特許第6443295号(P6443295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443295
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】車両用電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20181217BHJP
   H01M 10/655 20140101ALI20181217BHJP
   H01M 10/613 20140101ALN20181217BHJP
   H01M 10/6556 20140101ALN20181217BHJP
   H01M 10/643 20140101ALN20181217BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20181217BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALN20181217BHJP
【FI】
   H01M2/10 F
   H01M2/10 S
   H01M10/655
   !H01M10/613
   !H01M10/6556
   !H01M10/643
   !H01M10/625
   !H01M10/6563
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2015-204186(P2015-204186)
(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公開番号】特開2017-76556(P2017-76556A)
(43)【公開日】2017年4月20日
【審査請求日】2017年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森岡 怜史
【住所又は居所】愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動車株式会社内
【審査官】 瀧 恭子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−219373(JP,A)
【文献】 特開2008−270460(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/147126(WO,A1)
【文献】 特開2012−009277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10、10/52−10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の円筒電池と、
前記複数の円筒電池を保持する保持孔が複数形成された長尺のホルダープレートと、
を備え、
前記ホルダープレートは、長手方向に沿ったアーチ形状であることを特徴とする、車両用電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の円筒電池が収容された電池モジュールの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の電池を接続して組電池としてケーシングに格納した電池モジュールが電気自動車やハイブリッド車両等の電動車両に利用されている。例えば特許文献1には、複数の円筒電池と、複数の円筒電池を保持するホルダープレートとを備えた電池モジュールが開示されている。ホルダープレートは例えば長尺の金属板から構成される。またホルダープレートには厚さ方向に複数の保持孔が形成されており、各保持孔に円筒電池が挿入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−113999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の安全性能試験として、電池モジュールの圧縮試験が行われる場合がある。具体的には、電池モジュールの長手方向両端から圧縮力を印加して電池モジュールを30%程度圧縮し、その際に発煙や発火が生じないか否かを検査する。このとき、図3に示すようにホルダープレート102には長手方向(Y方向)に沿って圧縮力が加えられる。圧縮力の印加過程でホルダープレート102が圧壊すると、その破片が刺さるなどして円筒電池104が破損して発煙に至るおそれがある。そこで、本発明では、圧縮力印加時におけるホルダープレートの圧壊を抑制可能な、車両用電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る車両用電池モジュールは、複数の円筒電池と、前記円筒電池を保持する保持孔が複数形成された長尺のホルダープレートと、を備える。前記ホルダープレートは、長手方向に沿ったアーチ形状である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、長手方向に圧縮力が印加されたときにホルダープレートがアーチ形状に沿って撓むので、圧壊が抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る車両用電池モジュールを例示する分解斜視図である。
図2】本実施形態に係る車両用電池モジュールに対する圧縮試験の様子を説明する図である。
図3】従来技術に係る車両用電池モジュールに対する圧縮試験の様子を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に、本実施形態に係る電池モジュール10の分解斜視図を示す。電池モジュール10は、電気自動車やハイブリッド車両等の電動車両に搭載される。電池モジュール10は、複数の円筒電池12、これらを保持するホルダープレート14、円筒電池12の鉛直上側(Z軸方向上側)を覆うカバー16、正極側バスバー20、負極側バスバー22、正極側バスバー20を覆う天井蓋28及び負極側バスバー22を覆う底蓋18を含んで構成される。
【0009】
円筒電池12は、充放電可能な二次電池であり、例えば、円筒型のケースに収められたニッケル水素電池、リチウムイオン電池等である。電池モジュール10には、例えば60本程度の円筒電池12が収容される。
【0010】
カバー16は、複数の円筒電池12の組の四方側面及び鉛直上方を覆う。カバー16は例えば樹脂等の絶縁部材から構成される。カバー16の天井面には各円筒電池12のプラス電極が突出する開口24が設けられ、長手方向側面にはスリット26が長手方向に沿って複数形成されている。なお、図1ではカバー16の図手前側の面のみが示されているが、対向する側面(図1奥側の面)にもスリット26が形成されている。カバー16の図1手前側のスリット26から冷却空気がカバー16の内部に流入して円筒電池12を冷却する。冷却後の空気は図1奥側のスリット26から排気される。
【0011】
正極側バスバー20は円筒電池12の正極端子に接続され、負極側バスバー22は円筒電池12の負極端子に接続される。正極側バスバー20及び負極側バスバー22は長手方向(図面Y方向)に沿って分割された導電体からなる分割体を含んで構成される。分割体はそれぞれ複数の円筒電池12をカバーするように構成されており、正極側バスバー20の分割体と負極側バスバー22の分割体を円筒電池12に接続することで、これら分割体に挟まれた複数の円筒電池12は並列接続される。さらに分割体同士が直列接続される。正極側バスバー20の鉛直上方には樹脂製の天井蓋28が取り付けられる。また、負極側バスバー22の鉛直下側には底蓋18が取り付けられる。
【0012】
ホルダープレート14は、複数の円筒電池12を保持する保持部材である。図1に示すようにホルダープレート14は長尺板状の部材であり、例えばアルミニウム等の金属材料をダイキャスト加工することで製造される。
【0013】
ホルダープレート14には、厚さ方向に貫通された保持孔21が複数形成されており、これに円筒電池12が差し込まれる。円筒電池12の外周面と保持孔21の内壁面との間に接着剤を充填することで、円筒電池12がホルダープレート14に固着される。ホルダープレート14で保持された箇所から鉛直上方は、カバー16のスリット26から冷却空気が供給される冷却領域となっている。円筒電池12の冷却領域を稼ぐために、円筒電池12はその長手方向中心よりも負極側を(つまり円筒電池12の下側を)ホルダープレート14に保持される。
【0014】
また、ホルダープレート14は金属材料等の熱伝導性部材から構成されており、円筒電池12間の熱を伝達させて均一化させる散熱板としての機能も備えている。熱伝導により効果的に熱移動が行われるように、ホルダープレート14はある程度の厚みを持っている。例えばホルダープレート14の厚さは10mmから20mm程度となるように構成される。
【0015】
さらに、図1及び図2に示すように、本実施形態に係るホルダープレート14は、長手方向(図のY方向)に沿ったアーチ形状となるように形成されている。このような形状とすることで、車両の安全性能試験時などに電池モジュール10が長手方向から圧縮力を印加されても、図2に示すように、ホルダープレート14がアーチに沿って撓み(しなり)、圧壊が抑制される。このように、本実施形態に係るホルダープレート14は、圧縮力の一部を曲げ変形力に変えることで圧壊を抑制している。
【0016】
図2に示すように、ホルダープレート14は電池モジュール10の鉛直下側に配置される。したがって、ホルダープレート14を鉛直下側に凸となるようなアーチ形状とすると、撓みの余地(撓み代)が相対的に小さくなる。そこで、ホルダープレート14は、図2に示すような、鉛直上側に凸となるアーチ形状とすることが好適である。
【0017】
なお、ホルダープレート14を鉛直上側に凸となるアーチ形状とすると、長手方向中央付近の円筒電池12の冷却領域(冷却空気に触れる面積)が相対的に小さくなる。つまりこの円筒電池12は電池モジュール10内で最も高温になり易い。この特性を利用して(逆手にとって)、長手方向中央付近の円筒電池12の温度を電池モジュール10内の円筒電池12の代表値としてモニタリングしてもよい。最も高温になり易い円筒電池12に狙いを絞り、この温度に応じて冷却空気の流量等を制御することで、電池モジュール10内の複数の円筒電池12全体の過熱が防止可能となる。
【符号の説明】
【0018】
10 電池モジュール、12 円筒電池、14 ホルダープレート、16 カバー、20 正極側バスバー、21 保持孔、22 負極側バスバー。
図1
図2
図3