と、管理装置とがネットワークを介して接続され、水素供給源から前記水素ステーションへの水素の運搬を管理する水素運搬管理システムであって、
前記水素ステーションに、気象データを取得する気象データ取得装置を備え、
前記制御装置は、
前記気象データ取得装置から前記気象データを取り込み、前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を取得し、日時を示す日時情報と前記気象データと前記残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を前記管理装置に送信する送信部を備え、
前記管理装置は、
前記送信部が送信した前記ステーション情報を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測部と、
前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理部と、を備える、
水素運搬管理システム。
【請求項4】
前記水素ステーションに、位置データを取得する位置データ取得部を更に備え、
前記送信部は、前記気象データ取得装置から前記気象データを取り込み、前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を取得し、前記位置データ取得部から前記位置データを取り込み、日時を示す日時情報と前記気象データと前記残量を示す貯蔵残量情報と前記位置データとを含むステーション情報を、前記管理装置に送信し、
前記管理部は、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記ステーション情報に含まれる最新の位置データに基づいて前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離を算出し、前記距離に基づいて水素の運搬時間を取得する、
請求項3記載の水素運搬管理システム。
【請求項5】
水素供給源から水素ステーションへの水素の運搬を管理するコンピュータを、
日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を、前記水素ステーションに設けられた制御装置から受信する受信手段、
前記受信手段が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶手段、
前記記憶手段に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測手段、
前記予測手段が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理手段、
として機能させるための水素運搬管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素運搬管理装置、水素運搬管理システム、および水素運搬管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
水素を燃料とするFCV(Fuel Cell Vehicle;燃料電池自動車)に水素を充填するための水素スタンド(以下、水素ステーションという。)が知られている(例えば、特許文献1参照)。水素供給源から水素ステーションには、水素ガスを圧縮水素ガスのトレーラにより運搬するのがコストの面で一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−130295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、圧縮水素ガスはガソリン燃料のような液体ではないので、水素ステーションの限られた敷地内では、多数のFCVに充填できるほどの圧縮水素ガスを貯蔵することができない。水素ステーションの圧縮水素ガスの貯蔵残量が少なくなってからトレーラによる圧縮水素ガスの運搬を依頼した場合、トレーラが到着する前に水素ステーションの水素ガスの貯蔵残量が無くなってしまうという事態が起こり得る。また、水素ステーションの圧縮水素ガスの貯蔵残量が少なくなった段階でトレーラによる圧縮水素ガスの運搬を依頼したものの、FCVが水素ステーションに水素ガスの補給に来ない場合、運搬された新たなトレーラを留め置いて、先に留め置いていた(水素ガスが残っている)トレーラを返すことになり、無駄が生じる場合がある。特に、水素ステーションが水素供給源から遠く離れている場合や、敷地面積に余裕がない都市部密集地域に存在する場合には、タイミングよく圧縮水素ガスを運搬する必要がある。また、液体水素の場合であっても、水素ステーションの液体水素の貯蔵残量が少なくなってからトレーラによる液体水素の運搬を依頼した場合、トレーラが到着する前に水素ステーションの液体水素の貯蔵残量が無くなってしまうという事態も起こり得る。そのため、液体水素の場合にも、タイミングよく液体水素を運搬する必要がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、水素供給源から水素ステーションに、タイミングよく水素を運搬させるための制御を行うことができる、水素運搬管理装置、水素運搬管理システム、および水素運搬管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である水素運搬管理装置は、水素供給源から水素ステーションへの水素の運搬を管理する水素運搬管理装置であって、日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測部と、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理部と、を備える。
【0007】
[2]上記[1]記載の水素運搬管理装置において、前記受信部は、日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報と前記水素ステーションに設けられた位置データ取得装置から取得された位置データとを含むステーション情報を受信し、前記管理部は、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記ステーション情報に含まれる最新の位置データに基づいて前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離を算出し、前記距離に基づいて水素の運搬時間を取得する。
【0008】
[3]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である水素運搬管理システムは、水素を貯蔵する水素ステーションに設けられた制御装置と、管理装置とがネットワークを介して接続され、水素供給源から前記水素ステーションへの水素の運搬を管理する水素運搬管理システムであって、前記水素ステーションに、気象データを取得する気象データ取得装置を備え、前記制御装置は、前記気象データ取得装置から前記気象データを取り込み、前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を取得し、日時を示す日時情報と前記気象データと前記残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を前記管理装置に送信する送信部を備え、前記管理装置は、前記送信部が送信した前記ステーション情報を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測部と、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理部と、を備える。
【0009】
[4]上記[3]記載の水素運搬管理システムにおいて、前記水素ステーションに、位置データを取得する位置データ取得部を更に備え、前記送信部は、前記気象データ取得装置から前記気象データを取り込み、前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を取得し、前記位置データ取得部から前記位置データを取り込み、日時を示す日時情報と前記気象データと前記残量を示す貯蔵残量情報と前記位置データとを含むステーション情報を、前記管理装置に送信し、前記管理部は、前記予測部が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記ステーション情報に含まれる最新の位置データに基づいて前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離を算出し、前記距離に基づいて水素の運搬時間を取得する。
【0010】
[5]上記の課題を解決するため、本発明の一態様である水素運搬管理プログラムは、水素供給源から水素ステーションへの水素の運搬を管理するコンピュータを、日時を示す日時情報と前記水素ステーションに設けられた気象データ取得装置から取得された気象データと前記水素ステーションに備えられている容器に貯蔵された水素の残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を、前記水素ステーションに設けられた制御装置から受信する受信手段、前記受信手段が受信した前記ステーション情報を逐次記憶する記憶手段、前記記憶手段に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の前記容器の水素の残量を予測する予測手段、前記予測手段が予測した前記水素の残量が残量閾値以下である場合に、前記水素供給源から前記水素ステーションまでの距離に基づいて水素の運搬時間を取得し、前記所定時間から前記運搬時間を差し引いた時間の経過時を、前記容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、前記水素供給源からの発車時刻として決定する管理手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、水素供給源から水素ステーションに、タイミングよく水素を運搬させるための制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施形態である水素運搬管理システムの概略の構成を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態において、記憶部が記憶するステーション情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。
図3】第1の実施形態において、管理装置がステーション情報テーブルに基づいて運搬車情報を生成する処理の手順の例を示すフローチャートである。
図4】本発明の第2の実施形態である水素運搬管理システムの概略の構成を示すブロック図である。
図5】第2の実施形態において、記憶部が記憶するステーション情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。
図6】第2の実施形態において、管理装置がステーション情報テーブルに基づいて運搬車情報を生成する処理の手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態では、水素ステーションに貯蔵される水素として圧縮水素ガスを用いた例について説明する。
図1は、第1の実施形態である水素運搬管理システムの概略の構成を示すブロック図である。図1に示すように、水素運搬管理システム1は、制御装置10と、気象データ取得装置20と、管理装置30(水素運搬管理装置)と、基地制御装置40と、ネットワーク50とを含む。制御装置10および気象データ取得装置20は、水素ステーションSに設置されている。管理装置30は、管理センタCに設置されている。基地制御装置40は、水素供給源Bに設置されている。
【0014】
水素ステーションSは、圧縮水素ガスを貯蔵する図示しない容器を備えた定置式の水素ガス供給所である。水素ステーションSは、水素ガスの充填のために来場したFCVが有する水素貯蔵容器に対し、容器から差圧を利用して水素ガスを充填する。
管理センタCは、管理装置30を管理する。
水素供給源Bは、水素ガスを水素ステーションSに供給する拠点である。例えば、水素供給源Bは水素発生源である。この場合、水素供給源Bは、水素ガスを生成して圧縮水素ガス容器に充填する図示しない水素ガス生成システムと、圧縮水素ガスが充填された容器を運搬するための水素運搬車(トレーラ)とを有する。管理センタCの管理装置30からの指示を受け付けた基地制御装置40の制御に基づいて、水素供給源Bは、水素ステーションSに備えられている容器(以下、「水素ステーションの容器」という。)と交換するための容器を積載した水素運搬車を水素ステーションSに向けて発車させる。なお、水素運搬車に積載される容器には、容器の容量の限度(以下、「満量」という。)まで水素が貯蔵されている。
【0015】
制御装置10と、管理装置30と、基地制御装置40とは、ネットワーク50を介して通信可能に接続されている。ネットワーク50は、例えば、インターネットプロトコル(Internet Protocol;IP)によって通信可能なコンピュータネットワークである。
つまり、水素運搬管理システム1は、水素ステーションSに設けられた制御装置10と、管理センタCに設けられた管理装置30とがネットワーク50を介して接続され、水素供給源Bから水素ステーションSへの圧縮水素ガスの運搬を管理する。
【0016】
気象データ取得装置20は、制御装置10からの制御に基づいて、気象データを取得し、この気象データを制御装置10に供給する。気象データは、水素ステーションSにおける気象に関するデータである。例えば、気象データ取得装置20は、気象データとして、気温、湿度、気圧、降水量、風速を計測する。
なお、気象データ取得装置20は、例えば、インターネット上の気象情報ウェブサイトから、水素ステーションSが存在する地域の気象データを取得してもよい。
【0017】
制御装置10は、気象データ取得装置20を制御する。図1に示すように、制御装置10は、送信部11を備える。送信部11は、気象データ取得装置20から気象データを取り込み、水素ステーションSに備えられている容器に貯蔵された圧縮水素ガスの残量を取得する。そして、送信部11は、現時点の日時を示す日時情報と気象データと残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を、一定時間おき、または定時に管理装置30に送信する。例えば、一定時間おきは“1時間おき”であり、定時は“8時”、“11時”、“15時”、“18時”、および“21時”である。
【0018】
管理装置30は、水素ステーションSの制御装置10が送信するステーション情報を受信し、逐次記憶する。また、管理装置30は、記憶したステーション情報に基づいて、水素運搬車の発車時刻を決定し、発車時刻を示す運搬車情報を基地制御装置40に送信する。図1に示すように、管理装置30は、受信部31と、記憶部32と、予測部33と、管理部34とを備える。
【0019】
受信部31は、制御装置10の送信部11が送信したステーション情報を受信し、この受信したステーション情報を記憶部32に逐次記憶させる。
記憶部32は、受信部31が受信したステーション情報を、水素ステーションごとにステーション情報テーブルに追記して記憶する。ここで、ステーション情報テーブルの具体例について説明する。
図2は、第1の実施形態において、記憶部32が記憶するステーション情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。図2に示すように、ある水素ステーション(例えば、水素ステーションS)に対応するステーション情報テーブルは、例えば、1時間ごとのステーション情報を含む。例えば、ステーション情報は、ステーション番号と、年月日曜と、祝日フラグと、時分と、気温と、湿度と、気圧と、降水量と、風速と、貯蔵残量とを含む。
【0020】
ステーション番号は、水素ステーションSを特定する識別情報である。年月日曜は、制御装置10がステーション情報を生成したときの日付(年、月、日、および曜日)を示す情報である。祝日フラグは、年月日曜が示す日が国民の祝日(休日)であるか否かを示すフラグ情報である。例えば、祝日フラグは、“1”である場合に祝日、“0”である場合に非祝日を意味する。時分は、制御装置10がステーション情報を生成したときの時刻(時および分)を示す情報である。気温、湿度、気圧、降水量、および風速は、気象データ取得装置20が取得した、水素ステーションSにおける気温、湿度、気圧、降水量、および風速を示す情報である。気温、湿度、気圧、降水量、および風速は、気象データである。貯蔵残量は、水素ステーションSの容器の圧縮水素ガスの残量を示す貯蔵残量情報である。
【0021】
図2のステーション情報テーブルには、ステーション番号が“17”、年月日曜が“2014.12.23.Tue”(2014年12月23日水曜日)、祝日フラグが“1”(祝日であることを示す。)、時分が“10:00”(午前10時0分)、気温が“8”(セ氏8度)、湿度が“55”(55%)、気圧が“1010”(1010hPa)、降水量が“0”(0mm)、風速が“2”(2m/s)、貯蔵残量が“1250”(1250Nm)であるステーション情報が記憶されている。
また、図2のステーション情報テーブルには、上記のステーション情報に続けて、ステーション番号が“17”、年月日曜が“2014.12.23.Tue”(2014年12月23日水曜日)、祝日フラグが“1”(祝日であることを示す。)、時分が“11:00”(午前11時0分)、気温が“8”(セ氏8度)、湿度が“54”(54%)、気圧が“1008”(1008hPa)、降水量が“0”(0mm)、風速が“3”(3m/s)、貯蔵残量が“1224”(1224Nm)であるステーション情報が記憶されている。
このように、図2のステーション情報テーブルには、水素ステーションSについての1時間おきのステーション情報(日時情報、気象データ、および貯蔵残量情報)が格納されている。
【0022】
図1の説明に戻り、例えば、記憶部32は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置により実現される。
【0023】
予測部33は、記憶部32に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSの容器の水素の残量を予測する。この所定時間は、水素供給源Bから水素ステーションSまでの道路上の距離に応じて適宜決定される時間である。例えば、この所定時間は、容器を積載した水素運搬車が水素供給源Bを出発してから水素ステーションSに到着し、容器を交換し終えるまでの予想時間を超える時間とするのが好ましい。
【0024】
例えば、予測部33は、下記の式(1)により所定時間後の水素ステーションSの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。式(1)において、mは月日、dは曜日、sは祝日フラグ、tは時刻、wは気象データである。
【0025】
【数1】
【0026】
例えば、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、ならびに、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度を求めることによりステーション情報テーブルのステーション情報を総合的に評価する。この処理によって算出される類似度を、各ステーション情報の評価値とする。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。評価のファクタとして気象データを用いる理由は、水素ステーションSにおけるFCVへの充填需要が天候により影響を受けやすいためである。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる貯蔵残量情報が示す貯蔵残量値の平均値を算出する。すなわち、この平均値が残量予測値V(ハット)である。
なお、予測部33は、現時点に近い年月日曜を含むステーション情報に含まれる貯蔵残量値ほど大きな重み付けをした加重平均を算出してもよい。これにより、より新しいステーション情報を考慮して残量予測値V(ハット)を算出することができる。
【0027】
管理部34は、予測部33が予測した残量予測値V(ハット)が残量閾値以下である場合に、水素供給源Bから水素ステーションSまでの道路上の距離に基づいた圧縮水素ガスの容器の運搬時間を取得する。この運搬時間は、予め求められて記憶部32に記憶された情報であってもよいし、水素供給源Bから水素ステーションSまでの道路上の距離に基づいて算出された情報であってもよい。管理部34は、前記の所定時間から運搬時間を差し引いた時間の経過時を、水素運搬車の、水素供給源Bからの発車時刻として決定する。管理部34は、発車時刻を示す運搬車情報を生成し、この運搬車情報を基地制御装置40に送信する。
【0028】
基地制御装置40は、管理装置30が送信した運搬車情報を受信し、この運搬車情報が示す発車時刻をオペレータに提示する。具体的に、例えば、基地制御装置40は、発車時刻を図示しない表示装置に表示させる。発車時刻の提示に応じて、水素運搬車は、提示された発車時刻に水素ステーションSに向けて発車する。
【0029】
次に、第1の実施形態における管理装置30の動作について説明する。
図3は、管理装置30がステーション情報テーブルに基づいて運搬車情報を生成する処理の手順の例を示すフローチャートである。
管理装置30の受信部31は、水素ステーションSの制御装置10が送信するステーション情報を受信するたびに、この受信したステーション情報を記憶部32に記憶されたステーション情報テーブルに追記する。受信部31がステーション情報を記憶部32に記憶させる、つまりステーション情報テーブルを更新すると(ステップS1:YES)、ステップS2の処理に進める。一方、ステーション情報テーブルが更新されなかった場合(ステップS1:NO)、ステップS1の処理が繰り返し実行される。
ステップS2において、予測部33は、記憶部32に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSの容器の圧縮水素ガスの残量を予測する。
予測部33は、予測結果である残量予測値V(ハット)が残量閾値以下であるか否かを判定し、残量予測値V(ハット)が残量閾値以下である場合(ステップS3:YES)はステップS4の処理に進め、残量予測値V(ハット)が残量閾値を超える場合(ステップS3:NO)はステップS1の処理に戻す。
【0030】
ステップS4において、管理部34は、水素供給源Bから水素ステーションSまでの道路上の距離に基づいた圧縮水素ガスの容器の運搬時間を取得する。例えば、管理部34は、予め求められて記憶部32に記憶された運搬時間を読み出す。
次に、ステップS5において、管理部34は、前記の所定時間から運搬時間を差し引いた時間の経過時を、水素運搬車の水素供給源Bからの発車時刻として決定する。そして、管理部34は、発車時刻を示す運搬車情報を生成する。次に、管理部34は、ステップS1の処理に戻す。
【0031】
第1の実施形態における管理装置30は、水素供給源Bから水素ステーションSへの圧縮水素ガスの運搬を管理する水素運搬管理装置である。管理装置30は、日時を示す日時情報と水素ステーションSに設けられた気象データ取得装置20から取得された気象データと水素ステーションSの容器に貯蔵された圧縮水素ガスの残量を示す貯蔵残量情報とを含むステーション情報を受信する受信部31を備える。また、管理装置30は、受信部31が受信したステーション情報を逐次記憶する記憶部32を備える。また、管理装置30は、記憶部32に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSの容器の水素の残量を予測する予測部33を備える。また、管理装置30は、予測部33が予測した容器の水素の残量が残量閾値以下である場合に、水素供給源Bから水素ステーションSまでの距離に基づいて圧縮水素ガスの運搬時間を取得し、前記の所定時間から運搬時間を差し引いた時間の経過時を、水素ステーションSの容器と交換するための水素が貯蔵された容器を積載した水素運搬車の、水素供給源Bからの発車時刻として決定する管理部34を備える。
この構成により、管理装置30は、現在以前の日時情報、気象データ、および貯蔵残量情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSの容器の圧縮水素ガスの残量を予測し、この予測値が残量閾値以下である場合に、容器の空き容量を満たす分の圧縮水素ガスを運搬する水素運搬車の発車時刻を決定する。これにより、水素ステーションSは、容器の圧縮水素ガスの貯蔵残量が残量閾値以下となるタイミングで、新たな圧縮水素ガスの供給を受けることができる。
【0032】
以下、第1の実施形態における水素運搬管理システム1の変形例について説明する。
本実施形態では、水素供給源Bが水素発生源である場合を例に説明したが、水素供給源Bは液化水素の輸入などによって収集した水素を大量に集積している拠点であってもよい。この場合、水素供給源Bは、大量に集積した水素を貯蔵する容器と、水素運搬車(トレーラ)とを有する。
予測部33は、個別識別可能な顧客の情報を加味して、所定時間後の水素ステーションSの容器の残量予測値V(ハット)を算出するように構成されてもよい。ここで、個別識別可能な顧客とは、会員カードのように顧客情報が予め登録されたカードを所持している顧客である。このように構成される場合、ステーション情報には、図2に示したステーション情報に加えて、顧客IDおよび水素ガス充填量の情報が含まれる。顧客IDは、会員カードを所持しているユーザを識別するための識別情報を表す。なお、会員カードを所持していないユーザは、顧客IDの項目に会員カードを所持していない旨(例えば、“−”)が記録される。水素ガス充填量は、FCVに充填された水素ガスの量を表す。以下、具体的な処理について説明する。
【0033】
予測部33は、下記の式(2)により、現時点から所定時間後の水素ステーションSの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。式(2)において、Vstartは交換容器貯蔵量、fは個別識別可能な顧客のステーション情報、fは個別識別できない顧客のステーション情報(会員カードを所持していない顧客のステーション情報)、mは月日、dは曜日、sは祝日フラグ、tは時刻、wは気象データである。ここで、交換容器貯蔵量は、水素ステーションSの容器と交換される容器の貯蔵量を表す。つまり、交換容器貯蔵量は、水素運搬車に積載される容器の貯蔵量である。本実施形態では、水素運搬車に積載される容器の貯蔵量は、満量である。予測部33は、水素ステーションSの容器が交換された最新のタイミング(現時点)から所定時間後の水素ステーションSの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。
【0034】
【数2】
【0035】
例えば、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する、個別識別可能な顧客の過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度を求めることによりステーション情報テーブルの個別識別可能な顧客に対応するステーション情報を総合的に評価する。この処理によって算出される類似度を、個別識別可能な顧客のステーション情報の第1評価値とする。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも第1評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。なお、上記式(2)のnは、予め決められた評価閾値よりも第1評価値が高いステーション情報に対応する個別識別可能な顧客の数を表す。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる水素ガス充填量が示す値の加算値を算出する。
【0036】
また、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する、個別識別できない顧客(個別識別可能な顧客以外の顧客)の過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度を求めることによりステーション情報テーブルの個別識別できない顧客に対応するステーション情報を総合的に評価する。この処理によって算出される類似度を、個別識別できない顧客のステーション情報の第2評価値とする。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも第2評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる水素ガス充填量の平均値を算出する。
その後、予測部33は、交換容器貯蔵量、算出した加算値及び平均値残量に基づいて残量予測値V(ハット)を算出する。
【0037】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態である水素運搬管理システムの概略の構成を示すブロック図である。第2の実施形態では、第1の実施形態と構成が異なる点についてのみ説明する。第2の実施形態である水素運搬管理システム1aにおいて、水素ステーションSaは可動式の水素ガス供給所である。具体的に、例えば、水素ステーションSaは、事前に申請した1つ以上の地点を移動する水素ガス供給車である。制御装置10とネットワーク機器(例えば、管理装置30)とは、無線ネットワークを含むネットワーク50を介して通信可能に接続されている。
【0038】
水素ステーションSaには、制御装置10および気象データ取得装置20の他、位置データ取得装置60が設置されている。
位置データ取得装置60は、水素ステーションSaの位置を計測し、この位置を示す位置情報を制御装置10に供給する。例えば、位置情報は、緯度、経度、および高度を示す情報である。例えば、位置データ取得装置60は、GPS(Global Positioning System)により実現される。
【0039】
つまり、水素運搬管理システム1aは、可動式の水素ステーションSaに設けられた制御装置10と、管理センタCに設けられた管理装置30とがネットワーク50を介して接続され、水素供給源Bから水素ステーションSaへの圧縮水素ガスの運搬を管理する。
【0040】
制御装置10は、気象データ取得装置20および位置データ取得装置60を制御する。送信部11は、気象データ取得装置20から気象データを取り込み、水素ステーションSaの容器に貯蔵された圧縮水素ガスの残量を取得し、位置データ取得装置60から位置データを取り込む。そして、送信部11は、現時点の日時を示す日時情報と気象データと残量を示す貯蔵残量情報と位置データとを含むステーション情報を、一定時間おき、または定時に管理装置30に送信する。
【0041】
管理装置30の受信部31は、制御装置10の送信部11が送信したステーション情報を受信し、この受信したステーション情報を記憶部32に逐次記憶させる。
記憶部32は、受信部31が受信したステーション情報を、水素ステーションごとにステーション情報テーブルに追記して記憶する。ここで、ステーション情報テーブルの具体例について説明する。
図5は、第2の実施形態において、記憶部32が記憶するステーション情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。図5に示すように、ある水素ステーション(例えば、水素ステーションS)に対応するステーション情報テーブルは、例えば、1時間ごとのステーション情報を含む。ステーション情報は、図2に示したステーション情報に加えて、位置情報を含む。位置情報は、位置データ取得装置60が取得した水素ステーションSaの位置を示す情報である。
【0042】
図5のステーション情報テーブルには、ステーション番号が“17”、年月日曜が“2014.12.23.Tue”(2014年12月23日水曜日)、祝日フラグが“1”(祝日であることを示す。)、時分が“10:00”(午前10時0分)、気温が“8”(セ氏8度)、湿度が“55”(55%)、気圧が“1010”(1010hPa)、降水量が“0”(0mm)、風速が“2”(2m/s)、貯蔵残量が“1250”(1250Nm)、位置情報が“XXXX”であるステーション情報が記憶されている。
また、図5のステーション情報テーブルには、上記のステーション情報に続けて、ステーション番号が“17”、年月日曜が“2014.12.23.Tue”(2014年12月23日水曜日)、祝日フラグが“1”(祝日であることを示す。)、時分が“11:00”(午前11時0分)、気温が“8”(セ氏8度)、湿度が“54”(54%)、気圧が“1008”(1008hPa)、降水量が“0”(0mm)、風速が“3”(3m/s)、貯蔵残量が“1224”(1224Nm)、位置情報が“YYYY”であるステーション情報が記憶されている。
このように、図5のステーション情報テーブルには、水素ステーションSaについての1時間おきのステーション情報(日時情報、気象データ、貯蔵残量情報、および位置情報)が格納されている。
【0043】
図4の説明に戻り、予測部33は、記憶部32に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSaの容器の水素の残量を予測する。この所定時間は、水素供給源Bから水素ステーションSaまでの道路上の距離に応じて適宜決定される時間である。例えば、この所定時間は、水素ステーションSaが事前に申請した地点において水素供給源Bから最も遠く離れた場所にある場合を前提とし、容器を積載した水素運搬車が水素供給源Bを出発してから水素ステーションSaに到着し、容器を交換し終えるまでの予想時間を超える時間とするのが好ましい。
【0044】
例えば、予測部33は、下記の式(3)により所定時間後の水素ステーションSaの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。式(3)において、mは月日、dは曜日、sは祝日フラグ、tは時刻、wは気象データ、gは位置情報である。
【0045】
【数3】
【0046】
例えば、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度、ならびに現時点の水素ステーションSaの位置に基づいてステーション情報テーブルのステーション情報を総合的に評価する。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる貯蔵残量情報が示す貯蔵残量値の平均値を算出する。すなわち、この平均値が残量予測値V(ハット)である。
なお、予測部33は、現時点に近い年月日曜を含むステーション情報に含まれる貯蔵残量値ほど大きな重み付けをした加重平均を算出してもよい。これにより、より新しいステーション情報を考慮して残量予測値V(ハット)を算出することができる。
【0047】
管理部34は、予測部33が予測した圧縮水素ガスの残量予測値V(ハット)が残量閾値以下である場合に、ステーション情報テーブルに含まれる最新の位置情報に基づいて水素供給源Bから水素ステーションSaまでの距離を算出し、この算出した距離に基づいて圧縮水素ガスの容器の運搬時間を算出する。管理部34は、前記の所定時間から運搬時間を差し引いた時間の経過時を、水素運搬車の、水素供給源Bからの発車時刻として決定する。管理部34は、発車時刻を示す運搬車情報を生成し、この運搬車情報を基地制御装置40に送信する。
【0048】
次に、第2の実施形態における管理装置30の動作について説明する。
図6は、管理装置30がステーション情報テーブルに基づいて運搬車情報を生成する処理の手順の例を示すフローチャートである。
管理装置30の受信部31は、水素ステーションSaの制御装置10が送信するステーション情報を受信するたびに、この受信したステーション情報を記憶部32に記憶されたステーション情報テーブルに追記する。受信部31がステーション情報を記憶部32に記憶させる、つまりステーション情報テーブルを更新すると(ステップS21:YES)、ステップS22の処理に進める。一方、ステーション情報テーブルが更新されなかった場合(ステップS21:NO)、ステップS21の処理が繰り返し実行される。
ステップS22において、予測部33は、記憶部32に記憶されたステーション情報に基づいて、現時点から所定時間後の水素ステーションSにおける容器の圧縮水素ガスの残量を予測する。
予測部33は、予測結果である残量予測値V(ハット)が残量閾値以下であるか否かを判定し、残量予測値V(ハット)が残量閾値以下である場合(ステップS23:YES)はステップS24の処理に進め、残量予測値V(ハット)が残量閾値を超える場合(ステップS23:NO)はステップS21の処理に戻す。
【0049】
ステップS24において、管理部34は、ステーション情報テーブルに含まれる最新の位置情報に基づいて水素供給源Bから水素ステーションSaまでの距離を算出し、この算出した距離に基づいて圧縮水素ガスの容器の運搬時間を算出する。
次に、ステップS25において、管理部34は、前記の所定時間から運搬時間を差し引いた時間の経過時を、水素運搬車の水素供給源Bからの発車時刻として決定する。そして、管理部34は、発車時刻を示す運搬車情報を生成する。次に、管理部34は、ステップS21の処理に戻す。
【0050】
第2の実施形態における管理装置30において、受信部31は、日時を示す日時情報と水素ステーションSaに設けられた気象データ取得装置20から取得された気象データと水素ステーションSaの容器に貯蔵された圧縮水素ガスの残量を示す貯蔵残量情報と水素ステーションSaに設けられた位置データ取得装置60から取得された位置データとを含むステーション情報を受信する。また、管理装置30において、管理部34は、予測部33が予測した容器の圧縮水素ガスの残量が残量閾値以下である場合に、ステーション情報に含まれる最新の位置データに基づいて水素供給源Bから水素ステーションSaまでの距離を算出し、この算出した距離に基づいて圧縮水素ガスの運搬時間を取得する。
これにより、可動式の水素ステーションSaは、容器の圧縮水素ガスの貯蔵残量が残量閾値以下となるタイミングで、新たな圧縮水素ガスの供給を受けることができる。
【0051】
以下、第2の実施形態における水素運搬管理システム1aの変形例について説明する。
本実施形態では、水素供給源Bが水素発生源である場合を例に説明したが、水素供給源Bは液化水素の輸入などによって収集した水素を大量に集積している拠点であってもよい。この場合、水素供給源Bは、大量に集積した水素を貯蔵する容器と、水素運搬車(トレーラ)とを有する。
予測部33は、第1の実施形態と同様に個別識別可能な顧客の情報を加味して、所定時間後の水素ステーションSaの容器の残量予測値V(ハット)を算出するように構成されてもよい。このように構成される場合、ステーション情報には、図5に示したステーション情報に加えて、顧客IDおよび水素ガス充填量の情報が含まれる。以下、具体的な処理について説明する。
【0052】
予測部33は、下記の式(4)により、現時点から所定時間後の水素ステーションSaの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。式(4)において、Vstartは水素ステーションSaの容器の交換容器貯蔵量、fは個別識別可能な顧客のステーション情報、fは個別識別できない顧客のステーション情報(会員カードを所持していない顧客のステーション情報)、mは月日、dは曜日、sは祝日フラグ、tは時刻、wは気象データ、gは位置情報である。予測部33は、水素ステーションSaに水素が補充された最新のタイミング(現時点)から所定時間後の水素ステーションSaの容器の残量予測値V(ハット)を算出する。
【0053】
【数4】
【0054】
例えば、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する、個別識別可能な顧客の過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度、ならびに現時点の水素ステーションSaの位置に基づいてステーション情報テーブルの個別識別可能な顧客に対応するステーション情報を総合的に評価する。この処理によって算出される類似度を、個別識別可能な顧客のステーション情報の第3評価値とする。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも第3評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。なお、上記式(4)のnは、予め決められた評価閾値よりも第3評価値が高いステーション情報に対応する個別識別可能な顧客の数を表す。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる水素ガス充填量が示す値の加算値を算出する。
【0055】
また、予測部33は、現時点から所定時間後の日時に対応する、個別識別できない顧客(個別識別可能な顧客以外の顧客)の過去の月日、曜日、時刻、およびその日が祝日か否か、現時点の(最新の)気象とその日の気象との類似度、ならびに現時点の水素ステーションSaの位置に基づいてステーション情報テーブルの個別識別できない顧客に対応するステーション情報を総合的に評価する。この処理によって算出される類似度を、個別識別できない顧客のステーション情報の第4評価値とする。そして、予測部33は、予め決められた評価閾値よりも第4評価値が高いステーション情報をステーション情報テーブルから抽出する。そして、予測部33は、例えば、抽出したステーション情報に含まれる水素ガス充填量の平均値を算出する。
その後、予測部33は、交換容器貯蔵量、算出した加算値及び平均値残量に基づいて残量予測値V(ハット)を算出する。
【0056】
なお、上述した各実施形態は、水素供給源から水素ステーションまで圧縮水素ガスの容器を運搬する水素運搬車の発車時刻を決定する例であった。これ以外にも、各実施形態は、水素供給源から水素ステーションまで液体水素燃料の容器を運搬する水素燃料運搬車の発車時刻を決定する場合にも適用可能である。
また、上述した各実施形態では、水素ステーションの容器に貯蔵される水素および水素運搬車によって運搬される水素として圧縮水素ガスを例に説明したが、水素ステーションの容器に貯蔵される水素および水素運搬車によって運搬される水素は液体水素であってもよい。この場合であっても水素運搬管理システムで行われる処理は、上述した水素ガスの場合と同様の処理である。
また、管理センタCを省略し、管理装置30を水素供給源Bに設置してもよい。また、これにおいて、管理装置30の機能を基地制御装置40上で実現させてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態における管理装置30の一部の機能をコンピュータで実現するようにしてもよい。この場合、その機能を実現するための水素運搬管理プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録された水素運搬管理プログラムをコンピュータシステムに読み込ませて、このコンピュータシステムが実行することにより、当該機能を実現してもよい。なお、このコンピュータシステムとは、オペレーティングシステム(Operating System;OS)や周辺装置のハードウェアを含むものである。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク、メモリカード等の可搬型記録媒体、コンピュータシステムに備えられる磁気ハードディスクやソリッドステートドライブ等の記憶装置のことをいう。さらに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、インターネット等のコンピュータネットワーク、および電話回線や携帯電話網を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、さらには、その場合のサーバ装置やクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持するものを含んでもよい。また上記の水素運搬管理プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせにより実現するものであってもよい。
【0058】
以上により、各実施形態によれば、水素供給源から水素ステーションに、タイミングよく水素を運搬させるための制御を行うことができる。
【0059】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0060】
1、1a…水素運搬管理システム、10…制御装置、11…送信部、20…気象データ取得装置、30…管理装置(水素運搬管理装置)、31…受信部、32…記憶部、33…予測部、34…管理部、40…基地制御装置、50…ネットワーク、60…位置データ取得装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6