特許第6442905号(P6442905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442905
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】自動変速機
(51)【国際特許分類】
   F16H 63/34 20060101AFI20181217BHJP
   F16H 63/38 20060101ALI20181217BHJP
   F16H 3/091 20060101ALI20181217BHJP
   B60T 1/06 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F16H63/34
   F16H63/38
   F16H3/091
   B60T1/06 G
【請求項の数】3
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-159573(P2014-159573)
(22)【出願日】2014年8月5日
(65)【公開番号】特開2016-37976(P2016-37976A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002082
【氏名又は名称】スズキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001520
【氏名又は名称】特許業務法人日誠国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】更科 俊平
【審査官】 増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−101949(JP,A)
【文献】 特開平8−184373(JP,A)
【文献】 特開平2−31078(JP,A)
【文献】 特開2010−241256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 63/34
F16H 3/091
F16H 63/38
B60T 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行軸歯車式変速機構と、前記平行軸歯車式変速機構を収納する変速機ケースと、前記変速機構を自動的に変速させる自動変速装置と、パーキングロック装置と、前記パーキングロック装置を作動状態または非作動状態に保持するディテント装置と、を備え、
前記平行軸歯車式変速機構は、同一軸線上に配置された入力軸および出力軸と、前記入力軸と平行に前記入力軸または前記出力軸の斜め下方に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸と平行に前記入力軸または前記出力軸の下方かつ前記カウンタ軸の側方に配置されたリバースアイドラ軸と、を有し、
前記変速機ケースは、前記入力軸の軸線方向に延び前記平行軸歯車式変速機構を外周側から囲む外周壁と、前記外周壁の内部に形成され前記入力軸が貫通する第1隔壁と、前記外周壁の内部に形成され前記出力軸が貫通する第2隔壁と、を有し、
前記パーキングロック装置は、前記出力軸と一体回転可能なパーキングギヤと、前記パーキングギヤの溝部と噛み合う爪部を有するパーキングポールと、操作力により回転するマニュアルシャフトと、前記マニュアルシャフトに固定されたマニュアルプレートと、前記マニュアルプレートの揺動と連動して前記パーキングポールを前記出力軸の回転を規制する位置と前記出力軸の回転を許容する位置とに揺動させるカムと、を有し、
前記ディテント装置は、前記マニュアルシャフトに固定されたディテントプレートと、前記ディテントプレートの外周部に弾性的に係合して前記マニュアルシャフトを回転方向に位置決めする係合部材と、を有する自動変速機において、
前記リバースアイドラ軸は、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間であって前記第1隔壁の近傍に配置され、かつその後端部が前記外周壁の内周面から前記変速機ケースの内側へ突出するリバースアイドラ軸支持部によって支持され、
前記マニュアルシャフトは、前記パーキングポールが揺動する揺動平面と平行に延び、かつ前記リバースアイドラ軸の後端部と前記第2隔壁とに挟まれる空間に配置され、
前記マニュアルプレートおよび前記ディテントプレートは、前記マニュアルシャフトからそれぞれ上方に延び
前記ディテントプレートの輪郭よりも大きく形成されるとともに前記マニュアルシャフトが貫通する開口部と、この開口部を閉塞するカバー部材が固定されるフランジ部とが、前記外周壁における前記リバースアイドラ軸支持部と前記第2隔壁との間に配置されることを特徴とする自動変速機。
【請求項2】
前記変速機ケースは、前記マニュアルシャフトの端部を支持するシャフト支持部を有し、前記シャフト支持部は、前記外周壁の内周面から前記変速機ケースの内側へ突出するとともに前記第2隔壁に連結されることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機。
【請求項3】
前記外周壁における前記開口部の外縁部に、前記変速機ケースの内側に突出するリブを前記外縁部に沿って形成し、
前記リバースアイドラ軸支持部と前記リブとを連結したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動変速機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動変速機に関し、特に、手動変速機において変速操作を自動で行う自動変速機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の車両に搭載される自動変速機にあっては、手動変速機(MT:Manual Transmission)に、変速操作とクラッチ操作を自動で行う自動変速装置を追加することで自動変速を可能にしたAMT(Automated Manual Transmission)と言われる自動変速機が知られており、手動変速機には、平行軸歯車式変速機構を用いている。
【0003】
従来のこの種の自動変速機としては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の自動変速機は、平行軸歯車式変速機構を収納する変速機ケースの外部に自動変速ユニットを設けている。この自動変速機は、自動変速ユニットにおいて油圧発生装置から供給される作動油により変速アクチュエータを作動させることで、シフトアンドセレクト軸を操作して自動変速を行っている。この自動変速機は、変速機ケースの外部に自動変速ユニットを設けており、既存の手動変速機に大きな変更を加えることなく製造することができるため、製造コストを抑制できる。
【0004】
ここで、遊星歯車式変速機構を備える従来の自動変速機としては、特許文献2に記載されたものが知られている。この自動変速機は、パーキングロック装置を備えており、組付け工程において、パーキングロック装置を変速機ケースの下部に形成した開口部から内部に組み込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公平2−23745号公報
【特許文献2】特開平8−216842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の自動変速機に対して、特許文献2に記載のパーキングロック装置を設ける場合、パーキングロック装置を設けるために変速機構や変速機ケースを大きく変更してしまうと、製造コストが増加してしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、手動変速機を大幅に改造することなくパーキングロック装置とディテント装置を追加でき、製造コストを抑制できる自動変速機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、平行軸歯車式変速機構と、前記平行軸歯車式変速機構を収納する変速機ケースと、前記変速機構を自動的に変速させる自動変速装置と、パーキングロック装置と、前記パーキングロック装置を作動状態または非作動状態に保持するディテント装置と、を備え、前記平行軸歯車式変速機構は、同一軸線上に配置された入力軸および出力軸と、前記入力軸と平行に前記入力軸または前記出力軸の斜め下方に配置されたカウンタ軸と、前記入力軸と平行に前記入力軸または前記出力軸の下方かつ前記カウンタ軸の側方に配置されたリバースアイドラ軸と、を有し、前記変速機ケースは、前記入力軸の軸線方向に延び前記平行軸歯車式変速機構を外周側から囲む外周壁と、前記外周壁の内部に形成され前記入力軸が貫通する第1隔壁と、前記外周壁の内部に形成され前記出力軸が貫通する第2隔壁と、を有し、前記パーキングロック装置は、前記出力軸と一体回転可能なパーキングギヤと、前記パーキングギヤの溝部と噛み合う爪部を有するパーキングポールと、操作力により回転するマニュアルシャフトと、前記マニュアルシャフトに固定されたマニュアルプレートと、前記マニュアルプレートの揺動と連動して前記パーキングポールを前記出力軸の回転を規制する位置と前記出力軸の回転を許容する位置とに揺動させるカムと、を有し、前記ディテント装置は、前記マニュアルシャフトに固定されたディテントプレートと、前記ディテントプレートの外周部に弾性的に係合して前記マニュアルシャフトを回転方向に位置決めする係合部材と、を有する自動変速機において、前記リバースアイドラ軸は、前記第1隔壁と前記第2隔壁との間であって前記第1隔壁の近傍に配置され、かつその後端部が前記外周壁の内周面から前記変速機ケースの内側へ突出するリバースアイドラ軸支持部によって支持され、前記マニュアルシャフトは、前記パーキングポールが揺動する揺動平面と平行に延び、かつ前記リバースアイドラ軸の後端部と前記第2隔壁とに挟まれる空間に配置され、前記マニュアルプレートおよび前記ディテントプレートは、前記マニュアルシャフトからそれぞれ上方に延び、前記ディテントプレートの輪郭よりも大きく形成されるとともに前記マニュアルシャフトが貫通する開口部と、この開口部を閉塞するカバー部材が固定されるフランジ部とが、前記外周壁における前記リバースアイドラ軸支持部と前記第2隔壁との間に配置されるものから構成されている。
【発明の効果】
【0009】
このように上記の第1の態様によれば、リバースアイドラ軸を第1隔壁と第2隔壁の間で第1隔壁の近傍に配置したことで、リバースアイドラ軸の後端部と第2隔壁との間に空間を確保できる。
【0010】
また、マニュアルシャフトは、パーキングポールが揺動する揺動平面に対して平行な姿勢で、リバースアイドラ軸の後端部と第2隔壁とに挟まれる空間に配置されるとともに、マニュアルプレートおよびディテントプレートは、マニュアルシャフトからそれぞれ上方に延びる。このため、マニュアルプレートおよびディテントプレートを、リバースアイドラ軸の後端部と第2隔壁との間の空間に収納できる。
【0011】
したがって、リバースアイドラ軸の位置を移動させたり変速機ケースの形状を大幅に変更することなく、マニュアルシャフトを変速機ケース内に収納することができる。
【0012】
また、マニュアルシャフトをリバースアイドラ軸の後端部と第2隔壁とに挟まれる空間の底部に配置して変速機ケースの外周壁に近づけることができるので、マニュアルシャフトを変速機ケースの外周壁に支持し易い構造にできる。
【0013】
この結果、手動変速機に自動変速装置を設けた自動変速機において、手動変速機を大幅に改造することなくパーキングロック装置とディテント装置を追加できるので、製造コストを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、自動変速機の平面図である。
図2図2は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、自動変速機の側面図である。
図3図3は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図1のI−I方向矢視断面図である。
図4図4は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図2のII−II方向矢視断面図であう。
図5図5は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図2のIII−III方向矢視断面図である。
図6図6は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図1のIV−IV方向矢視断面図であう。
図7図7は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、マニュアルシャフト周辺の自動変速機の側面図である。
図8図8は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図5のV−V方向矢視断面図である。
図9図9は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図5のVI−VI断面を内側から見た斜視図である。
図10図10は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図5のVI−VI方向矢視断面図である。
図11図11は、本発明の自動変速機の一実施形態を示す図であり、図2のVII−VII方向矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る自動変速機の実施形態について、図面を用いて説明する。図1図11は、本発明に係る一実施形態の自動変速機を示す図である。
【0016】
まず、構成を説明する。図1図2に示すように、車両1には自動変速機2が搭載されており、この自動変速機2は、エンジン3に固定された状態で車両1のフロアパネルの下方に縦置きに設置されている。すなわち、本実施形態の車両1は、後輪駆動車両である。
【0017】
ここで、本実施形態では、車両1の運転席に着座した運転者から見た前後方向、左右方向、および上下方向と一致するように、図中で前後、左右、上下の方向を矢印で示している。
【0018】
図1図2図3図6に示すように、自動変速機2は変速機ケース2Aを備えており、この変速機ケース2Aは、エンジン3に取り付けられたフロントケース4と、フロントケース4に取付けられたリヤケース5と、リヤケース5に取付けられたエクステンションケース6とから構成される。
【0019】
フロントケース4にはエンジン3との間に図示しないクラッチが設けられており、クラッチによりエンジン3から自動変速機2への動力伝達が断続される。変速機ケース2Aには平行軸歯車式変速機構60が収納されている。
【0020】
図1図2に示すように、フロントケース4の左側上部のエンジン3側には、スタータモータ103が設けられており、このスタータモータ103は、エンジン3の図示しないフライホイールを回転させる。
【0021】
図3図6に示すように、フロントケース4には入力軸10が回転自在に支持されており、入力軸10の軸線方向一端部は、クラッチに接続されている。入力軸10は、軸線方向他端部10b側で出力軸11の軸線方向一端部により回転自在に支持されている。出力軸11は、入力軸10の軸線O1上に配置されており、リヤケース5およびエクステンションケース6に回転自在に支持されている。すなわち、入力軸10と出力軸11は同一軸線上に配置されている。
【0022】
図3に示すように、フロントケース4およびリヤケース5にはカウンタ軸23が回転自在に設けられており、入力軸10の軸線O1と平行に延びている。カウンタ軸23は、図4図5に示すように入力軸10の斜め下方に配置されている。
【0023】
図3に示すように、変速機ケース2Aは、平行軸歯車式変速機構60を外周側から囲む筒状の外周壁93と、この外周壁93の内部に形成され入力軸10が貫通する第1隔壁91と、外周壁93の内部に形成され出力軸11が貫通する第2隔壁92と、を有している。
【0024】
第1隔壁91は、フロントケース4のリヤケース5側の端部に形成されており、フロントケース4の内部とリヤケース5の内部とを仕切っている。第2隔壁92は、リヤケース5のエクステンションケース6側の端部に形成されており、リヤケース5の内部とエクステンションケース6の内部とを仕切っている。
【0025】
図3に示すように、入力軸10には、エンジン3側から順に、1速インプットギヤ22A、リバースインプットギヤ22B、2速インプットギヤ22C、4速インプットギヤ22Dおよび3速インプットギヤ22Eが配置されている。
【0026】
1速インプットギヤ22A、リバースインプットギヤ22Bおよび2速インプットギヤ22Dは、入力軸10に一体回転可能に固定されている。また、4速インプットギヤ22Dおよび3速インプットギヤ22Eは、入力軸10に空転自在に設けられている。
【0027】
出力軸11の一端部には5速インプットギヤ11Fが設けられており、5速インプットギヤ11Fは、出力軸11の外周部に形成されたドグから構成される。
【0028】
カウンタ軸23には、エンジン3側から順に、1速カウンタギヤ24A、リバースカウンタギヤ24B、2速カウンタギヤ24C、4速カウンタギヤ24D、3速カウンタギヤ24Eおよびカウンタドライブギヤ24Fが配置されている。
【0029】
カウンタ軸23の1速カウンタギヤ24A、2速カウンタギヤ24C、3速カウンタギヤ24E、4速カウンタギヤ24Dは、入力軸10の1速インプットギヤ22A、2速インプットギヤ22C、3速インプットギヤ22Eおよび4速インプットギヤ22Dに常時噛み合っている。
【0030】
1速カウンタギヤ24Aおよび2速カウンタギヤ24Cは、カウンタ軸23に空転自在に設けられている。リバースカウンタギヤは、カウンタ軸23に一体回転可能に固定されている。また、4速カウンタギヤ24D、3速カウンタギヤ24Eおよびカウンタドライブギヤ24Fは、カウンタ軸23に一体回転可能に固定されている。
【0031】
カウンタドライブギヤ24Fは、カウンタドリブンギヤ25に噛み合っており、カウンタドリブンギヤ25は、出力軸11と一体回転するように出力軸11に取付けられている。カウンタドリブンギヤ25のエンジン3側には、カウンタドリブンギヤ25に隣接して、パーキングギヤ73が出力軸11に一体回転可能に取り付けられている。
【0032】
図6に示すように、フロントケース4およびリヤケース5にはリバースアイドラ軸26が回転自在に設けられており、リバースアイドラ軸26は、入力軸10の下方、かつ、カウンタ軸23の側方に配置されており、入力軸10と平行に延びている。
【0033】
リバースアイドラ軸26にはリバースアイドラギヤ27が設けられている。リバースアイドラギヤ27は、リバースアイドラ軸26に回転自在に支持され、かつリバースアイドラ軸26の軸線方向に移動自在となっており、車両1の後進時にリバースインプットギヤ22Bおよびリバースカウンタギヤ24Bに噛み合う。リバースアイドラ軸26は、第1隔壁91と第2隔壁92の間であって第1隔壁91の近傍に配置されている。
【0034】
図3に示すように、1速インプットギヤ22A、リバースインプットギヤ22B、2速インプットギヤ22C、4速インプットギヤ22D、3速インプットギヤ22Eは、第1軸変速歯車61を構成する。また、1速カウンタギヤ24A、リバースカウンタギヤ24B、2速カウンタギヤ24C、4速カウンタギヤ24D、3速カウンタギヤ24Eは、第2軸変速歯車62を構成する。
【0035】
自動変速機2に示すように、入力軸10、出力軸11、カウンタ軸23、第1軸変速歯車61、第2軸変速歯車62および5速インプットギヤ11Fは、平行軸歯車式変速機構60を構成している。平行軸歯車式変速機構60では、入力軸10と出力軸11との間の動力伝達経路が切り替えられることで、1速から5速の前進変速段または後進段の何れかが形成される。
【0036】
図4に示すように、入力軸10の上方には、1速−2速シフト軸28A、3速−4速シフト軸28B、5速−リバースシフト軸28Cが、互いに平行にかつ入力軸10の軸線方向に移動自在に設けられている。
【0037】
図6に示すように、5速−リバースシフト軸28Cの他端側にはシフトフォーク30が接続されており、シフトフォーク30はスリーブ33の外周部の溝に係合している。スリーブ33は、入力軸10に一体回転自在、かつ入力軸10の軸線方向に移動自在に設けられている。スリーブ33はシフトフォーク30により入力軸10の軸線方向に移動する。
【0038】
5速−リバースシフト軸28Cは、5速インプットギヤ11F側に移動することにより、スリーブ33を5速インプットギヤ11Fに噛み合わせる。スリーブ33が5速インプットギヤ11Fと噛み合うことで、入力軸10が出力軸11に直結した前進5速段が成立し、入力軸10の回転がカウンタ軸23を介さずに出力軸11に伝達される。
【0039】
5速−リバースシフト軸28Cの一端側は図示しない反転リンクを介してシフトフォークに連結されており、シフトフォークは、リバースアイドラギヤ27に接続されている。
【0040】
5速−リバースシフト軸28Cは、エンジン3側に移動することにより、シフトフォークおよびリバースアイドラギヤ27をエンジン3から離れる側に移動させ、リバースアイドラギヤ27をリバースインプットギヤ22Bとリバースカウンタギヤ24Bとに噛み合わせる。これにより、後進段が成立し、入力軸10の回転は、リバースアイドラギヤ27、カウンタ軸23および出力軸11に順次伝達される。このとき、カウンタ軸23および出力軸11は前進時と反対方向に回転する。
【0041】
また、1速−2速シフト軸28Aは、図4図6に示すようにシフトフォーク31およびスリーブ29が連結されており、このスリーブ29はカウンタ軸23の1速カウンタギヤ24Aと2速カウンタギヤ24Cの間に、リバースカウンタギヤ24Bと一体で設けられている。スリーブ29はカウンタ軸23に一体回転自在かつ軸線方向に移動自在に設けられている。
【0042】
1速−2速シフト軸28Aは、入力軸10の軸線方向一方側に移動することにより、スリーブ29を1速カウンタギヤ24Aに噛み合わせてカウンタ軸23を1速カウンタギヤ24Aと一体回転させる。これにより、前進1速段が成立し、入力軸10の回転がカウンタ軸23を介して出力軸11に伝達される。
【0043】
1速−2速シフト軸28Aは、入力軸10の軸線方向他方側に移動することにより、スリーブ29を2速カウンタギヤ24Cに噛み合わせてカウンタ軸23を2速カウンタギヤ24Cと一体回転させる。これにより、前進2速段が成立し、入力軸10の回転がカウンタ軸23を介して出力軸11に伝達される。
【0044】
また、3速−4速シフト軸28Bは、シフトフォーク38およびスリーブ32が連結されており、スリーブ32は入力軸10の3速インプットギヤ22Eと2速インプットギヤ22Dの間に設けられている。このスリーブ32は入力軸10に一体回転自在かつ軸線方向に移動自在に設けられている。
【0045】
3速−4速シフト軸28Bは、入力軸10の軸線方向一方側に移動することにより、スリーブ32を4速インプットギヤ22Dに噛み合わせて4速インプットギヤ22Dを入力軸10と一体回転させる。これにより、前進4速段が成立し、入力軸10の回転がカウンタ軸23を介して出力軸11に伝達される。
【0046】
3速−4速シフト軸28Bは、入力軸10の軸線方向他方側に移動することにより、スリーブ32を3速インプットギヤ22Eに噛み合わせて3速インプットギヤ22Eを入力軸10と一体回転させる。これにより、前進3速段が成立し、入力軸10の回転がカウンタ軸23を介して出力軸11に伝達される。
【0047】
図11に示すように、1速−2速シフト軸28A、3速−4速シフト軸28Bおよび5−リバースシフト軸28Cには、シフトヨーク39A、39B、39Cがそれぞれ固定されている。
【0048】
図6に示すように、変速機ケース2Aの上部にはシフトアンドセレクト軸34が設けられている。シフトアンドセレクト軸34は、入力軸10の軸線と直交する軸線を有し、変速機ケース2Aに回転自在かつ、軸線方向に移動自在に設けられている。
【0049】
図6図11に示すように、シフトアンドセレクト軸34は、軸線方向に移動することにより、1速−2速シフト軸28Aに固定されたシフトヨーク39A、3速−4速シフト軸28Bに固定されたシフトヨーク39Bまたは5速−リバースシフト軸28Cに固定されたシフトヨーク39Cの何れかと接続される。
【0050】
すなわち、シフトアンドセレクト軸34が軸線方向に移動すると、1速−2速シフト軸28A、3速−4速シフト軸28Bまたは5速−リバースシフト軸28Cの何れかが選択される。また、シフトアンドセレクト軸34は、軸線周りに回転することで、選択された1速−2速シフト軸28A、3速−4速シフト軸28Bまたは5速−リバースシフト軸28Cの何れかを軸線方向に移動させる。
【0051】
図1図2に示すように、変速機ケース2Aには、自動変速ユニット35が設けられており、自動変速ユニット35はシフトアンドセレクト軸34に接続されている。自動変速ユニット35は、リザーブタンク、図示しない油圧発生装置および制御装置等を備えており、リザーブタンクに貯留された作動油の油圧により、シフトアンドセレクト軸34を軸線方向に移動させるとともに軸線周りに回転させる。また、自動変速ユニット35は油圧により図示しないクラッチを接続または切断する。自動変速油ニットと35は、シフトアンドセレクト軸34およびクラッチをそれぞれ操作することにより変速段の変速を行う。
【0052】
次に、図3図5図6に示すように、出力軸11にはパーキングギヤ73が一体回転可能に取り付けられており、このパーキングギヤ73は、パーキングロック装置71のパーキングポール79が係合自在となっている。
【0053】
図8図9に示すように、パーキングロック装置71は、運転席のシフトレバーの操作力により回転するマニュアルシャフト74と、このマニュアルシャフト74に固定されたマニュアルプレート75と、このマニュアルプレート75の揺動に連動して進動および退動するカム77と、このカム77の進動および退動により、出力軸11の回転を規制する位置と出力軸11の回転を許容する位置とに揺動するパーキングポール79とを有している。パーキングロック装置71は、出力軸11の回転を規制する。
【0054】
変速機ケース2Aのリヤケース5の底部の内周面には、上方、すなわち内側に向かって突出するシャフト支持部90が形成されている。シャフト支持部90は入力軸10(図6参照)の軸線方向に延びるように形成されている。シャフト支持部90のエンジン3側の端部は、マニュアルシャフト74を回転自在に支持しており、シャフト支持部90のエンジン3と反対側の端部は、第2隔壁92に接続されている。
【0055】
図9図10に示すように、リヤケース5の外周壁93の左側下部には開口部94が形成されており、この開口部94の辺縁部の外面にはフランジ部95が形成されている。図7に示すように、フランジ部95には、カバー部材96が図示しないボルトで固定されており、このカバー部材96は開口部94を閉塞している。カバー部材96はマニュアルシャフト74の軸線方向中央部を回転自在に支持している。したがって、マニュアルシャフト74は、リヤケース5のシャフト支持部90とカバー部材96とにより回転自在に支持された状態で、リヤケース5の左側面を貫通している。マニュアルシャフト74は、図8に示すように、後述するパーキングポール79が揺動する揺動平面79bと平行に配置されている。
【0056】
図8図10に示すように、開口部94は、ディテントプレート80の輪郭よりも大きく形成されるとともにマニュアルシャフト74が貫通している。図9図10に示すように、リヤケース5にはリバースアイドラ軸26の後端部26aを支持するリバースアイドラ軸支持部101が形成されている。リバースアイドラ軸支持部101は、リバースアイドラ軸26の側方において外周壁93の内周面から変速機ケース2Aの内側へ突出している。開口部94の外縁部には、変速機ケース2Aの内側に突出するリブ102が外縁部に沿って形成されており、このリブ102は、リバースアイドラ軸支持部101に接続されている。ここで、ディテントプレート80の輪郭とは、ディテントプレート80の開口部94側への投影形状である。
【0057】
図2に示すように、リヤケース5の外部において、マニュアルシャフト74にはレバー98が一体回転可能に固定されており、このレバー98には、パーキングケーブル99の一端部が接続されている。パーキングケーブル99の他端部は運転席のシフトレバーに接続されている。運転席のシフトレバーは、運転者に操作されることで、P(パーキング)レンジ、R(リバース)レンジ、N(ニュートラル)レンジ、D(ドライブ)レンジの何れかの位置に移動する。パーキングケーブル99の一端部は、シフトレバーが操作された位置に応じて、レバー98を介してマニュアルシャフト74を軸線周りに回転させる。
【0058】
図4に示すように、リヤケース5の外部において、マニュアルシャフト74にはポジションセンサ104が設けられており、このポジションセンサ104は、マニュアルシャフト74の回転位置を検出し、検出信号を図示しない制御ユニットに出力する。
【0059】
図8から図11に示すように、リヤケース5の内部において、マニュアルシャフト74には平板状のマニュアルプレート75が一体回転可能に固定されている。マニュアルプレート75は、マニュアルシャフト74の軸線方向に直交する平板形状に形成されており、マニュアルシャフト74から上方に延びている。
【0060】
図8図9図10に示すように、マニュアルプレート75の上端部にはパーキングロッド挿入孔75aが形成されており、このパーキングロッド挿入孔75aには、パーキングロッド76の短軸部76bが、マニュアルシャフト74と平行に挿入および抜け止めされている。短軸部76bは入力軸10と平行に延びる長軸部76aが連続しており、この長軸部76aは、マニュアルシャフト74の矢印R1方向への回転により矢印A1方向に進動し、マニュアルシャフト74の矢印R2方向への回転により矢印A2方向に退動する。
【0061】
パーキングロッド76の長軸部76aの進動方向の先端部には、円錐台形状のカム77が長軸部76aに対して移動可能に装着されており、このカム77は、先端部に向かって縮径されている。長軸部76aの後端側には突起状のストッパ76cが形成されている。長軸部76aのカム77とストッパ76cとの間にはコイルスプリング78が装着されており、このコイルスプリング78は、カム77をパーキングロッド76の進動方向に弾性的に押し付けている。
【0062】
図5に示すように、パーキングギヤ73の下方にはパーキングポール79が設けられており、このパーキングポール79は、パーキングポール支持軸83により揺動可能に支持されている。パーキングポール79の揺動先端部のパーキングギヤ73に対向する側には爪部79aが形成されている。爪部79aは、パーキングポール79のパーキングギヤ73側への揺動により、パーキングギヤ73の溝部73aに噛み合う。
【0063】
図8に示すように、パーキングポール79の後方にはリテーナ82が設けられている。リテーナ82には、図5に示すように、パーキングポール支持軸83、リターンスプリング支持軸84およびカムサポート支持軸85、86が、第2隔壁92側にそれぞれ対向して設けられている。
【0064】
パーキングポール支持軸83は第2隔壁92とリテーナ82とに支持され、かつパーキングポール79を揺動可能に支持している。リターンスプリング支持軸84は、捩りばねからなるリターンスプリング87を支持している。カムサポート支持軸85、86はカムサポート部材81を支持している。
【0065】
リターンスプリング87の一端部はパーキングポール79の上部に掛かり合って止められている。リターンスプリング87の他端部はパーキングポール支持軸83に掛かり合って止められている。このため、リターンスプリング87は、その他端部によりパーキングポール79を下方、すなわちパーキングギヤ73から離隔する方向に押し付けている。また、リテーナ82の第2隔壁92側には、ディテントスプリング88の基端部88bがボルト97で固定されている。ディテントスプリング88は、弾性体としての板ばねからなる。
【0066】
図8に示すリテーナ82は、図5に示すパーキングポール79、リターンスプリング87、カムサポート部材81およびディテントスプリング88が組み付けられた状態で、ボルト97で第2隔壁92の下部および一側部に固定されている。
【0067】
図8に示すように、カムサポート部材81は、パーキングロッド76の長軸部76aの先端およびカム77を下方から支持する。また、カムサポート部材81は、パーキングポール79がリターンスプリング87(図5参照)によりパーキングギヤ73から離隔する方向に押し付けられているときのパーキングポール79の位置を規定している。
【0068】
図5図8図10において、シフトレバーがPレンジに操作されると、マニュアルシャフト74およびマニュアルプレート75が矢印R1方向に回転し、パーキングロッド76が矢印A1方向に進動し、コイルスプリング78が圧縮される。このとき、コイルスプリング78の復元力は、カム77とパーキングポール79との摩擦力およびリターンスプリング87の復元力を上回る。このため、カム77は、カムサポート部材81とパーキングポール79の間に入り込み、カムサポート部材81に下方から支持されながらパーキングポール79をパーキングギヤ73側に押し上げる。
【0069】
このとき、パーキングギヤ73の溝部73aがパーキングポール79の爪部79aに対向している場合、パーキングポール79の爪部79aが溝部73aに噛み合う。
【0070】
一方、パーキングギヤ73の外周部73bがパーキングポール79の爪部79aに対向している場合、パーキングポール79はその爪部79aが外周部73bに圧接した状態で停止し、待機状態となる。待機状態から車両1の移動により出力軸11が僅かに回転したとき、パーキングポール79は、コイルスプリング78の復元力によりその爪部79aがパーキングギヤ73に噛み合う。
【0071】
一方、シフトレバーがRレンジ、Nレンジ、Dレンジの何れかに操作されると、マニュアルシャフト74およびマニュアルプレート75が矢印R2方向に回転し、パーキングロッド76およびカム77が矢印A2方向に退動する。カム77が退動すると、パーキングポール79は、リターンスプリング87の復元力により、カムサポート部材81に規定された位置に戻る。
【0072】
図8図10に示すように、ディテント装置72は、マニュアルシャフト74に固定されたディテントプレート80と、このディテントプレート80の外周部に弾性的に係合してマニュアルシャフト74を回転方向に位置決めするディテントスプリング88とを有している。
【0073】
リヤケース5の内部において、マニュアルシャフト74には平板状のディテントプレート80が一体回転可能に固定されている。ディテントプレート80は、マニュアルシャフト74の軸線方向に直交する平板形状に形成されており、マニュアルシャフト74から上方に延びている。
【0074】
ディテントプレート80の揺動先端の外縁部80aは、マニュアルシャフト74の半径方向において、マニュアルプレート75の揺動先端の外縁部より外側へ延びている。また、ディテントプレート80は、マニュアルシャフト74の軸線方向においてマニュアルプレート75よりも入力軸10および出力軸11の軸心から離れる側に配置される。換言すると、ディテントプレート80は、マニュアルプレート75よりも変速機ケース2Aの外周壁93の側面部に近接する側に配置されている。
【0075】
ディテントプレート80の外縁部80aには、エンジン3側からカム77側に向かって順に、4つの係合溝80p、80r、80n、80dが形成されている。ディテントプレート80の上方にはディテントスプリング88が配置されている。ディテントスプリング88は板ばねから構成されており、基端部88bがリテーナ82に固定されており、先端部88aをディテントプレート80の外縁部80aに押し付けている。このため、ディテントスプリング88の先端部88aは、4つの係合溝80p、80r、80n、80dの何れかに弾性的に係合する。ディテントスプリング88の先端部88aは、本発明における係合部材を構成する。
【0076】
ディテントスプリング88は、先端部88aが係合溝80p、80r、80n、80dの何れかに弾性的に係合することで、シフトレバーが操作されていないときにマニュアルシャフト74が回転しないよう、マニュアルシャフト74の回転位置を保持している。これにより、ディテント装置72は、パーキングロック装置71を作動状態または非作動状態に保持する。
【0077】
ディテントスプリング88は、先端部88aが係合溝80p、80r、80n、80dの何れかに弾性的に係合することで、シフトレバーが操作されるときの節度感を発生させている。
【0078】
図8図9に示すように、第2隔壁92には、パーキングロッド76およびコイルスプリング78が通る第1孔部92bと、ディテントスプリング88が通る第2孔部92cとが形成されている。また、図9に示すように、第2隔壁92には、出力軸11が貫通する出力軸用孔部92dと、カウンタ軸23が貫通するカウンタ軸用孔部92eとが形成されている。さらに、第2隔壁92の底部には、オイルが流通するオイル流通孔部92fが形成されている。第1孔部92bおよび第2孔部92cは、第2隔壁92における外周壁93の近傍に配置されている。
【0079】
次に、作用を説明する。本実施形態の自動変速機2によれば、リバースアイドラ軸26は、変速機ケース2Aの第1隔壁91と第2隔壁92との間であって第1隔壁91の近傍に配置されている。これに加え、マニュアルシャフト74は、リバースアイドラ軸26の後端部26aと第2隔壁92とに挟まれる空間100に、パーキングポール79が揺動する揺動平面79bと平行に配置され、マニュアルプレート75およびディテントプレート80は、マニュアルシャフト74からそれぞれ上方に延びている。
【0080】
これにより、リバースアイドラ軸26を第1隔壁91と第2隔壁92の間で第1隔壁91の近傍に配置したことで、リバースアイドラ軸26の後端部26aと第2隔壁92との間に空間を確保できる。
【0081】
また、マニュアルシャフト74は、パーキングポール79が揺動する揺動平面79bに対して平行な姿勢で、リバースアイドラ軸26の後端部26aと第2隔壁92とに挟まれる空間100に配置されるとともに、マニュアルプレート75およびディテントプレート80は、マニュアルシャフト74からそれぞれ上方に延びる。このため、マニュアルプレート75およびディテントプレート80を、リバースアイドラ軸26の後端部26aと第2隔壁92との間の空間に収納できる。
【0082】
したがって、リバースアイドラ軸26の位置を移動させたり変速機ケース2Aの形状を大幅に変更することなく、マニュアルシャフト74を変速機ケース2A内に収納することができる。
【0083】
また、マニュアルシャフト74をリバースアイドラ軸26の後端部26aと第2隔壁92とに挟まれる空間100の底部に配置して変速機ケース2Aの外周壁93に近づけることができるので、マニュアルシャフト74を変速機ケース2Aの外周壁93に支持し易い構造にできる。
【0084】
この結果、手動変速機に自動変速ユニット35を設けた自動変速機2において、手動変速機を大幅に改造することなくパーキングロック装置71とディテント装置72を追加できるので、製造コストを抑制できる。
【0085】
また、本実施形態の自動変速機2によれば、変速機ケース2Aは、空間100の下方において外周壁93の内周面から変速機ケース2Aの内側へ突出するシャフト支持部90を有し、このシャフト支持部90がマニュアルシャフト74の端部を支持する。
【0086】
これにより、変速機ケース2Aの外周壁93を変速機ケース2Aの内側へわずかに突出させるだけでマニュアルシャフト74の端部を変速機ケース2Aに支持できる。
【0087】
このため、手動変速機を大幅に改造することなくパーキングロック装置71とディテント装置72を追加できるので、自動変速機2の製造コストを抑制できる。
【0088】
また、本実施形態の自動変速機2によれば、変速機ケース2Aは、リバースアイドラ軸26の側方において外周壁93の内周面から変速機ケース2Aの内側へ突出するとともにリバースアイドラ軸26の後端部26aを支持するリバースアイドラ軸支持部101を有している。
【0089】
これに加え、外周壁93は、ディテントプレート80の輪郭よりも大きく形成されるとともにマニュアルシャフト74が貫通する開口部94を有し、外周壁93における開口部94の外縁部に、変速機ケース2Aの内側に突出するリブ102を外縁部に沿って形成し、リバースアイドラ軸支持部101とリブとを連結した。
【0090】
これにより、リバースアイドラ軸支持部101およびリブ102はそれぞれ変速機ケース2Aの内側に突出していることで剛性が高いため、このリバースアイドラ軸支持部101およびリブ102を連結することにより、変速機ケース2Aの構造を簡素化しつつリバースアイドラ軸26の支持剛性を向上させることができる。
【0091】
このため、手動変速機の変速機ケース2Aを大幅に改造することなくパーキングロック装置71とディテント装置72を追加できるので、製造コストを抑制できる。
【0092】
また、本実施形態の自動変速機2によれば、ディテントプレート80の外縁部80aは、マニュアルシャフト74の半径方向において、マニュアルプレート75の外縁部75bより外側へ延び、ディテントプレート80は、マニュアルシャフト74の軸線方向においてマニュアルプレート75よりも入力軸10および出力軸11の軸心から離れる側に配置される。
【0093】
これにより、マニュアルシャフト74が配置される空間100は、入力軸10および出力軸11に配置される各ギヤの下方に位置するため、マニュアルシャフト74の軸線方向において入力軸10または出力軸11の軸心から離れるほど空間100の上面が高くなっている。
【0094】
そこで、ディテントプレート80をマニュアルシャフト74の軸線方向においてマニュアルプレート75よりも入力軸10および出力軸11の軸心から離れる側に配置したことで、変速機ケース2Aを大幅に改造することなくマニュアルプレート75を変速機ケース2A内に組み込むことができるので、製造コストを抑制できる。
【0095】
本発明の実施形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
【0096】
本実施形態の自動変速機2の平行軸歯車式変速機構60は、いわゆるアウトプットリダクションタイプであり、入力軸10とカウンタ軸23の間で変速用ギヤ列により変速してからカウンタ軸23のカウンタドライブギヤ24Fと出力軸11のカウンタドリブンギヤの間で更に減速しているが、これと逆にインプットリダクションタイプであってもよい。
【0097】
インプットリダクションタイプの平行軸歯車式変速機構では、入力軸とカウンタ軸の間に減速用ギヤ対が配置され、カウンタ軸と出力軸の間に変速用ギヤ列が配置される。これにより、入力軸とカウンタ軸の間で減速が行われてからカウンタ軸と出力軸の間で変速が行われる。
【0098】
また、アウトプットリダクションタイプでは入力軸が出力軸より長く、インプットリダクションタイプでは入力軸が出力軸より短い。このため、インプットリダクションタイプでは、カウンタ軸は出力軸の斜め下方に配置され、リバースアイドラ軸は出力軸の下方かつカウンタ軸の側方に配置される。
【符号の説明】
【0099】
2…自動変速機、2A…変速機ケース、5…リヤケース(変速機ケース)、10…入力軸、11…出力軸、23…カウンタ軸、26…リバースアイドラ軸、26a…後端部、35…自動変速ユニット(自動変速装置)、60…平行軸歯車式変速機構、71…パーキングロック装置、72…ディテント装置、73…パーキングギヤ、74…マニュアルシャフト、75…マニュアルプレート、75b…外縁部、76…パーキングロッド、77…カム、79…パーキングポール、79b…揺動平面、80…ディテントプレート、80a…外縁部、88…ディテントスプリング、88a…先端部(係合部材)、90…シャフト支持部、91…第1隔壁、92…第2隔壁、93…外周壁、94…開口部、95…フランジ部、96…カバー部材、100…空間、101…リバースアイドラ軸支持部、102…リブ
図1
図2
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図4
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