(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443005
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法
(51)【国際特許分類】
B41J 21/00 20060101AFI20181217BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20181217BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20181217BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20181217BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20181217BHJP
G03G 15/36 20060101ALI20181217BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
B41J21/00 Z
B65H37/04 Z
G03G15/00 432
B41J29/38 Z
B41J29/393 105
G03G15/36
G03G21/00 510
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-237344(P2014-237344)
(22)【出願日】2014年11月25日
(65)【公開番号】特開2016-97612(P2016-97612A)
(43)【公開日】2016年5月30日
【審査請求日】2017年10月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091926
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】本間 幹正
【審査官】
上田 正樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−087979(JP,A)
【文献】
特開2007−111999(JP,A)
【文献】
特開2008−158358(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0104358(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 21/00
B41J 29/38
B41J 29/393
B65H 37/04
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに、
前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記印刷前位置ずれを検知する片寄り検知部を有し、
前記制御部は、前記片寄り検知部の検知結果を受け、該検知結果に基づいて前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置を調整することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知する位置ずれ検知部を有し、
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記位置ずれが設定値として与えられていることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
【請求項9】
操作部を有し、
前記制御部は、前記操作部を通してユーザによって入力された入力値に基づいて前記位置ずれの設定値を定めることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記位置ずれ量を測定するためのチャートの出力が可能であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記画像形成部を経た用紙を主走査方向幅で断裁する断裁部を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする画像形成システム。
【請求項13】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに
前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする画像形成システム。
【請求項14】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知する位置ずれ検知部の検知結果を受け、
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする画像形成システム。
【請求項15】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする画像形成システム。
【請求項16】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする画像形成システム。
【請求項17】
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
前記画像形成部を経た用紙を主走査方向幅で断裁する断裁部と、を有することを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項18】
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項19】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、
前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする画像形成方法。
【請求項20】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、
前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに
前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項21】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、
前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知した結果を受け、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする画像形成方法。
【請求項22】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、
前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
さらに、前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする画像形成方法。
【請求項23】
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、
前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
さらに、前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする画像形成方法。
【請求項24】
前記画像形成部を制御するステップでは、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする請求項19〜23のいずれか1項に記載の画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、画像を印刷媒体に印刷する画像形成処理を目的とする画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、画像形成部で用紙に画像が印刷される際には、通常は、用紙サイズに応じた用紙位置基準で画像形成部に画像が書き込まれる。この場合、用紙の位置ずれがあればこれを考慮した書き込みが行われる。例えば、本来用紙が通るべき位置からXmmだけずれていると検出すれば、ずれがない場合の書き込み位置からXmm書き込み位置を移動し、書き込み開始位置を用紙サイズによる基準と片寄り量と余白量から決定する。以上により、搬送経路において紙の片寄りが発生した場合でも用紙上の意図した位置に画像を描画することができる。
図9は、用紙を搬送する際の用紙の搬送状態を示す図である。用紙Sは、例えば画像形成部に至るまでに片寄り検知センサ180で用紙の片寄りが検知されている。画像形成装置を制御する制御装置では、検知結果を受けて、画像形成部における画像Gの形成位置を用紙位置基準+片寄り量(Xmm)+用紙の余白量に応じて書き込み位置を決定する。
【0003】
また、画像形成装置本体から排紙された用紙は、後処理装置において各種の後処理がなされる場合がある。ここで、走査方向の大きさを整えるために用紙の天地などを、スリッターを用いて断裁する場合、ユーザーは画像外の不要な部分を断裁する。
しかし、画像形成部に至るまでに用紙の位置がずれて片寄りが生じたり、画像形成部からスリッターに至るまでの間に用紙の位置がずれたりする場合がある。
これに対し、後処理装置内などに整合板のような整合手段を設けることで、スリッター部に導入される用紙を適正な位置に修正することが可能となる。
図10は、搬送される用紙Sを整合板230によって主走査方向の用紙位置を修正し、その後、スリッター部240に用紙を導入することで、画像Gを印刷した用紙Sに対し、適正な位置(断裁スリッター240A、240B)で断裁を行うことを可能にしている。
一方、整合板を有しない場合、
図11に示すように、断裁によって画像Gの一部が欠損したり、余白残などが生じたりするおそれがある。
【0004】
また、後処理装置などに用紙の位置ずれを検知可能な検知部を設け、検知結果に基づいてスリッター部での断裁位置をリアルタイムに移動調整することも考えられる。
【0005】
また、特許文献1では、画像出力後の紙をスキャンすることで画像形成時のズレ量を算出し、オフラインでの断裁位置を調整する。ズレ量が規定量を超えた場合はジョブ出力を中止するものとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−52115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1で提案されている装置では、ジョブの内容によりスリッター部の断裁位置を調整などするものではなく、断裁位置と画像レイアウトとのずれを防止することはできず、リアルタイムでの調整を行うこともできない。
また、整合手段を設けることでスリッター部に致る用紙の位置ずれを解消することは可能であるが、整合手段を有しない装置では、新たに整合手段を設けることで装置コストが上昇してしまう。また、整合手段を有する場合、用紙に画像が適正位置に印刷されていないと整合を行っても画像を断裁位置に適正に合わせることができない場合がある。さらに、整合手段で用紙の表裏が反転されるなどしてスリッター部での断裁に支障が生じるため整合手段を使用したくない場合などもある。
さらに、位置ずれの検知後、スリッター部の断裁位置を調整可能とした装置では、位置ずれの検知後に即座に断裁位置を調整することは難しく、紙間が短いPP(プロダクトプリント)機などの機種では、リアルタイムで調整を行うことは事実上困難である。
【0008】
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、コストアップを招くことなく、断裁が有るジョブにおいても、ユーザーの意図する出力物を確実に得ることができる画像形成装置、画像形成システムおよび画像形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の画像形成装置のうち、第1の本発明は、ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする。
【0011】
第
2の本発明の画像形成装置は、
ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに、前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主
走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする。
【0012】
第
3の本発明の画像形成装置は、前記第
1または第2の本発明において、前記印刷前位置ずれを検知する片寄り検知部を有し、前記制御部は、前記片寄り検知部の検知結果を受け、該検知結果に基づいて前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置を調整することを特徴とする。
第4の本発明の画像形成装置は、ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知する位置ずれ検知部を有し、
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする。
第5の本発明の画像形成装置は、ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする。
第6の本発明の画像形成装置は、ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて前記画像形成部を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする。
【0013】
第
7の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
6の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とす
る。
【0014】
第
8の本発明の画像形成装置は、前記第
7の本発明において、前記制御部は、前記位置ずれが設定値として与えられていることを特徴とする。
【0015】
第
9の本発明の画像形成装置は、前記第
8の本発明において、操作部を有し、前記制御部は、前記操作部を通してユーザーによって入力された入力値に基づいて前記位置ずれの設定値を定めることを特徴とする。
【0016】
第
10の本発明の画像形成装置は、前記第
8の本発明において、前記制御部は、前記位置ずれ量を測定するためのチャートの出力が可能であることを特徴とする。
【0020】
第
11の本発明の画像形成装置は、前記第1〜第
10の本発明のいずれかにおいて、前記画像形成部を経た用紙を主走査方向幅で断裁する断裁部を備えることを特徴とする。
【0021】
第
12の本発明の画像形成システムは、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、前記制御部は、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする。
第13の本発明の画像形成システムは、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに
前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする。
第14の本発明の画像形成システムは、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知する位置ずれ検知部の検知結果を受け、
前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする。
第15の本発明の画像形成システムは、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする。
第16の本発明の画像形成システムは、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断し、前記ジョブの内容に応じて画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする。
【0022】
第
17の本発明の画像形成システムは、前記
第12〜16の本発明のいずれかにおいて、ジョブに基づいて画像を形成し、前記画像を印刷媒体に印刷する画像形成部と、前記画像形成部を経た用紙を主走査方向幅で断裁する断裁部と、を有することを特徴とする。
【0024】
第
18の本発明の画像形成システムは、前記第
12〜第
17の本発明のいずれかにおいて、前記制御部は、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする。
【0025】
第
19の本発明の画像形成方法は、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、
前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、
前記画像形成部における印刷媒体の位置基準と、前記主走査方向における断裁位置の情報とのいずれかを選択し、選択した内容に応じて前記画像形成部における画像の形成位置を決定することを特徴とする。
【0026】
第20の本発明の画像形成方法は、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、前記画像形成部を制御するステップでは、前記画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、さらに
前記制御部は、前記画像形成部に至る印刷媒体の主走査方向における印刷前位置ずれ量に基づいて、前記画像形成部に至るまでに前記印刷媒体の位置基準を調整することを特徴とする。
第21の本発明の画像形成方法は、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
前記印刷媒体が前記画像形成部から前記主走査方向断裁位置に至る間で、前記主走査方向における印刷媒体の位置ずれ量を検知した結果を受け、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする。
【0027】
第
22の本発明の画像形成方法は、
ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
さらに、前記書き込み位置において、少なくとも画像の一部が前記印刷媒体の印刷範囲外に印刷されると判定されるときは、その後の給紙を中止することを特徴とする。
第23の本発明の画像形成方法は、ジョブを受けて前記ジョブの内容を判断するステップと、前記ジョブの内容に応じて、画像を印刷媒体に印刷する画像形成部を制御するステップとを有し、前記画像形成部を制御するステップでは、画像形成部を経た印刷媒体が主走査方向幅で断裁される設定がなされている場合、前記印刷媒体の主走査方向における断裁位置の情報に応じて前記画像形成部における画像の書き込み位置を決定し、
さらに、前記ジョブが追い刷り印刷に関するものである場合、前記画像形成部における印刷媒体の位置基準によって前記画像形成部における画像の形成位置を決定する制御を行うとともに、前記印刷媒体の断裁位置を前記画像形成部における印刷媒体位置に応じて調整する制御指示を行うことを特徴とする。
第24の本発明の画像形成方法は、前記第19〜第23の本発明のいずれかにおいて、前記画像形成部を制御するステップでは、前記印刷媒体が前記主走査方向断裁位置に至るまでに生じる主走査方向における前記印刷媒体の位置ずれ量に基づいて、前記主走査方向における断裁位置の情報を調整することを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
以上説明したように、本発明によれば、ジョブの内容により画像形成部での書き出し位置を決定することで、断裁を行う場合でも、コストアップを招くことなく、ユーザーの意図する出力物が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本願発明の一実施形態における画像形成システムの概略構成を示す。
【
図2】本願発明の他の実施形態における画像形成システムの概略構成を示す。
【
図3】同じく、画像形成システムの機能ブロックを示す。
【
図4】同じく、断裁位置で画像の書き込みをした際の用紙と画像レイアウトとの関係を示す。
【
図5】同じく、断裁の有無による書き込み選択を含む出力手順を示すフローチャートである。
【
図6】同じく、断裁ありの際に、決定された書き込み位置によって画像レイアウトが用紙から外れた状態を示す。
【
図7】同じく、断裁の有無および画像レイアウトが用紙から外れるかの判定を含む出力手順を示すフローチャートである。
【
図8】同じく、追い刷り印刷の有無による判定を含む出力手順を示すフローチャートである。
【
図9】関連技術において用紙に画像形成を行う状態を示す概略図である。
【
図10】同じく、整合板によって用紙を整合して用紙の断裁を行う状態を示す概略図である。
【
図11】同じく、整合板による整合を行うことなく用紙の断裁を行う状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示す画像形成システム1は、画像形成を行う画像形成装置10と、画像形成装置で画像が形成された用紙のスリットを行う後処理装置20とが機械的および電気的に接続されており、画像形成装置10の上流側には、大容量給紙トレイ30が連結されている。
ただし、本発明としては画像形成システムの接続構成がこれに限定されるものではない。また、後処理装置は、画像形成装置に含まれているものであってもよく、画像形成装置に後処理装置を内蔵した構成とすることもできる。
【0031】
画像形成装置10における画像形成装置本体10Aは、上部側に原稿読み込み部の一部を構成する原稿給送装置(DF)14が設けられており、原稿給送装置(DF)14で給送される原稿は図示しないスキャナー部で画像読取が可能になっている。なお、原稿は、図示しないプラテンガラス上で読み込むこともできる。
また、画像形成装置本体10Aの上部側で、プラテンガラスが位置しない箇所に、操作部140が設けられており、操作部140には、LCD141が設置されている。LCD141はタッチパネルで構成されており、操作者による操作および情報の表示が可能になっている。LCD141は、操作部と表示部を兼用している。なお、操作部をマウスやタブレットなどで構成し、表示部とは別体で構成することも可能である。また、LCD141は移動可能となっているものであってもよい。
【0032】
画像形成装置本体10Aの下部側には、複数の給紙トレイ12(図では2段)が配置され、用紙が収納されて給紙可能になる。用紙は、本発明の印刷媒体に相当する。印刷媒体の種類は特に限定されない。
画像形成装置本体10A内には、いずれかの給紙トレイ12から給紙される用紙を搬送する搬送経路13が設けられており、搬送経路13の途中に、画像形成部151が設けられている。画像形成部151は、感光体151Aと、感光体151Aの周囲に配置した図示しない、帯電器、現像器、転写部、LD151B(
図3で図示)を有しており、さらに感光体151Aの下流側の搬送経路13には定着器151Cが配置されている。
【0033】
定着器151Cの下流側で、搬送経路13が伸長して反転搬送装置16の反転搬送経路17に接続されている。
画像形成部151では、帯電器により画像書込み前に感光体151Aの表面を一様に帯電し、LD151Bにより表面が一様に帯電された感光体151Aに半導体レーザを照射することにより感光体151Aに静電潜像を形成する。現像器は、LD151Bによって感光体151Aに形成された静電潜像をトナー部材によって現像する。この現像処理によって感光体151Aにトナー画像が形成される。転写部は、給紙トレイ12や大容量給紙トレイ30から搬送されてきた用紙に感光体151Aのトナー画像を転写する。トナー画像が転写された用紙は、感光体151Aから分離されて定着器151Cに搬送される。感光体151Aに残留したトナー部材は、図示しないクリーニング部によって除去される。
【0034】
定着器151Cは、搬送された用紙を加熱することにより用紙の表面側に転写されたトナー画像を出力画像として定着する。定着処理が施された用紙は、搬送経路13によってそのまま後処理装置20に搬送されるか、反転搬送装置16で表裏を反転した後、画像形成部151の上流側に環流して表裏反転された用紙の裏面に画像形成部151によって画像形成を行うことによって両面への印刷を行うことができる。なお、反転搬送経路17に用紙を送り、反転搬送装置16で反転した後、画像形成部151に送ることなく搬送経路13に戻して搬送することも可能である。
搬送経路13は、下流側で後処理装置20の搬送経路21に接続されている。
【0035】
後処理装置20は、用紙の整合と、走査方向幅での断裁とを行うことができる。
後処理装置20では、搬送経路21の中途で整合搬送経路22が分岐しており、整合搬送経路22の先端側に整合部23が設けられている。整合部23は、整合板(図示しない)などを用いて用紙の整合を行うものであり、その構成には既知のものを用いることができ、本実施形態としてはその構成が特に限定されるものではない。
搬送経路21では、整合搬送経路22に分岐することなくストレートで用紙を搬送することができ、搬送切り替えによって、ストレートでの用紙搬送と整合部23側への用紙搬送を切り替えることができる。
【0036】
搬送経路21が分岐した下流側の搬送経路21には、スリッター部24が介設されており、スリッター部24の下流側で、搬送経路21の下流端が排紙部25に接続されている。
スリッター部24は、搬送経路21を搬送される用紙の天地を断裁スリッター24A、24Bで断裁することができ、用紙のサイズによって断裁位置を変更することができる。また、用紙の位置ずれなどに対応して断裁位置を調整できる構成としてもよい。
なお、後処理装置では、整合部23を有しないものであってもよい。
図2は、整合部を有しない後処理装置20Aを備える画像形成システム1Aを示している。その他の構成は、
図1に示す画像形成システムと同様である。
また、画像形成装置本体10A内には、画像形成システム1、1Aを制御する全体制御ブロック部100を備えている。
【0037】
次に、画像形成システム1、1Aの制御ブロックを
図3に基づいて説明する。
制御ブロックは、画像形成装置10を主にした構成で示されている。
画像形成装置10は、主要な構成として、全体制御ブロック部100とスキャナー部130と操作部140とプリンター部150とLAN3を通して外部の機器(例えば端末2(PC))との間で入出力される画像データを処理する画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160とを有している。
【0038】
画像形成装置10は、またLAN4を通して、管理装置5と接続されているものであってもよい。LAN4は、本発明のネットワークの一部を構成し、かつ管理装置5が本発明の画像形成システムの一部を構成するものであってもよい。なお、本発明としては、画像形成システムにLAN4、管理装置5を含まないものであってもよい。
【0039】
全体制御ブロック部100では、制御CPU110を備えており、制御CPU110にDRAM制御IC111が接続されている。
制御CPU110には、判断部112、補正値記憶部113が接続されている。
前記判断部112には、制御CPU110を動作させるプログラムを有しており、ROMなどに当該プログラムが格納されている。判断部112では、前記プログラムが制御CPU110に読み取られることにより実行され、ジョブの内容を判断する。さらに制御CPU110では、ジョブの内容に応じて画像形成部を制御するとともに、画像形成部を経た用紙が主走査方向幅で断裁される設定がされている場合、用紙の主走査方向における断裁位置の情報に応じて画像形成部における画像の書き込み位置を決定する制御を行う。
補正値記憶部113は、不揮発メモリーなどを有しており、用紙の位置ずれによる画像形成部における用紙の位置基準やスリッター部24における断裁位置の情報を調整する補正値が格納されている。
制御CPU110は、画像形成装置10の全体を制御し、画像形成装置10全体の状態把握を行い、画像形成部151や搬送経路13、ラインセンサー18の読み取り結果を受信する。また、後処理
装置20におけるスリッター部24での断裁指示や用紙サイズに応じた断裁位置の指示を行う。制御CPU110、判断部112、補正値記憶部113は、本発明の制御部として機能する。
【0040】
スキャナー部130は、光学読み取りを行うCCD131と、スキャナー部130全体の制御を行うスキャナー制御部132とを備えている。スキャナー制御部132は、制御CPU110に接続されており、制御CPU110による制御を受ける。なお、スキャナー制御部132は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。前記CCD131で読み取った画像情報は、読み取り処理部116でデータ処理がなされる。読み取り処理部116には、DRAM制御IC111に接続されており、読み取り処理部116でデータ処理された画像データはDRAM制御IC111に送信される。
【0041】
操作部140は、タッチパネル式のLCD141と、操作部制御部142とを備えており、上記LCD141と操作部制御部142とが接続され、該操作部制御部142と前記制御CPU110と、がシリアル通信可能に接続されている。該構成によって操作部140の制御が制御CPU110によって行われる。なお、操作部制御部142は、CPUやこれを動作させるプログラムなどによって構成することができる。
【0042】
DRAM制御IC111は、画像メモリー114に接続されている。該画像メモリー114には、前記スキャナー部130で取得した画像情報やLAN3などを通して取得した画像情報や印刷条件、ファイル情報などが格納される。上記のように画像メモリー114は、画像情報や印刷条件、ファイル情報の記憶領域であり、印刷するジョブの情報を格納する。
また、DRAM制御IC111には、HDD115(ハードディスク)が接続されており、データを不揮発に記憶することができる。HDD115には、スキャナー部130で取得した画像情報や画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160に接続された端末2などにより生成された画像情報などを保存することができる。HDD115に、動作パラメータなどを格納するようにしてもよい。
【0043】
さらにDRAM制御IC111には、書き込み処理部117が接続されている。該書き込み処理部117は、プリンター部150のLD151Bに接続され、該LD151の動作に用いられるデータの処理を行う。また、プリンター部150は、プリンター部150の全体を制御するプリンター制御部152を備えており、該プリンター制御部152は、前記した制御CPU110に接続されて制御を受ける。
【0044】
画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、DRAM制御IC161に、DRAMなどで構成される画像メモリー162が接続されている。また、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160では、共通バスに前記DRAM制御IC161と、画像処理部(プリント&スキャナーコントローラー)160全体の制御を行うコントローラー制御CPU163、LANインターフェース165が接続されている。LANインターフェース165は、LAN3に接続される。
【0045】
また、制御CPU110には、外部との間で通信を行う通信部120の全体を制御する通信制御部121が接続されており、通信部120に含まれるNIC122(ネットワークインターフェースカード)を通してLAN4に接続可能とされている。通信制御部121は、制御CPU110の動作指令によって動作し、予め定められた通信手順によって制御CPU110から受け渡される画像情報や指示情報、画質パラメータなどのデータを、NIC122を通してLAN4に送出し、またLAN4から送られる画像情報や指示情報などのデータを、NIC122を通して受信し、制御CPU110に送出する。
図では、LAN4に管理装置5が接続された状態を示しており、該管理装置5によって、画像形成装置10の管理を行うことができる。なお、本発明としては、管理部を有しないものであってもよい。
【0046】
また、図示していないが、制御CPU110には、ラインセンサー18が制御可能に接続されており、ラインセンサー18の動作を制御するとともに、ラインセンサー18で読み取られた画像の読み取り結果を受信し、搬送経路13を搬送される用紙の片寄りを検知する。制御CPU110では、検知結果に基づいて画像形成部151における用紙位置基準を補正する。補正値は、補正値記憶部113に一旦格納される。
なお、この実施形態では有していないが、片寄りを生じた用紙の位置を修正する片寄り修正部を有するものであってもよい。片寄り修正部には、主走査方向に揺動するローラやレジストローラ等を用いることができる。
また、画像形成装置外で画像読み取りを行う場合、読み取り結果はネットワークを通して取得してもよく、また、操作部140を通して入力するようにしてもよい。
【0047】
次に、画像形成装置10の基本的動作について説明する。
先ず、画像形成装置10において画像情報を蓄積する手順について説明する。
画像形成装置10において、スキャナー部130で原稿の画像を読み取り画像情報を生成する場合、スキャナー部130において原稿からCCD131により原稿の画像を光学的に読み取る。この際には、制御CPU110から指令を受けるスキャナー制御部132によってCCD131の動作制御を行う。CCD131で読み取られた画像は、読み取り処理部116でデータ処理がなされ、データ処理された画像情報は、DRAM制御IC111を介して画像メモリー114やHDD115に格納される。画像メモリー114やHDD115に格納された画像情報や印刷情報は、制御CPU110によってジョブとして管理することができる。
【0048】
画像情報および印刷情報を外部から取得する場合、例えば、端末2などからLAN3を通して送信されるジョブ情報は、LANインターフェース165を介してDRAM制御IC161により画像メモリー162に格納される。
画像メモリー162の印刷データは、コントローラー制御CPU163の制御によって、DRAM制御IC161、PCIバス112、DRAM制御IC111を介して画像メモリー114やHDD115に格納される。印刷データがページ記述データである場合、コントローラー制御CPU163によってRIP処理により印刷データをラスターイメージとすることができる。
また、画像情報および印刷情報は、NIC122を通して、管理装置5や他の画像形成装置から取得することができる。ジョブ情報は、DRAM制御IC111を介して画像メモリー114やHDD115に一旦格納される。
【0049】
画像メモリー114に格納された画像情報は、DRAM制御IC111を介して圧縮処理され、DRAM制御IC111を介して画像メモリー114に格納される。また、HDD115に格納する場合、DRAM制御IC111を介して圧縮し、HDD115に格納する。これらジョブ情報は、上記と同様に制御CPU110による管理がなされる。ジョブ管理では、印刷条件が設定され、画像メモリー114およびHDD115において画像情報と関連付けて格納される。
印刷条件は、プリントモード、用紙情報、給紙トレイ、排紙先、後処理条件などの情報などを有しており、具体的には、出力画像の画素数、カラー・モノクロの別、片面・両面の別、色調調整、用紙サイズ、用紙の向き、用紙の種類(紙種、斤量、用紙の色など)、給紙トレイの選択、後処理装置における整合の有無、断裁の有無などが挙げられる。
なお、印刷条件は、操作部140を通してユーザーが設定したり、初期設定や動作状況によって制御部により自動的に設定されたりする。
【0050】
画像形成装置10で画像出力を行う場合、すなわち複写機やプリンターとして使用する場合、画像メモリー114に格納された印刷データを用いる場合、画像情報を、DRAM制御IC111を介してデータを伸長する。HDD115に格納された画像情報を用いる場合は、HDD115の印刷データを、DRAM制御IC111を介してデータを伸長する。伸長した画像情報を書き込み処理部117に送出し、画像情報に関連付けた印刷情報に従って画像形成部151において感光体151Aへの書き込みを行う。
【0051】
プリンター部150では、制御CPU110の指令を受けたプリンター制御部152によって各部の制御が行われる。この際には、印刷条件が参照されてその内容に基づく制御が行われる。画像形成部151では、制
御CPU110で指定された書き込み位置で各感光体に書き込まれたトナー像が、給紙トレイ12によって供給される用紙に転写され、定着器151Cで定着がなされる。感光体151Aでは、図示しないクリーニング部によって残留トナーが除去される。用紙は、搬送経路13によって下流側に排紙される。また、用紙の両面に印刷する場合、定着器151Cを抜けた用紙を反転搬送経路17に送り、反転搬送装置16で反転した後,感光体151Aの上流側で搬送経路13に戻して裏面側に画像を形成する。また、プリンター制御部152には、後処理装置20または後処理装置20AのFNS制御部200が制御可能に接続されている。制御CPU110による後処理指令は、プリンター制御部152を介してFNS制御部200に送信され、FNS制御部200を通して後処理部の制御(例えば整合や断裁など)が行われる。
【0052】
なお、感光体151Aへの画像の書き込みでは、後述する断裁位置または用紙の位置基準に従った位置で書き込みが行われる。用紙の位置基準に従って書き込みがなされる場合、ラインセンサー18で検知された用紙の片寄り結果は、補正値記憶部113に格納されており、制御CPU110では、格納結果を読み出して用紙の位置基準を補正する。
制御CPU110では、例えば初期設定において、スリッター部24で用紙の断裁を行う場合は、感光体151Aでは、用紙の断裁位置に従って書き込み位置を決定し、スリッター部24で用紙の断裁を行わない場合は、感光体151Aでは、用紙の断裁位置に従って書き込み位置を決定することができる。これらは初期設定で決定されていてもよく、操作部140に選択可能に表示し、ユーザーが選択できるようにしてもよく、ジョブ情報として書き込み位置を指定する内容を含むようにしてもよい。
また、画像の書き込み位置の決定は、画像形成装置10に備える制御CPU110で制御する他、端末2による制御や、管理装置5による制御により行うようにしてもよい。
【0053】
画像形成部151で画像が印刷された用紙は、搬送経路13を通して後処理装置20または後処理装置20Aに送られ、後処理装置内の搬送経路21で搬送される。印刷条件として、整合処理が指定されている場合、整合搬送経路22に用紙が搬送され整合部23で整合がなされる。整合処理の指定がされていない場合は、整合搬送経路22に至ることなくストレートで用紙を搬送する。
また、印刷条件として断裁の指定がされている場合、予め制御CPU110によって用紙サイズに応じた指令がなされており、用紙サイズに対応した位置でスリッター部24の断裁位置が設定されている。断裁の指定があると、スリッター部24では、予め設定した断裁位置で用紙を断裁する。断裁の指定がない場合、スリッター部24での断裁を行うことなく用紙を搬送する。スリッター部24での断裁または通過をした用紙は、搬送経路21を通して排紙部25に排紙される。断裁の指定がある場合、整合部を有する装置では、整合部での整合を行わないように設定してもよい。
スリッター部24で用紙の断裁を行う場合、画像形成部151では、断裁位置情報に基づいて書き込み位置が決定されていると、断裁の際に、断裁位置に対し画像が適正な位置に配置されており、ユーザーが意図する印刷物を確実に得ることができる。斯かる効果は、整合部の動作に拘わらず得ることができ、整合部を有しない装置においても同様の効果が得られ、断裁を行う場合にも断裁を行わない場合と同様に、ユーザーが意図する良好な印刷物が得られる。
【0054】
図4は、画像形成部151に至る用紙Sの片寄りがラインセンサー18で読み取られるとともに、スリッター部24の断裁スリッター24A、24Bの位置に基づく断裁位置によって画像形成部151の画像形成位置を決定した画像Gの位置を示している。この用紙をスリッター部24で断裁する際に、画像Gが断裁位置に応じた位置にあるので、断裁後に、ユーザーが意図する出力物を確実に得ることができる。この際に、後処理装置に整合部を有する場合にも、整合部を動作させることなく適正な出力物が得られる。なお、整合部を動作させる場合も本発明の範囲内である。
すなわち、断裁に際しては、用紙のどこに画像があっても問題なく、断裁後、画像欠損がなければよい。
一方、断裁しないジョブの場合は、断裁位置基準で書き込み位置を決定した場合、用紙毎の片寄り量が異なるので、用紙上の画像位置がばらばらになってしまう。そこで、断裁を実施する場合は断裁位置基準で書き込み位置を決定し、断裁をしない場合は用紙基準と片寄り量で書き込み位置を決定することができる。
【0055】
上記動作を得るための画像形成方法の手順を
図5のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU110の制御によって実行される。
ジョブの内容の判断に際し、断裁があるかの判定がなされる(ステップs1)。
断裁があれば(ステップs1、Yes)、スリッター部における断裁位置の基準で画像形成部における画像の書き込み位置を決定し(ステップs2)、用紙への印刷を行い(ステップs4)、処理を完了する。
断裁がなければ(ステップs1、No)、用紙基準とラインセンサー18で検知された片寄り量とによって用紙基準を補正し、補正された用紙基準に基づいて画像形成部151に対する書き込み位置を決定し(ステップs3)、用紙への印刷を行い(ステップs4)、画像形成装置での処理を完了する。
【0056】
上記の画像形成位置の決定方法を示すと、表1の関係が示される。すなわち、断裁の有無によって画像形成の位置が決定され、適切な画像形成位置が選択されている。
【0058】
上記では、断裁の際に、断裁位置基準で画像形成部での画像書き込み位置を決定するものとしたが、用紙の位置によっては画像が想定領域内に位置しない場合が生じ得る。
断裁を実施するジョブの場合、断裁位置基準で書き込み位置を決定することで整合部のコストを下げ、かつユーザーの所望する出力物を得ることができるが、用紙の片寄りが大きい場合は用紙外に画像データをレイアウトしてしまうことがある。
そこで、スリッター基準で決定した書き込み位置と画像幅、片寄り量と用紙幅から画像が用紙外にレイアウトされているかを判断し用紙外と判断した場合はその後の給紙を止め、異常出力があった旨の警告を操作部に表示するようにしてもよい。
用紙外にレイアウトされると判断された用紙と機内の用紙は画像形成され排紙されるが、一旦印刷を止めることでユーザーは出力物を確認し、異常であったページを再度出力するかを判断することが可能となる。
【0059】
図6は、用紙の片寄り量が大きく、断裁位置基準<(画像サイズによる用紙基準+片寄り量)となり、用紙外に画像がレイアウトされてしまう状態を示している。また、(断裁位置基準+画像幅)>(用紙サイズによる用紙位置基準+片寄り量+用紙幅)になる場合も、画像が用紙外にレイアウトされてしまい、所望の印刷物を得ることができない。
【0060】
以下に、画像が用紙のレイアウト外になる場合の処理を含む手順を
図7のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU110の制御によって実行される。
ジョブの内容の判断に際し、断裁があるかの判定がなされる(ステップs10)。
断裁がなければ(ステップs10、No)、用紙基準とラインセンサー18で検知された片寄り量とによって用紙基準を補正し、補正された用紙基準に基づいて画像形成部151に対する書き込み位置を決定し(ステップs16)、用紙への印刷を行い(ステップs17)、処理を完了する。
【0061】
断裁があれば(ステップs10、Yes)、スリッター部における断裁位置の基準で画像形成部における画像の書き込み位置を決定し(ステップs11)、該書き込み位置で画像レイアウトが用紙外かを判定する(ステップs12)。
画像レイアウトが用紙外でなければ(ステップs12、No)、スリッター基準位置で書き込まれた画像によって用紙への印刷を行い(ステップs17)、処理を完了する。
画像レイアウトが用紙外の場合(ステップs12、Yes)、その状態で用紙への印刷を行う(ステップs13)。この用紙は、画像が適正に印刷されておらず、ヤレ紙として扱う。さらに、以降の給紙を停止し(ステップs14)、パネル(操作部140)に異常を表示し、処理を終了する。
【0062】
なお、断裁ありの場合、画像形成位置は断裁位置に基づいて決定しており、画像形成部からスリッター部までの搬送経路で用紙の位置ずれが生じないことを前提にしている。しかし、画像形成部から断裁位置まで用紙が搬送される際に用紙の位置ずれが生じる場合があり、その場合には、断裁位置に基づいて画像形成部で書き込みを行っても、用紙の位置ずれによって実際の断裁位置と、画像レイアウトとがずれて意図する出力物が得られない可能性がある。このような状況を回避するため、用紙の位置ずれに基づいて断裁位置情報を補正し、補正した断裁位置情報に基づいて書き込み位置を決定する。すなわち、(断裁位置基準+画像形成部から断裁位置に至る間の用紙の位置ずれ)によって画像形成部における書き込み位置を決定する。
断裁位置での書き込み位置の補正は、原稿出力、スリッター後出力物で余白の残量から計算し((用紙基準+片寄り量+余白量)−残余白量)、操作部140から入力し保存すればよい。また、断裁後の用紙をスキャンし、自動で補正量を算出するようにしてもよい。
【0063】
用紙の位置ずれは、想定される位置ずれ量を補正値記憶部113に格納しておき、制御CPU110で必要に応じて読み出して書き込み位置の決定に用いることができる。想定される位置ずれ量は、機種の傾向などに基づいて初期設定として設定されているものでもよく、また、位置ずれ量を測定するためのチャートを出力して、その値によって位置ずれ量を把握するようにしてもよい。測定結果を設定する場合、操作部140を通してユーザーが測定値を入力して、補正値記憶部113などに格納することができる。チャートとしては、主走査方向にメモリーがあるもの等を用い、スリッター部を通して断裁し、得られた出力結果から目視でズレ量を確認することができる。
【0064】
さらに、スリッター部に至る搬送経路13や搬送経路21に用紙の位置ずれを検知する位置ずれ検知部を配置して、画像形成部151からスリッター部24に至る用紙の位置ずれを検出することができる。なお、位置ずれ検知部は、できるだけスリッター部に近い位置に設置するのが望ましい。位置ずれ検知部としては、ラインセンサーなどの既知の構成を用いることができる。
なお、画像形成部151に至るまでの用紙の位置ずれがあると、位置ずれ検知部の検知結果と、画像形成部に至る用紙の位置ずれを検知する片寄り検知部の検知結果の差分をとることで、画像形成部151からスリッター部24に至る用紙の位置ずれを知ることができる。また、画像形成部151に至る用紙の位置ずれが位置ずれ修正部などで修正されている場合は、位置ずれ検知部の検知結果のみによって画像形成部151からスリッター部24に至る用紙の位置ずれが把握される。
検知結果によって位置ずれが検知される場合、その後、書き込みが行われるページ以降において断裁位置基準を補正することができる。
【0065】
また、追い刷り印刷の場合、断裁位置に基づいて画像形成部で書き込み位置を決定すると、既に印刷されている印刷物と、その後に印刷される画像とがずれて意図する出力物が得られないおそれがある。追い刷り印刷とは、予め印刷がされている用紙に対し、さらに画像を印刷するものである。
追い刷り印刷のジョブの場合、給紙される用紙上に画像があるため、用紙のどこに画像があってもよい、ということにはならず、用紙位置基準により書き込み位置を決定せざるを得ない。そこで、追い刷り印刷ジョブの場合は用紙位置基準で書き込み位置を決定し、用紙位置に合わせてスリッター位置を制御する。スリッター位置の移動には時間が掛かるため、後処理装置の搬送速度を遅らせるようにしてもよい。また、追い刷り印刷ジョブの場合は本体への給紙間隔(紙間)も広げるようにしてもよい。
【0066】
以下に、追い刷り印刷の有無によって書き込み位置を変える処理手順を
図8のフローチャートに基づいて説明する。以下の手順は、制御CPU110の制御によって実行される。
【0067】
ジョブの内容の判断に際し、断裁があるかの判定がなされる(ステップs20)。
断裁がなければ(ステップs20、No)、用紙基準とラインセンサー18で検知された片寄り量とによって用紙基準を補正し、補正された用紙基準に基づいて画像形成部151に対する書き込み位置を決定し(ステップs22)、用紙への印刷を行い(ステップs23)、処理を完了する。
【0068】
断裁があれば(ステップs20、Yes)、追い刷り印刷かを判定する(ステップs21)。追い刷り印刷か否かはジョブの内容やユーザーによる設定により把握することができる。
追い刷り印刷の場合(ステップs21、Yes)、用紙基準とラインセンサー18で検知された片寄り量とによって用紙基準を補正し、補正された用紙基準に基づいて画像形成部151に対する書き込み位置を決定し(ステップs22)、用紙への印刷を行い(ステップs23)、処理を完了する。
追い刷り印刷でない場合(ステップs21、No)、断裁位置基準で書き込み位置に決定する(ステップs24)。この際に、画像形成部151からスリッター部24に至る用紙の位置ずれを考慮して断裁位置基準を補正したものであってもよい。書き込み位置決定後、用紙への印刷を行い(ステップs23)、処理を完了する。
【0069】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが,本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が当然に可能である.
【符号の説明】
【0070】
1 画像形成システム
1A 画像形成システム
2 端末
3 LAN
4 LAN
5 管理装置
10 画像形成装置
10A 画像形成装置本体
20 後処理装置
20A 後処理装置
21 搬送経路
22 整合搬送経路
23 整合部
24 スリッター部
24A 断裁スリッター
24B 断裁スリッター
110 制御CPU
151 画像形成部
112 判断部
113 補正値記憶部