(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面内の一方向をX軸方向、所定面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。XY平面は、所定面と平行である。本実施形態において、XY平面は、水平面と平行であることとする。Z軸方向は、鉛直方向である。
【0020】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るテーブル装置100の一例を示す正面図である。
図2は、
図1のテーブル装置100を+Z側から見た平面図である。
図3は、
図1のテーブル装置100を−X側から見た側面図である。
図4は、
図1のテーブル装置100を+X側から見た側面図である。
図5は、
図1の一部を拡大した図である。
【0021】
テーブル装置100は、物体Sを支持可能なテーブル10と、XY平面内(水平面内)において移動可能な第1部材1と、第1部材1に対して相対移動可能な第2部材2と、少なくとも一部が第1部材1に配置され、第1部材1の移動によりZ軸方向に第2部材2が移動するように第2部材2をガイドするガイド装置4と、少なくとも一部がテーブル10に接続され、Z軸方向にテーブル10が移動するようにテーブル10をガイドする複数のガイド装置5と、を備えている。
【0022】
テーブル装置100は、ベース部材8を備えている。本実施形態において、ベース部材8は、第1ベース部材81と、第1ベース部材81を支持する第2ベース部材82とを含む。ベース部材8は、例えばテーブル装置100が設置される施設(例えば工場)の床面などに配置される。
【0023】
テーブル10は、+Z方向を向く上面10Aと、上面10Aの反対方向(−Z方向)を向く下面10Bとを有する。物体Sは、テーブル10の上面10Aに載せられる。上面10Aは、物体Sを支持可能である。
【0024】
テーブル10は、部分10Pと、部分10Pを囲むように配置される複数の部分10Rとを有する。部分10Pは、XY平面内においてテーブル10の中央部を含む。テーブル10の部分10Pは、XY平面内におけるテーブル10の中心(図心)を含む。本実施形態において、テーブル10の部分10Pは、テーブル10の重心Gを含む。部分10Rは、XY平面内においてテーブル10の周縁部に配置される。
【0025】
図2に示すように、本実施形態において、テーブル10は、XY平面内において矩形状(長方形状又は正方形状)である。テーブル10は、4つのコーナーを有する。部分10Rは、それらコーナーを含む。本実施形態において、部分10Rは、部分10Pを囲むように4箇所に設けられる。
【0026】
テーブル10は、第2部材2に支持される。本実施形態において、第2部材2は、テーブル10の部分10Pを支持する。すなわち、第2部材2は、テーブル10の中央部(テーブル10の重心G)を支持する。本実施形態において、第2部材2は、接続部材22を介して、テーブル10を支持する。第2部材2と接続部材22とは固定される。接続部材22とテーブル10の部分10Pとは固定される。なお、第2部材2と接続部材22とは一体でもよい。
【0027】
ガイド装置5は、テーブル10の部分10Rを支持する。ガイド装置5は、複数(4つ)の部分10Rのそれぞれを支持するように、複数(4つ)設けられる。ガイド装置5の少なくとも一部は、テーブル10の部分10Rに接続される。ガイド装置5は、テーブル10の4つのコーナーのそれぞれに接続される。
【0028】
第1部材1、第2部材2、及びガイド装置4は、テーブル10の下面10B側(−Z側)に配置される。第2部材2は、テーブル10の下面10B側において、テーブル10を支持する。
【0029】
ガイド装置5は、テーブル10の上面10Aよりも下側(−Z側)に配置される。本実施形態においては、XY平面内において、ガイド装置5の少なくとも一部は、テーブル10の外側に張り出すように配置される。
【0030】
第1部材1及び第2部材2は、可動部材である。第1部材1及び第2部材2のそれぞれは、テーブル10の下方の空間(−Z側の空間)において移動する。第1部材1及び第2部材2のそれぞれは、ベース部材8の上方の空間(+Z側の空間)において移動する。
【0031】
第1部材1は、XY平面内において移動可能である。本実施形態において、第1部材1は、X軸方向に移動可能である。XZ平面内における第1部材1の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。
図1及び
図5に示すように、第1部材1は、XY平面と平行な下面1Bと、XY平面に対して傾斜する斜面1Gと、Z軸と平行な側面1Sとを有する。斜面1G及び側面1Sは、下面1Bよりも上側(+Z側)に配置される。斜面1Gは、+X方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。斜面1Gの下端部と下面1Bの−X側の端部とが結ばれる。斜面1Gの上端部と側面1Sの上端部とが結ばれる。側面1Sの下端部と下面1Bの+X側の端部とが結ばれる。
【0032】
第2部材2は、第1部材1に移動可能に支持される。第1部材1と第2部材2とは相対移動可能である。第2部材2は、第1部材1の上方(+Z側)において、第1部材1に対して相対移動する。
【0033】
第2部材2は、少なくともZ軸方向に移動可能である。本実施形態においては、X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2がZ軸方向に移動する。XZ平面内における第2部材2の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。
図1及び
図5に示すように、第2部材2は、XY平面と平行な上面2Aと、XY平面に対して傾斜する斜面2Gと、Z軸と平行な側面2Sとを有する。上面2Aは、側面2S及び斜面2Gよりも上側(+Z側)に配置される。斜面2Gは、+X方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。本実施形態において、斜面1Gと斜面2Gとは平行である。斜面2Gの上端部と上面2Aの+X側の端部とが結ばれる。斜面2Gの下端部と側面2Sの下端部とが結ばれる。側面2Sの上端部と上面2Aの−X側の端部とが結ばれる。
【0034】
ガイド装置4は、X軸方向に関する第1部材1の移動により、Z軸方向に第2部材2が移動するように第2部材2をガイドする。ガイド装置4の少なくとも一部は、第1部材1に配置される。本実施形態において、ガイド装置4は、直動ガイド機構を含む。ガイド装置4は、第1部材1に配置されたレール41と、第2部材2に配置され、レール41を移動可能なスライダ(ブロック)42とを含む。レール41は、第1部材1の斜面1Gに配置される。スライダ42は、第2部材2の斜面2Gに配置される。
【0035】
ガイド装置4は、直動型軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置4は、直動型の転がり軸受を含む。転がり軸受は、転動体を有する。転動体は、玉及びころの一方又は両方を含む。すなわち、転がり軸受は、玉軸受及びころ軸受の一方又は両方を含む。本実施形態において、ガイド装置4は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。
【0036】
図6は、本実施形態に係るガイド装置4の一例を示す図である。ガイド装置4は、レール41と、レール41と相対移動可能なスライダ(ブロック、直動型軸受)42と、を含む。レール41は、上方を向く表面41Aと、表面41Aの両側に配置される側面41Bと、側面41Bのそれぞれに形成された溝41Cとを有する。スライダ42は、レール41の表面41Aと対向可能な第1対向面42Aと、レール41の側面41Bと対向可能な第2対向面42Bと、少なくとも一部がレール41の溝41Cに配置される転動体(玉)42Tとを有する。玉42Tは溝41Cの内面に接触しつつ転がる。溝41Cに沿って玉42Tが転がることによって、スライダ42はレール41を円滑に移動可能である。
【0037】
本実施形態において、レール41は、XY平面に対して傾斜するように、第1部材1(斜面1G)に配置される。レール41は、レール41の表面41AがXY平面に対して傾斜するように配置される。
図5に示すように、本実施形態において、XY平面に対するレール41(表面41A)の傾斜角度はθである。角度θは、0度よりも大きく、90度よりも小さい。スライダ42は、第1対向面42Aとレール41の表面41Aとが平行となるように、第2部材2(斜面2G)に配置される。本実施形態において、スライダ42は、第2部材2の斜面2Gに2つ配置される。なお、スライダ42は、第2部材2に1つ配置されてもよい。3つ以上の複数のスライダ42が第2部材2に配置されてもよい。
【0038】
第2部材2は、X軸方向に関する第1部材1の移動により、Z軸方向に移動するようにガイド装置4にガイドされる。第1部材1が−X方向に移動すると、第2部材2は+Z方向に移動(上昇)する。第1部材1が+X方向に移動すると、第2部材2は−Z方向に移動(下降)する。テーブル10は、第2部材2に支持されている。そのため、Z軸方向に関する第2部材2の移動(昇降)により、テーブル10も、第2部材2と一緒に移動する。すなわち、第2部材2が+Z方向に移動(上昇)すると、テーブル10は第2部材2と一緒に+Z方向に移動する。第2部材2が−Z方向に移動(下降)すると、テーブル10は第2部材2と一緒に−Z方向に移動する。
【0039】
なお、ガイド装置4において、第1部材1の斜面1Gにスライダ42が配置され、第2部材2の斜面2Gにレール41が配置されてもよい。
【0040】
第1部材1の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。第2部材2の外形も、ほぼ三角形(くさび形)である。すなわち、本実施形態において、テーブル装置100は、所謂、くさび型昇降装置を含む。第1部材1を、くさび部材(第1くさび部材)1と称してもよい。第2部材2を、くさび部材(第2くさび部材)2と称してもよい。
【0041】
テーブル装置100は、第1部材1がX軸方向に移動するように動力を発生するアクチュエータ7と、X軸方向に第1部材1をガイドするガイド装置9と、を備えている。アクチュエータ7は、第1部材1をXY平面内において移動可能である。アクチュエータ7は、第1部材1を移動するための動力を発生する。アクチュエータ7は、第1部材1がXY平面内において移動するように動力を発生する。本実施形態においては、アクチュエータ7の作動により、第1部材1はX軸方向に移動する。アクチュエータ7は、回転モータを含み、供給される電力により作動する。
図1に示すように、アクチュエータ7と第1部材1とは、動力伝達装置11を介して接続される。アクチュエータ7の動力(駆動力)は、動力伝達装置11を介して、第1部材1に伝達される。
【0042】
本実施形態において、動力伝達装置11は、アクチュエータ7の回転運動を直線運動に変換する。本実施形態において、アクチュエータ(回転モータ)7のシャフトは、θX方向に回転する。動力伝達装置11は、θX方向の回転運動を、X軸方向の直線運動に変換して、第1部材1に伝達する。第1部材1は、動力伝達装置11を介して伝達されるアクチュエータ7の動力(駆動力)により、X軸方向に移動する。
【0043】
本実施形態において、動力伝達装置11は、ボールねじ11Bを含む。ボールねじ11Bは、アクチュエータ7の作動により回転するねじ軸と、第1部材1に接続され、ねじ軸の周囲に配置されるナットと、ねじ軸とナットとの間に配置されるボールとを含む。ボールねじ11Bのねじ軸は、支持軸受12により回転可能に支持される。本実施形態において、ボールねじ11Bは、θX方向に回転する。ボールねじ11BがθX方向に回転することにより、ナット及びそのナットが接続されている第1部材1がX軸方向に移動(直線移動)する。
【0044】
アクチュエータ7がボールねじ11Bのねじ軸を一方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1部材1が+X方向に移動する。アクチュエータ7がボールねじ11Bのねじ軸を逆方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1部材1が−X方向に移動する。すなわち、アクチュエータ7の回転方向(ボールねじ11Bのねじ軸の回転方向)に基づいて、X軸方向に関する第1部材1の移動方向(+X方向及び−X方向のいずれか一方の方向)が決定される。第1部材1の移動方向に基づいて、Z軸方向に関する第2部材2(テーブル10)の移動方向(−Z方向及び+Z方向のいずれか一方の方向)が決定される。
【0045】
ガイド装置9は、アクチュエータ7の作動により、X軸方向に第1部材1が移動するように第1部材1をガイドする。ガイド装置9の少なくとも一部は、ベース部材8に配置される。本実施形態において、ガイド装置9は、直動ガイド機構を含む。ガイド装置9は、第1部材1に配置されたレール91と、ベース部材8に配置され、レール91と相対移動可能なスライダ(ブロック)92とを含む。レール91は、第1部材1の下面1Bに固定される。スライダ92は、ベース部材8の上面に固定される。レール91は、第1部材1と一緒に移動する。スライダ92は、移動しない。スライダ92の位置は、固定されている。
【0046】
ガイド装置9は、直動型の転がり軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置9は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。第1部材1は、アクチュエータ7の作動により、X軸方向に移動するようにガイド装置9にガイドされる。ガイド装置9は、
図6を参照して説明したガイド装置4と同等の構造である。ガイド装置9の構造についての詳細な説明は省略する。
【0047】
なお、ガイド装置9において、ベース部材8の上面にレール91が配置され、第1部材1の下面1Bにスライダ92が配置されてもよい。
【0048】
ガイド装置5は、直動ガイド機構を含む。ガイド装置5は、レール51と、レール51と相対移動可能なスライダ(ブロック)52とを有する。ガイド装置5は、直動型の転がり軸受を含む。本実施形態において、ガイド装置5は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。テーブル10は、Z方向に移動するようにガイド装置5にガイドされる。ガイド装置5は、
図6を参照して説明したガイド装置4と同等の構造である。ガイド装置5の構造についての詳細な説明は省略する。
【0049】
レール51は、テーブル10の部分10Rに固定される。XY平面内において、複数(4本)のレール51は、第1部材1及び第2部材2を囲むように配置される。レール51は、テーブル10と一緒にZ軸方向に移動する。
【0050】
スライダ52は、支持部材6に固定される。支持部材6は、ベース部材8に固定される。スライダ52は、Z軸方向に複数配置される。本実施形態において、ガイド装置5は、Z軸方向に配置される2つのスライダ52を有する。なお、ガイド装置5は、Z軸方向に配置される3つ以上の任意の数のスライダ52を有してもよい。
【0051】
図7は、本実施形態に係るテーブル10とガイド装置5との位置関係の一例を説明するための図である。本実施形態において、テーブル10の重心Gを含む部分10Pが、第2部材2に支持される。
【0052】
図7に示すように、XY平面内において、テーブル10は、4角形である。テーブル10の4つのコーナーのそれぞれに、部分10Rが規定される。それら4つのコーナー10Rのそれぞれが、ガイド装置5に支持される。
【0053】
テーブル10は、第1コーナー10Raと、第2コーナー10Rbと、第3コーナー10Rcと、第4コーナー10Rdと、を有する。第1コーナー10Raと第2コーナー10RbとがY軸方向に配置される。第3コーナー10Rcと第4コーナー10RdとがY軸方向に配置される。第1コーナー10Ra及び第2コーナー10Rbは、第3コーナー10Rc及び第4コーナー10Rdの+X側に配置される。第1コーナー10Raと第4コーナー10RdとがX軸方向に配置される。第2コーナー10Rbと第3コーナー10RcとがX軸方向に配置される。第1コーナー10Ra及び第4コーナー10Rdは、第2コーナー10Rb及び第3コーナー10Rcの+Y側に配置される。
【0054】
第1コーナー10Ra、第2コーナー10Rb、第3コーナー10Rc、及び第4コーナー10Rdのそれぞれに、ガイド装置5のレール51が接続される。
【0055】
XY平面内において、部分10P(重心G)と第1コーナー10Raとの距離は、Haである。部分10P(重心G)と第2コーナー10Rbとの距離は、Hbである。部分10P(重心G)と第3コーナー10Rcとの距離は、Hcである。部分10P(重心G)と第4コーナー10Rdとの距離は、Hdである。本実施形態において、距離Haと、距離Hbと、距離Hcと、距離Hdとは、等しい。すなわち、本実施形態において、4つのガイド装置5(レール51)は、XY平面内において、テーブル10の重心Gに対する放射方向に関して等しい距離の部分(10Ra、10Rb、10Rc、10Rd)のそれぞれに接続される。
【0056】
また、本実施形態において、X軸方向に関して、第1コーナー10Raと第4コーナー10Rdとの距離Dxaと、第2コーナー10Rbと第3コーナー10Rcとの距離Dxbとは、等しい。Y軸方向に関して、第1コーナー10Raと第2コーナー10Rbとの距離Dyaと、第3コーナー10Rcと第4コーナー10Rdとの距離Dybとは、等しい。
【0057】
次に、上述のテーブル装置100の動作の一例について説明する。アクチュエータ7の作動により、動力伝達装置11を介して、第1部材1にアクチュエータ7の動力が伝達される。アクチュエータ7の作動により、第1部材1がX軸方向に移動する。第1部材1は、ガイド装置9にガイドされてX軸方向に円滑に移動する。ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、ガイド装置9により、第1部材1は、X軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
【0058】
X軸方向に関する第1部材1の移動により、第2部材2がZ軸方向に移動する。第2部材2は、ガイド装置4にガイドされてZ軸方向に円滑に移動する。第2部材2がZ軸方向に移動することにより、その第2部材2に支持されているテーブル10も、第2部材2と一緒にZ軸方向に移動する。
【0059】
本実施形態においては、テーブル10に固定されたレール51と、そのレール51を移動可能に支持するスライダ52とを含むガイド装置5が、第2部材2の周囲において複数設けられている。それら複数のガイド装置5は、テーブル10がX軸方向及びY軸方向に移動することを抑制しつつ、Z軸方向に移動することを許容する。これにより、テーブル10は、Z軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、ガイド装置5により、テーブル10は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
【0060】
テーブル10に支持された物体Sが目標位置に配置されるように、アクチュエータ7が作動する。本実施形態においては、テーブル10をZ軸方向にガイドするガイド装置5が設けられている。そのため、テーブル10の目標軌道(望みの軌道)で移動させることができる。そのため、テーブル装置100は、物体Sを目標位置に配置することができる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態によれば、第2部材2を囲むように複数のガイド装置5が設けられることにより、テーブル10は目標軌道で精度良く移動することができる。ガイド装置5はZ軸方向にテーブル10をガイドするため、テーブル10はZ軸方向に真っ直ぐに移動することができる。ガイド装置5が第2部材2(テーブル10)を囲むように4つ配置されることにより、XY方向に関するテーブル装置100の剛性が高くなる。そのため、テーブル10の動作が安定する。また、ガイド装置5が複数設けられることにより、テーブル装置100は、外力の作用に対して堅牢になる。また、第1部材1及び第2部材2の面精度などに起因して、テーブル10の移動誤差が発生する場合でも、複数のガイド装置5がその誤差を吸収する。これにより、テーブル10の位置決め精度の低下が抑制され、テーブル10及びそのテーブル10に支持される物体Sを目標位置に配置することができる。
【0062】
また、本実施形態において、テーブル10の中央部を含む部分10Pが第2部材2で支持され、テーブル10の4つのコーナー(部分)10Rがガイド装置5に支持される。部分10Pは、テーブル10の重心Gを含み、部分10Pと、4つのコーナー10R(10Ra、10Rb、10Rc、10Rd)それぞれの距離(Ha、Hb、Hc、Hd)とは、等しい。これにより、テーブル10は目標軌道で精度良く移動することができる。
【0063】
また、本実施形態において、ガイド装置5は、直動型の転がり軸受を含む。これにより、テーブル10は、ガイド装置5にガイドされて、Z軸方向に真っ直ぐに移動することができる。
【0064】
また、本実施形態において、ガイド装置5は、Z軸方向に配置される複数(2つ)のスライダ52を有する。これにより、Z軸方向に関するテーブル10(スライダ52)の移動においてスライダ52に振動が発生しても、その振動が平均化され、微振動も最小限に抑制される。そのため、ガイド装置5は、テーブル10を精度良くガイドすることができる。
【0065】
また、本実施形態においては、転動体を含むスライダ92がベース部材8に固定され、レール91が第1部材1と一緒に移動する。これにより、テーブル10(第2部材2)がZ軸方向に移動しても、スライダ92の位置は変化しない。そのため、第1部材1は、第2部材2を介してテーブル10を安定して支持することができる。特に、第1部材1の移動距離(ストローク)が長いときに有効である。
【0066】
また、本実施形態においては、ガイド装置4、ガイド装置5、及びガイド装置9のそれぞれが、転がり軸受を有する直動ガイド機構によって構成されている。ガイド装置4、ガイド装置5、及びガイド装置9のそれぞれは、実質的に同一な構造の転がり軸受を有する。したがって、テーブル10は、それらガイド装置4、ガイド装置5、及びガイド装置9にガイドされて、Z軸方向、及びX軸方向のそれぞれに目標軌道で精度良く移動することができる。
【0067】
なお、本実施形態においては、ガイド装置5が第2部材2の周囲に4つ配置されることとした。ガイド装置5は、第2部材2の周囲において2つ又は3つ配置されてもよい。5つ以上の任意の複数のガイド装置5が第2部材2の周囲に配置されてもよい。
【0068】
なお、本実施形態においては、テーブル10が矩形状であることとした。XY平面内においてテーブル10は円形でもよいし、6角形又は8角形のような多角形でもよい。
【0069】
なお、本実施形態において、ガイド装置4は、転動体を有する転がり軸受を含むこととした。ガイド装置4が、転動体を有しない直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、ガイド装置4が、スライダを有しなくてもよい。例えば、第2部材2がZ軸方向に移動するように、第1部材1に設けられたレールに沿って第2部材2の斜面2Gが移動されてもよい。この場合、第1部材1に設けられたレールが、第2部材2をガイドするガイド装置として機能する。
【0070】
同様に、ガイド装置9が、直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、ガイド装置9が、スライダを有しなくてもよい。
【0071】
同様に、ガイド装置5が、直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、ガイド装置5が、スライダを有しなくてもよい。
【0072】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0073】
図8は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える半導体製造装置200の一例を示す図である。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造可能な半導体デバイス製造装置を含む。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造するための物体Sを搬送可能な搬送装置300を含む。搬送装置300は、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。なお、
図8においては、テーブル装置100を簡略して図示する。
【0074】
本実施形態において、物体Sは、半導体デバイスを製造するための基板である。物体Sから半導体デバイスが製造される。物体Sは、半導体ウエハを含んでもよいし、ガラス板を含んでもよい。物体Sにデバイスパターン(配線パターン)が形成されることによって、半導体デバイスが製造される。
【0075】
半導体製造装置200は、処理位置PJ1に配置された物体Sに対して、デバイスパターンを形成するための処理を行う。テーブル装置100は、テーブル10に支持された物体Sを処理位置PJ1に配置する。搬送装置300は、テーブル装置100のテーブル10に物体Sを搬送(搬入)可能な搬入装置301と、テーブル10から物体Sを搬送(搬出)可能な搬出装置302とを含む。搬入装置301によって、処理前の物体Sがテーブル10に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、テーブル10に支持された物体Sが処理位置PJ1まで搬送される。搬出装置302によって、処理後の物体Sがテーブル10から搬送(搬出)される。
【0076】
テーブル装置100は、テーブル10を移動して、テーブル10に支持された物体Sを処理位置PJ1に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル10は、ガイド装置5によってガイドされる。そのため、テーブル装置100は、テーブル10を目標軌道で移動可能であり、テーブル10に支持された物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能である。
【0077】
例えば、半導体製造装置200が、光学系201を介して物体Sのデバイスパターンを計測する計測装置を含む場合、処理位置PJ1は、光学系201の焦点の位置(計測位置)を含む。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、半導体製造装置200は、光学系201を介して、物体Sに形成されたデバイスパターンの画像を取得可能である。半導体製造装置200が、物体Sに膜を形成する成膜装置を含む場合、処理位置PJ1は、膜を形成するための材料が供給可能な位置である。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、デバイスパターンを形成するための膜が物体Sに形成される。
【0078】
処理位置PJ1において物体Sが処理された後、その処理後の物体Sが搬出装置302によってテーブル10から搬送される。搬出装置302によって搬送(搬出)された物体Sは、後工程を行う処理装置に搬送される。
【0079】
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能である。そのため、不良な製品が製造されてしまうことが抑制される。すなわち、テーブル装置100によって、半導体製造装置200における物体Sの位置決め精度の低下が抑制されるため、不良な製品の発生が抑制される。
【0080】
図9は、本実施形態に係るテーブル装置100を備える検査装置400の一例を示す図である。検査装置400は、半導体製造装置200によって製造された物体(半導体デバイス)S2を検査する。検査装置400は、物体S2を搬送可能な搬送装置300Bを含む。搬送装置300Bは、本実施形態に係るテーブル装置100を含む。なお、
図9においては、テーブル装置100を簡略して図示する。
【0081】
検査装置400は、検査位置PJ2に配置された物体S2の検査を行う。テーブル装置100は、テーブル10に支持された物体S2を検査位置PJ2に配置する。搬送装置300Bは、テーブル装置100のテーブル10に物体S2を搬送(搬入)可能な搬入装置301Bと、テーブル10から物体S2を搬送(搬出)可能な搬出装置302Bとを含む。搬入装置301Bによって、検査前の物体S2がテーブル10に搬送(搬入)される。テーブル装置100によって、テーブル10に支持された物体S2が検査位置PJ2まで搬送される。搬出装置302Bによって、検査後の物体S2がテーブル10から搬送(搬出)される。
【0082】
テーブル装置100は、テーブル10を移動して、テーブル10に支持された物体S2を検査位置PJ2に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル10は、ガイド装置5によってガイドされる。そのため、テーブル装置100は、テーブル10を目標軌道で移動可能であり、テーブル10に支持された物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能である。
【0083】
本実施形態において、検査装置400は、検出光を用いて物体S2の検査を光学的に行う。検査装置400は、検出光を射出可能な照射装置401と、照射装置401から射出され、物体S2で反射した検出光の少なくとも一部を受光可能な受光装置402とを含む。本実施形態において、検査位置PJ2は、検出光の照射位置を含む。検査位置PJ2に物体S2が配置されることにより、物体S2の状態が光学的に検査される。
【0084】
検査位置PJ2において物体S2の検査が行われた後、その検査後の物体S2が搬出装置302Bによってテーブル10から搬送される。
【0085】
本実施形態においては、テーブル装置100は、物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能であるため、検査不良の発生を抑制できる。すなわち、検査装置400は、物体S2が不良であるか否かを良好に判断することができる。これにより、例えば不良な物体S2が後工程に搬送されたり、出荷されたりすることが抑制される。
【0086】
なお、本実施形態においては、テーブル10がZ軸方向に移動することとした。本実施形態において、テーブル10がZ軸に対して傾斜する方向に移動されてもよい。第1部材1がXY平面に対して傾斜する方向に移動されてもよいし、第2部材2がZ軸に対して傾斜する方向に移動されてもよい。すなわち、XY平面は、水平面と平行でもよいし、水平面に対して傾斜していてもよい。ガイド装置5は、その傾斜する方向にテーブル10をガイド可能である。ガイド装置5により、テーブル10は、その傾斜する方向に真っ直ぐに移動可能である。