(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、角速度センサー素子で生じる振動の加速度センサー素子への伝播を低減することができ、また、耐衝撃性に優れている物理量センサー、電子機器および移動体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
本適用例の物理量センサーは、加速度センサー素子を有する加速度センサー部品と、
振動型の角速度センサー素子を有する角速度センサー部品と、
弾性部材と、を有し、
前記加速度センサー部品と前記角速度センサー部品とが前記弾性部材を介して接続されていることを特徴とする。
【0007】
これにより、角速度センサー素子で発生する振動の加速度センサー素子への伝播を低減することができ、また、耐衝撃性に優れている物理量センサーが得られる。
【0008】
[適用例2]
本適用例の物理量センサーでは、前記加速度センサー部品が配置されている第1基板を有し、
前記第1基板と前記角速度センサー部品とが前記弾性部材を介して接続されていることが好ましい。
【0009】
これにより、角速度センサー部品と加速度センサー素子とを結ぶ振動の伝播経路を長くすることができ、角速度センサー素子で発生する振動の加速度センサー素子への伝播をより低減することができる。
【0010】
[適用例3]
本適用例の物理量センサーでは、前記第1基板は、一方の主面に開口する凹部を有し、
前記凹部内に前記加速度センサー部品および前記角速度センサー部品が配置されていることが好ましい。
これにより、装置の構成が簡単なものとなる。
【0011】
[適用例4]
本適用例の物理量センサーでは、前記第
1基板の前記一方の主面を介して対象物に実装されることが好ましい。
【0012】
これにより、対象物への実装が容易となる。また、対象物によって凹部の開口を塞ぐことができるので、加速度センサー部品および角速度センサー部品を保護することができる。
【0013】
[適用例5]
本適用例の物理量センサーでは、前記角速度センサー部品が配置されている第2基板を有し、
前記第1基板および前記第2基板は、対向配置された状態で前記弾性部材を介して接合されていることが好ましい。
【0014】
これにより、角速度センサー部品と加速度センサー素子とを結ぶ振動の伝播経路を長くすることができ、角速度センサー素子で発生する振動の加速度センサー素子への伝播をより低減することができる。
【0015】
[適用例6]
本適用例の物理量センサーでは、前記加速度センサー部品は、前記第1基板の前記第2基板側に配置され、
前記角速度センサー部品は、前記第2基板の前記第1基板側に配置されていることが好ましい。
【0016】
これにより、第1基板および第2基板の間に、加速度センサー部品および角速度センサー部品を配置することができるため、加速度センサー部品および角速度センサー部品を効果的に保護することができる。
【0017】
[適用例7]
本適用例の物理量センサーでは、平面視で、前記加速度センサー部品は、少なくとも一部が前記角速度センサー部品と重なって配置されていることが好ましい。
【0018】
これにより、平面視で見たときの広がりが抑えられ、物理量センサーの小型化を図ることができる。
【0019】
[適用例8]
本適用例の物理量センサーでは、平面視で、前記加速度センサー部品は、前記角速度センサー部品と重ならないように配置されていることが好ましい。
これにより、物理量センサーの低背化を図ることができる。
【0020】
[適用例9]
本適用例の物理量センサーでは、厚さ方向において、前記加速度センサー部品の前記第2基板側の端部は、前記角速度センサー部品の前記第1基板側の端部よりも前記第2基板側に位置していることが好ましい。
これにより、物理量センサーのさらなる低背化を図ることができる。
【0021】
[適用例10]
本適用例の物理量センサーでは、前記弾性部材は、導電性を有していることが好ましい。
これにより、弾性部材を配線の一部として用いることができる。
【0022】
[適用例11]
本適用例の電子機器は、上記適用例の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
【0023】
[適用例12]
本適用例の移動体は、上記適用例の物理量センサーを有することを特徴とする。
これにより、信頼性の高い移動体が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の物理量センサー、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
図2は、
図1中のA−A線断面図である。
図3は、加速度センサー部品が有する加速度センサー素子を示す平面図である。
図4は、
図3中のB−B線断面図である。
図5は、角速度センサー部品を示す断面図である。
図6は、
図5に示す角速度センサー部品が有する角速度センサー素子の平面図である。
図7は、
図5に示す角速度センサー部品の上面図である。
図8は、
図5に示す角速度センサー部品が有する支持基板を示す平面図である。
図9は、
図5に示す角速度センサー部品の作動を説明するための平面図である。なお、以下では、説明の便宜上、
図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。また、互いに直交する3つの軸をX軸、Y軸およびZ軸とし、X軸に平行な方向を「X軸方向」、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
【0027】
図1に示す物理量センサー1は、パッケージ2と、パッケージ2に収容されている加速度センサー部品3および角速度センサー部品4と、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4との間に介在している弾性部材5と、を有している。以下、これら各部について順次詳細に説明する。
【0028】
(パッケージ)
まず、パッケージ2について説明する。パッケージ2は、下面に開口する凹部221を有する箱状(キャビティ状)のリッド(蓋体)22と、凹部221の開口を塞いでリッド22に接合されている板状のベース基板(第1の基板)21と、を有している。パッケージ2は、凹部221の開口がベース基板21で塞がれることにより形成された内部空間S1を有し、この内部空間S1に加速度センサー部品3および角速度センサー部品4が収容されている。なお、内部空間S1は、気密的に封止されていてもよいし、気密的に封止されていなくてもよい。また、パッケージ2は、リッド22が省略されていてもよい。
【0029】
ベース基板21の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム等の各種セラミックス、ガラス材料、ガラスエポキシ樹脂等を用いることができる。また、リッド22の構成材料としては、特に限定されないが、ベース基板21の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース基板21の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース基板21とリッド22の接合方法は、特に限定されず、例えば、メタライズ層を介して接合してもよいし、接着材を介して接合してもよい。
【0030】
また、
図2に示すように、ベース基板21の上面には4つの内部端子231および4つの内部端子235が設けられ、ベース基板21の下面には8つの実装端子241が設けられている。そして、図示しないが、各内部端子231、235は、例えば、内部配線やキャスタレーション等を介して、対応する実装端子241と電気的に接続されている。そして、このようなパッケージ2は、実装端子241を介して実装基板(対象物)9に実装される。
【0031】
なお、4つの内部端子231は、それぞれ、加速度センサー部品3と電気的に接続されている端子であり、4つの内部端子235は、それぞれ、角速度センサー部品4と電気的に接続されている端子である。なお、内部端子231、235および実装端子241の数としては、8つに限定されず、加速度センサー部品3および角速度センサー部品4の構成(端子の数)に合わせて適宜設定すればよい。
【0032】
(加速度センサー部品)
次に、加速度センサー部品3について説明する。加速度センサー部品3は、
図1および
図2に示すように、加速度センサー素子31と、加速度センサー素子31に電気的に接続されているICチップ(回路部)39と、を有している。
【0033】
加速度センサー素子31としては、少なくとも1軸方向の加速度を検出することができれば、特に限定されないが、例えば、次のような構成とすることができる。本実施形態の加速度センサー素子31は、
図3に示すように、ベース基板32と、ベース基板32に接合・支持された素子片33と、素子片33を覆うように設けられたリッド34と、を有している。
【0034】
ベース基板32は、例えばガラス製で、板状をなし、その上面には空洞部(凹部)321が設けられている。このような空洞部321は、素子片33の可動部333および連結部334、335がベース基板32に接触するのを防止する逃げ部を構成する。また、ベース基板32の上面には凹部322、323、324が、空洞部321の外周に沿って設けられている。また、凹部322内には、配線351および端子361が配置されており、凹部323内には、配線352および端子362が配置されており、凹部324内には、配線353および端子363が配置されている。また、端子361、362、363は、それぞれ、ベース基板32のリッド34から露出している部分に配置されている。
【0035】
また、素子片33は、支持部331、332と、可動部333と、連結部334、335と、第1固定電極指338と、第2固定電極指339と、を有している。また、可動部333は、基部333aと、基部333aからY軸方向両側に突出している複数の可動電極指333bと、を有している。このような素子片33は、例えば、リン、ボロン等の不純物がドープされたシリコン基板から形成されている。
【0036】
支持部331、332は、ベース基板32の上面に接合されており、支持部331において、配線351との間に配置されている導電性部材(突起)371を介して配線351と電気的に接続されている。そして、これら支持部331、332の間に可動部333が設けられている。可動部333は、支持部331に対して連結部334を介して連結されるとともに、支持部332に対して連結部335を介して連結されている。これにより、可動部333は、支持部331、332に対して矢印aで示すようにX軸方向に変位可能となっている。
【0037】
また、第1固定電極指338は、各可動電極指333bのX軸方向一方側に配置され、対応する可動電極指333bに対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように複数並んでいる。このような複数の第1固定電極指338は、その基端部にて、ベース基板32の上面に接合されている。そして、これら複数の第1固定電極指338は、配線352との間に配置されている導電性部材(突起)372を介して配線352に電気的に接続されている。
【0038】
これに対して、第2固定電極指339は、各可動電極指333bのX軸方向他方側に配置され、対応する可動電極指333bに対して間隔を隔てて噛み合う櫛歯状をなすように複数並んでいる。このような複数の第2固定電極指339は、その基端部にて、ベース基板32の上面に接合されている。そして、これら複数の第2固定電極指339は、配線353との間に配置されている導電性部材(突起)373を介して配線353に電気的に接続されている。
【0039】
リッド34は、
図4に示すように、板状をなし、その下面に凹部341が設けられている。そして、リッド34の下面がベース基板32の上面に接合されている。
以上、加速度センサー素子31について説明した。
【0040】
ICチップ39は、ベース基板21の上面に、例えば、銀ペースト、接着材等の固定部材(図示せず)を介して固定されている。また、ICチップ39は、
図2に示すように、ボンディングワイヤー381を介して各内部端子231と電気的に接続されている。また、ICチップ39の上面には上述した加速度センサー素子31が配置(接合)されており、ICチップ39と加速度センサー素子31(端子361、362、363)とがボンディングワイヤー382を介して電気的に接続されている。このようなICチップ39には、例えば、加速度センサー素子31に電源を供給する駆動回路や、加速度センサー素子31からの出力に基づいて加速度を検出する検出回路や、検出回路から出力される信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が含まれている。
【0041】
以上のような構成の加速度センサー部品3は、次のようにして加速度を検出する。すなわち、X軸方向の加速度が加速度センサー素子31に加わると、その加速度の大きさに基づいて、可動部333が、連結部334、335を弾性変形させながら、X軸方向に変位する。このような変位に伴って、可動電極指333bと第1固定電極指338との隙間および可動電極指333bと第2固定電極指339との隙間がそれぞれ変化する。このような変位に伴って、可動電極指333bと第1固定電極指338との間の静電容量C1および可動電極指333bと第2固定電極指339との間の静電容量C2の大きさがそれぞれ変化する。これら静電容量C1、C2の変化に基づいて検出回路が加速度を検出し、検出された加速度が出力回路から出力される。
【0042】
以上、加速度センサー部品3について説明したが、加速度センサー部品3の構成としては、これに限定されない。特に、本実施形態の加速度センサー部品3では、X軸方向の加速度だけを検出することのできる1軸加速度センサー素子を用いているが、X軸方向およびY軸方向の加速度を検出することのできる2軸加速度センサー素子を用いてもよいし、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の加速度を検出することのできる3軸加速度センサー素子を用いてもよい。この場合には、例えば、加速度センサー素子31内に、素子片を検出軸が互いに直交するように2つ以上配置すればよい。なお、Z軸の加速度を検出する場合は、所謂「シーソー揺動型」の素子片を用いることができる。また、例えば、加速度センサー素子31とICチップ39とが一体的にモールド材で封止されていてもよい。
【0043】
また、本実施形態の加速度センサー部品3では、ICチップ39上に加速度センサー素子31が配置されているが、加速度センサー素子31の配置としては、これに限定されず、例えば、ICチップ39と加速度センサー素子31とがベース基板21上に並んで配置されていてもよい。また、加速度センサー素子31とICチップ39とが一体化されていてもよい。
【0044】
(角速度センサー部品)
次に、角速度センサー部品4について説明する。角速度センサー部品4は、
図5に示すように、パッケージ40と、パッケージ40内に収容されている振動型の角速度センサー素子42およびICチップ(回路部)49と、パッケージ40に固定されており、角速度センサー素子42を支持する支持基板48と、を有している。以下、これら各部について順次説明する。
【0045】
角速度センサー素子42としては、所定の軸まわりの角速度を検出することができれば、特に限定されないが、例えば、次のような構成とすることができる。本実施形態の角速度センサー素子42は、
図6に示すように、振動片43と、振動片43に形成された電極とを有している。
【0046】
振動片43は、例えば、水晶Z板をパターニングして形成されている。このような振動片43は、基部431と、基部431からY軸方向両側に延出している第1、第2検出腕432a、432bと、基部431からX軸方向両側に延在している第1、第2連結腕433a、433bと、第1連結腕433aの先端部からY軸方向両側に延出している第1、第2駆動腕434a、434bと、第2連結腕433bの先端部からY軸方向両側に延出している第3、第4駆動腕434c、434dと、を有している。
【0047】
このような振動片43に形成されている電極は、第1検出信号電極441aと、第1検出信号端子441bと、第1検出接地電極442aと、第1検出接地端子442bと、第2検出信号電極443aと、第2検出信号端子443bと、第2検出接地電極444aと、第2検出接地端子444bと、駆動信号電極445aと、駆動信号端子445bと、駆動接地電極446aと、駆動接地端子446bと、を有している。
【0048】
第1検出信号電極441aは、第1検出腕432aの上面および下面に形成され、第2検出信号電極443aは、第2検出腕432bの上面および下面に形成されている。また、第1検出接地電極442aは、第1検出腕432aの両側面に形成されており、ハンマーヘッドを介して接続されている。同様に、第2検出接地電極444aは、第2検出腕432bの両側面に形成されておりハンマーヘッドを介して接続されている。
【0049】
駆動信号電極445aは、第1、第2駆動腕434a、434bの上下面と、第3、第4駆動腕434c、434dの両側面とに形成されている。また、駆動接地電極446aは、第3、第4駆動腕434c、434dの上下面と、第1、第2駆動腕434a、434bの両側面とに形成されている。
【0050】
また、第1検出信号端子441b、第1検出接地端子442b、第2検出信号端子443b、第2検出接地端子444b、駆動信号端子445bおよび駆動接地端子446bは、基部431の下面に設けられている。そして、第1検出信号端子441bと第1検出信号電極441a、第1検出接地端子442bと第1検出接地電極442a、第2検出信号端子443bと第2検出信号電極443a、第2検出接地端子444bと第2検出接地電極444a、駆動信号端子445bと駆動信号電極445a、駆動接地端子446bと駆動接地電極446a、がそれぞれ図示しない配線を介して電気的に接続されている。
【0051】
パッケージ40は、
図5に示すように、上面に開口する凹部451を有する箱状のベース基板45と、凹部451の開口を塞いでベース基板45に接合されている板状のリッド(蓋体)46と、を有している。そして、凹部451の開口がリッド46によって塞がれることにより形成された内部空間S2内に、角速度センサー素子42およびICチップ49が収納されている。内部空間S2の雰囲気は、特に限定されないが、真空状態(例えば、10Pa以下の減圧状態)とすることが好ましい。
【0052】
ベース基板45の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスを用いることができる。また、リッド46の構成材料としては、特に限定されないが、ベース基板45の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース基板45の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。なお、ベース基板45とリッド46の接合方法は、特に限定されず、例えば、メタライズ層を介して接合してもよいし、接着材を介して接合してもよい。
【0053】
ベース基板45は、板状の底部452と、底部452の上面から立設している枠状の側壁部453と、を有しており、底部452は、平面視にて、その外縁部が側壁部453から外側へ突出している。また、凹部451は、ベース基板45の上面に開口する有底の第1凹部451aと、第1凹部451aの底部に開口し、第1凹部451aよりも小さい有底の第2凹部451bと、第2凹部451bの底部に開口し、第2凹部451bよりも小さい有底の第3凹部451cと、を有している。
【0054】
また、
図7に示すように、第1凹部451aの底面には角速度センサー素子42と接続される6つの接続端子471が配置され、第2凹部451bの底面には6つの接続端子472が配置され、各接続端子471とそれに対応する接続端子472とが、それぞれ、図示しない内部配線によって電気的に接続されている。また、第2凹部451bの底面には4つの接続端子473が配置され、底部452の外縁部(側壁部453よりも外側の部分)には4つの接続端子474が配置され、各接続端子473とそれに対応する接続端子474とが、それぞれ、図示しない内部配線によって電気的に接続されている。また、各接続端子474は、ボンディングワイヤー475によって、ベース基板21に配置されている対応する内部端子235に電気的に接続されている。
【0055】
このようなベース基板45の凹部451の底面(第3凹部451cの底面/底部452の上面)にはICチップ49が銀ペースト、接着材等の固定部材(図示せず)によって固定されている。そして、ICチップ49は、ボンディングワイヤー411によって、各接続端子472、473に電気的に接続されている。
【0056】
このようなICチップ49には、例えば、角速度センサー素子42を駆動振動させるための駆動回路や、角速度ωが加わったときに角速度センサー素子42に生じる検出振動を検出する検出回路や、検出回路から出力される信号を所定の信号に変換して出力する出力回路等が含まれている。
【0057】
また、ベース基板45の第1凹部451aの底面には導電性接着材413を介して支持基板48が固定されている。支持基板48は、従来から知られるTAB(Tape Automated Bonding)実装用の基板である。このような支持基板48は、
図8に示すように、枠状の基部481と、基部481に設けられた6本のボンディングリード482〜487と、を有している。
【0058】
基部481は、例えば、ポリイミド等の可撓性を有する樹脂で構成されている。6本のボンディングリード482〜487は、それぞれ、基部481の下面に固定され、先端部が基部481の開口部内まで延びている。そして、ボンディングリード482〜487の先端部が、図示しない導電性接着材を介して角速度センサー素子42の端子441b、442b、443b、444b、445b、446bと電気的に接続されている。一方、ボンディングリード482〜487の基端部は、それぞれ、導電性接着材413を介して対応する接続端子471に電気的に接続されている。このように、支持基板48は、パッケージ40と角速度センサー素子42との間に介在し、角速度センサー素子42を支持するとともに、角速度センサー素子42をパッケージに固定している。
【0059】
以上、角速度センサー部品4の構成について簡単に説明した。次に、角速度センサー部品4の駆動について簡単に説明する。
【0060】
角速度センサー素子42に角速度が加わらない状態において、ICチップ49の駆動回路から駆動信号端子445bと駆動接地端子446bとの間に交番電圧を印加すると、駆動信号電極445aと駆動接地電極446aとの間に電界が生じ、
図9(a)に示すように、第1〜第4駆動腕434a〜434dが矢印Aに示す方向に屈曲振動を行う。このときは、第1、第2駆動腕434a、434bと第3、第4駆動腕434c、434dとが対称に振動しているため、第1、第2検出腕432a、432bは、ほとんど振動しない。
【0061】
このような駆動振動を行っている状態で、角速度センサー素子42にZ軸まわりの角速度ωが加わると、
図9(b)に示すような検出振動が励振される。具体的には、駆動腕434a〜434dおよび第1、第2連結腕433a、433bに矢印B方向のコリオリの力が働き、新たな振動が励起される。また同時に、第1、第2検出腕432a、432bには、矢印Bの振動に呼応して矢印C方向の検出振動が励起される。そして、この振動により第1、第2検出腕432a、432bに発生した電荷を、第1、第2検出信号電極441a、443aと第1、第2検出接地電極442a、444aとから信号として取り出し、この信号に基づいてICチップ49の検出回路が角速度ωを検出し、検出された角速度が出力回路から出力される。
【0062】
以上、角速度センサー部品4について説明したが、角速度センサー部品4の構成としてはこれに限定されず、例えば、支持基板48が省略され、角速度センサー素子42がICチップ49上に固定されていたり、ベース基板45に固定されていたりしてもよい。また、本実施形態では、角速度センサー素子42とICチップ49とが厚さ方向に重なって配置されているが、重なっておらず、角速度センサー素子42とICチップ49とが、ベース基板45の凹部451の底面に並んで配置されていてもよい。また、角速度センサー素子42としては、特に限定されず、例えば、基部と、基部から一方側へ延びる一対の駆動腕と、基部から他方側へ延びる一対の検出腕と、を有する所謂「H」型の角速度センサー素子を用いてもよい。また、角速度センサー素子42の検出軸としてはZ軸に限定されず、X軸であってもよいし、Y軸であってもよい。また、角速度センサー素子42の数も特に限定されず、例えば、検出軸がZ軸の角速度センサー素子と、検出軸がX軸の角速度センサー素子とを有していてもよいし、さらに、検出軸がY軸の角速度センサー素子を有していてもよい。
【0063】
(弾性部材5)
弾性部材5は、
図1、
図2および
図7に示すように、角速度センサー部品4をベース基板21に支持している。このような弾性部材5は、柱状をなしており、加速度センサー部品3の周囲に沿って(角部に対応する位置に)4本設置されている。そして、これら弾性部材5の上面に接着材等の固定部材(図示せず)を介して角速度センサー部品4(ベース基板45の下面)が固定されている。これにより、角速度センサー部品4が弾性部材5を介してベース基板21に固定された状態となる。すなわち、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4の間に弾性部材5が介在する状態となる。そのため、角速度センサー部品4に含まれる角速度センサー素子42の駆動振動や検出振動が、弾性部材5によって減衰(好ましくは吸収)され、加速度センサー部品3に含まれる加速度センサー素子31に電播され難くなる。これにより、加速度センサー部品3での加速度検知精度の低下を低減することができる。
【0064】
特に、本実施形態では、加速度センサー部品3がベース基板21に配置され、このベース基板21に弾性部材5を介して角速度センサー部品4が配置されているため、角速度センサー部品4から発生する前記振動の加速度センサー部品3までの伝播距離をより長くすることができる。よって、例えば、前記振動の一部が、弾性部材5で吸収されずにベース基板21まで到達しても、さらにそこから加速度センサー素子31まで伝播する間に減衰するため、前記振動が加速度センサー素子31により伝播され難くなる。したがって、上記効果をより顕著に発揮することができる。
【0065】
また、弾性部材5が角速度センサー部品4のパッケージ40の四隅を下方から支えているため、角速度センサー部品4が安定した状態でベース基板21に固定されている。これにより、物理量センサー1の機械的強度が増し、耐衝撃性が向上する。また、
図7に示すように、角速度センサー部品4が有する接続端子474が、それぞれ、弾性部材5上(弾性部材5と重なる位置)に配置されているため、ワイヤーボンディング時のキャピラリーの押圧による破損が低減され、さらに、超音波印加をより効率的に行うことができる。したがって、ボンディングワイヤー475による電気的接続をより確実に行うことができる。
【0066】
また、弾性部材5によって、平面視(Z軸方向から見た平面視)で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が重なるように配置されているため、XY平面の面内方向への広がりを抑えることができ、物理量センサー1の小型化(平面視での小型化)を図ることができる。なお、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4の少なくとも一部が重なって配置されていれば、上記効果を発揮することができるが、特に、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4の中心同士が重なるように配置されていることで、上記効果をより顕著に発揮することができる。
【0067】
ここで、弾性部材5としては、角速度センサー部品4から発生する振動を減衰させることができれば、特に限定されないが、例えば、ベース基板21、45よりもヤング率が低いことが好ましい。このような弾性部材5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料を用いることができる。
【0068】
以上、弾性部材5について説明した。本実施形態では、柱状の4本の弾性部材5が設けられているが、弾性部材5の構成としては、これに限定されず、例えば、平面視で加速度センサー部品3を囲むようにして配置された枠状をなしていてもよい。これにより、角速度センサー部品4をより安定して支持することができる。なお、弾性部材5を枠状とする場合には、例えば、内部端子231と重ならないように、途中に切り欠き部等を設けてもよい。
【0069】
<第2実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第2実施形態について説明する。
【0070】
図10は、本発明の第2実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
図11は、
図10に示す物理量センサーの変形例を示す断面図である。
【0071】
本実施形態にかかる物理量センサーは、静電容量形成部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
【0072】
なお、以下の説明では、第2実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、
図10、11では前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0073】
本実施形態の物理量センサーでは、弾性部材5が導電性を有している。そして、
図10に示すように、この導電性の弾性部材5を介して、各接続端子474とそれに対応する内部端子235とが、それぞれ、電気的に接続されている。このような構成とすることにより、弾性部材5を配線の一部として用いることができるため、装置構成の簡略化を図ることができる。なお、本実施形態では、前述した第1実施形態と異なり、各接続端子474をベース基板45(底部452)の下面に配置することで、接続端子474と弾性部材5とのコンタクトを容易としている。
【0074】
ここで、弾性部材5に導電性を付与する方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂材料に、銀フィラー等の金属粉末、グラファイト、カーボンブラック等の導電性フィラーを混合する方法が挙げられる。
【0075】
このような第2実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0076】
なお、本実施形態の物理量センサー1の変形例として
図11に示す構成がある。
図11に示す構成では、1つの弾性部材5によって、接続端子474と内部端子235の電気的な接続を2組以上行う必要がある。この場合には、弾性部材5として、異方性導電部材(すなわち、高さ方向に導電性を有し、横方向に十分な絶縁性をする部材)を用いることが好ましい。これにより、接続端子474間の短絡を防止しつつ、各接続端子474とそれに対応する内部端子235とを電気的に接続することができる。このような弾性部材5としては、特に限定されないが、例えば、
図11のように、樹脂で構成されている絶縁性の基部51と、この基部51に埋設され、基部51の上下面を貫通する複数の金属細線52と、を有する構成とすることができる。
【0077】
<第3実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第3実施形態について説明する。
【0078】
図12は、本発明の第3実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
図13は、
図12に示す物理量センサーの実装状態を示す断面図である。
【0079】
本実施形態にかかる物理量センサーは、パッケージの構成が異なること以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
【0080】
なお、以下の説明では、第3実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、
図12、13では前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0081】
本実施形態の物理量センサー1では、
図12に示すように、パッケージ2がベース基板21で構成されている。また、ベース基板21は、上面に開口する凹部211を有するキャビティ状をなしている。そして、この凹部211内に加速度センサー部品3、角速度センサー部品4および弾性部材5が配置されている。具体的には、凹部211の底面211aに加速度センサー部品3が配置され、また、底面211aに弾性部材5を介して角速度センサー部品4が配置されている。
【0082】
また、本実施形態では、実装端子241がベース基板21の上面、すなわち凹部211の開口の周囲に配置されており、
図13に示すように、凹部211の開口を実装基板9側に向けて、実装基板9に接続されている。これにより、実装基板9によって、凹部211の開口がほぼ塞がれた状態となり(すなわち、実装基板9がリッド22となり)、これにより、加速度センサー部品3および角速度センサー部品4が保護される。このように、ベース基板21をキャビティ状とすることで、リッド22を省略することができ、装置構成の簡略化および低背化を図ることができる。
【0083】
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0084】
<第4実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第4実施形態について説明する。
図14は、本発明の第4実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
【0085】
本実施形態にかかる物理量センサーは、パッケージが省略された構成となっていること以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
【0086】
なお、以下の説明では、第4実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、
図14、15では前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0087】
本実施形態の物理量センサー1では、
図14に示すように、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が弾性部材5を介して直接、接続されている。すなわち、前述した第1実施形態のようにベース基板21等の弾性部材5とは異なる部材を介さないように加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が接続されている。以下、本実施形態の物理量センサーについて具体的に説明する。
【0088】
本実施形態の加速度センサー部品3は、
図14に示すように、ガラスエポキシ基板等の基板30と、基板30の上面に配置(接合)されている加速度センサー素子31と、加速度センサー素子31(リッド34)の上面に配置(接合)されているICチップ39と、を有している。また、基板30の上面には複数の接続端子301が配置されており、下面には複数の実装端子302が配置されている。そして、加速度センサー素子31とICチップ39とがボンディングワイヤー382で電気的に接続され、ICチップ39と基板30の接続端子301とがボンディングワイヤー383で電気的に接続されている。また、加速度センサー部品3は、実装端子302を露出させた状態で、加速度センサー部品3および角速度センサー部品4がモールド材Mで封止されている。なお、複数の実装端子302の一部は、基板30内の図示しない内部配線を介して接続端子301と電気的に接続されており、残りは、モールド材Mの側面に形成されている配線(例えばキャスタレーション)を介して、モールド材Mの上面に配置されている接続端子303と電気的に接続されている。
【0089】
そして、このような構成の加速度センサー部品3上面に、弾性部材5を介して角速度センサー部品4が配置(接合)されている。弾性部材5は、導電性を有しており、これにより、角速度センサー部品4の各接続端子474と、それに対応するモールド材M上の接続端子303とが電気的に接続されている。なお、弾性部材5としては、前述した第2実施形態で説明したように、必要に応じて異方性導電部材を用いてもよい。また、弾性部材5は、例えば、柱状のものを複数配置してもよいし、枠状のものを1つ配置してもよい。
【0090】
このような構成によれば、パッケージ2を省略することができるので、装置構成の簡略化および小型化を図ることができる。
【0091】
このような第4実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0092】
<第5実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第5実施形態について説明する。
図15は、本発明の第5実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
【0093】
本実施形態にかかる物理量センサーは、パッケージの構成が異なること以外は、前述した第1実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
【0094】
なお、以下の説明では、第5実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、
図15では前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0095】
本実施形態の物理量センサー1では、
図15に示すように、パッケージ2が、板状の下側ベース基板(第1基板)28と、板状の上側ベース基板(第2基板)29と、下側ベース基板28および上側ベース基板29の間に位置し、これらを対向させた状態で接合する導電性の弾性部材5と、を有している。すなわち、本実施形態では、弾性部材5がパッケージ2の一部を構成している。なお、下側ベース基板28および上側ベース基板29としては、例えば、セラミックス基板、ガラス基板、ガラスエポキシ基板等を用いることができる。
【0096】
このような下側ベース基板28の上面には加速度センサー部品3が配置されている。また、下側ベース基板28の上面には複数の内部端子231と複数の接続端子232とが配置されている。各内部端子231は、ボンディングワイヤー381を介して加速度センサー部品3と電気的に接続されており、各接続端子232は、弾性部材5と電気的に接続されている。また、下側ベース基板28の下面には複数の実装端子241が配置されており、これら実装端子241の一部が、図示しない内部配線を介して内部端子231と電気的に接続され、残りが、内部配線を介して接続端子232と電気的に接続されている。
【0097】
一方で、上側ベース基板29の下面には角速度センサー部品4が配置されている。また、上側ベース基板29の下面には複数の内部端子235が配置されている。各内部端子235は、半田等の導電性固定部材476を介して角速度センサー部品4の接続端子474と電気的に接続されている。また、各内部端子235は、弾性部材5を介して、対応する接続端子232にも電気的に接続されている。これにより、弾性部材5を介して角速度センサー部品4と実装端子241とが電気的に接続された状態となる。
【0098】
このような構成によれば、下側ベース基板28と上側ベース基板29の間に、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4を配置することができるので、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4とを保護することができる。
【0099】
また、弾性部材5をパッケージ2の一部として用いることができるので、装置の小型を図ることができる。なお、弾性部材5の形状としては、特に限定されないが、柱状の弾性部材5を複数配置してもよいし、枠状の弾性部材5を配置してもよい。また、特に弾性部材5を枠状とする場合等、弾性部材5として、必要に応じて前述した第2実施形態(
図11参照)で説明したような異方性導電部材を用いてもよい。なお、本実施形態の構成においては弾性部材5を枠状とすることが好ましい。これにより、パッケージ2の内部に閉じた空間(外部から隔離された空間)を形成することができ、加速度センサー部品3および角速度センサー部品4を効果的に保護することができる。
【0100】
このような構成によれば、例えば、前述した第1実施形態と比較して、上側ベース基板29を追加した分、角速度センサー素子42と加速度センサー素子31とを結ぶ振動の伝播経路を長くすることができる。そのため、角速度センサー素子42で発生する振動の加速度センサー素子31への伝播をより低減することができる。
【0101】
また、本実施形態では、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が重なって配置されているため、XY平面の面内方向への広がりを抑えることができ、物理量センサー1の小型化(平面視での小型化)を図ることができる。なお、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が重なって配置されていれば、上記効果を発揮することができるが、特に、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4の中心同士が重なるように配置されていることで、上記効果をより顕著に発揮することができる。
【0102】
このような第5実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0103】
<第6実施形態>
次に、本発明の物理量センサーの第6実施形態について説明する。
【0104】
図16は、本発明の第6実施形態に係る物理量センサーを示す断面図である。
【0105】
本実施形態にかかる物理量センサーは、加速度センサー部品および角速度センサー部品の配置が異なること以外は、前述した第5実施形態にかかる物理量センサーと同様である。
【0106】
なお、以下の説明では、第6実施形態の物理量センサーに関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、
図16では前述した実施形態と同様の構成について、同一符号を付している。
【0107】
本実施形態の物理量センサー1では、
図16に示すように、平面視で、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が、重ならないように配置されている。また、加速度センサー部品3の上面(上端部)3aが、角速度センサー部品4の下面(下端部)4aよりも上側に位置するように配置されている。すなわち、加速度センサー部品3の上端部と角速度センサー部品4の下端部がXY平面の面内方向に並ぶように、加速度センサー部品3と角速度センサー部品4が配置されている。これにより、物理量センサー1の高さを低くすることができ、物理量センサー1の低背化を図ることができる。
【0108】
このような第6実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0109】
(電子機器)
次に、本発明の電子機器を説明する。
【0110】
図17は、本発明の電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。
【0111】
この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1108を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、物理量センサー1が内蔵されている。
【0112】
図18は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(スマートフォン、PHS等も含む)の構成を示す斜視図である。
【0113】
この図において、携帯電話機1200は、アンテナ(図示せず)、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。このような携帯電話機1200には、物理量センサー1が内蔵されている。
【0114】
図19は、本発明の電子機器を適用したディジタルスチルカメラの構成を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。
【0115】
ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、ディジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
【0116】
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1310が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1310は、被写体を電子画像として表示するファインダとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
【0117】
撮影者が表示部1310に表示された被写体像を確認し、シャッタボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリ1308に転送・格納される。また、このディジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニタ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリ1308に格納された撮像信号が、テレビモニタ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなディジタルスチルカメラ1300には、例えば、手振れ補正に用いるための物理量センサー1が内蔵されている。
このような電子機器は、物理量センサー1を備えるので、優れた信頼性を有する。
【0118】
なお、本発明の電子機器は、
図17のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、
図18の携帯電話機、
図19のディジタルスチルカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンタ)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニタ、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシュミレータ等に適用することができる。
【0119】
(移動体)
次に、本発明の移動体を説明する。
図20は、本発明の移動体を適用した自動車を示す斜視図である。
【0120】
自動車1500には物理量センサー1が内蔵されており、例えば、物理量センサー1によって車体1501の姿勢を検出することができる。物理量センサー1の検出信号は、車体姿勢制御装置1502に供給され、車体姿勢制御装置1502は、その信号に基づいて車体1501の姿勢を検出し、検出結果に応じてサスペンションの硬軟を制御したり、個々の車輪1503のブレーキを制御したりすることができる。
【0121】
以上、本発明の物理量センサー、電子機器および移動体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。