特許第6442907号(P6442907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442907
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20181217BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20181217BHJP
【FI】
   H01M2/10 S
   H01M2/10 E
   H01M10/6554
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-161234(P2014-161234)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-39023(P2016-39023A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/083789(WO,A1)
【文献】 特開2007−213990(JP,A)
【文献】 特開2007−305320(JP,A)
【文献】 特開2013−200977(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/067045(WO,A1)
【文献】 特開2008−078008(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10、10/6554
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極を積層してなる電極組立体をケース内に収容してなる電池セルを複数配列してなる配列体と、
前記配列体に対して前記電池セルの配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材と、
前記配列体と前記拘束部材との間又は前記電池セル間に介在するゴム製又はバネ製の弾性体と、を備え、
前記拘束部材による前記弾性体への拘束荷重の上限値は、
前記弾性体の初期圧縮量が、前記弾性体を前記配列体と前記拘束部材との間又は前記電池セル間に介在させた状態で前記拘束部材が破壊されるときの前記弾性体の圧縮量から、初期状態からの前記配列体の膨張量を減算した圧縮量より小さくなるように設定され、
前記初期状態からの前記配列体の膨張量は、前記初期状態における充電状態及び温度に基づいて設定されている電池モジュール。
【請求項2】
前記拘束部材による前記弾性体への拘束荷重の下限値は、
前記弾性体の初期圧縮量が、前記電池セルの前記電極間及び前記電極組立体と前記ケースとの間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量がかかったときの前記弾性体の圧縮量に、初期状態からの前記配列体の収縮量を加算した圧縮量より大きくなるように設定され、
前記初期状態からの前記配列体の収縮量は、前記初期状態における充電状態及び温度に基づいて設定されている請求項1記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記最低荷重量は、前記電池セルの圧縮量に対して前記電池セルが受ける荷重量の傾きの変化量に基づき、当該傾きの変化量がピークとなるときの前記圧縮量に対応する前記荷重量である請求項2記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記弾性体は、前記配列体における前記電池セルの配列方向の少なくとも一端に配置され、
前記拘束部材は、前記配列体及び前記弾性体を前記電池セルの配列方向に挟み込む一対のエンドプレートと、前記エンドプレート同士を締結する締結部材とによって構成されている請求項1〜3のいずれか一項記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記配列体は、前記電池セル間に伝熱プレートを含む請求項1〜4のいずれか一項記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばリチウムイオン二次電池等の電池セルを複数配列してなる電池モジュールが知られている。かかる電池モジュールでは、電池セルの配列体を金属プレート等の拘束具で挟み込んで一定の荷重で拘束することで、電池セルにおいて内部抵抗等の特性が変動することを抑制している。例えば特許文献1に記載の組電池では、両端に屈曲部を有する金属バンドをエンドプレートに固定し、このエンドプレートによって電池ブロックを積層方向に拘束している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−055069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような電池モジュールにおいては、充放電或いは温度変化に伴って電池セルが膨張・収縮を繰り返したり、経年劣化によって正極若しくは負極が膨張することがある。そこで、電池セルの膨張による拘束部材の破損を防止する目的で、配列体と拘束部材のエンドプレートとの間にゴムなどの弾性体を介在させる場合がある。この場合、弾性体にも拘束部材からの拘束荷重が付加されるため、弾性体の作用を十分に発揮させる観点に基づいて、拘束部材による拘束荷重を適切に設定する必要がある。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、拘束荷重を適切に設定することにより、電池性能の確保及び拘束部材の破損の防止を実現できる電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る電池モジュールは、電極を積層してなる電極組立体をケース内に収容してなる電池セルを複数配列してなる配列体と、配列体に対して電池セルの配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材と、配列体と拘束部材との間又は電池セル間に介在する弾性体と、を備え、拘束部材による弾性体への拘束荷重の上限値は、弾性体の初期圧縮量が、弾性体を配列体と拘束部材との間又は電池セル間に介在させた状態で拘束部材が破壊されるときの弾性体の圧縮量から、初期状態からの配列体の膨張量を減算した圧縮量より小さくなるように設定されている。
【0007】
この電池モジュールでは、弾性体の初期圧縮量が、弾性体を配列体と拘束部材との間又は電池セル間に介在させた状態で拘束部材が破壊されるときの弾性体の圧縮量から、初期状態からの配列体の膨張量を減算した圧縮量より小さくなるように、拘束部材による弾性体への拘束荷重の上限値が設定されている。初期状態からの配列体の膨張量を考慮することで、充放電或いは温度変化に伴って電池セルが膨張した場合の弾性体の圧縮しろが確保され、配列体に付加される拘束荷重が適切に維持される。したがって、電池性能の確保及び拘束部材の破損の防止を実現できる。
【0008】
また、拘束部材による弾性体への拘束荷重の下限値は、弾性体の初期圧縮量が、電池セルの電極間及び電極組立体とケースとの間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量がかかったときの弾性体の圧縮量に、初期状態からの配列体の収縮量を加算した圧縮量より大きくなるように設定されていてもよい。初期状態からの配列体の収縮量を考慮することで、充放電或いは温度変化に伴って電池セルが収縮した場合の弾性体の膨張しろが確保され、配列体に付加される拘束荷重が適切に維持される。したがって、電池性能を一層好適に確保できる。
【0009】
また、最低荷重量は、電池セルの圧縮量に対する荷重量の傾きの変化量に基づき、当該傾きの変化量がピークとなるときの圧縮量に対応する荷重量であってもよい。これにより、電池セルの電極間及び電極組立体とケースとの間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量を精度良く求めることができる。
【0010】
また、弾性体は、配列体における電池セルの配列方向の少なくとも一端に配置され、拘束部材は、配列体及び弾性体を電池セルの配列方向に挟み込む一対のエンドプレートと、エンドプレート同士を締結する締結部材とによって構成されていてもよい。このような構成により、配列体及び弾性体への拘束荷重の付加を均一に実施できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電池モジュールによれば、拘束荷重を適切に設定することにより、電池性能の確保及び拘束部材の破損の防止を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る電池モジュールの一実施形態を示す図である。
図2図1に示した電池モジュールを構成する電池セルの内部構成を示す断面図である。
図3図2におけるIII−III線断面図である。
図4】弾性体の圧縮特性の一例を示す図である。
図5】初期状態からの配列体の膨張・収縮量の一例を示す図である。
図6】本発明に係る電池モジュールの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る電池モジュールの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明に係る電池モジュールの一実施形態を示す図である。同図に示すように、電池モジュール1は、複数の電池セル11を配列してなる配列体2と、配列体2に対して電池セル11の配列方向に拘束荷重を付加する拘束部材3と、配列体2と拘束部材3との間に介在する弾性体4とを備えている。
【0015】
配列体2では、例えば伝熱プレート5を介し、複数の電池セル11が配列されている。電池セル11は、例えばリチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。電池セル11は、例えば図2及び図3に示すように、例えば略直方体形状をなす中空のケース12と、ケース12内に収容された電極組立体13とを備えている。
【0016】
ケース12は、例えばアルミニウム等の金属によって形成され、ケース12の内部には、例えば有機溶媒系又は非水系の電解液が注入されている。ケース12の頂面には、図2に示すように、正極端子15と負極端子16とが互いに離間して配置されている。正極端子15は、絶縁リング17を介してケース12の頂面に固定され、負極端子16は、絶縁リング18を介してケース12の頂面に固定されている。
【0017】
電極組立体13は、図3に示すように、例えば正極21と、負極22と、正極21と負極22との間に配置された袋状のセパレータ23とによって構成されている。電極組立体13では、セパレータ23内に正極21が収容されており、この状態で正極21と負極22とがセパレータ23を介して交互に積層された状態となっている。
【0018】
正極21は、例えばアルミニウム箔からなる金属箔21aと、金属箔21aの両面に形成された正極活物質層21bとを有している。正極活物質層21bは、正極活物質とバインダとを含んで形成されている。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウム、硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つと、リチウムとが含まれる。また、正極21の上縁部には、正極端子15の位置に対応してタブ21cが形成されている。タブ21cは、正極21の上縁部から上方に延び、導電部材24を介して正極端子15に接続されている。
【0019】
一方、負極22は、例えば銅箔からなる金属箔22aと、金属箔22aの両面に形成された負極活物質層22bとを有している。負極活物質層22bは、負極活物質とバインダとを含んで形成されている。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物、ホウ素添加炭素等が挙げられる。また、負極22の上縁部には、負極端子16の位置に対応してタブ22cが形成されている。タブ22cは、負極22の上縁部から上方に延び、導電部材25を介して負極端子16に接続されている。
【0020】
セパレータ23は、例えば袋状に形成され、内部に正極21のみを収容している。セパレータ23の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布又は不織布等が例示される。なお、セパレータ23は、袋状に限られず、シート状のものを用いてもよい。
【0021】
弾性体4は、弾性体4は、例えばウレタン製のゴムスポンジによって形成され、例えば電池セル11を配列方向から見た場合の面積よりも小さい面積を有する略矩形の板状をなしている。弾性体4は、配列体2における電池セル11の配列方向の両端にそれぞれ配置されている。弾性体4は、電池セル11の配列方向の少なくとも一端に配置されていればよく、電池セル11,11間に配置されていてもよい。弾性体4の形成材料としては、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、シリコンゴムなどを用いることもできる。また、弾性体4は、ゴムに限られず、バネ材などであってもよい。
【0022】
拘束部材3は、図1に示すように、例えば一対のエンドプレート31と、エンドプレート31同士を締結する締結部材32とを備えている。エンドプレート31は、例えば電池セル11を配列方向から見た場合の面積よりも大きい面積を有する略矩形の板状をなしており、エンドプレート31の外縁部分が電池セル11の外縁部分よりも外側に張り出した状態で、配列体2及び弾性体4の配列方向の両端にそれぞれ配置されている。
【0023】
締結部材32は、例えば長尺のボルト33と、ボルト33に螺合されるナット34とによって構成されている。ボルト33は、例えばエンドプレート31の外縁部分において、配列体2の四隅に対応する位置でエンドプレート31に挿通されている。各ボルト33の両端にエンドプレート31の外側からナット34が螺合されることで、電池セル11及び伝熱プレート5が挟持されてユニット化されると共に、配列体2及び弾性体4に対する拘束荷重が付加される。
【0024】
続いて、拘束部材3による弾性体4への拘束荷重について更に詳細に説明する。
【0025】
拘束部材3による拘束荷重を設定するにあたっては、配列体2の両端に配置する弾性体4について、圧縮量に対する荷重量の関係(圧縮特性)を予め求める。図4は、弾性体4がウレタン製のゴムスポンジである場合の圧縮特性の一例を示す図である。同図に示す例では、横軸は、弾性体4の圧縮量、縦軸は弾性体4が受ける荷重量となっており、弾性体4の圧縮特性曲線がプロットされている(グラフA)。同図に示す例では、圧縮量が0から増加すると共に荷重量も増加する(グラフAのA1部分)。その後、一旦圧縮量の増加に対する荷重量の増加が緩やかとなり(グラフAのA2部分)、さらに圧縮量が増加すると、荷重量の増加に対して圧縮量が殆ど増加しなくなっている(グラフAのA3部分)。
【0026】
拘束部材3による弾性体4への拘束荷重の上限値を設定する場合、まず、弾性体4を配列体2と拘束部材3との間又は電池セル11,11間に介在させた状態での拘束部材3の破壊荷重Kを求める。次に、弾性体4の圧縮特性曲線に基づいて、破壊荷重Kがかかった場合の弾性体4の圧縮量Cを求める。圧縮量Cを求めた後、初期状態からの配列体2の膨張量を圧縮量Cから減算した圧縮量Cを求める。
【0027】
図5は、初期状態からの配列体2の膨張・収縮量の一例を示す図である。同図に示すように、使用時の配列体2の膨張・収縮は、例えば電池モジュール1の充電状態(SOC)や温度に依存する。例えば初期状態において、電池モジュール1のSOCが15%で温度が25℃であるときの配列体2の厚さを基準(膨張量=0mm)とした場合、SOCが100%で温度が60℃であるときの配列体2の厚さは、基準値から例えば3mm程度膨張する。したがって、図4に示すように、圧縮量Cからこの膨張量を減算した圧縮量Cを求め、弾性体4の初期圧縮量がCより小さくなるように、圧縮量Cと圧縮特性曲線との交点から求まる荷重量Kを拘束部材3による弾性体4への拘束荷重の上限値として設定する。なお、弾性体4の初期圧縮量とは、配列体2が膨張していないときの弾性体4の圧縮量である。
【0028】
一方、拘束部材3による弾性体4への拘束荷重の下限値を設定する場合、まず、電池セル11の電極間(セパレータ23を含む正極21及び負極22間)及び電極組立体13とケース12との間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量Kを求める。最低荷重量Kは、例えば電池セル11の圧縮量と電池セル11が受ける荷重量の関係を予め求め、この関係を示す特性曲線の傾きの変曲点となる座標から算出することができる。
【0029】
最低荷重量Kは、電池セル11における圧縮量に対する荷重量の傾きの変化量に基づいて算出することもできる。圧縮量に対する荷重量の傾きの変化量は、圧縮量に対する荷重量の関係を示す関数の2階微分によって得ることができる。荷重量の傾きの変化量にピークが出現する場合、荷重量の傾きの変化量がピークとなるときの圧縮量に対応する荷重量を最低荷重量Kとして決定することができる。
【0030】
次に、弾性体4の圧縮特性曲線に基づいて、最低荷重量Kがかかったときの弾性体4の圧縮量Cを求める(図4参照)。圧縮量Cを求めた後、初期状態からの配列体2の収縮量を加算した圧縮量Cを求める。図5に示した例では、SOCが0%で温度が−40℃であるときの配列体2の厚さは、基準値から例えば2mm程度収縮する。したがって、図4に示すように、圧縮量Cからこの収縮量を加算した圧縮量Cを求め、弾性体4の初期圧縮量がCより大きくなるように、圧縮量Cと圧縮特性曲線との交点から求まる荷重量Kを拘束部材3による弾性体4への拘束荷重の下限値として設定する。
【0031】
なお、上述した圧縮量Cに対する減算量及び圧縮量Cに対する加算量は、初期状態からの配列体2の膨張・収縮量に基づくものである。したがって、初期状態からの配列体2の膨張量を圧縮量Cから減算した圧縮量Cは、弾性体4の圧縮特性曲線がA2からA3に移行する変曲点とは必ずしも一致しない。また、初期状態からの配列体2の収縮量を圧縮量Cに加算した圧縮量Cは、弾性体4の圧縮特性曲線AがA1からA2に移行する変曲点とは必ずしも一致しない。
【0032】
以上説明したように、電池モジュール1では、弾性体4の初期圧縮量が、弾性体4を配列体2と拘束部材3との間又は電池セル11,11間に介在させた状態で拘束部材3が破壊されるときの弾性体4の圧縮量Cから、初期状態からの配列体2の膨張量を減算した圧縮量Cよりも小さくなるように、拘束部材3による配列体2への拘束荷重の上限値Kが設定されている。初期状態からの配列体2の膨張量を考慮することで、充放電或いは温度変化に伴って電池セル11が膨張した場合の弾性体4の圧縮しろが確保され、配列体2に付加される拘束荷重が適切に維持される。したがって、電池性能の確保及び拘束部材3の破損の防止を実現できる。
【0033】
また、電池モジュール1では、拘束部材3による弾性体4への拘束荷重の下限値Kは、弾性体4の初期圧縮量が、電池セル11の電極間及び電極組立体13とケース12との間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量Kがかかったときの弾性体4の圧縮量Cに、初期状態からの配列体2の収縮量を加算した圧縮量Cよりも大きくなるように設定されている。初期状態からの配列体2の収縮量を考慮することで、充放電或いは温度変化に伴って電池セル11が収縮した場合の弾性体4の膨張しろが確保され、配列体2に付加される拘束荷重が適切に維持される。したがって、電池性能を一層好適に確保できる。
【0034】
また、上述した最低荷重量Kは、電池セル11の圧縮量に対する荷重量の傾きの変化量に基づき、当該傾きの変化量がピークとなるときの圧縮量に対応する荷重量によって決定することができる。この場合、電池セル11の電極間及び電極組立体13とケース12との間のクリアランスが存在しなくなる最低荷重量Kを精度良く求めることができる。
【0035】
また、電池モジュール1では、弾性体4が配列体2における電池セル11の配列方向の一端にそれぞれ配置され、拘束部材3は、配列体2及び弾性体4を電池セル11の配列方向に挟み込む一対のエンドプレート31と、エンドプレート31同士を締結する締結部材32とによって構成されている。このような構成により、配列体2及び弾性体4への拘束荷重の付加を均一に実施できる。
【0036】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記実施形態では、配列体2及び弾性体4を電池セル11の配列方向に挟み込む一対のエンドプレート31と、エンドプレート31同士を締結する締結部材32とによって拘束部材3を構成したが、図6に示すように、一対のエンドプレート42と、エンドプレート42の一縁部同士を連結する連結部43とを、弾性を有する材料によって一体的に形成した拘束部材41を用いてもよい。このような拘束部材41によっても、配列体2及び弾性体4への拘束荷重の付加を均一に実施できる。
【符号の説明】
【0037】
1…電池モジュール、2…配列体、3,41…拘束部材、4…弾性体、11…電池セル、12…ケース、13…電極組立体、21…正極(電極)、22…負極(電極)、31…エンドプレート、32…締結部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6