特許第6443303号(P6443303)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443303
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】回転電機ステータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/25 20160101AFI20181217BHJP
   H02K 3/18 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   H02K11/25
   H02K3/18 J
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-217761(P2015-217761)
(22)【出願日】2015年11月5日
(65)【公開番号】特開2017-93072(P2017-93072A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2017年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭祐
【審査官】 安池 一貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−234964(JP,A)
【文献】 特開2007−236165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/25
H02K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円環状のステータヨーク、及び該ステータヨークから内径側に突き出す複数のティースを有するステータコアと、
前記ティースの周囲に巻回された三相の各相コイルであって、U相コイルの一方端とW相コイルの他方端とが互いに接続されてU端子を形成し、V相コイルの一方端とU相コイルの他方端とが互いに接続されてV端子を形成し、W相コイルの一方端とV相コイルの他方端とが互いに接続されてW端子を形成するデルタ結線方式で互いに接続された各相コイルと、
前記U端子に一方端が接続されたU伝熱部材と、
前記V端子に一方端が接続されたV伝熱部材と、
前記W端子に一方端が接続されたW伝熱部材と、
前記U伝熱部材の他方端、前記V伝熱部材の他方端、及び、前記W伝熱部材の他方端が互いに電気的に絶縁された状態で集められた位置で、前記他方端のそれぞれに共に接触する温度センサと、
を備えることを特徴とする回転電機ステータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各相コイルがデルタ結線方式でステータコアに巻回された回転電機ステータに関する。
【背景技術】
【0002】
三相型の回転電機のステータにおける巻線の結線方式としては、スター結線方式またはY結線方式と呼ばれるものと、三角結線方式またはデルタ結線方式と呼ばれるものが知られている。Y結線方式は、三相各相をその一端の中性点で接続するのに対し、デルタ結線方式では三相各端子の間に各相コイルが接続されて閉回路を形成する。
【0003】
特許文献1には、三相同期型の回転電機のステータ巻線におけるY結線方式において、U相の中性点側端子とV相の中性点側端子を接続する1つの部材と、W相の中性点側端子に接続するもう1つの部材との間に温度センサを配置する構成が開示されている。
【0004】
なお、本発明に関連する技術として、特許文献2には、2つのコイルを直列に接続したものを2つ並列に接続して構成される各相コイルをデルタ結線方式で三相コイルを形成するときの環状接続部材と各相コイルとの間の接続の仕方が述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−219913号公報
【特許文献2】特開2014−096952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
回転電機が動作するときの各相コイルの温度を検知するために温度センサが用いられる。1つの温度センサで1つの相コイルの温度を検出すると、その相コイルの温度異常を検知できるが他の相コイルの温度異常を検知できない。Y結線方式の場合は、中性点で各相コイルが集められるので、中性点の温度を検出することで、いずれかの相コイルに温度異常が発生してもそれを検知できる。デルタ結線方式では、各相コイルがデルタ状に閉回路を形成するので、各相コイルが集まる点がない。そこで、デルタ結線方式において、いずれかの相コイルに温度異常が発生したことを1つの温度センサで検知可能とする回転電機ステータが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの形態に係る回転電機ステータは、円環状のステータヨーク、及びステータヨークから内径側に突き出す複数のティースを有するステータコアと、ティースの周囲に巻回された三相の各相コイルであって、U相コイルの一方端とW相コイルの他方端とが互いに接続されてU端子を形成し、V相コイルの一方端とU相コイルの他方端とが互いに接続されてV端子を形成し、W相コイルの一方端とV相コイルの他方端とが互いに接続されてW端子を形成するデルタ結線方式で互いに接続された各相コイルと、U端子に一方端が接続されたU伝熱部材と、V端子に一方端が接続されたV伝熱部材と、W端子に一方端が接続されたW伝熱部材と、U伝熱部材の他方端、V伝熱部材の他方端、及び、W伝熱部材の他方端が互いに電気的に絶縁された状態で集められた位置で、他方端のそれぞれに共に接触する温度センサと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施の形態に係る回転電機ステータによれば、デルタ結線方式の各相端子から引き出される3本の伝熱部材が電気的に絶縁された状態で集められ、その位置に温度センサが配置される。したがって、デルタ結線方式において、いずれかの相コイルに温度異常が発生したことを1つの温度センサで検知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施の形態の回転電機ステータの平面図である。
図2】本発明に係る実施の形態の回転電機ステータにおける等価回路図である。
図3図1における1つの単コイルであるW3についての斜視図である。
図4図1のA部の拡大図である。
図5図1のA部の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、車両に搭載される回転電機に用いられるステータを述べるが、これは説明のための例示であって、デルタ結線方式で接続された三相コイルを用いる回転電機ステータであれば、車両搭載以外の用途であってもよい。以下では、各相コイルの巻回方法として、集中巻を述べるが、分布巻でもよい。コイルの巻線として、平角線を述べるが、これは説明のための例示であって、円形断面の丸線、楕円断面の導線等を用いてもよい。
【0011】
以下で述べるティースの数、巻数、渡り線の配置等は、説明のための例示であって、回転電機ステータの仕様に合わせ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
図1は、車両に搭載される回転電機に用いられる回転電機ステータ10の構成を示す図である。以下では、回転電機ステータ10を特に断らない限り、ステータ10と呼ぶ。ステータ10が用いられる回転電機は、駆動回路の制御によって、車両が力行するときは電動機として機能し、車両が制動時にあるときは発電機として機能するモータ・ジェネレータで、三相同期型回転電機である。回転電機は、図1に示される固定子であるステータ10と、ステータ10の内径側に所定の隙間を隔てて配置される円環状の回転子であるロータとで構成される。図1ではロータの図示を省略した。
【0013】
図1は、ステータ10の軸方向から見た平面図である。ステータ10は、ステータコア12と、ステータコア12に装着されるコイル14と、コイル14の温度を検出する温度センサ部50とを含んで構成される。
【0014】
図1に、ステータコア12の周方向、径方向、軸方向をそれぞれ示した。周方向は、ステータコア12の円周方向に沿った方向であり、径方向はステータコア12の外径側から内径側の方向であり、軸方向は、ステータコア12の中心軸に沿った方向である。軸方向において、後述する動力線のU端子15、V端子16,W端子17が引き出される方向がリード側で、その逆方向が反リード側である。図1は、軸方向についてリード側から見た図である。
【0015】
ステータコア12は、円環状の磁性体部品で、円環状のステータヨーク20とステータヨーク20から内径側に突き出す複数のティース22とを含む。隣接するティース22の間の空間は、スロット24である。
【0016】
かかるステータコア12は、ステータヨーク20とティース22とを含み、スロット24が形成されるように所定の形状に成形された円環状の磁性体薄板の複数枚を積層したものが用いられる。磁性体薄板の両面には電気的な絶縁処理が施される。磁性体薄板の材質としては、電磁鋼板が用いられる。磁性体薄板の積層体に代えて、磁性粉末を所定の形状に一体化成形したものを用いてもよい。
【0017】
コイル14は、複数の単コイル13を予め定められた方法で接続して形成される三相コイルである。単コイル13は、1つのティース22に1つの相巻線が所定の巻数で巻回された集中巻コイルである。単コイル13としては、所定の巻型を用いて絶縁皮膜付き導線を所定の巻数で予め巻回されたカセットコイルが用いられる。場合によっては、ティース22に直接的に絶縁皮膜付き導線を巻回してもよい。隣接するティース22の間の1つのスロット24には異なる相の単コイル13が配置される。
【0018】
単コイル13の絶縁皮膜付き導線の素線としては、銅線、銅錫合金線、銀メッキされた銅錫合金線等が用いられる。素線としては、断面形状が略矩形の平角線が用いられる。絶縁皮膜としては、電気的な絶縁性を有する樹脂の皮膜を用いる。例えば、ポリアミドイミドのエナメル皮膜が用いられる。これに代えて、ポリエステルイミド、ポリイミド、ポリエステル、ホルマール等を用いてもよい。
【0019】
単コイル13とステータコア12との間に、電気的な絶縁のためにインシュレータが設けられる。インシュレータは接着等の固定手段によってステータコア12に固定される。かかるインシュレータには、電気的な絶縁性を有するシートを所定の形状に成形したものが用いられる。電気的な絶縁性を有するシートとしては、紙の他、プラスチックフィルムが用いられる。コイル14の絶縁皮膜の電気的な絶縁性能が十分であるときはインシュレータを省略できる。以下では、インシュレータを設けるものとするが、図示を省略する。
【0020】
単コイル13は、ステータコア12の各ティース22にそれぞれ1つずつ装着される。図1の例では、ステータコア12は、U相用のティース22を4つ、V相用のティース22を4つ、W相用のティース22を4つ有し、この12個のティース22のそれぞれに1つずつ単コイル13が装着される。
【0021】
図1には、U相用の4つのティース22に装着される4つの単コイル13をU1,U2,U3,U4として示す。同様に、V相用の4つのティース22に装着される4つの単コイル13をV1,V2,V3,V4とし、W相用の4つのティース22に装着される4つの単コイル13をW1,W2,W3,W4として示す。
【0022】
図2は、U1〜U4、V1〜V4、W1〜W4の12個の単コイル13の接続関係と、温度センサ部50の配置関係とを示す等価回路図である。U1〜U4の4つの単コイル13は、U相用の渡り線30によって互いに直列に接続される。同様に、V1〜V4の4つの単コイル13は、V相用の渡り線32によって互いに直列に接続され、W1〜W4の4つの単コイル13は、W相用の渡り線34によって互いに直列に接続される。
【0023】
図3に、例としてW3の単コイル13と、W相用の渡り線34との関係を示す。単コイル13は、ティース22のステータヨーク20側の根元側の巻始め端60から、内径側の先端側の巻終り端62に向かって、単層巻の4巻半の巻数で巻回される。巻数は例示であって、ステータ10の仕様に応じて適宜変更される。単層巻に代えて多層巻を用いてもよい。
【0024】
ステータコア12の軸方向の端面から突き出す巻回の部分はコイルエンド70,72である。コイルエンド70は、リード側に突き出し、コイルエンド72は、反リード側に突き出す。巻始め端60は、4巻半の巻回の外形よりもさらに、導線の幅の約2倍の長さでリード側に突き出す。巻終り端62は、4巻半の巻回の外形よりもさらに導線の幅よりやや長くリード側に突出し、巻回の外形に沿って周方向に沿って延び、W相用の渡り線34となる。このように、W相用の渡り線34は、W相用の単コイル13の巻終り端62から延びた部分で形成される。渡り線34の延びた先端部は、導線の幅とほぼ同じ長さでリード側に突き出す突出部64を有する。
【0025】
W3の単コイル13の巻終り端62からの渡り線34は、W4の単コイル13の巻始め端60に向かって延び、その先端部の突出部64は、W4の単コイル13の巻始め端60に突合わされて相互に接続される。同様に、W3の単コイル13の巻始め端60に向かって、W2の単コイル13の巻終り端62からの渡り線34が延び、その先端部の突出部64は、W3の単コイル13の巻始め端60と突き合わされて接続される。
【0026】
このようにして、W1〜W4の4つの単コイル13は、W相用の渡り線34によって順次、互いに直列に接続されて、1つのW相コイル44となる。同様にして、U1〜U4の4つの単コイル13は、U相用の渡り線30によって順次、互いに直列に接続されて1つのU相コイル40となる。V1〜V4の4つの単コイル13は、V相用の渡り線32によって順次、互いに直列に接続されて1つのV相コイル42となる。
【0027】
U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44の間の相間の接続は、デルタ結線方式である。図3の例を用いてW相コイル44について述べると、W4の単コイル13の巻終り端62から延びる渡り線は、W相用の単コイル13でなく、U相用の単コイル13であるU1の巻始め端60に接続される。W4の単コイル13の巻終り端62とU相用の単コイル13であるU1の巻始め端60とを結ぶ渡り線は、異なる相の単コイル13の間を接続するので、同じ相の単コイル13の間を接続する渡り線30,32,34と区別して、これをUW相用の渡り線35と呼ぶ。UW相用の渡り線35は、U相コイル40の一方端側の単コイル13であるU1の一方端と、W相コイル44の他方端側の単コイル13であるW4の他方端とを接続する。
【0028】
同様に、V相コイル42の一方端側の単コイル13であるV1の一方端と、U相コイル40の他方端側の単コイル13であるU4の他方端とは、VU相用の渡り線36で互いに接続される。また、W相コイル44の一方端側の単コイル13であるW1の一方端と、V相コイル42の他方端側の単コイル13であるV4の他方端とは、WV相用の渡り線37で互いに接続される
【0029】
12個の単コイル13の巻始め端60と、これに接続される渡り線30,32,34,35,36,37の先端部の突出部64との間は、溶接等の接続手段を用いて接続され固定される。溶接等の固定箇所は、適当な絶縁材で覆われる。
【0030】
このように、デルタ結線方式によって、U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44は、UW相用の渡り線35、VU相用の渡り線36、WV相用の渡り線37を用いて、互いに接続され、図2に示す三角形の閉回路を形成する。デルタ結線方式では、U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44が集まる点がない。
【0031】
単コイル13であるU1の巻始め端60とUW相用の渡り線35との接続点には、動力線のU端子15が接続される。同様に、単コイル13であるV1の巻始め端60とVU相用の渡り線36との接続点には、動力線のV端子16が接続される。単コイル13であるW1の巻始め端60とWV相用の渡り線37との接続点には、動力線のW端子17が接続される。各接続点と、U端子15、V端子16、W端子17との間は、溶接等の接続手段を用いて接続され固定される。この溶接工程は、単コイル13の巻始め端60と渡り線35,36,37との間の溶接工程に含めて行ってもよい。
【0032】
図2に示すように、デルタ結線方式における三角形の閉回路の各頂点は、動力線のU端子15、V端子16、W端子17であり、U相コイル40は、U端子15とV端子16の間に接続されるので、UVコイルと呼ぶことができる。同様に、V相コイル42は、V端子16とW端子17の間に接続されるので、VWコイルと呼ぶことができ、W相コイル44は、W端子17とU端子15の間に接続されるので、WUコイルと呼ぶことができる。
【0033】
上記では、渡り線30,32,34,35,36,37を単コイル13の巻回の外形の上側に配置するものとした。これに代えて、単コイル13よりも内径側、あるいは外径側に複数本の環状の接続部材を配置し、これに単コイル13の巻始め端60と巻終り端62を予め定めた接続方法で接続してデルタ結線を形成してもよい。
【0034】
次に、ステータ10に設けられる温度センサ部50について、図2を参照しながら、図1の拡大図である図3を用いて説明する。
【0035】
温度センサ部50は、温度検出センサであるサーミスタ52を1つ内蔵したパッケージ部品である。サーミスタ52の両端子からは、検出した温度データを伝送するための2本のリード線54が外部に引き出される。温度センサ部50からは、3本の伝熱部材55,56,57が引き出される。伝熱部材55は、U相コイル40の温度を伝熱するためのU伝熱部材で、伝熱部材56は、V相コイル42の温度を伝熱するためのV伝熱部材で、伝熱部材57は、W相コイル44の温度を伝熱するためのW伝熱部材である。
【0036】
引き出された伝熱部材55の一方端は、U端子15とUW相用の渡り線35との接続点に接続されて、接続部65を形成する。同様に、伝熱部材56の一方端は、V端子16とVU相用の渡り線36との接続点に接続され、接続部66を形成し、伝熱部材57の一方端は、W端子17とWV相用の渡り線37との接続点に接続され、接続部67を形成する。
【0037】
接続部65,66,67の形成には、溶接等の接続手段が用いられる。溶接等によって接続及び固定された箇所は、適当な絶縁材で覆われる。接続部65,66,67の形成は、単コイル13の巻始め端60と渡り線35,36,37との間の溶接工程、および、これらとU端子15、V端子16、W端子17との間の溶接工程が行われた後に、これらの溶接工程とは別に行われる。場合によっては、これらの溶接工程に、接続部65,66,67の形成のための溶接工程を含めて行ってもよい。
【0038】
3本の伝熱部材55,56,57の他方端は、温度センサ部50のパッケージ内に引き込まれ、サーミスタ52の配置位置において互いに電気的に絶縁された状態で集められる。集められた3本の伝熱部材55,56,57の他方端は、サーミスタ52に直接的に接触する。これによって、U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44のそれぞれの温度が、3本の伝熱部材55,56,57を経由して、温度センサ部50のサーミスタ52によって検出され、リード線54を介して外部に出力される。U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44のいずれかに温度異常が生じても、リード線54から伝送されるデータに基づいて、これを検出できる。
【0039】
かかる伝熱部材55と伝熱部材56と伝熱部材57は、熱伝導性のよい材料を所定の形状に成形し、電気的に絶縁性を有する材料で表面を覆った部材が用いられる。熱伝導性のよい材料としては、金属が用いられる。絶縁材としては、適当な樹脂のコーティング材を用いる。例えば、単コイル13の絶縁皮膜付き導線と同様な素線と絶縁皮膜を用いてよい。
【0040】
温度センサ部50のパッケージとしては、サーミスタ52と、伝熱部材55と伝熱部材56と伝熱部材57のそれぞれの他方端を含んで、所定の形状に成形した樹脂パッケージを用いる。サーミスタ52のリード線54は、パッケージの外側に引き出される。樹脂パッケージに代えて、セラミックパッケージを用いてもよい。
【0041】
図4に示すように、3本の伝熱部材55,56,57は、平面図上の長さが同じでない。U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44の温度を同等の精度でサーミスタ52が検出するためには、3本の伝熱部材55,56,57の伝熱に関する距離を同じにすることがよい。伝熱に関する距離を同じにするには、同じ熱伝導率の材料を用い、伝熱断面積を同じの場合には、3本の伝熱部材55,56,57の長さ寸法を同じにする。
【0042】
図5は、軸方向について適切な屈曲形状を設けて長さ寸法をほぼ同じにした3本の伝熱部材75,76,77の例を示す図である。図5は、図4に対応して、ステータ10の外径側から見た側面図である。3本の伝熱部材75,76,77は、同じ熱伝導率の材料を用い、伝熱断面積を同じとして、軸方向について設けた屈曲形状によって、それぞれの接続部65,66,67からサーミスタ52までの長さ寸法がほぼ同じである。なお、3本の伝熱部材75,76,77は、図4の伝熱部材55,56,57と平面図上の形状が同じとなる。これにより、サーミスタ52は、U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44の温度を同等の精度で検出できる。
【0043】
3本の伝熱部材55,56,57において、同じ熱伝導率の材料を用い、伝熱断面積を同じとして、伝熱に関する距離を同じにする他の方法は、図4の平面図上で、3本の伝熱部材55,56,57について、周方向及び径方向に適切な屈曲形状を設けることである。あるいは、温度センサ部50を、ステータヨーク20の上に配置し、3本の伝熱部材55,56,57について、軸方向に沿って適切な屈曲形状を設けてもよい。あるいは、同じ熱伝導率の材料を用いながら、伝熱断面積を異ならせて、伝熱に関する距離を同じとしてよい。さらに、熱伝導率の異なる材料を用いることで、伝熱断面積を同じとし、接続部65,66,67からサーミスタ52までの長さ寸法も同じとしてよい。これらによっても、サーミスタ52は、U相コイル40、V相コイル42、W相コイル44の温度を同等の精度で検出できる。
【符号の説明】
【0044】
10 (回転電機)ステータ、12 ステータコア、13 単コイル、14 コイル、15 U端子、16 V端子、17 W端子、20 ステータヨーク、22 ティース、24 スロット、30,32,34,35,36,37 渡り線、40 U相コイル、42 V相コイル、44 W相コイル、50 温度センサ部、52 サーミスタ、54 リード線、55,56,57 伝熱部材、60 巻始め端、62 巻終り端、64 突出部、65,66,67 接続部、70,72 コイルエンド、75,76,77 伝熱部材。
図1
図2
図3
図4
図5