特許第6442859号(P6442859)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442859
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】薬服用リマインドシステム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20181217BHJP
【FI】
   G06Q50/24
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-86059(P2014-86059)
(22)【出願日】2014年4月18日
(65)【公開番号】特開2015-207071(P2015-207071A)
(43)【公開日】2015年11月19日
【審査請求日】2017年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】辰己 元昭
(72)【発明者】
【氏名】中坂 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】久保 龍一
(72)【発明者】
【氏名】松尾 有希
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−105302(JP,A)
【文献】 特開2012−165800(JP,A)
【文献】 特開2009−048297(JP,A)
【文献】 特開2004−154560(JP,A)
【文献】 特開2010−074557(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00−80/00
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に薬の服用をリマインドする薬服用リマインドシステムであって、
薬品を特定する薬品情報と服用形態を特定する服用情報とを少なくとも含む、患者の処方情報が、前記患者のメールアドレスと関連付けて登録された登録データベースを備えており、
前記登録データベースに登録された処方情報に関連付けられたメールアドレスに、当該患者のマイページのURLアドレスの情報を含む利用開始登録の案内メールを送信し、
前記マイページに入力された利用開始登録情報を受けて、服用通知の対象となる薬品と服用通知メールを送信するメールアドレスとを特定するリマインド情報を、前記処方情報と関連付けて設定し、
前記リマインド情報に従ってメール配信予約データを生成し、服用通知メールを配信するものであり、
前記マイページは、当該患者以外の人のメールアドレスである第2メールアドレスに服用通知メールを配信するよう、設定可能であり、
前記薬服用リマインドシステムは、前記マイページにおいて前記第2メールアドレスに服用通知メールを配信するよう設定されたとき、前記第2メールアドレスに利用確認メールを送信し、利用承認メールが返信されたとき、前記第2メールアドレスを、服用通知メールを送信するメールアドレスとして前記リマインド情報に登録する
ことを特徴とする薬服用リマインドシステム。
【請求項2】
請求項1記載の薬服用リマインドシステムにおいて、
服用通知メールを配信した患者から、服用完了の通知を受けたとき、前記第2メールアドレスに、服用完了を通知するメールを配信する
ことを特徴とする薬服用リマインドシステム。
【請求項3】
請求項1記載の薬服用リマインドシステムにおいて、
前記マイページは、前記処方情報に含まれた薬品のうち、服用通知メールの配信を希望しない薬品を選択できるよう、構成されており、
前記薬服用リマインドシステムは、前記マイページにおいて服用通知メールの配信を希望しないものとして選択された薬品は、前記リマインド情報において、服用通知の対象となる薬品から外す
ことを特徴とする薬服用リマインドシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者に薬の服用をリマインドするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬を処方された患者が薬の服用を忘れないように、服用を催促したりして薬剤の服用を管理するシステムに関して、いくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1では、処方箋に記載された薬剤の服用に関して、服用が必要とされる日時に服用のお知らせメールを送信したり、あるいは、来院のお知らせメールを送信したりする処方箋運用管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−122183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者に薬の服用をリマインドするサービスでは、患者が例えば高齢者である場合には、家族や介護者などの患者以外の人が、患者の薬の服用状態に関して情報を共有できることが好ましい、と考えられる。これにより、利用者の利便性が高まり、また、家族などの安心感も得られる
【0005】
本発明は、患者の薬の服用状況について、患者の家族や介護者などが容易に情報共有できる薬服用リマインドシステムを提供することを目的とする
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様では、患者に薬の服用をリマインドする薬服用リマインドシステムは、薬品を特定する薬品情報と服用形態を特定する服用情報とを少なくとも含む、患者の処方情報が、前記患者のメールアドレスと関連付けて登録された登録データベースを備えており、前記登録データベースに登録された処方情報に関連付けられたメールアドレスに、当該患者のマイページのURLアドレスの情報を含む利用開始登録の案内メールを送信し、前記マイページに入力された利用開始登録情報を受けて、服用通知の対象となる薬品と服用通知メールを送信するメールアドレスとを特定するリマインド情報を、前記処方情報と関連付けて設定し、前記リマインド情報に従ってメール配信予約データを生成し、服用通知メールを配信するものであり、前記マイページは、当該患者以外の人のメールアドレスである第2メールアドレスに服用通知メールを配信するよう、設定可能であり、前記薬服用リマインドシステムは、前記マイページにおいて前記第2メールアドレスに服用通知メールを配信するよう設定されたとき、前記第2メールアドレスに利用確認メールを送信し、利用承認メールが返信されたとき、前記第2メールアドレスを、服用通知メールを送信するメールアドレスとして前記リマインド情報に登録する。
【0007】
この態様によると、薬服用リマインドシステムは、登録データベースに登録された処方情報に関連付けられたメールアドレスに、当該患者のマイページのURLアドレスの情報を含む利用開始登録の案内メールを送信する。そして、マイページに入力された利用開始登録情報を受けて、服用通知の対象となる薬品と服用通知メールを送信するメールアドレスとを特定するリマインド情報を、処方情報と関連付けて設定し、リマインド情報に従ってメール配信予約データを生成し、服用通知メールを配信する。さらに薬服用リマインドシステムは、マイページにおいて患者以外の人の第2メールアドレスに服用通知メールを配信するよう設定されたとき、この第2メールアドレスに利用確認メールを送信し、利用承認メールが返信されたとき、この第2メールアドレスを、服用通知メールを送信するメールアドレスとしてリマインド情報に登録する。これにより、薬の服用通知メールが、患者自身が許可した患者以外の人にも通知されることになり、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ、患者の家族や介護者などで情報共有することが容易になる。
【0008】
また、前記薬服用リマインドシステムは、服用通知メールを配信した患者から、服用完了の通知を受けたとき、前記第2メールアドレスに、服用完了を通知するメールを配信するようにしてもよい。
【0009】
これにより、患者自身が許可した患者以外の人に、患者が薬を服用したことが通知されるので、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ、患者の家族や介護者などで情報共有することが容易になる。
【0010】
また、前記薬服用リマインドシステムにおいて、前記マイページは、前記処方情報に含まれた薬品のうち、服用通知メールの配信を希望しない薬品を選択できるよう構成されており、前記薬服用リマインドシステムは、前記マイページにおいて服用通知メールの配信を希望しないものとして選択された薬品は、前記リマインド情報において、服用通知の対象となる薬品から外してもよい。
【0011】
これにより、リマインドサービスを利用する薬品を選択することができるので、患者の利便性が高い
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、薬の服用通知メールが、患者自身が許可した患者以外の人にも通知されるため、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ、患者の家族や介護者で情報共有することが容易になる
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態に係る薬服用リマインドシステムを含む全体構成図
図2】処方情報の登録処理の流れを示すフロー図
図3】登録DBに登録された処方情報の一例
図4】薬服用リマインド処理の流れを示すフロー図
図5】利用開始登録を行うマイページの画面例
図6】(a),(b)は薬服用リマインドシステムに設定されたリマインド情報の例
図7】(a)は患者に送信する登録完了メールの例、(b)は患者の家族などに送信する利用開始メールの例
図8】メール配信予約データの一例
図9】(a)は患者に送信する服用通知メールの例、(b)は患者の家族などに送信する服用通知メールの例、(c)は患者の家族などに送信する服用完了メールの例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は実施の形態に係る薬服用リマインドシステムを含む全体構成のイメージ図である。図1において、薬服用リマインドシステム10は、例えばインターネットなどのネットワーク1を介して調剤薬局にある端末装置20と通信可能なように構成されている。また、患者(利用者)が持つフィーチャーフォンやスマートフォンなどの情報機器22や、患者の家族や介護者が持つフィーチャーフォンやスマートフォンなどの情報機器24とも、ネットワーク1を介して通信可能なように構成されている。
【0016】
薬服用リマインドシステム10は、リマインド管理装置11とメール発行装置13とを備えている。リマインド管理装置11は各患者の薬服用に関するリマインド処理を管理する装置であって、各患者の処方情報が登録される登録データベース(DB)12を備えている。登録DB12に登録される処方情報は、当該患者が服用する薬品を特定する薬品情報と、その服用形態(例:毎食後3錠ずつ)を特定する服用情報とを少なくとも含む。処方情報は、当該患者のメールアドレスと関連付けて登録DB12に登録される。メール発行装置13は、リマインド管理装置11からの指示を受けて、各患者に服用通知メールを配信する。なお、メール発行装置13をリマインド管理装置11と別個に設けているのは、大量のメールを配信することを想定しているためであり、リマインド管理装置11自体が服用通知メールなどの発行を行ってもかまわない。
【0017】
<処方情報の登録>
図2のフローに従って、処方情報の登録処理について説明する。
【0018】
患者は、病院で発行された処方箋を持って調剤薬局を訪れる(S11)。調剤薬局では、患者が提示した処方箋に従って薬を処方する(S12)。このとき、調剤薬局のスタッフは、端末装置20に患者の処方情報を入力し、薬服用リマインドシステム10に送信する。例えば、処方箋の情報を含むQRコード(登録商標)が処方箋に印刷されているとき、このQRコードをスキャナーで読み取る(S13)ことによって、処方情報を端末装置20に入力する。そして、入力した処方情報を端末装置20から薬服用リマインドシステム10に送信する(S14)。QRコードは情報コードの一例であり、その他の情報コードを利用してもかまわない。
【0019】
なおこの場合、送信される処方情報には、薬服用のリマインドのためには必要のない個人情報、例えば保険証番号などが含まれている。このため、後述するように、リマインド管理装置11では、送信された処方情報から不要な個人情報を破棄する処理を行うのが好ましい。あるいは、端末装置20において、薬服用のリマインドのためには必要のない個人情報を除いた後に、処方情報を薬服用リマインドシステム10に送信するようにしてもかまわない。
【0020】
また、情報コードを利用する代わりに、例えば、調剤薬局のスタッフが処方箋に記載されていた処方情報を、端末装置20に手入力してもかまわない。この場合は、予め不要な個人情報は端末装置20に入力しないようにしておけば、後で個人情報を破棄する処理は不要になる。
【0021】
薬服用リマインドシステム10は、リマインド管理装置11が、端末装置20から送信された処方情報を受信する(S15)。リマインド管理装置11は、受診した処方情報から、個人情報の全てまたは一部、例えば、薬服用のリマインドのためには不要な保険証番号などを破棄する(S16)。そして、仮キーをランダムに発生させ(S17)、処方情報を仮キーと関連付けて仮登録する(S18)。この仮登録では、リマインド管理装置11は例えば、仮キーをファイル名とし、薬品情報および服用情報を含む処方情報が記載されているテキストファイルを作成し、非公開領域に一時保管する。
【0022】
処方情報を仮登録した後、リマインド管理装置11は、QRコードを発行する(S19)。このQRコードは、仮キーと、当該薬服用リマインドシステム10へのメール送付用のアドレスとを含んでいる。発行されたQRコードはネットワーク1を介して端末装置20に送信される。QRコードは情報コードの一例であり、その他の情報コードを利用してもかまわない。端末装置20は、リマインド管理装置11から発行されたQRコードを受信し(S20)、このQRコードを印刷または画面に表示する(S21)。患者は、印刷または画面表示されたQRコードを、自分の情報機器22を用いて読み取り(S22)、仮キーを含む空メールを送信する(S23)。
【0023】
薬服用リマインドシステム10は、リマインド管理装置11が、患者の情報機器22から送信された空メールを受信する(S24)。そして、この空メールの送付元メールアドレスと、当該仮キーと関連付けて仮登録されている処方情報とを関連付ける(S25)。そして仮キーを廃棄し(S26)、処方情報を空メールの送付元メールアドレスと関連付けて、登録DB12に登録する(S27)。
【0024】
図3は登録DB12に登録された処方情報の一例である。図3に示すように、登録DB12には、処方情報が患者のメールアドレスと関連付けて登録されている。この患者のメールアドレスは、上述の空メールの送付元メールアドレスである。図3の例では、処方された4種類の薬品について、薬品を特定する薬品情報としての医薬品コードと、服用情報としての用法用量とが登録されている。登録No.は登録された処方情報を一意に特定する番号である。このように本実施形態では、メールアドレス以外の個人情報は登録DB12に登録されていないので、万一、登録DB12の情報が外部に流出したとしても、個人情報漏洩の問題はほとんど生じない。
【0025】
<薬服用のリマインド処理>
図4のフローに従って、薬服用のリマインド処理について説明する。
【0026】
薬服用リマインドシステム10は、処方情報が登録DB12に登録された後、この処方情報に関連付けられた患者のメールアドレスに、リマインドサービスの利用開始登録を案内するメールを送信する(S31)。この案内メールには、当該患者のマイページのURLアドレスの情報が含まれている。患者は、案内メールを受信すると(S32)、案内メールに含まれたURLアドレスにアクセスし、マイページの画面を開いて利用開始登録を行う(S33)。
【0027】
図5はマイページの画面例である。まず、図5の左上に示す<マイページ>の本画面が表示される。この画面では、処方された薬品名と、服用する数量および服用するタイミングの一覧が表示される。ここで、図3の処方情報における薬品1−薬品4は、それぞれ、薬品名「ツロテロール」「ロキソベリン」「ミクドキート」「カッタテンス」(いずれも架空の名前)に対応している。なお、薬品3「ミクドキート」は発熱時に服用する薬なので、マイページの画面では「時間をお知らせできないお薬」として表示されている。
【0028】
患者は、リマインドサービスを利用する薬を変えたいときは、図5の右上の<利用薬品選定>画面を開き、各薬品について服用を通知するかしないかを適宜変更する。また、リマインドサービスを開始する場合には、図5の左下に示す画面に示すように、患者自身以外の人にも通知メールを送信するか否かの設定が可能になっている。患者自身以外の人にも通知メールを送信する場合には、図5の右下に示す<複数利用者設定>画面を開き、通知メールの送信を希望するメールアドレスを新たに登録する。ここでは、家族のメールアドレスが登録されたものとする。
【0029】
患者の利用開始登録が完了すると、薬服用リマインドシステム10において、リマインド管理装置11は、リマインド情報を設定する。その際に、患者の利用開始登録において、患者以外のメールアドレスが登録されている場合は、そのメールアドレスに利用確認メールを送信する(S34)。利用開始登録においてメールアドレスが登録された家族は、自分の情報機器24で利用確認メールを受信すると、これに返信する形で利用承認メールを薬服用リマインドシステム10に送信する(S35)。リマインド管理装置11は、利用承認メールを受信した(S36)後に、リマインド情報を設定する(S37)。リマインド情報には、服用を通知する対象となる薬品を特定する情報や、服用通知メールを送信するメールアドレス等が含まれる。
【0030】
図6(a),(b)はリマインド情報の一例であり、いずれも登録No.によって図3の登録処方情報に紐付けされている。図6(a)は図3の処方情報に含まれた各薬品1−4について、服用を通知するか否かを特定する情報である。図6(a)の例では、薬品1「ツロテロール」および薬品4「カッタテンス」が服用通知の対象として特定されている。図6(b)は図3の処方情報に関する服用通知メールの送信先のメールアドレスを特定する情報である。メールアドレス1は患者自身のメールアドレスであり、メールアドレス2は患者がマイページ画面で登録した家族のメールアドレスである。なお、通知1,2は、メールアドレス1,2への服用通知メールの送信を有効にするか無効にするかを設定する情報である。
【0031】
リマインド管理装置11は、リマインド情報の設定が終了すると、患者の情報機器22に登録完了メールを送信する(S38)。患者は、登録完了メールを受信すると(S39)、例えばメールに表示されたURLアドレスをクリックすることによって、リマインドサービスの利用開始を承認する(S40)。この承認を受けて、薬服用リマインドシステム10は患者に対する薬服用リマインドサービスを開始する(S41)。このとき、患者以外の人のメールアドレスが登録されている場合は、その人に利用開始メールを送信する(S42)。
【0032】
図7(a)は患者に送信する登録完了メールの例である。服用を通知する薬として、「ツロテロール」「カッタテンス」が明示されており、また利用開始を承認するためのURLアドレスが表示されている。また、図7(b)は患者以外の人に送信する利用開始メールの例である。
【0033】
患者に対してリマインドサービスが開始されたとき、リマインド管理装置11は、図3に示すような処方情報と図6に示すようなリマインド情報に基づいて、当該患者に関するメール配信予約データを作成する。作成されたメール配信予約データはメール発行装置13に送られる。
【0034】
図8はメール配信予約データのデータ項目の一例である。図8の例では、薬品情報および服用情報を含むテキストデータが、薬品の服用通知日時毎、および、メールアドレス毎に、メール配信予約データとして生成されるものとしている。付帯情報としては、例えば、薬の服用の仕方や注意事項などの情報を記載する。また、ファイル名は、ここでは服用を通知する日時としている。なお、服用を通知する日時は例えば、朝食後は午前6時、昼食後は午前12時、夕食後は午後6時、就寝前は午後9時、というように予め設定しておけばよい。あるいは、マイページ画面から服用通知時刻を設定可能にしておき、設定後の服用通知時刻をリマインド情報の1つとしてリマインド管理装置11が管理するようにしてもかまわない。
【0035】
メール発行装置13はメール配信予約データに従って、各患者に服用通知メールを配信する(S51)。また、メールアドレスが登録されている患者以外の人にも服用通知メールを配信する(S52)。患者は服用通知メールを受信すると(S53)、薬を服用し、例えばメールに表示されたURLアドレスをクリックすることによって、薬の服用を完了したことを通知する(S54)。リマインド管理装置11は、服用完了を確認すると、メールアドレスが登録されている患者以外の人に、服用完了メールを配信する(S55)。服用完了メールを受信する(S56)ことによって、家族などは患者が薬の服用を完了したことを確認することができる。このような処理が、登録された処方情報およびリマインド情報に従って、繰り返し実行される。
【0036】
図9(a)は患者に送信する服用通知メールの例である。昼食後に「ツロテロール」を3錠服用することが示されており、服用完了を通知するためのURLアドレスが表示されている。また、図9(b)は患者以外の人に送信する服用通知メールの例であり、図9(c)は患者以外の人に送信する服用完了メールの例である。
【0037】
以上のように本実施形態によると、薬服用リマインドシステム10では、処方情報を患者のメールアドレスと関連付けて登録DB12に登録する処理が、仮キーを媒介にして行われる。したがって、登録処理の過程で仮に処方情報が漏洩したとしても、この処方情報に関わる個人が特定される可能性はなく、処方情報のセキュリティは保たれる。
【0038】
さらに、処方箋に印刷されたQRコードから処方情報を読み取る場合であっても、薬服用リマインドシステム10において個人情報が破棄して仮登録されるので、処方情報のセキュリティは保たれる。
【0039】
また、本実施形態によると、薬服用リマインドシステム10は、マイページにおいて患者以外の人のメールアドレスに服用通知メールを配信するよう設定されたとき、このメールアドレスに利用確認メールを送信し、利用承認メールが返信されたとき、服用通知メールを送信するメールアドレスとしてリマインド情報に登録する。これにより、薬の服用通知メールが、患者自身が許可した患者以外の人にも通知されることになり、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ、患者の家族や介護者などで情報共有することが容易になる。
【0040】
さらに、患者自身が許可した患者以外の人に、患者が薬を服用したことが通知されるので、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ、患者の家族や介護者で情報共有することが容易になる。また、リマインドサービスを利用する薬品を選択することができるので、患者の利便性が高い。
【0041】
なお、薬服用リマインドシステム10は、薬服用の実績をログとして記録しておいてもかまわない。この薬服用実績ログを、患者や患者以外の家族や介護者が参照することによって、患者の状態について情報共有することができる。また例えば、利用開始登録時に、メールアドレスを登録した家族や介護者について、薬服用実績ログの参照を許可するか否かを設定できるようにしてもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明では、患者の薬の服用状況について、プライバシーを保護しつつ患者の家族や介護者で情報共有することが容易になるので、例えば、利用者にとって利便性が高く、安心感のある薬服用リマインドサービスを提供するのに有効である。
【符号の説明】
【0043】
10 薬服用リマインドシステム
11 リマインド管理装置
12 登録データベース
13 メール発行装置
20 端末装置
22 患者の情報機器
24 家族・介護者の情報機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9