特許第6442851号(P6442851)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442851
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】レーザ画像計測装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/89 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   G01S17/89
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-76604(P2014-76604)
(22)【出願日】2014年4月3日
(65)【公開番号】特開2015-197402(P2015-197402A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112210
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108431
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 加奈子
(74)【代理人】
【識別番号】100153176
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 重明
(74)【代理人】
【識別番号】100109612
【弁理士】
【氏名又は名称】倉谷 泰孝
(72)【発明者】
【氏名】白金 直徒
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0064555(US,A1)
【文献】 特開2013−113670(JP,A)
【文献】 特表2015−535925(JP,A)
【文献】 特開2008−224614(JP,A)
【文献】 特開2004−361315(JP,A)
【文献】 特開平07−084045(JP,A)
【文献】 特開2013−195246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48−7/51、17/00−17/95
G01B 11/00−11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調信号をそれぞれ生成する第1、第2の発振器と、
上記第1、第2の発振器の変調信号に基づき、光変調したレーザ光をそれぞれ出力する第1、第2のレーザ光送信部と、
上記第1、第2のレーザ光送信部の出力したレーザ光を、走査角を測りながらそれぞれ走査する第1、第2のレーザ光走査部と、
第1、第2のレーザ光走査部から出力されたレーザ光により、物体から反射した光信号を受光し、光電変換した受信信号をそれぞれ得る第1、第2の受信部と、
上記第1、第2の発振器の変調信号と上記第1、第2の受信部の得た受信信号と、上記第1、第2のレーザ光走査部の走査角に基づいて、信号強度、距離、および走査角を計測し、物体の三次元画像をそれぞれ取得する第1、第2の信号処理部と
を有する第1、第2のセンサ部と、
上記第1、第2の発振器を同期制御して上記第1、第2のレーザ光送信部からのレーザ光の出力タイミングをずらし、当該各レーザ光送信部からのレーザ光の出力タイミングに応じて、上記第1、第2の信号処理部によりそれぞれ得られる三次元画像の走査角をずらす同期制御部と、
上記第1、第2の信号処理部により得られる三次元画像を結合する画像結合処理装置と、
を備え、
上記第1、第2のセンサ部の2系統から物体に照射するレーザ光の計測ポイントの間隔が、上記第1のセンサ部のみから物体に照射するレーザ光の計測ポイントの間隔よりも密であることを特徴とする
レーザ画像計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、レーザ走査により物体までの距離画像を計測するレーザ画像計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサヘッドと反射板を組み合わせて、物体の有無および個数を検出する光ビームセンサがある。この光ビームセンサを複数用いることで、光ビームの照射範囲を広げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−227856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の光ビームセンサは、物体に照射したレーザパルスの受信光に基づいて物体までの距離画像を計測する、パルスレーザ方式のレーザ画像計測装置が用いられる。パルスレーザ方式のレーザ画像計測装置は、レーザ画像の分解能が低く、自動車のように高速で移動する物体を計測する場合、正確にその物体の形状を捉えられないという問題が生じる。
【0005】
また、移動する物体の奥行方向にレーザパルスを走査せずに、物体の移動に伴って奥行方向を走査するので、停止している車両は奥行方向が走査できず、物体の形状が捉えられないという問題も生じる。
【0006】
この発明は係る課題を解決するためになされたものであり、レーザ画像の分解能を向上させるレーザ画像計測装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明によるレーザ画像計測装置は、変調信号をそれぞれ生成する第1、第2の発振器と、上記第1、第2の発振器の変調信号に基づき、光変調したレーザ光をそれぞれ出力する第1、第2のレーザ光送信部と、上記第1、第2のレーザ光送信部の出力したレーザ光を、走査角を測りながらそれぞれ走査する第1、第2のレーザ光走査部と、第1、第2のレーザ光走査部から出力されたレーザ光により、物体から反射した光信号を受光し、光電変換した受信信号をそれぞれ得る第1、第2の受信部と、上記第1、第2の発振器の変調信号と上記第1、第2の受信部の得た受信信号と、上記第1、第2のレーザ光走査部の走査角に基づいて、信号強度、距離、および走査角を計測し、物体の三次元画像をそれぞれ取得する第1、第2の信号処理部と、上記発振器を同期制御して上記レーザ光送信部からのレーザ光の出力タイミングをずらすことで、上記第1、第2の信号処理部によりそれぞれ得られる三次元画像の走査角をずらす同期制御部と、上記第1、第2の信号処理部により得られる三次元画像を結合する画像結合処理装置と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、レーザの光学系を複数設け、レーザ送信光の出力タイミングをずらすことにより、高分解能の測距及び強度検知を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1によるレーザ画像計測装置の構成を示す図である。
図2】実施の形態1によるレーザ画像計測装置の動作と従来のレーザ画像計測装置の動作の違いを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、この発明に係る実施の形態1によるレーザ画像計測装置の構成を示す図である。また、図2は、実施の形態1によるレーザ画像計測装置の動作と従来のレーザ画像計測装置の動作の違いを説明するための図であり、(a)は実施の形態1によるレーザ画像計測装置の動作を示し、(b)は比較例として従来のレーザ画像計測装置の動作を示す。図1において、実施の形態1によるレーザ画像計測装置は、センサ部31aと、センサ部31bと、画像結合部30から構成される。
【0011】
センサ部31aは、レーザ送信部20aと、レーザ光走査部21aと、基準信号発生部22aと、受信部23aと、信号処理部25aから構成される。レーザ送信部20aは、レーザ送信光を発生するレーザ装置3aと、レーザ装置3aの出力するレーザ送信光の光強度を変調(光変調)する光変調器4aから構成される。レーザ光走査部21aは、光変調器4aにより光変調されたレーザ送信光について、その出射方向の角度を走査するレーザ光走査光学系5aから構成される。
【0012】
基準信号発生部22aは、変調信号を発生する発振器1aと、発振器1aの出力する変調信号を分配する分配器2aから構成される。分配器2aは、分配した一方の変調信号をレーザ光走査光学系21aに入力し、分配した他方の変調信号を信号処理部25aに入力する。光変調器4aは、分配器2aから入力される発振器1aの出力した変調信号に基づいて、レーザ送信光を光変調する。
【0013】
受信部23aは、受信光学系6aと、受光器7aから構成される。受信光学系6aは、レーザ送信部20aから送信され、物体で反射したレーザ送信光の反射光を受光し、受光した反射光を受光器7aの受光面に結像する。受光器7aは、受信した反射光の光信号を電気信号に変換する光電変換を行う。
【0014】
信号処理部25aは、位相検波器/時間差計測回路8aと、位相検波器/時間差計測回路8aの出力信号が入力される強度・距離演算装置9aと、強度・距離演算装置9aの出力信号が入力される3次元画像処理装置10aから構成される。位相検波器/時間差計測回路8aは、分配器2aから分配された発振器1aの出力した変調信号と、受光器7aの変換した電気信号が入力される。3次元画像処理装置10aは、強度・距離演算装置9aから生成される強度値・距離値と、レーザ光走査光学系5a,5bにて生成される走査角信号とが入力される。
【0015】
センサ部31bは、レーザ送信部20bと、レーザ光走査部21bと、基準信号発生部22bと、受信部23bと、信号処理部25bから構成される。レーザ送信部20bは、レーザ送信光を発生するレーザ装置3bと、レーザ装置3bの出力するレーザ送信光の光強度を変調(光変調)する光変調器4bから構成される。レーザ光走査部21bは、光変調器4bにより光変調されたレーザ送信光について、その出射方向の角度を走査するレーザ光走査光学系5bから構成される。
【0016】
基準信号発生部22bは、変調信号を発生する発振器1bと、発振器1bの出力する変調信号を分配する分配器2bから構成される。分配器2bは、分配した一方の変調信号をレーザ光走査光学系21bに入力し、分配した他方の変調信号を信号処理部25bに入力する。光変調器4bは、分配器2bから入力される発振器1bの出力した変調信号に基づいて、レーザ送信光を光変調する。
【0017】
受信部23bは、受信光学系6bと、受光器7bから構成される。受信光学系6bは、レーザ送信部20bから送信され、物体で反射したレーザ送信光の反射光を受光し、受光した反射光を受光器7bの受光面に結像する。受光器7bは、受信した反射光の光信号を電気信号に変換する光電変換を行う。
【0018】
信号処理部25bは、位相検波器/時間差計測回路8bと、位相検波器/時間差計測回路8bの出力信号が入力される強度・距離演算装置9bと、強度・距離演算装置9bの出力信号が入力される3次元画像処理装置10bから構成される。位相検波器/時間差計測回路8bは、分配器2bから分配された発振器1bの出力した変調信号と、受光器7bの変換した電気信号が入力される。
【0019】
同期制御部14は、発振器1aおよび発振器1bに同期信号を入力する同期装置11と、走査角制御装置13から構成される。発振器1aおよび発振器1bは同期装置11の出力する同期信号に同期して変調信号を生成する。走査角制御装置13は、レーザ光走査部21aおよびレーザ光走査部21bにそれぞれ制御信号を入力する。画像結合部30は、信号処理部25aの3次元画像処理装置10aと、信号処理部25bの3次元画像処理装置10bの出力する画像信号が入力される画像結合処理装置12から構成される。同期制御部14は、発振器1a,1bを同期制御し、第1、第2の信号処理部25a,25bにより得られる三次元画像の走査角をずらすようにする。
【0020】
次に、実施の形態1によるレーザ画像計測装置の動作について説明する。
図1において、同期装置11は、発振器1aと発振器1bがそれぞれ出力する変調信号の時間差を管理し、同期をとる。発振器1a,1bは、それぞれ基準となる正弦波の変調信号を発生する。分配器2a,2bは、発振器1a,1bからの各変調信号をそれぞれ2つに分岐する。
【0021】
また、レーザ装置3a,3bはそれぞれレーザ光を発光し、光変調器4a,4bはレーザ装置3a,3bがそれぞれ発光したレーザ光に対して光変調をかける。走査角制御装置13は、レーザ光走査光学系5a,5bのそれぞれの走査角を制御する。レーザ光走査光学系5a,5bは光変調器4a,4bからの光変調されたレーザ光について、ビーム形状を整形し、空間中にレーザ光を照射し、かつ走査角を走査する。また、レーザ光走査光学系5a,5bは走査角の値を示す走査角信号を生成する。
【0022】
受信光学系6a,6bはそれぞれ対象物において反射されたレーザ光を受信し、受光器7a,7b上に集光する。また、受光器7a,7bはそれぞれ受信光を電気信号に変換する。位相検波器/時間差計測回路8a,8bは、それぞれ基準信号発生部22a,22bから出力する変調信号と光受信部での受信信号を受信して位相検波を行い、パルスの到達時間を計測し、時間差信号に相当する電気信号を出力する。
【0023】
また、強度・距離演算装置9a,9bは、それぞれ位相検波器/時間差計測回路8a,8bからの時間差信号に相当する電気信号に基づき、レーザ光走査光学系から計測対象となる物体までの距離値を算出するとともに、電気信号の強度値を計測する。3次元画像処理装置10aは、強度・距離演算装置9aからの強度値および距離値と、レーザ光走査光学系5aからの走査角信号を基に、3次元画像を生成する。3次元画像処理装置10bは、強度・距離演算装置9bからの強度値および距離値と、レーザ光走査光学系5bからの走査角信号を基に、3次元画像を生成する。画像結合処理装置12は、各3次元画像処理装置10a,10bからの2つの3次元画像を合成して、画像処理を行う。
【0024】
図2(b)において、従来のレーザ画像計測装置は、センサ部31aに相当するレーザ光走査光学系5a、レーザ送信部、受信部が各1つしか設けていない。従いレーザパルスを照射する計測ポイントは図2(b)に示すように間隔の空いたものとなる。
【0025】
一方、図2(a)において、実施の形態1によるレーザ画像計測装置は、2つのセンサ部31a,31bを設けることにより、レーザ光走査光学系5a,5b、レーザ送信部20a,20b、受信部23a,23bの2系統からレーザパルスを照射し、3次元画像処理装置10a,10bからそれぞれ得られた3次元画像を画像結合処理装置12にて合成する。従いレーザパルスを照射する計測ポイントは図2(a)に示すように、図2(b)の倍となり、計測ポイントの間隔が密に詰まったものとなる。これにより分解能がより高い3次元画像を得ることができる。
【0026】
なお、実施の形態1によるレーザ画像計測装置において、発振器1a,1bにて生成される変調信号はパルスではなく、正弦波でもよい。この場合、位相検波器/時間差計測回路8a,8bは、基準信号発生部22a,22bから光変調器4a,4bにそれぞれ出力する変調信号と、受信部23a,23bでの光信号から電気信号に変換された受信信号をそれぞれ受信して位相検波を行い、得られたそれぞれの位相信号からそれぞれ距離を導出する。このため位相検波器/時間差計測回路8a,8bのかわりに、例えば位相検波器を用いてもよい。
【0027】
また、レーザ光送信部20a,20bは、光変調器4a,4bを用いてレーザ光に強度変調をかけるのではなく、レーザ装置3a,3bに変調機能を持たせたものであってもよい。この場合、例えばレーザ装置3a,3bにレーザダイオードを用い、発振器1a,1bの生成した変調信号に同期した駆動電流を注入し、レーザ装置3a,3bに入力することで、直接変調光を得る。
【0028】
また、基準信号発生部22a,22b、レーザ光送信部21a,21b、レーザ光走査部21a,21b、受信部23a,23b、信号処理部25a,25bをそれぞれ2つ設けた例を示したが、それらを3つ以上設けてもよい。
【0029】
また、基準信号発生部22a,22b、信号処理部25a,25bをそれぞれ1つに集約して一体化してもよい。
【0030】
また、レーザ光走査光学系5a,5bは、ポリゴンミラー、MEMSミラー、ガルバノミラー等を使用し、1つに集約して一体化してもよい。一つに集約しない場合は、走査角制御装置13において、走査角度差を管理することで、各レーザの照射位置をずらすことを可能とする。
【0031】
また、センサ部31a,31bがパルス方式ではなく、CW(continuous wave)方式で高分解能のレーザ検知器を構成する場合においては、アイセーフを考慮してレーザダイオードのパワーを低くする必要があり、SN(信号対ノイズ比)を高くすることが難しいものの、SNに問題がないのであればCW方式を用いてもよい。
【0032】
以上説明した通り、実施の形態1によるレーザ画像計測装置は、変調信号をそれぞれ生成する第1、第2の発振器1a,1bと、上記第1、第2の発振器1a,1bの変調信号に基づき、光変調したレーザ光をそれぞれ出力する第1、第2のレーザ光送信部20a,20bと、上記第1、第2のレーザ光送信部20a,20bの出力したレーザ光を、走査角を測りながらそれぞれ走査する第1、第2のレーザ光走査部21a,21bと、第1、第2のレーザ光走査部21a,21bから出力されたレーザ光により、物体から反射した光信号を受光し、光電変換した受信信号をそれぞれ得る第1、第2の受信部23a,23bと、上記第1、第2の発振器1a,1bの変調信号と上記第1、第2の受信部23a,23bの得た受信信号と、上記第1、第2のレーザ光走査部21a,21bの走査角に基づいて、信号強度、距離、および走査角を計測し、物体の三次元画像をそれぞれ取得する第1、第2の信号処理部25a,25bと、上記発振器を同期制御して上記レーザ光送信部20a,20bからのレーザ光の出力タイミングをずらすことで、上記第1、第2の信号処理部25a,25bによりそれぞれ得られる三次元画像の走査角をずらす同期制御部14と、上記第1、第2の信号処理部25a,25bにより得られる三次元画像を結合する画像結合処理装置12とを備えたことを特徴とする。これにより、レーザの光学系を複数設けて、CW波またはパルス波によるレーザ送信光の出射タイミングをずらすことにより、高分解能の測距及び強度検知を可能とする。これにより、停止している物体検知ができる。また、高分解能のレーザ画像計測装置を安価に構成することができる。
【符号の説明】
【0033】
1a,1b 発振器、2a,2b 分配器、3a,3b レーザ装置、4a,4b 光変調器、5a,5b レーザ光走査光学系、6a,6b 受信光学系、7a,7b 受光器、8a,8b 位相検波器/時間差計測回路、9a,9b 強度・距離演算装置、10a,10b 3次元画像処理装置、11 同期装置、12 画像結合処理装置、13 走査角制御装置、14 同期制御部、20a,20b レーザ送信部、21a,21b レーザ光走査部、22a,22b 基準信号発生部、23a,23b 受信部、25a,25b 信号処理部、30 画像結合部、31a,31b センサ部。
図1
図2