(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
撮影手段(100)で撮影された映像の映像信号を前記撮影手段(100)から入力し、前記映像信号に基づくフレームの画像を表示可能に処理して表示信号を生成する処理手段(200)と、
前記処理手段(200)から前記表示信号を入力し、当該表示信号に含まれる複数のフレームの画像を画面(301)に連続して表示することにより前記映像を表示する表示手段(300)と、
前記表示信号に含まれる複数のフレームのうちの前後のフレームを識別可能にする識別情報をフレーム毎に設定する設定手段(220、320)と、
前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの識別情報と、当該フレームの次に前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの識別情報と、を比較し、各識別情報が一致する場合は前記表示手段(300)の画面(301)がフリーズしていることを検出する検出手段(321、322、323、340)と、
を備え、
前記設定手段は、前記処理手段(200)に設けられていると共に、前記表示信号に含まれる複数のフレームのうち前後のフレームに異なるコードを前記識別情報として設定するコード入力部(220)として構成され、
前記検出手段は、前記表示手段(300)に設けられていると共に、前記表示手段(300)に表示される画像のフレームのコードと、当該フレームの次に前記表示手段(300)に表示される画像のフレームのコードと、を照合することにより、前記画面(301)のフリーズを検出する判別回路部(321)として構成され、
前記表示手段(300)は、前記画面(301)として有効表示領域(302)が設定されたドットマトリクス型の表示部(310)と、前記表示信号に基づいて前記表示部(310)に駆動電圧を印加する駆動回路部(320、330)と、を有し、
前記判別回路部(321)は、前記表示部(310)のうち前記有効表示領域(302)の周囲に設けられていると共に、前記駆動回路部(320、330)に電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
撮影手段(100)で撮影された映像の映像信号を前記撮影手段(100)から入力し、前記映像信号に基づくフレームの画像を表示可能に処理して表示信号を生成する処理手段(200)と、
前記処理手段(200)から前記表示信号を入力し、当該表示信号に含まれる複数のフレームの画像を画面(301)に連続して表示することにより前記映像を表示する表示手段(300)と、
前記表示信号に含まれる複数のフレームのうちの前後のフレームを識別可能にする識別情報をフレーム毎に設定する設定手段(220、320)と、
前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの識別情報と、当該フレームの次に前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの識別情報と、を比較し、各識別情報が一致する場合は前記表示手段(300)の画面(301)がフリーズしていることを検出する検出手段(321、322、323、340)と、
を備え、
前記設定手段(220、320)は、前記表示手段(300)に設けられていると共に、前記フレームに含まれる画像情報の総和を前記識別情報としてフレーム毎に取得し、
前記検出手段は、前記表示手段(300)に設けられていると共に、前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの画像情報の総和と、当該フレームの次に前記表示手段(300)に表示される画像のフレームの画像情報の総和と、を比較することにより、前記画面(301)のフリーズを検出するチェックサム回路部(323、340)として構成され、
前記表示手段(300)は、前記画面(301)として有効表示領域(302)が設定されたドットマトリクス型の表示部(310)と、前記表示信号に基づいて前記表示部(310)に駆動電圧を印加する駆動回路部(320)と、を有し、
前記チェックサム回路部(340)は、前記表示部(310)のうち前記有効表示領域(302)の周囲に設けられていると共に、前記駆動回路部(320)に電気的に接続されていることを特徴とする表示装置。
前記検出手段(321、322、323、340)によって前記画面(301)のフリーズが検出された場合、前記表示手段(300)に同一のフレームの画像が表示される状態を解消する解消手段(320)を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0014】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。本実施形態に係る表示装置は、例えばカメラで撮影された映像をそのままディスプレイに表示させる電子ミラーシステムに適用される。電子ミラーシステムは、例えば車両に搭載される。これにより、例えば車外を撮影した映像をそのまま車内に表示させることが可能となる。
【0015】
このような電子ミラーシステムは、
図1に示されるように、カメラ100、ECU200(Electrical Control Unit;ECU)、及びディスプレイ装置300を備えて構成されている。
【0016】
カメラ100は、例えば車両の外部を撮影する撮影手段である。カメラ100は、例えば車室内に設置されている。カメラ100は、ECU200から制御信号(cntl)を入力し、当該制御信号に従って例えば1秒間に複数の画像を撮影する。カメラ100は、撮影した画像の画像データを映像信号(sig(A))としてECU200に出力する。映像信号は、例えばビデオ信号であるNTSC信号である。すなわち、映像信号は、フレーム毎の信号としてカメラ100からECU200に出力される。
【0017】
ECU200は、カメラ100から映像信号を入力すると共に、当該映像信号に基づく各フレームをディスプレイ装置300で表示可能に処理して表示信号(sig(D))を生成する装置である。ECU200は、制御信号によってカメラ100を制御する機能や、映像信号に含まれる各フレームに対して画像の明るさ等の画像処理等を行う機能、及びディスプレイ装置300に表示信号を出力する機能を有している。
【0018】
ECU200は、各機能を実現するため、図示しないマイクロコンピュータを有している。マイクロコンピュータは、命令を実行するCPU、プログラムが記憶されたROM、A/D変換器、D/A変換器、信号の入出力を行うI/O等を有して構成されている。
【0019】
また、
図2に示されるように、マイクロコンピュータはRAM210及びコード入力部220を有している。RAM210は、CPUによって処理された画像のフレームのデータを蓄積する記憶手段である。
【0020】
コード入力部220は、CPUによって処理された表示信号に含まれる複数のフレームのうちの前後のフレームを識別可能にする識別情報をフレーム毎に設定する設定手段である。言い換えると、コード入力部220は、連続するフレームのうちの一つのフレームと、当該一つのフレームの次のフレームと、を識別可能にする識別情報をフレーム毎に設定する。
【0021】
本実施形態では、コード入力部220は、表示信号に含まれる複数のフレームのうち前後のフレームに異なるコードを識別情報として設定する。
図3に示されるように、Nフレーム(N番目のフレーム)のコードは、N−1フレーム(N−1番目のフレーム)のコードと異なるように設定される。また、N+1フレーム(N+1番目のフレーム)のコードは、Nフレームのコードと異なるように設定される。
【0022】
ここで、N−1フレームのコードとN+1フレームのコードとは同じであるが、フレームの前後でコードの内容が異なる。このように、前後のフレームでコードが異なっていれば良いので、少なくとも2種類のコードが予め用意されていれば良い。もちろん、3種類以上のコードを使用することも可能である。
【0023】
そして、コード入力部220は、RAM210からディスプレイ装置300に対して出力されるフレームのデータにコードを付加する。本実施形態では、
図4に示されるように、コード入力部220は、フレームのうち、ディスプレイ装置300の画面301として視認される有効表示領域302の外周のブランキング期間303に対応する位置にコードを設定する。
【0024】
したがって、ECU200は、コードが付加された複数のフレームを含んだ表示信号をディスプレイ装置300に出力する。また、ECU200は、ディスプレイ装置300の画面301に映像を表示するため、表示信号の他に、クロック信号(CLK)、水平同期信号(HSync)、及び垂直同期信号(VSync)をディスプレイ装置300に出力する。
【0025】
ディスプレイ装置300は、カメラ100で撮影された映像を表示するための表示手段である。すなわち、ディスプレイ装置300は、ECU200から表示信号を入力し、当該表示信号に含まれる複数のフレームの画像を画面301に連続して表示することにより映像を表示する。このようなディスプレイ装置300は、表示部310、データ線駆動回路部320、及び走査線駆動回路部330を有している。
【0026】
表示部310は、複数のデータ線311と複数の走査線312とが交差するように配置されたドットマトリクス型のものである。つまり、各データ線311と各走査線312とが交わる部分が画素に対応すると共に、当該交差部分で構成された領域が有効表示領域302(画面301)とされている。表示部310は、例えば液晶パネルや有機ELパネルとして構成されている。
【0027】
データ線駆動回路部320は、表示信号及び水平同期信号に基づいて各データ線311に駆動電圧を印加するものである。データ線駆動回路部320は、いわゆるデータドライバICである。データ線駆動回路部320は、外部から電源(Power)が供給されることで動作する。
【0028】
また、走査線駆動回路部330は、データ線駆動回路部320からクロック信号及び垂直同期信号を入力し、これらの信号に基づいて各走査線312に駆動電圧を印加するように構成されている。走査線駆動回路部330は、いわゆるスキャンドライバである。
【0029】
上記のディスプレイ装置300において、データ線駆動回路部320は判別回路部321を内蔵している。判別回路部321は、ディスプレイ装置300の画面301に表示される画像のフレームの識別情報と、当該フレームの次に画面301に表示される画像のフレームの識別情報と、を比較することにより、画面301がフリーズしていることを検出する検出手段である。すなわち、判別回路部321は、各識別情報が一致する場合はディスプレイ装置300の画面301がフリーズしていることを検出する。ここで、「当該フレームの次に画面301に表示される画像のフレーム」とは、当該フレームの直後のフレームに限定されない。例えば、2フレーム後に画面301に表示される画像のフレームを比較対象としても良い。また、「識別情報が一致する」とは、識別情報が完全に同一の場合だけでなく、同一と認められる範囲内の場合も含まれる。
【0030】
本実施形態では、判別回路部321は、画面301に表示される画像のフレームのコードと、当該フレームの次に画面301に表示される画像のフレームのコードと、を照合することにより、画面301のフリーズを検出する。
【0031】
また、データ線駆動回路部320は、判別回路部321によって画面301のフリーズが検出された場合、画面301に同一のフレームの画像が表示される状態を解消する解消機能を有している。
【0032】
具体的には、データ線駆動回路部320は、
図5(a)に示されるように画面301を消す。すなわち、データ線駆動回路部320は、画面301に黒を表示する。また、データ線駆動回路部320は、
図5(b)に示されるように画面301に全点灯表示を行う。すなわち、データ線駆動回路部320は、画面301に白等の単色を表示する。
【0033】
さらに、データ線駆動回路部320は、
図5(c)に示されるように画面301に黒白点滅表示を行う。すなわち、データ線駆動回路部320は、異なる2色を交互に点滅表示させる。他には、データ線駆動回路部320は、
図5(
d)に示されるように画面301に異常であることを表示する。例えば、「映像信号異常」という文字を表示することにより、画面301がフリーズしていることを明確にする。
【0034】
データ線駆動回路部320は、
図5に示された各解消方法のうちの一つを実行することにより、画面301に同一のフレームの画像が表示され続けることを解消することができる。また、ユーザに対して画面301がフリーズしていることを知らせることができる。以上が、本実施形態に係る電子ミラーシステムの全体構成である。
【0035】
次に、電子ミラーシステムにおける画面301のフリーズの検出とその解消の動作について説明する。ECU200は、カメラ100に制御信号を出力することにより、カメラ100に周囲を撮影させて映像信号を入力する。また、ECU200は、映像信号に含まれる各フレームを処理してRAM210に格納する。
【0036】
そして、コード入力部220は、RAM210からディスプレイ装置300に出力される各フレームのブランキング期間303の位置にコードを付与する。このとき、コード入力部220は、前後のフレームで異なるコードを付与する。この後、ECU200は、各フレームを表示信号として随時ディスプレイ装置300に出力する。なお、ECU200はクロック信号等の他の信号もディスプレイ装置300に出力する。
【0037】
ディスプレイ装置300では、データ線駆動回路部320及び走査線駆動回路部330が、表示信号に含まれる複数のフレームに基づいて表示部310の画面301に画像を連続して表示する。これにより、ディスプレイ装置300は、カメラ100で撮影された映像を表示部310に表示する。
【0038】
また、データ線駆動回路部320では、判別回路部321が表示部310に今回表示される画像のフレームに付与されたコードと、前回表示された画像のフレームに付与されたコードと、を照合する。各コードが異なる場合、判別回路部321は、画面301のフリーズは発生していないと判定する。
【0039】
一方、カメラ100、ECU200、データ線駆動回路部320等、電子ミラーシステムのいずれかに異常が発生した場合、表示部310に同一フレームの画像が連続して表示される。つまり、画面301がフリーズした状態となる。この場合、表示部310に前回表示された画像のフレームに付与されたコードと、今回表示される画像のフレームに付与されたコードと、が一致するので、判別回路部321は画面301がフリーズしていることを検出する。判別回路部321は、検出結果をデータ線駆動回路部320の解除機能部に出力する。
【0040】
この後、データ線駆動回路部320は、同一フレームの同一画像が連続して表示されないようにするために、画面301に
図5に示されたいずれかの表示を行う。その後、判別回路部321は各コードが異なると判定した場合、データ線駆動回路部320は表示信号に基づいて画面301に映像を表示させる。つまり、電子ミラーシステムが正常な状態に復帰した場合、データ線駆動回路部320は、カメラ100で撮影された映像を画面301に再び表示させる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、ECU200において各フレームに識別情報としてコードを付与し、判別回路部321で前後のフレームのコードを照合することにより、画面301のフリーズを検出することが特徴となっている。
【0042】
このように、コード入力部220によって画像のフレーム毎に前後のフレームで異なるコードが付与されるので、ディスプレイ装置300の画面301に連続で表示される画像が同一フレームの同一画像であるか否かを判別回路部321によって検出することができる。したがって、ディスプレイ装置300の画面301のフリーズを検出することができる。
【0043】
また、画面301のフリーズが検出された場合、データ線駆動回路部320によって画面301がフリーズした状態を解消することができる。これにより、画面301に表示されている画像が誤認されないようにすることができる。
【0044】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、カメラ100が特許請求の範囲の「撮影手段」に対応し、ECU200が特許請求の範囲の「処理手段」に対応する。また、ディスプレイ装置300が特許請求の範囲の「表示手段」に対応する。また、コード入力部220が特許請求の範囲の「設定手段」に対応し、判別回路部321が特許請求の範囲の「検出手段」に対応する。さらに、データ線駆動回路部320が特許請求の範囲の「解消手段」に対応し、データ線駆動回路部320が特許請求の範囲の「駆動回路部」に対応する。
【0045】
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
図6に示されるように、判別回路部322は、表示部310のうち有効表示領域302の周囲に設けられている。また、判別回路部322は、データ線311のうちデータ線駆動回路部320とは反対側に電気的に接続されている。このように、判別回路部322を有効表示領域302の周囲に設け、前後のフレームの各コードを照合することにより画面301のフリーズを監視することができる。
【0046】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、データ線駆動回路部320及び走査線駆動回路部330が特許請求の範囲の「駆動回路部」に対応する。
【0047】
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態と異なる部分について説明する。
図7に示されるように、判別回路部322は、表示部310の有効表示領域302の周囲に配置されていると共に、走査線312のうち走査線駆動回路部330とは反対側に電気的に接続されている。このように、判別回路部322は走査線312を介してコードを監視することもできる。
【0048】
(第4実施形態)
本実施形態では、第1〜第3実施形態と異なる部分について説明する。上記各実施形態では、ECU200で各フレームに識別情報が付与されていたが、本実施形態ではディスプレイ装置300において各フレームの識別情報が設定される構成となっている。
【0049】
ECU200は、カメラ100を制御する機能や、映像信号に含まれる各フレームに対して画像処理等を行う機能、及びディスプレイ装置300に表示信号を出力する機能を有している。画像処理された画像のフレームには、各画素の輝度や色度等の画像情報が含まれている。そして、
図8に示されるように、ECU200は、画像処理後の表示信号をRAM210に格納し、随時、ディスプレイ装置300に出力する。
【0050】
一方、ディスプレイ装置300は、上述のように、表示部310、データ線駆動回路部320、及び走査線駆動回路部330を有している。そして、データ線駆動回路部320は、フレームに含まれる画像情報の総和を識別情報としてフレーム毎に取得する機能を有している。
【0051】
また、データ線駆動回路部320は、チェックサム回路部323を内蔵している。チェックサム回路部323は、画面301に表示される画像のフレームの画像情報の総和と、当該フレームの次に画面301に表示される画像のフレームの画像情報の総和と、を比較することにより、画面301がフリーズしていることを検出する検出手段である。ここで、「当該フレームの次に画面301に表示される画像のフレーム」とは、当該フレームの直後のフレームに限定されない。例えば、2フレーム後に画面301に表示される画像のフレームを比較対象としても良い。
【0052】
具体的には、
図9(a)に示されるように、チェックサム回路部323は画面301に表示される画像の全体の輝度の総和を画像情報の総和(識別情報)として算出する。また、
図9(b)に示されるように、チェックサム回路部323は、画面301の中央の一行の輝度の総和を画像情報の総和として算出する。また、また、
図9(c)に示されるように、チェックサム回路部323は、画面301の中央の一列の輝度の総和を画像情報の総和として算出する。
【0053】
また、チェックサム回路部323は、
図9(d)に示されるように画面301の最終行の輝度の総和を画像情報の総和として算出したり、
図9(e)に示されるように画面301の最終列の輝度の総和を画像情報の総和として算出する。
【0054】
さらに、チェックサム回路部323は、
図9(f)に示されるように画面301の中央部の領域の輝度の総和を画像情報の総和として算出したり、
図9(g)に示されるように画面301の最下流の領域の輝度の総和を画像情報の総和として算出する。一行や一列の輝度を算出する場合では前後のフレームで輝度の総和が偶然一致する可能性があるが、一定の領域で輝度を算出することで偶然の一致を回避することができる。
【0055】
そして、チェックサム回路部323は、各画像情報の総和が一致する場合はディスプレイ装置300の画面301がフリーズしていることを検出する。ここで、「画像情報の総和が一致する」とは、例えば輝度や色度が完全に同一の場合だけでなく、輝度や色度が同一と認められる範囲内の場合も含まれる。
【0056】
データ線駆動回路部320は、チェックサム回路部323で画面301のフリーズが検出された場合、
図5に示された解消方法のいずれかを実行する。この他の方法として、データ線駆動回路部320は、ECU200のCPUをリセットする。つまり、データ線駆動回路部320は、ECU200のソフトウェアを再起動する。画面301のフリーズの原因がECU200にある場合は当該リセットによって画面301を正常な状態に復帰させることができる。このようなフリーズ解消処理により、ユーザに画面301のフリーズを知らせることができる。
【0057】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、データ線駆動回路部320が特許請求の範囲の「設定手段」及び「駆動回路部」に対応し、チェックサム回路部323が特許請求の範囲の「検出手段」に対応する。
【0058】
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分について説明する。
図10に示されるように、ディスプレイ装置300は、表示部310、データ線駆動回路部320、走査線駆動回路部330、及びチェックサム回路部340を有している。
【0059】
データ線駆動回路部320は、フレームの最終行の各画素の下位1ビットに識別情報を付与する。この際、データ線駆動回路部320は、奇数フレームと偶数フレームとで異なる識別情報を付与する。これにより、前後のフレームで識別情報が異なるので、前後のフレームの識別が可能となる。
【0060】
データ線駆動回路部320は、データ線311に駆動電圧としてアナログ電圧を印加するので、識別情報として例えばデジタル信号の「0」に対応する0Vや、デジタル信号の「1」に対応する5Vをフレームの最終行の下位ビットに設定する。
【0061】
チェックサム回路部340は、データ線駆動回路部320で設定された各フレームの識別情報を比較することにより、画面301がフリーズしていることを検出する検出手段である。本実施形態では、チェックサム回路部340は、表示部310のうち画面301のとしての有効表示領域302の周囲に設けられていると共に、データ線311のうちデータ線駆動回路部320とは反対側に電気的に接続されている。
【0062】
図11に示されるように、チェックサム回路部340は、記憶回路部341、切替部342、第1総和回路部343、第2総和回路部344、及び比較回路部345を有している。
【0063】
記憶回路部341は、表示部310の最終行の後段に設けられている。そして、記憶回路部341は、フレームのうち有効表示領域302の最終行の画素群313に設定された下位ビットをデータ線311毎に記憶する。上述のように、識別情報はデータ線駆動回路部320によってアナログ電圧として設定されるので、記憶回路部341はアナログ電圧の値を記憶する。なお、記憶回路部341は、フレームの下位複数ビットを記憶しても良い。
【0064】
切替部342は、走査線駆動回路部330の指令に従って記憶回路部341と第1総和回路部343との接続、または、記憶回路部341と第2総和回路部344との接続を切り替えるものである。例えば、表示部310に偶数フレームの画像が表示される場合、切替部342は記憶回路部341と第1総和回路部343とを接続する。一方、表示部310に奇数フレームの画像が表示される場合、切替部342は記憶回路部341と第2総和回路部344とを接続する。
【0065】
第1総和回路部343は、記憶回路部341に記憶された偶数フレームに対応する各下位ビットの総和を算出するものである。また、第2総和回路部344は、記憶回路部341に記憶された奇数フレームに対応する各下位ビットの総和を算出するものである。
【0066】
比較回路部345は、第1総和回路部343で取得された総和と、第2総和回路部344で取得された総和とを比較するものである。比較回路部345は、各総和が一致しない場合は画面301がフリーズしていないと判定し、各総和が一致する場合は画面301がフリーズしていると判定する。以上が、本実施形態に係るディスプレイ装置300の構成である。
【0067】
次に、上記のディスプレイ装置300の作動について説明する。まず、データ線駆動回路部320は、
図12(a)に示された奇数フレームの最終行の画素データ350(8ビット)の下位ビットに、
図12(b)に示されたフレーム識別データ351を識別情報(1ビット)として付与する。
【0068】
また、データ線駆動回路部320は、各データ350、351をDA変換することにより、
図12(c)に示された画素データ350のアナログ電圧352を生成すると共に、
図12(d)に示されたフレーム識別データ351のアナログ電圧353を生成する。
【0069】
そして、
図13に示されるように、データ線駆動回路部320は、画素データ350のアナログ電圧352を各データ線311に印加する。記憶回路部341は、フレーム識別データ351に対応したアナログ電圧353をデータ線311毎に記憶する。また、表示部310の画面301に奇数フレームの画像が表示される場合、切替部342は記憶回路部341と第2総和回路部344とを接続している。したがって、第2総和回路部344は、記憶回路部341に記憶されたデジタル信号の「1」に該当するアナログ電圧の数の総和を取得する。フレーム識別データ351の総和値は「7」である。
【0070】
続いて、データ線駆動回路部320は、
図14(a)に示された偶数フレームの最終行の画素データ354(8ビット)の下位ビットに、
図14(b)に示されたフレーム識別データ355を識別情報(1ビット)として付与する。フレーム識別データ355は、奇数フレームに係るフレーム識別データ351に対して一部が異なる内容になっている。
【0071】
また、データ線駆動回路部320は、各データ354、355をDA変換することにより、
図14(c)に示された画素データ354のアナログ電圧356を生成すると共に、
図14(d)に示されたフレーム識別データ355のアナログ電圧357を生成する。
【0072】
そして、
図15に示されるように、データ線駆動回路部320は、画素データ354のアナログ電圧356を各データ線311に印加する。記憶回路部341は、フレーム識別データ355に対応したアナログ電圧357をデータ線311毎に記憶する。また、表示部310の画面301に偶数フレームの画像が表示される場合、切替部342は記憶回路部341と第1総和回路部343とを接続している。したがって、第1総和回路部343は、記憶回路部341に記憶されたデジタル信号の「1」に該当するアナログ電圧の数の総和を取得する。フレーム識別データ355の総和値は「6」である。
【0073】
この後、比較回路部345は、各総和回路部343、344の総和値を比較する。上記の例では総和値が異なるので、比較回路部345は画面301がフリーズしていないと判定する。そして、第1総和回路部343に偶数フレームの識別情報が残された状態で、第2総和回路部344が次の奇数フレームの識別情報を取得し、比較回路部345が各総和値の比較を行う。各総和回路部343、344は総和値を随時更新し、比較回路部345は総和値が更新される度に比較を行う。このようにして比較回路部345は前後のフレームの同一性を判定する。
【0074】
一方、各総和値が一致する場合、比較回路部345は画面301がフリーズしていると判定し、判定結果をデータ線駆動回路部320に出力する。これにより、データ線駆動回路部320は、第4実施形態で示された解消方法で画面301のフリーズを解消する。以上のように、チェックサム回路部340によって映像判別を行うことができる。
【0075】
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、チェックサム回路部340が特許請求の範囲の「検出手段」に対応する。
【0076】
(他の実施形態)
上記各実施形態で示された電子ミラーシステムの構成は一例であり、上記で示した構成に限定されることなく、本発明を実現できる他の構成とすることもできる。例えば、カメラ100は必須の構成ではなく、カメラ100で撮影された映像の映像信号がECU200に入力される構成でも良い。この場合、映像信号は有線でECU200に入力される構成に限られず、カメラ100とECU200とが電気的に分離された状態でECU200がカメラ100から無線で映像信号を受信する構成になっていても良い。
【0077】
また、電子ミラーシステムが構成されていれば良いので、カメラ100とECU200が一体化されても良いし、ECU200とディスプレイ装置300が一体化されても良い。
【0078】
第1実施形態では、判別回路部321はデータ線駆動回路部320に設けられていたが、走査線駆動回路部330に設けられていても良い。同様に、第4実施形態では、チェックサム回路部323はデータ線駆動回路部320に設けられていたが、走査線駆動回路部330に設けられていても良い。
【0079】
上記第1〜第3実施形態では、有効表示領域302の外周に位置するブランキング期間303にフレームの識別情報が付与されていたが、これは識別情報を付与する位置の一例である。したがって、ブランキング期間303以外の位置に識別情報を付与しても良い。
【0080】
上記各実施形態では、電子ミラーシステムは車両に搭載されるものであったが、これは電子ミラーシステムの適用対象の一例である。したがって、電子ミラーシステムは車両に搭載される場合に限られない。