特許第6443310号(P6443310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443310
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】弁装置
(51)【国際特許分類】
   F02D 9/02 20060101AFI20181217BHJP
   F02D 9/10 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   F02D9/02 351M
   F02D9/10 H
   F02D9/02 351J
   F02D9/02 351G
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-229170(P2015-229170)
(22)【出願日】2015年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-96174(P2017-96174A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100124752
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷 真司
(72)【発明者】
【氏名】田中 篤
【審査官】 田村 佳孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−301118(JP,A)
【文献】 特開平1−282035(JP,A)
【文献】 実開昭62−190836(JP,U)
【文献】 実開昭62−197746(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02D 9/00 − 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気系統を構成する流路(2)を有するハウジング(3)と、
前記流路に収容され、前記流路の開度を回転することで調整する弁体(4)と、
この弁体と一体に回転する円柱状のシャフト(5)と、
このシャフトと一体に回転するとともに、アクチュエータ(11)からの回転駆動力を前記シャフトに伝達するバルブギア(6)と、
前記シャフトと同軸に配される円筒状のコイルスプリングであって、捩じられることで前記弁体を開弁方向に付勢する第1コイル(7a)と、捩じられることで前記弁体を閉弁方向に付勢する第2コイル(7b)とを有し、前記第1コイルと前記第2コイルとが中間フック(25)により連結されているバネ(7)と、
前記バネと同軸に前記バネの内周側に配されることで前記バネの径方向の変動を抑制するガイド(8)と、
前記中間フックが係合することで前記弁体の開度を中間開度とする係止部(9)とを備える弁装置(1)において、
前記バネは、軸方向の一端に前記バルブギアに係合する第1フック(21)を有し、軸方向の他端に前記ハウジングに係合する第2フック(22)を有し、
前記第1フックは、前記バネの一端に接続し前記バネの外径方向に延びる径方向直線部(30)と、この径方向直線部の外径側の端に接続し前記バネの軸方向に延びる軸方向直線部(31)とを有し、
前記バルブギアは、前記第1フックがバルブギアに係合し前記中間フックが係止部に係合するときに、前記径方向直線部に当接する当接部(35)と、前記軸方向直線部が収容される収容部(37)とを備えることを特徴とする弁装置。
【請求項2】
請求項1に記載の弁装置において、
前記第1フックは、前記軸方向直線部の前記径方向直線部と接続しない端に接続し前記バネの内径方向に延びる追加直線部(38)を有することを特徴とする弁装置。
【請求項3】
内燃機関の吸気系統を構成する流路を有するハウジングと、
前記流路に収容され、前記流路の開度を回転することで調整する弁体と、
この弁体と一体に回転する円柱状のシャフトと、
このシャフトと一体に回転するとともに、アクチュエータからの回転駆動力を前記シャフトに伝達するバルブギアと、
前記シャフトと同軸に配される円筒状のコイルスプリングであって、捩じられることで前記弁体を開弁方向に付勢する第1コイルと、捩じられることで前記弁体を閉弁方向に付勢する第2コイルとを有し、前記第1コイルと前記第2コイルとが中間フックにより連結されているバネと、
前記バネと同軸に前記バネの内周側に配されることで前記バネの径方向の変動を抑制するガイドと、
前記中間フックが係合することで前記弁体の開度を中間開度とする係止部とを備える弁装置において、
前記バネは、軸方向の一端に前記バルブギアに係合する第1フックを有し、軸方向の他端に前記ハウジングに係合する第2フックを有し、
前記第2フックは、前記バネの他端に接続し前記バネの外径方向に延びる径方向直線部(40)と、この径方向直線部の外径側の端に接続し前記バネの軸方向に延びる軸方向直線部(41)とを有し、
前記ハウジングは、前記中間フックがバルブギアに係合し前記第2フックがハウジングに係合するときに、前記径方向直線部に当接する当接部(45)と、前記軸方向直線部が収容される収容部(47)とを備えることを特徴とする弁装置。
【請求項4】
請求項3に記載の弁装置において、
前記第2フックは、前記軸方向直線部の前記径方向直線部と接続しない端に接続し前記バネの内径方向に延びる追加直線部(49)を有することを特徴とする弁装置。













【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置では、以下に説明するハウジング、弁体、シャフト、バルブギア、バネ、ガイド、および、係止部を備える構成が公知となっている。
ハウジングは、内燃機関の吸気系統を構成する流路を有する。弁体は、流路に収容され、流路の開度を回転することで調整する。シャフトは、円柱状であって、弁体と一体に回転する。バルブギアは、シャフトと一体に回転するとともに、アクチュエータからの回転駆動力をシャフトに伝達する。
【0003】
バネは、シャフトと同軸に配される円筒状のコイルスプリングである。そして、バネは、捩じられることで弁体を開弁方向に付勢する第1コイルと、捩じられることで弁体を閉弁方向に付勢する第2コイルとを有する。ここで、第1コイルと第2コイルとは、中間フックにより連結されている。また、バネは、軸方向の一端にバルブギアに係合する第1フックを有し、軸方向の他端にハウジングに係合する第2フックを有している。そして、第1フックは、バネの一端に接続しバネの外径方向に延びる径方向直線部を有する。
【0004】
ガイドは、バネと同軸にバネの内周側に配されることでバネの径方向の変動を抑制する。
そして、係止部は、中間フックが係合することで弁体の開度を中間開度とする。
なお、このような構成の弁装置においては、アクチュエータが予期せず停止した場合であっても、中間フックが係止部に係合することで弁体の開度を中間開度とすることができ、車両の退避行動を行うことができる。
【0005】
このような構成の弁装置においては、組み付け時におけるバネの径方向への偏心により、バネとガイドとに接触が生じてしまい、摺動抵抗が大きくなるという不具合があった。
そこで、組み付け時のバネの径方向の偏心を考慮して、バネを成形することで、組み付けられた際におけるバネとガイドとの接触部位を減らし摺動抵抗を減らす構成が公知となっている(特許文献1参照。)。
【0006】
近年、内燃機関の燃費向上等のため、より高い応答性の弁装置が求められている。そこで、上記構成の弁装置においても応答性向上のため、更なるバネとガイドとの摺動抵抗の低減が求められている。
ここで、発明者による鋭意研究によって、例えば、第1フック101がバルブギア102に係合し、中間フック103が係止部105に係合するときに、径方向直線部106を回転中心としてバネ107の軸xがガイド108の軸yから傾くことで、バネ107とガイド108との間に接触が生じてしまい、摺動抵抗を増加させる要因の一つとなっていることが見出された(図9参照。)。
なお、図中白抜き矢印は、中間フック103および径方向直線部106に作用する力の方向を表し、矢印は軸xの傾く方向を表している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−301118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置において、バネとガイドとの接触を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の弁装置は、以下に説明するハウジング、弁体、シャフト、バルブギア、バネ、ガイド、および、係止部を備える。
ハウジングは、内燃機関の吸気系統を構成する流路を有する。弁体は、流路に収容され、流路の開度を回転することで調整する。シャフトは、円柱状であって、弁体と一体に回転する。バルブギアは、シャフトと一体に回転するとともに、アクチュエータからの回転駆動力をシャフトに伝達する。
【0010】
バネは、シャフトと同軸に配される円筒状のコイルスプリングである。そして、バネは、捩じられることで弁体を開弁方向に付勢する第1コイルと、捩じられることで弁体を閉弁方向に付勢する第2コイルとを有する。ここで、第1コイルと第2コイルとは、中間フックにより連結されている。ガイドは、バネと同軸にバネの内周側に配されることでバネの径方向の変動を抑制する。そして、係止部は、中間フックが係合することで弁体の開度を中間開度とする。
【0011】
また、バネは、軸方向の一端に前記バルブギアに係合する第1フックを有し、軸方向の他端に前記ハウジングに係合する第2フックを有している。
ここで、第1フックは、バネの一端に接続しバネの外径方向に延びる径方向直線部と、この径方向直線部の外径側の端に接続しバネの軸方向に延びる軸方向直線部とを有している。
そして、バルブギアは、第1フックがバルブギアに係合し中間フックが係止部に係合するときに、径方向直線部に当接する当接部と、軸方向直線部が収容される収容部とを備えている。
【0012】
これにより、第1フックとバルブギアとが径方向直線部において当接し、径方向直線部を回転中心としてバネの軸がガイドの軸から傾いても、軸方向直線部は収容部に当接することができる。
このため、収容部は、径方向直線部を回転中心とする回転モーメントを抑制するように軸方向直線部に力を作用させることができ、バネの軸がガイドの軸から傾くことを抑制することができる。
以上により、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置において、バネとガイドの接触を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】吸気制御装置の部分断面図である(実施例1)。
図2】弁装置の斜視図である(実施例1)。
図3】弁装置の要部側面図である(実施例1)。
図4】弁装置の斜視図である(実施例2)。
図5】弁装置の斜視図である(実施例3)。
図6】弁装置の斜視図である(実施例4)。
図7】弁装置の要部側面図である(変形例)。
図8】弁装置の要部側面図である(変形例)。
図9】弁装置の側面図である(従来例)。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施例1の構成〕
実施例1の弁装置1の構成を図1および図2に基づき説明する。
弁装置1は、内燃機関(図示せず。)の吸気制御装置の一部であり、吸気系統を構成する流路2を開閉するものである。
弁装置1は、以下に説明するハウジング3、弁体4、シャフト5、バルブギア6、バネ7、ガイド8、係止部9を備える。
ハウジング3は、金属材料、例えば、アルミニウム合金製であって、内部に流路2が設けられている。
【0015】
弁体4は、例えば、円板状のバラフライ弁であって、流路2に収容され、回転することによって流路2の開度を調整する。シャフト5は、円柱状であって、その軸αを中心として弁体4と一体に回転する。
なお、弁体4は、シャフト5に設けられたスリット状の挿入孔に嵌め込まれた状態でネジ等によって締結されることで、シャフト5に固定されている。
【0016】
バルブギア6は、シャフト5と一体に回転するとともに、アクチュエータ11からの回転駆動力をシャフト5に伝達する。
また、バルブギア6には、シャフト5の軸方向に延設される延設部6aが設けられている。
【0017】
アクチュエータ11は、例えば、直流電動モータであり、アクチュエータ11の回転出力軸と一体に回転するギア14を有する。そして、アクチュエータ11の回転は、ギア14によって回転駆動される中間ギア15と、中間ギア15によって回転駆動されるバルブギア6の組み合わせにより減速される。すなわち、アクチュエータ11からの回転駆動力は増幅されてシャフト5に伝達される。
【0018】
なお、アクチュエータ11は、例えば、ECU(図示せず。)によってバッテリ(図示せず。)からの電圧印加を制御することで回転駆動が制御されている。ここで、ECUは、内燃機関に対する制御の中枢を成すものであり、車両に搭載されて内燃機関の運転状態や制御状態を示すパラメータを検出する各種センサから信号が入力される。また、ECUは、入力された信号を処理する入力回路、入力された信号に基づき、内燃機関の制御に関する制御処理を行うCPU、内燃機関の制御に必要なデータやプログラム等を記憶して保持する各種のメモリ、CPUの処理結果に基づき、内燃機関の制御に必要な信号を出力する出力回路等を備えて構成される。
【0019】
バネ7は、円筒状のコイルスプリングであって、バネ7の軸βが、軸αと同軸となるようにシャフト5の周囲に配置され、ハウジング3とバルブギア6との間に組み付けられている。
また、バネ7は、軸方向の一端にバルブギア6に係合する第1フック21を有し、軸方向の他端にハウジング3に係合する第2フック22を有している。
【0020】
ここで、バネ7は、第1コイル7aと第2コイル7bとを有する。そして、第1コイル7aと第2コイル7bとがU字状の中間フック25により連結されている。
ここで、中間フック25は、延設部6aに係脱自在であって、延設部6aと係合した状態でバルブギア6の回転に伴って回転することができる。
なお、第1コイル7aおよび第2コイル7bの軸が、軸βとなっている。
【0021】
ガイド8は、円筒状であり、ガイド8の軸γが軸βと同軸になるようにバネ7の内周側に配されることで、捩じりや重力の作用によるバネ7の径方向の変動を抑制している。
より具体的には、バネ7は、ハウジング3とバルブギア6とにより形成されるバネ収容空間26に配されており、バネ収容空間26を区画する内周側の壁面がガイド8となっている。すなわち、ガイド8は、バルブギア6の円筒部とハウジング3の円筒部とから構成されている。
【0022】
係止部9は、中間フック25が係合することで弁体4の開度を中間開度とする。
係止部9は、バネ収容空間26の内周側に突出するようにハウジング3に固定されている。そして、アクチュエータ11の故障等によりバルブギア6に伝達される回転駆動力が消失した際に、第1コイル7aまたは第2コイル7bの付勢力によって機械的に係止部9に中間フック25が係合することで、弁体4の開度は中間開度となる。
なお、中間開度とは、全閉状態と全開状態の中間の弁体4の開度であり、バルブギア6に伝達される回転駆動力が消失した際に、中間フック25に作用する開弁側の力と閉弁側の力の釣り合う位置における弁体4の開度のことである。
【0023】
より具体的には、中間開度より閉弁側にバルブギア6が駆動された場合、第1フック21とバルブギア6とが当接するとともに中間フック25が係止部9に係合することで、第1コイル7aが捩じられて、弁体4を開弁側に付勢する付勢力が発生する。そして、バルブギア6に伝達される回転駆動力が消失した際に、第1コイル7aによる開弁側に付勢する付勢力が消失するまでバルブギア6が回転駆動され、弁体4の開度は中間開度となる。
【0024】
また、中間開度より開弁側にバルブギア6が駆動された場合、延設部6aと中間フック25とが係合するとともに、第2フック22とハウジング3とが当接することで、第2コイル7bが捩じられて、弁体4を閉弁側に付勢する付勢力が発生する。そして、バルブギア6に伝達される回転駆動力が消失した際に、第2コイル7bによる閉弁側への付勢力によって中間フック25と係合する延設部6aを介して、バルブギア6は閉弁側に回転駆動される。そして、中間フック25は、係止部9に係合することにより延設部6aへの閉弁側への付勢力を失い、バルブギア6の閉弁側への回転駆動力も消失し、弁体4の開度は中間開度となる。
【0025】
すなわち、バルブギア6が中間開度より開弁側に駆動されると閉弁側への付勢力が発生し、バルブギア6が中間開度より閉弁側に駆動されると開弁側への付勢力が発生するため、中間開度から何れの側に駆動されていたとしても、バルブギア6へ伝達される回転駆動力が消失した際に、弁体4の開度は中間開度に戻されることになる。
【0026】
〔実施例1の特徴〕
次に、実施例1の特徴的な構成について図2および図3を用いて説明する。
第1フック21は、バネ7の一端に接続する。より具体的には、第1フック21は、第1コイル7aの中間フック25に連結しない側の端に接続する。
そして、第1フック21は、第1コイル7aの外径方向に延びる径方向直線部30を有する。さらに、第1フック21は、径方向直線部30の外径側の端に接続し第1コイル7aの軸方向に延びる軸方向直線部31を有する。
【0027】
そして、バルブギア6は、第1フック21がバルブギア6に係合し中間フック25が係止部9に係合するときに、径方向直線部30に当接する当接部35と、軸方向直線部31が収容される収容部37とを備える。
より具体的には、収容部37は、バルブギア6に設けられるバネ7の軸方向に延びる溝であり、溝幅は軸方向直線部30の幅と略等しくなっている。
【0028】
〔実施例1の効果〕
実施例1の弁装置1によれば、バネ7は、軸方向の一端にバルブギア6に係合する第1フック21を有し、軸方向の他端にハウジング3に係合する第2フック22を有している。
ここで、第1フック21は、第1コイル7aの一端に接続し第1コイル7aの外径方向に延びる径方向直線部30と、径方向直線部30の外径側の端に接続し第1コイル7aの軸方向に延びる軸方向直線部31とを有している。
そして、バルブギア6は、第1フック21がバルブギア6に係合し中間フック25が係止部9に係合するときに、径方向直線部30に当接する当接部35と、軸方向直線部31が収容される収容部37とを備えている。
【0029】
これにより、第1フック21とバルブギア6とが径方向直線部30において当接し、径方向直線部30を回転中心として第1コイル7aの軸βがガイド8の軸γから傾いても、軸方向直線部31は収容部37の壁に当接することができる。
このため、収容部37は、径方向直線部30を回転中心とする回転モーメントを抑制するように軸方向直線部31に力を作用させることができ、軸βが軸γから傾くことを抑制することができる(図3矢印および点線矢印参照。)。
以上により、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置1において、バネ7とガイド8の接触を抑制することができる。
【0030】
なお、図3において白抜き矢印は、径方向直線部30、中間フック25、および、軸方向直線部31に作用する力の方向を表している。また、矢印は、中間フック25に作用する力により、軸βが傾く方向を表し、点線矢印は、軸方向直線部31に作用する力により軸βが傾く方向を表している。
【0031】
〔実施例2〕
実施例2について、実施例1と異なる部分を中心に図4を用いて説明する。
なお、以下の実施例においては、実施例1と同一機能物には同一の符号を付してある。
実施例2の弁装置1によれば、第1フック21は、軸方向直線部31の径方向直線部30と接続しない端に接続し、第1コイル7aの内径方向に延びる追加直線部38を有する。
より具体的には、追加直線部38は、バルブギア6に設けられる溝39に収容されている。
【0032】
これにより、第1コイル7aの軸βがガイド8の軸γから傾いた際に、追加直線部38も溝39の壁に当接でき、第1フック21のバルブギア6への当接部位を増やすことができる。このため、収容部37に作用する力を分散させることができ、収容部37の摩耗を抑制することができる。
また、図示するように、第1フック21は、径方向直線部30、軸方向直線部31、および、追加直線部38によってバルブギア6を挟み込むようにも構成できるため、この場合、第1フック21を収容部37から外れにくくすることもできる。
【0033】
〔実施例3〕
実施例3について、実施例1と異なる部分を中心に図5を用いて説明する。
実施例3の弁装置1によれば、第2フック22は、バネ7の他端に接続する。より具体的には、第2フック22は、第2コイル7bの中間フック25に連結しない側の端に接続する。
そして、第2フック22は、第2コイル7bの外径方向に延びる径方向直線部40を有する。さらに、第2フック22は、径方向直線部40の外径側の端に接続し第2コイル7bの軸方向に延びる軸方向直線部41を有する。
【0034】
そして、ハウジング3は、中間フック25が延設部6aを介して、バルブギア6に係合し第2フック22がハウジング3に係合するときに、径方向直線部40に当接する当接部45と、軸方向直線部41が収容される収容部47とを備える。
ここで、第2フック22は、ハウジング3と係合部48において係合する。なお、係合部48は、ハウジング3の一部であり、バネ収容空間26へと突き出して設けられている。
また、収容部47は、係合部48に設けられる第2コイル7bの軸方向に延びる溝であり、第2フック22の幅に略等しい幅となっている。
【0035】
これにより、第2フック22と係合部48とが径方向直線部40において当接し、径方向直線部40を回転中心として第2コイル7bの軸βがガイド8の軸γから傾いても、軸方向直線部41は収容部47の壁に当接することができる。
このため、収容部47は、径方向直線部40を回転中心とする回転モーメントを抑制するように軸方向直線部41に力を作用させることができ、軸βが軸γから傾くことを抑制することができる。
以上により、内燃機関の吸気系統に組み入れられる弁装置1において、バネ7とガイド8の接触を抑制することができる。
【0036】
〔実施例4〕
実施例4について、実施例3と異なる部分を中心に図6を用いて説明する。
実施例4の弁装置1によれば、第2フック22は、軸方向直線部41の径方向直線部40と接続しない端に接続し、第2コイル7bの内径方向に延びる追加直線部49を有する。
より具体的には、追加直線部49は、係合部48に設けられる溝50に収容されている。
【0037】
これにより、第2コイル7bの軸βがガイド8の軸γから傾いた際に、追加直線部49も溝50の壁に当接でき、第2フック22の係合部48への当接部位を増やすことができる。このため、収容部47に作用する力を分散させることができ、収容部47の摩耗を抑制することができる。
また、図示するように、第2フック22は、径方向直線部40、軸方向直線部41、および、追加直線部49によって係合部48を挟み込むようにも構成できるため、この場合、第2フック22を収容部47から外れにくくすることもできる。
【0038】
〔変形例〕
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形例を考えることができる。
例えば、実施例1の弁装置1は、軸方向直線部31がバネ7の存しない側に延びていたが、図7に示すようにバネ7の存する側に延びる構成としてもよい。これにより、バルブギア6のバネ7の軸方向の大きさを小さくすることができる。
なお、図中白抜き矢印は、径方向直線部30、中間フック25、および、軸方向直線部31に作用する力の方向を表している。また、図中矢印は、中間フック25に作用する力により、軸βが傾く方向を表し、点線矢印は、軸方向直線部31に作用する力により軸βが傾く方向を表している。
【0039】
また、実施例1において、収容部37は溝であったが、図8に示すようにバネ7の外径方向に延びる柱状の突起51が収容部37を構成してもよい。この場合、実施例1と同様に突起51と軸方向直線部31とが当接することで、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 弁装置 2 流路 3 ハウジング 4 弁体 5 シャフト 6 バルブギア
7 バネ 7a 第1コイル 7b 第2コイル 8 ガイド 9 係止部
11 アクチュエータ 21 第1フック 22 第2フック 25 中間フック
30 径方向直線部 31 軸方向直線部 35 当接部 37 収容部





































図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9