(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内燃機関の排気通路に設けられて排気中のNOxを還元浄化するNOx還元型触媒と、前記内燃機関の吸入空気量を検出する吸入空気量センサと、前記内燃機関が所定回転数で燃料噴射を停止するモータリング状態を検出するモータリング検出手段と、吸入空気量を減少させる空気系制御と燃料噴射量を増加させる噴射系制御とを併用して排気をリーン状態からリッチ状態に切り替えることで、前記NOx還元型触媒のNOx浄化能力を回復させる再生処理を実行する制御部と、を備える排気浄化システムであって、
前記制御部は、空燃比切り替え後の目標燃料噴射時期及び目標燃料噴射量の少なくとも一方を設定し、
前記制御部は、前記再生処理を開始するリーン状態からリッチ状態への切り替え期間及び前記再生処理を終了するリッチ状態からリーン状態への切り替え期間の少なくとも一方の期間において、前記吸入空気量センサの検出値に応じて前記内燃機関の燃料噴射時期及び燃料噴射量の少なくとも一方を前記目標燃料噴射時期及び前記目標燃料噴射量の少なくとも一方に向けて変化させる追従制御を実行し、
前記追従制御の実行中に前記モータリング検出手段がモータリング状態を検出すると当該追従制御を中止する一方で切り替えを続行し、前記燃料噴射時期及び前記燃料噴射量の少なくとも一方を前記目標燃料噴射時期及び前記目標燃料噴射量の少なくとも一方に設定する
排気浄化システム。
前記制御部は、前記追従制御として、前記再生処理を開始するリーン状態からリッチ状態への切り替え期間、前記吸入空気量センサで検出される吸入空気量に基づいて前記再生処理の開始から現在までの吸入空気量変化量を演算し、当該吸入空気量変化量に応じて前記内燃機関の燃料噴射時期を進角させると共に前記内燃機関の燃料噴射量を増加させる
請求項1に記載の排気浄化システム。
前記制御部は、前記追従制御として、前記再生処理を終了するリッチ状態からリーン状態への切り替え期間、前記吸入空気量センサで検出される吸入空気量に基づいて前記再生処理の開始から現在までの吸入空気量変化量を演算し、当該吸入空気量変化量に応じて前記内燃機関の燃料噴射時期を遅角させると共に前記内燃機関の燃料噴射量を減少させる
請求項1又は2に記載の排気浄化システム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る排気浄化システムを説明する。
【0013】
図1に示すように、ディーゼルエンジン(以下、単にエンジンという)10の各気筒には、図示しないコモンレールに畜圧された高圧燃料を各気筒内に直接噴射するインジェクタ11がそれぞれ設けられている。これら各インジェクタ11の燃料噴射量や燃料噴射タイミングは、電子制御ユニット(以下、ECUという)50から入力される指示信号に応じてコントロールされる。
【0014】
エンジン10の吸気マニホールド10Aには新気を導入する吸気通路12が接続され、排気マニホールド10Bには排気を外部に導出する排気通路13が接続されている。吸気通路12には、吸気上流側から順にエアクリーナ14、吸入空気量センサ(以下、MAFセンサという)40、可変容量型過給機20のコンプレッサ20A、インタークーラ15、吸気スロットルバルブ16等が設けられている。排気通路13には、排気上流側から順に可変容量型過給機20のタービン20B、排気後処理装置30等が設けられている。なお、
図1中において、符号41はエンジン回転数センサ、符号42はアクセル開度センサ、符号46はブースト圧センサをそれぞれ示している。
【0015】
EGR装置21は、排気マニホールド10Bと吸気マニホールド10Aとを接続するEGR通路22と、EGRガスを冷却するEGRクーラ23と、EGR量を調整するEGRバルブ24とを備えている。
【0016】
排気後処理装置30は、ケース30A内に排気上流側から順に酸化触媒31、NOx吸蔵還元型触媒32、パティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという)33を配置して構成されている。また、酸化触媒31よりも上流側の排気通路13には、ECU50から入力される指示信号に応じて、排気通路13内に未燃燃料(主にHC)を噴射する排気管噴射装置34が設けられている。
【0017】
酸化触媒31は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面に酸化触媒成分を担持して形成されている。酸化触媒31は、排気管噴射装置34又はインジェクタ11のポスト噴射によって未燃燃料が供給されると、これを酸化して排気温度を上昇させる。
【0018】
NOx吸蔵還元型触媒32は、例えば、ハニカム構造体等のセラミック製担体表面にアルカリ金属等を担持して形成されている。このNOx吸蔵還元型触媒32は、排気空燃比がリーン状態のときに排気中のNOxを吸蔵すると共に、排気空燃比がリッチ状態のときに排気中に含まれる還元剤(HC等)で吸蔵したNOxを還元浄化する。
【0019】
フィルタ33は、例えば、多孔質性の隔壁で区画された多数のセルを排気の流れ方向に沿って配置し、これらセルの上流側と下流側とを交互に目封止して形成されている。フィルタ33は、排気中のPMを隔壁の細孔や表面に捕集すると共に、PM堆積推定量が所定量に達すると、これを燃焼除去するいわゆるフィルタ強制再生が実行される。フィルタ強制再生は、排気管噴射又はポスト噴射によって上流側の酸化触媒31に未燃燃料を供給し、フィルタ33に流入する排気温度をPM燃焼温度まで昇温することで行われる。
【0020】
第1排気温度センサ43は、酸化触媒31よりも上流側に設けられており、酸化触媒31に流入する排気温度を検出する。第2排気温度センサ44は、NOx吸蔵還元型触媒32とフィルタ33との間に設けられており、フィルタ33に流入する排気温度を検出する。NOx/ラムダセンサ45は、フィルタ33よりも下流側に設けられており、NOx吸蔵還元型触媒32を通過した排気のNOx値及びラムダ値(以下、空気過剰率ともいう)を検出する。
【0021】
ECU50は、エンジン10等の各種制御を行うもので、公知のCPUやROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えて構成されている。これら各種制御を行うため、ECU50にはセンサ類40〜46のセンサ値が入力される。また、ECU50は、フィルタ再生制御部51と、SOxパージ制御部60と、SOxパージ禁止処理部70と、MAF追従制御部80と、噴射量学習補正部90と、MAF補正係数演算部95とを一部の機能要素として有する。これら各機能要素は、一体のハードウェアであるECU50に含まれるものとして説明するが、これらのいずれか一部を別体のハードウェアに設けることもできる。
【0022】
[フィルタ再生制御]
フィルタ再生制御部51は、車両の走行距離、あるいは図示しない差圧センサで検出されるフィルタ前後差圧からフィルタ33のPM堆積量を推定すると共に、このPM堆積推定量が所定の上限閾値を超えると強制再生フラグF
DPFをオンにする(
図2の時刻t
1参照)。強制再生フラグF
DPFがオンにされると、排気管噴射装置34に排気管噴射を実行させる指示信号が送信されるか、あるいは、各インジェクタ11にポスト噴射を実行させる指示信号が送信されて、排気温度をPM燃焼温度(例えば、約550℃)まで昇温させる。この強制再生フラグF
DPFは、PM堆積推定量が所定の下限閾値まで低下するとオフにされる(
図2の時刻t
2参照)。
【0023】
[SOxパージ制御]
SOxパージ制御部60は、本発明の再生制御手段の一例であって、排気をリッチ状態にして排気温度を硫黄離脱温度(例えば、約600℃)まで上昇させて、NOx吸蔵還元型触媒32をSOx被毒から回復させる制御(以下、この制御をSOxパージ制御という)を実行する。
【0024】
図2は、本実施形態のSOxパージ制御のタイミングチャートを示している。
図2に示すように、SOxパージ制御を開始するSOxパージフラグF
SPは、後述するSOxパージ禁止フラグF
Pro_SPがオフの状態で、強制再生フラグF
DPFがオフにされるとオンにされる(
図2の時刻t
2参照)。
【0025】
本実施形態において、SOxパージ制御によるリッチ化は、空気系制御によって空気過剰率を定常運転時(例えば、約1.5)から理論空燃比相当値(約1.0)よりもリーン側の第1目標空気過剰率(例えば、約1.3)まで低下させるSOxパージリーン制御と、噴射系制御によって空気過剰率を第1目標空気過剰率からリッチ側の第2目標空気過剰率(例えば、約0.9)まで低下させるSOxパージリッチ制御とを併用することで実現される。以下、SOxパージリーン制御及び、SOxパージリッチ制御の詳細について説明する。
【0026】
[SOxパージリーン制御の空気系制御]
図3は、SOxパージリーン制御時のMAF目標値MAF
SPL_Trgtの設定処理を示すブロック図である。第1目標空気過剰率設定マップ61は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Q(エンジン10の燃料噴射量)に基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したSOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λ
SPL_Trgt(第1目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
【0027】
まず、第1目標空気過剰率設定マップ61から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてSOxパージリーン制御時の空気過剰率目標値λ
SPL_Trgtが読み取られて、MAF目標値演算部62に入力される。さらに、MAF目標値演算部62では、以下の数式(1)に基づいてSOxパージリーン制御時のMAF目標値MAF
SPL_Trgtが演算される。
【0028】
MAF
SPL_Trgt=λ
SPL_Trgt×Q
fnl_corrd×Ro
Fuel×AFR
sto/Maf
_corr・・・(1)
【0029】
数式(1)において、Q
fnl_corrdは後述する学習補正された燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、Ro
Fuelは燃料比重、AFR
stoは理論空燃比、Maf
_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
【0030】
MAF目標値演算部62によって演算されたMAF目標値MAF
SPL_Trgtは、SOxパージフラグF
SPがオン(
図2の時刻t
2参照)になるとランプ処理部63に入力される。ランプ処理部63は、各ランプ係数マップ63A,Bからエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてランプ係数を読み取ると共に、このランプ係数を付加したMAF目標ランプ値MAF
SPL_Trgt_Rampをバルブ制御部64に入力する。
【0031】
バルブ制御部64は、MAFセンサ40から入力される実MAF値MAF
ActがMAF目標ランプ値MAF
SPL_Trgt_Rampとなるように、吸気スロットルバルブ16を閉側に絞ると共に、EGRバルブ24を開側に開くフィードバック制御を実行する。
【0032】
このように、本実施形態では、第1目標空気過剰率設定マップ61から読み取られる空気過剰率目標値λ
SPL_Trgtと、各インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいてMAF目標値MAF
SPL_Trgtを設定し、このMAF目標値MAF
SPL_Trgtに基づいて空気系動作をフィードバック制御するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をSOxパージリーン制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
【0033】
また、各インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Q
fnl_corrdを用いることで、MAF目標値MAF
SPL_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各インジェクタ11の経年劣化や特性変化、個体差等の影響を効果的に排除することができる。
【0034】
また、MAF目標値MAF
SPL_Trgtにエンジン10の運転状態に応じて設定されるランプ係数を付加することで、吸入空気量の急激な変化によるエンジン10の失火やトルク変動によるドライバビリティーの悪化等を効果的に防止することができる。
【0035】
[SOxパージリッチ制御の燃料噴射量設定]
図4は、SOxパージリッチ制御における排気管噴射又はポスト噴射の目標噴射量Q
SPR_Trgt(単位時間当たりの噴射量)の設定処理を示すブロック図である。第2目標空気過剰率設定マップ65は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したSOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λ
SPR_Trgt(第2目標空気過剰率)が予め実験等に基づいて設定されている。
【0036】
まず、第2目標空気過剰率設定マップ65から、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号としてSOxパージリッチ制御時の空気過剰率目標値λ
SPR_Trgtが読み取られて、噴射量目標値演算部66に入力される。さらに、噴射量目標値演算部66では、以下の数式(2)に基づいてSOxパージリッチ制御時の目標噴射量Q
SPR_Trgtが演算される。
【0037】
Q
SPR_Trgt=MAF
SPL_Trgt×Maf
_corr/(λ
SPR_Trgt×Ro
Fuel×AFR
sto)−Q
fnl_corrd・・・(2)
【0038】
数式(2)において、MAF
SPL_TrgtはSOxパージリーン時のMAF目標値であって、前述のMAF目標値演算部62から入力される。また、Q
fnlRaw_corrdは後述する学習補正されたMAF追従制御適用前の燃料噴射量(ポスト噴射を除く)、Ro
Fuelは燃料比重、AFR
stoは理論空燃比、Maf
_corrは後述するMAF補正係数をそれぞれ示している。
【0039】
噴射量目標値演算部66によって演算された目標噴射量Q
SPR_Trgtは、後述するSOxパージリッチフラグF
SPRがオンになると、排気管噴射装置34又は、各インジェクタ11に噴射指示信号として送信される。
【0040】
このように、本実施形態では、第2目標空気過剰率設定マップ65から読み取られる空気過剰率目標値λ
SPR_Trgtと、各インジェクタ11の燃料噴射量とに基づいて目標噴射量Q
SPR_Trgtを設定するようになっている。これにより、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けることなく、或いは、NOx吸蔵還元型触媒32の上流側にラムダセンサを設けた場合も当該ラムダセンサのセンサ値を用いることなく、排気をSOxパージリッチ制御に必要な所望の空気過剰率まで効果的に低下させることが可能になる。
【0041】
また、各インジェクタ11の燃料噴射量として学習補正後の燃料噴射量Q
fnl_corrdを用いることで、目標噴射量Q
SPR_Trgtをフィードフォワード制御で設定することが可能となり、各インジェクタ11の経年劣化や特性変化等の影響を効果的に排除することができる。
【0042】
[SOxパージ制御の触媒温度調整制御]
SOxパージ制御中にNOx吸蔵還元型触媒32に流入する排気温度(以下、触媒温度ともいう)は、
図2の時刻t
2〜t
4に示すように、排気管噴射又はポスト噴射を実行するSOxパージリッチフラグF
SPRのオン・オフ(リッチ・リーン)を交互に切り替えることで制御される。SOxパージリッチフラグF
SPRがオン(F
SPR=1)にされると、排気管噴射又はポスト噴射によって触媒温度は上昇する(以下、この期間を噴射期間T
F_INJという)。一方、SOxパージリッチフラグF
SPRがオフにされると、排気管噴射又はポスト噴射の停止によって触媒温度は低下する(以下、この期間をインターバルT
F_INTという)。
【0043】
本実施形態において、噴射期間T
F_INJは、予め実験等により作成した噴射期間設定マップ(不図示)からエンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに対応する値を読み取ることで設定される。この噴射時間設定マップには、予め実験等によって求めた排気の空気過剰率を第2目標空気過剰率まで確実に低下させるのに必要となる噴射期間が、エンジン10の運転状態に応じて設定されている。
【0044】
インターバルT
F_INTは、触媒温度が最も高くなるSOxパージリッチフラグF
SPRがオンからオフに切り替えられた際に、フィードバック制御によって設定される。具体的には、SOxパージリッチフラグF
SPRがオフされた際の目標触媒温度と推定触媒温度との偏差ΔTに比例して入力信号を変化させる比例制御と、偏差ΔTの時間積分値に比例して入力信号を変化させる積分制御と、偏差ΔTの時間微分値に比例して入力信号を変化させる微分制御とで構成されるPID制御によって処理される。目標触媒温度は、NOx吸蔵還元型触媒32からSOxを離脱可能な温度で設定され、推定触媒温度は、例えば、第1排気温度センサ43で検出される酸化触媒31の入口温度と、酸化触媒31及びNOx吸蔵還元型触媒32の内部での発熱反応等に基づいて推定すればよい。
【0045】
図5の時刻t
1に示すように、フィルタ強制再生の終了(F
DPF=0)によってSOxパージフラグF
SPがオンされると、SOxパージリッチフラグF
SPRもオンにされ、さらにフィードバック計算も一旦リセットされる。すなわち、フィルタ強制再生直後の初回は、噴射期間設定マップで設定した噴射期間T
F_INJ_1に応じて排気管噴射又はポスト噴射が実行される(
図5の時刻t
1〜t
2参照)。これにより、フィルタ強制再生で上昇した排気温度を低下させることなく、速やかにSOxパージ制御に移行され、燃料消費量を低減することができる。
【0046】
次いで、噴射期間T
F_INJ_1の経過によってSOxパージリッチフラグF
SPRがオフになると、PID制御によって設定されたインターバルT
F_INT_1が経過するまで、SOxパージリッチフラグF
SPRはオフとされる(
図5の時刻t
2〜t
3参照)。さらに、インターバルT
F_INT_1の経過によってSOxパージリッチフラグF
SPRがオンにされると、再び噴射期間T
F_INJ_2に応じた排気管噴射又はポスト噴射が実行される(
図5の時刻t
3〜t
4参照)。その後、これらSOxパージリッチフラグF
SPRのオン・オフの切り替えは、後述するSOxパージ制御の終了判定によってSOxパージフラグF
SPがオフ(
図5の時刻t
n参照)にされるまで繰り返し実行される。
【0047】
このように、本実施形態では、触媒温度を上昇させると共に空気過剰率を第2目標空気過剰率まで低下させる噴射期間T
F_INJをエンジン10の運転状態に基づいて参照されるマップから設定すると共に、触媒温度を降下させるインターバルT
F_INTをPID制御によって処理するようになっている。これにより、SOxパージ制御中の触媒温度をパージに必要な所望の温度範囲に効果的に維持しつつ、空気過剰率を目標過剰率まで確実に低下させることが可能になる。
【0048】
[SOxパージ制御の禁止処理]
エンジン回転数Neが高い状態やインジェクタ11の燃料噴射量が多い状態でSOxパージを行うと、エンジン温度の急上昇を招く可能性がある。また、エンジン回転数Neが高い状態では、吸入空気量を絞るSOxパージリーン制御の精度を確保できない課題もある。一方、エンジン回転数Neが低い状態や触媒温度が活性温度未満の状態で未燃燃料を供給すると、HCスリップの増加によって白煙等の発生を招く課題がある。
【0049】
図6は、SOxパージ禁止部70によるSOxパージ実行の禁止処理を示すブロック図である。SOxパージ禁止部70は、本発明の再生禁止手段であって、(1)エンジン回転数Neが所定の上限回転数閾値よりも高い場合、(2)エンジン回転数Neが所定の下限回転数閾値よりも低い場合、(3)インジェクタ11の燃料噴射量が所定の上限噴射量閾値よりも多い場合及び、(4)NOx吸蔵還元型触媒32の触媒温度が所定の触媒活性温度未満となる何れかの条件が成立すると、SOxパージ禁止フラグF
Pro_SPをオン(F
Pro_SP=1)にしてSOxパージ制御部60へ送信する。
【0050】
すなわち、これら条件(1)〜(4)の何れかを満たさない場合は、SOxパージ制御の実行が禁止され、これら条件(1)〜(4)の全てを満たす場合にSOxパージ制御の実行が許可されるようになっている。これにより、SOxパージによるエンジン10の過昇温や白煙の発生等を効果的に防止することが可能になる。
【0051】
なお、SOxパージの禁止判定に用いるこれらの条件(1)〜(4)は、排気をリッチ化してNOx吸蔵還元型触媒32に吸蔵されているNOxを還元浄化により放出させる所謂NOxパージの禁止判定に適用することも可能である。
【0052】
[SOxパージ制御の終了判定]
SOxパージ制御は、(1)SOxパージフラグF
SPのオンから排気管噴射又はポスト噴射の噴射量を累積し、この累積噴射量が所定の上限閾値量に達した場合、(2)SOxパージ制御の開始から計時した経過時間が所定の上限閾値時間に達した場合、(3)エンジン10の運転状態やNOx/ラムダセンサ45のセンサ値等を入力信号として含む所定のモデル式に基づいて演算されるNOx吸蔵還元型触媒32のSOx吸着量がSOx除去成功を示す所定の閾値まで低下した場合の何れかの条件が成立すると、SOxパージフラグF
SPをオフにして終了される(
図2の時刻t
4、
図5の時刻t
n参照)。
【0053】
このように、本実施形態では、SOxパージ制御の終了条件に累積噴射量及び、経過時間の上限を設けたことで、SOxパージが排気温度の低下等によって進捗しなかった場合に、燃料消費量が過剰になることを効果的に防止することができる。
【0054】
[MAF追従制御]
MAF追従制御部80は、(1)フィルタ再生制御終了からSOxパージ制御開始によるリッチ状態への切り替え期間及び、(2)SOxパージ制御終了によるリッチ状態からリーン状態への切り替え期間に、各インジェクタ11の燃料噴射タイミング及び燃料噴射量をMAF変化に応じて補正する制御(以下、この制御をMAF追従制御という)を実行する。
【0055】
SOxパージリーン制御の空気系動作によってエンジン10の燃焼室内に大量のEGRガスが導入されると、通常運転のリーン状態と同じ燃料噴射タイミングでは着火遅れが生じる。そのため、リーン状態からリッチ状態に切り替える場合は、噴射タイミングを所定量ほど進角させる必要がある。また、リッチ状態から通常のリーン状態に切り替える際は、噴射タイミングを遅角により通常の噴射タイミングに戻す必要がある。しかしながら、噴射タイミングの進角や遅角は、空気系動作よりも迅速に行われる。このため、空気系動作によって空気過剰率が目標空気過剰率に達する前に噴射タイミングの進角や遅角が完了してしまい、NOx発生量や燃焼騒音やトルク等の急増加によるドライバビリティーの悪化を招く課題がある。
【0056】
このような現象を回避すべく、MAF追従制御部80は、
図7,8のフローチャートに示すように、MAF変化に応じて噴射タイミングの進角や遅角、噴射量を増減補正するMAF追従制御を実行する。本実施形態のMAF追従制御は、SOxパージ制御に適用されるものとして説明するが、例えば、排気をリッチ状態にしてNOx吸蔵還元型触媒32のNOx吸蔵能力を回復させる所謂NOxパージ制御にも適用することができる。
【0057】
まず、
図7に基づいて、フィルタ再生制御終了からSOxパージ制御開始によるリッチ状態への切り替え期間のMAF追従制御を説明する。
【0058】
ステップS100で、SOxパージ禁止フラグF
Pro_SPがオフの状態でSOxパージフラグF
SPがオンにされると、ステップS120では、切り替え後(リッチ状態)のMAF目標値MAF
SPL_Trgtから切り替え前(リーン状態)のMAF目標値MAF
L_Trgtを減算することで、切り替え前後のMAF目標値変化量ΔMAF
Trgt(=MAF
SPL_Trgt−MAF
L_Trgt)が演算される。
【0059】
ステップS130では、現在の実MAF変化率ΔMAF
Ratioが演算される。より詳しくは、MAFセンサ40で検出される現在の実MAF値MAF
Actから切り替え前のMAF目標値MAF
L_Trgtを減算することで、MAF追従制御の開始から現在までの実MAF変化量ΔMAF
Act(=MAF
Act−MAF
L_Trgt)が演算される。そして、この実MAF変化量ΔMAF
Actを切り替え前後のMAF目標値変化量ΔMAF
Trgtで除算することで、実MAF変化率ΔMAF
Ratio(=ΔMAF
Act/ΔMAF
Trgt)が演算される。
【0060】
ステップS140では、現在の実MAF変化率ΔMAF
Ratioに応じて、各インジェクタ11の噴射タイミングを進角又は遅角させる係数(以下、噴射タイミング追従係数Comp
1と称する)及び、各インジェクタ11の噴射量を増加又は減少させる係数(以下、噴射量追従係数Comp
2と称する)が設定される。より詳しくは、ECU50の図示しない記憶部には、予め実験等により作成した実MAF変化率MAF
Ratioと噴射タイミング追従係数Comp
1との関係を規定した噴射タイミング追従係数設定マップM1及び、実MAF変化率MAF
Ratioと噴射量追従係数Comp
2との関係を規定した噴射量追従係数設定マップM2が記憶されている。噴射タイミング追従係数Comp
1及び、噴射量追従係数Comp
2は、これらのマップM1,M2から、ステップS130で演算した実MAF変化率ΔMAF
Ratioに対応する値をそれぞれ読み取ることで設定される。
【0061】
ステップS150では、目標進角量に噴射タイミング追従係数Comp
1を乗じた分だけ各インジェクタ11の噴射タイミングが進角されると共に、目標噴射増加量に噴射量追従係数Comp
2を乗じた分だけ各インジェクタ11も燃料噴射量が増加される。
【0062】
その後、ステップS160では、MAFセンサ40で検出される現在の実MAF値MAF
Actが切り替え後(リッチ状態)のMAF目標値MAF
SPL_Trgtに達したか否かが判定される。実MAF値MAF
ActがMAF目標値MAF
SPL_Trgtに達していない場合(No)は、ステップS170を経由してステップS130に戻される。すなわち、実MAF値MAF
ActがMAF目標値MAF
SPL_Trgtになるまで、ステップS130〜S150の処理を繰り返すことで、時々刻々と変化する実MAF変化率MAF
Ratioに応じた噴射タイミングの進角及び、噴射量の増加が継続される。ステップS170の処理についての詳細は後述する。一方、ステップS160の判定で、実MAF値MAF
RefがMAF目標値MAF
SPL_Trgtに達すると(Yes)、本制御は終了する。
【0063】
ステップS170では、エンジン回転数センサ41及びアクセル開度センサ42(モータリング検出手段)のセンサ値に基づいて、エンジン10が所定回転数以上で燃料噴射を停止させるモータリング状態にあるか否かが判定される。
【0064】
エンジン10のモータリング時は、空気系制御が吸入空気量を所定値に絞る別制御に切り替えられるため、実MAF値MAF
ActをMAF目標値MAF
SPL_Trgtに収束させることができず、MAF追従制御を完了させられない状態が長く続いてしまう。このため、実際の燃料噴射量が目標噴射量まで増加されず、エンジン10の燃焼を不安定にさせて、トルク変動やドライバビリティーの悪化等を招く可能性がある。
【0065】
本実施形態では、このような状態を回避すべく、ステップS170にて、モータリング状態と判定された場合(Yes)は、ステップS180に進み、噴射タイミング追従係数Comp
1及び、噴射量追従係数Comp
2を強制的に「1」に設定するようになっている。これにより、MAF追従制御が強制的に終了(中止)され、トルク変動やドライバビリティーの悪化を効果的に防止することができる。
【0066】
次に、
図8に基づいて、SOxパージ制御終了によるリッチ状態からリーン状態への切り替え時のMAF追従制御を説明する。
【0067】
ステップS200で、SOxパージフラグF
SPがオフにされると、ステップS220では、切り替え後(リーン状態)のMAF目標値MAF
L_Trgtから切り替え前(リッチ状態)のMAF目標値MAF
SPL_Trgtを減算することで、切り替え前後のMAF目標値変化量ΔMAF
Trgt(=MAF
L_Trgt−MAF
SPL_Trgt)が算出される。
【0068】
ステップS230では、現在の実MAF変化率ΔMAF
Ratioが演算される。より詳しくは、MAFセンサ40で検出される現在の実MAF値MAF
Actから切り替え前のMAF目標値MAF
SPL_Trgtを減算することで、MAF追従制御も開始から現在までの実MAF変化量ΔMAF
Act(=MAF
Act−MAF
SPL_Trgt)が演算される。そして、この実MAF変化量ΔMAF
Actを切り替え前後のMAF目標値変化量ΔMAF
Trgtで除算することで、実MAF変化率ΔMAF
Ratio(=ΔMAF
Act/ΔMAF
Trgt)が演算される。
【0069】
ステップS240では、噴射タイミング追従係数設定マップM1から実MAF変化率ΔMAF
Ratioに対応する値が噴射タイミング追従係数Comp
1として読み取られると共に、噴射量追従係数設定マップM2から実MAF変化率ΔMAF
Ratioに対応する値が噴射量追従係数Comp
2として読み取られる。
【0070】
ステップS250では、目標遅角量に噴射タイミング追従係数Comp
1を乗じた分だけ各インジェクタ11の噴射タイミングが遅角されると共に、目標噴射減少量に噴射量追従係数Comp
2を乗じた分だけ各インジェクタ11も燃料噴射量が減少される。
【0071】
その後、ステップS260では、MAFセンサ40で検出される現在の実MAF値MAF
Actが切り替え後(リーン状態)のMAF目標値MAF
L_Trgtに達したか否かが判定される。実MAF値MAF
ActがMAF目標値MAF
L_Trgtに達していない場合(No)は、ステップS270を経由してステップS230に戻される。すなわち、実MAF値MAF
ActがMAF目標値MAF
L_Trgtになるまで、ステップS230〜S250の処理を繰り返すことで、時々刻々と変化する実MAF変化率MAF
Ratioに応じた噴射タイミングの遅角及び、噴射量の減少が継続される。ステップS270の処理についての詳細は後述する。一方、ステップS260の判定で、実MAF値MAF
RefがMAF目標値MAF
L_Trgtに達すると(Yes)、本制御は終了する。
【0072】
ステップS270では、エンジン回転数センサ41及びアクセル開度センサ42(モータリング検出手段)のセンサ値に基づいて、エンジン10が所定回転数以上で燃料噴射を停止させるモータリング状態にあるか否かが判定される。
【0073】
上述したように、エンジン10のモータリング時は吸入空気量が別制御に切り替えられるため、実MAF値MAF
ActをMAF目標値MAF
SPL_Trgtに収束させることができず、MAF追従制御を完了させられない状態が長く続いてしまう。このため、実際の燃料噴射量が目標噴射量よりも多い状態で維持されて、トルク変動やドライバビリティーの悪化等を招く可能性がある。
【0074】
本実施形態では、このような状態を回避すべく、ステップS270にて、モータリング状態と判定された場合(Yes)は、ステップS280に進み、噴射タイミング追従係数Comp
1及び、噴射量追従係数Comp
2を強制的に「1」に設定するようになっている。これにより、MAF追従制御が強制的に終了(中止)されて、トルク変動やドライバビリティーの悪化を効果的に防止することができる。
【0075】
[噴射量学習補正]
図9に示すように、噴射量学習補正部90は、学習補正係数演算部91と、噴射量補正部92とを有する。
【0076】
学習補正係数演算部91は、エンジン10のリーン運転時にNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λ
Actと、推定ラムダ値λ
Estとの誤差Δλに基づいて燃料噴射量の学習補正係数F
Corrを演算する。排気がリーン状態のときは、排気中のHC濃度が非常に低いので、酸化触媒33でHCの酸化反応による排気ラムダ値の変化は無視できるほど小さい。このため、酸化触媒31を通過して下流側のNOx/ラムダセンサ45で検出される排気中の実ラムダ値λ
Actと、エンジン10から排出された排気中の推定ラムダ値λ
Estとは一致すると考えられる。すなわち、これら実ラムダ値λ
Actと推定ラムダ値λ
Estとに誤差Δλが生じた場合は、各インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差によるものと仮定することができる。以下、この誤差Δλを用いた学習補正係数演算部91による学習補正係数の演算処理を
図10のフローに基づいて説明する。
【0077】
ステップS300では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて、エンジン10がリーン運転状態にあるか否かが判定される。リーン運転状態にあれば、学習補正係数の演算を開始すべく、ステップS310に進む。
【0078】
ステップS310では、推定ラムダ値λ
EstからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λ
Actを減算した誤差Δλに、学習値ゲインK
1及び補正感度係数K
2を乗じることで、学習値F
CorrAdptが演算される(F
CorrAdpt=(λ
Est−λ
Act)×K
1×K
2)。推定ラムダ値λ
Estは、エンジン回転数Neやアクセル開度Qに応じたエンジン10の運転状態から推定演算される。また、補正感度係数K
2は、
図9に示す補正感度係数マップ91AからNOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λ
Actを入力信号として読み取られる。
【0079】
ステップS320では、学習値F
CorrAdptの絶対値|F
CorrAdpt|が所定の補正限界値Aの範囲内にあるか否かが判定される。絶対値|F
CorrAdpt|が補正限界値Aを超えている場合、本制御はリターンされて今回の学習を中止する。
【0080】
ステップS330では、学習禁止フラグF
Proがオフか否かが判定される。学習禁止フラグF
Proとしては、例えば、エンジン10の過渡運転時、SOxパージ制御時(F
SP=1)、NOxパージ制御時(F
NP=1)等が該当する。これらの条件が成立する状態では、実ラムダ値λ
Actの変化によって誤差Δλが大きくなり、正確な学習を行えないためである。エンジン10が過渡運転状態にあるか否かは、例えば、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λ
Actの時間変化量に基づいて、当該時間変化量が所定の閾値よりも大きい場合に過渡運転状態と判定すればよい。
【0081】
ステップS340では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照される学習値マップ91B(
図9参照)が、ステップS310で演算された学習値F
CorrAdptに更新される。より詳しくは、この学習値マップ91B上には、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに応じて区画された複数の学習領域が設定されている。これら学習領域は、好ましくは、使用頻度が多い領域ほどその範囲が狭く設定され、使用頻度が少ない領域ほどその範囲が広く設定されている。これにより、使用頻度が多い領域では学習精度が向上され、使用頻度が少ない領域では未学習を効果的に防止することが可能になる。
【0082】
ステップS350では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として学習値マップ91Bから読み取った学習値に「1」を加算することで、学習補正係数F
Corrが演算される(F
Corr=1+F
CorrAdpt)。この学習補正係数F
Corrは、
図9に示す噴射量補正部92に入力される。
【0083】
噴射量補正部92は、パイロット噴射Q
Pilot、プレ噴射Q
Pre、メイン噴射Q
Main、アフタ噴射Q
After、ポスト噴射Q
Postの各基本噴射量に学習補正係数F
Corrを乗算することで、これら燃料噴射量の補正を実行する。
【0084】
このように、推定ラムダ値λ
Estと実ラムダ値λ
Actとの誤差Δλに応じた学習値で各インジェクタ11に燃料噴射量を補正することで、各インジェクタ11の経年劣化や特性変化、個体差等のバラツキを効果的に排除することが可能になる。
【0085】
[MAF補正係数]
MAF補正係数演算部95は、SOxパージ制御時のMAF目標値MAF
SPL_Trgtや目標噴射量Q
SPR_Trgtの設定及び、NOxパージ制御時のMAF目標値MAF
NPL_Trgtや目標噴射量Q
NPR_Trgtの設定に用いられるMAF補正係数Maf
_corrを演算する。
【0086】
本実施形態において、各インジェクタ11の燃料噴射量は、NOx/ラムダセンサ45で検出される実ラムダ値λ
Actと推定ラムダ値λ
Estとの誤差Δλに基づいて補正される。しかしながら、ラムダは空気と燃料の比であるため、誤差Δλの要因が必ずしも各インジェクタ11に対する指示噴射量と実噴射量との差の影響のみとは限らない。すなわち、ラムダの誤差Δλには、各インジェクタ11のみならずMAFセンサ40の誤差も影響している可能性がある。
【0087】
図11は、MAF補正係数演算部95によるMAF補正係数Maf
_corrの設定処理を示すブロック図である。補正係数設定マップ96は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qに基づいて参照されるマップであって、これらエンジン回転数Neとアクセル開度Qとに対応したMAFセンサ40のセンサ特性を示すMAF補正係数Maf
_corrが予め実験等に基づいて設定されている。
【0088】
MAF補正係数演算部95は、エンジン回転数Ne及びアクセル開度Qを入力信号として補正係数設定マップ96からMAF補正係数Maf
_corrを読み取ると共に、このMAF補正係数Maf
_corrをMAF目標値演算部62,72及び噴射量目標値演算部66,76に送信する。これにより、SOxパージ制御時のMAF目標値MAF
SPL_Trgtや目標噴射量Q
SPR_Trgt、NOxパージ制御時のMAF目標値MAF
NPL_Trgtや目標噴射量Q
NPR_Trgtの設定に、MAFセンサ40のセンサ特性を効果的に反映することが可能になる。
【0089】
[その他]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。