特許第6442868号(P6442868)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6442868-車両用警報装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442868
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車両用警報装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20181217BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20181217BHJP
   B60R 25/31 20130101ALN20181217BHJP
   B60K 35/00 20060101ALN20181217BHJP
【FI】
   B60R16/02 650C
   G08B21/00 U
   !B60R25/31
   !B60K35/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-102667(P2014-102667)
(22)【出願日】2014年5月16日
(65)【公開番号】特開2015-217801(P2015-217801A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年3月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】諏訪 大介
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−246850(JP,A)
【文献】 特開2011−098627(JP,A)
【文献】 特開平08−324236(JP,A)
【文献】 特開2008−252166(JP,A)
【文献】 実開昭58−163331(JP,U)
【文献】 米国特許第05667282(US,A)
【文献】 特開2011−152877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00 − 21/13
B60R 21/34 − 21/38
B60R 16/00 − 17/02
G08B 19/00 − 21/24
H04M 1/00
H04M 1/24 − 1/82
H04M 99/00
H04M 3/00
H04M 3/16 − 3/20
H04M 3/38 − 3/58
H04M 7/00 − 7/16
H04M 11/00 − 11/10
B60R 25/00 − 99/00
B60K 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行速度に応じた信号を出力する車速検出手段と、
前記車両の利用者の操作に基づいて前記車両の稼働/非稼働を切り替える操作手段と、
前記車両が停車していないことを報知する報知手段と、
前記操作手段によって前記車両が非稼働状態である場合に前記報知手段に報知させる制御手段と、
を備えた車両用警報装置であって、
前記車両の利用者が前記車両に搭乗しているか否かを判定する搭乗者判定手段を備え、
前記報知手段は、設定された第1音量で音を発する吹鳴装置を有し、
前記制御手段は、前記搭乗者判定手段と前記車速検出手段からの信号に基づいて判定処理し、前記車両の利用者が前記車両に搭乗していない場合、且つ、前記車両が停車していない場合に、前記報知手段に前記第1音量以上の第2音量の音を吹鳴させ
前記制御手段は、前記報知手段に前記第2音量の音を吹鳴させるのに連動して前記車両の窓を開くように制御する
ことを特徴とする車両用警報装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の状態を車外に警報する車両用警報装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、イグニッションスイッチがオフ状態であっても、走行速度を含む走行状態を車両の利用者に知らせると共に、車両が停車していないことを「車が動いています」などの音声や表示によって報知するものが特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−16478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、急峻な坂道に停車させた車両において、運転者が離れてしまった後に意図せず車両が動いてしまった場合、車両の外部に当該車両が意図せず動いてしまっている危険車両であることを報知することにおいて改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであり、車両の外部に、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出した危険な状態であることを報知する車両用警報装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用警報装置は、
車両の走行速度に応じた信号を出力する車速検出手段と、
前記車両の利用者の操作に基づいて前記車両の稼働/非稼働を切り替える操作手段と、
前記車両が停車していないことを報知する報知手段と、
前記操作手段によって前記車両が非稼働状態である場合に前記報知手段に報知させる制御手段と、
を備えた車両用警報装置であって、
前記車両の利用者が前記車両に搭乗しているか否かを判定する搭乗者判定手段を備え、
前記報知手段は、設定された第1音量で音を発する吹鳴装置を有し、
前記制御手段は、前記搭乗者判定手段と前記車速検出手段からの信号に基づいて判定処理し、前記車両の利用者が前記車両に搭乗していない場合、且つ、前記車両が停車していない場合に、前記第1音量以上の第2音量の音を吹鳴させ、前記報知手段に前記第2音量の音を吹鳴させるのに連動して前記車両の窓を開くように制御する。

【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の外部に、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出した危険な状態であることを報知する車両用警報装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態である車両用警報装置の電気的構成図。
図2】同実施形態である車両用警報装置の制御フローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
本発明に係る車両用警報装置1は、車速検出手段2と、操作手段3と、搭乗者判定手段4と、制御手段5と、ブザー60と、警笛61と、車外灯62と、携帯端末63と、を備える。車両用警報装置1は、車速検出手段2と操作手段3と搭乗者判定手段4からの入力情報を基に、制御手段5がブザー60,警笛61,車外灯62,携帯端末63からなる報知手段6に報知させることで、車両に搭乗者が搭乗しておらず、非稼働状態であるときに車両が走行してしまったことを報知する。
【0013】
車速検出手段2は、車両の車輪回転に応じた信号を制御手段5に出力するセンサである。
【0014】
操作手段3は、例えば、イグニッションスイッチのオン/オフ操作に基づいて、車両の各機器への電源供給を切り替える操作スイッチからなり、車両利用者が操作手段3を操作することによって、車両の稼働/非稼働を切り替えることができる。
【0015】
搭乗者判定手段4は、例えば、着座シートに加わる圧力の強度を検出するセンサの入力に基づいて、着座シートに所定値以上の圧力が所定時間かかった状態を搭乗者が存在すると判定する判定手段である。搭乗者判定手段4は、少なくとも車両の運転席に備え付けて運転者が搭乗しているか否かを判定する。
【0016】
制御手段5は、所定プログラムや各種データの格納、演算時の記憶領域などに用いるRAM,ROMなどの記憶装置と、前記所定プログラムに従って演算処理するためのCPUなどで構成したマイクロコンピュータからなる。
制御手段5は、図2のフローチャートに示すように、車速検出手段2と操作手段3からの信号に基づいて、車両が非稼働状態であり、且つ、車両が停車していないか否かを判定処理する(S1)。車両が非稼働状態であり、且つ、走行していると判定された場合(S1:Y)、制御手段5は、搭乗者判定手段4によって、車両に搭乗者が存在するか否かを判定処理する(S2)。車両に搭乗者がいないと判定された場合(S2:Y)、制御手段5は、報知手段6によって車両の外部に、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出した危険な状態であることを報知し、外部に危険を促す。
【0017】
次に、報知手段6による報知例を示す。
【0018】
報知手段6は、例えば車両内に搭載された表示装置(例えばメータやセンターコンソール)に内蔵された音を発する吹鳴装置からなるブザー60に適用することができる。制御手段5は、車内にあるブザー60の吹鳴音を車外にも聞こえるようにするため、ブザー60が搭載される表示装置で予め設定された音量に関わらず、最大音量でブザー60を吹鳴させる。なお、制御手段5は、ブザー60の吹鳴と連動して、車両の窓を開くように制御してブザー60の吹鳴が外部に良く響くように構成すると尚良い。
【0019】
また、報知手段6は、例えば、車両に搭載されたクラクションからなる警笛61に適用することができる。制御手段5は、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出している状態である限り警笛61を吹鳴させる。
【0020】
また、報知手段6は、例えば、車両に搭載されたヘッドライトやバックライト、およびハザードランプからなる車外灯62にも適用することができる。制御手段5は、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出している状態である限り、車外灯62を点滅させることで、車両の外部に、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出した危険な状態であることを報知する。
【0021】
また、報知手段6は、例えば、任意の無線通信規格で制御手段5と通信可能な携帯端末63にも適用することができる。制御手段5は、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出している状態となると、携帯端末63に無線通信により車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出している状態であることを伝え、携帯端末63は、当該状態を音や表示、または振動によって報知する。なお、携帯端末63は、例えば、携帯電話であってもよいし、車両のドアの開錠/施錠を行う鍵に備え付けることができるアクセサリ機器として構成することが運転者が車両を離れた際に、運転者に報知を行う点で好ましい。
【0022】
上述した構成をとることで、車両が非稼働状態にあり運転者が搭乗していないにもかかわらず動き出した危険な状態を、車両から離れた運転者や、車両周囲の通行者等に報知することができる。
【0023】
また、制御手段5は、報知手段6による報知の解除条件として、例えば、携帯端末63にボタン操作などによる解除操作手段を備えて、前記解除操作手段の操作に応じて解除するものとしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、例えば、自動車やオートバイ、あるいは農業機械や建築機械を備えた移動体に搭載される車両情報の表示装置として好適である。
【符号の説明】
【0025】
1 …車両用警報装置
2 …車速検出手段
3 …操作手段
4 …搭乗者判定手段
5 …制御手段
6 …報知手段
60 …ブザー
61 …警笛
62 …車外灯
63 …携帯端末
図1
図2