特許第6442917号(P6442917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442917
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20060101AFI20181217BHJP
   G02B 7/08 20060101ALI20181217BHJP
   G02B 7/28 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G02B7/04 E
   G02B7/08 C
   G02B7/28 P
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-168263(P2014-168263)
(22)【出願日】2014年8月21日
(65)【公開番号】特開2016-45295(P2016-45295A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2017年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083286
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】小暮 悠司
(72)【発明者】
【氏名】河村 昌彦
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−219865(JP,A)
【文献】 特開平10−206717(JP,A)
【文献】 米国特許第04168884(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/08
G02B 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することにより移動レンズ群を所定範囲内で光軸方向に進退させるレンズ駆動環と、
第一回転入力を発生するアクチュエータと、
手動によって回転することにより第二回転入力を発生する手動操作リングと、
上記アクチュエータと連係しかつ回転可能な第一入力部、上記手動操作リングと連係しかつ回転可能な第二入力部、及び上記レンズ駆動環と連係しかつ回転可能な出力部、を有し、かつ、上記手動操作リングが一方向に回転することにより上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点に到達したときに該手動操作リングの上記一方向へのさらなる回転を許容する動力伝達クラッチと、
を備え、
上記動力伝達クラッチは、上記第一入力部の保持トルク及び上記第二入力部の回転トルクが上記出力部の保持トルクより小さい場合に、上記手動操作リングからの入力によって上記第二入力部が回転したときは、上記出力部及び上記レンズ駆動環を回転させることなく上記第一入力部を回転させ、
上記アクチュエータが非駆動状態にあるときに、上記アクチュエータに対して回転負荷を与える負荷制御手段を備え
上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点への到達前に上記手動操作リングを操作するための回転トルクが、上記第二入力部の保持トルク+上記出力部の保持トルクであり、上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点への到達後に上記手動操作リングを操作するための回転トルクが、上記第二入力部の保持トルク+上記第一入力部の保持トルクであることを特徴とするレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1記載のレンズ鏡筒において、
上記負荷制御手段は、上記アクチュエータが非駆動状態にあるときに、上記アクチュエータに対して電磁制御による負荷を断続的に与える電磁負荷制御手段であるレンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項2記載のレンズ鏡筒において、
上記アクチュエータが電磁式モータであり、
上記負荷が回生ブレーキであるレンズ鏡筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレンズ鏡筒に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はモータ及び動力伝達クラッチを内蔵するレンズ鏡筒を開示している。
このレンズ鏡筒は、回転することにより移動レンズ群を光軸方向に所定範囲内で進退させるレンズ駆動環と、手動操作リングと、電磁式モータと、レンズ駆動環、手動操作リング、及び電磁式モータに接続する動力伝達クラッチと、を備えている。
この動力伝達クラッチは、手動操作リングの保持トルク(静止状態の手動操作リングを回転させるためのトルク)及び電磁式モータの回転トルクがレンズ駆動環の保持トルク(静止状態のレンズ駆動環を回転させるためのトルク)より大きい場合又は電磁式モータの保持トルク及び手動操作リングの回転トルクがレンズ駆動環の保持トルクより大きい場合に、手動操作リングと電磁式モータの一方からの入力を受けたときに、手動操作リングと電磁式モータの他方を回転させることなくレンズ駆動環を回転させるものである。
【0003】
移動レンズ群の光軸方向位置が上記所定範囲の中間位置(端点以外の位置)に位置する状態のときは、電磁式モータの保持トルク及び手動操作リングの回転トルクがレンズ駆動環の保持トルクより大きくなる。そのためこの状態で手動操作リングを回転させるとこの回転力が動力伝達クラッチに伝わり、動力伝達クラッチが電磁式モータを回転させることなくレンズ駆動環を回転させる(移動レンズ群を光軸方向に移動させる)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−72786号公報
【特許文献2】特開2000−258677号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
移動レンズ群の重量が大きい場合等は、電磁式モータの保持トルクがレンズ駆動環の保持トルクより小さくなってしまう。
このような場合であっても、特許文献1のレンズ鏡筒の手動操作リングを回転操作すると、手動操作リングから回転力を受けた動力伝達クラッチが電磁式モータを回転(空転)させる一方でレンズ駆動環は回転させない。即ち手動操作リングによるフォーカシング動作が不能になる。
【0006】
移動レンズ群の重量が大きい場合に電磁式モータの回転(空転)を防ぐ(移動レンズ群を移動させる)ためには、電磁式モータの保持トルクをレンズ駆動環の保持トルクより大きくすべく、例えば電磁式モータを大型化すればよい。
しかし電磁式モータを大型化するとレンズ鏡筒が大型化してしまう。
また、電磁式モータを駆動するためにバッテリの電圧を高くする必要がある。電圧を高くするためには(カメラボディ側に内蔵した)バッテリやコンバータを大型化する必要があるので、バッテリやコンバータさらにはこれらを搭載した電源基板が大型化してしまう。
【0007】
本発明は、レンズ駆動環の保持トルクが大きい場合であっても、互いに独立した二つの入力手段からの入力によって移動レンズ群を移動させることが可能な動力伝達クラッチ及び一方の入力手段からの入力を利用して、他方の入力手段であるアクチュエータを回転させることなく移動レンズ群を移動させることが可能なレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明のレンズ鏡筒は、回転することにより移動レンズ群を所定範囲内で光軸方向に進退させるレンズ駆動環と、第一回転入力を発生するアクチュエータと、手動によって回転することにより第二回転入力を発生する手動操作リングと、上記アクチュエータと連係しかつ回転可能な第一入力部、上記手動操作リングと連係しかつ回転可能な第二入力部、及び上記レンズ駆動環と連係しかつ回転可能な出力部、を有し、かつ、上記手動操作リングが一方向に回転することにより上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点に到達したときに該手動操作リングの上記一方向へのさらなる回転を許容する動力伝達クラッチと、を備え、上記動力伝達クラッチは、上記第一入力部の保持トルク及び上記第二入力部の回転トルクが上記出力部の保持トルクより小さい場合に、上記手動操作リングからの入力によって上記第二入力部が回転したときは、上記出力部及び上記レンズ駆動環を回転させることなく上記第一入力部を回転させ、上記アクチュエータが非駆動状態にあるときに、上記アクチュエータに対して回転負荷を与える負荷制御手段を備え、上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点への到達前に上記手動操作リングを操作するための回転トルクが、上記第二入力部の保持トルク+上記出力部の保持トルクであり、上記移動レンズ群が上記所定範囲の端点への到達後に上記手動操作リングを操作するための回転トルクが、上記第二入力部の保持トルク+上記第一入力部の保持トルクであることを特徴としている。
【0014】
上記負荷制御手段は、上記アクチュエータが非駆動状態にあるときに、上記アクチュエータに対して電磁制御による負荷を断続的に与える電磁負荷制御手段であってもよい。
上記アクチュエータが電磁式モータであり、上記負荷が回生ブレーキであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
レンズ駆動環の保持トルクが大きい場合であっても、互いに独立した二つの入力手段からの入力によって移動レンズ群を移動させることが可能な動力伝達クラッチ及び一方の入力手段からの入力を利用して、他方の入力手段であるアクチュエータを回転させることなく移動レンズ群を移動させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態のレンズ鏡筒の上半部の縦断側面図である。
図2】動力伝達クラッチの縦断側面図である。
図3図2のIII−III矢線に沿う断面図である。
図4】動力伝達クラッチの分解斜視図である。
図5】レンズ鏡筒及びカメラボディのブロック図である。
図6】モータドライバICの入出力信号とAFモータの動作の関係を表した表である。
図7】フォーカスモータの動作を示すためのタイミングチャートである。
図8】第一の変形例の動力伝達クラッチ及びその周辺部材の縦断側面図である。
図9】第二の変形例の動力伝達クラッチ及びその周辺部材の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を図1図7を参照しながら説明する。以下の説明中の方向は図中の矢印を基準としている。
レンズ鏡筒1は、光軸OAを中心とする環状部材である固定筒2と、レンズ駆動環3と、手動操作リング6(第二入力手段)と、を具備している。第1レンズ群L1は固定筒2の前端部に固定状態で嵌合してある。固定筒2の後部には固定筒2の外周面より内周側に位置しかつ光軸OAを中心とする環状形状をなす支持部2aが形成してあり、支持部2aには光軸OAと平行な直進案内溝2bが形成してある。固定筒2の後端部には、カメラボディ10のマウント部に対して着脱可能なレンズマウント2dが設けてある。レンズ駆動環3は支持部2aの外周面に対して光軸OA回りに回転可能かつ光軸OA方向に相対移動不能として装着してある。レンズ駆動環3は直進案内溝2bに対して傾斜するカム溝3aを有している。さらにレンズ駆動環3の外周面の後端部には外歯車3bが形成してある。支持部2aの内周側に配置したフォーカスレンズ群としての第2レンズ群L2(移動レンズ群)は、レンズ支持枠によって支持してある。このレンズ支持枠にはカムフォロアL2aが突設してあり、カムフォロアL2aは直進案内溝2b及びカム溝3aに対して相対移動可能に係合している。手動操作リング6は固定筒2の後部の外周面に対して光軸OA回りに回転可能かつ光軸OA方向に相対移動不能として装着してある。手動操作リング6の内周面の後端部には内歯6aが形成してある。さらに固定筒2の内部空間の後端近傍部にはDCモータ(電磁式モータ)によって構成したフォーカスモータFM(アクチュエータ)(第一入力手段)(第一電磁式モータ)が固定状態で配設してある。フォーカスモータFMの出力軸FM1には回転出力ピニオンギヤPGが固定してある。
【0018】
固定筒2の内部には、レンズ駆動環3の外歯車3b、手動操作リング6の内歯6a、及びフォーカスモータFMに固定した回転出力ピニオンギヤPGと連係する動力伝達クラッチ5が配設してある。前記動力伝達クラッチ5は、大きな構成要素として軸芯が光軸方向に向けられた回転不能な回転中心軸50と、この回転中心軸50に同軸状態で回転可能に支持した1つの出力歯車53(出力部)と、共に回転中心軸50に同軸状態で回転可能に支持した出力歯車53の後方に位置する第1入力歯車51(第一入力部)と前方に位置する第2入力歯車52(第二入力部)を備えている。第1入力歯車51、第2入力歯車52、及び出力歯車53は略円板形状をなす平歯車であり、その外周面には歯部51a、52a、53aが形成してある。出力歯車53の歯部53aはレンズ駆動環3の外歯車3bと噛合しており、第1入力歯車51の歯部51aはフォーカスモータFMの回転出力ピニオンギヤPGと噛合するアイドルギヤ7と噛合しておりし、第2入力歯車52は手動操作リング6の内歯6aに噛合している(アイドルギヤを減速歯車によって構成してもよい)。
【0019】
動力伝達クラッチ5の詳細を図2の光軸に沿った拡大断面図と図3の出力歯車の光軸に直交する方向の拡大断面図と図4の分解斜視図とを参照して説明する。出力歯車53の内部には前記回転中心軸50の軸芯位置を中心にした三つ葉状の貫通凹部53bが形成されており、この貫通凹部53bにはそれぞれの回転軸を放射状に向けて3つの遊星傘歯車54が内装配置されている。これらの遊星傘歯車54は一端部(外側端部)を構成する軸部54aと傘歯車部54bとを一体的に備えている。軸部54a内には補強のための金属軸54cが軸部54aと同軸の固定状態で設けてあり、この金属軸54cの一端部は軸部54aと反対側(内側)に位置する軸部54dを構成している。また第1入力歯車51と第2入力歯車52の出力歯車53との対向面にはそれぞれ、遊星傘歯車54に噛合する太陽傘歯車51b、52bが傘状に突出した形状として形成してある。これらの各入力歯車51、52の出力歯車53との対向面には、各太陽傘歯車51b、52bの周囲を囲む円環状をなしかつその端面が太陽傘歯車51b、52bの頂面51e、52eと同じ軸方向位置(第1入力歯車51及び第2入力歯車52の軸線方向位置)に位置する当接袖部51c、52cが一体に突出形成してある。そして、出力歯車53の貫通凹部53b内に3つの遊星傘歯車54を配置した状態で、この出力歯車53の光軸OA方向両側に第1入力歯車51と第2入力歯車52を配設することにより、各遊星傘歯車54の傘歯車部54bは各入力歯車51、52の太陽傘歯車51b、52bにそれぞれ噛合すると共に、遊星傘歯車54の両端の軸部54a、54dは各入力歯車51、52の互いに光軸OA方向に対向配置された太陽傘歯車51b、52bの頂面51e、52eと当接袖部51c、52cとによって光軸OA方向に挟持される(図2参照)。
【0020】
第1入力歯車51の中心孔には回転中心軸50が回転可能に挿入してあり、第1入力歯車51の後面は回転中心軸50の後端部に設けた大径のストッパ50aに軸方向に当接することにより回転中心軸50からの脱落が防止されている。また第2入力歯車52の中心孔には回転中心軸50が回転可能に挿入してあり、第2入力歯車52の前面には回転中心軸50の軸線を中心とする円形の凹部52dが形成されており、この凹部52d内に後述するような保持トルクと回転トルクを調整するためのトルク調整部55を設けている。このトルク調整部55は、凹部52dの内底面に当接する円形をした当接ワッシャ551と、この円形ワッシャ551の前面側に一端部を当接したコイルスプリング552と、回転中心軸50の前端部に形成した雄ネジ50bに螺合するとともにコイルスプリング552の他端部に対して軸方向に当接するフランジ一体型の調整ナット553と、を備えている。このトルク調整部55では回転中心軸50に対する調整ナット553の軸上の螺合位置を調整することによりコイルスプリング552の撓み量を調整し、これにより当接ワッシャ551の凹部52dの内底面に対する当接力を調節し、この当接力によって生じる摩擦力によって第2入力歯車52の回転抵抗、すなわち回転トルクを調整することを可能にしたものである。当接ワッシャ551は第2入力歯車52の凹部52dの内底面に当接したときの摩擦力が大きくなるような摩擦係数の大きな素材で形成している。この当接力は第1入力歯車51の後面とストッパ50aの前面との当接面に影響するが、これら両面の摩擦係数は小さいためトルクの調整量は第2入力歯車52の場合よりも小さい。
【0021】
さらに第2入力歯車52の前側面には、回転中心軸50と同軸の円環状をなす緩衝溝52fが形成されている。この緩衝溝52fは第2入力歯車52の外周部位、すなわち緩衝溝52fの外周側に位置する歯部52aが径方向に弾性変形することを容易にするためのものであり、この弾性変形によって後述するように手動操作リング6の内歯6aと歯部52aとの噛合状態を好適に保持するためのものである。
【0022】
図5に示すようにレンズ鏡筒1の内部には互いに接続した電源回路8a、通信用IC8b(電磁負荷制御手段)(負荷制御手段)、レンズ制御用マイコン8c(電磁負荷制御手段)(負荷制御手段)、及びモータドライバIC8dが設けてあり、モータドライバIC8dはフォーカスモータFMに接続している。またカメラボディ10の内部にはバッテリ(図示略)、測距手段、及びAF(自動焦点)回路(図示略)が設けてある。レンズ鏡筒1をカメラボディ10に接続した上でカメラボディ10に設けたメインスイッチをONにすると、上記バッテリの電力が電源回路8aに供給されかつAF回路と通信用IC8bとの間の通信が可能になる。
そして図6に示すようにレンズ制御用マイコン8cからモータドライバIC8d(IN1、IN2)への入力信号(高電圧Hと低電圧L)の種類によって、モータドライバIC8dからの出力信号を受けたフォーカスモータFMが様々な動作を行う。即ち、モータドライバIC8dのIN1とIN2への入力信号が「H」と「L」の場合はフォーカスモータFMが時計方向(CW方向)に回転し、モータドライバIC8dのIN1とIN2への入力信号が「L」と「H」の場合はフォーカスモータFMが反時計方向(CCW方向)に回転し、モータドライバIC8dのIN1とIN2への入力信号が「H」と「H」の場合はフォーカスモータFMが回生ブレーキ(ショートブレーキ。電磁制御(電気制御)による負荷)を発生可能(後述するように第2入力歯車52が回転することにより第1入力歯車51が回転し始めるのと同時に回生ブレーキが発生し、第1入力歯車51が回転していないときは回生ブレーキ待機状態となる。また第2入力歯車52が回転した場合に出力ギヤ53が回転しないときは回生ブレーキを発生し、第2入力歯車52が回転した場合に出力ギヤ53が回転するときは回生ブレーキは発生しない)な状態となり、モータドライバIC8dのIN1とIN2への入力信号が「L」と「L」の場合はフォーカスモータFMがフリー状態(回転せずかつ回生ブレーキ力を発生しない状態)となる。また図7に示すようにフォーカスモータFMが駆動を停止しているときは、断続的に(一定間隔で)フォーカスモータFMを回生ブレーキ力を発生可能な状態にする。一方、フォーカスモータFMが駆動しているときは、フォーカスモータFMは回生ブレーキ力を発生不能となる。
自動焦点合わせ時(AF操作時)には測距手段の検出結果を受けたAF(自動焦点)回路の演算結果(信号)を受けたレンズ鏡筒1のフォーカスモータFMが回転駆動される。フォーカスモータFMの回転力は回転出力ピニオンギヤPG及びアイドルギヤ7を介して第1入力歯車51に伝達されるので、フォーカスモータFMが回転すると(第一回転入力が第1入力歯車51に入力すると)第1入力歯車51が回転する。このとき手動操作リング6は操作されておらず固定状態にあるため、手動操作リング6の内歯6aに噛合している第2入力歯車52は固定状態にある。そのため、第1入力歯車51の太陽傘歯車51bと遊星傘歯車54の噛合により遊星傘歯車54が回転中心軸50回りを公転し、これと一体の出力歯車53が回転中心軸50回りに回転する。出力歯車53の回転は外歯車3bに伝達されレンズ駆動環3が回転するため、直進案内溝2b及びカム溝3aとカムフォロアL2aとのカム係合によってフォーカスレンズ群L2である第2レンズ群L2が固定筒2内で光軸OA方向に移動され、その結果、自動焦点合わせが行われる。
【0023】
手動焦点合わせ時(MF操作時)に撮影者が手動操作リング6を回転操作すると(第二回転入力が第2入力歯車52に入力すると)、これに噛合している第2入力歯車52が回転する。このときフォーカスモータFMは回転駆動されていないため、これに連結している第1入力歯車51は固定状態にある。そのため、第2入力歯車52の太陽傘歯車52bと遊星傘歯車54の噛合により遊星傘歯車54が回転中心軸50回りに公転し、これを支持している出力歯車53が遊星傘歯車54と一緒に回転中心軸50回りに回転する。出力歯車53の回転は外歯車3bに伝達されレンズ駆動環3が回転するため、自動焦点合わせ時と同様に第2レンズ群L2が固定筒2内で光軸OA方向に移動され、その結果、手動による焦点合わせが行われる。
【0024】
ここで、図2等に示した各歯車における保持トルクと回転トルクを次のように定義するものとする。
○第1入力歯車51の保持トルクTh1(静止状態にある第1入力歯車51を回転させるためのトルク)=第1入力歯車51自体の保持トルク+アイドルギヤ7の保持トルク+フォーカスモータFMの出力軸FM1を外力で回転させるときの保持トルク
○第2入力歯車52の保持トルクTh2(静止状態にある第2入力歯車52を回転させるためのトルク)=第2入力歯車52自体の保持トルク+手動操作リング6の保持トルク
○出力歯車53の保持トルクTo=出力歯車53自体の保持トルク+レンズ駆動環3の保持トルク(第2レンズ群L2の移動力から換算される保持トルクを含む)
○第1入力歯車51の回転トルクTk1=フォーカスモータFMの回転トルク−Th1
○第2入力歯車52の回転トルクTk2=手動操作リング6の手動による回転トルク−Th2
また、出力歯車53における保持トルクToは次のように変化する。
○To=∞ : 第2レンズ群L2(レンズ枠)が端点に行着いている場合(カムフォロアL2aが直進案内溝2bの一端に当接した場合。なお直進案内溝の端部近傍にストッパを設けている場合は、カムフォロアL2aがストッパに当接したとき。)
○To≠∞ : フォーカレンズ群が端点に行着いていない場合(カムフォロアL2aが直進案内溝2bの端部(又はストッパ)に当接していない、いわゆる通常使用時)
【0025】
以上に基づき、動力伝達クラッチ5の動作において、第1入力歯車51が回転したときは出力歯車53は回転するが第2入力歯車52は回転せず、第2入力歯車52が回転したときは出力歯車53は回転するが第1入力歯車51が回転しないようにするためには、第1の入力歯車の保持トルクTh1と、第2の入力歯車の保持トルクTh2と、出力歯車の保持トルクToを次の関係にする。
Th2>To、Th1>To
なお、第1入力歯車51と第2入力歯車52のいずれかが回転したときに出力歯車53が回転すればよいので、Th2=Th1、Th2>Th1、Th2<Th1のいずれであってもよい。
【0026】
また、この動力伝達クラッチ5をレンズ鏡筒1に適用した場合に同様な動作を行うためには、フォーカスモータFM駆動時と手動駆動時において各トルクを次の関係にする。
(フォーカスモータFM駆動時)
To=∞の場合:Th2>Tk1
第2レンズ群L2を一方向に移動させることにより端点に行き着いた後(To=∞となった後)に第2レンズ群L2をさらに当該一方向に移動するようにフォーカスモータFMを駆動しても第2レンズ群L2は移動しないが、このとき手動操作リング6を回転させないようにするためにTo=∞のときはこのような関係にする。
To≠∞の場合:Th2>To、Tk1>To
このとき、Th2とTk1の関係はどちらが大きいかは関係がなく、Th2及びTk1がToより大きければ第2レンズ群L2は移動される。このとき手動操作リング6を回転させないように(Th2>Toとするために)Th2は積極的に大きな値に設定するのが好ましい。
【0027】
(手動駆動時)
To=∞の場合(Th1<ToかつTk2<Toの場合):Th1>Tk2、または、Th1<Tk2
このときフォーカスモータFMは回転される。
To≠∞の場合:Th1>To、Tk2>To
このとき、Th1とTk2の関係はどちらが大きいかは関係なく、Th1とTk2がToより大きければ手動操作リング6で第2レンズ群L2は移動される。
【0028】
トルク調整部55では前記したように調整ナット553の螺合位置を調整することで各歯車51、52、53におけるトルクの調整を行う。すなわち、トルク調整部55において調整ナット553によりコイルスプリング552の撓み量を大きくすると、当接ワッシャ551が第2入力歯車52の側面に当接する当接力が大きくなり、この当接力は太陽傘歯車52bの当接袖部52c及び頂面52eから出力歯車53に伝達され、さらに出力歯車53から太陽傘歯車51bの当接袖部51c及び頂面51eに、すなわち第1入力歯車51に伝達される。このとき、当接ワッシャ551は摩擦係数の大きな素材を用いているので摩擦力も大きくなるため、第2入力歯車52の保持トルクを最も大きな値に設定できる。
【0029】
このトルク調整に際しては、例えば、フォーカスモータFMを実際に回転駆動して第2レンズ群L2を移動させたときに、手動操作リング6が回転することがないように調整ナット553の締結状態を調整する。また、フォーカスモータFMを駆動しないときに手動操作リング6を手で回転駆動して第2レンズ群L2を移動することが可能であるが、第2レンズ群L2が端点に到達してそれ以上移動できない状態になった後(To=∞になった後)も手操作リング6の回転駆動が可能な状態となるように調整ナット552の締結状態を調整する。
【0030】
このように各歯車51、52、53でのトルクを設定することで、自動焦点合わせ時にフォーカスモータFMを回転駆動して第1入力歯車51を回転したときには、出力歯車53を回転してレンズ駆動環3及びフォーカレンズ群L2を駆動し、第2入力歯車52は固定状態となる。すなわち、Toが大きい場合であっても(第2レンズ群L2の重量が大きい場合や、カム溝3aのカム形状に起因してカムフォロアL2aに掛かる負荷が大きくなる場合であっても)手動操作リング6が回動されることなく焦点合わせが実行される。このとき、第2レンズ群L2が最大前方位置(端点)または最大後方位置(端点)に移動すると(カムフォロアL2aが直進案内溝2bの端部またはストッパに当接すると)レンズ駆動環3及び出力歯車53の回転がロック状態となるが、フォーカスモータFMに機械的なダメージが生じることは殆どない。これは、図には表れないが、レンズ鏡筒1は直進案内溝2bの端部近傍にカムフォロアL2aが当該端部近傍に到達したことを検出する検出手段を備えているためである。カムフォロアL2aが当該端部近傍に到達したことを検出手段が検出したときに、カムフォロアL2aがあとどの程度移動すると直進案内溝2bの端部またはストッパに当接するかを考慮した上でフォーカスモータFMにブレーキ(例えばフォーカスモータFMを逆回転制御する)をかけつつカムフォロアL2aを直進案内溝2bの端部またはストッパに当接させる。なお、フォーカスモータFMはDCモータ以外のモータであってもよい。
【0031】
一方、手動焦点合わせ時、即ちフォーカスモータFMが回転駆動していない場合は、手動操作リング6を回転操作して第2入力歯車52を回転したときには、出力歯車53が回転してレンズ駆動環3及びフォーカレンズ群L2を駆動することが可能になる。このとき(フォーカスモータFMが回転駆動していないとき)フォーカスモータFMが回生ブレーキ力を発生可能な状態になる。即ち、フォーカスモータFMが回転駆動しているときと比べて(回生ブレーキを行っていないときと比べて)フォーカスモータFMの出力軸FM1を外力で回転させるときの保持トルクが大きくなるので、第1入力歯車51の保持トルクTh1がTo(≠∞)よりも大きくなる。別言するとToが大きい場合であっても(第2レンズ群L2の重量が大きい場合や、カム溝3aのカム形状に起因してカムフォロアL2aに掛かる負荷が大きくなる場合であっても)Th1>Toを確実に実現できる。そのため手動操作リング6を回転操作する際の回転トルクが第1入力歯車51の保持トルクTh1よりも大きくならない限り、Toが大きい場合であっても(第2レンズ群L2の重量が大きい場合やカム溝3aのカム形状に起因してカムフォロアL2aに掛かる負荷が大きくなる場合であっても)、第1入力歯車51は固定状態に保持されるため、アイドルギヤ7を介して第1入力歯車51と連係しているフォーカスモータFMの出力軸FM1がアイドルギヤ7から伝わる外力によって駆動されることはない。
また第2レンズ群L2が最大前方位置または最大後方位置の端点に移動すると(To=∞になると)レンズ駆動環3及び出力歯車53の回転がロック状態となり、手動操作リング6の回転トルクが(To≠∞のときより)増大する状態になる。しかし、この状態でも手動操作リング6に加える操作力を増大して行くと、手動操作リング6の回転トルク(回転操作力)が所定のトルク(Th1)を越えた時点で第1入力歯車51が回転するので、フォーカスモータFMを空回転させながら手動操作リング6の回転操作を継続することができる。フォーカスモータFMは空回転しても不具合は生じない。このように、撮影者が手動操作リング6に大きな操作力を加えた場合でも手動操作リング6の回転を許容するので、手動操作リング6に機械的なダメージを与えることはない。そしてフォーカスモータFM(出力軸FM1)が空回転するとフォーカスモータFMが回生ブレーキを断続的に発生する。そのためフォーカスモータFM(FM1)が空回転したときの第1入力歯車51の保持トルクTh1は回生ブレーキが発生する前のTh1よりも大きくなる。
さらにTo=∞のとき(第2レンズ群L2が端点に到達したとき)に手動操作リング6を回転させるための最低トルクはTh2+Th1となり、To≠∞のとき(第2レンズ群L2が端点に到達していないとき)に手動操作リング6を回転させるための最低トルクはTh2+Toとなる。即ち、第2レンズ群L2が端点に到達していない状態から端点に到達したときのTk2の変化率は(Th2+Th1)/(Th2+To)となる。Toが大きい場合(第2レンズ群L2の重量が大きい場合やカム溝3aのカム形状に起因してカムフォロアL2aに掛かる負荷が大きくなる場合)にフォーカスモータFMによって自動合焦させるためには第2入力歯車52のTh2を大きく(Toよりも大きく)する必要があるが、Th2を大きくすると上記変化率を表す式の分母が大きくなってしまう。そのため仮にTk2が大きくかつTo=∞のとき(第2レンズ群L2が端点に到達したとき)のTh1が小さい場合には、上記変化率が小さくなるので、撮影者は第2レンズ群L2が端点に到達したことを認識し難い。しかし本実施形態ではフォーカスモータFMが回生ブレーキ力を発生させることにより第1入力歯車51の保持トルクTh1を自動焦点合わせ時(AF時)よりも大きくしているので、この変化率は大きなものとなる。そのため撮影者は第2レンズ群L2が端点に到達したことを認識し易い。
しかもレンズ制御用マイコン8cやモータドライバIC8dの制御によって、フォーカスモータFMが回転駆動していないときは常にフォーカスモータFMが回生ブレーキ力を(断続的に)発生可能な状態になる。そのため第2レンズ群L2が端点に到達したとき(フォーカスモータFMの出力軸FM1が空回転したとき)にフォーカスモータFMが回生ブレーキを自動的に発生して、撮影者に対して第2レンズ群L2が端点に到達したことを知らせるので、第2レンズ群L2が端点に到達したことを検出する検出手段を別途設ける必要がない。
【0032】
また、トルク調整部55において回転トルクを調整する際には、第2入力歯車52を出力歯車53及び第1入力歯車51に対して軸方向に押圧することになるため、遊星傘歯車54の軸部54a、54dは第1入力歯車51と第2入力歯車52の間、すなわち太陽傘歯車51b、52bの頂面51e、52dと当接袖部51c、52cとに挟持された状態になる。そのため、遊星傘歯車54の軸部54a、54dはこれら両歯車51、52に密接した状態で軸受けされ、軸部54a、54dにおけるガタが殆ど零になる。したがって、遊星傘歯車54における偏心回動が未然に防止され、太陽傘歯車51b、52bとのガタがなくなり高い精度の回転出力を得ることが可能になる。特に、軸部54dにおいては軸54cの太さを変更することで歯車51、52間の芯間調整が可能になり、寸法精度が出し易く、低コスト化も実現できる。
【0033】
以上、本発明を上記各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば図8に示す態様で実施することが可能である。
このレンズ鏡筒1(各部材の形状が上記実施形態と多少異なるが、各部材の機能は上記実施形態と同じであるため、各部材には上記実施形態と同じ符号を付している)では動力伝達クラッチ5の前後方向の向きを上記実施形態とは逆にしている。また固定筒2に対して第一内部固定部材11を固定し、第一内部固定部材11の一部を調整ナット553として利用している。さらに固定筒2に固定した第二内部固定部材12と第一内部固定部材11とに両端を固定した回転軸7aによってアイドルギヤ7を回転可能に支持している。そして第一内部固定部材11の一部にフォーカスモータFMのボディを固定した上で回転出力ピニオンギヤPGをアイドルギヤ7に噛合させ、手動操作リング6の内歯6aを歯部52aに噛合させている。
この変形例ではフォーカスモータFMの出力軸FM1に固定した回転出力ピニオンギヤPGが手動操作リング6の内歯6aより前方に位置している。即ち、手動操作リング6とフォーカスモータFMの一部の前後方向位置が一致している。そのため上記実施形態と比べてレンズ鏡筒1の前後長を(動力伝達クラッチ5が手動操作リング6に対して前方に移動した分とフォーカスモータFMが動力伝達クラッチ5に対して前方に移動した分の合計量だけ)短くすることが可能である。
【0034】
図9の変形例は手動操作リング6を省略し(又は手動操作リング6を動力伝達クラッチ5に連係させないようにし)た上でモータドライバIC8dに接続する第2モータM2(アクチュエータ)(第二入力手段)(第二電磁式モータ)を設け、第2モータM2の出力軸M2aに固定した回転出力ピニオンギヤM2bを歯部52aに噛合させたものである。第2モータM2は電磁式モータ(DCモータやDCモータ以外のモータであってもよい)である。
本変形例の第2入力歯車52の保持トルクTh2(静止状態にある第2入力歯車52を回転させるためのトルク)と回転トルクTk2はそれぞれ、
第2入力歯車52の保持トルクTh2=第2入力歯車52自体の保持トルク+第2モータM2の保持トルク
第2入力歯車52の回転トルクTk2=第2モータM2の回転トルク−Th2
となる。
本変形例ではモータ保持トルク及び回転トルクはいずれも、第2モータM2よりフォーカスモータFMの方が大きい。そのためTh1≧Th2、Tk1≧Tk2となる。
本変形例ではAF撮影時にフォーカスモータFMと第2モータM2のいずれを利用するかを選択可能である。フォーカスモータFMを選択したときは「粗動AF(スピード重視)」を実行可能となり、第2モータM2を選択したときは「微動AF(精度重視)」を実行可能となる。そして一方のモータ(例えばフォーカスモータFM)を利用してAF動作を行うときに、他方のモータ(例えば第2モータM2)が回転ブレーキを発生するように制御を行う。また、AF撮影時の第2レンズ群L2の移動距離が長い場合は、まずフォーカスモータFMで第2レンズ群L2を移動させ(粗動AF)、合焦位置に近づいた時点で第2モータM2に切り替えて合焦動作の微調整(微動AF)を行っても良い。
なおモータ保持トルク及び回転トルクを、フォーカスモータFMより第2モータM2の方を大きくすることにより、Th1≦Th2、Tk1≦Tk2としてもよい。
【0035】
また図9のレンズ鏡筒1のフォーカスモータFMと第2モータM2を別の態様で制御してもよい。
即ち、保持トルクの大きい歯車に連係する電磁式モータ(例えばフォーカスモータFM)を回転駆動したときは他方の電磁式モータ(例えば第2モータM2)に回生ブレーキを発生させる一方で、保持トルクの小さい歯車に連係する電磁式モータ(例えば第2モータM2)を回転駆動したときは他方の電磁式モータ(例えばフォーカスモータFM)に回生ブレーキを発生させないようにしてもよい。
【0036】
なお上記実施形態及び各変形例においてアクチュエータ(フォーカスモータFM、第2モータM2)に回生ブレーキを断続的ではなく連続的に発生させてもよい。
また第2レンズ群L2をズームレンズとして利用することにより、レンズ鏡筒1をいわゆるパワーズーム(電動ズーム)レンズ鏡筒とすることが可能である。この場合のレンズ鏡筒は、交換式レンズ鏡筒のみならず、コンパクトカメラのレンズ鏡筒部分、ビデオカメラ(カムコーダ)、及びスタジオ用テレビカメラ等にも応用できる。
さらに第2レンズ群L2以外の移動レンズ群をフォーカスレンズやズームレンズとして利用してもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 レンズ鏡筒
2 固定筒
2a 支持部
2b 直進案内溝
2d レンズマウント部
3 レンズ駆動環
3a カム溝
3b 外歯車
5 動力伝達クラッチ
50 回転中心軸
50a ストッパ
50b 雄ネジ
51 第1入力歯車(第一入力部)
51a 歯部
51b 太陽傘歯車
51c 当接袖部
51d 凹部
51e 頂面
52 第2入力歯車(第二入力部)
52a 歯部
52b 太陽傘歯車
52c 当接袖部
52d 凹部
52e 頂面
52f 緩衝溝
53 出力歯車(出力部)
53a 歯部
53b 貫通凹部
54 遊星傘歯車
54a 54d 軸部
54b 傘歯車部
54c 金属軸
55 トルク調整部
551 当接ワッシャ
552 コイルスプリング
553 調整ナット
6 手動操作リング(第二入力手段)
6a 内歯
7 アイドルギヤ
8a 電源回路
8b 通信用IC(電磁負荷制御手段)(負荷制御手段)
8c レンズ制御用マイコン(電磁負荷制御手段)(負荷制御手段)
8d モータドライバIC
10 カメラボディ
11 第一内部固定部材
12 第二内部固定部材
FM フォーカスモータ(アクチュエータ)(第一入力手段)(第一電磁式モータ)
FM1 出力軸
M2 第2モータ(アクチュエータ)(第二入力手段)(第二電磁式モータ)
M2a 出力軸
M2b 回転出力ピニオンギヤ
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群(フォーカスレンズ群)(移動レンズ群)
L2a カムフォロア
PG 回転出力ピニオンギヤ
OA 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9