(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記MOSFETのドレイン電極は、前記MOSFETの半導体層とショットキーバリアダイオードを形成しており、前記ショットキーバリアダイオードが前記第2のダイオードとして機能する
請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0012】
図1は、第1実施例における半導体パッケージ300中の半導体装置100を示す図である。半導体パッケージ300は、半導体装置100を有する。本例の半導体装置100は、1つのディスクリート半導体としてパッケージの中に設けられてよいし、
図2のように半導体モジュール200として構成されてもよい。半導体装置100は、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30を有する。
【0013】
MOSFET10は、ゲート12、ソース14およびドレイン16を有する。なお、ゲート12はゲート端子22に電気的に接続される。MOSFET10は、ソース14およびドレイン16間に内蔵ダイオード11を有する。内蔵ダイオード11のアノードはMOSFET10のソース14に電気的に接続し、内蔵ダイオード11のカソードはMOSFET10のドレイン16に電気的に接続する。
【0014】
MOSFET10は、少なくともチャネル部にSi、SiCおよびGaNのいずれかを有してよい。MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30を一体形成(モノリシック形成)してもよい。また、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30をそれぞれ個別のディスクリート半導体としてもよい。
【0015】
半導体装置100は、第1のダイオード20を備える。第1のダイオード20は、内蔵ダイオード11よりも逆回復時間が短いダイオードである。本例の第1のダイオード20は、半導体と金属とのショットキー接合を有するショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diode(以下、SBDと略記する。))であってよい。第1のダイオード20は、SiCと金属とのSBDであってよい。また、第1のダイオード20は、GaNと金属とのSBDであってもよい。なお、逆回復時間が短いとは、逆回復動作が高速であることを意味する。本例では、第1のダイオード20の逆回復時間が短いので、半導体装置100の逆回復動作が高速となる。
【0016】
半導体装置100は、ソース14に接続したソース側電流経路18およびドレイン16に接続したドレイン側電流経路19を有する。第1のダイオード20は、ソース側電流経路18にアノードが接続し、ドレイン側電流経路19にカソードが接続する。本例では、第1のダイオード20のアノードは、ソース端子24に電気的に接続する。また、第1のダイオード20のカソードは、ドレイン端子26に電気的に接続する。つまり、第1のダイオード20は、内蔵ダイオード11に並列に接続する。
【0017】
ソース側電流経路18は、MOSFET10のソース14とMOSFET10に電気的に接続されるソース端子24との間の電気経路である。ソース側電流経路18には、後述のソース電極が含まれてもよい。これに限定されるものではないが、ソース14は後述のソース電極であってもよい。
【0018】
ドレイン側電流経路19は、MOSFET10のドレイン16とMOSFET10に電気的に接続されるドレイン端子26との間の電気経路である。ドレイン側電流経路19には、後述のドレイン電極が含まれてもよい。
【0019】
MOSFET10の通常動作時には、ドレイン端子26からMOSFET10を経てソース端子24に電流が流れる。これに対して、逆回復動作時にはソース端子24からドレイン端子26に電流が流れる。
【0020】
逆回復動作時に、ソース端子24から内蔵ダイオード11を経てドレイン端子26に電流が流れると、逆回復動作が低速となる。それゆえ、逆回復動作時には、ソース端子24から第1のダイオード20を経てドレイン端子26に電流を流すことが望まれる。これを実現するべく、半導体装置100は、第2のダイオード30を備える。
【0021】
第2のダイオード30は、逆回復動作時に内蔵ダイオード11を動作させないために設けられたダイオードである。第2のダイオードの耐圧は、第1のダイオード20の順電圧よりも大きい。それゆえ、ドレイン端子26とソース端子24との間の電位差が、第1のダイオード20の順方向に電流が流れ始める電位差である場合、ソース端子24から内蔵ダイオード11を経てドレイン端子26に至る電気経路には電流が流れない。
【0022】
第2のダイオード30は、ドレイン側電流経路19において、MOSFET10のドレイン16にカソードが接続し、かつ、第1のダイオード20のカソードにアノードが接続する。代替的に、第2のダイオード30は、ソース側電流経路18において、MOSFET10のソース14にアノードが接続し、かつ、第1のダイオード20のアノードにカソードが接続してもよい。本例において、第2のダイオード30は、ドレイン側電流経路19に設けられる。
【0023】
なお、第2のダイオード30のカソードがドレイン端子26に接続する場合、内蔵ダイオード11に電流を流さないようにする目的が達せられないのは自明である。また、第2のダイオード30のアノードがソース端子24に接続する場合も同様に、内蔵ダイオード11に電流を流さないようにする目的が達せられない。本願は、このような第2のダイオード30の接続関係を含むものではない。
【0024】
第2のダイオード30の耐圧は第1のダイオード20の耐圧よりも小さくてよい。さらに、第2のダイオード30の耐圧はMOSFET10の内蔵ダイオード11の耐圧よりも小さくてよい。つまり、第2のダイオード30は低耐圧のダイオードでよい。低耐圧のダイオードは、半導体と金属とのショットキー接合を有するSBDであってよい。具体的には、低耐圧のダイオードは、シリコンと金属とを接合したSBDであってよい。また、低耐圧のダイオードは、SiCと金属とを接合したSBDまたはGaNと金属とを接合したSBDであってもよい。
【0025】
本例の半導体装置100は、逆回復動作時においてMOSFET10の内蔵ダイオード11は通電させず、かつ、第1のダイオード20を通電させることができる。したがって、MOSFET10を採用しつつも逆回復動作が可能である。加えて、MOSFET10の特性である高速動作も利用することができる。
【0026】
なお、MOSFET10のチャネル部がSiCを有する場合、内蔵ダイオード11もSiCで構成される。内蔵ダイオード11はチャネル部近傍のpn接合により構成される。内蔵ダイオード11に電流が流れると、SiCの結晶欠陥が増えることが知られている。したがって、内蔵ダイオード11に電流が流れるとチャネル部の結晶欠陥も増える。これにより、オン電圧が増加するという問題がある。本例の半導体装置100では、内蔵ダイオード11に電流を流さない。したがって、当該チャネル近傍の結晶欠陥に起因するオン電圧増加の問題を解消することができる。
【0027】
MOSFET10のチャネル部がSiCまたはGaNを有する場合、内蔵ダイオード11に電流が流れると、内蔵ダイオード11は青色の光を発光する。内蔵ダイオード11の発光により、MOSFET10のゲート絶縁膜の膜質が変化する。これにより、MOSFET10の特性が劣化するという問題がある。本例の半導体装置100では、内蔵ダイオード11に電流を流さない。したがって、内蔵ダイオード11の発光に起因するMOSFET10の特性が劣化する問題を解消することができる。
【0028】
図2は、半導体パッケージ310中の半導体モジュール200を示す図である。本例では、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30の各々がディスクリート半導体として設けられる。また、第1実施例の半導体装置100に相当する半導体装置が、1つの半導体モジュール200として半導体パッケージ310の中に設けられる。係る点が、第1の実施例と異なる。但し、半導体モジュール200の機能は、第1実施例の半導体装置100と同じである。
【0029】
半導体モジュール200は、基板40と、基板40に載置された金属基板41および金属基板45を有する。半導体モジュール200は、半田59により金属基板41に導通されるMOSFET10および第2のダイオード30、ならびに、半田59により金属基板45に導通される第1のダイオード20を有する。また、半導体モジュール200は、ゲート端子22、ソース端子24、ドレイン端子26を有する。
【0030】
MOSFET10は、金属基板41に載置される。MOSFET10は、ゲートパッド42およびソースパッド44を有する。ゲートパッド42は、MOSFET10のゲート12に電気的に接続した導電部材であってよい。ゲートパッド42は、導電ワイヤ52を介してゲート端子22に接続する。
【0031】
ソースパッド44は、MOSFET10のソース14に電気的に接続した導電部材であってよい。ソースパッド44は、複数の導電ワイヤ54を介してソース端子24に接続する。MOSFET10のドレイン16は、半田59を介して金属基板41に電気的に接続する。
【0032】
第2のダイオード30は、金属基板41に載置される。第2のダイオード30は、ドレインパッド46を有する。ドレインパッド46は、第2のダイオード30のアノードに電気的に接続した導電部材であってよい。ドレインパッド46は、導電ワイヤ56を介して金属基板45に電気的に接続する。第2のダイオード30のカソードは、半田59を介して金属基板41に電気的に接続する。
【0033】
第1のダイオード20は、金属基板45に載置される。第1のダイオード20は、ソースパッド48を有する。ソースパッド48は、第1のダイオード20のアノードに電気的に接続した導電部材であってよい。ソースパッド48は、複数の導電ワイヤ58を介してソース端子24に電気的に接続する。第1のダイオード20のカソードは、半田59を介して金属基板45に電気的に接続する。なお、金属基板45は、ドレイン端子26に電気的に接続する。なお、半田59に代えて、複数の導電バンプを介して金属基板41または金属基板45に電気的に接続してもよい。
【0034】
本例では、第1実施例の半導体装置100と同じ機能を半導体モジュール200により実現する。これにより、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30を構成する材料として異なる材料を用いることができる。例えば、MOSFET10はチャネル部にシリコンを用いて、第1のダイオード20および第2のダイオード30の半導体にSiCまたはGaNを用いることができる。勿論、これ以外の組み合わせも可能である。加えて、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30の特性および/または価格を考慮して、半導体モジュール200を組み立てることができるので、設計の自由度が高くなる。
【0035】
図3は、MOSFET10および第2のダイオード30を一体形成した例を示す図である。MOSFET10は、いわゆる縦型MOSFETである。MOSFET10は、チャネル部にSi、SiCおよびGaNのいずれかを有してよい。具体的には、MOSFET10が形成されるn型半導体基板70は、Si、SiCおよびGaNのいずれかであってよい。本明細書において、ゲート電極62が設けられる側のn型半導体基板70の面を便宜的に表面と称し、ドレイン電極66が設けられる側のn型半導体基板70の面を便宜的に裏面と称する。また、裏面から表面に向かう方向を表面方向と称し、表面から裏面に向かう方向を裏面方向と称する。層または膜の表面方向の側の面を表面側と称し、裏面方向の側の面を裏面側と称する。
【0036】
n型半導体基板70は、n型半導体基板70よりもn型不純物をさらにドープしたn
+型ドープ層78を裏面側に有する。n
+型ドープ層78の裏面側にはドレイン電極66が設けられる。ドレイン電極66は、MOSFET10の半導体層であるn
+型ドープ層78とSBDを形成する。当該SBDが第2のダイオード30として機能する。この場合、n
+型ドープ層78がカソードとなり、ドレイン電極66がアノードとなる。
【0037】
MOSFET10の通常動作時には、ドレイン側が高電位となりソース側が低電位となる。これに対して、逆回復動作時にはソース側が高電位となりドレイン側が低電位となる。n
+型ドープ層78は、逆回復動作時の耐圧を調整するべく設けられた層である。n
+型ドープ層78のドープ濃度が高いほど、耐圧は低くなる。これに対して、n
+型ドープ層78のドープ濃度が低いほど、耐圧は高くなる。
【0038】
n型半導体基板70がSiである場合、n型半導体基板70の不純物の濃度は1.0E13〜E15であってよい。また、n型半導体基板70がSiCまたはGaNである場合、n型半導体基板70の不純物の濃度は1.0E15〜E16であってよい。n
+型ドープ層78の不純物濃度は、n型半導体基板70の上記不純物濃度よりも高ければよい。n
+型ドープ層78の不純物濃度は、耐圧に応じて適宜定めてよい。
【0039】
ドレイン電極66は、Ti、NiまたはAlであってよい。ただし、ドレイン電極66は、Ti、NiまたはAlのみに限定されない。ドレイン電極66は、第2のダイオード30の順方向電圧に応じて適宜定めてよい。
【0040】
n型半導体基板70は、表面側に複数のp型ウェル72を有する。複数のp型ウェル72のそれぞれは、p
+型コンタクト層74およびn
+型コンタクト層76を有する。p
+型コンタクト層74およびn
+型コンタクト層76の表面側には、ソース電極64が設けられる。p
+型コンタクト層74は、p型ウェル72とソース電極64との接触抵抗を下げるべく設けられた層である。n
+型コンタクト層76は、MOSFET10のソース領域である。
【0041】
n型半導体基板70の表面において、n型半導体基板70のn型領域と、p
+型コンタクト層74およびn
+型コンタクト層76とは直接接触しない。本例では、n型半導体基板70のn型領域とn
+型コンタクト層76との間には間隔が設けられる。当該間隔には、p型ウェル72が存在する。当該間隔がチャネル部68となる。
【0042】
複数のp型ウェル72間のn型領域に接してゲート絶縁膜61が設けられる。ゲート絶縁膜61の表面側にゲート電極62が設けられる。ゲート絶縁膜61は、複数のチャネル部68を覆う。ゲート電極62に正電圧がかけられるとチャネル部68に電子が誘起する。さらに、ソース電極64およびドレイン電極66間に電位差を形成すると、ドレイン電極66からソース電極64に電流が流れる。MOSFET10の通常動作時における電流を破線矢印により示す。
【0043】
本例では、MOSFET10および第2のダイオード30を一体形成する。これにより、MOSFET10を有するn型半導体基板70に対してショットキー接合するドレイン電極66を設けるだけで、第2のダイオード30を形成することができる。したがって、第2のダイオード30の製造が容易となる。また、
図2の例と比較して、第2のダイオード30の設置面積を省くことができる。よって、半導体パッケージ300を小型化することができる。
【0044】
なお本例は、ゲート電極62がゲート12であり、n
+型ドープ層78の表面側(n型半導体基板70とn
+型ドープ層78との界面)がドレイン16であり、ソース電極64がソース14であるように図示している。しかしながら、必ずしもソース電極64がMOSFET10のソース14でなくともよい。つまり、n
+型コンタクト層76またはp
+型コンタクト層74をMOSFET10のソース14とみなしてもよい。
【0045】
図4は、MOSFET10および第2のダイオード30を一体形成した第1変形例を示す図である。本例は、n型半導体基板70がp型ウェル72とn
+型ドープ層78との間にp型カラム80を有する点で
図3の例と異なる。他の点は、
図3の例と同様である。当該構造により、
図3の例と比較して、MOSFET10のオン抵抗を下げることができる。
【0046】
図5は、MOSFET10および第2のダイオード30を一体形成した第2変形例を示す図である。本例のn型半導体基板70は、p型ウェル72と対向し、ドレイン電極66と接する位置にp型領域82を有する。係る点で
図3の例と異なる。他の点は、
図3の例と同様である。
【0047】
p型領域82は、n型半導体基板70のn型不純物領域とpnダイオード84を形成する。pnダイオード84は、SBDである第2のダイオード30と電気的に並列に接続する。p型領域82は、n
+型ドープ層78を囲むガードリングであってよい。pnダイオード84を設けることで、第2のダイオード30のカソードからアノードへ電流がリークする逆方向リーク電流を防ぐことができる。
【0048】
図6は、第2実施例における半導体パッケージ320中の半導体装置110を示す図である。本例の第2のダイオード30は、ソース側電流経路18において、MOSFET10のソース14にアノードが接続し、かつ、第1のダイオード20のアノードにカソードが接続する。係る点が第1実施例と異なる。他の点は、第1実施例と同様である。
【0049】
本例のソース側電流経路18は、MOSFET10のソース14とMOSFET10に電気的に接続されるソース端子24との間の電気経路である。ソース側電流経路18には、ソース電極64が含まれてもよい。
【0050】
本例のドレイン側電流経路19は、MOSFET10のドレイン16とMOSFET10に電気的に接続されるドレイン端子26との間の電気経路である。ドレイン側電流経路19には、ドレイン電極66が含まれてもよい。これに限定されるものではないが、ドレイン16はドレイン電極66であってもよい。
【0051】
本例の半導体装置110も第1実施例の半導体装置100と同様に、逆回復動作時においてMOSFETの内蔵ダイオード11は通電せず、かつ、第1のダイオード20を通電させることができる。したがって、MOSFET10を採用しつつも逆回復動作が可能である。加えて、MOSFET10の特性である高速動作も利用することができる。
【0052】
加えて、MOSFET10のチャネル部がSiCを有する場合、当該チャネル近傍の結晶欠陥に起因するオン電圧同課の問題を解消することができる。また、MOSFET10のチャネル部がSiCまたはGaNを有する場合、内蔵ダイオード11の発光に起因するMOSFET10の特性が劣化する問題を解消することができる。
【0053】
図7は、半導体パッケージ330中の半導体モジュール210を示す図である。本例では、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30がディスクリート半導体として設けられる。また、第6実施例の半導体装置110に相当する半導体装置が、1つの半導体モジュールとして半導体パッケージ330の中に設けられる。係る点が、
図6の例と異なる。但し、半導体モジュール210の機能は、
図6の例の半導体装置110と同じである。
【0054】
半導体モジュール210は、基板40と、基板40に載置された金属基板41および金属基板45を有する。半導体モジュール210は、半田59により金属基板41に導通されるMOSFET10、ならびに、半田59により金属基板45に導通される第1のダイオード20および第2のダイオード30を有する。また、半導体モジュール210は、ゲート端子22、ソース端子24、ドレイン端子26を有する。
【0055】
MOSFET10は、金属基板41に載置される。MOSFET10は、ゲートパッド42およびドレインパッド43を有する。ゲートパッド42は、MOSFET10のゲート12に電気的に接続した導電部材であってよい。ゲートパッド42は、導電ワイヤ52を介してゲート端子22に接続する。
【0056】
ドレインパッド43は、MOSFET10のドレイン16に電気的に接続した導電部材であってよい。ドレインパッド43は、複数の導電ワイヤ54を介してドレイン端子26に接続する。MOSFET10のソース14は、半田59を介して金属基板41に電気的に接続する。
【0057】
第2のダイオード30は、金属基板45に載置される。第2のダイオード30は、ドレインパッド46を有する。ドレインパッド46は、第2のダイオード30のアノードに電気的に接続した導電部材であってよい。ドレインパッド46は、導電ワイヤ56を介して金属基板41に電気的に接続する。第2のダイオード30のカソードは、半田59を介して金属基板45に電気的に接続する。
【0058】
第1のダイオード20は、金属基板45に載置される。第1のダイオード20は、ドレインパッド49を有する。ドレインパッド49は、第1のダイオード20のカソードに電気的に接続した導電部材であってよい。ドレインパッド49は、複数の導電ワイヤ58を介してドレイン端子26に電気的に接続する。第1のダイオード20のアノードは、半田59を介して金属基板45に電気的に接続する。なお、金属基板45は、ソース端子24に電気的に接続する。
【0059】
本例では、第2実施例の半導体装置110と同じ機能を半導体モジュール210により実現する。これにより、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30を構成する材料として異なる材料を用いることができる。例えば、MOSFET10はチャネル部にシリコンを用いて、第1のダイオード20および第2のダイオード30の半導体にSiCまたはGaNを用いることができる。勿論、これ以外の組み合わせも可能である。加えて、MOSFET10、第1のダイオード20および第2のダイオード30の特性および/または価格を考慮して、半導体モジュール200を組み立てることができるので、設計の自由度が高くなる。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0061】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0062】
10・・MOSFET、11・・内蔵ダイオード、12・・ゲート、14・・ソース、16・・ドレイン、18・・ソース側電流経路、19・・ドレイン側電流経路
20・・第1のダイオード、22・・ゲート端子、24・・ソース端子、26・・ドレイン端子
30・・第2のダイオード
40・・基板、41・・金属基板、42・・ゲートパッド、43・・ドレインパッド、44・・ソースパッド、45・・金属基板、46・・ドレインパッド、48・・ソースパッド、49・・ドレインパッド
52・・導電ワイヤ、54・・導電ワイヤ、56・・導電ワイヤ、58・・導電ワイヤ、59・・半田
61・・ゲート絶縁膜、62・・ゲート電極、64・・ソース電極、66・・ドレイン電極、68 チャネル部
70・・n型半導体基板、72・・p型ウェル、74・・p
+型コンタクト層、76・・n
+型コンタクト層、78・・n
+型ドープ層
80・・p型カラム、82・・p型領域、84・・pnダイオード
100・・半導体装置、110・・半導体装置
200・・半導体モジュール、210・・半導体モジュール
300・・半導体パッケージ、310・・半導体パッケージ、320・・半導体パッケージ、330・・半導体パッケージ