特許第6442955号(P6442955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442955
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】レーザ溶接用治具とレーザ溶接方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/70 20140101AFI20181217BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20181217BHJP
   H01M 2/04 20060101ALN20181217BHJP
   H01M 2/34 20060101ALN20181217BHJP
   H01M 2/12 20060101ALN20181217BHJP
【FI】
   B23K26/70
   B23K26/21 W
   !H01M2/04 A
   !H01M2/34 A
   !H01M2/12 101
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-198350(P2014-198350)
(22)【出願日】2014年9月29日
(65)【公開番号】特開2016-68103(P2016-68103A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年6月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】弘瀬 貴之
(72)【発明者】
【氏名】田丸 耕二郎
(72)【発明者】
【氏名】奥田 元章
(72)【発明者】
【氏名】西原 寛恭
【審査官】 柏原 郁昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−004281(JP,A)
【文献】 特開2004−322125(JP,A)
【文献】 特開2014−113627(JP,A)
【文献】 特開2009−160597(JP,A)
【文献】 特開2009−277593(JP,A)
【文献】 特開平04−219942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/70
B23K 26/21
H01M 2/04
H01M 2/12
H01M 2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付け、押付けた状態で前記第1の溶接部材の複数個の溶接箇所のそれぞれに溶接用レーザ光が到達することを許容し、前記複数個の溶接箇所のそれぞれからの反射レーザ光が、反射レーザ光から保護する必要がある被保護部材に到達することを防止するレーザ溶接用治具であって、
前記第1の溶接部材、前記第2の溶接部材及び前記被保護部材は、蓄電装置に設けられており、
前記蓄電装置は、
ケースと、
前記ケースに収容される電極組立体と、
前記ケースに設けられる端子と、
前記ケース内に収容され、前記電極組立体と前記端子とが電気的に接続される導通状態と、前記電極組立体とが電気的に非接続となる非導通状態とに切換える電流遮断装置と、を備えており、
前記電流遮断装置は、
前記ケースと前記端子との間に配置され、その内部空間に前記端子の一端を収容する支持部材と、
前記支持部材の内部空間に収容され、前記端子の一端と電気的に接続される第1通電板と、
前記第1通電板と対向して配置され、前記支持部材に接続して前記支持部材の内部空間を閉じると共に、前記電極組立体と電気的に接続される第2通電板と、を備えており、
前記第1の溶接部材は、前記第1通電板であり、
前記第2の溶接部材は、前記端子であり、
前記被保護部材は、前記支持部材であり、
前記複数個の溶接箇所は、前記支持部材の内部空間に位置しており、
前記レーザ溶接用治具は、前記第1の溶接部材を前記第2の溶接部材に押付けた位置関係において、前記複数個の溶接箇所の全部を覆うと共に、当該レーザ溶接用治具の前記第1の溶接部材と当接する部位が前記支持部材の内部空間に収容される形状であり、
前記複数個の溶接箇所のそれぞれに溶接用レーザ光が到達することを許容する単数又は複数の貫通孔が設けられており、
前記複数個の溶接箇所のそれぞれと前記被保護部材を結ぶ複数本の直線を規定したとき、前記複数本の直線のいずれもが、前記貫通孔を通過しない関係にあることを特徴とするレーザ溶接用治具。
【請求項2】
前記複数の貫通孔は、前記第1の溶接部材を前記第2の溶接部材に押付けた位置関係において、前記各貫通孔が前記各溶接箇所と対応する位置に設けられており、かつ、前記第1の溶接部材を前記第2の溶接部材に押付ける押付け面に開口していることを特徴とする請求項1に記載のレーザ溶接用治具。
【請求項3】
第1の溶接部材と第2の溶接部材を複数個の溶接箇所においてレーザ溶接する方法であって、
前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材を所定の順番で重ねて配置する溶接部材配置工程と、
前記溶接部材配置工程の後で、前記第1の溶接部材を前記第2の溶接部材に対して押付けて、前記複数個の溶接箇所を当接させる溶接部材押付け工程と、
前記溶接部材押付け工程で押付けた後で、溶接用レーザ光を前記第1の溶接部材の前記複数個の溶接箇所に照射して、前記第1の溶接部材と前記第2の溶接部材とを溶接するレーザ溶接工程を備えており、
前記第1の溶接部材及び前記第2の溶接部材は、蓄電装置に設けられており、
前記蓄電装置は、
ケースと、
前記ケースに収容される電極組立体と、
前記ケースに設けられる端子と、
前記ケース内に収容され、前記電極組立体と前記端子とが電気的に接続される導通状態と、前記電極組立体とが電気的に非接続となる非導通状態とに切換える電流遮断装置と、を備えており、
前記電流遮断装置は、
前記ケースと前記端子との間に配置され、その内部空間に前記端子の一端を収容する支持部材と、
前記支持部材の内部空間に収容され、前記端子の一端と電気的に接続される第1通電板と、
前記第1通電板と対向して配置され、前記支持部材に接続して前記支持部材の内部空間を閉じると共に、前記電極組立体と電気的に接続される第2通電板と、を備えており、
前記第1の溶接部材は、前記第1通電板であり、
前記第2の溶接部材は、前記端子であり、
前記複数個の溶接箇所は、前記支持部材の内部空間に位置しており、
前記レーザ溶接工程では、
(1)溶接用レーザ光が溶接箇所に照射されている間、溶接用レーザ光が照射されていない溶接箇所においても前記第1の溶接部材を前記第2の溶接部材に押付けておき、
(2)前記複数個の溶接箇所の全部と、レーザ光から保護する必要がある被保護部材の間に遮蔽部材を配置しておき、
前記被保護部材は、前記支持部材であることを特徴とするレーザ溶接方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、レーザ溶接用治具(治具と省略することがある)と、レーザ溶接方法を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、一対の部材をレーザ溶接する際に用いる治具が開示されている。本明細書では、溶接する部材を溶接部材という。特許文献1の治具は、一方の溶接部材の溶接箇所の周辺を他方の溶接部材に押付ける形状を備えており、溶接箇所に溶接用レーザ光(レーザ光と省略することがある)を導く貫通孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−284035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レーザ溶接の場合、溶接箇所で反射したレーザ光が、レーザ光から保護する必要がある部材に到達し、反射したレーザ光によってその部材が損傷することがある。本明細書では、溶接箇所で反射したレーザ光を反射レーザ光といい、反射レーザ光から保護する必要がある部材を被保護部材という。
特許文献1の治具を用いると、反射レーザ光が貫通孔の内壁に遮られ、反射レーザ光が被保護部材に到達することを防止する効果が期待される。しかしながら、特許文献1の技術は、治具によって反射レーザ光を遮蔽する必要性と有用性を認識していない。このため、特許文献1の治具は、反射レーザ光から被保護部材を保護する点で万全でない。特に、溶接部材の複数箇所を溶接する場合は、例えば貫通孔を大きくしたり、あるいは貫通孔の数を増やしたりすることが考えられるが、貫通孔を大きくすると反射レーザ光が当該貫通孔を通過して治具の外部に漏れ易くなり、また、貫通孔の数を増やすと反射レーザ光が何れかの貫通孔を通過して治具の外部に漏れ易くなる。
【0005】
本明細書では、溶接部材を複数箇所においてレーザ溶接する際に、治具を利用して反射レーザ光から被保護部材を保護する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示するレーザ溶接用治具は、第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付け、押付けた状態で第1の溶接部材の複数個の溶接箇所のそれぞれに溶接用レーザ光が到達することを許容し、複数個の溶接箇所のそれぞれからの反射レーザ光が被保護部材に到達することを防止する。この治具は、第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付けた位置関係において、複数個の溶接箇所の全部を覆う形状を備えている。また、この治具には、複数個の溶接箇所のそれぞれに溶接用レーザ光が到達することを許容する単数又は複数の貫通孔が設けられている。この治具は、複数個の溶接箇所のそれぞれと被保護部材を結ぶ複数本の直線のいずれもが、貫通孔を通過しない関係にあることを特徴としている。なお、「貫通孔を通過しない」とは、貫通孔の一方の開口から貫通孔の内部空間を経て他方の開口に通り抜けることがないことを意味する。
【0007】
複数個の溶接箇所のそれぞれに溶接用レーザ光が到達することを許容する単数又は複数の貫通孔がレーザ溶接用治具に設けられていると、貫通孔を通過して溶接箇所に到達したレーザ光が当該溶接箇所で反射し、反射レーザ光が貫通孔(貫通孔が複数設けられている場合は、いずれかの貫通孔)を通過して治具の外部に漏れる場合がある。本明細書に開示する治具は、複数個の溶接箇所の全部を覆う形状を備えているとともに、複数個の溶接箇所のそれぞれと被保護部材を結ぶ複数本の直線のいずれもが貫通孔を通過しない関係に設定されている。このため、溶接箇所から被保護部材に向かおうとする反射レーザ光は貫通孔を通過できず(即ち、治具に遮られ)、反射レーザ光が被保護部材に到達することがない。また、本明細書に開示する治具によると、複数個の溶接箇所を溶接する間に治具と溶接部材の相対的位置関係を変化させる必要がない。被保護部材を確実に保護しながら複数個の溶接箇所を効率的に溶接していくことができる。
【0008】
本明細書では、新規なレーザ溶接方法をも開示する。このレーザ溶接方法では、第1の溶接部材と第2の溶接部材を複数個の溶接箇所においてレーザ溶接する。このレーザ溶接方法は、溶接部材配置工程と、溶接部材押付け工程と、レーザ溶接工程を備える。溶接部材配置工程では、第1の溶接部材と第2の溶接部材を所定の順番で重ねて配置する。溶接部材押付け工程は、溶接部材配置工程を実施した後に、第1の溶接部材を第2の溶接部材に対して押付けて、複数個の溶接箇所を当接させる。レーザ溶接工程では、溶接部材押付け工程を実施した後に、溶接用レーザ光を第1の溶接部材の複数個の溶接箇所に照射し、第1の溶接部材と第2の溶接部材とを溶接する。上記のレーザ溶接工程では、次の2つを実施することを特徴とする。即ち、(1)溶接用レーザ光が溶接箇所に照射されている間、溶接用レーザ光が照射されていない溶接箇所においても第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付けておき、(2)複数個の溶接箇所の全部と、レーザ光から保護する必要がある被保護部材の間に遮蔽部材を配置しておく。遮蔽部材は、治具の一部であってもよい。
【0009】
上記の方法によると、レーザ光が溶接箇所に照射されている間、レーザ光が照射されていない溶接箇所においても第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付けておく。このため、ある溶接箇所におけるレーザ溶接が終了した後に、次の溶接箇所に対する溶接部材押付け工程を実施する必要がなく、直ちに次の溶接箇所にレーザ光を照射することができる。即ち、溶接部材押付け工程を一度実施するだけで、複数個の溶接箇所の全てにおいてレーザ溶接することができる。このため、複数個の溶接箇所を効率的にレーザ溶接できる。また、この方法では、複数個の溶接箇所の全部と、被保護部材の間に遮蔽部材が配置される。このため、溶接箇所で反射した反射レーザ光は遮蔽部材に遮られ、反射レーザ光が被保護部材に到達することを抑制できる。従って、上記の方法によると、被保護部材を反射レーザ光から保護しながら、複数個の溶接箇所において効率的にレーザ溶接できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、第1の溶接部材と第2の溶接部材を複数箇所においてレーザ溶接する際に、治具を利用して反射レーザ光から被保護部材を保護しながら、複数箇所の溶接を高効率に実施することができる。
【0011】
本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明を実施するための形態、及び、実施例にて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】(a)は実施例1のレーザ溶接用治具の平面図を示し、(b)は図1(a)のI(b)−I(b)線における断面図を示す。
図2】蓄電装置の縦断面図を示す。
図3図1の負極端子を構成するかしめ端子近傍の部分拡大図を示す。
図4】実施例1のレーザ溶接方法を示す図であり、変形板をかしめ端子上に配置した様子を示す。
図5】実施例1のレーザ溶接用治具で変形板をかしめ端子に押付け、変形板の溶接箇所にレーザ光を照射する様子を示す。
図6】実施例1において変形板上に破断板を配置した様子を示す。
図7】実施例2のレーザ溶接用治具で変形板をかしめ端子に押付けた様子を示す。
図8】実施例3のレーザ溶接用治具で変形板をかしめ端子に押付けた様子を示す。
図9】実施例4のレーザ溶接用治具の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
【0014】
(特徴1) 治具に複数の貫通孔が形成されている。貫通孔の個数と、溶接箇所の個数が等しい。治具によって、第1の溶接部材を第2の溶接部材に押付けた位置関係において、各貫通孔が各溶接箇所と対応する位置に設けられている。
(特徴2) 各貫通孔の周囲に位置する治具が、溶接箇所を一巡する範囲において、第1の溶接部材に密着する。このため、治具が第1の溶接部材に密着して第2の溶接部材に押付けると、各貫通孔の開口は一方の溶接部材に塞がれる構成となる。従って、治具の内部においては、各貫通孔の内部空間が互いに分断される。この結果、1個の貫通孔を通過して当該貫通孔に対応する溶接箇所で反射した反射レーザ光が、他の貫通孔から治具の外部に漏れ出ることがない。また、治具のメンテナンス(例えば、治具が反射レーザ光により損傷されていないかどうかの確認など)が容易となる。
【実施例1】
【0015】
実施例1のレーザ溶接用治具50について図1図6を参照して説明する。以下では、レーザ溶接用治具50を単に治具50とも称する。図1に示すように、x軸、y軸及びz軸を規定すると、治具50は、xy平面上に位置する円板形状の基部52と、−z方向に延びる円筒形状の脚部54を有する。脚部54は12個形成されており、基部52の外周部に、周方向に等間隔に接続されている。図1(b)に示すように、治具50には、基部52と脚部54を、脚部54の軸方向(z方向)に貫通する円柱形状の貫通孔56が形成されている。脚部54は、−z方向の端部に環状の面58を有している。面58は、xy平面上に延びており、12個の面58は、全て同一平面上に位置している。面58は、「押付け面」の一例に相当する。
【0016】
本実施例では、治具50は鉄製であり、図2に示す、蓄電装置100を構成する銅製の変形板32と銅製のかしめ端子5をレーザ溶接する際に用いられる。蓄電装置100は、二次電池の一種であるリチウムイオン二次電池である。蓄電装置100は、ケース1と、負極集電タブ3a及び正極集電タブ3bを備える電極組立体3と、負極側のかしめ端子5と、正極側のかしめ端子7と、電流遮断装置30等を備えている。かしめ端子5は、ケース1の蓋9に形成された開口11に取付けられている。ケース1の外部には、外部接続用の外部端子60及びボルト64が配置されている。かしめ端子5、外部端子60及びボルト64は、互いに電気的に接続されており、負極端子を構成している。蓋9と外部端子60の間、及び蓋9とかしめ端子5の間には、樹脂製のガスケット62が配置されている。ガスケット62により、蓋9が外部端子60及びかしめ端子5から絶縁されている。かしめ端子5のz方向の端部には変形板32がレーザ溶接されている。変形板32の中央部には破断板34がレーザ溶接されている。変形板32と破断板34により、電流遮断装置30が構成されている。電流遮断装置30は、接続端子23などを介して電極組立体3の負極集電タブ3aに電気的に接続されている。なお、変形板32は「第1の溶接部材」の一例に相当し、かしめ端子5は「第2の溶接部材」の一例に相当する。なお、治具50の材料は鉄に限られず、銅以上の融点を有する材料(例えば鉄の合金又はステンレス等)により形成されていてもよい。
正極側のかしめ端子7についてもほぼ同様であり、ケース1の内部で電極組立体3の正極集電タブ3bに電気的に接続されており、蓋9から絶縁されており、外部端子61とボルト65に電気的に接続されている。外部端子61とボルト65は、蓋9から絶縁されている。正極側には、電流遮断装置が用意されていない。かしめ端子5,7は、かしめることで(塑性変形することで)蓋9に固定されている。
【0017】
図3は、図2のかしめ端子5近傍の部分拡大図を示す。かしめ端子5は、円筒部14、基底部15及び固定部16を有する。円筒部14は円筒形状をしており、開口11を貫通している。基底部15は平面視すると円環状であり、円筒部14のz方向側に位置している。基底部15の外径は開口11の径よりも大きい。かしめ端子5は、変形板32がレーザ溶接される前に、蓋9の開口11に取付けられる。かしめ端子5を蓋9に取付ける際は、まず、かしめ端子5の円筒部分(即ち、円筒部14と、かしめる前の固定部16とによって構成される円筒状の部分)にOリング19を挿通させて、Oリング19を基底部15上に配置させる。同様に、円筒部分(14,16)に支持部材36の部分36a(後述)を挿通させて、部分36aを基底部15上に配置させる。一方、蓋9の開口11には、ガスケット62を取付けると共に、外部端子60を配置する。この状態で、円筒部分(14,16)をケース1の内部から開口11、ガスケット62の開口及び外部端子60の開口に挿通する。その後、円筒部分(14,16)の端部(ケース1の外部に突出している部分)を径方向外側に屈曲させて径方向外側に押し広げる。これにより、円筒部分(14,16)の端部は外部端子60の上面に当接し、かしめ端子5が蓋9にかしめ固定される。円筒部分(14,16)のうち径方向外側に屈曲させた部分(即ち、端部)が固定部16に相当する。かしめ端子5が蓋9にかしめ固定されると、Oリング19、支持部材36の部分36a、ガスケット62及び外部端子60がかしめ端子5と蓋9との間に挟持される。なお、支持部材36は溶接用レーザ光が照射されると損傷し、「被保護部材」の一例に相当する。
【0018】
基底部15の端面15aには、変形板32の外周部32aがレーザ溶接により接合されている。変形板32は、平面視したときに円形を有する導電性のダイアフラムであり、中央部が下方に突出している。変形板32の径は基底部15の外径と略同一である。変形板32の中央部は平坦である。変形板32のz方向側には、環状の絶縁部材38を介して破断板34が配置されている。破断板34は円形の略平坦な板材であり、接続端子23により電極組立体3の負極集電タブ3a(図2参照)に接続されている。変形板32の中央部と破断板34はレーザ溶接により接合されている。基底部15、変形板32、絶縁部材38及び破断板34は、支持部材36によりz方向に挟持されている。
具体的には、支持部材36は、熱可塑性樹脂であるポリフェニレンサルファイド(PPS)により形成されており、部分36aと、部分36bと、部分36cを有する。部分36aは、円環状であり、蓋9と基底部15の間に配置され、基底部15の外縁まで延びている。部分36bは、略円筒形状であり、基底部15の側周面の全体を覆っている。部分36bは、z方向の端部に端面36b1を有している。端面36b1は、変形板32の中央部と略同一の高さに位置している。部分36cは、破断板34が固定される前は円柱形状を有しており(図4参照)、端面36b1上に分散して配置されている。本実施例では、部分36cは4個形成されている。破断板34には、部分36cと対応する位置に取付孔34cが形成されている。取付孔34cは、z方向に向かうにつれて拡径する円錐台形状の孔である。部分36cを破断板34の取付孔34cに挿入し、部分36cに熱を加えると、部分36cは取付孔34cの形状に倣って変形する。部分36cの内部に生じる熱変形による収縮力により、破断板34は支持部材36に固定される。これにより、支持部材36は、基底部15、変形板32、絶縁部材38及び破断板34をz方向に挟持している。破断板34には貫通孔34bが形成されており、ケース1内の圧力と、変形板32の下面に作用する圧力を一致させる。
【0019】
電流遮断装置30は、接続端子23と、破断板34と、変形板32と、かしめ端子5とを直列につなぐ通電経路を有している。このため、電極組立体3とかしめ端子5は、電流遮断装置30の通電経路を介して電気的に接続されている。ケース1の内圧が上昇して所定値を超えると、その圧力が変形板32の下面(z方向側の面)に作用し、変形板32が−z方向に反転する。すると、変形板32の中央部に接続されていた破断板34が、機械的に脆弱な溝部34aを起点に破断する。そして、破断板34は、溝部34aで囲まれていた部分と、溝部34aの外周部分とに分離する。これによって、破断板34と変形板32とを接続する通電経路が遮断され、電極組立体3とかしめ端子5との間の通電が遮断される。
【0020】
次に、電流遮断装置30の製造方法について説明する。本実施例では、治具50を用いて変形板32とかしめ端子5をレーザ溶接する工程に特徴があり、その他の工程については従来公知の工程を用いることができる。このため、以下では、本実施例の特徴部分を主に説明する。
【0021】
(溶接部材配置工程)
溶接工程は、図2図3に示した姿勢から上下を反転した姿勢で実施する。まず、図4に示すように、かしめ端子5の基底部15の端面15a上に変形板32の外周部32aが配置される。変形板32は、その外縁が基底部15の外縁と揃うように配置される。基底部15の端面15aの径方向の長さと、変形板32の外周部32aの径方向の長さは互いに等しい。また、端面15a及び外周部32aは、xy平面方向に延びる平坦な面である。このため、端面15aと外周部32aは、これらの全面で当接する。なお、図4に示すように、本工程は、かしめ端子5が蓋9に取付けられた後で行われる。このため、変形板32及びかしめ端子5の周囲には、支持部材36が配置されている。支持部材36は、溶接用レーザ光から保護する必要がある被保護部材である。
【0022】
(溶接部材押付け工程)
次に、図5に示すように、治具50を用いて変形板32をかしめ端子5に向かって押付ける。なお、かしめ端子5は蓋9にかしめられており、図示しない治具によって、かしめ端子5が下方に移動することが禁止されている。治具50を下方に移動させると変形板32がかしめ端子5に押付けられる。治具50を平面視すると、12個の脚部54は円形形状を有する。この12個の円の全てを内接させる円の径(本実施例では、治具50の基部52の径と同一)は、変形板32の外周部32aの外径よりも小さい。また、この12個の円の全てに外接する円の径は、外周部32aの内径よりも大きい。このため、治具50の基部52の中心と変形板32の中心が平面視したときに重なるように治具50を変形板32上に配置すると、各脚部54は、変形板32の外周部32a上に位置することになる。即ち、各脚部54の面58は、外周部32aと当接する。
本実施例では、変形板32の外周部32aには、12箇所においてレーザ光が照射される。以下では、レーザ光が照射される予定の箇所、及びレーザ光が照射された箇所を、溶接箇所40と総称する。溶接箇所40は、変形板32の外周部32aに周方向に等間隔に位置している。治具50は、各脚部54が各溶接箇所40を覆うように配置される。即ち、各貫通孔56から各溶接箇所40を視認可能である。治具50に図5の下方(−z方向)に向かう力を印加すると、各脚部54の各面58が、変形板32をかしめ端子5に押付ける。これにより、少なくとも各面58の周囲では(即ち、全ての溶接箇所40では)、変形板32とかしめ端子5が隙間なく密着する。
ここで、図5に示す2本の直線L1、L2は、溶接箇所40と支持部材36を結ぶ直線の例である。直線L1、L2はいずれも貫通孔56を通過していない。溶接箇所40と支持部材36を結ぶ直線は一意に決まらず、ある範囲内において自在にあり得る。本明細書でいう溶接箇所と支持部材を結ぶ直線は、溶接箇所と支持部材を結ぶ任意の直線を意味する。溶接箇所40と支持部材36を結ぶ直線であればいずれも上記直線に相当し、図5に示す直線に限られない。図5から明らかなように、本実施例では、溶接箇所40と支持部材36を結ぶ任意の直線L1、L2をどのように設定しても、直線L1、L2が貫通孔56を通過することはない。
【0023】
(レーザ溶接工程)
続いて、図5に示すように、レーザ70を用いてレーザ光を変形板32に照射し、変形板32とかしめ端子5をレーザ溶接する。本実施例では、12個の溶接箇所40を、1箇所ずつ順に溶接する。具体的には、まず、レーザ70が治具50の1個の貫通孔56の上方に位置するように、レーザ70を移動させる。次に、レーザ光を、貫通孔56を介して、当該貫通孔56の内部に位置している溶接箇所40に照射する。これにより、溶接箇所40において変形板32とかしめ端子5がレーザ溶接され、結果として溶接ビード42が形成される。続いて、レーザ70が別の貫通孔56の上方に位置するように、レーザ70を移動させ、同様の手順でレーザ光を照射する。この作業を12回繰り返すことにより、12個の溶接箇所40において変形板32とかしめ端子5がレーザ溶接される。この結果、変形板32の上面には12個の溶接ビード42が形成される。
溶接部材押付け工程において配置された治具50は、レーザ溶接工程が終了するまで下方に向かう力が印加された状態でその位置に固定されている。このため、レーザ光が12個の溶接箇所40のうちの1個に照射されている間、レーザ光が照射されていない残りの11個の溶接箇所40においても、変形板32はかしめ端子5に押付けられている。これにより、1個の溶接箇所40におけるレーザ溶接が終了する度に、次に溶接される溶接箇所40において変形板32をかしめ端子5に押付け直す必要がなくなる。治具50を一旦所定の位置に配置したら、12個の溶接箇所40に連続してレーザ光を照射できるため、レーザ溶接を効率的に実施することができる。また、溶接箇所40と支持部材36の間には、治具50が介在している。このため、溶接箇所40での反射レーザ光は治具50に遮られ、支持部材36に到達することを抑制できる。なお、治具50は「遮蔽部材」の一例に相当する。
【0024】
(破断板配置工程)(変形板中央部溶接工程)
次に、図6に示すように、変形板32の外周部32a上に環状の絶縁部材38を配置し、続いて破断板34を配置する。破断板34は、破断板34の取付孔34cに支持部材36の部分36cが挿通された状態で、部分36bの端面36b1上に配置される。このとき、絶縁部材38は変形板32と破断板34の両者に当接する。また、破断板34の中央部は変形板32の中央部と当接する。次に、接続端子23を破断板34に接続する。そして、支持部材36の部分36cに熱を加えて、部分36cを破断板34の取付孔34cの形状に倣って変形させる(図3参照)。これにより、破断板34が支持部材36に固定される。その後、変形板32の中央部と破断板34の中央部がレーザ溶接される。具体的には、レーザ光は、かしめ端子5の円筒部14の内部空間を通過して変形板32に照射される。これにより、変形板32の下面(−z方向側の面)には、溶接ビード(図示省略)が形成される。上記の工程を実施することで、図3に示すような電流遮断装置30が製造される。
【0025】
実施例1の作用効果について説明する。本実施例では、治具50で変形板32をかしめ端子5に押付けながら、レーザ光を貫通孔56を介して変形板32の溶接箇所40に照射する。このため、溶接箇所40で反射した反射レーザ光が、貫通孔56を通過して治具50の外部に漏れることがある(図5のレーザ光B2参照)。しかしながら、本実施例では、治具50を用いて変形板32をかしめ端子5に押付けた位置関係において、溶接箇所40と支持部材36を結ぶ複数の直線のいずれもが、貫通孔56を通過しない構成となっている。このため、反射レーザ光が、レーザ光B2のように貫通孔56を通過して外部に漏れたとしても、レーザ光B2の直進経路上には支持部材36は存在しないため、支持部材36をレーザ光B2から保護できる。この構成によると、溶接箇所40で反射した反射レーザ光から支持部材36を保護することができる。
【0026】
特に、本実施例では、貫通孔56は、面58に開口している。即ち、治具50を変形板32上に配置すると、貫通孔56の−z方向側の開口は、変形板32によって塞がれる。このため、溶接箇所40からの反射レーザ光は、貫通孔56の内壁によって遮られるか(レーザ光B1)、貫通孔56を通過して治具50の外部に漏れるか(レーザ光B2)のいずれかの経路をたどる。即ち、治具50のうち反射レーザ光が当たるのは、貫通孔56の内壁に限定される。従って、反射レーザ光が治具の内壁でさらに反射するなどして、二次的な反射レーザ光が予期せぬ箇所(例えば、変形板32の中央部など)に当たってしまう可能性を回避できる。また、反射レーザ光によりダメージを受けるのは貫通孔56の内壁に留められるため、治具50のメンテナンスが容易となる。
【実施例2】
【0027】
次に、図7を参照して実施例2について説明する。以下では、実施例1と相違する点について説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0028】
本実施例では、治具150は、xy平面上に位置する円板形状の基部152と、基部152の外縁から−z方向に延びる覆い部154を有する。覆い部154は、基部152の全周に亘って基部152に接続されている。基部152の外周部には、基部152をz方向に貫通する貫通孔156が形成されている。貫通孔156は12個形成されており、基部152に周方向に等間隔に位置している。貫通孔156の−z方向側の端部は、治具150と変形板32によって囲まれる空間に開口している。変形板32は、12個の溶接箇所40において溶接される。貫通孔156は、基部152を平面視したときに、貫通孔156から溶接箇所40を視認できる位置に設けられている。覆い部154は、その−z方向側の端部に環状の面158を有している。治具150が変形板32をかしめ端子5に対して押付けると、面158の全体が変形板32と当接し、少なくとも面158の周囲では(即ち、全ての溶接箇所40では)、変形板32とかしめ端子5が隙間なく密着する。
溶接箇所40と支持部材36を結ぶ直線の例である直線L3、L4はいずれも貫通孔156を通過していない。図7から明らかなように、溶接箇所と支持部材を結ぶ直線L3、L4をどのように設定しても、これらが貫通孔156を通過することはない。また、12個の溶接箇所40は、覆い部154によって覆われており、支持部材36から遮蔽されている。このため、溶接箇所40で反射した反射レーザ光の例であるレーザ光B3、B4は、いずれも治具150の内壁に遮られて治具150の外部に漏れることはない。また、反射レーザ光の別の例であるレーザ光B5は、貫通孔156を通過するものの、支持部材36に当たることはない。この構成によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。また、治具150は、実施例1の治具50のように複数個の脚部54を有していないため、比較的に容易に製造することができる。
【実施例3】
【0029】
次に、図8を参照して実施例3について説明する。以下では、実施例2と相違する点について説明し、実施例2と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0030】
本実施例の治具250は、基部252の径が変形板32の径より大きい。また、溶接部材押付け工程では、基部252の中央部が変形板32の中央部と当接するように治具250を配置して、変形板32をかしめ端子5に対して押付ける。本実施例では、覆い部254の−z方向側の面258は、変形板32の外周部32aよりも−z方向側に位置することが好ましい。こうすることで、溶接箇所40と支持部材36を結ぶ直線の例である直線L5、L6をどのように設定しても、これらが貫通孔256を通過することがなくなる。即ち、溶接箇所40からの反射レーザ光B6〜B8が支持部材36に到達することを防止できる。この構成によっても、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。また、治具250を変形板32の中央部と当接させることにより、変形板32の中央部は治具250によって覆われる。このため、反射レーザ光が治具250の内壁でさらに反射するなどして変形板32の中央部に到達することを抑制できる。この結果、変形板32の中央部と破断板34を溶接する際に溶接不良等が生じる可能性を回避できる。
【実施例4】
【0031】
次に、図9を参照して実施例4について説明する。以下では、実施例1と相違する点について説明し、実施例1と同一の構成についてはその詳細な説明を省略する。
【0032】
本実施例の治具350は、貫通孔356の形状が実施例1の治具50と異なっている。即ち、本実施例では、治具350の基部352に、略C字形状の貫通孔356が1個形成されている。貫通孔356は、基部352の外周部に、周方向に沿って形成されている。なお、図示は省略しているが、治具350は、貫通孔356の形状に準じた筒状の脚部を有していてもよいし、実施例2、3のように基部352の外縁から延びる覆い部を有していてもよい。この構成によっても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0033】
以上、本明細書が開示する技術の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本明細書が開示するレーザ溶接用治具とレーザ溶接方法は、上記の実施例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0034】
例えば、治具50は、蓄電装置100における変形板32とかしめ端子5のレーザ溶接以外にも用いることができる。また、治具50の基部52は円板形状に限られず、例えば中央部がくり抜かれた環状形状でもよい。また、治具50は、2つの溶接部材のレーザ溶接に限られず、3つ以上の溶接部材のレーザ溶接に用いられてもよい。また、溶接部材押付け工程では、全ての溶接箇所40における変形板32とかしめ端子5が隙間なく密着しているため、レーザ光は、複数個の溶接箇所40に同時に照射されてもよい。
【0035】
また、上記の実施例では、変形板32の外周部32aとかしめ端子5の基底部15の端面15aは全面に亘って当接していたが、この構成に限られない。外周部32aと端面15aとが重なる部分を有しており、当該重なる部分における外周部32aにレーザ光が照射される構成であってもよい。
【0036】
また、上記の実施例のレーザ溶接工程ではレーザ70を移動させたが、この構成に限られない。例えば、レーザ70は固定されており、レーザ溶接は、次の手順で行われてもよい。即ち、まず、溶接部材押付け工程で治具50によって押さえつけられている変形板32、かしめ端子5及びその他の接続物(蓋9、支持部材36等)をテーブルに載置する。次に、レーザ70の下方に治具50の貫通孔56が位置するようにテーブルを移動させる。続いて、レーザ光を、当該貫通孔56を介して溶接箇所40に照射する。当該溶接箇所40における溶接が終了したら、レーザ70の下方に別の貫通孔56が位置するようにテーブルを移動(回転)させて、当該別の貫通孔56を介してレーザ光を照射する。以下、同様の作業を全ての溶接箇所40に対して実施する。このようにレーザ溶接を行っても、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0037】
また、上記の実施例では、治具50は変形板32とかしめ端子5のレーザ溶接に用いられたが、かしめタイプの端子に限られず、例えば蓋9の外部からナットにより締結されるタイプの端子が用いられてもよい。このタイプの端子に変形板32をレーザ溶接する場合、(1)先に変形板32を端子に溶接してから端子をナットにより蓋9に固定する製造方法と、(2)端子を蓋9に固定してから変形板32を端子に溶接する製造方法の2通りが考えられるが、治具50は、製造方法(2)の場合に特に有用である。即ち、製造方法(2)では、レーザ溶接前に既に端子が蓋9に固定され、支持部材36が端子の周囲に配置されているため、治具50を用いてレーザ溶接することで、反射レーザ光から支持部材36を保護することができる。治具50を用いることで、各部品の組立順序の自由度が向上する。
【0038】
また、上記の実施例では、被保護部材として、PPSを材料とする支持部材36が用いられたが、被保護部材を形成する材料はこれに限られない。一般に、レーザ光の温度は約1300℃もの高温に達するので、当該温度で損傷する可能性のある材料で形成されているあらゆる部材が保護されるべき対象となる。
【0039】
また、上記の実施例では、治具50は、1枚の変形板32を有するタイプの電流遮断装置30のレーザ溶接に用いられたが、これに限られず、例えば、2枚の変形板を有するタイプの電流遮断装置のレーザ溶接に用いられてもよい。
【0040】
また、覆い部154は、基部152の全周に亘って接続されている構成に限られず、基部152の周方向の一部にのみ接続されている構成であってもよい。例えば、覆い部154がなくても反射レーザ光が支持部材36に到達しないことが明らかな範囲においては、覆い部154が形成されていなくてもよい。
【0041】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0042】
32:変形板
34:破断板
36:支持部材
40:溶接箇所
50:レーザ溶接用治具
56:貫通孔
58:面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9