特許第6442799号(P6442799)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6442799デバイス間通信方法、ハードウェア及び無線装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442799
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】デバイス間通信方法、ハードウェア及び無線装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 84/18 20090101AFI20181217BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20181217BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20181217BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H04W84/18
   H04W4/06
   H04W88/04
   H04M11/00 302
【請求項の数】22
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-157427(P2014-157427)
(22)【出願日】2014年8月1日
(65)【公開番号】特開2015-76878(P2015-76878A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2017年4月6日
(31)【優先権主張番号】61/886,971
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/180,902
(32)【優先日】2014年2月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318012780
【氏名又は名称】富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100105407
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100175190
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 裕明
(72)【発明者】
【氏名】デュバル・オリビエ
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 章
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−273140(JP,A)
【文献】 特開2013−026704(JP,A)
【文献】 特開2009−177396(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/077090(WO,A1)
【文献】 特開2012−217164(JP,A)
【文献】 特開2010−206613(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0149858(US,A1)
【文献】 特表2002−537687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークにおける無線装置によるデバイス間通信方法であって、
第1のメッセージデータを含む第1のパケットを、前記無線通信ネットワークにおける複数の近隣の無線装置に送信するステップと、
前記複数の近隣の無線装置のうち何れかの無線装置から第2のパケットを受信するステップであって、前記第2のパケットは、前記無線通信ネットワークにおける前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第2の無線装置により生成されており、前記第2のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第2のメッセージデータと前記第1のメッセージデータとを含む、ステップと、
前記第2のパケットを受信したことに応答して、前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第3のパケットを送信するステップであって、前記第3のパケットは前記無線装置により生成された第3のメッセージデータを含む、ステップと
を有するデバイス間通信方法。
【請求項2】
前記第1のパケットが、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置にブロードキャストされるように形成されている、請求項1に記載のデバイス間通信方法。
【請求項3】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第3のパケットは、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置には配信されず、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置により前記第2の無線装置に中継される、請求項1に記載のデバイス間通信方法。
【請求項4】
前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置及び前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置は、異なる無線装置である、請求項3に記載のデバイス間通信方法。
【請求項5】
前記第2のパケットは、前記無線装置及び前記第2の無線装置の間のユニキャスト経路を、前記無線通信ネットワークの1つ以上の無線装置を利用して表現する経路データを含み、前記第3のパケットは前記経路データを含みかつ前記ユニキャスト経路に沿ってユニキャストされる、請求項1に記載のデバイス間通信方法。
【請求項6】
前記無線通信ネットワークの前記1つ以上の無線装置は、前記複数の近隣の無線装置のうちの1つ以上の無線装置を含む、請求項5に記載のデバイス間通信方法。
【請求項7】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、当該デバイス間通信方法は前記複数の近隣の無線装置のうちの第2の無線装置から第4のパケットを受信するステップを有し、前記第4のパケットは、前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない前記無線通信ネットワーク内の第3の無線装置により生成され、前記第4のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第4のメッセージデータと、前記第3の無線装置により生成された第5のメッセージデータと、前記第3のメッセージデータとを含む、請求項1に記載のデバイス間通信方法。
【請求項8】
前記第1のパケットは、前記複数の近隣の無線装置を示す通知と、前記第1のパケットを再送信する予定を立てる際に複数の近隣の無線装置により使用される送信スケジューリング情報とを含む、請求項1に記載のデバイス間通信方法。
【請求項9】
無線通信ネットワークにおける無線装置にデバイス間通信方法を実行させる命令により形成されるハードウェアであって、前記デバイス間通信方法は、
第1のデータを含む第1のパケットを、前記無線通信ネットワークにおける複数の近隣の無線装置に送信するステップと、
前記複数の近隣の無線装置のうち何れかの無線装置から第2のパケットを受信するステップであって、前記第2のパケットは、前記無線通信ネットワークにおける前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第2の無線装置により生成されており、前記第2のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第2のデータと前記第1のデータとを含む、ステップと、
前記第2のパケットを受信したことに応答して、前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第3のパケットを送信するステップであって、前記第3のパケットは前記無線装置により生成された第3のデータを含む、ステップと
を有するハードウェア。
【請求項10】
前記第1のパケットが、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置にブロードキャストされるように形成されている、請求項9に記載のハードウェア。
【請求項11】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第3のパケットは、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置には配信されず、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置により前記第2の無線装置に中継される、請求項9に記載のハードウェア。
【請求項12】
前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置及び前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置は、異なる無線装置である、請求項11に記載のハードウェア。
【請求項13】
前記第2のパケットは、前記無線装置及び前記第2の無線装置の間のユニキャスト経路を、前記無線通信ネットワークの1つ以上の無線装置を利用して表現する経路データを含み、前記第3のパケットは前記経路データを含みかつ前記ユニキャスト経路に沿ってユニキャストされる、請求項9に記載のハードウェア。
【請求項14】
前記無線通信ネットワークの前記1つ以上の無線装置は、前記複数の近隣の無線装置のうちの1つ以上の無線装置を含む、請求項13に記載のハードウェア。
【請求項15】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、前記デバイス間通信方法は前記複数の近隣の無線装置のうちの第2の無線装置から第4のパケットを受信するステップを有し、前記第4のパケットは、前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない前記無線通信ネットワーク内の第3の無線装置により生成され、前記第4のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第4のデータと、前記第3の無線装置により生成された第5のデータと、前記第3のデータとを含む、請求項9に記載のハードウェア。
【請求項16】
前記第1のパケットは、前記複数の近隣の無線装置を示す通知と、前記第1のパケットを再送信する予定を立てる際に複数の近隣の無線装置により使用される送信スケジューリング情報とを含む、請求項9に記載のハードウェア。
【請求項17】
トランシーバとコントローラとを有する無線装置であって、
前記トランシーバは、
第1のパケットを送信する処理と、
第2のパケットを送信する処理と、
複数の近隣の無線装置のうち何れかの無線装置から第3のパケットを受信する処理と
を実行するように形成され、前記第3のパケットは、無線通信ネットワークにおける前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第2の無線装置により生成されており、前記第3のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第1のメッセージデータと当該無線装置により生成された第2のメッセージデータとを含み、
前記コントローラは、
前記第2のメッセージデータを含む前記第1のパケットを生成する処理であって、前記第1のパケットは前記複数の近隣の無線装置に送信されるように形成される、処理と、
前記第3のパケットを受信したことに応答して、当該無線装置により生成された第3のメッセージデータを含む第2のパケットを生成する処理であって、前記第2のパケットは前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成される、処理と
を実行するように形成される、無線装置。
【請求項18】
前記第1のパケットが、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置にブロードキャストされるように形成されている、請求項17に記載の無線装置。
【請求項19】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、前記第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第のパケットは、前記無線通信ネットワーク内の全ての無線装置には配信されず、前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置により前記第2の無線装置に中継される、請求項17に記載の無線装置。
【請求項20】
前記第2のパケットは、前記無線装置及び前記第2の無線装置の間のユニキャスト経路を、前記無線通信ネットワークの1つ以上の無線装置を利用して表現する経路データを含み、前記コントローラは、前記第のパケットが前記ユニキャスト経路に沿ってユニキャストされるように前記経路データを含む前記第2のパケットを生成する、請求項17に記載の無線装置。
【請求項21】
前記複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置が前記複数の近隣の無線装置のうちの第1の無線装置であり、前記トランシーバは、前記複数の近隣の無線装置のうちの第2の無線装置から第4のパケットを受信する処理を行うように形成され、前記第4のパケットは、前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない前記無線通信ネットワーク内の第3の無線装置により生成され、前記第4のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第4のメッセージデータと、前記第3の無線装置により生成された第5のメッセージデータと、前記第3のメッセージデータとを含む、請求項17に記載の無線装置。
【請求項22】
前記コントローラは、前記複数の近隣の無線装置を示す通知を含む前記第1のパケットを生成し、前記第1のパケットを再送信する予定を立てる際に複数の近隣の無線装置により使用される送信スケジューリング情報とを生成するように形成される、請求項17に記載の無線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施の形態はデバイス間通信等に関連する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ及びその他の無線通信ネットワークを利用する電子装置(一般的に「無線装置」と言及する)の普及は、途切れないワイヤレス音声及びデータアクセスを強く求める要請を生み出している。無線通信ネットワークにおいて無線装置を中継局として使用し、途切れない無線アクセスを無線装置に提供することは、ますます重要になりつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の対象は、何らかの欠点を解決する或いは上記のような環境でしか動作しない形態には限定されない。むしろ「背景技術」の欄は本願で説明される実施形態が使用されてもよい技術分野の一例を紹介するために作成されているにすぎない。
一観点による実施の形態の課題は、デバイス間通信を行う無線通信ネットワークにおいてメッセージデータを配信する際のリソースの利用効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、無線通信ネットワークにおける無線装置によるデバイス間通信方法は、第1のメッセージデータを含む第1のパケットを、前記無線通信ネットワークにおける複数の近隣の無線装置に送信するステップを含む。本方法は、前記複数の近隣の無線装置のうち何れかの無線装置から第2のパケットを受信するステップを含む。前記第2のパケットは、前記無線通信ネットワークにおける前記複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第2の無線装置により生成される。前記第2のパケットは、前記第2の無線装置により生成された第2のメッセージデータと前記第1のメッセージデータとを含む。前記第2のパケットを受信したことに応答して、本方法は、前記第2の無線装置へのユニキャストであるように形成された第3のパケットを送信するステップを含む。前記第3のパケットは前記無線装置により生成された第3のメッセージデータを含む。
【発明の効果】
【0005】
実施の形態に関する課題及び恩恵は、本願により具体的に開示される実施形態の要素、特徴及び組み合わせにより少なくとも実現及び享受される。
【0006】
上記の一般的な記述及び以下の詳細な説明は何れも例示的及び説明的であり、本願の内容を限定するものではない。
【0007】
<図面について>
以下、添付図面を参照しながら実施の形態が具体的かつ詳細に説明及び解説される。
【0008】
図1は無線通信ネットワークの一例を示す。
【0009】
図2Aは無線通信ネットワークの別の例を示す。
【0010】
図2B図2Aの無線通信システム例におけるシグナリング例を示す。
【0011】
図3は無線通信ネットワークの一例を示す。
【0012】
図4は無線通信ネットワークで使用される無線装置の一例を示す。
図5は無線通信ネットワークにおける無線装置が実行するデバイス間通信方法の一例を示すフローチャートである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】無線通信ネットワークの一例を示す図。
図2A】無線通信ネットワークの別の例を示す図。
図2B図2Aの無線通信システム例におけるシグナリング例を示す図。
図3】無線通信ネットワークの一例を示す図。
図4】無線通信ネットワークで使用される無線装置の一例を示す図。
図5】無線通信ネットワークにおける無線装置が実行するデバイス間通信方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一実施形態によれば、複数の無線装置を含む無線通信ネットワークは、無線装置同士の間のデバイス間(device-to-device:D2D)通信により、音声データ等のようなメッセージデータを、無線通信ネットワーク内の複数の無線装置全てにブロードキャストすることを促すように形成される。メッセージデータをブロードキャストするために、第1のメッセージデータをブロードキャストするように形成されている第1の無線装置は、第1のメッセージデータとともに第1のパケットを近隣又は近辺の無線装置にブロードキャストする。近隣の無線装置は、第1のパケットを他の近隣の無線装置へ中継する。「中継」は「リレー」等と言及されてもよい。第1のパケットが、メッセージデータをブロードキャストする第2の無線装置により受信されると、第2の無線装置は、第1のメッセージデータを、第2の無線装置が生成した第2のメッセージデータと統合し、統合された第1及び第2のメッセージデータを第2のパケットでブロードキャストする。「統合する」は「アグリゲートする(aggregate)」等と言及されてもよい。第1の無線装置は第2のパケットを受信する。第2のパケットを受信した後、第1の無線装置は追加的なメッセージデータとともに別のパケットを第2の無線装置にユニキャストし、別のパケットの追加的なメッセージデータが、第2の無線装置により生成される別のメッセージデータと統合されるようにする。第2の無線装置は、第1及び第2の無線装置の双方から無線通信ネットワーク内の全ての無線装置へ、統合されたメッセージデータをブロードキャストする。その結果、無線通信ネットワーク内の全ての無線装置にブロードキャストしているのは第2の無線装置のみであるが、無線通信ネットワーク内の全ての無線装置が、第1及び第2の無線装置双方により生成されたメッセージデータを受信できる。全ての無線装置にブロードキャストすることを第1の無線装置に行わせるのではなく、第1の無線装置には第2の無線装置へユニキャストさせることにより、無線通信ネットワークにおいて、より少ないリソースしか消費されずに済む。一実施形態において、第2の無線装置は、第1及び第2の無線装置から第3の無線装置へ、統合されたメッセージデータをユニキャストしてもよい。第3の無線装置は、第1及び第2の無線装置からのメッセージデータを、第3の無線装置によるメッセージデータと統合し、統合されたメッセージデータをブロードキャストしてもよい。一実施形態において、ネットワークは上述したように他の無線装置にユニキャストする無線装置を何台含んでもよく、或る無線装置が、ユニキャストされた統合データをネットワーク内の全ての装置にブロードキャストしてもよい。
【0015】
以下、開示される実施形態を添付図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本願の開示による少なくとも1つの実施形態に従って形成された無線通信ネットワークの一例100(「ネットワーク100」のように言及する)を示す。ネットワーク100は1つ以上の無線装置120に無線通信サービスを提供するように形成されている。無線装置はワイヤレスデバイス等と言及されてもよい。一実施形態において、一部の無線通信サービスは1つ以上のアクセスポイント110により管理されていてもよい。代替的又は追加的に、一部の無線通信サービスは無線装置120により管理されていてもよい。例えば、無線装置120同士の間の何らかのデバイス間(D2D)通信は、アクセスポイント110による管理によらず、無線装置120により管理されていてもよい。
【0017】
無線通信サービスは、音声サービス、データサービス、メッセージサービス及び/又はそれらの適切な任意の組み合わせであってもよい。ネットワーク100は、周波数分割多重アクセス(FDMA)方式のネットワーク、直交FDMA(OFDM)方式のネットワーク、符号分割多重アクセス(CDMA)方式のネットワーク、時間分割多重アクセス(TDMA)方式のネットワーク、シングルキャリア周波数分割多重アクセス(SC-FDMA)方式のネットワーク、及び/又は適切な他の如何なる無線通信ネットワークを含んでいてもよい。一実施形態において、ネットワーク100は、第3世代(3G)無線通信ネットワーク及び/又は第4世代(4G)無線通信ネットワークとして形成されていてもよい。上記及び他の実施形態において、ネットワーク100は、ロングタームエボリューション(LTE)方式の無線通信インネットワーク及び/又はLTEアドバンス(LTE-A)方式の無線通信ネットワークとして形成されてもよい。
【0018】
アクセスポイント110は、適切な如何なる無線通信ネットワーク通信局であってよく、例えば、基地局、エボルブドノードB(eNB)基地局、リモート無線ヘッド(Remote Radio Head:RRH)、LTEスマートセル、その他の適切な任意の通信局等を含んでよいが、これらに限定されない。無線装置120は、無線通信サービスを受けるためにネットワーク100を利用して良い如何なる装置であってもよく、例えば、セルラ電話(機)、スマートフォン、パーソナルデータアシスタント又はパーソナルディジタルアシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、又はその他の適切な任意の類似する装置等を含んでよいが、これらに限定されない。
【0019】
一実施形態では、図示されているように、無線装置120a-120eはアクセスポイント110により管理されるセル112と呼ばれる領域内に位置し、アクセスポイント110は無線装置120a-120eと直接的に無線通信できるように形成されている。無線装置120f-120iはセル112の外側にある。従って無線装置120f-120iはアクセスポイント110と直接的には無線通信できない。一実施形態において、アクセスポイント110は、D2D通信を用いて無線装置120を経由して通信を中継することにより、無線装置120f-120iと通信することができる。一実施形態では、ネットワーク100における全ての無線装置120が、セル112の中に存在していてもよいし、或いは無線装置120がアクセスポイント110又は他のアクセスポイントと通信することを可能にするセルの中に存在していてもよい。代替的又は追加的に、何れの無線装置120もアクセスポイント110と通信できない位置に、無線装置が存在するかもしれない。そのような場合、無線装置120はD2D通信を用いて通信を行ってもよい。上記及び他の実施形態において、無線装置120はネットワーク100における唯一の装置(群)であってもよい。
【0020】
ネットワーク100の中でD2D通信を実行するために、無線装置120は、その無線装置120が無線で通信してよいネットワーク100内の無線装置120を先ず探索する。無線装置120が通信してよい(1つ以上の)無線装置120は、近隣の(1つ以上の)無線装置120と考えられてよい。例えば、無線装置120aは無線装置120b及び120eを近隣(neighbor)としているが、無線装置120d-120iは無線装置120aの近隣ではない場所に位置している。一実施形態において、無線装置120は、近隣のリストを保持し、その近隣のリストを周期的に更新してもよい。
【0021】
無線装置120は様々なタイプのディスカバリ信号を利用して近隣の無線装置120を決定してもよく、例えば、「NETWORK SUPERVISED WIRELESS DEVICE NEIGHBOR DISCOVERY」と題する2013年3月14日に出願されたズー等(Zhu et al.)による米国特許出願第13/828,457号や、「POWER CONTROL OF NEIGHBOR DISCVERY SIGNALS」と題する2013年3月14日に出願されたズー等による米国特許出願第13/828,617号等に記載された技術が利用されてもよく、これらの出願の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。
【0022】
更に、無線装置120はD2D通信の送信パラメータを決定する際に、「NETWORK SUPERVISED DEVICE-TO-DEVICE COMMUNICATION」と題する2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/830,342号や、「WIRELESS COMMUNICATION PRECODER DETERMINATION」と題する2013年12月17日に出願されたズー等による米国特許出願第14/109,650号等に記載されている技術を利用してもよく、これらの出願の内容全体は本願のリファレンスに組み入れられる。
【0023】
近隣を決定した後に(何れの無線装置が近隣の無線装置であるかを判別した後に)、無線装置120は、音声、メッセージ又はデータサービスに起因するデータ(すなわち、データ)のようなメッセージデータを、1つの無線装置120からネットワーク100内の全ての無線装置120へ配信する際にD2D通信を利用してもよい。一実施形態において、無線装置120はD2D通信を用いてメッセージデータを配信する一方、無線装置120は上述したように各自の近隣を探索し続けてもよい、なぜなら無線装置120は移動し続けており、各自の近隣の無線装置120は変わるかもしれないからである。
【0024】
一実施形態において、無線装置120は、アクセスポイント110からの指示無しに、無線装置(群)120の中でデータを配信するように動作してもよい。一実施形態において、1つの無線装置120が複数の無線装置120からのメッセージデータを全ての無線装置120へ配信するように、無線装置120が形成されていてもよい。例えば、1つの無線装置120が複数の無線装置120からメッセージデータをユニキャスト通信により(すなわち、1対1通信により)受信するように形成されていてもよい。複数の無線装置120からメッセージデータを受信する無線装置120は、複数の無線装置120からネットワーク100内の全ての無線装置120へメッセージデータをブロードキャストされてもよい。ネットワークにおけるメッセージデータの配信、及びメッセージデータを配信するための無線装置間D2D通信に関する更なる説明については、第2A図ないし第5図を参照しながら説明される。
【0025】
図2Aは本願で説明される少なくとも1つの実施形態による無線通信ネットワーク200(「ネットワーク200」のように言及する)の別の例を示す。ネットワーク200は、第1、第2、第3、第4、第5の無線装置210a、210b、210c、210d、210eを含み、これらはまとめて無線装置210のように言及される場合がある。無線装置210は図1の無線装置120に類似している。図2Aに示されている例の場合、無線装置210は、近隣の探索(ディスカバリ手順)を実行し、近隣の装置の全部又は大部分のリスト又はその他の記録を取得するように仮定されている。図2Aに示されている矢印は、図2Aに示す装置210の近隣関係を表現している。例えば、第1の無線装置210aは第2、第5の無線装置210b、210eを近隣とし;
第5の無線装置210eは第1の無線装置210aを近隣とし;第2の無線装置210bは第1、3、第4の無線装置210a、210c、210dを近隣とし;第3の無線装置210cは第2、第4の無線装置210b、210dを近隣とし;第4の無線装置210dは第2、第3の無線装置210b、210cを近隣としている。一実施形態において、無線装置210は、近隣の探索(ディスカバリ手順)に基づいて各自の近隣のことを知っているが、ネットワーク200内の他の無線装置210についての情報は通知されていないかもしれない。
【0026】
何れかの無線装置210により生成された何らかのメッセージデータ(例えば、何れかの無線装置210のオペレータからの音声データ)が、ネットワーク200内の全ての無線装置210に提供されるように、無線装置210は形成されていてもよい。図2Aに示す実施形態では、D2D通信を行う無線装置の中でメッセージデータをどのように配信するかについて、如何なるアクセスポイントも他の装置も、無線装置210を指図しなくてよい。
【0027】
メッセージデータを配信する間に、一実施形態では、無線装置210は高々3つの異なる役割を実行する。無線装置210は、他の無線装置210に提供するメッセージデータを有しかつ1つ以上の他の無線装置210にメッセージデータを送信するように形成されたトーキング無線装置(talking wireless device)であってもよい。代替的又は追加的に、無線装置210は、何れかの無線装置210からメッセージデータを受信し、そのメッセージデータを他の無線装置210に送信するリレー無線装置であってもよい。代替的又は追加的に、無線装置210は、メッセージデータを受信するが、メッセージデータを送信しないシンク無線装置であってもよい。代替的又は追加的に、トーキング無線装置は、ブロードキャストを行うトーキング無線装置(ブロードキャストトーキング無線装置)であってもよいし、或いはユニキャストを行うトーキング無線装置(ユニキャストトーキング無線装置)であってもよい。ユニキャストトーキング無線装置は、他の無線装置210に提供するメッセージデータを有し、かつユニキャストトーキング無線装置又はブロードキャストトーキング無線装置の何れかにメッセージデータをユニキャストするように形成されてもよい。ブロードキャストトーキング無線装置は、他の無線装置210に提供するメッセージデータを有し、かつそのメッセージデータ、及び/又は他のユニキャストトーキング無線装置からの他のメッセージデータを、ネットワーク200内の全ての無線装置210にブロードキャストするように形成される。無線装置210は、様々な要因に基づいてそれらの役割を切り替えてもよく、様々な要因は、特に、近隣の無線装置210、近隣の無線装置210がメッセージを既に受信したか否か、無線装置210がメッセージデータを他の無線装置210に提供したか否かなどを含む。
【0028】
無線装置210はパケットを利用してデータを配信するように形成されてもよい。パケットは、無線装置210の間で配信されるメッセージデータと、無線装置210がデータを配信できるようにする他の情報とを含んでよい。例えば、パケットはパケットのタイプに関するタイプデータを含んでもよい。例えば、タイプデータはそれが全ての無線装置210にブロードキャストするためのパケットであることを示してもよい。代替的又は追加的に、タイプデータは、パケットが無線装置210のうちの特定の無線装置宛てのユニキャスト用であることを示してもよい。代替的又は追加的に、タイプデータは、パケットが全ての無線装置210へのブロードキャスト用であることを示し、かつそのパケットが、2つの無線装置210の間でユニキャストを設定、維持及び/又は終了するための追加的な情報を含んでいることを示してもよい。
【0029】
パケットは追加的な情報を含んでいてもよい。例えば、パケットは、ネットワークの中でパケットを送信した無線装置210に関する情報を含んでいてもよい。パケットを送信した無線装置210に関する情報は、2つの無線装置210の間で更なるパケットをユニキャストする1つ以上のユニキャストパス(ユニキャスト通信路)を決定するために、無線装置により使用されてもよい。代替的又は追加的に、パケットを送信した無線装置210に関する情報は、何れの無線装置がパケットを受信したか及びそのパケットが再送を要するか否かを決定するために、無線装置210により使用されてもよい。代替的又は追加的に、パケットは、ネットワーク100内の他の無線装置210によるパケットの将来的な送信のタイミング及び計画(又は予定又はスケジューリング)に関する情報を含んでいてもよい。例えば、パケットが近隣の無線装置210に送信される場合、近隣の無線装置210の各々に、時間スロットのような無線リソースが割り当てられてもよく、その無線リソースはパケットを送信する無線装置210がパケットを中継又は送信するための無線リソースである。近隣の無線装置各々のための再送用の無線リソースを指定することにより、近隣の無線装置が同時に送信してしまう競合が回避されてもよい。
【0030】
無線装置210は、複数の無線装置210がメッセージデータを他の無線装置210に同時に提供するように形成されてもよい。しかしながら、何れかの無線装置210が、複数の無線装置210により生成されたメッセージデータの集まり(aggregation)を、ネットワーク200内の全て又はほぼ全ての無線装置210にブロードキャストするように、無線装置210が形成されてもよい。1つの無線装置210に、ネットワーク200内の全て又はほぼ全ての無線装置210に対するブロードキャストを行わせることにより、ネットワークのリソースを節約してもよい。
【0031】
ネットワーク200にメッセージデータを同時に提供する複数の無線装置210の一般的な例は次のとおりである。第1の無線装置210aは、第1のパケットで第1のメッセージを全ての無線装置210にブロードキャストしてもよい。第3の無線装置210cは、全ての無線装置210に第2のメッセージデータをブロードキャストとしているかもしれない。第3の無線装置210cは第1のメッセージデータを伴う第1のパケットを第1の無線装置210aから受信する。第3の無線装置210cは、第1のメッセージデータを自身の第2のメッセージデータと統合し、統合されたメッセージデータを全ての無線装置210に第2のパケットでブロードキャストする。第2のパケットは、第1及び第3の無線装置210a及び210cの間のユニキャスト経路を示すユニキャスト経路データを含んでいてもよい。ユニキャスト経路は第1のパケットのデータに基づいて第3の無線装置210cにより決定されてもよい。第1の無線装置210aは、第3の無線装置210cから第2のパケットを受信すると、ユニキャスト経路データに基づいて第3のメッセージデータを第3の無線装置210cにユニキャストし始めてもよい。第3の無線装置210cは、第3のメッセージデータを第1の無線装置210aから受信し、ユニキャストによる第3のメッセージデータを、第3の無線装置210cが生成した第4のメッセージデータと統合する。第3の無線装置210cは、統合された第3及び第4のメッセージデータを全ての無線装置210にブロードキャストする。第1の無線装置210aは、第3の無線装置210cが(第1の無線装置210aの)ユニキャストを受信したことを確認し、かつ、第3の無線装置210cからブロードキャストされた統合された第3及び第4のメッセージデータを第1の無線装置210aが受信すると、第1の無線装置210a及び第3の無線装置210cの間にユニキャスト設定が維持されていることを確認してもよい。
【0032】
第1及び/又は第3の無線装置210a、210cが無線装置210に提供する更なるメッセージデータを持っていなくなるまで、或いは第1及び/又は第3の無線装置のうちの1つ以上が第1及び第3の無線装置210a、210cの間のユニキャスト関係を止めることを決定するまで、上記のメッセージデータに関するユニキャスト、統合及びブロードキャストを継続してもよい。従って、全ての無線装置210は、第1及び第3の無線装置210a、210cからのメッセージデータを、全ての無線装置210にブロードキャストする第3の無線装置210cにより受信してもよい。
【0033】
図2B図2Aに示すネットワーク200における上記の少なくとも1つの実施形態によるシグナリング例を示す。特に、図2Bは、無線装置210の中でメッセージデータを配信する無線装置210の間におけるD2D通信を示す。この例では、第1の無線装置210aはトーキング無線装置であり、ブロードキャストトーキング無線装置として動作を開始し、ユニキャストトーキング無線装置になる。第2の無線装置210bはリレー無線装置(又は中継を行う無線装置)である。第3の無線装置210cはブロードキャストトーキング無線装置であってもよい。第4及び第5の無線装置210d、210eはシンク無線装置であってもよい。
【0034】
第1の無線装置210aは無線装置210に配信するメッセージデータを有する。例えば、第1の無線装置210aのユーザは第1の無線装置210に向かって話を行い、第1の無線装置210はユーザが話した内容をメッセージデータに変換してもよい。第1の無線装置210はパケット250を生成し、パケット250は、メッセージデータと、第1の無線装置210aの近隣に関するインジケータとを含み、パケット250は全ての無線装置210にブロードキャストされる。第1の無線装置210aはパケット250を送信する。第1の無線装置210aの近隣(例えば、第2、第5の無線装置210b、210eはパケット250を受信する。
【0035】
シンク無線装置である第5の無線装置210eは、パケット250を中継しない、なぜなら第5の無線装置210の全ての近隣(すなわち、第1の無線装置210a)がパケット250を受信又は送信しているからである。第2の無線装置210bは、パケット250を修正し、修正されたパケット252を生成する。修正されたパケット252は、パケット250からの情報に加えて、第2の無線装置210bがパケット250を中継していることを示す通知と、第2の無線装置210bの近隣を示す通知とを含んでよい。第2の無線装置210bはパケット252を送信してもよい。
【0036】
第1の無線装置210aは、修正されたパケット252を受信し無視してもよい、なぜなら修正されたパケットは、元々第1の無線装置210aが送信したパケット250のメッセージデータを含んでいるからである。第4の無線装置210dはパケット252を受信する。修正されたパケット252内の情報に基づいて、第4の無線装置210dは、全ての近隣の無線装置が、修正されたパケット252を既に受信していることを確認し、更なる処理を行わなくてもよい。
【0037】
第3の無線装置210cも修正されたパケット252を受信する。第3の無線装置210cは無線装置210に提供するメッセージデータを有する。その結果、第3の無線装置210は、自身のメッセージデータを、修正されたパケット252からのメッセージデータとともに統合する。第3の無線装置210cは、第1の無線装置210aからのデータを第3の無線装置210cに中継した無線装置を示す修正されたパケット252の情報に基づいて、ユニキャスト経路データを生成してもよい。ユニキャスト経路データは、パケットが第1の無線装置210aから第3の無線装置210cに至るまでの無線装置210のユニキャスト経路を示す。
【0038】
第3の無線装置210cは、統合されたデータ、ユニキャスト経路データ、及び第3の無線装置210cの近隣を含むパケット256を生成してもよい。パケット256は、パケット256が全ての無線装置210にブロードキャストされるべきことを示していてもよい。第3の無線装置210cはパケット256を送信する。
【0039】
第4の無線装置210dはパケット256を受信する。パケット256中の情報に基づいて、第4の無線装置210dは、全ての近隣の無線装置がパケット256を既に受信していることを確認し、更なる処理を行わなくてもよい。
【0040】
第2の無線装置210bは、パケット256を受信する。パケット256内の情報に基づいて、第2の無線装置210bは、近隣の全てがパケット256を受信してはいないと判断してもよい。その結果、第2の無線装置210bはパケット256を修正し、修正されたパケット260を生成してもよい。修正されたパケット260は、パケット256からの情報に加えて、第2の無線装置210bがパケット250からのデータを中継していることを示す通知と、第2の無線装置210bの近隣を示す通知とを含む。第2の無線装置210bは修正されたパケット260を送信する。
【0041】
第3の無線装置210cは修正されたパケット260を受信し無視してもよい、なぜなら元々第3の無線装置210cにより送信されたパケット256のメッセージデータを含んでいるからである。第4の無線装置210dは、既にパケット256を受信しているので、修正されたパケット260を受信して無視してもよい。
【0042】
第1の無線装置210aは修正されたパケット260を受信する。第1の無線装置210aは、修正されたパケット260を更に修正し、修正されたパケット262を生成し、修正されたパケット262を送信する。第2の無線装置210dは修正されたパケット262を受信して無視してもよい、なぜならそれは第2の無線装置210が中継したパケット260からのメッセージデータを含んでいるからである。第5の無線装置210eは修正されたパケット262を受信する。シンク無線装置である第5の無線装置210eは、パケット250を中継しない、なぜなら第5の無線装置210eの全ての近隣(すなわち、第1の無線装置210a)が修正されたパケット262を受信又は送信しているからである。
【0043】
第1の無線装置210aは、無線装置210に配信する更なるメッセージデータを有する。第1の無線装置210aはパケット264を生成し、パケット264は、追加的なメッセージデータと、第3の無線装置210cからの修正されたパケット260により受信したユニキャスト経路データにおける無線装置210の通知とを含む。パケット264は、パケットが第3の無線装置210cにユニキャストされるべきことの通知を含んでもよい。第1の無線装置210aはパケット264を送信する。
【0044】
第5の無線装置210eはパケット264を受信して無視してもよい、なぜならパケット264は第3の無線装置210c宛てのユニキャストであり、第1の無線装置210aと第3の無線装置210cとの間のパケット264で示されているユニキャスト経路中に第5の無線装置210eは存在していないからである。
【0045】
第2の無線装置210bはパケット264を受信する。パケット264内の情報に基づいて、第2の無線装置210bはそれがユニキャスト経路上にあると判断する。その結果、第2の無線装置210bは、パケット264を修正し、修正されたパケット266を生成する。修正されたパケット266は、パケット264からの情報に加えて、第2の無線装置210bがパケット264からのデータを中継していることを示す通知を含む。第2の無線装置210bは修正されたパケット266を送信する。
【0046】
第4の無線装置210dは修正されたパケット266を受信して無視してもよい、なぜなら修正されたパケット266は第3の無線装置210c宛てのユニキャストであり、第1の無線装置210aと第3の無線装置210cとの間の修正パケット266で示されているユニキャスト経路中に第4の無線装置210dは存在していないからである。
【0047】
第3の無線装置210cは修正されたパケット266を受信する。第3の無線装置210cは、その追加的なメッセージデータの部分と、修正されたパケット266からの追加的なメッセージデータとを統合する。第3の無線装置210cはパケット268を生成し、パケット268は、統合された追加的なメッセージデータと、第3の無線装置210cの近隣とを含む。パケット268は、パケット268が全ての無線装置210にブロードキャストされるべきことをの通知を含んでいてもよい。第3の無線装置210cはパケット268を送信する。
【0048】
第4の無線装置210dはパケット268を受信する。パケット268の情報に基づいて、第4の無線装置210dは、全ての近隣がパケット268を既に受信していると判断し、更なる処理を行わなくてもよい。
【0049】
第2の無線装置210bはパケット268を受信する。パケット268の情報に基づいて、第2の無線装置210bは、全ての近隣がパケット268を受信していないと判断する。その結果、第2の無線装置210bはパケット268を修正し、修正されたパケット270を生成する。修正されたパケット270は、パケット268からの情報に加えて、第2の無線装置210bがパケット268からのデータを中継していることを示す通知と、第2の無線装置210bの近隣を示す通知とを含む。第2の無線装置210bは修正されたパケット270を送信する。
【0050】
第3の無線装置210cは修正されたパケット270を受信して無視してもよい、なぜならそれは元々第3の無線装置210cが送信したパケット268からのメッセージデータを含んでいるからである。第4の無線装置210dも修正されたパケット270を受信して無視してもよい、なぜなら第4の無線装置210dはパケット268を受信しており、そのパケット268から修正パケット270が生成されているからである。
【0051】
第1の無線装置210aは修正されたパケット270を受信する。第1の無線装置210aは、修正されたパケット270を修正し、修正されたパケット272を生成し、修正されたパケット272を送信する。第2の無線装置210bは修正されたパケット272を受信して無視してもよい、なぜならそれは第2の無線装置210bが送信したパケット270からのデータを含んでいるからである。シンク無線装置である第5の無線装置210eは、修正されたパケット272を中継しない、なぜなら第5の無線装置210の全ての近隣(すなわち、第1の無線装置210a)は修正されたパケット272を受信しているからである。
【0052】
本開示の範囲から逸脱せずに、例示のシグナリング及びネットワーク例200に対する修正、付加又は省略がなされてもよい。例えば、ネットワーク200は追加的な無線装置を含んでもよく、及び/又はシグナリング(信号のやり取りの仕方)は無線装置210及び/又は新たな無線装置の間で異なっていてもよい。代替的又は追加的に、送受信されるパケットは、ここで説明したものより多い又は少ない情報を含んでいてもよい。
【0053】
図3は本願で説明される少なくとも1つの実施形態による別の無線通信システム300(「ネットワーク300」と言及される場合がある)を示す。ネットワーク300は無線装置310a-310j(まとめて「無線装置310」と言及される場合がある)を含む。無線装置310の各々は各自の近隣に関する情報を有していてもよい。無線装置310同士の間の近隣の関係は、図3における無線装置310同士の間の矢印により示されている。例えば、無線装置310aは無線装置310b-310dを近隣とし、無線装置310gは無線装置310e、310f、310iを近隣としている。
【0054】
ネットワーク300内でのメッセージデータの配信の具体例は次のとおりである。無線装置310aはネットワーク300に配信する第1のメッセージデータを有する。無線装置310は第1のメッセージデータを有する第1のパケットをブロードキャストする。第1のパケットは、その第1のパケットを無線装置310aの近隣に再送(又は中継)するためのスケジュールを含んでいてもよい。スケジュールは予定、計画等と言及されてもよい。スケジュールは、無線装置310cが第1のタイムスロットで第1のパケットを再送(又は中継)し、無線装置310dが第1のタイムスロットに続く第2のタイムスロットで第1のパケットを再送(又は中継)し、無線装置310bが第2のタイムスロットに続く第3のタイムスロットで第1のパケットを再送(又は中継)することを示してもよい。
【0055】
無線装置310cは、無線装置310cが第1のパケットを再送信していることを示すように第1のパケットを更新する。無線装置310cは、自身の近隣の無線装置と、その近隣の無線装置のスケジューリング情報とを示すように第1のパケットを更新してもよい。無線装置310cは、更新された第1のパケットを第1のタイムスロットで送信する。
【0056】
無線装置310dは、無線装置310dが第1のパケットを再送信していることを示すように第1のパケットを更新する。無線装置310dは、自身の近隣の無線装置と、その近隣の無線装置のスケジューリング情報とを示すように第1のパケットを更新してもよい。無線装置310dは、更新された第1のパケットを第2のタイムスロットで送信する。
【0057】
無線装置310bは、無線装置310bの近隣が第1のパケットを受信したことを示す第1のパケット内の情報に基づいて、第1のパケットを再送信しなくてもよい。
【0058】
無線装置310eは、無線装置310c、310dにより再送信された更新後の第1のパケットを受信する。無線装置310cからの更新後の第1のパケットが先に送信されるので、無線装置310eは、無線装置310cからの更新後の第1のパケットを受信して保持するが、無線装置310dからの更新後の第1のパケットを無視してもよい。
【0059】
無線装置310eは、無線装置310eが更新後の第1のパケットを再送信していることを示すように更新された第1のパケットを更に更新する。無線装置310eは、無線装置310eは、自身の近隣の無線装置と、その近隣の無線装置のスケジューリング情報とを示すように更新された第1のパケットを更に更新してもよい。無線装置310eは、無線装置310cにより決定された予定タイムスロットであって無線装置310eが受信したパケットで示されている予定タイムスロットに基づいて、更新された第1のパケットを送信してもよい。
【0060】
第1のパケットは、第1のパケットを受信しかつその第1のパケットを指定されているように再送信するか否かを判断する無線装置310の各々により、上記の方法に従って無線ネットワーク300の中で配信され続ける。無線装置310に関する再送信のスケジューリングや、パケットに含まれる他の情報等に関する詳細については、図3に関する以後の説明では省略される。
【0061】
無線装置310fは、ブロードキャストするメッセージデータを有し、メッセージデータとともにパケットをブロードキャストする。無線装置310fは第1のメッセージとともに第1のパケットを受信する。無線装置310fは、第1のメッセージと無線装置310fが生成した第2のメッセージとを統合し、統合された第1及び第2のメッセージデータを第2のパケットで送信することを決定する。無線装置310fはユニキャスト経路データを(第2のパケットに)含め、ユニキャスト経路データは、無線装置310aと無線装置310fとの間のユニキャスト経路を示し、無線装置310aが更なるメッセージデータを無線装置310fにユニキャストできるようにする。ユニキャスト経路データは、無線装置310c、310eを含むユニキャスト経路を示してもよい。代替的又は追加的に、ユニキャスト経路は無線装置310d、310e、310gを含んでいてもよい。様々な再送信のスケジューリング、無線装置310の様々な利用可能性、その他の要因により、様々なユニキャスト経路が生じる可能性がある。パケットがネットワーク300を介して全て又は実質的に全ての無線装置310に配信されるように、無線装置310fは第2のパケットをブロードキャストする。
【0062】
無線装置310aは、第2のパケットを受信した後に、第3のメッセージデータとともに第3のパケットを生成する。第3のパケットは無線装置310fにユニキャストされるべきユニキャストパケットであってよい。無線装置310aは第3のパケットを無線装置310fにユニキャストしてもよい。
【0063】
無線装置310hは、無線装置310g及び無線装置310iにより、無線装置310fからの第2のパケットを受信する。無線装置310hはブロードキャストするメッセージデータを有する。従って、無線装置310hは、統合された第1及び第2のメッセージデータと、無線装置310hが生成した第4のメッセージデータとを統合する。無線装置310hは、統合された第1、第2、第4のメッセージデータと、無線装置310f及び無線装置310hの間のユニキャスト経路とを示す第4のパケットを生成する。無線装置310hは1つ以上の要因に応じて無線装置310i又は310gを経由するユニキャスト経路を選択し、例えば1つ以上の要因はユニキャスト経路長、ユニキャスト経路における無線装置310同士の間の無線チャネル特性、ユニキャスト経路における無線装置310の性能又は特性(例えば、利用可能な電力、アクセスポイントの接続性)、及びその他の要因である。無線装置310hはネットワーク300内の全ての無線装置310に第4のパケットをブロードキャストする。
【0064】
無線装置310fは無線装置310hにより生成されブロードキャストされた第4のパケットを受信する。無線装置310fは、無線装置310hにパケットをユニキャストし始めることを決定し、無線装置310hが全ての無線装置310にパケットをブロードキャストできるようにする。無線装置310fは、無線装置310aにより生成されユニキャストされた第3のパケットを受信する。無線装置310fは、無線装置310aからの第3のメッセージデータと自身の第5のメッセージデータとを無線装置310hにユニキャストすることを決定する。その結果、無線装置310fは、無線装置310aにより生成された第3のメッセージデータと(自身の)第5のメッセージデータとを統合し、統合された第3及び第5のメッセージとともに第5のパケットを無線装置310hにユニキャストする。
【0065】
無線装置310hは、統合された第3及び第5のメッセージデータとともに、ユニキャストされた第5のパケットを受信する。無線装置310hは、統合された第3及び第5のメッセージと無線装置310hが生成した第6のメッセージデータとを統合し、統合された第3、第5、第6のメッセージデータを第6のパケットで全ての無線装置310でブロードキャストする。このように、3つのトーキング無線装置(例えば、無線装置310a、310f、310h)のうち無線装置310hのみが、ネットワーク300内の全ての無線装置310にパケットをブロードキャストすることになる。無線装置310a、310fは上述したようにネットワーク300を介してパケットをユニキャストしているに過ぎない。その結果、ネットワーク300を通じてメッセージデータを配信する際にネットワーク300のリソースを僅かしか使用せずに済む。
【0066】
ネットワーク300は上述したように動作し続けてよい。また、無線装置310fはメッセージデータの送信を止めるかもしれない。上記及び他の実施形態において、無線装置310aがブロードキャストのために無線装置310fにパケットをユニキャストし始め、無線装置310hが無線装置310aにユニキャスト情報を提供し、無線装置310aがパケットをブロードキャストしてもよい。代替的又は追加的に、無線装置310hが、自身のメッセージデータと無線装置310f、310aからのメッセージデータとを他の無線装置310にユニキャストし始め、別の無線装置310がブロードキャストを開始してもよい。
【0067】
図4は本願で説明される少なくとも1つの実施形態による無線通信ネットワークで使用される無線装置400の一例を示す。無線装置400は、コントローラ410、トランシーバ420、アンテナ422、メモリ430、コーデック440、統合部又はアグリゲータ450、データユニット460、マイクロフォン462、スピーカ464、及びインタフェース470を含んでもよい。
【0068】
トランシーバ420は、パケットのような無線D2D通信(信号)を、アンテナ422を介して他の無線装置及び/又はアクセスポイントから受信するように形成されてもよい。トランシーバ420は、パケットのような無線D2D通信(信号)を、アンテナ422を介して他の無線装置及び/又はアクセスポイントに送信するように形成されてもよい。トランシーバ420は、受信したパケットをコントローラ410に送る。
【0069】
コントローラ410は、受信されたパケット(受信パケット)をトランシーバ420から受信し、受信パケットを分析し、受信パケットが無線装置400のユーザに提示するためのメッセージデータを有するか否かを判断する。受信パケットがメッセージデータを有していた場合、コントローラ410はメッセージデータをコーデック440に送信してもよい。コントローラ410に関する更なる詳細については後述する。
【0070】
インタフェース470及びマイクロフォン462は、無線装置400のユーザからの入力データを受信するように形成される。例えば、インタフェース470は、無線装置400のユーザから入力データとしてメッセージデータ又は他のデータを受信するように形成されている。マイクロフォン462は無線装置400のユーザからの音声データを入力データとして受信するように形成されている。データユニット460は、インタフェース470及びマイクロフォン462からの入力データを受信し、入力データに基づいてメッセージを生成し、メッセージデータを統合部450に送信するように形成されていてもよい。
【0071】
コーデック440は、コントローラ410からのメッセージデータをデコードし、メッセージデータをデータユニット460に提供するように形成されている。デコードは復号と言及されてもよい。データユニット460は、コーデック440によりデコードされたメッセージデータ中のメッセージデータを、インタフェース470及び/又はスピーカ464により、無線装置400のユーザに提供するように形成されていてもよい。例えば、データユニット460は、音声データを含むメッセージデータをスピーカ464に提供してユーザに提示してもよい。代替的又は追加的に、データユニット460は、ユーザに提示するためのメッセージングデータであるメッセージデータをインタフェース470に提供してもよい。一実施形態において、データユニット460は、コントローラ410からの入力に基づいてメッセージデータをユーザに何時提示するかを決定してもよい。
【0072】
統合部450は、データユニット460により生成されたメッセージデータと、コーデック440により提供された受信パケット中のメッセージデータとを統合するように形成されてもよい。統合部450は統合されたメッセージデータをコントローラ410に送信してもよい。代替的に、受信パケット中にメッセージデータが無かった場合、統合部450はデータユニット460からのメッセージデータをコントローラ410に提供してもよい。
【0073】
コントローラ410は上述したようにトランシーバ420からパケットを受信するように形成される。コントローラ410は、パケットをメモリ430に一時的に保存する一方、コントローラ410は、受信したパケットを無視して削除するのか、或いは受信したパケットに関連する何らかの処理を行うのかを判断する。受信したパケットに関連してコントローラ410が実行する可能性のある処理は、無線装置400の役割や機能に基づいて決定されてもよく、例えば無線装置400がシンク、リレー又はトーキングの無線装置であることに基づいて決定されてもよい。
【0074】
トランシーバ420が受信したパケット、入力データに基づいて生成されたメッセージデータ、及び/又はメモリ430に保存されている情報(例えば、無線装置400の近隣の無線装置のリスト)等に基づいて、コントローラ410は無線装置400の役割を判断するように形成されていてもよい。
【0075】
例えば、無線装置400のユーザから提供された入力データに基づいて生成されたメッセージデータが存在しない場合に、コントローラ410は、無線装置400がシンク又はリレーの無線装置であると判断してもよい。コントローラ410は、受信したパケットを分析し、無線装置400がシンク又はリレーの無線装置であるか否かを判断してもよい。
【0076】
特に、コントローラ410は受信したパケットのタイプを分析してもよい。パケットがブロードキャストパケットであった場合、コントローラ410は、パケットに含まれているリストで示されている近隣の無線装置と、メモリ430に保存されている無線装置400の近隣の無線装置とを比較してもよい。パケットにおけるリストで示されている近隣の無線装置が、メモリ430に保存されている無線装置400の近隣の無線装置と同一であった場合、コントローラ410は無線装置400がシンク無線装置であると判断してもよい。無線装置400がシンク無線装置である旨の判断の後、コントローラ410は、受信したパケット中のメッセージデータを無線装置400のユーザに提示するようにデータユニット460に指示してもよい。
【0077】
受信したパケットにおいて列挙されている近隣の無線装置が、メモリ430に保存されている無線装置400の近隣の無線装置と完全には等しくなかった場合、コントローラ410は無線装置400がリレー無線装置であると判断してもよい。コントローラ410は、受信したパケット中のメッセージデータを無線装置400のユーザに提示するようにデータユニット460に指示してもよい。コントローラ410は、近隣の無線装置400を含む受信パケットに基づいてブロードキャストパケットを生成してもよい。一実施形態において、コントローラ410は、近隣の無線装置からの送信のスケジュールを決定し、その情報(送信スケジュール)をパケットに含めてもよい。そして、コントローラ410は送信のためのパケットをトランシーバ420に送る。
【0078】
一実施形態において、受信したパケット(受信パケット)はユニキャストパケットであるかもしれない。受信パケットがユニキャストパケットであった場合、コントローラ410は、無線装置400が、受信パケットが示すユニキャスト経路上の無線装置として列挙されているか否かを判断する。無線装置400が受信パケットが示すユニキャスト経路上の無線装置であった場合、コントローラ410は、無線装置400がリレー無線装置であり、上述したように受信パケットをブロードキャストし直すことを決定する。無線装置400が受信パケットが示すユニキャスト経路上の無線装置でなかった場合、コントローラ410は受信パケットをメモリ430から削除してもよい。
【0079】
無線装置400のユーザから入力された入力データに基づいて統合部450がメッセージデータをコントローラ410に提供する場合、コントローラ410は、無線装置400がトーキング無線装置であると判断してもよい。無線装置400がトーキング無線装置である場合、コントローラ410は、トランシーバ420により受信したパケットを分析することにより、無線装置400がブロードキャストトーキング無線装置又はユニキャストトーキング無線装置であることを決定してもよい。
【0080】
例えば、統合部450が、無線装置400のユーザから入力されたデータに基づいてメッセージデータをコントローラ410に提供し、無線装置400がメッセージデータをユニキャストしていない場合、コントローラ410は、そのメッセージデータを伴うパケットを生成し、そのパケットをトランシーバ420に送って送信する。コントローラ410は、受信パケットを監視し、無線装置400が無線装置400のユーザからのメッセージデータをブロードキャストし続けるか否かを判断してもよいし、或いは無線装置がメッセージデータを他の無線装置にユニキャストすることを開始するか否かを判断してもよい。
【0081】
コントローラ410がユニキャスト経路データとともにパケットを受信し、そのパケットが、別の無線装置もブロードキャストを行っていること、及び別の無線装置が無線装置400からのユニキャストを期待(又は予測又は当てに)していることを示していた場合、コントローラ410は、ユニキャストパケットを生成することを開始し、ユニキャストパケットをトランシーバ420に送って送信する。
【0082】
コントローラ410が別の無線装置からメッセージデータとともにパケットを受信すると、コントローラ410は、受信したパケット内の情報に基づいて、無線装置400と別の無線装置との間のユニキャスト経路データを判別する。コントローラ410は、ユニキャスト経路データとともにブロードキャストパケットを生成し、別の無線装置からのメッセージデータとデータユニット460からのメッセージデータとを統合する。上記及び他の実施形態において、ブロードキャストパケットは、無線装置400の近隣の情報と、ブロードキャストパケットの再送信に関するスケジューリング情報とを含んでもよい。代替的又は追加的に、ブロードキャストパケットは、無線装置400及び他の無線装置の間のユニキャストコンフィギュレーションに関する情報を含んでもよい。ユニキャストコンフィギュレーションに関する情報(ユニキャスト経路に関する情報)は、ユニキャストコンフィギュレーションの経路端に関する情報、ユニキャストコンフィギュレーションの代替的な経路の情報、又はその他の情報を含んでよい。コントローラ410は、ブロードキャストパケットをトランシーバ420に送って送信する。上記及び他の実施形態において、コントローラ410及び他の無線装置の間のユニキャストコンフィギュレーション(すなわち、ユニキャスト経路)は、コントローラ410が特定の時点以降他の無線装置にからのユニキャストパケットを受信するのを止めた場合、他の無線装置からのユニキャストパケットがユニキャストコンフィギュレーションの終了を示していた場合、又はコントローラ410がユニキャストコンフィギュレーションの終了を決定した等の場合に終了してもよい。
【0083】
コントローラ410は、本願で説明される処理を無線装置400に実行させるように処理を実行するように形成されたハードウェアであってよい。上記及び他の実施形態において、ハードウェアは、メモリ430に保存されている命令を実行することにより処理を実行してもよい。代替的又は追加的に、ハードウェアは、本願で説明される処理を無線装置400に実行させるように処理を実行するように形成された特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。代替的又は追加的に、ASIC/FPGAにより実行される処理と、メモリ430に保存されている命令により実行される処理との組み合わせを利用して処理を実行してもよい。メモリ430は、本願で説明されているようなコンピュータで読み取ることが可能な任意の媒体(コンピュータ可読媒体)であってよい。本願による開示範囲から逸脱することなく、無線装置400に対して修正、追加又は削除等が施されてもよい。
【0084】
図5は本開示の少なくとも1つの実施形態による無線通信ネットワーク内の無線装置によるデバイストゥデバイス通信又はデバイス間通信の方法例500を示すフローチャートである。一実施形態において、方法500は、図1図2A図2B図3の何れかの無線装置又は図4の無線装置400のような無線装置により実行される。個々の複数のブロックが示されているが、所望の実施形態に依存して、何れのブロックも更なるブロックに分割されてもよいし、或いはより少ないブロック数に統合又は省略されてもよい。
【0085】
方法500はブロック502から始まり、第1のメッセージデータを含む第1のパケットが、無線通信ネットワーク内の複数の近隣の無線装置に送信される。一実施形態において、第1のパケットは無線通信ネットワーク内の全ての無線装置にブロードキャストされるように形成されいてもよい。一実施形態において、第1のパケットは、複数の近隣の無線装置を示す通知と、第1のパケットを再送信する予定を立てる際に複数の近隣の無線装置により使用される送信スケジューリング情報とを含んでよい。
【0086】
ブロック504において、第2のパケットが、複数の近隣の無線装置のうち何れかの無線装置から受信される。第2のパケットは、無線通信ネットワークにおける複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第2の無線装置により生成されている。第2のパケットは、2の無線装置により生成された第2のメッセージデータと第1のメッセージデータとを含んでいてもよい。
【0087】
ブロック506において、第2の無線装置へユニキャストされるように形成された第3のパケットが送信されてもよい。一実施形態において、第3のパケットは、第2のパケットを受信したことに応じて送信されてもよい。第3のパケットは無線装置により生成された第3のメッセージデータを含んでいてもよい。一実施形態において、第2の無線装置にユニキャストされるように形成される第3のパケットは、無線通信ネットワーク内の全ての無線装置には配信されず、複数の近隣の無線装置のうちの何れかを経由して第2の無線装置に中継されるように形成された第3のパケットを含んでいてもよい。上記及び他の実施形態において、第3のパケットを中継する複数の近隣の無線装置のうちの何れかの無線装置は、第2のパケットを無線装置に提供した複数の近隣の無線装置のうちの何れかと同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0088】
一実施形態において、第2のパケットはユニキャスト経路データを更に含んでいてもよい。ユニキャスト経路データは、無線装置と別の無線装置との間のユニキャスト経路を、無線通信ネットワークの1つ以上の無線装置を利用して表現する。上記及び他の実施形態において、第3のパケットは、ユニキャスト経路データを含み、ユニキャスト経路に沿ってユニキャストされるように形成される。代替的又は追加的に、ユニキャスト経路に含まれる1つ以上の無線装置は、複数の近隣の無線装置のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0089】
方法500及び本願で説明される他の処理及び方法に関し、処理及び方法で実行される機能は異なる順序で実行されてもよいことを、当業者は認めるであろう。更に、説明されたステップ及び処理は一例として示されているに過ぎず、開示される実施形態の本質から逸脱することなく、ステップ及び処理のうちの一部は選択的であってもよいし、より少ないステップ及び処理として組み合わせられてもよいし、或いは追加的なステップ及び処理を含むように拡張されてもよい。
【0090】
例えば、一実施形態において、方法500は、複数の近隣の無線装置のうちの第2のものから第4のパケットを受信するステップを含んでもよい。上記及び他の実施形態において、第4のパケットは、無線通信ネットワーク内の複数の近隣の無線装置のうちの何れでもない第3の無線装置により生成されていてもよい。第4のパケットは、第2の無線装置により生成された第4のメッセージデータと、第3の無線装置により生成された第5のメッセージデータと、無線装置からの第3のメッセージデータとを含んでいてもよい。
【0091】
本願で説明される実施形態は、コンピュータで読み取ることが可能な媒体(コンピュータ可読媒体)を利用して、コンピュータ可読媒体に保存されたコンピュータ実行可能命令又はデータ構造を実行又は利用するように実現されてもよい。コンピュータ実行可能命令は、コンピュータにより実行することが可能な命令である。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用又は専用のコンピュータ(例えば、プロセッサ)によりアクセスされてもよい任意の適切な媒体であってよい。一例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、一時的でない有形のコンピュータ可読記憶媒体であり、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なリードオンリメモリ(EEPROM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、他の磁気ディスク記憶媒体、又は他の任意の記憶媒体等であるが、これらに限定されず、そのような記憶媒体は、コンピュータが実行可能な命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコードを搬送又は保存するために使用され、かつ汎用又は専用のコンピュータによりアクセスされてもよい。上記に列挙したものの組み合わせもコンピュータ可読媒体の範囲に属する。
【0092】
コンピュータ実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は専用処理装置に、機能又は機能群を実行させる命令及びデータを含む。説明事項は構造的特徴及び/又は方法的処理に特化した言葉で説明されてきたが、特許請求の範囲で規定される事項は、必ずしも上記の特定の特徴又は処理に限定されていない点が、理解されるべきである。むしろ上記の具体的な特徴及び処理は特許請求の範囲に係る内容の実施形態の一例として開示されている。
【0093】
本願に関する「モジュール」又は「コンポーネント」という用語は、モジュール又はコンポーネントの処理を実行するように形成された具体的なハードウェア手段、及び/又はコンピュータシステムの汎用ハードウェア(例えば、コンピュータ可読媒体、処理装置等)に保存及び/又は実行されるソフトウェアオブジェクト又はソフトウェアルーチンに関連する。一実施形態において、本願で説明されている様々なコンポーネント、モジュール、エンジン及びサービスは、コンピュータシステムで動作するオブジェクト又はプロセス(例えば、個別的なスレッド)として実現されてもよい。本願で説明されている何らかのシステム及び方法は、(汎用ハードウェアに保存及び/又は汎用ハードウェアにより実行される)ソフトウェアで実現されてもよいように一般的に説明されているが、特定のハードウェア実現手段又はソフトウェア及び/又は特定のハードウェア実現手段の組み合わせも可能であり、そのような例も本願で想定されている。本願において、「コンピュータ装置」、「コンピュータエンティティ」は、上述したような任意のコンピュータシステム、コンピュータシステムで動作する任意のモジュール又はモジュールの組み合わせであってもよい。
【0094】
本願で説明される全ての具体例及び条件を加える説明又は言葉は、発明者等により従来技術に対して貢献をなした本開示内容及び概念を読者が理解することを促すことを意図して使用されており、そのように具体的に説明された具体例や条件に限定するように解釈されるべきではない。以上、開示対象の実施形態は詳細に説明されてきたが、開示内容の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な変形例、置換例及び代替例が開示内容に対してなされてよいことが、理解されるべきである
【符号の説明】
【0095】
110 アクセスポイント
112 セル
120 無線装置
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5