(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記一般式(1)で表される化合物が、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランの少なくともいずれかである請求項2に記載の金属表面処理液。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(金属表面処理液)
開示の金属表面処理液は、シランカップリング剤の加水分解物を含有し、中性である。
ここで、本発明において中性とはpHが、6.0〜8.0の範囲を意味する。
前記金属表面処理液は、通常、水を含有する。
【0014】
本発明者らは、シランカップリング剤を酸性水により加水分解して得られる金属表面処理液は、調製後、経時で密着性向上効果が低下することに気づいた。
そこで、本発明者らは鋭意検討を行ったところ、シランカップリング剤の加水分解物を含有し、中性である金属表面処理液は、金属配線と、絶縁層との密着性を向上させる効果が、調製後も長期に渡り維持できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0015】
開示の金属表面処理液において、金属配線と、絶縁層との密着性を向上させる効果が、調製後も長期に渡り維持できる理由について、本発明者らは以下のように考察している。
【0016】
従来のシランカップリング剤を用いた金属表面処理液は、シランカップリング剤と、酸性水とを混合して、調製される。その際のシランカップリング剤の反応は、以下のスキーム1のように示される。
【化1】
ここで、R
nSi(OR)
4−nは、シランカップリング剤を表す。
【0017】
スキーム1に示すように、酸性水を用いた場合、シランカップリング剤は加水分解するのみならず、脱水縮合も起こす。そのため、経時で、金属配線と結合する官能基(水酸基)が減少する。その結果、経時で、金属配線と、絶縁層との密着性を向上させる効果が低下する。
【0018】
一方、開示の金属表面処理液においては、例えば、シランカップリング剤をオゾンにより加水分解して、調製される。その際のシランカップリング剤の反応は、以下のスキーム2のように示される。なお、オゾンを含有する水のpHは概ね中性である。
【化2】
ここで、R
nSi(OR)
4−nは、シランカップリング剤を表す。R’は、アルコールのRよりも炭素数が1つ少ない。
【0019】
スキーム2に示すように、シランカップリング剤の加水分解は進行するが、脱水縮合は起こりにくい。そのため、経時でも、金属配線と結合する官能基(水酸基)が減少しにくい。その結果、経時でも、金属配線と、絶縁層との密着性を向上させる効果が低下しにくい。
スキーム2において、脱水縮合が起こりにくいのは、酸性水を用いた場合と異なり、オゾンを用いた場合には、液中のpHが中性であり、脱水縮合の反応速度が遅いためと考えられる。
なお、スキーム2に示すように、シランカップリング剤をオゾンにより加水分解した際には、副生成物であるアルコールに加え、アルコールがオゾンより酸化されて、アルデヒド、カルボン酸が生成することがある。
【0020】
<シランカップリング剤の加水分解物>
前記加水分解物は、シランカップリング剤を加水分解して得られる。前記加水分解は、オゾンを用いて行われることが、加水分解性に優れ、かつ前記金属表面処理液が中性を維持しやすい点で、好ましい。
【0021】
−シランカップリング剤−
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表される化合物などが挙げられる。
【化3】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
【0022】
前記一般式(1)の前記R
1における炭素数1〜3のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基などが挙げられる。これらの中でも、立体障害の点で、メチル基、エチル基が好ましい。
【0023】
前記一般式(1)におけるR
1O基の数(4−n)としては、3が好ましい。
そのため、前記一般式(1)の前記nは、1が好ましい。
【0024】
前記一般式(1)における前記mとしては、立体障害による反応性、及び水溶性の点で、2又は3が好ましい。中でも、前記一般式(1)における−(CH
2)
m−は、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましい。
【0025】
前記R
2における脂環式エポキシ基としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシル基などが挙げられる。
【0026】
前記R
2における置換アミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、1,3−ジメチル−ブチリデン基、アミノアルキル基、置換アミノアルキル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基などが挙げられる。前記アミノアルキル基としては、例えば、アミノメチル基、アミノエチル基などが挙げられる。前記置換アミノアルキル基における置換基としては、例えば、ビニルベンジル基などが挙げられる。
【0027】
前記一般式(1)における前記R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、絶縁層の主材構造に応じて適宜選択されることが好ましい。
例えば、前記絶縁層の主材がフェノール樹脂の場合、前記R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イソシアネート基、及びウレイド基のいずれかであることが好ましい。
前記絶縁層の主材がエポキシ樹脂の場合、前記R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、及びイソシアネート基のいずれであることが好ましい。
前記絶縁層の主材が不飽和ポリエステル樹脂の場合、前記R
2は、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、ビニル基、メタクリロキシ基、及びアクリロキシ基のいずれかであることが好ましい。
【0028】
前記一般式(1)で表される化合物としては、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランが好ましい。
これらにおけるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基などが挙げられる。
【0029】
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、1−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−1H−イミダゾール、1−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]−1H−イミダゾール、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシトリメトキシシラン、3−メタクリロキシトリエトキシシラン、3−アクリロキシトリメトキシシラン、3−アククリロキシトリエトキシシランなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0030】
前記一般式(1)で表される化合物は市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、信越化学工業株式会社製のシランカップリング剤などが挙げられる。
【0031】
−シランカップリング剤の加水分解物−
前記シランカップリング剤の加水分解物としては、例えば、下記一般式(2)で表される化合物などが挙げられる。
【化4】
ただし、前記一般式(2)中、R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
【0032】
前記一般式(2)におけるR
2、m、及びnの具体例は、前記一般式(1)におけるR
2、m、及びnの具体例とそれぞれ同じであり、好ましい態様も同じである。
【0033】
−オゾン−
前記加水分解物は、前記シランカップリング剤をオゾンにより加水分解して得られることが、加水分解性に優れ、かつ前記金属表面処理液が中性を維持しやすい点で、好ましい。
【0034】
前記オゾンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、オゾンナノバブルであることが好ましい。前記オゾンナノバブルとは、直径200nm以下のオゾンの気泡のことであり、例えば、直径50μm以下のオゾンのマイクロバブルを水中で圧壊させることで生成される。このオゾンナノバブルが溶け込んだ水をオゾンナノバブル水という。
【0035】
前記オゾンナノバブル水は、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、昭和薬品工業株式会社製のオゾンナノバブル水(環境衛生用)などが挙げられる。
【0036】
<その他の成分>
前記金属表面処理液は、更に、前記シランカップリング剤を前記オゾンにより加水分解した際に生じるアルコール、前記アルコールを前記オゾンにより酸化して得られるアルデヒド、及び前記アルデヒドを前記オゾンにより酸化して得られるカルボン酸の少なくともいずれかを含有してもよい。
【0037】
前記アルデヒド、及び前記カルボン酸は、酸性水を用いた金属表面処理液においては通常存在しない。そのため、前記アルデヒド、及び前記カルボン酸の少なくともいずれかの存在は、前記金属表面処理液が前記オゾンを用いて製造されたことの間接的な証明となる。
【0038】
また、酸性水を用いた金属表面処理液においては、通常、生成するアルコールは、反応せずに残るため、金属表面処理液の製造に用いたシランカップリング剤のアルコキシ基のモル量と、生成したアルコールのモル量とは、同量となる。
一方、前記オゾンを用いて前記金属表面処理液を製造した場合、前記シランカップリング剤を前記オゾンにより加水分解した際に生じるアルコールの少なくとも一部は、前記オゾンにより酸化されて、アルデヒド及びカルボン酸に変化する。そのため、前記金属表面処理液において、前記アルコールのモル量は、前記加水分解物の水酸基のモル量未満となることがある。そして、このことは、前記金属表面処理液が前記オゾンを用いて製造されたことの間接的な証明となる。
【0039】
<製造方法>
前記金属表面処理液の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記シランカップリング剤と、前記オゾンナノバブル水とを混合し加熱する方法などが挙げられる。
【0040】
前記シランカップリング剤と、前記オゾンナノバブル水との混合割合としては、前記シランカップリング剤のアルコキシ基のモル量以上の水を混合すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
前記加熱の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、得られる金属表面処理液の安定性、及び密着性向上効果の両立の点から、例えば、30℃〜60℃などが挙げられる。
前記加熱の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10分間〜120分間などが挙げられる。
【0042】
また、前記金属表面処理液の製造方法としては、前記シランカップリング剤と水とを含有する液に、オゾンを供給し、次いで、加熱する方法なども挙げられる。前記オゾンを供給する方法としては、例えば、バブリングなどが挙げられる。
【0043】
(配線構造の製造方法)
開示の配線構造の製造方法は、金属配線形成工程と、金属表面処理工程と、絶縁層形成工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
【0044】
−金属配線形成工程−
前記金属配線形成工程は、基板の上方に金属配線を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0045】
前記基板としては、例えば、シリコン基板、樹脂基板、セラミック基板などが挙げられる。前記樹脂基板の材質としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
前記金属配線の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、銅、スズ、クロム、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、コバルト、金、白金、銀、パラジウムなどが挙げられる。これらの中でも、銅が好ましい。
【0047】
前記金属配線の形状、大きさ、構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0048】
前記金属配線の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、セミアディティブ法などが挙げられる。
【0049】
−金属表面処理工程−
前記金属表面処理工程としては、前記金属配線の表面に、開示の前記金属表面処理液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0050】
−−塗布−−
前記金属表面処理液を塗布する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、浸漬法、スプレー法、スピンコート法などが挙げられる。
【0051】
前記浸漬法は、前記金属表面処理液に、被処理基板を一定時間浸ける方法である。浸漬中、被処理基板は、静止させていてもよいし、揺動させていてもよい。浸漬時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5秒間〜600秒間が好ましく、10秒間〜180秒間がより好ましい。浸漬時間が短いと、十分な処理がなされないことがあり、浸漬時間が長いと、工程時間の超過によって非効率となることがある。
【0052】
前記スプレー法、及び前記スピンコート法では、前記金属表面処理液を、被処理基板の表面に接するように塗布する。各々の処理装置の処理手法に応じ、均一に処理されるように条件を最適化して処理することが望ましい。
【0053】
いずれの塗布方法においても、前記金属表面処理液の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、反応の安定性を考慮した場合、一定温度に固定することが好ましい。特に高温の処理は必要ないが、20℃〜50℃程度の汎用な温度を好ましく用いることができる。
【0054】
また、前記金属表面処理液の後には、水、又はアルコールを含む水でリンス処理を行ってもよい。前記リンス処理はできるだけ効率的に表面を洗浄することが必要なため、流水を用いる方法、大量の溜め水に浸漬する方法、循環された水浴に浸漬する方法が好ましい。リンスは必要に応じて適用する工程のため、特に処理時間に制限はないが、リンス時間が長いと、工程時間の超過によって非効率となることがあるため、〜600秒間が好ましい。
【0055】
また、前述のスプレー法、スピンコート法で用いる装置を使用して、スプレーリンス処理、スピンコートリンス処理を行っても十分に洗浄は可能であり、その際の処理時間は、同様に〜600秒間が好ましい。
【0056】
更に、処理工程中に必要に応じて適宜の加熱処理を行ってもよい。
加熱処理温度としては、60℃〜150℃が好ましく、90℃〜130℃がより好ましい。
加熱処理時間としては、30秒間〜1,000秒間が好ましい。
【0057】
−絶縁層形成工程−
前記絶縁層形成工程としては、前記基板の上方に、前記金属配線を覆う絶縁層を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0058】
前記絶縁層の材質としては、例えば、絶縁樹脂などが挙げられる。前記絶縁樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0059】
前記絶縁層を形成する方法としては、例えば、前記絶縁層を構成する材質を含有する塗布液を、前記金属配線を覆うように塗布する方法などが挙げられる。前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレーコート法、スピンコート法などが挙げられる。
【0060】
前記塗布の後には、加熱処理を行うことが好ましい。
前記加熱処理における温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、90℃〜300℃で段階的に加熱処理することが好ましく、具体的には90℃〜130℃で加熱処理を行った後、130℃〜300℃の温度範囲で1段または複数段階で加熱処理を行うことが好ましい。
前記加熱処理における時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、最初の加熱処理は1分間〜10分間、その後の段階的な加熱処理は10分間〜5時間が好ましく、トータルの処理時間としては温度調整の時間も含め、30分間〜5時間程度が好ましい。
前記加熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、130℃以上の加熱処理時には、絶縁層の酸化を防ぐため、不活性ガス雰囲気が好ましい。前記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスなどが挙げられる。
【0061】
前記密着層における、例えば、前記一般式(1)で表される構造のR
2と前記絶縁層との親和性により、優れた密着性が得られる。
【0062】
(配線構造)
開示の配線構造は、基板と、前記基板の上方に形成された金属配線と、前記金属配線を覆う絶縁層と、前記金属配線と前記絶縁層との間に形成された、開示の前記金属表面処理液を塗布して形成された密着層と、を有する。
前記配線構造は、例えば、前記配線構造の製造方法により製造できる。
【0063】
以下に図を用いて、開示の技術について説明する。
【0064】
図1A〜
図1Hは、セミアディティブ法による金属配線の形成方法の一例を示す図である。この方法では、金属配線として銅配線を用いている。
【0065】
まず、
図1Aに示すように、シリコン基板11の上に下地絶縁層12を形成し、更にその上に例えばTiにより密着バリア層13を形成する。この密着バリア層13は、後述する工程で密着バリア層13上に形成される銅配線と下地絶縁層12とを強固に密着させる機能と、銅配線から下地絶縁層12への金属原子(Cu)の拡散を防止するバリア層としての機能とを有する。
【0066】
次に、
図1Bに示すように、密着バリア層13の上に、めっきシード層14を薄く形成する。その後、
図1Cに示すように、めっきシード層14の上にフォトレジスト膜15を形成し、露光及び現像処理を実施して、めっきシード層14が露出する開口部15aを所望のパターンで形成する。
【0067】
次に、
図1Dに示すように、電解めっき法又は無電解めっき法により、開口部15aの内側のめっきシード層14上に銅をめっきして、銅配線16を形成する。
【0068】
次に、
図1Eに示すように、フォトレジスト膜15を除去する。そして、
図1Fに示すように、めっきシード層14と密着バリア層13のうち銅配線16に覆われていない部分をエッチングにより除去する。
【0069】
次に、
図1Gに示すように、銅配線16の表面に、前記金属表面処理液を塗布し、密着層17を形成する。
【0070】
その後、
図1Hに示すように、シリコン基板11の上側全面に絶縁物を堆積させて、密着層17が形成された銅配線16を覆う絶縁層18を形成する。このようにして、配線構造が製造される。
【0071】
密着層17の形成により、銅配線16と絶縁層18との密着性が向上する。
【0072】
次に、他の一例について説明する。
図2A〜
図2Iは、他の一例の配線構造の製造方法を工程順に示す断面図である。この方法では、金属配線として銅配線を用いている。
【0073】
まず、
図2Aに示すように、基板21上に下地絶縁層22を形成する。本実施形態では基板21としてシリコン基板を用いるが、樹脂又はセラミック等の基板を使用することもできる。下地絶縁層22は、基板21の表面を熱酸化させて形成した熱酸化膜でもよいし、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等により成膜した絶縁膜を用いてもよい。
【0074】
次に、
図2Bに示すように、下地絶縁層22の上にTi(チタン)等の金属又はその化合物からなる密着バリア層23を例えば5nm〜20nmの厚みに形成する。この密着バリア層23は、後述する銅配線26(
図3D参照)と下地絶縁層22とを強固に密着させる機能と、銅配線26から下地絶縁層22への金属原子(Cu)の拡散を防止するバリア層としての機能とを有する。密着バリア層23を形成後、例えばスパッタ法により、密着バリア層23の上に銅からなるめっきシード層24を10nm〜200nmの厚みに形成する。
【0075】
次に、
図2Cに示すように、めっきシード層24の上にフォトレジスト膜25を形成し、該フォトレジスト膜25を露光及び現像処理して、めっきシード層24が露出する開口部25aを所望のパターン(配線パターン)で形成する。ここでは、開口部25aの幅、すなわち形成しようとする配線の幅が2μm程度であるとする。
【0076】
次に、
図2Dに示すように、電解めっき法又は無電解めっき法により、開口部25aの内側のめっきシード層24上に銅を例えば2μmの厚みにめっきして、銅配線26を得る。その後、
図2Eに示すように、フォトレジスト膜25を除去する。
【0077】
次に、
図2Fに示すように、銅配線26に覆われていない部分のめっきシード層24及び密着バリア層23をエッチングにより除去する。めっきシード層24は、例えば硫化カリウムを用いてエッチングする。このエッチング工程では銅配線26もエッチングされるが、銅配線26の厚みはめっきシード層24及び密着バリア層23に比べて十分厚いため、銅配線26の厚みの減少はわずかである。このエッチングによる膜厚の減少を考慮して、開口部25aの幅及び銅配線26形成時のめっき厚みを設定しておく。密着バリア層23は、例えばフッ化アンモニウムを用いてエッチングする。
【0078】
次に、
図2Gに示すように、銅配線26の側面及び上面に、前記金属表面処理液を塗布し、密着層28を形成する。
【0079】
次に、
図2Hに示すように、基板21の上側全面に絶縁層29を、例えば5μmの厚みに形成し、この絶縁層29により銅配線26を覆う。絶縁層29は樹脂等の有機絶縁物により形成してもよく、酸化シリコン等の無機絶縁物により形成してもよい。このようにして、本態様に係る配線構造が完成する。
【0080】
密着層28の形成により、銅配線26と絶縁層29との密着性が向上する。
【0081】
次に、他の一例について説明する。
図3A〜
図3Hは、他の一例の配線構造の製造方法を工程順に示す断面図である。この方法では、金属配線として銅配線を用いている。
【0082】
本態様では、多層配線構造の製造方法について説明する。また、
図3A〜
図3Hにおいて、
図2A〜
図2Hと同一物には同一符号を付している。
【0083】
まず、
図2A〜
図2Hを用いて説明した方法と同様の方法により、
図3Aに示すように基板21の上に第1配線層(銅配線26及び絶縁層29等)を形成する。なお、
図3Aにおいては、密着層28が形成されている。密着層28は、形成されていることが好ましいが、形成されていなくてもよい。
【0084】
次いで、
図3Bに示すように、絶縁層29の表面から所定の銅配線26に到達する孔を形成した後、基板21の上側全面に、Ti等の金属からなる密着バリア層31と、銅からなるめっきシード層32とを順次形成する。
【0085】
次に、
図3Cに示すように、めっきシード層32の上にフォトレジスト膜33を形成し、該フォトレジスト膜33を露光及び現像処理して、めっきシード層32が露出する開口部33aを所望のパターンで形成する。
【0086】
次に、
図3Dに示すように、開口部33aの内側のめっきシード層32の上に銅を例えば2μmの厚みにめっきして、銅配線34を形成する。その後、
図3Eに示すように、フォトレジスト膜33を除去した後、
図3Fに示すように銅配線34に覆われていない部分のめっきシード層32及び密着バリア層31をエッチングにより除去する。
【0087】
次に、
図3Gに示すように、銅配線34の側面及び上面を覆うように、前記金属表面処理液を塗布し、密着層36を形成する。
【0088】
次に、
図3Hに示すように、基板21の上側全面に絶縁層37を形成し、この絶縁層36により銅配線34を覆う。これにより、第2配線層が完成する。
その後、必要であれば、第2配線層と同様にして第3配線層、第4配線層、・・・を形成する。このようにして、本実施形態に係る配線構造(多層配線構造)が完成する。
【0089】
密着層36の形成により、銅配線34と絶縁層37との密着性が向上する。
【実施例】
【0090】
以下、開示の技術の実施例について説明するが、開示の技術は下記実施例に何ら限定されるものではない。
【0091】
(実施例1)
<金属表面処理液の作製>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学工業株式会社製)1gを、オゾンナノバブル水(オゾンナノバブル水(環境衛生用)、昭和薬品工業株式会社製)99g(アルコキシシラン基1モルに対して水349.21モル)に滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液1(pH=7.8)を作製した。
【0092】
<積層体の作製>
銅箔を形成したガラスエポキシ基板を、前記金属表面処理液1に1分間浸漬処理し、その後、1分間の流水洗浄を行った。さらに、前記ガラスエポキシ基板を120℃で10分間の加熱処理を行った。次に、金属表面処理を行った表面に、フェノール樹脂を主材とする樹脂絶縁材料を、スピンコート法により塗布し、110℃のホットプレートで2分間ベークを行い、平均厚み5μmの絶縁樹脂層を形成した。更に、230℃の窒素雰囲気オーブンで1時間熱硬化処理を行い、金属配線層上に密着層を介して絶縁樹脂層を形成し、積層体を得た。
【0093】
(比較例1)
<金属表面処理液の作製>
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学工業株式会社製)1gを、pH=4の酢酸水99gに滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液B1を作製した。
【0094】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液B1に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0095】
(実施例2)
<金属表面処理液の作製>
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業株式会社製)1gを、オゾンナノバブル水(オゾンナノバブル水(環境衛生用)、昭和薬品工業株式会社製)99g(アルコキシシラン基1モルに対して水360.18モル)に滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液2(pH=7.6)を作製した。
【0096】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液2に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0097】
(比較例2)
<金属表面処理液の作製>
3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業株式会社製)1gを、pH=4の酢酸水99gに滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液B2を作製した。
【0098】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液B2に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0099】
(実施例3)
<金属表面処理液の作製>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業株式会社製)gを、オゾンナノバブル水(オゾンナノバブル水(環境衛生用)、昭和薬品工業株式会社製)99g(アルコキシシラン基1モルに対して水433.31モル)に滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液3(pH=7.5)を作製した。
【0100】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液3に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0101】
(比較例3)
<金属表面処理液の作製>
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−403、信越化学工業株式会社製)1gを、pH=4の酢酸水99gに滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液B3を作製した。
【0102】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液B3に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0103】
(実施例4)
<金属表面処理液の作製>
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(KBE−585、信越化学工業株式会社製)1gを、オゾンナノバブル水(オゾンナノバブル水(環境衛生用)、昭和薬品工業株式会社製)99g(アルコキシシラン基1モルに対して水484.75モル)に滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液4(pH=7.3)を作製した。
【0104】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液4に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0105】
(比較例4)
<金属表面処理液の作製>
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン(KBE−585、信越化学工業株式会社製)1gを、pH=4の酢酸水99gに滴下し、45℃で1時間の加熱を行って、金属表面処理液B4を作製した。
【0106】
<積層体の作製>
実施例1の積層体の作製において、金属表面処理液1を、上記で作製した金属表面処理液B4に代えた以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製した。
【0107】
<評価>
実施例1〜4、及び比較例1〜4で作製した金属表面処理液について、作製後に40℃で一定時間保管後に、その金属表面処理液を用いて、積層体を作製した。その時のピール強度を測定した。結果を
図1〜
図4に示した。
具体的には以下の方法でピール強度測定を行った。
【0108】
<<ピール強度>>
ピール強度測定は、90°剥離試験機(日新科学社製)にフォースゲージ(DPX−5TR、IMADA製)を設置したものを測定装置として用い、速度約50mm/minで垂直に引き剥がした際の引き剥がし強度を測定することで行った。
【0109】
評価試料は以下の方法で作製した。
各実施例、及び各比較例の積層体の作製におけるガラスエポキシ基板を、ピーラブルCu箔上にCuめっきを形成したCCL基板(ガラス布などの基材にエポキシ等の絶縁樹脂を含浸させ、銅箔を張り合わせて積層したプリント基板用の積層基板)に変更した以外は、各実施例、及び各比較例と同様にして、積層体を作製した。更に、熱硬化性ドライフィルムを用いてCCL基板(転写基板)を接着し、ピーラブルCu箔界面で剥離して、評価試料を得た。
【0110】
図1〜
図4の結果から以下のことが確認できた。
比較例1〜4では、金属表面処理液を作製後、2日目からピール強度が大幅に低下した。 一方、実施例1〜4では、金属表面処理液を作製後、7日放置してもピール強度の低下が10%以内であり、密着性に関して優れた安定性を示した。
【0111】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
シランカップリング剤の加水分解物を含有し、中性であることを特徴とする金属表面処理液。
(付記2)
前記シランカップリング剤が、下記一般式(1)で表される化合物である付記1に記載の金属表面処理液。
【化5】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
(付記3)
前記一般式(1)で表される化合物が、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランの少なくともいずれかである付記2に記載の金属表面処理液。
(付記4)
前記加水分解物が、前記シランカップリング剤をオゾンにより加水分解して得られる付記1から3のいずれかに記載の金属表面処理液。
(付記5)
前記オゾンが、オゾンナノバブルである付記4に記載の金属表面処理液。
(付記6)
更に、前記シランカップリング剤を前記オゾンにより加水分解した際に生じるアルコール、前記アルコールを前記オゾンにより酸化して得られるアルデヒド、及び前記アルデヒドを前記オゾンにより酸化して得られるカルボン酸の少なくともいずれかを含有する付記4から5のいずれかに記載の金属表面処理液。
(付記7)
前記金属表面処理液において、前記アルコールのモル量が、前記加水分解物の水酸基のモル量未満である付記6に記載の金属表面処理液。
(付記8)
基板の上方に金属配線を形成する工程と、
前記金属配線の表面に、金属表面処理液を塗布する工程と、
前記基板の上方に、前記金属配線を覆う絶縁層を形成する工程と、
を含み、
前記金属表面処理液が、シランカップリング剤の加水分解物を含有し、中性であることを特徴とする配線構造の製造方法。
(付記9)
前記シランカップリング剤が、下記一般式(1)で表される化合物である付記8に記載の配線構造の製造方法。
【化6】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
(付記10)
前記一般式(1)で表される化合物が、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランの少なくともいずれかである付記9に記載の配線構造の製造方法。
(付記11)
前記加水分解物が、前記シランカップリング剤をオゾンにより加水分解して得られる付記8から10のいずれかに記載の配線構造の製造方法。
(付記12)
前記オゾンが、オゾンナノバブルである付記11に記載の配線構造の製造方法。
(付記13)
更に、前記シランカップリング剤を前記オゾンにより加水分解した際に生じるアルコール、前記アルコールを前記オゾンにより酸化して得られるアルデヒド、及び前記アルデヒドを前記オゾンにより酸化して得られるカルボン酸の少なくともいずれかを含有する付記11から12のいずれかに記載の配線構造の製造方法。
(付記14)
前記金属表面処理液において、前記アルコールのモル量が、前記加水分解物の水酸基のモル量未満である付記13に記載の配線構造の製造方法。
(付記15)
基板と、
前記基板の上方に形成された金属配線と、
前記金属配線を覆う絶縁層と、
前記金属配線と前記絶縁層との間に、金属表面処理液を塗布して形成された密着層と、
を有し、
前記金属表面処理液が、シランカップリング剤の加水分解物を含有し、中性であることを特徴とする配線構造。
(付記16)
前記シランカップリング剤が、下記一般式(1)で表される化合物である付記15に記載の配線構造。
【化7】
ただし、前記一般式(1)中、R
1は、炭素数1〜3のアルキル基を表し、R
2は、アミノ基、メルカプト基、グリシジル基、グリシドキシ基、脂環式エポキシ基、イミダゾール基、イソシアネート基、ウレイド基、ビニル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、スチリル基、及び置換アミノ基のいずれかを表し、mは、0〜5の整数を表し、nは、1〜2の整数を表す。
(付記17)
前記一般式(1)で表される化合物が、3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、3−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、及び3−ウレイドプロピルトリアルコキシシランの少なくともいずれかである付記16に記載の配線構造。
(付記18)
前記加水分解物が、前記シランカップリング剤をオゾンにより加水分解して得られる付記15から17のいずれかに記載の配線構造。
(付記19)
前記オゾンが、オゾンナノバブルである付記18に記載の配線構造。
(付記20)
更に、前記シランカップリング剤を前記オゾンにより加水分解した際に生じるアルコール、前記アルコールを前記オゾンにより酸化して得られるアルデヒド、及び前記アルデヒドを前記オゾンにより酸化して得られるカルボン酸の少なくともいずれかを含有する付記18から19のいずれかに記載の配線構造。
(付記21)
前記金属表面処理液において、前記アルコールのモル量が、前記加水分解物の水酸基のモル量未満である付記20に記載の配線構造。