(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定手段は、前記画面サイズ取得手段により取得された前記携帯端末装置の画面サイズ、または該画面サイズを基に算出され前記携帯端末装置に表示される前記パーツの物理的サイズが、予め設定された閾値以下である場合に、前記パーツの操作が容易でないと判定する請求項1または2に記載の画像処理連携システム。
前記グループ領域作成手段により作成されるグループ領域の物理的サイズが、予め設定された閾値以下であるときは、前記グループ領域作成手段は、前記閾値以下であるグループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成する請求項1〜3の何れかに記載の画像処理連携システム。
前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第1の操作画面におけるグループ領域のパーツがタップ操作された場合は、画像処理装置の処理実行手段はそのグループ領域が選択されたと判定する請求項1〜4の何れかに記載の画像処理連携システム。
前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第2の操作画面における操作可能なパーツに対しては、タップ操作、フリック操作及び携帯端末装置固有の入力手段による操作の少なくとも何れかによって操作が可能である請求項1〜5の何れかに記載の画像処理連携システム。
前記処理実行手段は、前記受信手段により受信した操作データが、前記サブ領域のパーツに対する操作データである場合は、そのサブ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記サブ領域のパーツのみを操作可能とする前記第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する請求項4に記載の画像処理連携システム。
前記判定手段は、前記画面サイズ取得手段により取得された前記携帯端末装置の画面サイズ、または該画面サイズを基に算出され前記携帯端末装置に表示される前記パーツの物理的サイズが、予め設定された閾値以下である場合に、前記パーツの操作が容易でないと判定する請求項10または11に記載の画像処理装置。
前記グループ領域作成手段により作成されるグループ領域の物理的サイズが、予め設定された閾値以下であるときは、前記グループ領域作成手段は、前記閾値以下であるグループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成する請求項10〜12の何れかに記載の画像処理装置。
前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第1の操作画面におけるグループ領域のパーツがタップ操作された場合は、画像処理装置の処理実行手段はそのグループ領域が選択されたと判定する請求項10〜13の何れかに記載の画像処理装置。
前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第2の操作画面における操作可能なパーツに対しては、タップ操作、フリック操作及び携帯端末装置固有の入力手段による操作の少なくとも何れかによって操作が可能である請求項10〜14の何れかに記載の画像処理装置。
前記処理実行手段は、前記受信手段により受信した操作データが、前記サブ領域のパーツに対する操作データである場合は、そのサブ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記サブ領域のパーツのみを操作可能とする前記第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する請求項13に記載の画像処理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、携帯端末装置の画面サイズが小さくなると、画像処理装置の操作画面も縮小されて携帯端末装置に表示されるため、ユーザーが指でタップ等のジェスチャ操作を行う場合、操作画面に含まれる操作ボタンのうち、画面に接触する指の面積よりもサイズの小さい操作ボタン等が発生し、そのような操作ボタンが隣接していると誤って隣の操作ボタンを操作してしまうというような誤操作の問題がある。
【0010】
なお、特許文献2には、操作に必要な個々のキーを機能種類でグループ領域作成するとともに、グループを選択するとグループに対応するカテゴリに属するキーの一覧を拡大表示する技術が提案されている。
【0011】
この技術を表示部の画面サイズの小さい携帯端末装置に応用し、何れかのグループが選択されるとそのグループに属するボタンのみを拡大して表示し、拡大表示されたボタンの中から所望のボタンを選択させることも考えられる。
【0012】
しかし、MFP等の画像処理装置の機能種類は多く、1つの画面内に多数のグループが存在する。例えば、
図8の操作画面に示すように、ユーザーは濃度、下地調整、裏写り/黄ばみ除去、用紙選択、倍率、原稿出力、ページ集約などをそれぞれ設定する必要がある。このため、各グループが選択されるたびにそのグループに属するボタンの一覧を拡大表示してボタンを選択させるのでは、拡大、選択に伴う多数の画面遷移が発生し、ユーザーにとって操作が分かり辛くなるという問題がある。
【0013】
この発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、携帯端末装置の表示手段に画像処理装置の操作画面をリモート画面として表示したときに、携帯端末装置の表示画面が小さくても、ユーザーが容易にかつ的確に所望の設定を行うことができる画像処理連携システムと連携方法及び画像処理装置を提供し、さらには前記画像処理装置のコンピュータに処理を実行させるための画像処理連携プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)相互に接続可能な画像処理装置と携帯端末装置とを備えた画像処理連携システムであって、前記画像処理装置は、表示手段と、前記表示手段に表示される自装置の操作画面であって、1個または複数個の操作用パーツを含む操作画面の画面データを、前記携帯端末装置に送信する送信手段と、前記携帯端末装置の表示手段の画面サイズを取得する画面サイズ取得手段と、前記画面サイズ取得手段により取得された携帯端末装置の画面サイズに基づいて、前記携帯端末装置の表示手段に表示される前記操作画面内のパーツの操作が容易か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記パーツの操作が容易でないと判定された場合には、前記送信手段により前記携帯端末装置に第1の操作画面の画面データを送信する前に、前記パーツをグループ分けした1個または複数個のグループ領域を作成するグループ領域作成手段と、前記画面データを受信した携帯端末装置でリモート画面として再生された前記第1の操作画面をユーザーが操作したときに、前記携帯端末装置から操作データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した操作データが、前記グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行し、前記操作データが、前記グループ領域作成手段により作成されたグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記グループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記第2の操作画面における前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する処理実行手段と、を備え、前記携帯端末装置は、タッチパネルを有する表示手段と、前記画像処理装置からの前記画面データに基づいて前記リモート画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、前記表示制御手段により前記表示手段に表示される画像処理装置の操作画面に対してユーザーの操作があったときは、前記操作に対応する操作データを前記画像処理装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする画像処理連携システム。
(2)前記グループ領域作成手段は、パーツを同一機能に関する設定を行うためのパーツ毎にグループ分けする前項1に記載の画像処理連携システム。
(3)前記判定手段は、前記画面サイズ取得手段により取得された前記携帯端末装置の画面サイズ、または該画面サイズを基に算出され前記携帯端末装置に表示される前記パーツの物理的サイズが、予め設定された閾値以下である場合に、前記パーツの操作が容易でないと判定する前項1または2に記載の画像処理連携システム。
(4)前記グループ領域作成手段により作成されるグループ領域の物理的サイズが、予め設定された閾値以下であるときは、前記グループ領域作成手段は、前記閾値以下であるグループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成する前項1〜3の何れかに記載の画像処理連携システム。
(5)前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第1の操作画面におけるグループ領域のパーツがタップ操作された場合は、画像処理装置の処理実行手段はそのグループ領域が選択されたと判定する前項1〜4の何れかに記載の画像処理連携システム。
(6)前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第2の操作画面における操作可能なパーツに対しては、タップ操作、フリック操作及び携帯端末装置固有の入力手段による操作の少なくとも何れかによって操作が可能である前項1〜5の何れかに記載の画像処理連携システム。
(7)前記処理実行手段は、前記受信手段により受信した操作データが、前記サブ領域のパーツに対する操作データである場合は、そのサブ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記サブ領域のパーツのみを操作可能とする前記第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する前項4に記載の画像処理連携システム。
(8)前記グループ領域作成手段によるグループ領域の作成を実施するか否かをユーザー操作に基づいて設定する設定手段を備え、前記設定手段により前記グループ領域作成手段によるグループ領域の作成を実施する設定がなされている場合にのみ、前記グループ領域作成手段は前記グループ領域を作成する前項1〜7の何れかに記載の画像処理連携システム。
(9)相互に接続可能な画像処理装置と携帯端末装置とを備えた連携システムで実行される画像処理連携方法あって、前記画像処理装置は、自装置の表示手段に表示される自装置の操作画面であって、1個または複数個の操作用パーツを含む操作画面の画面データを、前記携帯端末装置に送信する送信ステップと、前記携帯端末装置の表示手段の画面サイズを取得する画面サイズ取得ステップと、前記画面サイズ取得ステップにより取得された携帯端末装置の画面サイズに基づいて、前記携帯端末装置の表示手段に表示される前記操作画面内のパーツの操作が容易か否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより、前記パーツの操作が容易でないと判定された場合には、前記送信ステップにより前記携帯端末装置に第1の操作画面の画面データを送信する前に、前記パーツをグループ分けした1個または複数個のグループ領域を作成するグループ領域作成ステップと、前記画面データを受信した携帯端末装置でリモート画面として再生された前記第1の操作画面をユーザーが操作したときに、前記携帯端末装置から操作データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信した操作データが、前記グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行し、前記操作データが、前記グループ領域作成ステップにより作成されたグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記グループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記第2の操作画面における前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する処理実行ステップと、を実行し、前記携帯端末装置は、タッチパネルを有する表示手段に、前記画像処理装置からの前記画面データに基づいて前記リモート画面を表示させる表示制御ステップと、前記表示制御ステップにより前記表示手段に表示される画像処理装置の操作画面に対してユーザーの操作があったときは、前記操作に対応する操作データを前記画像処理装置に送信する送信ステップと、を実行することを特徴とする画像処理連携方法。
(10)携帯端末装置と接続するための接続手段と、表示手段と、前記表示手段に表示される自装置の操作画面であって、1個または複数個の操作用パーツを含む操作画面の画面データを、前記接続手段を介して接続された携帯端末装置に送信する送信手段と、前記携帯端末装置の表示手段の画面サイズを取得する画面サイズ取得手段と、前記画面サイズ取得手段により取得された携帯端末装置の画面サイズに基づいて、前記携帯端末装置の表示手段に表示される前記操作画面内のパーツの操作が容易か否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記パーツの操作が容易でないと判定された場合には、前記送信手段により前記携帯端末装置に第1の操作画面の画面データを送信する前に、前記パーツをグループ分けした1個または複数個のグループ領域を作成するグループ領域作成手段と、前記画面データを受信した携帯端末装置でリモート画面として再生された前記第1の操作画面をユーザーが操作したときに、前記携帯端末装置から操作データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信した操作データが、前記グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行し、前記操作データが、前記グループ領域作成手段により作成されたグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記グループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記第2の操作画面における前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する処理実行手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
(11)前記グループ領域作成手段は、パーツを同一機能に関する設定を行うためのパーツ毎にグループ分けする前項10に記載の画像処理装置。
(12)前記判定手段は、前記画面サイズ取得手段により取得された前記携帯端末装置の画面サイズ、または該画面サイズを基に算出され前記携帯端末装置に表示される前記パーツの物理的サイズが、予め設定された閾値以下である場合に、前記パーツの操作が容易でないと判定する前項10または11に記載の画像処理装置。
(13)前記グループ領域作成手段により作成されるグループ領域の物理的サイズが、予め設定された閾値以下であるときは、前記グループ領域作成手段は、前記閾値以下であるグループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成する前項10〜12の何れかに記載の画像処理装置。
(14)前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第1の操作画面におけるグループ領域のパーツがタップ操作された場合は、画像処理装置の処理実行手段はそのグループ領域が選択されたと判定する前項10〜13の何れかに記載の画像処理装置。
(15)前記携帯端末装置の表示手段に表示された前記第2の操作画面における操作可能なパーツに対しては、タップ操作、フリック操作及び携帯端末装置固有の入力手段による操作の少なくとも何れかによって操作が可能である前項10〜14の何れかに記載の画像処理装置。
(16)前記処理実行手段は、前記受信手段により受信した操作データが、前記サブ領域のパーツに対する操作データである場合は、そのサブ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記サブ領域のパーツのみを操作可能とする前記第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する前項13に記載の画像処理装置。
(17)前記グループ領域作成手段によるグループ領域の作成を実施するか否かをユーザー操作に基づいて設定する設定手段を備え、前記設定手段により前記グループ領域作成手段によるグループ領域の作成を実施する設定がなされている場合にのみ、前記グループ領域作成手段は前記グループ領域を作成する前項10〜16の何れかに記載の画像処理装置。
(18)表示手段を有する画像処理装置のコンピュータに、携帯端末装置と接続する接続ステップと、前記表示手段に表示される画像処理装置の操作画面であって、1個または複数個の操作用パーツを含む操作画面の画面データを、前記接続ステップにより接続された前記携帯端末装置に送信する送信ステップと、前記携帯端末装置の表示手段の画面サイズを取得する画面サイズ取得ステップと、前記画面サイズ取得ステップにより取得された携帯端末装置の画面サイズに基づいて、前記携帯端末装置の表示手段に表示される前記操作画面内のパーツの操作が容易か否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより、前記パーツの操作が容易でないと判定された場合には、前記送信ステップにより前記携帯端末装置に第1の操作画面の画面データを送信する前に、前記パーツをグループ分けした1個または複数個のグループ領域を作成するグループ領域作成ステップと、前記画面データを受信した携帯端末装置でリモート画面として再生された前記第1の操作画面をユーザーが操作したときに、前記携帯端末装置から操作データを受信する受信ステップと、前記受信ステップにより受信した操作データが、前記グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行し、前記操作データが、前記グループ領域作成ステップにより作成されたグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、前記パーツのレイアウトを変更することなく前記グループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置から前記第2の操作画面における前記操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する処理実行ステップと、を実行させるための画像処理連携プログラム。
【発明の効果】
【0015】
前項(1)(9)(10)に記載の発明によれば、画像処理装置は、携帯端末装置の表示手段の画面サイズを取得するとともに、取得された携帯端末装置の画面サイズに基づいて、携帯端末装置の表示手段に表示される操作画面内の操作用パーツの操作が容易か否かを判定する。容易でないと判定した場合は、第1の操作画面に含まれるパーツをグループ分けして1個または複数個のグループ領域を作成する。この画面データに基づいて、携帯端末装置に表示された第1の操作画面に対して、ユーザーが操作を行うと、操作データが画像処理装置に送信される。操作データを受信した画像処理装置は、受信した操作データが、グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行する。一方、操作データがグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、パーツのレイアウトを変更することなくグループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置からの第2の操作画面における操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する。
【0016】
つまり、携帯端末装置には、グループ領域の選択後は選択されたグループ領域のパーツのみを操作可能とする第2の操作画面が表示され、第2の操作画面における操作可能なパーツに対する操作のみが検出されるから、画面サイズが小さく表示されるパーツが小さいために、操作可能なパーツ以外のパーツに指が接触して誤操作する恐れを低減でき、所望のパーツを的確に選択操作することができる。しかも、パーツのレイアウトは変更されていないから、グループ領域が選択されるたびにその領域に属するパーツの一覧を拡大表示してパーツを選択させる場合のような、拡大、選択に伴う多数の画面遷移もなく、ユーザーはどのような設定を行ったかを容易に理解することができる。
【0017】
前項(2)(11)に記載の発明によれば、パーツは同一機能に関する設定を行うためのパーツ毎にグループ分けされるから、1つのグループ領域には同一機能に関する設定を行うためのパーツのみが含まれた状態となる。
【0018】
前項(3)(12)に記載の発明によれば、携帯端末装置の画面サイズ、または該画面サイズを基に算出されるパーツの物理的サイズが、予め設定された閾値以下である場合に、パーツの操作が容易でないと判定されるから、判定作業が容易となる。
【0019】
前項(4)(13)に記載の発明によれば、グループ領域の物理的サイズが、予め設定された閾値以下であるときは、閾値以下であるグループ領域内に1個または複数個のサブ領域が作成される。
【0020】
前項(5)(14)に記載の発明によれば、グループ領域のパーツがタップ操作された場合は、画像処理装置はそのグループ領域が選択されたと判定する。
【0021】
前項(6)(15)に記載の発明によれば、携帯端末装置の表示手段に表示された第2の操作画面における操作可能なパーツに対しては、ユーザーは、タップ操作、フリック操作及び携帯端末装置固有の入力手段による操作の少なくとも何れかによって、操作を行うことができる。
【0022】
前項(7)(16)に記載の発明によれば、画像処理装置は、操作データがサブ領域のパーツに対する操作データである場合は、そのサブ領域が選択されたと判定する。そして、パーツのレイアウトを変更することなくサブ領域のみを操作可能とする第2の操作画面の画面データを携帯端末装置へ送信し、携帯端末装置からの操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する。
【0023】
前項(8)(17)に記載の発明によれば、ユーザー操作によってグループ領域の作成を実施する設定がなされている場合にのみ、パーツの操作が容易でないと判定されると、グループ領域が作成される。
【0024】
前項(18)に記載の発明によれば、携帯端末装置の画面サイズが小さい場合であっても、ユーザーが容易にかつ的確に操作画面から所望の設定を行うことができる処理を、画像処理装置のコンピュータに実行させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0027】
図1は、この発明の一実施形態に係る画像処理連携システムの構成図である。
【0028】
本システムは、それぞれ複数の画像処理装置1と携帯端末装置2と情報処理装置3から構成される。画像処理装置1、携帯端末装置2、情報処理装置3は、いずれもネットワーク4を介して接続されている。
【0029】
ここで、ネットワーク4は、LAN(Local Area Network)などの専用回線を用いたネットワーク、一般回線を用いたネットワーク、無線通信によるネットワーク、のいずれであっても構わない。また、ネットワーク4は、外部ネットワークを介して、他のネットワークと接続されている。
【0030】
画像処理装置1は、走査した原稿画像、および情報処理装置3から送信されたプリントデータから生成した画像の複写画像を用紙上に形成する装置であり、この実施形態では、プリンタ機能、コピー機能、ファクシミリ機能、スキャン機能等の機能を備えた多機能デジタル画像処理装置である前述したMFPが用いられている。以下、画像処理装置をMFPともいう。ここで、プリントデータとは、情報処理装置3のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムが発行する描画命令を、プリンタドライバによって画像形成装置1が処理可能なページ記述言語に変換したページ記述言語による描画命令、もしくは、PDF、TIFF、JPEG、XPS等のファイルフォーマットで記述された文書データである。
【0031】
また、走査した原稿画像は、ネットワーク4を介して、情報処理装置3、さらにはその他のMFPに送信することもできる。さらには、外部ネットワークを介して、別のネットワークに接続された他のMFPや情報処理装置に原稿画像を送信することもできる。さらに、操作した原稿画像や情報処理装置から受信した文書データを固定記憶装置に蓄積することもできる。
【0032】
携帯端末装置2は、CPU、RAM、固定記憶装置(ハードディスク装置など)、モニタ、タッチ操作可能な液晶パネル等を有する携帯型のコンピュータ装置である。電子化された文書を蓄積して持ち運び、どこでも閲覧、編集を行うことができる。また、無線通信する手段を有し、MFP1や情報処理装置3との間で文書の送受信を行うことができるほか、MFP1を遠隔操作する手段を有する。以下の説明では携帯端末装置を単に携帯端末とも言う。
【0033】
情報処理装置3は、CPU、RAM、固定記憶装置(ハードディスク装置など)、モニタ、キーボード、マウス等の接続された一般的なコンピュータ装置である。情報処理装置3は、ユーザの指示によリプリントデータを生成し、生成したプリントデータをMFP1に送信する。
【0034】
図2は、MFP1の内部構成を示す図である。MFP1のCPU101には、制御プログラムの格納されたROM102、作業用のS−RAM(Static Random Access Memory)103、画像形成に関わる各種の設定を記憶するバッテリバックアップされたNV−RAM(不揮発性メモリ)104、時計IC105がバスを介して接続され、MFP1の全体を統括的に制御する制御部100を構成している。
【0035】
制御部100には、原稿画像を読み取る画像読取装置120、各種の入力を行うテンキー、プリントキー、ログアウトキーなどの各種キーや表示部131を備えた操作パネル130、ネットワーク4を介して接続された情報処理装置3をはじめとする外部の装置との間で各種の情報を送受信する為のネットワークインターフェース(ネットワークI/F)160、該ネットワークインターフェース160により受信したプリントデータから複写画像を生成するプリンタコントローラ150、複写画像を用紙上に形成する画像出力装置140がそれぞれバスを介して接続されている。
【0036】
また、制御部100には、固定記憶装置110がバスを介して接続されている。固定記憶装置110とは例えばハードディスク装置である。この固定記憶装置110には、各種のデータが記憶されている。
【0037】
また、ワイヤレスインターフェース(WirelessI/F)170と短距離無線インターフェース(短距離無線I/F)180が、バスを介して制御部100に接続されている。ワイヤレスインターフェース170は、ネットワークとの通信や携帯端末装置2との通信に利用され、短距離無線インターフェース180は例えばブルートゥースや赤外線通信(IrDA:Infrared Data Association)等の短距離無線通信を行うためのインターフェースである。
【0038】
図3は携帯端末2の構成を示すブロック図である。携帯端末2は、例えばタブレット端末やスマートフォンなどからなり、CPU201、制御プログラムの格納されたROM202、作業用のRAM203を備え、ROM202及びRAM203はそれぞれバスを介してCPU201に接続されている。また、CPU201、ROM202及びRAM203により、携帯端末2の全体を統括的に制御する制御部200を形成している。
【0039】
制御部200には、各種の情報を表示する液晶等からなる表示部205、表示部205の表面に設けられ、表示部の画面を直接タッチして操作入力を行うタッチパネル206、ワイヤレスランインターフェース207、短距離無線インターフェース208が、バスを介してそれぞれ接続されている。ワイヤレスランインターフェース207は、ネットワークとの通信やMFP1との通信に利用され、短距離無線インターフェース208は例えばブルートゥースや赤外線通信等の短距離無線通信を行うためのインターフェースである。
【0040】
さらに、制御部200には固定記憶装置204がバスを介して接続されている。固定記憶装置204とは例えばハードディスク装置である。この固定記憶装置204には、各種のデータが記憶されている。
【0041】
図4は、MFP1の操作画面を携帯端末2にリモート画面として表示し、このリモート画面をユーザーが操作することにより携帯端末2からMFP1をリモート操作する場合の動作の概要を説明するための図である。
【0042】
MFP1の表示部131に初期画面が表示されている状態で、携帯端末2とMFP1を無線接続すると、MFP1から携帯端末2へ初期画面の画面データが送信される(ステップS105)。携帯端末2は画面データを受信すると(ステップS201)、画面データに基づいて画像を展開したのち(ステップS202)、表示部205にリモート画面として描画する(ステップS203)。
【0043】
ユーザーが表示されたリモート画面に対してタッチパネル206上でタッチ操作すると(ステップS204)、携帯端末2はタッチ位置の座標を検出・特定したのち(ステップS205)、ジャスチャーの種類判定を行うとともに座標をMFP1側の表示部131の座標に変換し(ステップS206)、座標データを含む操作データ(タッチイベント)をMFP1に送信する(ステップS207)。
【0044】
MFP1はタッチイベントの受信処理を行ったのち(ステップS106)、タッチイベント処理によりタッチイベントの内容を解析し(ステップS107)、解析されたタッチイベントに応じた次の表示画面を内部処理により特定する(ステップS101)。そして、特定された画面を構成するために必要な例えばボタン等のパーツを画面作成処理(ステップS102)により合成して画面データを作成した後、この画面データを圧縮して(ステップS103)、携帯端末2に送信する(ステップS104)。
【0045】
携帯端末2は、初期画面の場合と同様にして、受信した画面データに基づいてリモート画面を表示する。ユーザーがリモート画面にタッチ操作すると、タッチイベントがMFP1に送信され、MFP1は対応する次の画面を作成し、あるいは対応する処理を実行する。以下、必要に応じて、MFP1でのタッチイベントに基づく画面データの作成や処理の実行と、携帯端末2でのリモート画面の表示及びタッチイベントの送信等が繰り返されることにより、携帯端末2からMFP1が操作される。
【0046】
この実施形態では、MFP1は携帯端末2との連携に際して、携帯端末2の表示部205の画面サイズを取得する。画面サイズは、表示部205の物理的サイズを携帯端末2から直接に取得しても良いし、携帯端末2から機種情報を取得し、自装置内の固定記憶装置110や外部の管理サーバー等に等に予め保持されている携帯端末2の機種情報と画面サイズとが紐付けられたテーブルから、取得した機種情報に対応する画面サイズを取得しても良い。
【0047】
そして、取得した画面サイズに基づいて、携帯端末2のタッチパネル205にリモート画面として表示される操作画面内のパーツの操作が容易か否かを判定する。つまり、画面サイズが小さいために、操作画面内のボタン等のパーツの表示が小さく、ユーザーが指でタップ等による操作を行うのが容易でない場合があることから、これを判定する。
【0048】
具体的には、携帯端末2のタッチパネル205の画面サイズが、予め設定されている閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下の場合は表示されるパーツも小さく操作が容易でないと判定する。閾値は、操作画面に含まれるパーツの大きさを考慮して各操作画面毎に設定されていても良いし、操作画面にかかわらず一律に設定されていても良い。
【0049】
MFP1は画面サイズが閾値以下であると判定した場合、操作画面の画面データを携帯端末2に送信する前に、操作画面を複数の領域に分割してグループ領域を作成したのち、画面データを携帯端末2に送信する。
【0050】
図5は、MFP1と携帯端末2との接続から、MFP1の操作画面の画面データが携帯端末2へ送信されるまでのシーケンスを示す図である。
【0051】
図5において、ユーザー操作に基づいて携帯端末2がMFP1へ接続要求を送信すると(ステップS01)、MFP1は要求を受け付けたのち(ステップS02)、接続可能であることを携帯端末2に通知するとともに(ステップS03)、携帯端末2に表示部205の画面サイズを要求する(ステップS04)。
【0052】
携帯端末2がMFP1に画面サイズを通知すると(ステップS05)、MFP1は画面サイズが閾値以下かどうかを判定する(ステップS06)。閾値よりも大きい場合は通常の処理と同様にステップS09に進む。閾値以下の場合は操作画面に含まれる操作ボタン等の操作用パーツをグループ分けした1個または複数個のグループ領域を作成したのち(ステップS07)、各領域を検知領域として設定する(ステップS08)。つまり、各領域に属するパーツがタップされたときは、その領域が選択されたと判定する設定を行ったのち、ステップS09に進む。
【0053】
ステップS09で背景画像にパーツを合成して操作画面を生成したのち、生成した操作画面の画面データを携帯端末2に送信する(ステップS10)。
【0054】
図6は、MFP1で行われる
図5で示した動作のうち、携帯端末2の画面サイズの取得以降の詳細な動作を示すフローチャートである。
図6及びそれ以降のフローチャートで示される動作は、MFP1のCPU101がROM102等に格納された動作プログラムに従って動作することにより実行される。
【0055】
携帯端末2との接続後、ステップS21では携帯端末2の表示部205の画面サイズを取得し、ステップS22で、画面サイズは閾値以下かどうかを判定する。閾値以下でなければ(ステップS22でNO)、ステップS29に進む。閾値以下であれば(ステップS22でYES)、ステップS23で、最初の操作画面に含まれる全ての操作用パーツのグループ分けが完了したかどうかを判断する。全てのパーツのグループ分けが完了していなければ(ステップS23でNO)、ステップS24で、先頭のパーツの属性、表示座標及びサイズを取得する。
【0056】
パーツの属性、表示座標及びサイズは予め固定記憶装置110等に、
図7に示すような各パーツの識別情報であるパーツIDと共に記憶されている。
図7では、パーツID毎に表示座標、サイズ、属性が紐付けられている。「備考」欄はパーツに表示される文字を示している。例えばパーツID10は「うすく」という文字が付された属性「濃度」のパーツであり、表示座標は(1,1)、サイズは(10,15)となっており、パーツID20は「こく」という文字が付された属性「濃度」のパーツであり、表示座標は(1,2)、サイズは(10,15)となっている。
【0057】
図6に戻って、ステップS25では、対象パーツはグループ分けの必要があるかどうかを判定する。必要がなければ(ステップS25でNO)、ステップS23に戻って次のパーツについて処理を繰り返す。ステップS25でグループ分けの必要があれば(ステップS25でYES)、ステップS26でグループ分けを行ったのち、ステップS23に戻る。
【0058】
ステップS23において、全てのパーツのグループ分けが完了した場合は(ステップS23でYES)、ステップS27で、グループ分けされたパーツ毎にグループ領域を作成したのち、ステップS28に進む。
【0059】
この実施形態では、限定はされないが同一機能に関する設定を行うためのパーツを同じグループとしてグループ分けを行っている。同一機能に関する設定を行うパーツかどうかは、パーツの属性から判断される。つまり、濃度、下地処理等の属性毎にパーツがグループ分けされる。
【0060】
なお、
図8の操作画面に示すように、例えば濃度を示す「こく」と「うすく」というパーツや、用紙選択を示す「自動」と「A4」等のように、同一属性のパーツは一定の領域内に一纏めに集約表示されている。
【0061】
そこで、
図6のステップS27で、グループ毎のパーツが表示される領域を1つのグループ領域として作成する。なお、一度作成したグループ領域については、そのID、位置、サイズ、グループの属性等を保存しておき、次にグループ領域を作成する必要のある場合は、保存した情報を用いてグループ領域を作成しても良い。また、このようなグループ領域の情報をデフォルトで記憶させておき、グループ領域を作成する必要のある場合は、デフォルトの情報を用いてグループ領域を作成しても良い。例えば、
図7のテーブルでは、G10というIDのグループ領域が、濃度のグループ領域であり、表示座標は(1,1)、サイズは(30,60)であることが示されている。
【0062】
ステップS28では、作成したグループ領域を検知領域に設定したのち、ステップS29に進む。検知領域の設定とは、何れかのパーツがユーザーによりタップ操作等されたときは、そのパーツが選択されたのではなく、そのパーツが属するグループ領域が選択されたと判定する領域であると定義することをいう。
【0063】
ステップS29では、各パーツを背景画像に合成して操作画面を生成し、ステップS30で、生成した操作画面の画面データを携帯端末2に送信したのち、ステップS50の操作データ受信処理に進む。操作データ受信処理については後述する。
【0064】
図8に、グループ領域が作成された操作画面を示す。太枠で囲まれた領域がそれぞれグループ領域である。
図8の例では、濃度に関するグループ領域D1、下地処理に関するグループ領域D2、D3、用紙選択に関するグループ領域D4,倍率に関するグループ領域D5、原稿出力に関するグループ領域D6、ページ集約に関するグループ領域D7、その他のグループ領域D8の合計8個のグループ領域が作成されている。なお、下地処理に関するグループ領域については、「裏写り除去」ボタン及び「黄ばみ除去」ボタンが比較的大きいため、これらを他のボタン(パーツ)の領域D2とは別の領域D3に纏めたものであるが、領域D2とD3を纏めて1つのグループ領域としても良い。
【0065】
図6に示した例では、携帯端末2の画面サイズが閾値以下のときに、グループ領域を作成する構成としたが、携帯端末2に表示されるパーツの物理的サイズ(つまり実際の表示サイズ)をMFP1が算出し、その値が閾値以下のときにグループ領域を作成する構成としても良い。
【0066】
図9は、携帯端末2に表示されるパーツの物理的サイズに基づいてグループ領域を作成する場合のMFP1の動作を示すフローチャートである。
【0067】
携帯端末2との接続後、ステップS31では携帯端末2の表示部205の画面サイズを取得し、ステップS32で、操作画面に含まれる全てのパーツの物理的サイズの算出処理が完了したかどうかを判断する。
【0068】
完了していなければ(ステップS32でNO)、ステップS33でそのパーツの属性、表示座標及びサイズを取得したのち、ステップS34で、パーツの物理的サイズを算出する。この算出は、パーツの物理的サイズ(inch)=パーツのサイズ(dot)÷画面解像度(dpi)の式により行うことができる。
【0069】
ステップS35では、算出した物理的サイズが閾値以下かどうかを判定する。閾値は例えばタップする指のサイズを考慮して予め設定されている。閾値以下でなければ(ステップS35でNO)、ステップS32に戻る。閾値以下であれば(ステップS35でYES)、ステップS36で、対象パーツはグループ分けの必要があるかどうかを判定する。必要がなければ(ステップS36でNO)、ステップS32に戻る。ステップS36でグループ分けの必要があれば(ステップS36でYES)、ステップS37でグループ分けを行ったのち、ステップS32に戻り、全てのパーツについて物理的サイズの算出処理が完了したかどうかを判断する。
【0070】
なお、ステップS36で既にグループ分けされたパーツと同一の属性のパーツについしては、物理的サイズを算出することなく、既にグループ分けされたパーツと同一のグループに組み込まれる。
【0071】
ステップS32で、全てのパーツについて物理的サイズの算出処理が完了した場合は(ステップS32でYES)、ステップS38で、グループ分けされたパーツ毎にグループ領域を作成し、ステップS39で、作成したグループ領域を検知領域に設定したのち、ステップS40で、各パーツを背景画像に合成して操作画面を生成する。そして、ステップS41で、生成した操作画面の画面データを携帯端末2に送信したのち、ステップS50の操作データ受信処理に進む。操作データ受信処理については後述する。
【0072】
また、MFP1は、作成したグループ領域が小さい場合、グループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成しても良い。
【0073】
図10はこのようなサブ領域を作成する場合のMFP1の処理を示すフローチャートである。
【0074】
ステップS261では、全てのグループ領域について、物理的サイズの算出が終了したかどうかを判断し、終了していなければ(ステップS261でNO)、ステップS262で、算出対象のグループ領域の物理的サイズを算出する。
【0075】
次いでステップS263では、算出したサイズが予め設定された閾値以下かどうかを判定し、閾値以下であれば(ステップS263でYES)、ステップS264で、そのグループ領域に含まれるパーツを複数のグループに分割して、グループ領域内に1個または複数個のサブ領域を作成したのち、ステップS261に戻る。なお、作成されたサブ領域は検知領域として設定される。
【0076】
ステップS261で、全てのグループ領域について、物理的サイズの算出が終了した場合は(ステップS261でYES)、処理を終了する。
【0077】
図11は、
図6及び
図9のステップS50における操作データ受信処理を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS51で、携帯端末2から操作データを受信したかどうかを判断する。受信していなければ(ステップS51でNO)、受信するまで待つ。ユーザーが携帯端末2の表示部205のタッチパネル206をジェスチャ操作例えばタップ操作すると、携帯端末2からMFP1へ操作データが送信される。MFP1は操作データを受信すると(ステップS51でYES)、ステップS52で、グループ領域またはサブ領域のパーツの操作か否かを判定する。グループ領域またはサブ領域のパーツの操作であれば(ステップS52でYES)、ステップS53に進む。
【0079】
ステップS53では、
図6のステップS28、または
図9のステップS39で設定された検知領域の操作か否かを判断する。検知領域の操作であれば(ステップS53でYES)、そのグループ領域またはサブ領域が選択されたと判定して、ステップS54で、そのグループ領域またはサブ領域に所属するパーツの一覧を検索し、ステップS55で、該当するパーツを操作可能に設定する。
【0080】
次いで、ステップS56で、そのグループ領域またはサブ領域に所属する全てのパーツを検索したかどうかを判断し、検索していなければ(ステップS56でNO)、ステップS54に戻る。全てのパーツを検索していれば(ステップS56でYES)、ステップS57で、ユーザーによって選択されたグループ領域またはサブ領域内のパーツのみが操作可能に設定された操作画面を作成する。この操作画面における各パーツのレイアウトやパーツサイズは、
図6や
図9の処理で作成された操作画面と全く同じである。ただし、携帯端末2のユーザーが操作可能なパーツであることを認識できるように、操作可能なパーツが含まれるグループ領域またはサブ領域の色等を他の領域とは異なる態様にしても良い。
【0081】
ステップS58では、上記作成された操作画面の画面データを送信したのち、ステップS51に戻り、次の操作データの受信を待つ。
【0082】
ステップS52において、グループ領域またはサブ領域のパーツの操作でなければ(ステップS52でNO)、この場合は、グループ領域またはサブ領域が作成されていない通常の操作画面に対する操作と同じであるから、ステップS59に進む。
【0083】
ステップS59では、終了操作かどうかを判断し、終了操作であれば(ステップS59でYES)、処理を終了する。終了操作でなければ(ステップS59でNO)、ステップS60で操作に応じた処理を実行した後、ステップS61で、処理が終了したか否かを判定する。処理終了であれば(ステップS61でYES)、処理を終了する。処理終了でなければ(ステップS61でNO)、
図6のステップS22に進む。
【0084】
ステップS53において、検知領域の操作でない場合は(ステップS53でNO)、グループ領域またはサブ領域内でのパーツの操作であるから、ステップS62で、グループ領域またはサブ領域内のパーツ操作による設定値が決定されたかどうかを判定する。設定値が決定されると(ステップS62でYES)、
図6のステップS22に進む。設定値が決定されなければ(ステップS62でNO)、ステップS57に進み、操作が行われているグループ領域またはサブ領域内の表示のみが更新された操作画面を作成した後、ステップS58で画面データを携帯端末2に送信する。
【0085】
図12に、
図11のステップS58で送信された画面データに基づいて、携帯端末2の表示部205に表示された操作画面を示す。この画面では、ハッチングを施したグループ領域D5に属する、「倍率」属性のパーツのみが操作可能となっている。
【0086】
携帯端末2のユーザーは、フリック操作により倍率の設定が可能となっている。すなわち、携帯端末2のユーザーが、
図12の矢印で示すようにグループ領域D5内の画面上で上下にフリック操作を行うと、パーツの選択が変更されるようになっている。例えば、画面下向きにフリック操作を行うと、「自動」「等倍」「B4→A3 B5→A4」・・・とパーツ(ボタン)の選択が切り替わり、下向きにフリック操作を行うと、この逆にパーツの選択が切り替わる。フリック操作の継続中は、設定値はまだ決定されないので、
図11のステップS62の判断がNOとなり、MFP1はステップS57で、グループ領域D5以外の表示は変更なく、グループ領域D5内のパーツの選択のみが指の移動先の座標データに応じて切り替わった状態の操作画面を作成し、その画面データを携帯端末2に送信する。
【0087】
携帯端末2のユーザーが何れかのパーツを選択してタッチパネル206から指を離すと、設定値が決定されたと判定してステップS62の判断がYESとなり、ステップS22に進んで、次の画面を作成する。
【0088】
また、
図13に示す例では、ハッチングを施したグループ領域D1に属する、「濃度」属性のパーツのみが操作可能となっている。この例では、
図13の矢印で示すようにグループ領域D1内の画面上で左右にフリック操作を行うと、濃度設定用パーツによる設定濃度が変更され、「うすい」「こい」ボタンが連続で押される操作と同様の操作を実現するようになっている。例えば、画面左向きにフリック操作した場合は濃度が薄くなり、画面右向きにフリック操作した場合は濃度が濃くなる。この場合もタッチパネル206から指を離すと、設定値が決定されたと判定される。
【0089】
なお、グループ領域またはサブ領域の選択後の各パーツの操作は、フリック操作に限定されることはなくタップ操作でも良い。また携帯端末2が竜頭等の携帯端末2の固有の入力手段を備えた例えば腕時計タイプのウェアラブル端末であるような場合は、前記竜頭等の携帯端末2の固有の入力手段の操作により行われても良い。
【0090】
図14は、この発明の他の実施形態を示すものである。この実施形態では、MFP1は、画面サイズが小さい場合にグループ領域を作成するか否かを、管理者等が予め設定できるようになっている。
【0091】
図14(A)に示すように、「カラー」「濃度」「原稿画質」「用紙」等の複数の設定用パーツ(ボタン)が左右方向に並んで配置されている画面において、矢印のように左右方向にフリック操作すると、通常の画面では各パーツがスクロールされるものとする。グループ領域を作成する設定がなされていない状態で、左右方向にフリック操作すると、携帯端末5の表示部205の画面サイズが小さくても、同図(B)に示すように、同図(A)と同様のパーツのスクロールとなる。
【0092】
これに対し、グループ領域を作成する設定がなされている場合は、携帯端末5の表示部205の画面サイズが小さいと、パーツ群のグループ領域が作成され、このグループ領域が選択されたとすると、左右方向にフリック操作したときに、各パーツの選択が切り替わる動作となる。
【0093】
以上説明したように、本実施形態では、MFP1は、携帯端末2の表示部205の画面サイズを取得するとともに、取得された画面サイズに基づいて、携帯端末2に表示される操作画面内の操作用パーツの操作が容易か否かを判定し、容易でないと判定した場合は、操作画面に含まれるパーツをグループ分けして1個または複数個のグループ領域を作成する。この画面データに基づいて、携帯端末2に表示された操作画面に対して、ユーザーが操作を行うと、操作データがMFP1に送信される。操作データを受信したMFP1は、受信した操作データが、グループ領域以外の領域のパーツに対する操作データである場合は、操作されたパーツに対応する処理を実行する。一方、操作データがグループ領域のパーツに対する操作データである場合は、該グループ領域が選択されたと判定するとともに、パーツのレイアウトを変更することなくグループ領域のパーツのみを操作可能とする操作画面の画面データを携帯端末2へ送信し、携帯端末2から操作画面における操作可能なパーツに対する操作データを受信すると、操作されたパーツに対応する処理を実行する。
【0094】
つまり、携帯端末装置には、グループ領域の選択後は選択されたグループ領域のパーツのみを操作可能とする操作画面が表示され、この操作画面における操作可能なパーツに対する操作のみが検出されるから、画面サイズが小さく表示されるパーツが小さいために、操作可能なパーツ以外のパーツに指が接触して誤操作する恐れを低減でき、所望のパーツを的確に選択操作することができる。しかも、パーツのレイアウトは変更されていないから、グループ領域が選択されるたびにその領域に属するパーツの一覧を拡大表示してパーツを選択させる場合のような、拡大、選択に伴う多数の画面遷移もなく、ユーザーはどのような設定を行ったかを容易に理解することができる。