特許第6442995号(P6442995)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6442995情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6442995
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20181217BHJP
   G06F 3/042 20060101ALI20181217BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20181217BHJP
   G06K 9/62 20060101ALI20181217BHJP
   G06F 17/22 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G06F3/041 595
   G06F3/042 421
   G06F3/0488 130
   G06K9/62 G
   G06F17/22 694
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-228250(P2014-228250)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2016-91465(P2016-91465A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年9月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117226
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 俊一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 深雪
【審査官】 塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−152040(JP,A)
【文献】 特開平06−051900(JP,A)
【文献】 特開平01−318112(JP,A)
【文献】 特開2001−014096(JP,A)
【文献】 特開2003−248795(JP,A)
【文献】 特開2005−173672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/03
3/041−3/0489
17/20−17/26
G06K 9/00−9/03
9/46−9/52
9/62−9/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段と、
前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段と、
前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、
を備え、
前記認識手段が、
前記取得された座標情報の時間経過に伴う変化に基づいて縦書き又は横書きかの記入方向を判定し、
前記認識された記入形状の記入位置と、当該判定した記入方向における当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、
前記文書編集手段が、
前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の情報処理装置において、
前記認識手段が、データベースに予め記録された情報であって前記記入形状が記入される記入領域に形成されたマス目の座標を示す座標情報と、前記取得された記入形状の座標情報と、に基づいて、前記記入方向における前記マス目毎に前記記入形状を認識し、
前記認識手段によって特定のマス目が空白領域であると検出された場合には、前記文書編集手段が、前記文書データにおける当該特定のマス目に対応する位置に前記空白スペースを挿入する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置において、
前記認識手段が、前記記入形状として文字を認識し、当該認識した文字の記入位置に基づいて前記空白領域を検出する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記認識手段が、前記空白領域のサイズによっては2以上の空白スペースを認識する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
前記空白スペースが半角スペース又は全角スペースである、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
入力者の操作に応じて文字記入可能な入力デバイスによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターンが形成された記入領域を有する記録媒体を用いるとともに、
前記取得手段が、前記入力デバイスによって読み取ったコード化パターンのデータに基づいて前記記入形状の座標情報を取得する、情報処理装置。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置において、
入力者の操作に応じて文字記入可能であってデバイス上の座標を認識する表示パネルが形成された電子デバイスを用いるとともに、
前記取得手段が、前記表示パネルへの入力者の接触操作に応じて前記電子デバイス上の座標を認識することによって前記座標情報を取得する、情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、
記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段、
前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段、及び、
前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段、
として機能させ、
前記認識手段として、
前記取得された座標情報の時間経過に伴う変化に基づいて縦書き又は横書きかの記入方向を判定し、
前記認識された記入形状の記入位置と、当該判定した記入方向における当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、
前記文書編集手段として、
前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入する処理を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
位置座標を示すコード化パターンが形成された記録媒体に対して入力者の操作に応じて文字記入を実行し、当該コード化パターンを読み取るための電子ペンと、
前記電子ペンによって読み取ったコード化パターンを座標情報として取得し、当該取得した座標情報によって形成される記入形状を文書データに挿入する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置が、
前記記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段と、
前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段と、
前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を前記文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、
を備え、
前記認識手段が、
前記取得された座標情報の時間経過に伴う変化に基づいて縦書き又は横書きかの記入方向を判定し、
前記認識された記入形状の記入位置と、当該判定した記入方向における当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、
前記文書編集手段が、
前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入することを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
記入形状を記入する際に用いられるとともに当該記入形状を表示する表示パネルと、記入領域に記入された記入形状の座標を示す座標情報を検出する検出手段と、を有する電子デバイスと、
前記電子デバイスによって読み取ったコード化パターンを座標情報として取得し、当該取得した座標情報によって形成される記入形状を文書データに挿入する情報処理装置と、
を備え、
前記情報処理装置が、
前記記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段と、
前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段と、
前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を前記文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、
を備え、
前記認識手段が、
前記取得された座標情報の時間経過に伴う変化に基づいて縦書き又は横書きかの記入方向を判定し、
前記認識された記入形状の記入位置と、当該判定した記入方向における当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、
前記文書編集手段が、
前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入することを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き入力可能な情報処理装置、情報処理システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記入した情報を電子化する電子ペンが開発されており、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto Pen)」が知られている。このアノトペンは、所定のアルゴリズムによりパターン化された位置座標を示すドットパターンが印刷された専用紙(以下、単に「専用紙」という。)とともに使用される。
【0003】
具体的には、このアノトペンは、ペン先部に、専用紙に印刷されたドットパターンを撮像するための小型カメラと、撮像したドットパターンから専用紙における位置座標を演算するプロセッサと、演算された位置座標等を外部機器へ送信するデータ通信ユニットとを搭載している。また、ユーザが専用紙上にアノトペンで文字等を書いた場合に、または、専用紙上に図案化されている画像にチェックマークを記入した場合に、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙に印刷されたドットパターンが撮像され、プロセッサによって演算された連続する位置座標から、ユーザが記入した文字、記号または図形などの情報(以下、「ストローク情報」という。)が取得されるようになっている。そして、このストローク情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯型電話器などの端末装置に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、最近、コンピュータ装置の表示画面上を専用のペンその他のもので触れることによって文字や記号などの文字情報を記入するシステムが提案されており、その一つとして、所定の画面上の領域にユーザによって手書きされた文字情報を記入するための文字記入領域を用いるものが知られている。
【0005】
例えば、このような文字を記入して入力できるシステムとしては、文字記入領域が予め設定されており、当該文字記入領域に手書きされた文字や記号などを取得させることによって、文字の記入を行う記入者(いわゆる、ユーザ)に対してその記入時の負担を軽減させるようになっている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特表2003−511761号公報
【特許文献2】特開平8−50530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に記載の学習システムにあっては、データ化されている文書データ(すなわち、デジタル形式の文書データ)に対して電子ペンによって記入した文字などの手書きした形状(記入形状)を挿入する場合であって、その軌跡(ストローク)の情報を挿入する場合に、空白スペースを含めて挿入することができない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電子ペンなどによって手書きされた文字その他の形状をデータ化して所定の書式を有する文書データに挿入する際に空白スペースを含めて挿入することが可能な情報処理装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決するため、本発明の情報処理装置などは、記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段と、前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段と、 前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を前記文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、を備え、前記認識手段が、前記認識された記入形状の記入位置と、当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、前記文書編集手段が、前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入することを特徴とする構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明の情報処理装置などは、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペースを含めて挿入することができる。
【0011】
したがって、本発明の情報処理装置などは、手書き入力で文書データを作成する場合であっても、キーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない空白スペースの入力作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0012】
(2)また、本発明の情報処理システムは、位置座標を示すコード化パターンが形成された記録媒体に対して入力者の操作に応じて文字記入を実行し、当該コード化パターンを読み取るための電子ペンと、前記電子ペンによって読み取ったコード化パターンを座標情報として取得し、当該取得した座標情報によって形成される記入形状を文書データに挿入する情報処理装置と、を備え、前記情報処理装置が、前記記入形状の座標を示す座標情報を取得する取得手段と、前記取得された座標情報によって前記記入形状及び当該記入形状の記入位置を認識する認識手段と、前記認識された記入位置に基づいて、前記認識された記入形状を前記文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、を備え、前記認識手段が、前記認識された記入形状の記入位置と、当該記入形状の記入位置と他の記入形状との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、前記文書編集手段が、前記空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する前記文書データの位置に所定の空白スペースを挿入する構成を有している。
【0013】
この構成により、本発明の情報処理システムは、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペースを含めて挿入することができるとともに、手書き入力で文書データを作成する場合であっても、キーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない空白スペースの入力作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0014】
(3)また、本発明の情報処理システムは、記入形状を記入するための記入領域を表示する表示パネルと、当該記入領域に記入された各ストロークの前記表示パネル上の座標を示す座標情報を検出する検出手段と、を有する電子デバイスと、前記記入領域に記入されたストロークのデータを示すストロークデータに基づいて前記記入形状をデジタル形式の文書データに挿入する情報処理装置と、を備え、前記ストロークデータを取得する取得手段と、前記取得されたストロークデータによって形成された形状に基づいて文字を認識する認識手段と、前記認識された文字を前記文書データ内の文書内に挿入する文書編集手段と、を備え、前記認識手段が、前記文字を認識する際に隣接する文字間に予め定められ空白領域を検出した場合には、当該隣接する文字間に1文字に相当する空白スペースがあることを認識し、前記文書編集手段が、前記隣接する文字間に前記認識された空白スペースを1文字として配置する構成を有している。
【0015】
この構成により、本発明の情報処理システムは、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペースを含めて挿入することができるとともに、手書き入力で文書データを作成する場合であっても、キーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない空白スペースの入力作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0016】
本発明の情報処理装置などは、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペースを含めて挿入することができるとともに、手書き入力で文書データを作成する場合であっても、キーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない空白スペースの入力作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る情報処理システムの一実施形態における構成を示すシステム構成図である。
図2】一実施形態における手書き入力挿入処理の原理を説明するための図である。
図3】一実施形態の記入用紙の書式(様式)の一例と当該記入用紙に対応し、表示画面に表示される文書データ(文書画像)の一例である。
図4】一実施形態におけるドットパターンのドットの配置とそのドットが変換される値との関係を説明する図である。
図5】一実施形態におけるドットパターンを説明するための図であり、(A)は、ドットパターンを模式的に示し、(B)は、それに対応する情報の例を示す図である。
図6】一実施形態における電子ペンの構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
図7】一実施形態におけるデータ解析装置の各機能を示すブロック図である。
図8】一実施形態のデータ解析装置内に設けられたストロークデータデータベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図9】一実施形態のデータ解析装置内に設けられた記入用紙情報データベースに記録されるデータの一例を示す図である。
図10】一実施形態のデータ解析装置において実行される手書き入力挿入処理の動作を示すフローチャートである。
図11】本発明に係る情報処理システムの変形例における構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
なお、以下に説明する実施形態は、電子ペン又は電子デバイスと、当該電子ペンによって読み取り可能な位置座標を示すコード化パターン(ドットパターン)が予め形成されている所定の解答領域を有する学習問題用紙(又はその画像)と、を用いた情報処理システムに、本発明の情報処理装置、プログラム及び情報処理システムを適用した場合の実施形態である。
【0020】
[1]情報処理システムの概要
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態における情報処理システム1の構成及び概要について説明する。なお、図1は、本実施形態における情報処理システム1の構成を示すシステム構成図であり、図2は、本実施形態における手書き入力挿入処理を説明するための図である。
【0021】
本実施形態の情報処理システム1は、文書作成や編集を行うワープロ機能によって作成中又は編集中の文書データの文書内に、記入用紙40に記入された文字、線図その他の形状(以下、「記入形状」という。)41を挿入してデータ化するシステムである。
【0022】
特に、本実施形態の情報処理システム1は、記入者が記入した際の筆跡(すなわち、以下に示すストロークデータ)に基づいて、文書データの文書内に当該手書きした文字又は線図などの記入形状を挿入する際に、空白スペース51を認識しつつ、当該空白スペース51をも含めて文書内に手書きされた文字や線図を挿入するシステムである。
【0023】
具体的には、本実施形態の情報処理システム1は、図1に示すように、記入者に提供される電子ペン10と、デジタル形式の文書データの作成及び編集を実行し、記入者の筆跡をデータ化して文書データの文書内に挿入する処理(以下、「手書き入力挿入処理」という。)を実行するデータ解析装置20と、有している。
【0024】
電子ペン10は、位置座標を示すコード化パターンが形成された記入用紙(記録媒体)40に対して、記入用紙40に文字その他の記入を行うための機能と、当該コード化パターンを読み取ってデータ解析装置20に記入された記入者の筆跡のデータ(以下、「ストロークデータ」という。)を提供する機能と、を有している。
【0025】
特に、電子ペン10は、記入者によって使用され、ボールペン、鉛筆やシャープペンシルなどの他の筆記用具と同様に、文字又は線図などの記入用紙40に所定の記入(所定の形状(キャラクタ)の記入)を行う際に用いられる。
【0026】
また、電子ペン10は、記入用紙40に文字または図形などの記入が行われた場合に、当該記入時のストローク(筆跡)やタップ(電子ペン10のペン先による記入用紙40への軽叩)に応じて、当該記入用紙40上の移動経路(すなわち、筆跡またはストローク)に沿って、記入用紙40に印刷されたドットパターンを局所的、かつ、連続的に読み取る構成を有している。
【0027】
そして、電子ペン10は、読み取ったドットパターンに基づいて記入用紙40におけるその局所位置の座標を算出するとともに、その算出した位置座標を含むストロークデータを生成し、当該生成したストロークデータをデータ解析装置20に送信する構成を有している。
【0028】
データ解析装置20は、例えば、タブレット型情報端末装置、スマートフォン、パーソナルコンピュータ又はワークステーション等の情報通信端末装置である。
【0029】
具体的には、データ解析装置20は、新規の文書の作成や既に作成された文書の編集などワープロ(文書編集)機能を有するとともに、無線通信回線を利用して電子ペン10によって読み取ったコード化パターンと当該読み取った際の時刻を示す時刻情報を含むストロークデータを取得し、取得したストロークデータをデータベース(以下、「DB」といい、後述の記録装置200)に記録する機能を有している。
【0030】
また、データ解析装置20は、記入者その他ユーザ(以下、「記入者」という。)の指示に基づいて、記入者の各ストロークデータに基づいて、手書き入力挿入処理を実行する機能を有している。
【0031】
特に、データ解析装置20は、
(1)文字その他の記入形状41を構成する各ストロークの記入用紙(記入領域)40内の座標を示す座標情報をストロークデータとして取得し、
(2)取得したストロークデータによって記入形状41を文字として認識しつつ、当該文字(記入形状41)の記入位置を認識し、
(3)認識した文字(記入形状41)を文書データ内の文書内に挿入し、
(4)認識された文字(記入形状41)の記入位置と、当該文字(記入形状41)の記入位置と他の文字(具体的には記入方向における隣接する文字(記入形状41))との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域の有無を検出し、
(5)空白領域が検出された場合に、当該空白領域を認識した位置に対応する文書データの位置に所定の空白スペース51を挿入する、
構成を有している。
【0032】
例えば、図2(A)に示すように、記入者が、手書き入力挿入処理において認識される手書きの記入形状41の文字「あいう えお(「う」と「え」の間に空白領域42あり)」を記入用紙40に記入した場合を想定する。
【0033】
この場合において、データ解析装置20は、手書きの記入形状41の文字「あいう えお(「う」と「え」の間に空白領域42あり)」を構成する各ストロークを有するストローク群を取得すると、表示画面50上に、図2(B)に示すように、予め記入者又は自動的に設定された挿入位置に「あいうえ」の文字(記入形状41)を認識しつつ、「う」と「え」の間に空白領域を認識し、当該認識した空白領域に対応する文章データの位置にテキストとして空白スペース51を挿入し、その文書画像を生成するようになっている。
【0034】
このような構成により、本実施形態の情報処理システム1は、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペース51を含めて挿入することができるとともに、手書き入力で文書データを作成する場合であっても、キーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない空白スペースの入力作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができるようになっている。
【0035】
なお、本実施形態においては、電子ペン10がペンダウンと判定してからペンアップと判定するまでに、すなわち、ユーザの一つのストロークの記入により、電子ペン10によって生成されるデータを一のストロークデータという。
【0036】
[2]記入用紙
[2.1]記入用紙
次に、図3を用いて本実施形態の記入用紙40について説明する。なお、図3は、本実施形態の記入用紙40の書式(様式)の一例と当該記入用紙40に対応し、表示画面50に表示される文書データ(文書画像)の一例である。
【0037】
記入用紙40には、紙など記録媒体によって形成されており、当該用紙の一面に後述するドットパターン(コード化パターン)が印刷により全体的に形成されている。なお、当該記録媒体は、紙以外の布や樹脂などのドットパターンが印刷可能であって、記入者によって記入可能な媒体であればよい。
【0038】
また、記入用紙40には、例えば、図2(A)に示すように、ドットパターンが形成(印刷)されている面に、マス目が形成されている。そして、記入用紙40は、電子ペン10により文字その他の形状が記入された際の当該電子ペン10のストロークがどの領域への記入によるものであるのかをデータ解析装置20において識別することが可能に形成されている。
【0039】
なお、ドットパターンは、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されており、問題文は、赤外線を吸収しないインクによって印刷されている。
【0040】
また、図2(A)に示す記入用紙40においては、記述方向は横書きとなっており、かつ、マス目が印刷されているが、記述方向は縦書きであってもよいし、マス目が印刷されていなくてもよい。
【0041】
さらに、本実施形態のデータ解析装置20は、例えば、図2(A)に示される記入用紙40を用いた場合には、図2(B)に示すように、当該記入用紙40に対応し、表示画面50に表示される文書データ(文書画像)を表示し、記入用紙40に記入された記入形状41を当該文書データに反映させることができるようになっている。
【0042】
[2.2]ドットパターン
次に、図4及び図5の各図を用いて本実施形態における記入用紙40に印刷されているアノト方式のドットパターン(コード化パターン)について説明する。なお、図4は、ドットパターンのドットとそのドットが変換される値との関係を説明する図であり、図5は、ドットパターンを説明するための図である。
【0043】
本実施形態のドットパターンの各ドットは、図4に示すように、その位置によって所定の値に対応付けられている。すなわち、ドットの位置を仮想格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右のどの方向にシフトするかによって、各ドットは、0〜3の値に対応付けられている。また、各ドットの値は、さらに、X座標用の第1ビット値及びY座標用の第2ビット値に変換できるようになっており、このようにして対応付けられた情報の組合せにより、記入用紙40上の位置座標が決定されるよう構成されている。
【0044】
図5(A)は、ある位置のドットパターンの配列を示している。図5(A)に示すように、縦横約2mmにおける範囲内に6×6の36個のドットが、記入用紙40上のどの部分から6×6ドットを取ってもユニークなパターンとなるように配置されている。そして、これら36個のドットにより形成されるドットパターンは、記入用紙40上における相対的な位置座標及びドットパターンアドレスを保持している。なお、図5(B)は、図5(A)に示す各ドットを、仮想格子の基準位置からのシフト方向によって、図4に示す規則性に基づいて対応づけられた値に変換したものである。この変換は、ドットパターンの画像を撮影する電子ペン10によって行われる。
【0045】
[3]構成
[3.1]電子ペン
次に、図6を用いて本実施形態における電子ペン10の構造とその動作について説明する。なお、図6は、本実施形態の電子ペン10の構造を示す概略図であるとともに、その機能を示すブロック図である。
【0046】
具体的には、電子ペン10は、図6に示すように、その筐体101の内部に、ペン部104と、LED105と、CMOSカメラ106と、圧力センサ107と、CPU等により構成されるプロセッサ108と、ROMやRAMといったメモリ109と、リアルタイムクロック110と、アンテナ等により構成される通信ユニット111と、バッテリー112と、を備える。
【0047】
ペン部104の先端は、ペン先部103となっており、ペン先部103は、文字などの記入又はタップを行う際に、ユーザによって記入用紙40に当接される。
【0048】
なお、ペン部104には、記入用紙40の性質上、消しゴムなどで消せるタイプのインクが充填されたインクカートリッジが装填されていることが好ましい。
【0049】
LED105及びCMOSカメラ106は、電子ペン10のペン先部103付近に取り付けられており、筐体101におけるLED105及びCMOSカメラ106と対向する部分には、開口部102が形成されている。
【0050】
LED105は、記入用紙40上のペン先部103近傍に向けて赤外線を照射する。赤外線が照射される領域は、ペン先部103が記入用紙40に接触する位置とはわずかにずれるように構成されている。
【0051】
CMOSカメラ106は、LED105によって照明された領域内における上述したドットパターンを撮影し、そのドットパターンの画像データをプロセッサ108に供給する。
【0052】
また、CMOSカメラ106による撮影領域は、図5(A)に示すような約2mm×約2mmの大きさを含む範囲であり、CMOSカメラ106の撮影は毎秒50〜100回程度の定間隔で行われる。
【0053】
なお、CMOSカメラ106の受光面側に、ノイズを低減して座標検出の信頼性を高めるため、赤外光を選択的に透過する赤外線透過フィルタを備えてもよい。
【0054】
また、ドットパターンは、上述のように、赤外線を吸収するカーボンを含有するインクによって印刷されているので、LED105によって照射された赤外線は、ドットの位置においては吸収される。したがって、ドットの部分は、赤外線の反射量が少なく、ドット以外の部分は赤外線の反射量が多くなる。
【0055】
このため、CMOSカメラ106の撮影により、赤外線の反射量の違いから閾値を設けることによって、カーボンを含むドットの領域とそれ以外の領域を区別することができるようになっている。
【0056】
圧力センサ107は、ユーザが電子ペン10により記入用紙40に文字などを記入したりタップしたりする際に、ペン先部103からペン部104を通じて与えられる圧力、すなわち、筆圧を検出し、その値をプロセッサ108へ伝送する。
【0057】
プロセッサ108は、圧力センサ107から与えられる筆圧のデータ(筆圧データ)に基づいて、電子ペン10のペンダウン(記入用紙40に接触してストロークが書き出しされること)及びペンアップ(接触している状態からペン先部103が離れること)を判定してLED105及びCMOSカメラ106のスイッチのオン/オフを切換える。
【0058】
すなわち、ユーザが電子ペン10によって記入用紙40に文字などを記入すると、ペン先部103に筆圧がかかり、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されるので、プロセッサ108は、ユーザが記入を開始したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106を作動させる。
【0059】
そして、ユーザが記入用紙40から電子ペン10を離すと、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧の検出がされなくなるので、その際には、プロセッサ108は、ユーザが1つの筆跡の記入を終了したと判定して、LED105及びCMOSカメラ106の作動を終了させる。
【0060】
一方、プロセッサ108は、ユーザによって記入用紙40に文字等のストロークが記入されている期間中、すなわち、圧力センサ107から与えられる筆圧データを検出中であって、LED105及びCMOSカメラ106のスイッチがオンの状態のときに、当該検出した筆圧データに基づいて、CMOSカメラ106によって供給される各画像データから、X、Y座標(以下、単に「位置座標」、「座標情報」又は「座標データ」ともいう。)及びドットパターンアドレスを個々に演算していく。
【0061】
特に、プロセッサ108は、CMOSカメラ106によって供給される、図5(A)に示されるようなドットパターンの画像データを、図5(B)に示すデータ配列に変換し、さらに、X座標ビット値及びY座標ビット値に変換して、そのデータ配列から所定の演算方法によりX及びY座標データ及びドットパターンアドレスを演算する。
【0062】
そして、プロセッサ108は、リアルタイムクロック110から発信される現在時刻と、筆圧データと、X,Y座標データ及びドットパターンアドレスとを関連付けて一の座標属性情報を生成する。
【0063】
なお、上述のように、記入用紙40における6×6のドットパターンは、記入用紙40内で重複することはないため、ユーザが電子ペン10で文字等のストロークを記入すると、記入された位置が記入用紙40のどの位置に当たるかを、プロセッサ108による座標演算により、ストロークに沿ってCMOSカメラ6により撮像されたドットパターンの記入用紙40における位置座標を特定することができるようになっている。
【0064】
メモリ109には、電子ペン10を識別するための「001」などのペンID(電子ペン10識別情報)、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン等のプロパティ情報が記憶されている。
【0065】
リアルタイムクロック110は、現在時刻(タイムスタンプ)を示す時刻情報を発信し、プロセッサ108に供給する。
【0066】
通信ユニット111は、座標属性情報にペンIDが関連付けられた各ストローク情報をデータ解析装置20に記入者の指示に基づいて送信する。特に、通信ユニット111は、Bluetooth(登録商標)などの無線送信によって、ストロークデータを、データ解析装置20の制御の下、当該データ解析装置20に送信する。
【0067】
バッテリー112は、電子ペン10内の各部材に電力を供給するためのものであり、例えば、電子ペン10のキャップ(図示せず)の脱着により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うように構成されている。
【0068】
[3.2]データ解析装置
次に、図7図9の各図を用いて本実施形態のデータ解析装置20について説明する。
【0069】
なお、図7は、本実施形態のデータ解析装置20の各機能を示すブロック図であり、図8及び図9は、それぞれ、本実施形態のデータ解析装置20内に設けられたストロークデータDB201及び記入用紙情報DB202に記録されるデータの一例を示す図である。
【0070】
本実施形態のデータ解析装置20は、図7に示すように、各種の情報が記録される記録装置200と、通信インターフェース(以下、「通信I/F」という。)210と、液晶パネル等により構成される表示部230と、表示部230への表示データを生成して表示部230を制御する描画データ生成部240と、手書き入力挿入処理を実行するデータ処理部250と、操作部260と、ROM/RAM270と、装置全体を制御する管理制御部280と、を有し、上記の各部は、バス21によって相互に接続されている。
【0071】
記録装置200は、HDD(Hard Disc Drive)、又は、SSD(Solid State Drive)により構成される。そして、記録装置200は、少なくとも、ストロークデータDB201と、記入用紙情報DB202と、を有している。
【0072】
ストロークデータDB201は、各電子ペン10から送付されたストロークデータが電子ペン10毎に記録されるデータベースである。例えば、ストロークデータDB201には、図8に示すように、
(1)ペンID
(2)座標情報((x、y)座標)
(3)座標毎のドットパターンアドレス(図5B参照)
(4)座標毎の筆圧データ
(5)座標毎の時刻情報
が記録される。
【0073】
なお、図8においては、座標情報に示される各座標(x、y)としては(x11,y11)などの所定の座標値が記録され、ドットパターンとしては、図5Bに示される値が記録される(図8のドットパターンの表記については省略)。また、筆圧データとしては、10段階のPP01〜PP10までの値が記録され、時刻情報としては日時が記録される。
【0074】
記入用紙情報DB202は、記入用紙40に形成された各マス目の座標領域が記憶されるデータベースである。例えば、記入用紙情報DB202には、図9に示すように、
(1)記入用紙40の識別情報(以下、「記入用紙ID」という。)
(2)各マス目の領域(座標領域)
が記録されている。
【0075】
なお、記入用紙ID及び各マス目の座標領域は、電子ペン10を用いて記入用紙40を使用する前に情報処理システム1の管理者などによって予め登録される。また、図9には、記入用紙ID「P001」における座標領域が記録されていることが示されている。
【0076】
通信I/F210は、Bluetooth(登録商標)等の無線インターフェースであり、図示しないアンテナを介して各電子ペン10とストロークデータの授受などを実行する。
【0077】
表示部230は、例えば、液晶素子または有機EL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、描画データ生成部240において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示する。
【0078】
描画データ生成部240は、表示部230に表示させるために必要な表示データを生成するようになっており、生成された表示データを表示部230に出力する。
【0079】
特に、描画データ生成部240は、データ処理部250の制御の下、手書き入力挿入処理の実行時に、所定の画像を表示するための表示データを生成して表示部230に供給する。
【0080】
データ処理部250は、ROM/RAM270に記録されている文書作成処理、ストロークデータを取得する処理(以下、単に「取得処理」という。)及び手書き入力挿入処理を実行するアプリケーションに基づいて、
(1)所定の書式を設定し、操作部260の操作に応じて文字、記号その他の形状をデータ化してデジタル形式の文書データを作成する文書作成処理
(2)各電子ペン10より、記入用紙40に記入者によって記入された各ストロークの座標を示す座標情報と当該各ストロークが記入された際の時刻を示す時刻情報とを含むストロークデータを取得する取得処理と、
(3)文書作成処理と連動し、取得したストロークデータに基づいて文書データの文書内に、手書き入力された文字その他の形状を、空白領域42を含めて文字認識を実行して挿入する手書き入力挿入処理と、
を実行する。
【0081】
特に、データ処理部250は、アプリケーションを実行することによって、受信したストロークデータの取得処理、及び、取得した各ストロークデータをそれぞれストロークデータDB201に記録する記録管理を含む各DBを管理するDB制御管理部251と、操作部260、表示部230及び描画データ生成部240と連動し、文書を作成して文書データの生成及び編集を行う文書編集処理部252と、文書データの編集中に、ストロークデータに基づいて空白領域42も含めて文字その他形状を認識し、文書データの文書内に空白スペース51を含めてテキストデータとして配置する文字認識部253と、を実現する。
【0082】
例えば、本実施形態のDB制御管理部251は、本発明の取得手段を構成し、文書編集処理部252は、文字認識部253とともに、本発明の文書編集手段を構成する。また、例えば、本実施形態の文字認識部253は、本発明の認識手段を構成する。
【0083】
DB制御管理部251は、各DBに対するデータの読み出し及び書き込みを管理する。特に、DB制御管理部251は、操作部260を介して該当する電子ペン10から保持されているストロークデータの送信指示を検出すると、通信I/F210を介して電子ペン10から保持されているペンID、座標情報、ドットパターンアドレス、筆圧データ及び時刻情報を有するストロークデータを受信(取得)する。
【0084】
また、DB制御管理部251は、ストロークデータを受信すると、受信したストロークデータに含まれるペンIDに基づいてストロークデータDB201を検索し、該当するペンIDに対応付けて座標情報、ドットパターンアドレス、筆圧データ及び時刻情報を当該ストロークデータDB201に記録する。
【0085】
文書編集処理部252は、操作部260と連動し、入力された文字又は線図などの文章や図形をデータ化してデジタル形式の文書データを生成及びその編集、さらには、図示しない印刷装置と連動して出力するワープロ機能を有している。また、文書編集処理部252は、作成した文書データ内に、写真その他の画像やグラフなどの各種のデータの挿入が可能であり、総合的なデジタル形式の文書データを作成する機能を有している。なお、本実施形態のワープロ機能については、従来と同様であるためその詳細の説明については省略する。
【0086】
文字認識部253は、取得されたストロークデータ(群)における各ストロークの座標情報及び時刻情報に基づいて、ストロークの記入方向を認識しつつ、文字認識を実行し、1以上の文字を認識する。
【0087】
また、文字認識部253は、ストロークの座標が時刻経過に伴って記録用紙40の右から左に移動している場合には、記入方向が横書きであると認識し、ストロークの座標が時刻経過に伴ってミクロ的に記入用紙40の右から左に移動し(1又は隣接するストロークが右から左に移動し)、かつ、マクロ的に記入用紙40の上から下(所定の時間間隔毎のストロークの座標が上から下)に移動している場合には、記入方向が縦書きであると認識する。ただし、文字認識部253は、記入者の指示に基づいて予め縦書き又は横書きが設定される場合には、当該情報を読み取って認識すればよい。
【0088】
なお、本実施形態の文字認識の手法については、従来と同様であるためその詳細の説明については省略する。
【0089】
一方、文字認識部253は、1文字以上の文字列を認識した場合に、認識された文字間に、予め定められた空白領域42が存在するか否かを判断し、空白領域42があると判断した文字間には1文字の空白スペース51を含める文字認識した文字列を特定する。
【0090】
すなわち、文字認識部253は、認識された文字(記入形状41)の記入位置と、当該文字(記入形状41)の記入位置と他の文字(記入方向において隣接する文字(記入形状41)との位置関係と、に基づいて、予め定められた空白領域42の有無を検出し、当該空白領域42があることを検出した場合には、当該位置に対応する文書データの位置に空白スペース51を挿入する。
【0091】
特に、文字認識部253は、認識された文字(記入形状41)の記入位置と、記入方向において当該文字の前段に隣接する文字又は当該文字の後段に隣接する文字との位置関係と、に基づいて予め定められた空白領域42の有無を検出する。
【0092】
具体的には、文字認識部253は、認識された各文字と記入方向の前段又は後段に隣接する文字間との間に認識した平均文字サイズ以上などの所定の空白領域42があるか否かを検出し、当該空白領域42がある場合には、当該文字間に1文字の全角又は半角の空白スペース51を挿入する。なお、本実施形態においては、記入者の指示に基づいて、予め全角の空白スペース51を挿入するか半角の空白スペース51を挿入するかを設定する。
【0093】
そして、文字認識部253は、認識した空白スペース51を含めて認識した1文字以上の文字列を予め設定された文書データ上の予め記入者によって設定された又は文書データや文書編集アプリで自動的に設定された挿入位置に配置する。
【0094】
なお、文字認識部253は、記入用紙40に座標情報を有するマス目が形成されている場合には、各マス目の座標領域に基づいて空白スペース51を特定し、該当する位置に空白スペース51を有する1以上の文字から構成される文字列を文書データの文書内に配置してもよい。
【0095】
この場合には、文字認識部253は、記録された記入用紙情報DB202を検索しつつ、ストロークデータ群の各ストロークに基づいて、マス目毎に文字(記入形状41)を認識し、時刻が一番早い最初のストロークが記入された先頭のマス目から時刻が一番遅い最後のストロークが記入された最後のマス目までの中から、いずれのストロークデータも記載されていないマス目(特定のマス目)の有無を検出する。
【0096】
そして、文字認識部253は、当該いずれのストロークデータも記載されていない特定のマス目を検出した場合には、当該マス目に空白領域42が存在すると判断し、文書データ内において該当するマス目の位置に空白スペース51を配置する。
【0097】
また、文字認識部253は、認識された各文字と記入方向後段に隣接する文字間との間に認識した平均文字サイズの2倍又はそれ以上の空白領域42がある場合には、2文字又はそれ以上の空白スペース51を配置してもよい。ただし、この場合で合っても、空白領域42の記入方向の前後にはストロークが形成されてなければ、文字認識部253は、空白領域42を空白スペース51として認識することができない。
【0098】
操作部260は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーなどの多数のキー又はタッチパネルにより構成され、ユーザが各操作を行う際に用いられるようになっている。例えば、操作部260は、ストロークデータの取得処理及び手書き入力挿入処理を実行する際に用いられる。
【0099】
管理制御部280は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、データ解析装置20の全般的な機能を総括的に制御する。
【0100】
ROM/RAM270は、データ解析装置20の管理及び制御に関するプログラム、ストロークデータの取得処理及び手書き入力挿入処理の実行するためのアプリケーション、並びに、各プログラムやアプリケーションの実行中にワークエリアとして用いられるとともに、データ解析装置20で実行される各処理において用いられるデータが記憶される。
【0101】
[4]本実施形態の動作
[4.1]電子ペンの動作
次に、電子ペン10よりデータ解析装置20へ送信されるストロークデータについて説明する。
【0102】
ユーザが電子ペン10を用いて記入用紙40にストローク(筆跡)を記入する際に、電子ペン10を記入用紙40に接触させると、圧力センサ107は、ペン先部103にかかる筆圧を検出する。
【0103】
このとき、プロセッサ108は、圧力センサ107によって所定値以上の筆圧が検出されたと判断すると、電子ペン10の記入用紙40への接触を示すペンダウン情報PDと、電子ペン10の識別情報であるペンID等とを関連付けたストロークデータを生成し、通信ユニット111を介して当該ストロークデータをデータ解析装置20に送信させる。
【0104】
また、ユーザによって、電子ペン10のペン先部103を記入用紙40に接触させた後、筆圧を維持しつつ、ペン先部103を移動させてストロークが描かれると、プロセッサ108は、ペンダウンした状態を維持しつつ、ペンID等を関連付けて
(1)演算により求めた座標情報(X,Y)及びドットパターンアドレスと、
(2)圧力センサ107により検出される筆圧データと、
(3)リアルタイムクロック110により発信された時刻情報と、
を含むストロークデータをCMOSカメラ106によるドットパターンの撮影周期(例えば70Hz〜80Hz)に応じて逐次生成する。
【0105】
そして、ユーザがストロークを描き終えて電子ペン10が記入用紙40から離され、圧力センサ107における筆圧が検出されなくなると、プロセッサ108は、電子ペン10の記入用紙40への離脱を示すペンアップ情報PUと、電子ペン10の識別情報であるペンID等とを関連付けたストロークデータを生成する。
【0106】
なお、プロセッサ108は、データ解析装置20から生成したストロークデータの送信指示を受信した場合には、通信ユニット111を介してそのストロークデータを、送信指示を受信するまでに複数のストロークデータが生成されている場合には、ストロークデータ群を、データ解析装置20に送信させる。
【0107】
[4.2]データ解析装置の動作(ストロークデータ取得処理を含む手書き入力処理)
次に、図10を用いてデータ解析装置20において実行されるストロークデータ取得処理を含む手書き入力挿入処理の動作について説明する。なお、図10は、データ解析装置20において実行されるストロークデータ取得処理を含む手書き入力挿入処理の動作を示すフローチャートである。
【0108】
本動作においては、所定の書式が設定された文書データにおいて記入者によって設定された挿入位置に電子ペン10に基づく手書き入力を挿入することを待機している状態であるものとする。
【0109】
また、本動作においては、既に、記入者によって、電子ペン10を用いて記入用紙40に手書き入力すべき文字その他の形状が記入されており、当該文字その他の形状が記入された際に生成された複数のストロークデータを有するストロークデータ群が電子ペン10内に保持されているものとする。
【0110】
さらに、本動作においては、電子ペン10は、Bluetooth(登録商標)のインターフェースを用いてデータ解析装置20と既に通信回線が確立しているものとし、認識された文字の文書データの文書内における挿入位置及び空白スペース51を挿入する際の全角か半角かを示す半角/全角設定が既にされているものとする。
【0111】
まず、DB制御管理部251は、操作部160を介して該当する電子ペン10から保持されているストロークデータの送信指示を検出すると(ステップS201)、通信I/F210を介して該当する電子ペン10に保持しているストロークデータの送信を指示する(ステップS202)。
【0112】
次いで、DB制御管理部251は、通信I/F210を介して該当する電子ペン10から送信されたストロークデータ群を受信すると(ステップS203)、当該受信したストロークデータ群に含まれる各ストロークデータからそれぞれペンID、座標情報、ドットパターンアドレス、筆圧データ及び時刻情報を抽出する(ステップS204)。
【0113】
また、このとき、DB制御管理部251は、抽出した各ストロークデータに含まれるペンIDに基づいてストロークデータDB201を検索し、該当するペンIDに対応付けて座標情報、ドットパターンアドレス、筆圧データ及び時刻情報を当該ストロークデータDB201に記録する。
【0114】
次いで、文字認識部253は、抽出した各ストロークの座標情報及び時刻情報に基づいて、ストロークの記入方向を認識しつつ、文字認識を実行し、1以上の文字を認識する(ステップS205)。
【0115】
具体的には、文字認識部253は、ストロークの座標が時刻経過に伴って記録用紙40の右から左に移動している場合には、記入方向が横書きであると認識し、ストロークの座標が時刻経過に伴って記入用紙40の右から左に移動し、かつ、記入用紙40の上から下に移動している場合には、記入方向が縦書きであると認識する。ただし、文字認識部253は、記入者の指示に基づいて予め縦書き又は横書きが設定される場合には、当該情報を読み取って認識すればよい。
【0116】
次いで、文字認識部253は、認識された文字間に、予め定められた空白領域42が存在するか否かを判断し、空白領域42があると判断した文字間には1文字の空白スペース51を含める認識した文字列を特定する(ステップS206)。
【0117】
具体的には、文字認識部253は、記入方向において認識された隣接する文字間において縦横のそれぞれにおいて所定の空白領域42があるか否かを検出し、当該空白領域42がある場合には、当該文字間に1文字の全角又は半角のスペースを挿入する。なお、本実施形態においては、記入者の指示に基づいて、予め全角の空白のスペースを挿入するか半角の空白スペース51を挿入するかを設定する。
【0118】
次いで、文字認識部は、認識した空白スペース51を含めて認識した1文字以上の文字列を予め設定された文書データ上の挿入位置に配置して(ステップS207)、本動作を終了させる。
【0119】
以上本実施形態の情報処理システム1は、本実施形態の情報処理システム1は、記入者の手書きなどによって記入された文字や線図その他の記入形状を文書データの文書内に挿入する際に、空白スペース51を含めて挿入することができるとともに、手書き入力で空白スペースを挿入した場合であっても、文書データにキーボードその他の入力デバイスを用いて入力しなければならない作業を不要にすることができるので、ユーザの利便性を向上させることができるようになっている。
【0120】
[5]変形例
[5.1]変形例1
上記実施形態の情報処理システム1においては、ドットパターンを有する記入用紙40と電子ペン10とを用いて記入者が記入した解答を、ストロークデータを介して取得して記録するようになっているが、タブレット型情報端末装置などのタッチセンサー付き表示パネルを有する電子デバイス12を用いて記入領域(電子的な記入用紙40)を提供し、当該記入領域へのタッチ入力によって記入者の記入形状41におけるストロークデータを取得し、手書き入力挿入処理を実行するようにしてもよい。
【0121】
具体的には、本変形例の情報処理システム11において、各電子デバイス12は、図11に示すように、記入用紙40の画像を表示する表示パネル13を有しており、タッチペン14を用いて記入領域の画像上に記入された各ストロークの表示パネル13上の座標を示す座標情報を含むストロークデータをBluetooth(登録商標)などの無線通信インターフェースを用いてデータ解析装置20に送信する構成を有している。
【0122】
なお、タッチペン13に替えて記入者の指を用いてもよいし、キーボードやマウスといった入力デバイスを用いてもよい。また、図11は、本変形例の情報処理システムにおける構成を示すシステム構成図である。
【0123】
[5.2]変形例2
上記実施形態においては、データ解析装置20が記録装置200を有し、当該記録装置200内に各データベースが設けられているが、データ解析装置20が、インターネットなどのネットワークを介して単一の記録装置又はそれぞれのデータベースに接続し、各データの登録お及びその検索を行うようにしてもよい。
【0124】
[5.3]変形例3
上記実施形態においては、電子ペン10が複数のストロークデータを内部に記録し、データ解析装置20の指示に基づいて記録された複数のストロークデータをストロークデータ群として送信するようになっているが、電子ペン10は、ストロークデータを取得すると、即時的かつ逐次的に当該取得したストロークデータを送信してもよい。
【0125】
この場合には、データ解析装置20は、記入者の指示に基づいて挿入すべき記入形状41を特定し、当該特定された記入形状41を構成するストローク群について手書き入力挿入処理を実行すればよい。なお、記入者の指示としては、データ解析装置20によって表示されたストロークデータに基づいて該当するストロークデータを特定してもよいし、挿入開始点及び挿入終了点を電子ペン10からタップなどによって通知させてもよい。
【符号の説明】
【0126】
1、11 … 情報処理システム
10 … 電子ペン
11 … 電子デバイス
12 … 表示パネル
13 … タッチペン
20 … データ解析装置
40 … 記入用紙
200 … 記録装置
230 … 表示部
240 … 描画データ生成部
250 … データ処理部
251 … DB制御管理部
252 … 文書編集処理部
253 … 文字認識部
260 … 操作部
270 … ROM/RAM
280 … 管理制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11