特許第6442958号(P6442958)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442958
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】採光具及び採光システム及び採光窓
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20181217BHJP
【FI】
   E06B5/00 D
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-199920(P2014-199920)
(22)【出願日】2014年9月30日
(65)【公開番号】特開2016-69896(P2016-69896A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2017年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122529
【弁理士】
【氏名又は名称】藤枡 裕実
(74)【代理人】
【識別番号】100139114
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 貞嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139103
【弁理士】
【氏名又は名称】小山 卓志
(74)【代理人】
【識別番号】100094787
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100097777
【弁理士】
【氏名又は名称】韮澤 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100091971
【弁理士】
【氏名又は名称】米澤 明
(74)【代理人】
【識別番号】100119220
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100145920
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 聡
(72)【発明者】
【氏名】柳澤 峻平
(72)【発明者】
【氏名】出原 知之
【審査官】 秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−38626(JP,A)
【文献】 特開2014−20138(JP,A)
【文献】 特開2014−44305(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/056736(WO,A1)
【文献】 特開2012−255951(JP,A)
【文献】 特開2012−3027(JP,A)
【文献】 特開2012−108508(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 5/00
E06B 3/66
F21S 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有する光制御部であって、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する前記光制御部を有する構造体である光制御部材と、
前記光制御部から出射された光を分岐する光分岐部を有する構造体である光分岐部材と、を備え、
前記光制御部は、複数の低屈折率媒質部と、前記低屈折率媒質部よりも屈折率が高く、かつ、前記低屈折率媒質部同士を離隔する高屈折率媒質部と、を備え、
前記低屈折率媒質部と前記高屈折率媒質部との界面が反射面を形成し、かつ、前記第1主面から入射した光は、前記反射面で反射することによって偏向し、
前記低屈折率媒質部が延在する方向であって、前記第1主面と平行な方向を第1方向とし、前記低屈折率媒質部が周期的に設けられる方向であって、前記第1主面と平行であり、かつ、前記第1方向と非平行な方向を第2方向とし、前記第2方向と平行な軸を仮想軸とするとき、前記光分岐部材は前記仮想軸を中心として回転することを特徴とする採光システム。
【請求項2】
入射する光を分岐する光分岐部を有する構造体である光分岐部材を備えた採光システムであって、
前記光分岐部で分岐された光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有する光制御部であって、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する前記光制御部を有する構造体である光制御部材をさらに備え、
前記光制御部は、複数の低屈折率媒質部と、前記低屈折率媒質部よりも屈折率が高く、かつ、前記低屈折率媒質部同士を離隔する高屈折率媒質部と、を備え、
前記低屈折率媒質部と前記高屈折率媒質部との界面が反射面を形成し、かつ、前記第1主面から入射した光は、前記反射面で反射することによって偏向し、
前記低屈折率媒質部が延在する方向であって、前記第1主面と平行な方向を第1方向とし、前記低屈折率媒質部が周期的に設けられる方向であって、前記第1主面と平行であり、かつ、前記第1方向と非平行な方向を第2方向とし、前記第2方向と平行な軸を仮想軸とするとき、前記光分岐部材は前記仮想軸を中心として回転することを特徴とする採光システム。
【請求項3】
前記光分岐部材を複数有し、
前記光分岐部は、透明基材中に配された光分岐層を有し、
全ての前記光分岐部材の前記光分岐層の主面が同一方向を向くように回転可能であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の採光システム。
【請求項4】
前記光分岐部材が光制御部材の偏向する方向に長手方向を有することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか1項に記載の採光システム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載の採光システムを窓部に配したことを特徴とする採光窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の内部に日光などの外光を取り入れるために用いる採光具及び採光システム及び採光窓に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓ガラスにより、建物の内部に日光等の外光を取り入れて明るく快適な室内空間を形成することはよく知られている。しかし、一方で当該窓ガラスに入射した外光をそのまま室内に取り入れると、まぶしさを感じたり、光があたる場所が室内の一部のみに限定されたり、といった不具合が生じることがある。これに対して、直接日光を制御して、より快適な態様で室内側に光を採り入れる技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2012−255951号公報)には、一方向に延在する凹状溝が繰り返し作製され、凹状溝への充填材の充填により、透明シート材への入射光を反射する一方向に延長した反射面が凹状溝の少なくとも一方の斜面に形成され、反射面による反射により、窓を透過した直射太陽光を屋内に導入する光制御部材(採光シート)が開示されている。
【特許文献1】特開2012−255951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような光制御部材(採光シート)による室内への採光においては、光制御部材への入射光を反射する一方向については光が分散するので、光制御部材への入射光を偏向する一方向の採光という観点からは十分な効果を得ることができるが、光制御部材への入射光を偏向する一方向に対し垂直に交わる方向の採光効果について、これを得ることができない、という問題があった。
【0005】
このような問題点を、光制御部材により鉛直方向の採光効果が得られ、鉛直方向に対し垂直に交わる水平方向の採光効果が得られない場合を例に、図を参照して説明する。
【0006】
図11は光制御部10を有する従来の光制御部材を示す図であり、光制御部材が適用された室内の断面を示している。従来の光制御部材では、窓ガラス50において太陽Sから室内に入射する光は、光制御部10により鉛直方向に分散することで、例えば、天井部などにも分散光があたるようになる。このように従来の光制御部材は、鉛直方向に太陽光を分散するので、この点での効果はある。
【0007】
一方、図12は光制御部10を有する従来の光制御部材の課題を説明する図である。図12は光制御部材が適用された室内の平面図を示している。従来の光制御部材においては、図12に示すように、水平方向については、明るいエリアと、分散光が照射されない暗いエリアとができてしまうことが分かる。
【0008】
なお、上記の例では、光制御部材が鉛直方向のみに光を分散することで、水平方向についてはこれを分散しない、という課題があることについて説明を行ったが、さらに、課題を一般化するのであれば、光制御部材が光を分散する分散方向については明るいエリアを得られるが、前記分散方向に垂直に交わる方向については明るいエリアが得られない、ということになる。ただし、以下明細書では、鉛直方向と水平方向以外の方向で検討すると煩雑となるため、鉛直方向と水平方向などに限定して説明する。しかしながら、本発明の課題、解決手段は、鉛直方向と水平方向に限定されるものではない、ということを付言し
ておく。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は以上のような課題を解決するためのものであり、本発明に係る採光具は、光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有し、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する光制御部と、前記光制御部から出射された光を分岐する光分岐部と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る採光具は、入射する光を分岐する光分岐部と、前記光分岐部で分岐された光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有し、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する光制御部と、を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る採光具は、前記光分岐部は、透明基材中に配された光分岐層を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る採光システムは、光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有する光制御部であって、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する前記光制御部を有する構造体である光制御部材と、前記光制御部から出射された光を分岐する光分岐部を有する構造体である光分岐部材と、を備え、前記光制御部は、複数の低屈折率媒質部と、前記低屈折率媒質部よりも屈折率が高く、かつ、前記低屈折率媒質部同士を離隔する高屈折率媒質部と、を備え、前記低屈折率媒質部と前記高屈折率媒質部との界面が反射面を形成し、かつ、前記第1主面から入射した光は、前記反射面で反射することによって偏向し、前記低屈折率媒質部が延在する方向であって、前記第1主面と平行な方向を第1方向とし、前記低屈折率媒質部が周期的に設けられる方向であって、前記第1主面と平行であり、かつ、前記第1方向と非平行な方向を第2方向とし、前記第2方向と平行な軸を仮想軸とするとき、前記光分岐部材は前記仮想軸を中心として回転することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る採光システムは、入射する光を分岐する光分岐部を有する構造体である光分岐部材を備えた採光システムであって、前記光分岐部で分岐された光が入射する第1主面と、前記第1主面に対向し光が出射する第2主面とを有する光制御部であって、前記第1主面から入射した光を前記第2主面に向けて偏向する前記光制御部を有する構造体である光制御部材をさらに備え、前記光制御部は、複数の低屈折率媒質部と、前記低屈折率媒質部よりも屈折率が高く、かつ、前記低屈折率媒質部同士を離隔する高屈折率媒質部と、を備え、前記低屈折率媒質部と前記高屈折率媒質部との界面が反射面を形成し、かつ、前記第1主面から入射した光は、前記反射面で反射することによって偏向し、前記低屈折率媒質部が延在する方向であって、前記第1主面と平行な方向を第1方向とし、前記低屈折率媒質部が周期的に設けられる方向であって、前記第1主面と平行であり、かつ、前記第1方向と非平行な方向を第2方向とし、前記第2方向と平行な軸を仮想軸とするとき、前記光分岐部材は前記仮想軸を中心として回転することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る採光システムは、前記光分岐部材を複数有し、前記光分岐部は、透明基材中に配された光分岐層を有し、全ての前記光分岐部材の前記光分岐層の主面が同一方向を向くように回転可能であることを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る採光システムは、前記光分岐部材は光制御部材の偏向する方向の仮想軸を中心として回転することを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る採光システムは、前記光分岐部材が光制御部材の偏向する方向に長手方向を有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る採光窓は、前記のいずれかに記載の採光具、前記のいずれかに記載の採光システムを窓部に配したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る採光具は、光制御部から出射された光を分岐する光分岐部を有しており、このような本発明に係る採光具によれば、光分岐部は光制御部の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、光制御部の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
【0019】
本発明に係る採光システムは、光制御部材から出射された光を分岐する光分岐部材を有しており、このような本発明に係る採光システムによれば、光分岐部材は光制御部材の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、光制御部材の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】光制御部10の効果を説明する図である。
図2】光制御部10の断面構造を模式的に説明する図である。
図3】光分岐部20の断面構造を模式的に説明する図である。
図4】本発明の実施形態に係る採光具3の構成を説明する図である。
図5】本発明の実施形態に係る採光システム3の効果を説明する図である。
図6】本発明の実施形態に係る採光システム5の構成を説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係る採光システム3を室内側からみた斜視図である。
図8】本発明の実施形態に係る採光システム3で用いられる光分岐部材20の構成及びその効果を説明する図である。
図9】本発明の実施形態に係る採光システム5の効果を説明する図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る採光システム5の構成を説明する図である。
図11】光制御部材10を用いた従来の採光具を示す図である。
図12】光制御部材10を用いた従来の採光具の課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[1]採光具
以下、本発明に係る採光具の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。以下、まず、本発明に用いる光制御部10の構成の概要について説明する。
【0022】
図1は光制御部10の効果を説明する図である。図1(A)は通常の窓部からの太陽光の採り入れを示しており、図1(B)は窓部に光制御部10を取り付けて、太陽光の採り入れを行った場合を示している。光制御部10を窓部に設けることにより、屋内全体を可能な限り均一に明るくする採光を実現する。
【0023】
ここで、以下の説明において、各構成の方向及び位置関係などを明瞭にするための座標を定義する。窓部の水平な辺と方向と平行な方向をx方向とし、鉛直上方方向をz方向とした右手系座標を定義し、以下の説明に用いることとする。本件明細書に添付する図面には、必要に応じて、このような右手系座標が参照のために記されている。
【0024】
本発明に用いる光制御部10の一例を説明する。図2は光制御部10の断面構造を模式的に説明する図である。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから適宜変更したり、誇張したりすることがある。また、図面の見やすさの観点から、周期的に繰り返す構成については、参照番号を付すことを省略している。
【0025】
図2に示すように、光制御部10は、光が入射する第1主面11と、前記第1主面11に対向し光が出射する第2主面12とを有し、前記第1主面11と前記第2主面12との間に存在し、前記第1主面11から入射した光を前記第2主面12に向けて偏向する複数の低屈折率媒質部16と、を備える。
【0026】
光制御部10は、典型的には、紙面垂直方向(x方向)に延在し、紙面上下方向(z方向)に周期的に設けられる複数の低屈折率媒質部16と、低屈折率媒質部16同士を離隔する高屈折率媒質部15とを備える。この場合、低屈折率媒質部16と高屈折率媒質部15との界面が反射面となる。低屈折率媒質部16は、高屈折率媒質部15の屈折率に比べて低い屈折率を有する媒質により構成される。例えば、高屈折率媒質部15が、樹脂である場合、低屈折率媒質部16は空気あるいは高屈折率媒質部15を構成する樹脂よりも低い屈折率を有する樹脂を用いることができる。
【0027】
第1主面11に入射した光L1は、光制御部10内に進み、反射面で反射し偏向する。その後、偏向した光L1は、第1主面11に対向する第2主面12から出射し、光制御部
10外に進む。
【0028】
なお、第1主面11に入射した光L2のように、光制御部10内に進み、低屈折率媒質部16と高屈折率媒質部15との界面で屈折することで偏向し、第2主面12から出射し、光制御部10外に進む光も存在する。
【0029】
以上のような機能を有する光制御部10の構成材料としては、熱硬化性樹脂や電離放射線硬化型樹脂等の有機高分子樹脂材料や無機ガラス材料が挙げられる。
【0030】
また、光制御部10として、高屈折率媒質部15内に、複数の低屈折率媒質部16を配す構成の例を説明したが、複数の低屈折率媒質部16に代えて、例えば、複数の、金属などの反射率の高い材料を光制御部10内に配置した構成としてもよい。
【0031】
次に、本発明に用いる光分岐部20の構成の概要について説明する。図3は光分岐部20の断面構造を模式的に説明する図である。図3の断面構造は、xy面で切ってみた水平断面図であり、図2のyz面面で切ってみた断面図とは異なることに留意されたい。
【0032】
光分岐部20は、入射光を複数の方向に分岐させる機能を有する光分岐層22と、それを狭持する2つの透明樹脂材料25とから、例えば構成することができる。光分岐層22は、誘電体多層膜や、金属薄膜などによって構成することできる。また、透明樹脂材料25は、アクリルなどの透明な有機樹脂材料を用いて構成することもできるし、ガラスなどの無機材料を用いて構成することもできる。
【0033】
また、光分岐部20として、入射光を複数の方向に分岐させる機能を有する光分岐層と、それを狭持する2つの透明樹脂材料から成る構成の例を説明したが、光制御部10のように紙面垂直方向(Z方向)に延在し、紙面上下方向(x方向)に周期的に設けられる複数の低屈折率媒質部16と、低屈折率媒質部16同士を離隔する高屈折率媒質部15とを備える構成としてもよい。
【0034】
上記のような光分岐部20によって、光分岐部20に入射する光を分岐することが可能となる。太陽Sからの光は、光制御部10で前記光制御部10が光を偏向する方向(鉛直方向)に分散され、このような分散光は、さらに、光分岐部20で前記光制御部10の偏向する方向と垂直に交わる方向(水平方向)に分岐される。
【0035】
次に、以上のような光制御部10、及び光分岐部20により構成される本発明に係る採光具ついて説明する。図4は本発明の実施形態に係る採光具3の構成を説明する図である。
【0036】
採光具3の実施形態としては、フィルム(シート)状であってもよいし、パネルやブラインド、ロールアップスクリーン、またガラス、合わせガラス形態であってもよい。
【0037】
図4(A)は光制御部10と光分岐部20とを貼り合わせて形成したフィルム(シート)状の採光具3を示している。また、ある程度の採光具3は、光制御部10と光分岐部20とを貼り合わせて形成したパネル部材としてもよい。
【0038】
また、図4(B)は光制御部10と光分岐部20とを貼り合わせて形成した複数のスラットからなるブラインドを採光具3として利用する場合を示している。
【0039】
また、図4(C)は光制御部10と光分岐部20とを貼り合わせて形成したブラインド部材からなるロールアップブラインドを採光具3として利用する場合を示している。
【0040】
また、図4(D)は光制御ガラス(光制御部)26と光分岐ガラス(光分岐部)28とを、接着剤などの接合部27を介して貼り合わせて構成したものを採光具3として利用する場合を示している。
【0041】
本発明に係る採光具3においては、太陽Sからの光を、光制御部材10で分散光とし、この分散光を光分岐部20で分岐する構成としてもよいし、その逆で、太陽Sからの光を、光分岐部20で分岐光とし、この分岐光を光制御部10で分散する構成としてもよい。なお、以下の実施形態においては、前者を例に説明する。
【0042】
図5は本発明の実施形態に係る採光具の効果を説明する図である。太陽Sから光制御部10に入射した光は、光制御部10によって前記光制御部10が光を偏向する方向(図5では鉛直方向)に分散されて出射される。次に、光制御部10に出射された光は、光分岐部20に入射し、前記光分岐層で分岐され、主として前記光制御部10の偏向する方向と垂直に交わる方向(図5では水平面内の2方向)に分かれて、光分岐部2020から出射する。これにより、従来の光制御部材で形成されてしまっていた暗いエリアが低減されることとなる。
【0043】
以上、本発明に係る採光具は、光制御部10から出射された光を分岐する光分岐部2020を有しており、このような本発明に係る採光具によれば、光分岐部20は前記光制御部10の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、前記光制御部10の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
[2]採光システム
次に、本発明に係る採光システム5の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0044】
本発明に係る採光システム5は、前記光制御部10の機能を有する構造体(光制御部材
10’)、及び前記光分岐部20の機能を有する構造体(光分岐部材30)の組み合わせに
より構成される。
【0045】
また、本発明に係る採光システムにおいては、太陽Sからの光を、光制御部材10’で分散光とし、この分散光を光分岐部材30で分岐する構成としてもよいし、その逆で、太陽Sからの光を、光分岐部材30で分岐光とし、この分岐光を光制御部材10で分散する構成としてもよい。なお、以下の実施形態においては、前者を例に説明する。
【0046】
前記光制御部材10’は、前記採光具3に記載した光制御部10を有する構造体である。光制御部材10’の実施形態としては、従来のフィルム形状(採光シート) であっても
よいし、パネルやブラインド、ロールアップスクリーン、またガラス、合わせガラス形態であってもよい。
【0047】
前記光分岐部材30は、前記採光具3に記載した光分岐部20を有する構造体である。光分岐部材20の実施形態としては、前記光制御部材10’と同様にフィルム形状(シー
ト) であってもよいし、パネルやブラインド、ロールアップスクリーン、またガラス、合わせガラス形態であってもよい。
【0048】
本発明の実施形態に係る採光システムには、従来技術と同様に、窓ガラス50に、光制御部材10’が貼り付けられている構成を有しており、これにより、太陽Sから室内に入射する光は、前記光制御部材10’が光を偏向する一方向(図6では鉛直方向)に分散する。
【0049】
光制御部材10’から出射された分散光を、前記光制御部材10’の偏向する方向と垂
直に交わる方向(図6では水平方向)に分岐する光分岐部材30を複数有している。図7に示すように、光分岐部材30は前記光制御部材10が光を偏向する方向(図6では鉛直方
向)に長手方向を有するようになっており、光分岐部材30の回転機構(不図示)によっ
て、x方向にわたって複数吊り下げられるようになっている。また、回転機構(不図示)によって、光分岐部材30は前記光制御部材10が光を偏向する方向(図6では鉛直方向)の仮想軸40を中心として回転するように構成されている。
【0050】
図8は本発明の実施形態に係る採光具3で用いられる光分岐部材30の構成及びその効果を説明する図である。図8は、複数配列されている光分岐部材30の一部をxy断面で切ってみた図である。
【0051】
光分岐部材30は、ハーフミラーの機能を有する光分岐層32と、それを狭持する2つの透明基材35とから、例えば構成することができる。光分岐層32は、誘電体多層膜や、金属薄膜などによって構成することできる。また、透明基材35は、アクリルなどの透明な有機樹脂材料を用いて構成することもできるし、ガラスなどの無機材料を用いて構成することもできる。
【0052】
上記のような光分岐部材30によって、光分岐部材30に入射する光L0を、L3及びL4に分岐することが可能となる。太陽Sからの光は、光制御部材10’で前記光制御部材
10が光を偏向する方向(鉛直方向)に分散され、このような分散光は、さらに、光分岐部材30で、図8に示すように前記光制御部材10の偏向する方向と垂直に交わる方向(水平方向)に分岐される。
【0053】
採光システム5を構成する、上記のような複数の光分岐部材30は、回転機構(不図示)によって、全ての前記光分岐部材30の光分岐層32の主面が同一方向を向くように回転可能に構成されている。これによって、光分岐部材30による分岐光が出射する方向を調整ことが可能となり、太陽Sの位置や居住者の好みに応じた採光を実現することが可能となる。
【0054】
図9は本発明の実施形態に係る採光システム5の効果を説明する図である。太陽Sから光制御部材10’に入射した光は、光制御部材10’によって前記光制御部材10’が光を偏向する方向(図9では鉛直方向)に分散されて出射される。次に、光制御部材10に出射された光は、複数の光分岐部材30に入射し、前記光分岐層32で分岐され、主として前記光制御部材10’の偏向する方向と垂直に交わる方向(図9では水平面内の2方向)に分かれて、光分岐部材30から出射する。これにより、従来の採光システムで形成されてしまっていた暗いエリアが低減されることとなる。
【0055】
以上、本発明に係る採光システム5は、光制御部材10’から出射された光を分岐する光分岐部材30を有しており、このような本発明に係る採光具3及び採光システム5によれば、光分岐部材30は前記光制御部材10’の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、前記光制御部材10の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
【0056】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図10は本発明の他の実施形態に係る採光システム5の構成を説明する図である。図6に示した先の実施形態においては、光分岐部材30としては、鉛直方向に延在する縦型タイプの比較的特殊なものが用いられていたが、本実施形態では、光分岐部材30としては、比較的一般的なロールアップブラインド37が用いられている。このような簡易な構成によっても、先の実施形態と同様の効果を享受することができる。
【0057】
以上、本発明に係る採光具は、光制御部から出射された光を分岐する光分岐部を有しており、このような本発明に係る採光具によれば、光分岐部は光制御部の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、光制御部の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
【0058】
本発明に係る採光システムは、光制御部材から出射された光を分岐する光分岐部材を有しており、このような本発明に係る採光システムによれば、光分岐部材は光制御部材の偏向する方向と垂直に交わる方向に光を分岐するので、光制御部材の偏向する方向と垂直に交わる方向の採光効果を得ることが可能となる。
【符号の説明】
【0059】
3・・・採光具
5・・・採光システム
10・・・光制御部
10’・・・光制御部材
11・・・第1主面
12・・・第2主面
15・・・高屈折率媒質部
16・・・低屈折率媒質部
20・・・光分岐部
22・・・光分岐層
25・・・透明樹脂材料
26・・・光制御ガラス(光制御部)
27・・・接合部
28・・・光分岐ガラス(光分岐部)
30・・・光分岐部材
32・・・光分岐層
35・・・透明基材
37・・・ロールアップブラインド(光分岐部材)
40・・・仮想軸
50・・・窓ガラス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
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図10
図11
図12