(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内燃機関の点火装置に放電電圧を供給するイグニッションコイルと、該イグニッションコイルの一次側に接続された電圧制御型半導体素子と、前記電圧制御型半導体素子のゲートに、ゲート配線を介して点火期間内で当該電圧制御型半導体素子のターンオン動作及びターンオフ動作させるゲート信号を供給し、該ゲート信号が供給されている間に前記ターンオン動作及び前記ターンオフ動作を複数回繰り返させる多重点火動作が可能な点火制御部とを備え、
前記点火制御部は、前記多重点火動作時における前記電圧制御型半導体素子のターンオフ動作時に、当該電圧制御型半導体素子に蓄積されたゲート電荷をグランドに放電させる能動素子を備え、前記ゲート配線を介して前記能動素子を前記電圧制御型半導体素子のゲートに接続したことを特徴とする内燃機関の点火制御装置。
前記ゲート配線における前記能動素子の接続点と前記電圧制御型半導体素子のゲートとの間の抵抗値が300mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
前記ゲート配線における前記能動素子の接続点と前記電圧制御型半導体素子のゲートとの間の抵抗値が100mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
前記ゲート配線における前記能動素子の接続点と前記電圧制御型半導体素子のゲートとの間の抵抗値が50mΩ以下であることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の点火制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る内燃機関の点火制御装置の第1の実施形態について
図1を伴って説明する。
点火制御装置10は、
図1に示すように、一次側にバッテリ11から電源電圧が印加され、二次側に点火装置12が接続されたイグニッションコイル13を備えている。このイグニッションコイル13の一次側にはワンチップイグナイタを構成する点火制御部としての半導体装置20が接続されている。この半導体装置20にはエンジンコントロールユニット(ECU)30から点火信号が供給される。
【0011】
半導体装置20は、イグニッションコイル13の一次側巻線のバッテリ11とは反対側に接続されるコレクタ端子tcと、グランドに接続されるエミッタ端子teと、エンジンコントロールユニット30に接続されるゲート端子tgとを備えている。
そして、コレクタ端子tc及びエミッタ端子te間には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)やパワーMOS電界効果トランジスタで構成される電圧制御型半導体素子21が接続されている。この電圧制御型半導体素子21は、高電位側端子となるコレクタがコレクタ端子tcに接続され、低電位側端子となるエミッタがエミッタ端子teに接続されている。また、電圧制御型半導体素子21は、制御端子となるゲートがゲート配線22を介してゲート端子tgに接続されている。ゲート配線22には、少なくとも2つの抵抗R1及びR2が直列に介挿されている。ゲート端子tg側の抵抗R1の抵抗値は電圧制御型半導体素子21のゲート側の抵抗R2の抵抗値より大きく設定されている。一例として、抵抗R1の抵抗値は例えば5kΩ程度に設定され、抵抗R2の抵抗値は例えば500Ω程度に設定されている。
【0012】
抵抗R1には電圧制御型半導体素子21のターンオフを早めるスピードアップダイオードDsが並列に接続されている。このスピードアップダイオードDsのカソードは抵抗R1のゲート端子tg側に接続され、アノードは抵抗R1の抵抗R2側に接続されている。
また、電圧制御型半導体素子21のゲート・コレクタ間には、クランプダイオードDcが電圧制御型半導体素子21のコレクタ電極と抵抗R1及びR2間との間に接続されている。このクランプダイオードDcは、電圧制御型半導体素子21のゲート・コレクタ間にクランプ電圧(例えば400V)以上の電圧が印加されたときに、クランプダイオードDcに電流が流れる。この電流は後述するようにグランドに流れる。
【0013】
また、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電極及びゲート電極間には高耐圧定電流回路23が接続されている。この高耐圧定電流回路23は例えばデプレッション型絶縁ゲートバイポーラトランジスタで構成され、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電極及びコレクタ端子tc間とゲート抵抗R2及び電圧制御型半導体素子21のゲート電極間に介挿されている。この高耐圧定電流回路23は、クランプダイオードDcのクランプ時にコレクタ・ゲート間電流の急上昇を緩和する。
【0014】
また、抵抗R1及びゲート端子Tg間のゲート配線とエミッタ端子teとの間にゲート・エミッタ抵抗R3が介挿されている。
さらに、ゲート配線22における電圧制御型半導体素子21のゲート側の抵抗R2と電圧制御型半導体素子21のゲート電極との間で、ゲート電極側とエミッタ端子teとの間にプルダウン用の第1能動素子24が接続されている。この第1能動素子24は、電圧制御型半導体素子21のターオフ動作を高応答で迅速に行うもので、一例としてnチャネルMOS電界効果トランジスタで構成されている。
【0015】
この第1能動素子24は、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷を素早くグランドに流出させるように、ドレインが電圧制御型半導体素子21のゲート電極に近いゲート配線22に接続され、ソースがエミッタ端子teに接続されている。この能動素子24のドレインのゲート配線22との接続はゲート電極に近いほどよく、ゲート配線22のゲート電極との間の抵抗値が300mΩ以下、好ましくは100mΩ以下、さらに好ましくは50mΩ以下となるゲート電極直近のゲート配線22に能動素子24のドレインを接続する。
【0016】
そして、第1能動素子24のゲートには放電制御回路としての複数点火回路25からゲート信号が入力されている。この複数点火回路25は、抵抗R1及びスピードアップダイオードDsのカソードとの接続点からゲート信号が電源として入力されて動作する。この複数点火回路25には同様に抵抗R1及びスピードアップダイオードDsのカソードとの接続点からゲート信号が電源として入力されて動作するタイマ回路26からの作動信号が入力されている。
【0017】
ここで、複数点火回路25の具体的構成は、
図2に示すように、タイマ回路26から入力される作動信号が直接セット端子sに入力されると共に、遅延回路25aを介してリセット端子rに入力されるフリップフロップ回路25bを有する。このフリップフロップ回路25bの肯定出力端子yから第1能動素子24に対してゲート信号が出力される。
タイマ回路26の具体的構成は、
図2に示すように、第1タイマ部26a第2タイマ部26b及び第3タイマ部26cが直列に接続され、各タイマ部26a〜26cから出力される作動信号がオアゲート26dを介して複数点火回路25に作動信号として出力される。
【0018】
第1タイマ部26aは、エンジンコントロールユニット30から出力されるゲート信号がハイレベルに立ち上がった時点で起動され、ゲート信号がローレベルに立ち下がる時点の所定時間前までの第1タイマ期間Tm1が経過したときにタイムアップしてパルス状の第1作動信号を出力する。
第2タイマ部26bは、第1タイマ部26aから出力される第1作動信号で起動され、第1タイマ部26aの設定期間より短い第2タイマ期間Tm2でタイムアップして第2作動信号を出力する。
【0019】
第3タイマ部26cは、第2タイマ部26bから出力される第2作動信号で起動され、第2タイマ部26bの第2タイマ期間Tm2と等しいタイマ期間でタイムアップして第3作動信号を出力する。
ここで、第1タイマ部26aの第1タイマ期間Tm1は、エンジンコントロールユニット30から出力されるゲート信号のオン期間Tonの例えば80%の期間に設定され、第2タイマ部26b及び第3タイマ部26cの第2タイマ期間Tm2は、ゲート信号のオン期間Tonの例えば10%の期間に設定されている。
【0020】
また、ゲート配線22の抵抗R1及びR2間とエミッタ端子teとの間にプルダウン用の第2能動素子27が接続されている。この第2能動素子27のゲートには、制御回路28からゲート信号が供給される。
制御回路28はゲート配線22に印加されるゲート電圧が電源として供給されている。この制御回路28は、電圧制御型半導体素子21の過電流保護や過熱保護を行うもので、電圧制御型半導体素子21の電流センス端子とエミッタ端子teとの間に接続された電流検出用抵抗R3の電流センス端子側の検出電圧が入力されて、電圧制御型半導体素子21が過電流状態となったときに第2能動素子27をオン状態に制御してゲート配線22をグランドに接続することにより、ゲート電圧を直ちに低下させて、電圧制御型半導体素子21をターンオフさせる。また、制御回路28は、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電流Icが電流制限値に達したときに、電流制限値を維持するように第2能動素子27を制御する。第2能動素子27は過電流保護用、過熱保護用、電流制限用等の複数の能動素子で構成してもよい。
【0021】
エンジンコントロールユニット30は、点火装置を点火させる所定点火時期が到来する毎に、所定点火期間ハイレベルとなる電圧信号でなるゲート信号を出力する。
次に、ワンチップイグナイタで構成される半導体装置20の構成を
図3に示す。
図3に示すように、半導体装置20は、例えばシリコンで形成された半導体基板41に、電圧制御型半導体素子21を形成する半導体素子形成領域42と制御回路37を形成する制御回路形成領域43とが隣接して形成されている。
【0022】
半導体素子形成領域42と制御回路形成領域43との境界位置には、第1能動素子形成領域44が配置されている。これら半導体素子形成領域42と第1能動素子形成領域44の詳細は、
図4に拡大図示されている。
図4において、半導体素子形成領域42は、半導体基板41の一方の主面にストライプ状のチャネル領域45(=ウェル領域)を配置し、チャネル領域45の表面層にストライプ状のエミッタ領域46を配置している。このエミッタ領域46の上面にIGBTエミッタ電極47eが形成され、このエミッタ電極47eの制御回路形成領域43側にIGBTゲート電極47gが形成されている。
【0023】
第1能動素子形成領域44には、IGBTゲート電極47gと平行に第1能動素子24が形成され、その上面側にMOSゲート電極48gを挟んでMOSドレイン電極48d及びMOSソース電極48sが形成されている。
そして、MOSドレイン電極48dがIGBTゲート電極47gにMOSドレイン電極48dより幅狭の電極配線部49aによって電気的に接続され、MOSソース電極48sが電極配線部49bによってIGBTエミッタ電極46eに電気的に接続されている。
【0024】
このように、半導体基板41上に半導体素子形成領域42に隣接して第1能動素子形成領域44を形成するので、第1能動素子24のドレインを電圧制御型半導体素子21のゲートに近接して配置することが可能となる。このとき、第1能動素子24のドレインのゲート配線22への接続点は、電圧制御型半導体素子21のゲート電極までのゲート配線22の抵抗値が300mΩ以下、好ましくは100mΩ以下、より好ましくは50mΩ以下となる位置に接続すると良い。
【0025】
次に、上記第1実施形態の動作について
図5を伴って説明する。
先ず、複数点火回路25およびタイマ回路26を動作させない通常状態では、エンジンコントロールユニット30から点火装置の所定点火時期に、
図5(a)に示す比較的長い所定期間ハイレベルとなる電圧信号でなるゲート信号が半導体装置20のゲート端子tgに入力される。
【0026】
このため、ゲート信号がローレベルからハイレベルに立ち上がる時点t1から電圧制御型半導体素子21がターンオン状態となり、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電流Icは、
図5(b)に示すように、増加を開始する。これと同時に電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧Vcは、
図5(c)に示すように、グランドレベルに近いローレベル(例えば1.3V)に低下する。その後、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電流Icが電流制限値に達する時点t2で、コレクタ電圧Vcがイグニッションコイル13のインダクタンスの変化率L(di/dt)によってコレクタ電圧Vcが緩やかに立ち上がり、その後時点t3から例えば3〜5Vの低電圧で一定電圧を維持する。
【0027】
そして、電圧制御型半導体素子21がオン状態に制御されている間、イグニッションコイル13の一次側巻線に電磁エネルギが蓄積される。その後、ゲート信号が所定の点火期間Tonを超えて、
図5(a)に示すように、時点t4でローレベルに復帰すると、これに応じて電圧制御型半導体素子21のゲート電圧がスピードアップダイオードDsを介して減少し、電圧制御型半導体素子21がターンオフする。これによって、イグニッションコイル13に蓄積された電磁エネルギが二次巻線に伝達されて、一次巻線の電流変化に応じた誘起電圧が二次巻線に発生する。これによって、点火装置12で火花放電を発生させて内燃
機関を駆動する。
【0028】
これに対して、複数点火回路25およびタイマ回路26を動作状態としたときには、
図6に示す多重点火動作となる。
すなわち、エンジンコントロールユニット30から入力されるゲート信号がローレベルからハイレベルに転換した時点t11〜電圧制御型半導体素子21のコレクタ電流Icが電流制限値に達する時点t12までは時点t11でタイマ回路26の第1タイマ部26aが起動されていることを除いては前述した
図5における時点t1〜t2と同様の動作を行う。
【0029】
そして、時点t12後の時点t13で第1タイマ部26aがタイムアップして第1作動信号が出力されると、第2タイマ部26bが起動されると同時に第1作動信号がオアゲート26dを介して複数点火回路25にトリガ信号として入力される。このため、フリップフロップ回路25bがセットされて、その肯定出力端子yからハイレベルのゲート信号が第1能動素子24のゲートに出力される。
【0030】
このため、第1能動素子24がオン状態となって、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷が抵抗素子を介することなく瞬間的に第1能動素子24を通じてグランドに放電される。このため、電圧制御型半導体素子21がターンオフ状態となり、そのコレクタ電流Icが遮断されて
図6(b)に示すように時点t13で零まで低下するとともに、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧Vcが
図6(c)に示すように時点t13でクランプ電圧となる例えば400Vまで急上昇する。これによって、前述した
図5の時点t4と同様に、点火装置12で火花放電を発生し、内燃機関を駆動する。
【0031】
このとき、複数点火回路25及びタイマ回路26には比較的大きな抵抗値の抵抗R1とゲート端子tgとの間からゲート信号が電力として供給されているので、第1能動素子24がオン状態となっても電力供給状態は維持されて複数点火回路25及びタイマ回路26の作動状態が継続される。
その後、複数点火回路25の遅延回路25aから時点t14で第1作動信号の遅延信号が出力されると、フリップフロップ回路25bがリセットされて、その肯定出力端子yから出力されるゲート信号がローレベルとなり、第1能動素子24がオフ状態となる。
【0032】
このため、ゲート配線22の抵抗R1を介して電圧制御型半導体素子21にゲート信号が供給される状態に復帰し、電圧制御型半導体素子21がターンオン状態となり、コレクタ電流Icが急増するとともに、コレクタ電圧Vcが急減する。これによって、イグニッションコイル13の一次側巻線に電磁エネルギが蓄積される。
その後、時点t15で第2タイマ期間Tm2が経過して第2タイマ部26bがタイムアップすると、第2作動信号がオアゲート26dを介して複数点火回路25に出力される。このため、複数点火回路25では、前述した時点t13と同様に、フリップフロップ回路25bがセットされて肯定出力端子yからハイレベルのゲート信号が第1能動素子24のゲートに出力される。このため、第1能動素子24がオン状態に制御されて、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷が抵抗素子を介することなく瞬間的に第1能動素子24を通じてグランドに放電される。
【0033】
したがって、電圧制御型半導体素子21がターンオフ状態となり、コレクタ電流Icが急激に低下し、コレクタ電圧Vcがクランプ電圧まで急増する。これによって、前述した時点t13と同様に、点火装置12で火花放電を発生し、内燃機関を駆動する。
その後、時点t16で複数点火回路25の遅延回路25aから第2作動信号の遅延信号がフリップフロップ回路25bのリセット端子rに供給されることにより、このフリップフロップ回路25bがリセットされ、第1能動素子24がオフ状態に復帰し、電圧制御型半導体素子21がターンオン状態に復帰する。
【0034】
その後、時点t17で第3タイマ部26cがタイムアップして第3作動信号が出力されると、前述した時点t15と同様の動作を行って第1能動素子24がオン状態となって、電圧制御型半導体素子21が瞬間的にターンオフ状態となり、点火装置12で火花放電を発生する。その後、時点t18で時点t16と同様に第1能動素子24がオフ状態となって電圧制御型半導体素子21がターンオン状態に復帰するがその直後にエンジンコントロールユニット30から入力されるゲート信号がハイレベルからローレベルに反転するので、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷は抵抗R2及びスピードアップダイオードDsを通ってエンジンコントロールユニット30側に放電される。このため、電圧制御型半導体素子21がターンオフ状態となる。
【0035】
また、本実施形態では、電圧制御型半導体素子21のコレクタ・ゲート間にクランプダイオードDc及び高耐圧定電流回路23が並列に接続されている。このため、電圧制御型半導体素子21がオン状態からターンオフ状態となって、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧Vcが急上昇する。このコレクタ電圧VcがクランプダイオードDcの設定電圧例えば400Vに達するとクランプダイオードDcを介し、スピードアップダイオードDs、ゲート・エミッタ間抵抗
R4を介し、さらにエミッタ端子teを介してグランドに流れる。これによってコレクタ電圧Vcが400Vに制限される。
【0036】
このとき、コレクタ・ゲート間電流は、クランプダイオードDcのみがコレクタ・ゲート間に介挿されているものとすると、
図7における特性線L1で示すようにコレクタ電圧Vcが設定電圧に達する直前から急激に上昇することになり、コレクタ・ゲート間電流の電流変化率が大きくなって、クランプ電圧が不安定となる。
しかしながら、第1の実施形態では、クランプダイオードDcと並列に高耐圧定電流4回路23が接続されている。この高耐圧定電流回路23では、コレクタ電圧Vcが0Vに近い状態から増加するときに、コレクタ・ゲート間電流を
図7において特性線L2で示すように、双曲線状に増加させ、その後コレクタ電圧の増加にかかわらず電圧制御型半導体素子21のゲート充填電流に比較して十分に小さい略一定電流値を維持する。
【0037】
したがって、コレクタ・ゲート間電流は、高耐圧定電流回路23を通じて流れる電流と、クランプダイオードDcを流れる電流との和となることから、
図7における特性線L3で示すように、コレクタ電圧Vcがクランプ電圧まで上昇する際のコレクタ・ゲート間電流の変化率を緩やかとすることができ、クランプ電圧の変動を抑制することができる。
なお、電圧制御型半導体素子21が過電流状態となったときには、この過電流状態を制御回路28で検出して第2能動素子27をオン状態とすることにより、電圧制御型半導体素子21をターンオフさせて動作を停止させることができる。同様に、電圧制御型半導体素子21の温度が上昇して過熱状態となったときにも制御回路28によって、第2能動素子27をオン状態とすることにより、電圧制御型半導体素子21の駆動を停止することができる。
【0038】
このように、第1の実施形態によると、電圧制御型半導体素子21をオン・オフさせて点火装置12を複数回続けて多重点火させる場合に、複数点火回路25で、電圧制御型半導体素子21ゲートに抵抗素子を介することなく低配線抵抗となる位置で第1能動素子24のドレインを接続し、この第1能動素子2のソースをグランドに接続する。これにより、多重点火動作時の電圧制御型半導体素子21のターンオフ動作を、高応答性を持って行うことができ、多重点火時に電圧制御型半導体素子21の追従性を確保して確実な多重点火動作を行うことができる。
【0039】
また、第1の実施形態のように、複数点火回路25及びタイマ回路26をエンジンコントロールユニット30から供給されるゲート信号を電源として動作させて多重点火動作を行うことができるので、別途内部電源回路を設ける必要がなく、半導体装置20の全体構成を簡略化することができる。
さらに、電圧制御型半導体素子21のコレクタ・ゲート間にクランプダイオードDcと並列に高耐圧定電流回路23を接続したので、コレクタ・ゲート間電流の急激な変化を抑制してコレクタ電圧の変動を抑制することができる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態を
図8について説明する。
この第2の実施形態では、複数点火回路25及びタイマ回路26を低温時に動作させるようにしたものである。この第2の実施形態で第1の実施形態と同一部材には同一符号を付してその詳細説明はこれを省略する。
すなわち、第2の実施形態では、
図8に示すように、半導体装置20内に温度検出回路50を設けるようにしている。この温度検出回路50は、電圧制御型半導体素子21が寒冷地等で点火装置12が放電点火しにくい低温時にオン状態となる温度検出信号をタイマ回路26に出力する。タイマ回路26は、
図9に示すように、オアゲート26dの出力側がアンドゲート26eの一方の入力側に接続され、このアンドゲート26eの他方の入力側に温度検出回路50から入力される温度検出信号が入力されている。
【0041】
そして、アンドゲート26eの出力が作動信号として複数点火回路25に出力される。
ここで、温度検出回路50は、
図10に示すように、半導体基板41の半導体素子形成領域42内に直列に複数段例えば4段直列に接続された温度検出用ダイオードを形成した温度検出領域60が形成されている。温度検出回路50の具体的構成は、
図11に示すように、温度検出領域60に形成された温度検出用ダイオードDtのアノードが定電流回路61を介してゲート配線22の抵抗R1及びスピードアップダイオードDsのカソードの接続点に接続され、カソードがエミッタ端子teに接続されている。
【0042】
そして、温度検出用ダイオードDtと定電流回路61との間の接続点の検出電圧が判定回路62に接続され、この判定回路62で検出電圧が低温時の設定温度に対応する設定値以下となったときにハイレベルとなる温度検出信号をタイマ回路26に出力する。
この第2の実施形態によると、半導体基板41の電圧制御型半導体素子21を形成した半導体素子形成領域42の温度が低温設定温度より高い場合には、温度検出回路50の定電流回路61と温度検出用ダイオードDtとの接続点の電圧が低温設定電圧より高くなるので、判定回路62からローレベルの温度検出信号Stがタイマ回路26に出力される。
【0043】
このため、タイマ回路26では、アンドゲート26eが閉じることにより、アンドゲート26eから作動信号が出力されない。このため、複数点火回路25のフリップフロップ回路25bはリセット状態を継続し、第1能動素子24はオフ状態を継続する。
このため、電圧制御型半導体素子21は、エンジンコントロールユニット30から入力されるゲート信号がオン状態からオフ状態となったときにターンオフ状態となり、前述した第1の実施形態の
図5と同様の通常点火動作を行う。
【0044】
しかしながら、寒冷地等で車両が停車していたり走行していたりして、半導体基板41の半導体素子形成領域42の温度が低い場合には、温度検出用ダイオードDtの抵抗分が小さくなることにより、定電流回路61及び温度検出用ダイオードDtとの接続点の電圧が下降し、低温設定電圧より低くなるので、判定回路62からハイレベルの温度検出信号Stがタイマ回路26に出力される。
【0045】
このため、タイマ回路26ではアンドゲート26eが開くことにより、タイマ回路26からの作動信号の複数点火回路25への出力が可能となる。
このため、エンジンコントロールユニット30から入力されるゲート信号がハイレベルとなると、タイマ回路26から第1作動信号、第2作動信号及び第3作動信号がオアゲート26d及びアンドゲート26eを介して複数点火回路25のフリップフロップ26b及び遅延回路25aに供給される。このため、複数点火回路25で、第1実施形態における多重点火動作と同様の多重点火動作を開始し、
図6と同様の動作を行って、第1作動信号、第2作動信号及び第3作動信号が入力される毎にフリップフロップ回路25bがセットされてゲート信号を第1能動素子24に出力する。このため、電圧制御型半導体素子21が瞬時にターンオフされて、コレクタ電圧がクランプダイオードDcによるクランプ電圧まで上昇される。これによって、点火装置12で火花放電を3回繰り返し発生する多重点火動作が行われる。
【0046】
この第2の実施形態によると、電圧制御型半導体素子21が点火動作をしにくい低温状態になるときにのみ多重点火動作を行い、その低温状態以外の状態では、通常点火動作を行うことができる。このため、前述した第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができることに加えて、常に多重点火動作を行う場合に比較して点火装置12の火花放電回数を制限することができ、点火装置12を長寿命化することができる。
【0047】
なお、上記第2の実施形態では、電圧制御型半導体素子21の温度を検出して低温時にのみ多重点火する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、
図12に示すように、バッテリ電圧の低下を検出したときに、多重点火動作を行うようにしてもよい。この場合には、
図12に示すように、半導体基板41の制御回路形成領域43に電圧検出領域71を形成し、この電圧検出領域71に、
図13に示す回路構成の電圧検出回路70を構成する。この電圧検出回路70は、半導体素子形成領域42の主面とは反対側の面に形成したコレクタ電極に定電流回路72と分圧抵抗R11及びR12の直列回路を形成し、分圧抵抗R11及びR12の接続点で得られる検出電圧を判定回路73に供給する構成を有する。そして、判定回路73でコレクタ電圧すなわちバッテリ11のバッテリ電圧が設定電圧以下に低下しているか否かを判定し、バッテリ電圧が設定電圧以下であるときにハイレベルの電圧検出信号を前述した
図9のタイマ回路26のアンドゲート26eに供給する。
【0048】
この構成によれば、バッテリ11の電源電圧が設定電圧を超えているときには、電圧検出回路70の判定回路73からローレベルの電圧検出信号がタイマ回路26のアンドゲート26eに出力されることにより、タイマ回路26及び複数点火回路25が動作を停止する。しかしながら、バッテリ11の電源電圧が低下して電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧が設定電圧以下に低下したときに、電圧検出回路70の判定回路73からハイレベルの電圧検出信号をタイマ回路26のアンドゲート26eに出力することにより、タイマ回路26及び複数点火回路25を作動状態として多重点火動作を行わせることができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施形態を
図14について説明する。
この第3の実施形態では、半導体装置20にバッテリ11の電源を供給して内部電源を形成し、この内部電源によって内部回路を駆動するようにしたものである。
すなわち、第3の実施形態では、
図14に示すように、半導体装置20にバッテリ11からバッテリ電力が供給されるバッテリ電力入力端子tbを形成するとともに、半導体装置20内にバッテリ電力入力端子tbに接続された内部電源回路80が設けられている。
【0050】
また、半導体装置20内には、タイマ回路26に代えてゲート電圧のハイレベルからローレベルへの反転時の電圧低下を検出するゲート電圧低下検出回路81が設けられている。
内部電源回路80は、レギュレータの構成を有し、供給されるバッテリ電圧を複数点火回路25、制御回路28及びゲート電圧低下検出回路81を動作させる内部電源電圧に変換して複数点火回路25及び制御回路28に供給するようにしている。
【0051】
このため、複数点火回路25及びゲート電圧低下検出回路81はゲート信号から電源供給を受けることがないので、ゲート信号のレベルに関わりなく動作することが可能となる。
したがって、第3実施形態では、エンジンコントロールユニット30から出力されるゲート信号を、
図15に示すように、多重点火形態とすることにより、前述した第1及び第2の実施形態と同様の多重点火動作を行うことができる。このゲート信号は、第1及び第2の実施形態とは異なり、多重点火用のゲート信号とされている。この多重点火用ゲート信号は、
図15に示すように、複数ハイレベルの期間が第1タイマ期間Tm1に対応する比較的長い第1矩形波W1と、この第1矩形波W1がローレベルに反転してから遅延回路25aの遅延時間に相当する短い期間が経過した後にハイレベルとなり、ハイレベルの間が第2タイマ期間Tm2から遅延時間を減算した期間に設定された第2矩形波W2と、この第2矩形波W2がローレベルに反転してから遅延回路25aの遅延時間に相当する短い期間が経過した後にハイレベルとなり、ハイレベルの期間が第2矩形波と等しい第3矩形波W3とで形成されている。
【0052】
ゲート電圧低下検出回路81は、
図16に示すように、ゲート信号が入力される分圧抵抗R21及びR22を有し、これら分圧抵抗R21及びR22の接続点から得られる電圧が判定回路81aに供給される。この判定回路81aは、多重点火用ゲート信号がハイレベルにある状態で、ローレベルへ状態変化する際に、設定電圧以下に低下したか否かを判定する。したがって、判定回路81aは常時はローレベルの判定信号を複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに出力しているが、多重点火用ゲート信号がハイレベルからローレベルに状態変化する際の電圧が、設定電圧以下となったときにハイレベルの判定信号を複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに出力する。
【0053】
この第3の実施形態によると、エンジンコントロールユニット30から第1及び第2の実施形態と同様のゲート信号を出力している場合に、ゲート信号がハイレベルからローレベルに反転する際に、ゲート電圧低下検出回路81の判定回路82からハイレベルの判定信号が複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに入力されるので、第1能動素子24が遅延回路25aの遅延時間分オン状態となって、電圧制御型半導体素子21をターンオフ状態として、コレクタ電圧Vcをクランプ電圧まで上昇させて点火装置12で火花放電を発生させる。
【0054】
一方、エンジンコントロールユニット30側で低温状態やバッテリ電圧低下状態を検出したときに、
図15(a)に示す多重点火用ゲート信号が出力される。
この多重点火用ゲート信号が半導体装置20のゲート端子tgに入力されると、第1矩形波W1がハイレベルとなった時点t21で、電圧制御型半導体素子21がターンオン状態となり、コレクタ電流Icが
図15(b)に示すように徐々に増加し、これに応じてコレクタ電圧Vcがグランドレベルに近い値に低下する。この第1矩形波W1がハイレベルを継続している状態では、ゲート電圧低下検出回路81では判定回路82からローレベルの判定信号が複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに出力しているので、フリップフロップ回路25bはリセット状態を維持し、肯定出力端子yから出力されるゲート信号もローレベルを維持している。このため、第1能動素子24はオフ状態を継続している。
【0055】
その後時点t22で、コレクタ電流Icが電流制限値に達し、その後時点t23で第1矩形波W1がハイレベルからローレベルに状態変化すると、このときのゲート電圧が設定電圧以下となると、ゲート電圧低下検出回路81の判定回路82からハイレベルの判定信号が複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに供給される。このため、第1及び第2の実施形態と同様に、フリップフロップ回路25bがセットされ、その肯定出力端子yからハイレベルのゲート信号が第1能動素子24のゲートに出力される。したがって第1能動素子24がオン状態となって、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷が抵抗素子を介することなく最も配線抵抗が小さくなる第1能動素子24を介してグランドに放電される。これによって、電圧制御型半導体素子21がターンオフ状態となり、第1実施形態の
図6と同様にコレクタ電流Icが急激に低下するとともに、コレクタ電圧が急激に上昇してクランプ電圧に達する。したがって、点火装置12で火花放電が発生されて内燃機関が駆動される。
【0056】
その後、時点t24で遅延回路25aから判定信号が遅延されて出力されるので、フリップフロップ回路25bがリセットされて、第1能動素子24がオフ状態に復帰する。これと同時に、多重点火ゲート信号では、
図15(a)に示すように、第2矩形波W2がハイレベルとなることにより、電圧制御型半導体素子21がターンオン状態となる。このため、コレクタ電流Icが増加するとともに、コレクタ電圧Vcがグランドレベルに近い電圧まで急減し、その後時点t25でコレクタ電流が電流制限値に達した後時点t26で第2矩形波W2がハイレベルからローレベルに状態変化する。
【0057】
このため、時点t23と同様に、ゲート電圧が設定電圧以下に低下すると判定回路82かちハイレベルの判定信号が複数点火回路25のフリップフロップ回路25b及び遅延回路25aに供給される。このため、フリップフロップ回路25bから出力されるゲート信号がハイレベルとなり、第1能動素子24がオン状態となって、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷が第1能動素子24を介して瞬時にグランドに放電される。これによって電圧制御型半導体素子21がターンオフ状態となって、点火装置12で火花点火が発生する。
【0058】
同様に、時点t27で第3矩形波W3がハイレベルとなると、以下上記と同様の動作を行って第3矩形波W3のハイレベルからローレベルに状態変化する際に、第1能動素子24をオン状態として電圧制御型半導体素子21が瞬時にターンオフ状態となり、コレクタ電圧がクランプ電圧まで上昇して点火装置12で火花放電が発生する。
このように第3の実施形態によると、エンジンコントロールユニット30からの多重点火用ゲート信号によって、多重点火動作を行わせ、この際ゲート電圧がハイレベルからローレベルに状態変化するときに、複数点火回路25で第1能動素子24をオン状態に制御するので、電圧制御型半導体素子21のゲートに蓄積された電荷を、抵抗素子を介することなく最小配線抵抗でグランドに放電することができ、電圧制御型半導体素子21のターンオフ動作を、高応答性を持って確実に行うことができる。このため、このため、前述した第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0059】
なお、上記第3の実施形態においては、エンジンコントロールユニット30から多重点火用ゲート信号を半導体装置20に供給するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、第1及び第2実施形態と同様のゲート信号を半導体装置20に供給して、半導体装置20内に複数点火回路25及びタイマ回路26又は複数点火回路25、タイマ回路26及び温度又は電圧検出回路を設けるようにしてもよい。この場合には、複数点火回路25及びタイマ回路26が内部電源回路80の内部電源電圧によって駆動されることを除いては前述した第1及び第2の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0060】
次に、本発明の第4の実施形態を
図17について説明する。
この第4の実施形態では、前述した第2の実施形態において、通常点火動作から多重点火動作に切換える場合に、クランプ電圧も同時に高めるようにしたものである。
すなわち、第4の実施形態では、
図17に示すように、第2の実施形態における
図8の構成において、クランプダイオードDcと直列に高耐圧のスイッチ素子90を接続し、これらクランプダイオードDc及びスイッチ素子90の直列回路と並列にクランプダイオードDcのクランプ電圧(例えば400V)より高いクランプ電圧(例えば500V)のクランプダイオードDc1を接続している。そして、スイッチ素子90に温度検出回路50から出力される温度検出信号をインバータ91を介して供給し、温度検出信号がハイレベルであるときにオフ状態とし、ローレベルであるときにオン状態に制御する。
【0061】
この第4の実施形態によれば、電圧制御型半導体素子21の温度が設定温度より高い状態では、温度検出回路50の判定回路62からローレベルの温度検出信号が出力されるので、スイッチ素子90がオン状態となって、電圧制御型半導体素子21のコレクタ・ゲート間にクランプダイオードDc及びDc1が並列に接続される。
この状態で、電圧制御型半導体素子21がターンオンされた後にターオフされたときに、電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧Vcが上昇するが、このコレクタ電圧では2つのクランプダイオードDc及びDc1のうちクランプ電圧が低い方のクランプダイオードDcによってクランプされる。このため、第2の実施形態と同様の作用効果を受かることができる。
【0062】
しかしながら、電圧制御型半導体素子21の温度が設定電圧以下に低下した場合には、温度検出回路50の判定回路62からハイレベルの温度検出信号が出力される。これによって複数点火回路25及びタイマ回路26が動作状態となって、多重点火動作が行われることになる。このとき、判定回路6から出力されるハイレベルの温度検出信号がインバータ91を介してスイッチ素子90に供給されるので、スイッチ素子90がオフ状態となり、電圧制御型半導体素子21のコレクタ・ゲート間に高クランプ電圧のクランプダイオードDs1のみが接続されることになる。このため、電圧制御型半導体素子21がターンオン後にターンオフしたときにコレクタ電圧Vcは、通常動作時より高いクランプ電圧(例えば500V)にクランプされる。このため、点火装置12に供給される放電電圧が通常時に比較して高くなり、火花放電を確実に行うことができる。
【0063】
この第4の実施形態によると、電圧制御型半導体素子21の温度が低い状態で、点火装置12の火花放電回数を増加させる多重点火動作とする同時に電圧制御型半導体素子21のコレクタ電圧Vcのクランプ電圧を通常点火動作より高めることができるので、多重点火を確実に行って、内燃機関の駆動に支承を与えることがない。
なお、上記第1〜第4の実施形態においては、多重点火動作で、点火装置12を通常時に比較して2回分多く火花放電させる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、点火装置12の火花放電回数は任意に設定することができる。
【0064】
また、上記第1〜第4の実施形態においては、半導体装置20をワンチップイグナイタの構成とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、
図18に示すように、電圧制御型半導体素子21と第1能動素子24とを1つのチップに構成し、複数点火回路25、タイマ回路26等を他のチップに構成して、両チップを電気的に接続するようにしてもよい。