(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1に係る技術を、上述したPOSシステムに適用する場合、記録装置にコードを貼付し、記録装置に貼付されたコードを、制御装置により読み取って通信の設定をする。この場合において、記録装置の通信に関する設定情報に変更があった場合や、記録装置に貼付したコードが破損、汚れ等により読み取りができなくなった場合等に、コードの読み取りによる通信の設定を行うことができず、通信の設定の簡易化について、改善の余地がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、POSシステムの通信設定方法、POSシステム、及び記録装置について、通信の設定を簡易化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明のPOSシステムの通信設定方法は、コードを読み取る読取装置が接続され、前記読取装置からの読み取り結果を示す入力に基づいて記録指示を生成し、送信する制御装置と、前記制御装置から前記記録指示を受信し、受信した前記記録指示に基づいて記録する記録装置と、を有し、前記記録装置は、通信に関する設定情報を示すコードである設定情報コードを記録し、前記制御装置は、前記読取装置からの前記設定情報コードの読み取り結果を示す入力に基づいて、前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報に基づいて、前記記録装置と通信を確立することを特徴とする。
本発明の構成によれば、通信の設定が簡易化する。
【0006】
また、本発明のPOSシステムの通信設定方法は、前記記録装置は、前記設定情報コード、及び、前記設定情報を記録することを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録された設定情報コードを用いた設定ができない場合に、記録された設定情報を用いて設定を行うことができる。
【0007】
また、本発明のPOSシステムの通信設定方法は、前記記録装置は、所定の条件が成立したことをトリガーとして、前記設定情報コードの記録を実行することを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、的確なタイミングで設定情報コードの記録を実行できる。
【0008】
また、本発明のPOSシステムの通信設定方法は、前記所定の条件は、前記記録装置の電源が初めて投入されたこと、前記記録装置が前記制御装置が接続された新たなネットワークに接続されたこと、又は、指示があったことであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、電源投入時、ネットワークへの接続時、又は、指示があったときに、設定情報コードを記録できる。
【0009】
また、本発明のPOSシステムの通信設定方法は、前記設定情報は、動的に変化する情報であり、前記所定の条件は、前記設定情報に変化があったことであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、設定情報の変化があったときに、設定情報コードを記録できる。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明のPOSシステムは、コードを読み取る読取装置が接続され、前記読取装置からの読み取り結果を示す入力に基づいて記録指示を生成し、送信する制御装置と、前記制御装置から前記記録指示を受信し、受信した前記記録指示に基づいて記録する記録装置と、を有し、前記記録装置は、通信に関する設定情報を示すコードである設定情報コードを記録し、前記制御装置は、前記読取装置からの前記設定情報コードの読み取り結果を示す入力に基づいて、前記設定情報を取得し、取得した前記設定情報に基づいて、前記記録装置と通信を確立することを特徴とする。
本発明の構成によれば、通信の設定が簡易化する。
【0011】
また、本発明のPOSシステムは、前記記録装置は、前記設定情報コード、及び、前記設定情報を記録することを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録された設定情報コードを用いた設定ができない場合に、記録された設定情報を用いて設定を行うことができる。
【0012】
また、本発明のPOSシステムは、前記記録装置は、所定の条件が成立したことをトリガーとして、前記設定情報コードの記録を実行することを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、的確なタイミングで設定情報コードの記録を実行できる。
【0013】
また、本発明のPOSシステムは、前記所定の条件は、前記記録装置の電源が初めて投入されたこと、前記記録装置が前記制御装置が接続された新たなネットワークに接続されたこと、又は、指示があったことであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、電源投入時、ネットワークへの接続時、又は、指示があったときに、設定情報コードを記録できる。
【0014】
また、本発明のPOSシステムは、前記設定情報は、動的に変化する情報であり、前記所定の条件は、前記設定情報に変化があったことであることを特徴とする。
本発明の構成によれば、記録装置は、設定情報の変化があったときに、設定情報コードを記録できる。
【0015】
また、上記目的を達成するために、本発明の記録装置は、所定の条件が成立したことをトリガーとして、通信に関する設定情報を示すコードである設定情報コードを記録することを特徴とする。
本発明の構成によれば、通信の設定が簡易化する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るPOSシステム1の構成を示す図である。
図1に示すように、POSシステム1は、POS端末10(制御装置)と、記録装置11との組み合わせを、複数、備える。
【0018】
1組のPOS端末10と記録装置11とは、スーパーマーケットやコンビニエンスストア、飲食店等の店舗に設けられたレジカウンターLに設けられる。POS端末10は、レジカウンターLにおいて行われた顧客の会計に応じて、記録装置11を制御し、記録装置11にレシートを発行させる。
【0019】
POS端末10、及び、記録装置11は、所定の規格に従った無線通信機能を有する。POS端末10と、記録装置11とは、アクセス・ポイントを含んで構成された無線LAN12を介して無線通信する。無線LANには、POSサーバー13が接続される。POSサーバー13は、顧客マスターや、商品マスター等、レシートの発行に必要な情報を記憶する。POS端末10は、記録装置11にレシートを発行させる際、POSサーバー13にアクセスして、レシートの発行に必要な情報を取得する。
【0020】
図2は、POS端末10、及び、記録装置11の機能的構成を示すブロック図である。
【0021】
図2に示すように、POS端末10は、端末制御部20と、端末入力部21と、端末表示部22と、端末無線通信部23と、端末記憶部24と、デバイス通信部25と、を備える。
【0022】
端末制御部20は、CPUや、ROM、RAM、その他の周辺回路等を備え、POS端末10を制御する。
【0023】
端末入力部21は、POS端末10に設けられた操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出して、端末制御部20に出力する。端末制御部20は、端末入力部21からの入力に応じて、操作に対応する処理を実行する。
【0024】
端末表示部22は、POS端末10に設けられた複数のLEDに接続される。端末表示部22は、端末制御部20の制御で、複数のLEDを駆動して、複数のLEDを所定の態様で点灯/消灯し、POS端末10の動作モードや、状態、エラーの発生の有無等を報知する。
【0025】
端末無線通信部23は、端末制御部20の制御で、所定の規格に従って無線通信する。
【0026】
端末記憶部24は、不揮発性メモリーを備え、各種データを記憶する。
【0027】
デバイス通信部25は、端末制御部20の制御で、POS端末10に接続されたデバイスと通信する。POS端末10には、デバイスとして、バーコードリーダー31と、カスタマーディスプレー32と、キャッシュドロワー33と、2次元コードリーダー34と、が接続される。
【0028】
バーコードリーダー31は、商品や、商品の包装に付されたバーコードを読み取って、読み取り結果を示す情報をデバイス通信部25に出力する。デバイス通信部25は、入力された情報を端末制御部20に出力する。
【0029】
カスタマーディスプレー32は、各種情報を表示する。端末制御部20は、デバイス通信部25を制御してカスタマーディスプレー32と通信し、カスタマーディスプレー32に会計に関する情報を表示させる。
【0030】
キャッシュドロワー33は、貨幣を保管する。端末制御部20は、デバイス通信部25を制御してカスタマーディスプレー32と通信し、所定のタイミングで、キャッシュドロワー33のドアを開ける。
【0031】
2次元コードリーダー34(読取装置)は、2次元コード(コード)を読み取って、読み取り結果を示す情報をデバイス通信部25に出力する。デバイス通信部25は、入力された情報を端末制御部20に出力する。例えば、2次元コードは、商品コードが記録され、バーコードに代えて、商品や商品の包装に付される。また例えば、2次元コードは、顧客IDが記録され、会員カードに付される。
【0032】
記録装置11は、ロール紙を収納し、ライン型のサーマルヘッドによりロール紙に記録するラインサーマルプリンターである。
図2に示すように、記録装置11は、制御部40と、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、記録部44と、無線通信部45と、を備える。
【0033】
制御部40は、CPUや、ROM、RAM、その他の制御回路等を備え、記録装置11を制御する。
【0034】
入力部41は、記録装置11に設けられた操作スイッチに接続され、操作スイッチに対する操作を検出して、制御部40に出力する。制御部40は、入力部41からの入力に基づいて、操作に対応する処理を実行する。
【0035】
表示部42は、記録装置11に設けられた複数のLEDに接続され、制御部40の制御で、複数のLEDを所定の態様で駆動して、記録装置11の動作モードや、状態、エラーの発生の有無等を報知する。
【0036】
記憶部43は、不揮発性メモリーを備え、各種データを記憶する。
【0037】
記録部44は、制御部40の制御で、ロール紙への記録を実行する。詳述すると、記録部44は、記録機構441と、搬送機構442と、切断機構443と、を備える。記録機構441は、ライン型のサーマルヘッドや、サーマルヘッドを駆動する駆動機構、駆動機構を制御する制御回路等のロール紙にドットを形成して画像を記録する各種機構を備える。搬送機構442は、ロール紙を搬送するプラテンローラーや、プラテンローラーを回転させる搬送モーター等のロール紙を搬送する各種機構を備える。切断機構443は、カッターや、カッターを駆動するカッター駆動モーター等のロール紙を切断する各種機構を備える。
記録部44は、搬送機構442によりロール紙を搬送し、記録機構441によりロール紙にドットを形成して画像を記録し、切断機構443によりロール紙を切断して、画像が記録された紙片を発行する。
【0038】
無線通信部45は、制御部40の制御で、所定の規格に従って無線通信する。
【0039】
次に、会計が行われ、会計に基づくレシートを発行するときのPOS端末10、及び、記録装置11の基本的な動作について説明する。
【0040】
図3は、POS端末10、及び、記録装置11の動作を示すフローチャートである。(A)はPOS端末10の動作を示し、(B)は記録装置11の動作を示す。
【0041】
図3(A)に示すように、POS端末10は、顧客の会計に応じて、会計処理を実行する(ステップSA1)。
【0042】
ステップSA1の会計処理時、顧客が購入した商品のバーコードがバーコードリーダー31により読み取られ、また、商品の2次元コードが2次元コードリーダー34により読み取られ、読み取り結果に基づく商品IDが端末制御部20に出力される。端末制御部20は、入力された商品IDの商品名と単価をPOSサーバー13に問い合わせ、商品の商品名と単価を取得する。端末制御部20は、カスタマーディスプレー32を制御して、取得した商品名と単価とを表示させる。また、端末制御部20は、顧客が購入した商品ごとに、商品名と、単価と、購入数量とを所定の記憶領域に記憶する。
【0043】
また、ステップSA1の会計処理時、顧客が提示した会員カードに記録された顧客IDを示す2次元コードが、2次元コードリーダー34により読み取られ、読み取り結果に基づく顧客IDが端末制御部20に出力される。端末制御部20は、顧客IDに基づいて、割引や、ポイントの付与等の所定の処理を行う。
【0044】
また、ステップSA1の会計処理時、端末制御部20は、レジカウンターLのレジ担当者の指示に応じて、合計購入金額の算出や、釣銭の算出等を行う。また、端末制御部20は、レジ担当者の指示に応じて、キャッシュドロワー33を制御して、キャッシュドロワー33のドアを開ける。
【0045】
会計処理が完了すると、端末制御部20は、会計に関する情報が記録されたレシートの発行を指示する制御データ(記録指示)を生成する(ステップSA2)。会計に関する情報とは、顧客が購入した商品の商品名や、単価、購入数量、合計購入金額、税に関する情報、釣銭等である。端末制御部20には、プリンタードライバーがインストールされる。端末制御部20は、プリンタードライバーの機能により、記録装置11のコマンド体系に従ったコマンドで、制御データを生成する。
【0046】
次いで、端末制御部20は、端末無線通信部23を制御して、生成した制御データを、対応する記録装置11(同じレジカウンターLに設けられた記録装置11)に送信する(ステップSA3)。
【0047】
図3(B)に示すように、記録装置11の制御部40は、無線通信部45を制御して、制御データを受信する(ステップSB1)。
【0048】
次いで、制御部40は、制御データに基づいて、記録部44を制御して、記録部44にレシートを発行させる。
【0049】
以上のように、POS端末10は、同じレジカウンターLに設けられた記録装置11と通信し、記録装置11を制御する。ここで、本実施形態では、POS端末10と、記録装置11とは、無線LAN12を介して、TCP/IPに従って通信する。POS端末10は、特定の記録装置11と通信するには、事前に、当該特定の記録装置11のIPアドレス、及び、MACアドレス(通信に関する設定情報)が設定される必要がある。
本実施形態に係るPOSシステム1では、POS端末10の機能、及び、記録装置11の機能により、POS端末10に対して、記録装置11のIPアドレス、及び、MACアドレスを簡易に設定できる。以下、詳述する。
【0050】
なお、本実施形態では、記録装置11のIPアドレスは、DHCPサーバーにより自動で割り当てられるものではなく、事前に設定された固定値である。また、記録装置11は、LANカードを有している。MACアドレスは、LANカードに割り当てられた識別情報である。
【0051】
図4は、記録装置11の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、記録装置11の制御部40は、後述するコード記録紙片を発行する条件として、予め設定された条件が成立したか否かを監視する(ステップSC1)。
【0052】
例えば、条件は、記録装置11の電源が初めて投入されたことである。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、記録装置11の電源投入時に、コード記録紙片が発行されることとなる。このため、初めて電源を投入したユーザーは、電源投入後に確実にコード記録紙片を取得して、必要に応じてコード記録紙片を利用したPOS端末10の設定(後述)を行うことができる。
【0053】
また例えば、条件は、記録装置11が新たな無線LAN12に接続されたことである。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、記録装置11が新たな無線LAN12に接続され、POS端末10による制御が可能な状態となったときに、コード記録紙片が発行されることとなる。このため、無線LAN12に接続したユーザーは、POS端末10の無線LAN12の接続時に確実にコード記録紙片を取得して、必要に応じてコード記録紙片を利用したPOS端末10の設定(後述)を行うことができる。
記録装置11の電源が初めて投入された、あるいは、記録装置11が新たな無線LAN12に接続されたことは、初期設定又は以前に設定され記憶されたIPアドレスが変更されたことを監視するなどして判断する。
【0054】
また例えば、条件は、ユーザーの指示があったことである。ユーザーの指示は、例えば、操作スイッチに対する特定の操作である。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、ユーザーは、自身の望むタイミングで、コード記録紙片を取得して、コード記録紙片を利用したPOS端末10の設定(後述)を行うことができる。
【0055】
ステップSC1において、条件が成立した場合(ステップSC1:YES)、制御部40は、設定ファイルにアクセスしてIPアドレスを取得し、図示しないLANカードと通信し、MACアドレスを取得する(ステップSC2)。
【0056】
次いで、制御部40は、ステップSC2で取得したIPアドレス、及び、MACアドレスを示す2次元コード(以下、「設定情報コード」という。)を生成する(ステップSC3)。記録装置11には、所定の情報に基づいて、所定の情報を示す2次元コードを生成する機能を有するプログラムがインストールされる。ステップSC3で、制御部40は、当該プログラムの機能により、ステップSC2で取得したIPアドレス、及び、MACアドレスを示す設定情報コードを生成する。
【0057】
次いで、制御部40は、記録部44を制御して、ステップSC3で生成した設定情報コードと、IPアドレス、及び、MACアドレスとが記録された紙片(以下、「コード記録紙片」という。)を発行する(ステップSC4)。
【0058】
図5は、コード記録紙片の一例を示す図である。
図5に示すように、コード記録紙片には、MACアドレス、及び、IPアドレスと、設定情報コードが記録される。設定情報コードは、MACアドレス、及び、IPアドレスを示す2次元コードである。設定情報コードだけではなく、MACアドレス、及び、IPアドレスを文字として記録することにより、MACアドレス、及び、IPアドレスを目視で確認でき、2次元コードリーダー34(読取装置)による読取が失敗した場合であっても手動で設定することが可能となる。
【0059】
次に、POS端末10の動作について説明する。
図6は、2次元コードリーダー34、及び、POS端末10の動作を示すフローチャートであり、(A)は2次元コードリーダー34の動作を、(B)はPOS端末10の動作を示す。
【0060】
ここで、POS端末10は、動作モードとして、コード記録紙片を用いた設定を行う動作モードD1を有する。
図6(A)のフローチャートの開始時点では、POS端末10の動作モードは、動作モードD1である。ユーザーは、コード記録紙片を用いたPOS端末10の設定を行う場合、POS端末10の動作モードを動作モードD1へ移行させる。次いで、ユーザーは、2次元コードリーダー34の読取位置に、コード記録紙片に記録された設定情報コードを位置させる。
【0061】
図6(A)に示すように、2次元コードリーダー34の読取位置に、コード記録紙片に記録された設定情報コードが位置した場合、2次元コードリーダー34は、コード記録紙片に記録された設定情報コードを読み取る(ステップSD1)。
次いで、2次元コードリーダー34は、設定情報コードの読み取り結果に基づくIPアドレス、及び、MACアドレスをPOS端末10のデバイス通信部25に出力する(ステップSD2)。上述したように、デバイス通信部25は、入力された情報を端末制御部20に出力する。
【0062】
図6(B)に示すように、動作モードが動作モードD1の場合、POS端末10の端末制御部20は、デバイス通信部25から、IPアドレス、及び、MACアドレスの入力があったか否かを監視する(ステップSE1)。
【0063】
入力があった場合(ステップSE1:YES)、端末制御部20は、入力されたIPアドレス、及び、MACアドレスを取得する(ステップSE2)。
【0064】
次いで、端末制御部20は、取得したIPアドレス、及び、MACアドレスを、記録装置11を識別する情報(例えば、無線LAN12に接続された記録装置11のそれぞれに一意に割り当てられたプリンター名)と対応付けて設定ファイルに記録する(ステップSE3)。
【0065】
次いで、端末制御部20は、ブロードキャストによって、無線LAN12に接続された機器に対して、IPアドレスと、MACアドレスの応答を要求する(ステップSE4)。
【0066】
端末制御部20は、ステップSE4の要求に対する応答に基づいて、無線LAN12に接続された機器のIPアドレスと、MACアドレスを取得する(ステップSE5)。
【0067】
次いで、端末制御部20は、ステップSE5で取得した各機器のIPアドレス及びMACアドレスと、ステップSE3で設定ファイルに記述したIPアドレス及びMACアドレスとを比較し、設定ファイルに記述したIPアドレス及びMACアドレスの記録装置11を特定する(ステップSE6)。
【0068】
次いで、端末制御部20は、設定ファイルに記述したIPアドレス及びMACアドレスに基づいて、ステップSE6で特定した記録装置11と通信に関する所定の情報の送受信を行って、TCPコネクションを確立する(ステップSE7)。このステップSE7の処理により、POS端末10と、記録装置11との間で制御データを含むデータの送受信が可能な状態が確立する。
【0069】
このように、本実施形態では、ユーザーは、記録装置11が発行したコード記録紙片に記録された設定情報コードを、POS端末10の2次元コードリーダー34に読み取らせるという簡易な作業で、POS端末10が特定の記録装置11と通信を行うのに必要な設定を行うことができる。当該作業は、POS端末10に、IPアドレス等を直接入力する作業と比較して、非常に簡易である。
また、本実施形態では、コード記録紙片には、設定情報コードだけでなく、IPアドレス及びMACアドレスが記録される。このため、POS端末10の2次元コードリーダー34による設定情報コードの読み取りが正常に行われなかった場合であっても、ユーザーは、コード記録紙片に記録された情報に基づいて、POS端末10の設定を行うことができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態に係るPOSシステム1は、POS端末10(制御装置)と、記録装置11とを備える。POS端末10は、2次元コード(コード)を読み取る2次元コードリーダー34(読取装置)が接続され、2次元コードリーダー34から読み取り結果を示す入力に基づいて制御データ(印刷指示)を生成し、送信する。記録装置11は、POS端末10から制御データを受信し、受信した制御データに基づいて記録する。そして、記録装置11は、IPアドレスとMACアドレス(通信に関する設定情報)を示す2次元コードである設定情報コードを記録したコード記録紙片を発行する。POS端末10は、2次元コードリーダー34からの設定情報コードの読み取り結果を示す入力に基づいて、記録装置11のIPアドレスとMACアドレスを取得し、取得した情報に基づいて、記録装置11と通信を確立する。
この構成によれば、ユーザーは、記録装置11が発行したコード記録紙片に記録された設定情報コードを、POS端末10の2次元コードリーダー34に読み取らせるという簡易な作業で、POS端末10が特定の記録装置11と通信を行うのに必要な設定を行うことができる。
特に、本実施形態では、POS端末10に商品の2次元コードリーダー34を読み取る2次元コードリーダー34が接続されるという構成、及び、記録装置11が紙片を発行可能であるという構成を活用して、設定の簡易化を実現できる。
【0071】
また、本実施形態では、記録装置11は、コード記録紙片に、設定情報コード、及び、IPアドレス、及び、MACアドレスを記録する。
この構成によれば、POS端末10の2次元コードリーダー34による設定情報コードの読み取りが正常に行われなかった場合であっても、ユーザーは、コード記録紙片に記録された情報に基づいて、POS端末10の設定を行うことができる。
【0072】
また、本実施形態では、記録装置11は、所定の条件が成立したことをトリガーとして、コード記録紙片を発行する。
例えば、条件は、記録装置11の電源が投入されたことである。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、記録装置11の電源投入時に、コード記録紙片が発行されることとなる。このため、電源を投入したユーザーは、電源投入後に確実にコード記録紙片を取得して、必要に応じてコード記録紙片を利用したPOS端末10の設定を行うことができる。また例えば、条件は、記録装置11が無線LAN12に接続されたことである。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、記録装置11が無線LAN12に接続され、POS端末10による制御が可能な状態となったときに、コード記録紙片が発行されることとなる。このため、電源を投入したユーザーは、POS端末10の無線LAN12の接続時に確実にコード記録紙片を取得して、必要に応じてコード記録紙片を利用したPOS端末10の設定を行うことができる。また例えば、条件は、ユーザーの指示があったことである。ユーザーの指示は、例えば、操作スイッチに対する特定の操作である。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、ユーザーは、自身の望むタイミングで、コード記録紙片を取得して、コード記録紙片を利用したPOS端末10の設定を行うことができる。
【0073】
<変形例>
次に、変形例について説明する。
上述した実施形態では、記録装置11のIPアドレスは、事前に設定された固定値であった。一方、変形例では、記録装置11のIPアドレスは、DHCPサーバーにより自動で割り当てられる。つまり、IPアドレスは動的に変化する。
この場合において、記録装置11は、設定されたIPアドレスに変化があったこと、という条件が成立したことをトリガーとして、コード記録紙片を発行してもよい。当該条件の成立をトリガーとして、コード記録紙片を発行することにより、IPアドレスに変化があり、POS端末10の設定が必要なときに、コード記録紙片が発行されることになり、ユーザーの利便性が高い。
【0074】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施形態では、記録装置11とPOS端末10とはTCP/IPに従った通信を行い、また、通信に関する設定情報は、IPアドレス及びMACアドレスであった。しかしながら、記録装置11とPOS端末10との間で行われる通信のプロトコルは例示したものに限らない。また、通信に関する設定情報は、通信のプロトコルに応じた情報である。
また、上述した実施形態では、記録装置11は、コード記録紙片に通信に関する設定情報を示す2次元コードを記録していたが、当該紙片に記録するコードは2次元コードに限らない。後に読取装置(光学的な読取装置に限らない。)によって読み取り可能なコードであれば、何でもよい。
また、上述した実施形態では、記録装置11のプリント方式は、サーマル方式であった。しかしながら、プリント方式は、サーマル方式に限定されない。
また、
図2に示す各機能ブロックはハードウェアとソフトウェアにより任意に実現可能であり、特定のハードウェア構成を示唆するものではない。