特許第6443276号(P6443276)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443276
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20181217BHJP
   G05D 22/02 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F24F6/00 E
   G05D22/02
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-177363(P2015-177363)
(22)【出願日】2015年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-53539(P2017-53539A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2017年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100117695
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 環
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(74)【代理人】
【識別番号】100115543
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 康男
(74)【代理人】
【識別番号】100154173
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 治郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 朋生
(72)【発明者】
【氏名】任田 保満
(72)【発明者】
【氏名】柳内 敏行
(72)【発明者】
【氏名】美寿見 奈穂
(72)【発明者】
【氏名】服巻 茉莉花
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−055536(JP,A)
【文献】 特開平04−130905(JP,A)
【文献】 特開平07−049145(JP,A)
【文献】 特開平11−006647(JP,A)
【文献】 特開2001−074300(JP,A)
【文献】 特開2005−226907(JP,A)
【文献】 特開2009−192159(JP,A)
【文献】 特開2013−145224(JP,A)
【文献】 特開2014−202408(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/199668(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
F24F 11/00−11/89
G05D 22/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸込口および吹出口が形成された本体と、
前記吹出口から高湿風を略水平方向に送出する高湿風送出手段と、
高湿風の送出量を制御する制御部と、
室内の温度検知手段と相対湿度検知手段と、
所定の絶対湿度を基に温度と相対湿度の相関を定義した乾燥レベル閾値テーブルと、
温度と相対湿度から定義した結露レベル閾値テーブルとを記憶する記憶部と、
前記室内の温度と相対湿度を前記乾燥レベル閾値テーブルと比較して室内の乾燥レベルを判定するとともに、前記結露レベル閾値テーブルと比較して室内の結露レベルを判定する判定部と、
加湿すべき環境であることを報知する加湿推奨報知手段と、
を備え、
前記乾燥レベルが所定の値である温度・湿度条件となる場合に、加湿推奨報知を行い、
加湿運転時に、前記結露レベルが所定以上となる場合に、加湿運転を停止もしくは加湿能力を低下させることを特徴とする加湿器。
【請求項2】
乾燥レベルが所定以下で、室内が結露しにくい温度・湿度条件となり、かつ、人体の不快指数が所定以下の温度・湿度条件となる場合に、加湿を推奨する報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記乾燥レベル閾値テーブルの絶対湿度の閾値を、5〜7[g/m]となる範囲内に設定することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の加湿器。
【請求項4】
乾燥レベルに応じて、加湿運転時の間欠運転比率を変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の加湿器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、加湿器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来における加湿器においては、相対湿度を検出する相対湿度センサーと、室温センサーを備え、相対湿度と温度から室内の絶対湿度を算出して、所定の絶対湿度となるように湿度制御運転する加湿器が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−130905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示された従来における加湿器においては、人に向けて高湿空気を送る構成となっていないため、湿度制御運転をしても、人周辺が適切な湿度環境となるまでに、時間がかかってしまうという課題があった。
【0005】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、肌や粘膜の潤いを維持しづらい乾燥状態で、かつ、部屋の結露が生じにくい温度・湿度条件の場合に、加湿を推奨する報知を行うとともに、加湿運転開始後、人周辺の乾燥した環境を素早く適切にする加湿器を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためには、加湿器において、吸込口および吹出口が形成された本体と、前記吹出口から高湿風を略水平方向に送出する高湿風送出手段と、高湿風の送出量を制御する制御部と、室内の温度検知手段と相対湿度検知手段と、所定の絶対湿度を基に温度と相対湿度の相関を定義した乾燥レベル閾値テーブルと、温度と相対湿度から定義した結露レベル閾値テーブルとを記憶する記憶部と、前記室内の温度と相対湿度を前記乾燥レベル閾値テーブルと比較して室内の乾燥レベルを判定するとともに、前記結露レベル閾値テーブルと比較して室内の結露レベルを判定する判定部と、加湿すべき環境であることを報知する加湿推奨報知手段と、を備え、前記乾燥レベルが所定以上で、前記結露レベルが所定以下の温度・湿度条件となる場合に、加湿推奨報知を行い、加湿運手時に、前記結露レベルが所定以上となる場合に、加湿運転を停止もしくは加湿能力を低下させるように構成すればよい。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係る加湿器においては、肌や粘膜の潤いを維持しづらい乾燥状態で、かつ、部屋の結露が生じにくい温度・湿度条件であることを使用者に認知させ、環境の改善を促すことができる。また、加湿運転開始後、人周辺の乾燥した環境を素早く適切にすることができるとともに、室内の窓や壁などの結露を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の実施の形態1に係る加湿器を斜め前方から見た外観斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る加湿器を斜め後方から見た外観斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る加湿器の吸水タンクカバーを取り外し本体カバーを下ケースから取り外した状態を斜め後方から見た分解斜視図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る加湿器の本体カバーと給水タンクとを下ケースから取り外した状態を斜め前方から見た斜視図である。
図5】この発明の実施の形態1に係る加湿器の本体カバーを下方から見た斜視図である。
図6】この発明の実施の形態1に係る加湿器を側方から見た断面図である。
図7】この発明の実施の形態1に係る加湿器の本体カバーと給水タンクカバーとが一体となった状態を側方から見た断面図である。
図8】この発明の実施の形態1に係る加湿器の制御系統のブロック図である。
図9】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を説明する図である。
図10】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を説明する図である。
図11】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を説明する図である。
図12】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を説明する図である。
図13】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を説明する図である。
図14】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を示すフロー図である。
図15】この発明の実施の形態1に係る加湿器の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
【0010】
実施の形態1.
図1から図15は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1は加湿器を斜め前方から見た外観斜視図、図2は加湿器を斜め後方から見た外観斜視図、図3は加湿器の吸水タンクカバーを取り外し本体カバーを下ケースから取り外した状態を斜め後方から見た分解斜視図、図4は加湿器の本体カバーと給水タンクとを下ケースから取り外した状態を斜め前方から見た斜視図、図5は加湿器の本体カバーを下方から見た斜視図、図6は加湿器を側方から見た断面図、図7は加湿器の本体カバーと給水タンクカバーとが一体となった状態を側方から見た断面図、図8は加湿器の制御系統のブロック図、図9から図12は加湿器の動作を説明する図、図13は結露レベル閾値テーブルと、乾燥レベル閾値テーブルを示す図、図14から図15は加湿器の動作を示すフロー図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、この発明の実施の形態1に係る加湿器200は、下ケース1、本体カバー2及び給水タンクカバー3を備えている。これらの下ケース1、本体カバー2及び給水タンクカバー3をまとめて加湿器200の本体と称する。加湿器200の本体は、外郭をなす本体カバー2が下ケース1の上側から被せられ、本体カバー2の後面に給水タンクカバー3が取り付けられて構成されている。
【0012】
下ケース1の後面の下部には、吸込口15が形成されている。吸込口15は、下ケース1の外部から室内空気を本体内部に取り込むための開口である。本体カバー2の前面の上部には、吹出口21が設けられる。吹出口21の詳細については後述する。本体カバー2の前面の下部には、電源スイッチ4及び設定スイッチ5が設けられる。下ケース1の後面の下部には、電源コード接続部17が設けられている電源コード接続部17には、加湿器200に商用電源を供給する図示しない電源コードが接続される。
【0013】
本体カバー2の上部には、可動ダクト31が取り付けられている。可動ダクト31は、図1に示す位置から図2に示す位置の範囲内で前後方向に可動に設けられている。可動ダクト31の前側の下部には、送風口32が形成されている。送風口32の前方側には、風向調節板33が設けられている。風向調節板33により送風口32からの風の上下向きを調節することができる。
【0014】
次に、図3に示すように、下ケース1の上部の後側には、給水タンク41が着脱自在に取り付けられる。下ケース1の上部の前側には、蒸気ダクト51及び蒸気生成装置カバー75が取りけられている。蒸気生成装置カバー75は後述する蒸気生成装置71の上方側を覆っている。蒸気ダクト51は、蒸気生成装置カバー75のさらに上方に取り付けられる。
【0015】
図4から図7を参照しながら、加湿器200の構成について説明を続ける。図4に示すように、下ケース1の前面には、表示操作部11が設けられている。表示操作部11には、電源ボタン4a及び設定ボタン5a、並びに、発光部116、発光部117aから117g及び発光部118が設けられている。ここで、電源ボタン4aと設定ボタン5aとをまとめて操作部180と称する。また、発光部116、発光部117aから117g及び発光部118をまとめて表示部150と称する。
【0016】
図6に示すように、下ケース1の内部における表示操作部11の裏側には操作基板7が配置される。操作基板7には、電源ボタン4a及び設定ボタン5aのそれぞれのための機械式スイッチ、並びに、発光部116、発光部117aから117g及び発光部118のそれぞれを構成する発光ダイオード(LED)等が実装されている。
【0017】
下ケース1に本体カバー2を被せると(図1の状態)、電源スイッチ4の裏に電源ボタン4aが、設定スイッチ5の裏に設定ボタン5aが、それぞれ配置される。したがって、使用者が電源スイッチ4を押すと、電源スイッチ4により電源ボタン4aが押される。同様に、使用者が、設定スイッチ5を押すと、設定スイッチ5により設定ボタン5aが押される。電源スイッチ4により、加湿器200の電源の入/切を操作することができる。
【0018】
本体カバー2の前側は光が透過する樹脂材で形成されている。したがって、下ケース1に本体カバー2を被せた図1の状態において、発光部116、発光部117aから117g及び発光部118が発光すると、本体カバー2の外側からこれらの発光部による表示部150の表示を視認することができる。なお、本体カバー2の側面及び後側も樹脂材で形成されている。
【0019】
図6に示すように、下ケース1の内部には、蒸気生成装置71が収容されている。蒸気生成装置71は、蒸発皿71a及びヒーター72を備えている。蒸発皿71aは、上方が開口した円形の皿形状を呈する。蒸発皿71aは、例えば金属部材により構成される。蒸発皿71aは、加湿用の水を貯留する貯留部である。蒸発皿71aに貯留される水は、給水タンク41から供給される。給水タンク41内の水は、給水経路74を経由して水供給口73から蒸発皿71aに供給される。なお、給水タンク41は、樹脂材で形成された給水タンクカバー3によりに覆われている。
【0020】
ヒーター72は、蒸発皿71aの外周に巻かれるようにして配置されている。ヒーター72は、貯留部である蒸発皿71aの水を加熱して蒸気を生成するためのものである。すなわち、ヒーター72を通電することにより蒸気生成装置71に供給された水を加熱し、高温の蒸気を生成することができる。
【0021】
蒸気生成装置71には、上方の開口を覆うように、前述した蒸気生成装置カバー75が設けられている。蒸気生成装置カバー75は、耐熱性の樹脂材で構成されている。蒸気生成装置カバー75の上面には、蒸気の通気口が形成されている。蒸気生成装置カバー75の上側には、前述した蒸気ダクト51が取り付けられている。蒸気ダクト51は、蒸気生成装置カバー75上面の蒸気の通気口を覆うようにして設けられる。蒸気ダクト51は、耐熱性の樹脂材で構成されている。蒸気ダクト51の上部には前方に向けて開口された送出口52が形成されている。
【0022】
下ケース1内の蒸気生成装置71の後方には、ファン室64が形成されている。ファン室64内には、送風ファン62が配置されている。送風ファン62の回転は、モーター62aにより駆動される。送風ファン62の回転軸は、下ケース1の前後方向と平行に配置される。
【0023】
ファン室64の内部は、その上方に形成された本体側風路16と通じている。本体側風路16の上方には、本体カバー側風路22が形成されている。図7にも示すように、本体カバー側風路22は本体カバー2に形成されている。本体カバー2を下ケース1から取り外すと、本体カバー2とともに本体カバー側風路22も下ケース1から外れ、本体カバー側風路22が本体側風路16から分離する。
【0024】
また、前述したように、本体カバー2の上部には可動ダクト31が前後方向にスライド可能に設けられている。可動ダクト31を後方に移動させると、給水タンクカバー3は可動ダクト31により上部を抑えられる。この状態においては、給水タンクカバー3は、本体カバー2より上方へ移動できず本体カバー2と一体となる。したがって、本体カバー2と給水タンクカバー3とを一体で取り外すことができる状態となる。
【0025】
図4に示すように、本体カバー側風路22と接続される本体側風路16の最上端部には、本体側連通部19が設けられている。本体側連通部19には、開口部19aが形成されている。開口部19aは、本体カバー側風路22と本体側風路16とを通気可能に接続するためのものである。開口部19aには、開口部19aを開閉するシャッター20が設けられている。
【0026】
シャッター20は、下ケース1から本体カバー2が取り外されているときは開口部19aを閉じ、下ケース1に本体カバー2を取り付けたときに開口部19aを開いて、本体側風路16と本体カバー側風路22とを連通するものである。このようにすることで、加湿器200のメンテナンス時に下ケース1から本体カバー2を取り外したときに、開口部19aから本体側風路16を経由してファン室64へ異物又は水等が侵入するのを抑制することができる。
【0027】
シャッター20の少なくとも一部は、開口部19aを形成する本体側連通部19の周縁19bの下側に配置される。シャッター20は、一端側が、本体側連通部19に形成された軸支部19cにより回動自在に支持される。シャッター20の裏面には、図示しないバネが設けられている。このバネは、開口部19aを下方から閉じるように、シャッター20の他端側を上方に付勢する。他端側が上方に付勢されたシャッター20は、本体側連通部19の周縁19bの裏面と当接することにより係止される。また、シャッター20の上面には凸部20bが形成されている。
【0028】
図5に示すように、本体カバー側風路22に隣接して分岐風路25が形成される。本体カバー側風路22と分岐風路25とは、仕切板28により区画される。仕切板28の下端には、リブ24が形成されている。リブ24は、本体カバー側風路22と一体に形成される。リブ24は、シャッター20を開く開成部材である。
【0029】
本体カバー側風路22及び分岐風路25の下端の外周を囲むように本体カバー側連通部23が形成されている。下ケース1に本体カバー2を取り付けたときに、本体カバー側連通部23と本体側連通部19とが当接し、本体側風路16と本体カバー側風路22及び分岐風路25とが通気可能に接続される。このようにして、送風ファン62により生成される気流は、本体側風路16を経由し、本体カバー側風路22と分岐風路25とにそれぞれ送られる。
【0030】
下ケース1に本体カバー2を取り付けると、リブ24は、バネ20aの付勢力に抗して、シャッター20の上面の凸部20bを押し下げて開口部19aを開く。このようにして、開口部19aが開かれた状態で、本体側風路16と本体カバー側風路22とが通気可能に接続される。
【0031】
リブ24におけるシャッター20の上面の凸部20bと接触する側は、曲面形状に成形された曲面部24aが形成されている。また、リブ24の下端は、曲面部24aと連なるように直線形状に成形された水平部24bが形成されている。さらに、リブ24の側面は、曲面部24aと連なるように直線形状に成形された垂直部24cが形成されている。
【0032】
下ケース1に本体カバー2を取り付けた状態において、分岐風路25は、連通口29を介して蒸気ダクト51と通気可能に接続される。この状態において、蒸気ダクト51の送出口52は、本体カバー2の吹出口21と通じている。このようにして、加湿器200の本体内には、吸込口15から、ファン室64、本体側風路16、分岐風路25、連通口29、蒸気ダクト51及び送出口52をこの順で経由して吹出口21へと至る風路が形成されている。そして、送風ファン62は、吸込口15から吸い込んだ空気を、当該風路を経由して吹出口21から吹き出す気流を生成する。
【0033】
また、当該風路を通る気流中の空気は、蒸気ダクト51内において蒸気生成装置71で生成される蒸気と混合される。すなわち、蒸気生成装置71は、ヒーター72により、貯留部である蒸発皿71aの水を加熱して生成した蒸気で当該気流中の空気を加湿する加湿手段を構成している。
【0034】
一方、分岐風路25と分岐した後の本体カバー側風路22は、可動ダクト31を経由して送風口32へと通じている。すなわち、加湿器200の本体内には、吸込口15から、ファン室64、本体側風路16、本体カバー側風路22及び可動ダクト31をこの順で経由して送風口32へと至るもう1つの風路が形成されている。当該風路は、蒸気生成装置71(蒸気ダクト51)を経由しない。したがって、送風口32から吹き出す気流は加湿されていない。
【0035】
送風口32から吹き出す気流は、送出口52から吹き出す気流をガイドして送出口52から予め設定された距離だけ離れた位置まで加湿空気を届けるためのものである。本体カバー側風路22を通過した気流は、可動ダクト31に送られ、吹出口21より上方に配置された送風口32から前方へ向かって吹き出す。
【0036】
ここで、仕切板28により本体カバー側風路22と分岐風路25とに分割して送られる風量は、送風口32から吹き出される気流の流速が、吹出口21から吹き出される気流の流速よりも大きくなるように設定される。送風口32から吹き出される気流の流速を、吹出口21から吹き出される気流の流速よりも大きくすることで、ベルヌーイの定理により、前者の気流は後者の気流よりも圧力が小さくなる。その結果、前者の気流に後者の気流を誘引し、前者の気流により後者の気流の加湿空気を、効果的にガイドすることができる。
【0037】
なお、前述したように、送風口32には風向調節板33が設けられていて、風向調節板33は斜め下方に向いている。したがって、送風口32からの気流は、吹出口21から吹き出された加湿空気を上から抑えるように吹き出す。このため、高温の蒸気を含む吹出口21からの気流が上方に向かうのを、送風口32からの気流が抑え込むように作用し、加湿空気を送出口52から離れた位置まで効率よく搬送することができる。
【0038】
図6に示すように、下ケース1の内部における操作基板7と蒸気生成装置71との間には、制御基板8が配置されている。制御基板8には、加湿器200の動作を制御するマイコン(マイクロ・コンピュータ)100が実装されている。マイコン100は、特に、ヒーター72への通電及び送風ファン62を駆動するモーター62aへの通電を制御する制御手段を構成している。
【0039】
このマイコン100を含む制御系統の構成について、図8を参照しながら説明する。図8に示すように、マイコン100は、入力回路110、CPU120、メモリ130、及び出力回路140を備える。マイコン100は、操作基板7と電気的に接続され、操作部180から信号が入力回路110に入力され、出力回路140から信号が表示部150へと出力される。
【0040】
マイコン100の入力回路110には、操作部180からの信号の他、相対湿度センサー160、室温センサー161、及び貯水量検知部170からの検知信号も入力される。相対湿度センサー160は、室内空気の相対湿度(室内相対湿度)を検知する相対湿度検知手段である。相対湿度センサー160は、具体的に例えば、下ケース1の吸込口15の周辺に設けられる。
【0041】
また、室温センサー161は、室内空気の温度(室内温度)を検知する温度検知手段である。室温センサー161も相対湿度センサー160と同じく、具体的に例えば、下ケース1の吸込口15の周辺に設けられる。あるいは、室温センサー161、相対湿度センサー160を加湿器200の外部に設けて、通信手段によって各センサーからの温度、相対湿度の情報をマイコン100に取り込む構成とすることもできる。例えば、ルームエアコンやヒーター、空気清浄機等に設けられた室温センサーや相対湿度センサーを用いても良い。
【0042】
貯水量検知部170は、給水タンク41に貯留されている水量を検知するものである。貯水量検知部170は、具体的に例えば、給水タンク41の周囲に設けられる。貯水量検知部170としては、例えば、給水タンク41内の水の水位を光学的に検知するセンサーを用いることができる。あるいは、貯水量検知部170として、給水タンク41の底部に設けられ、給水タンク41の重量を測定するセンサー等を用いることもできる。
【0043】
CPU120は、入力回路110に入力された各種の信号に対して、予め定められた処理を行う。そして、その処理結果に応じて、出力回路140から、ヒーター72、送風ファン62のモーター62a及び表示部150へと制御信号を出力する。なお、CPU120で実行する処理の内容及び処理で用いるデータ等は、メモリ130に格納される。
【0044】
電源コード接続部17に電源コードを介して交流電源に接続すると、制御基板8に電力が供給され、マイコン100が起動する。マイコン100は、相対湿度検知手段である相対湿度センサー160と、温度検知手段である室温センサー161により、それぞれ室内温度と室内相対湿度を検知する。そして、マイコン100は、検知した室内の温度・湿度条件に応じて、加湿推奨報知手段である発光部118を点灯させ、使用者に対して加湿を促す報知を行う。
【0045】
使用者が電源スイッチ4を押すと電源ボタン4aが押され、マイコン100は発光部116のLEDを点灯させる。また、設定スイッチ5を操作すると、その押下回数に対応して加湿器200の加湿動作が開始してから終了するまでの運転切時間を設定することができる。例えば、設定スイッチ5を1回押すと運転切時間が1時間に設定され、2回押すと2時間に設定される。発光部117aから117gは、設定スイッチ5の押圧回数に応じて点灯数又は点灯色を変えて、設定された運転切時間を表示する。
【0046】
加湿運転においては、マイコン100は、出力回路140から制御信号を出力し、ヒーター72への通電及びモーター62aへの通電を制御する。この際、マイコン100は、ヒーター72への通電については、高通電率状態と低通電率状態の2つの状態をとるように制御する。高通電率状態とは、低通電率状態より相対的に通電率が高い状態である。逆に言えば、低通電率状態とは、高通電率状態より相対的に通電率が低い状態である。
【0047】
ここで、通電率とは、一定の時間内において通電されている時間の割合のことである。例えば、通電率100%とは、一定の時間内において常に通電されている状態であり、すなわち、後述する通電状態と同じ状態である。通電率0%とは、一定の時間内において全く通電されていない状態であり、すなわち、後述する非通電状態と同じ状態である。
【0048】
また、マイコン100は、送風ファン62のモーター62aへの通電については、通電状態と非通電状態の2つの状態をとるように制御する。
【0049】
図9から図12を参照しながら、加湿器200の加湿運転動作について説明する。まず、図9は、加湿器200の加湿運転動作におけるヒーター72及び送風ファンのモーター62aの制御のタイミングチャートである。図9の最上段のグラフは、ヒーター72への通電の状態の時間変化を示している。この段のグラフにおいて、ONは通電率100%、OFFは通電率0%をそれぞれ表しており、ONに近づくほど通電率が高く、OFFに近づくほど通電率が低い。
【0050】
上から2番目の段のグラフは、モーター62aへの通電の状態時間変化を示している。ONが通電状態でOFFが非通電状態である。そして、上から3番目のグラフは、蒸発皿71a内の水の温度の時間変化を示している。なお、図中に示す時間Aは、切タイマー時間である。
【0051】
加湿運転を開始すると、まず、予め設定された初期連続時間Bの間、連続運転を行う。連続運転中は、マイコン100は、ヒーター72及びモーター62aに連続的に通電させ、すなわち、ヒーター72は常に高通電率状態、モーター62aは常に通電状態とする。
【0052】
連続運転の後は、間欠運転を行う。間欠運転においては、マイコン100は、ヒーター72について高通電率状態と低通電率状態とを交互に繰り返させる。また、マイコン100は、モーター62aについては、通電状態と非通電状態とを交互に繰り返させる。この際、ヒーター72の高通電率状態の継続時間が通電時間C1である。そして、ヒーター72の低通電率状態の継続時間が通電間隔C2である。
【0053】
また、ここでは、ヒーター72を高通電率状態にする期間と、モーター62aを通電状態にする期間とは、完全に一致させていない。すなわち、マイコン100は、ヒーター72を高通電率状態にした時点から第1の遅延時間(ディレイ時間D1)の経過後に送風ファン62を通電状態にする。そして、ヒーター72を低通電率状態にした時点からディレイ時間D2の経過後に送風ファン62を非通電状態にする。
【0054】
ここで、マイコン100は、温度検知手段である室温センサー161により検知した室内温度に応じて、高通電率状態の継続時間(通電時間C1)及び低通電率状態の継続時間(通電間隔C2)の少なくとも一方を変更する。このことを、特に2つの室内温度の値(第1の温度と第2の温度とする)に着目すると、以下のような表現とすることもできる。すなわち、マイコン100は、まず、温度検知手段である室温センサー161により検知した室内温度が第1の温度の場合に高通電率状態の継続時間(通電時間C1)及び低通電率状態の継続時間(通電間隔C2)について第1の制御を行う。そして、マイコン100は、温度検知手段である室温センサー161により検知した室内温度が第1の温度と異なる第2の温度の場合に高通電率状態の継続時間(通電時間C1)及び低通電率状態の継続時間(通電間隔C2)の少なくとも一方が前記第1の制御と異なる第2の制御を行う。
【0055】
また、この際、マイコン100は、第1の遅延時間(ディレイ時間D1)についても、温度検知手段である室温センサー161により検知した室内温度に応じて変更するようにしてもよい。さらに、マイコン100は、ディレイ時間D2についても、温度検知手段である室温センサー161により検知した室内温度に応じて変更するようにしてもよい。
【0056】
この室内温度に応じた高通電率状態の継続時間(通電時間C1)及び低通電率状態の継続時間(通電間隔C2)、並びに、第1の遅延時間(ディレイ時間D1)及びディレイ時間D2の変更について、図10を参照しながら説明する。図10の(a)がその一例であり、(b)が他の例である。より詳しくは、(a)は各時間及び間隔を室内温度に応じて線形に変化させる例、(b)は各時間及び間隔を室内温度に応じて段階的に変化させる例である。
【0057】
このように、これら(a)及び(b)のいずれの例においても、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度が低いほど、高通電率状態の継続時間C1を長くする。別の表現で言えば、マイコン100は、第1の温度より第2の温度が低い場合に、前記第2の制御における高通電率状態の継続時間C1を前記第1の制御よりも長くする。
【0058】
また、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度が低いほど、低通電率状態の継続時間C2を短くする。これも別の表現で言えば、マイコン100は、第1の温度より第2の温度が低い場合に、前記第2の制御における低通電率状態の継続時間を前記第1の制御より短くする。
【0059】
なお、(b)の各時間及び間隔を段階的に変化させる例においては、第1の温度と第2の温度の2つの温度の値の差が小さい場合、温度を変化させても高通電率状態の継続時間C1等が変化しない場合もあり得る。そこで、前記第2の制御に関してより正確に表現すれば、前記第2の制御は、室温センサー161により検知した室内温度が第1の温度と「予め定めた一定温度以上」異なる第2の温度の場合に高通電率状態の継続時間C1及び低通電率状態の継続時間C2の少なくとも一方が前記第1の制御と異なるようにする制御であると言える。
【0060】
このようにすることで、特に、室温が低い場合において、ヒーター72による加熱を一時的に停止あるいは弱めている間に加湿用の水の温度が大きく低下してヒーター72による加熱を再開した際に蒸気が出るまでに時間がかかることを抑制することができる。そして、蒸気生成の再開にかかる時間を短縮し、保湿効果が低下を抑制するとともに、加湿されていない冷風のみが吹き出す時間を短縮又は無くして使用者に不快感を与えることも抑制できる。
【0061】
また、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度が低いほど、第1の遅延時間(ディレイ時間D1)を長くする。ヒーター72を高通電率状態にした時点から第1の遅延時間(ディレイ時間D1)の経過後に送風ファン62を通電状態にすることで、ヒーター72が低通電率状態の間に水温が下がり、通電再開後に蒸気が生成するまでの間に冷たい風のみが吹き出すことを抑制でき、快適性を向上できる。この際、室温センサー161により検知した室内温度が低いほど、第1の遅延時間(ディレイ時間D1)を長くすることで、室温による水温の低下に合わせて第1の遅延時間(ディレイ時間D1)を調整し、より効果的に冷風のみが吹き出すことを抑制でき、快適性を向上できる。
【0062】
さらに、これらの例では、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度が低いほど、ディレイ時間D2も長くしている。ヒーター72を低通電率状態にした時点からディレイ時間D2の経過後に送風ファン62を非通電状態にすることで、ヒーター72を低通電率状態にした直後に蒸発皿71a上部の空間に溜まった蒸気を送風して外部に吹き出すことが出来るため、生成した蒸気を効率よく使うことができる。
【0063】
次に、図11は、室内相対湿度も用いて加湿運転制御を行った場合のタイミングチャートである。室内相対湿度の変化は、上から4番目のグラフである。この図11に示す場合においても、間欠運転での基本的な制御は前述した図9の場合と同様である。ただし、図11に示す場合においては、間欠運転中に、相対湿度検知手段である相対湿度センサー160により検知した室内相対湿度が予め設定された相対湿度基準値F以上となった場合に、マイコン100は、ヒーター72を低通電率状態にし、かつ、送風ファン62を非通電状態にする。相対湿度基準値Fは後述する結露レベル閾値テーブルによって定義され、室内温度により異なる値となる。
【0064】
そして、その後、相対湿度センサー160により検知した室内相対湿度がF以下となった場合に、マイコン100は、ヒーター72を再び高通電率状態にし、かつ、送風ファン62を再び通電状態にする。このヒーター72を低通電率状態から高通電率状態にする際、マイコン100は、ヒーター72を高通電率状態にした時点から第2の遅延時間の経過後に送風ファン62を通電状態にする。
【0065】
このようにすることで、過加湿を防止して室内の結露を抑制することができる。また、ヒーター72及び送風ファン62を停止することができ、この際に蒸発皿71aの水温が低下し、運転再開時に蒸気が出るまでに時間がかかり、保湿効果の低下及び冷風のみの吹き出しを招くことを抑制できる。
【0066】
ここで、第2の遅延時間とは、前述したディレイ時間D1に、さらに追加ディレイ時間Eを加えた時間である。そして、マイコン100は、ヒーター72を低通電率状態から高通電率状態にするまでの経過時間に応じて、第2の遅延時間(D1+E)を変更するようにしてもよい。ヒーター72を低通電率状態から高通電率状態にするまでの経過時間とは、図11において加湿停止時間として示した時間である。
【0067】
加湿停止中の蒸発皿71a中の水温の低下は停止時間に依存するため、停止時間に合わせて再運転時の第2の遅延時間(D1+E)を調節することにより、保湿効果と快適性を向上しつつ、余分に蒸気を出して室内が過加湿となり、窓や壁などが結露することを抑制できる。
【0068】
また、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度に応じて、第2の遅延時間(D1+E)を変更するようにしてもよい。この場合、室内温度が低いほど、第2の遅延時間(D1+E)を長くするのがよい。なお、上述の制御においては、第2の遅延時間(D1+E)の変更は、追加ディレイ時間Eを変更することにより行うようにするのがよい。
【0069】
加湿停止中の蒸発皿71a中の水温の低下は室温にも依存するため、室温に応じて再運転時の第2の遅延時間(D1+E)を調節することにより、保湿効果と快適性を向上しつつ、余分に蒸気を出して室内が過加湿となり、窓や壁などが結露することを抑制できる。
【0070】
以上においては、ヒーター72への通電制御に関して、高通電率状態は通電率100%とし、低通電率状態は通電率0%とした場合について説明した。しかし、高通電率状態と低通電率状態とで通電率に相対的な高低差があれば、通電率の具体的な値はこれらに限られない。例えば、図12は、低通電率状態の通電率を0%とは異なる値にして、低通電率状態においてもヒーター72への通電を完全には停止させないようにした例である。
【0071】
このようにすることで、ヒーター72への通電率を0%にする(完全に停止する)場合よりも蒸発皿71aの水温が下がりにくくなるため、室温又は加湿停止時間の差による水温低下量への影響が小さくなる。よって、蒸気の生成開始に合わせて送風開始しやすくなるため、効率よく蒸気を使い保湿効果を高めることができる。加えて、蒸気が生成する前に送風ファン62への通電が開始されて冷たい風のみが吹き出すことを抑制でき、快適性を向上できる。
【0072】
また、室温センサー161で検知した室温に応じて、低通電率状態の通電率を変えるようにしてもよい。この際、室温が低い程、通電率を高くすることで、室温の差による水温低下量への影響をさらに減らすことができ、より効率よく蒸気を使い保湿効果を高めつつ、冷たい風のみが吹き出すことを抑制でき、快適性を向上できる。高通電率状態についても同様である。
【0073】
なお、以上のような経過時間の計測を伴う制御を実施するため、マイコン100には、経過時間を計時するタイマー(計時手段)を備えるようにしてもよい。
【0074】
図13は結露レベル閾値テーブルと、乾燥レベル閾値テーブルを示す図である。結露レベル閾値テーブルは相対湿度基準値Fを定義するデータテーブルであり、室内温度が低くなるほど相対湿度は高い値としている。これは室内温度が低いほど、飽和水蒸気量が少なくなり結露しやすくなるためである。
【0075】
乾燥レベル閾値テーブルは加湿運転開始前に室内の湿度環境が人体にとって適切であるかを判定するためのデータテーブルであり、温度が低い領域(例えば7℃以下)では所定の相対湿度以下、温度が適正な領域(例えば10〜25℃)では所定の絶対湿度となる温度、相対湿度特性以下、温度が高い領域(例えば25℃以上)では不快指数70以下となる領域を加湿推奨環境として定義する。
【0076】
人の肌や粘膜の潤いを維持するのに適した環境は室内温度20℃のときに相対湿度約40〜60%であるとされている。このときの絶対湿度は約7〜10[g/m(グラム/立方メートル)]である。また、室温20℃のときに相対湿度30%以下の乾燥した環境は、肌や粘膜の潤いを維持しづらいとされている。このときの絶対湿度は約5[g/m]である。そこで、人体にとってほぼ快適な室内温度範囲において、乾燥した湿度環境を判定する閾値として、5〜7[g/m]の範囲内に乾燥レベルの判定基準を定義する。
【0077】
温度が高い領域では、人は体感上、乾燥している方が快適と感じる傾向があるため、加湿をすると返って不快感を感じさせることになる。そこで、温度が高い領域では、乾燥レベル閾値は不快指数を基に定義する。
不快指数と体感の関係は一般に以下のように定義されている。
〜55:寒い
55〜60:肌寒い
60〜65:何も感じない
65〜70:快い
70〜75:暑くない
75〜80:やや暑い
80〜85:暑くて汗が出る
85〜 :暑くてたまらない
したがって、温度が高い領域では、不快指数70以下の場合を加湿推奨環境として、乾燥レベル閾値テーブルを定義する。
【0078】
次に、以上のように構成された加湿器200の加湿運転動作の流れを、図13図14図15を参照しながら今一度説明する。
まず、加湿器200の使用者が、電源コード接続部17に電源コードを介して交流電源に接続すると、制御基板8に電力が供給され、マイコン100が起動する。マイコン100は、相対湿度検知手段である相対湿度センサー160と、温度検知手段である室温センサー161により、それぞれ室内温度と室内相対湿度を検知する(ステップS01)。
【0079】
マイコン100は、検出された室内温度と室内相対湿度とを乾燥レベル閾値テーブルと比較し(ステップS02)、乾燥レベルが閾値以上(図13中に網掛けで示す乾燥レベル閾値テーブル領域の外側)であれば加湿推奨報知は行わず、ステップS03の電源スイッチ4の押下の検出ステップに進む。
乾燥レベルが所定の値である温度・湿度条件となる場合、つまり、乾燥レベルが閾値以下(図13中に網掛けで示す乾燥レベル閾値テーブル領域の内側)であれば、ステップS04へと進み、加湿推奨報知手段である発光部118を点灯させる。
【0080】
ステップS03で電源スイッチ4が押された場合、マイコン100は、発光部118を消灯させ(ステップS05)、加湿運転開始のステップに進む。電源スイッチ4が押されて加湿運転となるときに、加湿推奨報知手段である発光部118を消灯するのは、加湿器200が高湿風を略水平方向に送出する構成であり、使用者の湿度環境を短時間に改善するため、改めて加湿を推奨する必要がないためである。
【0081】
尚、乾燥レベル閾値テーブルは、室温が低い状態(0〜7℃程度の領域)において、上記の通り規定した絶対湿度の範囲5〜7[g/m]から外れ、湿度基準値Fより小さい値となる境界値に設定されている。
これは、乾燥レベル閾値テーブルの値が、湿度基準値Fより大きな値である場合、加湿運転を行うと、結露が生じてしまうためである。
また、結露レベル閾値テーブル(湿度基準値F)と乾燥レベル閾値テーブルの境界値は、ある程度離れて設定されている。
【0082】
これは、室内温度が低いほど、飽和水蒸気量が少なくなり結露しやすくなるため、それぞれの値が近い場合、使用者が加湿推奨報知を見て加湿運転を開始すると、相対湿度の上昇が早く、すぐに結露が起きやすい結露レベルとなり、加湿運転のON/OFFが頻繁に起こる。したがって、乾燥が進まない程度に乾燥レベル閾値テーブルの境界値を結露レベル閾値レベル(湿度基準値F)から離すことで、加湿運転の頻繁なON/OFFを防止している。
【0083】
図15の加湿運転開始処理において、使用者は、加湿運転開始後、設定スイッチ5を操作して、加湿器200の加湿動作が開始してから終了するまでの運転切時間の設定を行う。設定スイッチ5を押すと設定ボタン5aが押され、入力回路110を介して設定ボタン5aの操作信号がマイコン100に入力される。マイコン100は、入力された操作信号に応じて、切タイマー時間Aを設定する(ステップS1)。設定された切タイマー時間Aは、メモリ130に記憶される。切タイマー時間Aは、加湿運転が開始されてから終了するまでの運転切時間である。例えば、切タイマー時間Aとして、8時間が設定される。そして、一定時間の経過後に使用者が再度設定スイッチ5を押すと、加湿運転が開始される。加湿運転が開始されるとステップS2へと進む。
【0084】
ステップS2においては、マイコン100は、運転を開始してからマイコン100のタイマーにより計時する時間が、予め設定された初期連続時間Bを経過したか否かを判定する。運転開始からの経過時間が初期連続時間Bに達しない場合は、連続での加湿運転を継続し、このステップS2の判定を繰り返す。そして、運転開始から初期連続時間Bを経過した場合、ステップS3へと進む。
【0085】
ステップS3においては、相対湿度センサー160で室内相対湿度を検知し、室温センサー161で室内温度を検知する。また、マイコン100は、ステップS3の直前(直近の過去)で加湿を停止していた時間(加湿停止時間)を算出する。そして、ステップS4へと進む。
【0086】
ステップS4においては、マイコン100は、ステップS3で検知した室内温度に基づいて、通電時間C1、通電間隔C2、ディレイ時間D1、ディレイ時間D2を設定する。また、マイコン100は、ステップS3で検知した室内温度とステップS3で算出した加湿停止時間とに基づいて、追加ディレイ時間Eを設定する。そして、マイコン100は、設定したこれらの時間C1、C2、D1、D2及びEに基づいて、ヒーター72及びモーター62aへの通電を間欠的に行う間欠運転を開始する。間欠運転においては、前述したようにヒーター72については高通電率状態と低通電率状態とを繰り返し、モーター62aについては通電状態と非通電状態とを繰り返す。そして、ステップS5へと進む。
【0087】
ステップS5においては、マイコン100は、ステップS3で検知した室内相対湿度が、相対湿度基準値Fと比べ小さいか否かを判定する。室内相対湿度がFより小さい場合には、ステップS6へと進む。
【0088】
ステップS6においては、マイコン100は、加湿運転を開始してからタイマーが計時する時間が切タイマー時間Aを経過したか否かを判定する。加湿運転を開始してからまだ切タイマー時間Aを経過していない場合は、ステップS3へと戻り加湿運転を継続する。加湿運転を開始してから切タイマー時間Aを経過した場合は、ステップS7へと進み、マイコン100は、加湿運転を停止させる。すなわち、マイコン100は、ヒーター72及びモーター62aへの通電を停止させる。そして、一連の動作フローは終了となる。
【0089】
一方、ステップS5において、室内相対湿度がF以上である場合は、ステップS8へと進む。ステップS8においては、マイコン100は、ヒーター72を低通電率状態とし、かつ、モーター62aを非通電状態として加湿運転を停止する。そして、ステップS9へ進む。
【0090】
ステップS9においては、マイコン100は、加湿運転を開始してからタイマーが計時する時間が切タイマー時間Aを経過したか否かを判定する。加湿運転を開始してから切タイマー時間Aを経過した場合は、加湿運転を停止したまま運転停止とし、一連の動作フローは終了となる。一方、加湿運転を開始してからまだ切タイマー時間Aを経過していない場合は、ステップS10へと進む。
【0091】
ステップS10においては、相対湿度センサー160により室内相対湿度を検知し、マイコン100は、検知した室内相対湿度がF以下であるか否かを判定する。室内相対湿度がF以下でない場合は、ステップS8へと戻り、加湿停止の状態を継続する。一方、室内相対湿度がF以下の場合は、ステップS6へと進む。そして、ステップS6で切タイマー時間Aを経過していなければ、ステップS3での設定を経てステップS4で加湿(間欠運転)が再開されることになる。
【0092】
なお、間欠運転時のヒーター72の高通電率状態の通電時間C1と低通電率状態の通電間隔C2の割合を、乾燥レベルが高いほど通電時間C1が長くなるように設定してもよい。これにより、室内の結露を抑制することができる。
【0093】
以上のように構成された加湿器は、吸込口15及び吹出口21が形成された本体である下ケース1、本体カバー2及び給水タンクカバー3と、吸込口15から吸い込んだ空気を吹出口21から吹き出す気流を生成する送風ファン62と、水を貯留する蒸発皿71aと蒸発皿71aの水を加熱して蒸気を生成するヒーター72とを有し、生成した蒸気で前記気流中の空気を加湿する蒸気生成装置71と、ヒーター72への通電及び送風ファン62を駆動するモーター62aへの通電を制御するマイコン100と、室内温度を検知する室温センサー161と、を備えている。また、マイコン100は、ヒーター72について高通電率状態と高通電率状態より通電率の低い低通電率状態とを交互に繰り返させる。
【0094】
そして、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度に応じて、高通電率状態の継続時間及び低通電率状態の継続時間の少なくとも一方を変更する。換言すれば、マイコン100は、室温センサー161により検知した室内温度が第1の温度の場合に高通電率状態の継続時間及び低通電率状態の継続時間について第1の制御を行い、室温センサー161により検知した室内温度が第1の温度と予め定めた一定温度以上異なる第2の温度の場合に高通電率状態の継続時間及び低通電率状態の継続時間の少なくとも一方が前記第1の制御と異なる第2の制御を行う。
【0095】
このため、蒸気生成用の水を加熱するヒーターの間欠運転時における蒸気生成用の水の温度変化の程度に応じて、効率的かつ適切な蒸気の生成が可能である。すなわち、ヒーターの間欠運転中においても効率的に蒸気を生成し、生成する総蒸気量を適切な範囲に保つことができ、保湿効果を維持できる。したがって、使用者のいる位置に高湿空気を搬送し保湿効果を維持しつつ、快適性の高い加湿器を提供することができる。
【0096】
室内温度と室内相対湿度の検知手段を備え、乾燥レベル閾値テーブルにより、肌や粘膜の潤い維持に適した湿度環境であるかどうかを判定して報知する機能を備えることにより、使用者に湿度環境の改善の必要性を認知させることができる。
また、加湿器本体の略水平方向に高湿風を送出する構成とすることにより、加湿運転開始後、人周辺の乾燥した環境を素早く適切にすることができるとともに、室内の窓や壁などの結露を抑制することができる。
【符号の説明】
【0097】
1 下ケース、 2 本体カバー、 3 給水タンクカバー、 4 電源スイッチ、 4a 電源ボタン、 5 設定スイッチ、 5a 設定ボタン、 7 操作基板、 8 制御基板、 11 表示操作部、 15 吸込口、 16 本体側風路、 17 電源コード接続部、 19 本体側連通部、 19a 開口部、 19b 周縁、 19c 軸支部、 20 シャッター、 20b 凸部、 21 吹出口、 22 本体カバー側風路、 23 本体カバー側連通部、 24 リブ、 24a 曲面部、 24b 水平部、 24c 垂直部、 25 分岐風路、 28 仕切板、 29 連通口、 31 可動ダクト、 32 送風口、 33 風向調節板、 41 給水タンク、 51 蒸気ダクト、 52 送出口、 62 送風ファン、 62a モーター、 64 ファン室、 71 蒸気生成装置、 71a 蒸発皿、 72 ヒーター 73 水供給口、 74 給水経路、 75 蒸気生成装置カバー、 100 マイコン、 110 入力回路、 120 CPU、 130 メモリ、 140 出力回路、 150 表示部、 160 相対湿度センサー、 161 室温センサー、 162 水温センサー、 170 貯水量検知部、 180 操作部、 200 加湿器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15