特許第6443357号(P6443357)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6443357
(24)【登録日】2018年12月7日
(45)【発行日】2018年12月26日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20181217BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20181217BHJP
【FI】
   G03G15/08 330
   G03G21/16 176
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-19002(P2016-19002)
(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-138466(P2017-138466A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2017年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(72)【発明者】
【氏名】村田 耕治
【審査官】 山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−185311(JP,A)
【文献】 特開2001−083859(JP,A)
【文献】 特開平02−073264(JP,A)
【文献】 特開2010−164991(JP,A)
【文献】 特開2014−170024(JP,A)
【文献】 特開平07−168430(JP,A)
【文献】 特開2002−244382(JP,A)
【文献】 特開平03−054893(JP,A)
【文献】 特開平11−024530(JP,A)
【文献】 特開平06−258910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 21/16
G03G 15/00
G03G 21/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端に連結部を有するトナー容器と、
予め定められた装着位置へ向けて挿入される前記トナー容器を支持可能に構成され、前記装着位置で前記トナー容器を装着可能な容器装着部と、
前記容器装着部に装着された前記トナー容器を検出した場合に画像形成動作を実行可能にする制御部と、を備え、
前記容器装着部は、前記トナー容器側へ突出する少なくとも一つの第1キー部材を有する被連結部を有し、
前記連結部は、前記トナー容器が前記容器装着部に装着された装着状態で前記第1キー部材に干渉しない位置に形成され、前記装着位置へ向かう挿入方向へ突出する絶縁体からなる少なくとも一つの第2キー部材を有し、
前記被連結部は、前記トナー容器が前記装着位置まで挿入されたときに前記第2キー部材によって接点が開いてOFF状態となり、前記装着位置から取り外されたときに接点が閉じてON状態となる接触端子を有し、
前記制御部は、前記接触端子の前記接点がON状態からOFF状態になった場合に前記容器装着部に装着された前記トナー容器を検出する画像形成装置。
【請求項2】
前記第2キー部材は、前記連結部に複数設けられており、
前記接触端子は、前記第2キー部材に対応して前記被連結部に複数設けられており、
前記制御部は、前記複数の接触端子の全ての前記接点がON状態からOFF状態になった場合に前記容器装着部に装着された前記トナー容器を検出する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記被連結部は、周囲に前記第1キー部材が配置された被係合部を有し、
前記連結部は、前記装着状態で前記被係合部に係合可能な係合部を有し、
前記トナー容器は、前記装着位置まで挿入されるときに前記係合部が前記被係合部と係合して、前記容器装着部に対して位置決めされる請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記容器装着部は、複数色それぞれに対応する複数の前記トナー容器それぞれが択一的に装着可能な複数の収容部を有し、
前記複数の収容部それぞれに、複数色それぞれに対応した前記被連結部が設けられており、
前記制御部は、前記複数の収容部それぞれに設けられた前記被連結部それぞれの前記接触端子の前記接点がON状態からOFF状態になった場合に前記収容部に装着された複数の前記トナー容器を検出する請求項1から3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記トナー容器は、該トナー容器に対応していない前記収容部に挿入された場合に前記第2キー部材が前記第1キー部材に干渉して装着が不能であり、
前記第2キー部材が折損した前記トナー容器が、該トナー容器に対応していない前記収容部に挿入された場合に前記第1キー部材による干渉がされずに装着が可能である請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装着互換性を有するトナー容器を着脱可能に支持する容器装着部を備える画像形成装置、画像形成装置に装着可能なトナー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置には現像装置が搭載されている。現像装置の内部にはトナーを含む現像剤が収容されている。画像形成装置は、トナー容器が装着される容器装着部を有しており、前記トナー容器が前記容器装着部に装着されると、前記トナー容器から前記現像装置にトナーが補給可能となる。
【0003】
従来、容器装着部の所定位置にトナー容器が配置されたことを検出可能な検出機構を備える画像形成装置が知られている(特許文献1参照)。この画像形成装置の検出機構は、所定のトナー容器が挿入された場合のみそのトナー容器の挿入に連動してスライドする可動部材を有しており、その可動部材のスライドを検出する。これにより、トナー容器の検出のみならず、容器装着部に対するトナー容器の判別が可能である。
【0004】
ところで、容器装着部に不適合なトナーが補給できないように、装着互換性を有するトナー容器だけが前記容器装着部に装着可能な非互換構造を備えた画像形成装置が知られている。この種の画像形成装置は、前記容器装着部に装着可能なトナー容器に対応する本体側互換キーが前記容器装着部に設けられている。一方、トナー容器には、当該トナー容器に対応する容器装着部の前記本体側互換キーだけに係合可能であり、他の容器装着部には係合不能な容器側互換キーが設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−32594号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の非互換構造は、前記トナー容器の前記容器側互換キーが折損するなどして失われた場合に、そのトナー容器が他の容器装着部に挿入されると、前記本体側互換キーがトナー容器に干渉することができず、トナー容器の装着を許容する場合がある。この場合、画像形成装置は、そのトナー容器が不適合なトナーを含む不適合なトナー容器であるのか、それとも正常なトナー容器であるのかを識別することができない。このため、不適合なトナー容器が装着された場合に画像形成動作が行われると、画像形成部に不適合なトナーが供給されることになり、印刷不良が生じるおそれがある。
【0007】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、容器装着部に対するトナー容器の装着互換性を実現することが可能であり、且つ、装着互換性を実現するキー部材を用いて容器装着部に装着されたトナー容器の検出を行うことが可能な画像形成装置、画像形成装置に装着可能なトナー容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一の局面に係る画像形成装置は、トナー容器と、容器装着部と、制御部と、を備える。前記トナー容器は、先端に連結部を有する。前記容器装着部は、予め定められた装着位置へ向けて挿入される前記トナー容器を支持可能に構成され、前記装着位置で前記トナー容器を装着可能に構成されている。前記制御部は、前記容器装着部に装着された前記トナー容器を検出した場合に画像形成動作を実行可能にする。前記容器装着部は、前記トナー容器側へ突出する少なくとも一つの第1キー部材を有する被連結部を有する。前記連結部は、前記トナー容器が前記容器装着部に装着された装着状態で前記第1キー部材に干渉しない位置に形成され、前記装着位置へ向かう挿入方向へ突出する絶縁体からなる少なくとも一つの第2キー部材を有する。前記被連結部は、前記トナー容器が前記装着位置まで挿入されたときに前記第2キー部材によって接点が開いてOFF状態となり、前記装着位置から取り外されたときに接点が閉じてON状態となる接触端子を有する。前記制御部は、前記接触端子の前記接点がON状態からOFF状態になった場合に前記容器装着部に装着された前記トナー容器を検出する。
【0009】
本発明の他の局面に係るトナー容器は、画像形成装置の容器装着部に着脱可能に構成されている。前記容器装着部は、予め定められた装着位置へ向けて挿入される前記トナー容器を収容する収容部と、前記収容部側へ突出する少なくとも一つの第1キー部材を有する被連結部と、前記被連結部に設けられ通常時に接点が閉じてON状態を維持する接触端子と、を有する。前記トナー容器は、前記装着位置において前記被連結部と係合して連結される連結部を有する。前記連結部は、前記トナー容器が前記容器装着部に装着された装着状態で前記第1キー部材に干渉しない位置に形成され、前記装着位置へ向かう挿入方向へ突出する絶縁体からなる少なくとも一つの第2キー部材を有する。前記トナー容器は、前記装着位置まで挿入されたときに前記第2キー部材が前記接点を開いて前記接点をOFF状態にさせ、前記装着位置から取り外されたときに前記接点が閉じてON状態に戻すように構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容器装着部に対するトナー容器の装着互換性を実現することが可能であり、且つ、装着互換性を実現するキー部材を用いて容器装着部に装着されたトナー容器の検出を容易に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
図2図2は、画像形成装置が備えるトナー補給装置の斜視図である。
図3図3は、トナー補給装置に着脱可能なトナー容器の斜視図である。
図4図4は、トナー容器のカバー部材の拡大斜視図である。
図5図5は、トナー容器のカバー部材の断面図である。
図6図6は、トナー容器のカバー部材の正面図である。
図7図7は、トナー補給装置が備える連結支持部の斜視図である。
図8図8(A)及び(B)は、連結支持部が備える被連結部を示す模式図である。
図9図9(A)は図8(A)における切断線A−Aの断面図であり、図9(B)は図8(B)における切断線B−Bの断面図であり、図9(C)は図8(B)における切断線C−Cの断面図である。
図10図10は、接触端子と制御部との結線図である。
図11図11は、接触端子の各接点の動作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、画像形成装置10について説明する。以下の説明では、画像形成装置10が設置された状態を基準として上下方向D1を定義する。また、画像形成装置10に対してトナー容器41が挿入される側を手前側(正面側)として前後方向D2を定義する。また、画像形成装置10を手前側(正面側)から見て左右方向D3を定義する。
【0013】
[画像形成装置]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置であり、例えば、カラープリンターである。画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート部材である印刷用紙に画像を印刷する。画像形成装置10の具体例は、例えばプリンターや複写機、ファクシミリ、又は、これらの各機能を備えた複合機である。また、画像形成装置10は、カラー画像を形成可能なものであるが、トナー容器41を用いるものであれば、モノクロの画像を形成可能に構成されたものであってもよい。
【0014】
図1に示されるように、画像形成装置10は、いわゆるタンデム方式のカラー画像形成装置である。画像形成装置10は、複数の画像形成部1〜4と、中間転写ユニット5と、露光装置14と、二次転写装置15と、定着装置16と、トナー補給装置40と、ベルトクリーニング装置6と、タッチパネルや液晶表示部などを有する操作表示部9と、制御部8と、給紙トレイ17と、排紙トレイ18とを備えている。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレームなどを構成する筐体11に取り付けられている。
【0015】
画像形成部1〜4は、並設された複数の感光体ドラム21それぞれに色の異なるトナー像を所謂電子写真方式によって形成する。前記トナー像は、走行中(移動中)の中間転写ベルト5Aに順次重ね合わさるように転写される。図1に示される例では、中間転写ベルト5Aの移動方向(矢印19方向)の下流側から順に、黒色用の画像形成部1、イエロー用の画像形成部2、シアン用の画像形成部3、及びマゼンタ用の画像形成部4がその順番で一列に配置されている。
【0016】
画像形成部1〜4それぞれは、中間転写ベルト5Aの下側に設けられている。画像形成部1〜4それぞれは、トナー像を担持する感光体ドラム21、帯電装置22、現像装置23、一次転写装置24等を備えている。感光体ドラム21の表面は帯電装置22によって帯電され、露光装置14によって帯電された感光体ドラム21の表面が露光走査される。これにより、感光体ドラム21の表面に静電潜像が形成される。現像装置23は、前記静電潜像をトナーによって現像する。そして、一次転写装置24によって、感光体ドラム21上のトナー像が中間転写ベルト5Aに転写される。
【0017】
中間転写ユニット5は、中間転写ベルト5Aと、駆動ローラー7Aと、従動ローラー7Bとを有する。中間転写ベルト5Aは、複数色(本実施形態では4色)のトナー像からなるトナー像を担持する。中間転写ベルト5Aは、駆動ローラー7A及び従動ローラー7Bによって回転駆動可能に支持されることにより、その表面が各感光体ドラム21の表面に接しながら移動可能となる。中間転写ベルト5Aが回転駆動されると、その表面が感光体ドラム21と一次転写装置24との間を通過する。その際に、複数の感光体ドラム21に担持された各色のトナー像が重ね合わさるように順に中間転写ベルト5Aに転写される。
【0018】
中間転写ユニット5の上方にトナー補給装置40が設けられている。トナー補給装置40は、黒、シアン、イエロー、マゼンタの各色に対応する4つのトナー容器41が装着される容器装着部42を有している。容器装着部42は、トナー容器41を着脱可能に構成されている。トナー補給装置40の構成については後述する。
【0019】
二次転写装置15は、中間転写ベルト5Aに転写されたトナー像を給紙トレイ17から搬送されてきた印刷用紙に転写する。トナー像が転写された印刷用紙は、図示しない搬送部によって定着装置16に搬送される。定着装置16は、加熱ローラー16Aと加圧ローラー16Bとを有する。定着装置16は、トナー像が転写された印刷シートに対して熱と圧力を加えながら搬送する。これにより、トナー像が溶融して印刷シートに定着される。トナー像が定着された印刷シートは、更に下流側へ搬送されて、中間転写ユニット5の上方に配置されたトレイ状の排紙トレイ18に排出されて保持される。
【0020】
ベルトクリーニング装置6は、中間転写ベルト5Aの表面に残存した廃トナーを除去して回収し、回収した廃トナーを廃トナー容器79に排出する。
【0021】
制御部8は、画像形成装置10における画像形成動作を統括的に制御する。制御部8は、CPU、ROM、RAMなどを有する。本実施形態では、制御部8は、トナー補給装置40の容器装着部42に装着されたトナー容器41を検出し、トナー容器41を検出した場合に限り、画像形成装置10における画像形成動作を実行可能にする。例えば、制御部8は、前記ROM等に記憶されている制御プログラムに従った処理を前記CPUで実行することにより、容器装着部42におけるトナー容器41の検出、及び画像形成動作の制御を行う。
【0022】
[トナー補給装置]
以下、図2乃至図8を参照して、トナー補給装置40について説明する。図2に示されるように、トナー補給装置40は、トナー容器41と、トナー容器41が装着される容器装着部42とにより構成されている。なお、各図では、筐体11にトナー補給装置40が取り付けられた取付姿勢を基準にして、鉛直方向を上下方向D1とし、筐体11に対するトナー容器41の着脱方向(挿抜方向)を前後方向D2とし、トナー補給装置40の前面から見て水平方向を左右方向D3としている。
【0023】
トナー容器41は、現像装置23に補給するためのトナーを収容する。本実施形態では、黒、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応する4つのトナー容器41がトナー補給装置40に設けられている。なお、黒色用のトナー容器41は、他の色のトナー容器41に比べて外径が大きく形成されているが、この点を除き、全てのトナー容器41は同じ構成である。以下、特筆しない限り、黒色用のトナー容器41について説明する。
【0024】
図3に示されるように、トナー容器41は、前後方向D2に長い形状に形成されている。トナー容器41は、容器本体52、駆動伝達部55、カバー部材56などを有する。容器本体52の内部はトナーを収容可能な収容空間である。容器本体52の内部にトナーが収容されている。容器本体52は、一方側(後方側)にトナーの流出入が可能な開口部51(図5参照)を有している。開口部51は、トナー補給装置40に対するトナー容器41の挿入方向D21側(後方側)の端部に形成されている。内部に収容されたトナーは、開口部51から外部に流出可能である。容器本体52は、他方側(前方側)が閉塞された円筒形状に形成されている。
【0025】
容器本体52の後方側の端部は前記挿入方向D21へ向けて先細り形状に形成されている。容器本体52の前記挿入方向D21側の後端部に開口部51が設けられている。開口部51は、断面円形状に形成されている。容器本体52は、例えばポリエチレンテレフタラート(PET樹脂)などの合成樹脂として、ブロー成形法又はインジェクション成形法によって形成される。
【0026】
容器本体52は、内面に螺旋形状の山形リブ53(図3参照)が形成されている。山形リブ53は容器本体52の内面から容器本体52の中心へ向けて突出している。この山形リブ53は、容器本体52内のトナーを開口部51(図5参照)側へ搬送する役割を担う。
【0027】
図4に示されるように、容器本体52の開口部51側には、駆動伝達部55が装着されている。駆動伝達部55は、容器本体52に固定されている。駆動伝達部55は、周面にギヤ54が形成された環状の部材である。駆動伝達部55は、容器本体52において開口部51側の端部に嵌め入れられて、その外周面に固定されている。駆動伝達部55は、モーターなどの駆動源から回転駆動力を受けて、トナー容器41に回転駆動力を伝達する。
【0028】
容器本体52において、駆動伝達部55よりも前記挿入方向D21側(後方側)にカバー部材56が設けられている。カバー部材56は、開口部51を覆うものであり、容器本体52の前記挿入方向D21側の端部に取り付けられている。カバー部材56は、熱可塑性を有する合成樹脂を射出成形などによって形成したものであり、合成樹脂製品である。
【0029】
カバー部材56は、容器本体52に取り付けられた状態で、開口部51(図5参照)が挿入される円筒形状の収容フレーム58を有する。図5に示されるように、収容フレーム58の内部に開口部51が挿入されており、これにより、開口部51が収容フレーム58によって覆われる。収容フレーム58は、開口部51を周方向に回動可能に支持している。このため、収容フレーム58に開口部51が挿入された状態で、容器本体52が周方向に回動可能である。
【0030】
トナー容器41が容器装着部42(図2参照)に装着されると、カバー部材56が備える後述の連結部80(図3参照)と、容器装着部42が備える後述の被連結部90(図7参照)とが係合し、トナー容器41が容器装着部42に装着される。連結部80が被連結部90に係合することによって、カバー部材56は、トナー容器41の周方向に固定される。本実施形態では、トナー容器41が容器装着部42に装着された状態で、カバー部材56は前記周方向に回転できないが、容器本体52は容器装着部42内において前記周方向に回動可能に支持される。カバー部材56の前方側の端部56Aは、駆動伝達部55の後端部55A(図6参照)を外側から遊嵌している。このため、トナー容器41が容器装着部42に装着された状態で、ギヤ54に回転駆動力が伝達されると、容器本体52は、その回転駆動力によって矢印D11(図3参照)に示す回転方向へ回転する。つまり、トナー容器41は、現像装置23にトナーを供給可能な状態で、その長手方向を回転中心として回転する。このようにトナー容器41の容器本体52が回転することによって、山形リブ53により押されつつトナーが開口部51側(後方側)へ搬送される。
【0031】
カバー部材56は、トナー排出口74(図5参照)を有する。トナー排出口74は、容器本体52に収容されたトナーを外側へ排出するためのものであり、カバー部材56の外周壁に設けられている。トナー排出口74は、図5において、カバー部材56の下側に設けられている。具体的に、トナー排出口74は、カバー部材56の外周壁を貫通する矩形状の貫通孔である。図5に示されるように、カバー部材56の内部には、開口部51とトナー排出口74との間にトナー流通路75が形成されている。トナー容器41がトナー排出口74を下側にして容器装着部42(図2参照)に装着されると、容器本体52の開口部51からトナー流通路75に移動したトナーは、トナー流通路75を通って下方へ案内されて、トナー排出口74に達する。そして、トナー排出口74が開放されている場合はトナー排出口74から下方外側へトナーが排出される。これにより、トナーが現像装置23に補給される。一方、トナー排出口74が閉塞されていた場合、トナーは排出されず、トナー流通路75がトナーで満たされた状態となる。
【0032】
図5に示されるように、カバー部材56にスライド式の開閉部材76が設けられている。開閉部材76は、プレート形状の部材であり、容器本体52の長手方向(前後方向D2)へスライド可能にカバー部材56に支持されている。開閉部材76は、容器装着部42に対するトナー容器41の位置に応じて、トナー排出口74を開閉する。開閉部材76は、トナー容器41が容器装着部42に装着されると、トナー排出口74を開放する。具体的には、トナー容器41が容器装着部42に装着されると、その装着動作にともない容器装着部42から押圧力を受けて開閉部材76がトナー排出口74を開放する位置(開放位置)まで移動される。図5では、開閉部材76が前方側へ移動してトナー排出口74を開放した状態が示されている。トナー容器41が容器装着部42から取り外されると、その取り外し動作にともない開閉部材76は前記開放位置から後方へ移動してトナー排出口74を閉塞する位置(閉塞位置)まで移動されて、トナー排出口74を閉塞する。なお、容器装着部42には、図示しない付勢部材が設けられており、前記開放位置から前記閉塞位置までの開閉部材76の移動は、トナー容器41の取り外し動作にともない前記付勢部材が開閉部材76を相対的に後方へ移動させることにより行われる。
【0033】
図4に示されるように、カバー部材56は、収容フレーム58よりも前記挿入方向D21側に、内部が空洞の円筒状の基部59を有する。この基部59に、後述の連結部80(本発明の装着部の一例)が一体に形成されている。基部59の前記挿入方向D21側の端面59Aには、端面59Aから突出するアーチ状のガイド壁61が設けられている。ガイド壁61は、端面59Aの下端部の中央に設けられている。このガイド壁61によって囲まれた孔60は、後述の収容部44(図2参照)にトナー容器41が装着されたときに、容器装着部42が備えるコイルバネ(不図示)が挿通される部分である。
【0034】
また、端面59Aの中央に突起88(本発明の係合部の一例)が一体に形成されている。突起88は、収容部44にトナー容器41が装着されたときに、容器装着部42の連結支持部45に設けられた突出ボス94(本発明の被係合部の一例)の孔94Aに係合される。具体的には、突起88は、孔94Aに挿通される。これにより、突起88と突出ボス94との係合によって、収容部44に定められた装着位置にトナー容器41が位置決めされる。なお、収容部44にトナー容器41が装着されたときに前記コイルバネが圧縮されつつ孔60に挿通されるため、前記コイルバネのバネ力によってトナー容器41が外れないように、不図示のロック機構によって、収容部44における前記装着位置でトナー容器41はロックされる。
【0035】
図2に示されるように、容器装着部42は、4つの収容部44(44A〜44D)を有する収容ケース43と、収容ケース43の後背面に取り付けられた連結支持部45とを備える。なお、図2では、連結支持部45は二点鎖線で示されている。
【0036】
収容ケース43の各収容部44には、予め定められた色のトナー容器41が収容される。最も右端の収容部44Aは、黒色に対応するトナー容器41が収容される。図2では、黒色用のトナー容器41の後方側の一部が収容部44に挿入された状態が示されている。収容部44Aの左側に配置された収容部44B,44C,44Dは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタに対応するトナー容器41が収容される部分である。
【0037】
連結支持部45は、収容部44に装着されたトナー容器41と連結してトナー容器41を収容部44における装着位置に位置決めするためのものである。連結支持部45は、収容ケース43とは別部材として構成されており、収容ケース43や筐体11内の内部フレームに取り付けられている。連結支持部45に、4つの収容部44に対応して、4つの被連結部90(本発明の被連結部の一例)が設けられている。なお、容器装着部42は、連結支持部45と収容ケース43とが一体に構成されたものであってもよい。
【0038】
本実施形態では、画像形成装置10に不適合なトナーを有するトナー容器41が装着できないように構成されている。すなわち、画像形成装置10は、装着互換性を有するトナー容器41だけが、それに対応する収容部44に装着可能に構成されている。言い換えると、各収容部44は、装着互換性を有するトナー容器41を択一的に装着可能とするものである。このため、トナー容器41の前記挿入方向D21の先端部に連結部80が設けられており、また、連結支持部45に被連結部90が設けられている。トナー容器41が収容部44に挿入されて、トナー容器41の連結部80が被連結部90に係合した場合に、トナー容器41の装着が許容される。一方、被連結部90にトナー容器41の連結部80が係合できない場合は、トナー容器41の装着が禁止される。このように被連結部90と連結部80とによる装着互換性を実現する構造は、一般に、非互換性構造と称されている。
【0039】
以下、連結部80の構成について説明する。
【0040】
図4に示されるように、連結部80は、カバー部材56の基部59の端面59Aに設けられている。ここで、図4は、黒色に対応する収容部44Aに挿入される黒色用のトナー容器41の先端部を示す。以下、説明の便宜上、黒色のトナー容器41をトナー容器41Aと表記し、それに設けられた連結部80を連結部80Aと表記する。トナー容器41Aの前記挿入方向D21の先端部に連結部80Aが設けられている。黒色のトナー容器41Aに限られず、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応する各トナー容器41にも連結部80が設けられているが、それぞれの連結部80は、同じ形状に形成されている。以下、各色に対応する連結部80を代表して、図4を用いて黒色に対応する連結部80Aについて説明する。
【0041】
図4に示されるように、連結部80Aは、トナー容器41Aのカバー部材56に一体に設けられている。カバー部材56は、上述したように、内部が空洞の筒状の基部59を有している。連結部80Aは、その基部59の端面59Aに設けられている。連結部80Aは、カバー部材56の成形時に一体に形成される。
【0042】
連結部80Aは、4つの互換キー81(本発明の第2キー部材の一例)を有する。4つの互換キー81それぞれは、黒色に対応する被連結部90Aに係合可能な位置に設けられている。互換キー81は、端面59Aから前記挿入方向D21側(つまり被連結部90A側)へ突出する突出部材であり、先端が扁平な形状に形成されている。互換キー81は、電気を通さない絶縁体で構成されている。4つの互換キー81は、トナー容器41Aが容器装着部42の収容部44Aに装着された装着状態で被連結部90が備える干渉キー101(図8参照、本発明の第1キー部材の一例)に干渉しない位置に形成されている。
【0043】
本実施形態では、図6に示されるように、互換キー81の配置可能な位置として、突起88を中心とする円の円周上に位置P1〜P8が定められている。位置P1〜P8は、各トナー容器41それぞれの連結部80において同じ位置であり、突起88を基準にして等角度間隔を隔てて前記円周上に定められている。つまり、位置P1〜P8は、連結部80Aにおいて前記円周上に沿って円弧状に配置されている。図6に示される例では、端面59Aにおいて、ガイド壁61からCW方向(時計回転方向)に隣接して位置P1が定められており、その位置P1から前記CW方向へ等角度間隔で位置P2〜P8が定められている。図6に示されるように、位置P1〜P8は、突起88の中心を通る鉛直線を基準に左右対象となるように定められている。トナー容器41Aにおいて、4つの互換キー81は、位置P1〜P8のうち、位置P1,P3,P5,P7に設けられている。言い換えると、4つの互換キー81は、連結部80Aの端面59Aにおいて円弧状となるように配置されている。
【0044】
以下、連結支持部45及び被連結部90の構成について説明する。
【0045】
図7に示されるように、連結支持部45は、収容ケース43の後背面に装着可能なフレーム91を有する。フレーム91は、左右方向D3に長い形状に形成されている。フレーム91の前方側の取付面92に4つの被連結部90(90A〜90D)と、3つの駆動伝達部93(93A〜93C)と、送風ファン95とが取り付けられている。
【0046】
4つの被連結部90は、フレーム91の長手方向に一直線上に並んで配置されている。最も右端の被連結部90Aは、黒色用のトナー容器41と連結される。被連結部90Aの左側に配置された被連結部90B,90C,90Dは、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタの各色に対応するトナー容器41と連結される。
【0047】
駆動伝達部93は、筐体11内のモーターなどの駆動源から回転駆動力を受けて、トナー容器41のギヤ54に回転駆動力を伝達する。各駆動伝達部93は、取付面92から垂直に突出する筒状の支持部97と、支持部97に回転可能に支持されたギヤ98とを有している。
【0048】
駆動伝達部93Aは、被連結部90Aの近傍に設けられており、収容部44Aに黒色用のトナー容器41が装着された状態で、ギヤ98がギヤ54に連結される。駆動伝達部93Bは、被連結部90Bの近傍に設けられており、収容部44Bにトナー容器41が装着された状態で、ギヤ98がギヤ54に連結される。また、駆動伝達部93Cは、被連結部90Cと被連結部90Dとの間に設けられており、収容部44C及び収容部44Dそれぞれにトナー容器41が装着された状態で、それぞれのギヤ98が各トナー容器41のギヤ54に連結される。
【0049】
図8は、連結支持部45が備える被連結部90Aを示す模式図であり、被連結部90Aを前方から見た状態が示されている。4つの被連結部90(90A〜90D)それぞれは、同じ形状に形成されており、同じ構成を有しているため、以下においては、各色に対応する各被連結部90を代表して、黒色に対応する被連結部90Aについて説明する。図8に示されるように、被連結部90Aは、4つの干渉キー101と、接触端子102(本発明の接触端子の一例)と、突出ボス94とを有する。
【0050】
図8に示されるように、被連結部90Aの中央に円形の突出ボス94が設けられている。突出ボス94は、取付面92からトナー容器41A側(前方)へ突出する円柱状の部材である。突出ボス94の先端面の中央に孔94Aが形成されている。孔94Aは、カバー部材56の端面59Aに設けられた位置決め用の突起88が挿入される部分である。
【0051】
干渉キー101は、被連結部90Aにおいて予め定められた8箇所の位置P11〜P18のいずれかに設けられている。干渉キー101は、取付面92からトナー容器41A側(前方)へ突出する棒状の突出部材である。
【0052】
位置P11〜P18は、突出ボス94を中心とする円の円周上に定められている。つまり、位置P11〜P18は、位置P1〜P8と同様に、被連結部90Aにおいて前記円周上に沿って円弧状に配置されている。本実施形態では、位置P11〜P18は、4つの被連結部90それぞれにおいて同じ位置であり、前記中心を基準にして等角度間隔を隔てて前記円周上に定められている。図8に示される例では、取付面92において、カバー部材56の端面59Aにおける位置P1に対応して位置P11が定められており、その位置P11からCCW方向(反時計回転方向)へ等角度間隔で位置P12〜P18が定められている。図8に示されるように、位置P11〜P18は、突出ボス94の中心を通る鉛直線を基準に左右対象となるように定められている。収容部44Aにトナー容器41Aが装着されたときに、位置P1が位置P11に対向し、位置P2が位置P12に対向する。また、位置P3〜P8それぞれは、位置P13〜P18それぞれに対向する。
【0053】
本実施形態では、被連結部90Aにおいて、4つの干渉キー101は、互換キー81と干渉しない位置、つまり、位置P11〜P18のうち、位置P12,P14,P16,P18に設けられている。言い換えると、4つの干渉キー101は、被連結部90Aの取付面92において円弧状となるように配置されている。これにより、被連結部90Aに対応する装着互換性を有するトナー容器41Aが収容部44Aに挿入されると、互換キー81が干渉キー101を有しない位置P11,P13,P15,P17に配置されるため、干渉キー101によってトナー容器41Aの装着が阻害されることなく、トナー容器41Aが収容部44Aに装着される。
【0054】
なお、仮に、位置P1,P3,P5,P7のいずれか一つに互換キー81を有するトナー容器41が収容部44Aに挿入された場合は、互換キー81の先端が何れかの干渉キー101の先端に当接する。このため、トナー容器41は、それ以上挿入できなくなり、収容部44Aにおいて当該トナー容器41の装着が拒まれる。つまり、このようなトナー容器41は、収容部44Aに対して装着互換性を有しない。
【0055】
ところで、装着互換性を有しないトナー容器41が収容部44Aに挿入されたときに、収容部44Aの前記装着位置までトナー容器41が挿入される場合がある。また、非互換構造を実現するための互換キー81が折損するなどして失われた場合は、異なる色の収容部44にトナー容器41が挿入可能となる。この場合に画像形成動作が行われると、画像形成部1〜4に不適合なトナーが供給されることになり、印刷不良が生じるおそれがある。これに対して、画像形成装置10では、互換キー81を有しないトナー容器41が収容部44Aの前記装着位置に配置された場合に、制御部8がそのトナー容器41を検出できないように構成されている。
【0056】
本実施形態では、制御部8による収容部44Aにおけるトナー容器41Aの検出を可能にするために、接触端子102が被連結部90Aに設けられている。接触端子102は、導電性を有する金属板を加工して形成されたものである。接触端子102は、一対の金属端子102A,102Bにより構成されている。金属端子102Aは、被連結部90Aにおいて突出ボス94側に配置されており、取付面92に設けられた支持片(不図示)によって支持されている。また、金属端子102Bは、金属端子102Aの外側において金属端子102Aに対向するように配置されており、取付面92に設けられた支持片(不図示)に支持されている。
【0057】
接触端子102は、8つの接点NC(NC1〜NC8)を有している。各接点NCは、通常時に、金属板によるバネ力によって閉じられている(図9(A)参照)。なお、図9(A)は、接点NC5の通常時の状態が示されている。そして、後述するように、接触端子102は、各接点NCを開く方向の外力が加えられると開くように構成されている。
【0058】
接触端子102において、接点NC1〜NC8は、位置P11〜P18に対応している。詳細には、位置P11に対応して接点NC1が設けられており、接点NC1の位置からCCW方向(反時計回転方向)へ等角度間隔を隔てて接点NC2〜NC8が設けられている。この接触端子102は、被連結部90Aにおいて、前記支持片だけでなく、干渉キー101にも支持されている。詳細には、接点NC2が位置P12の干渉キー101に挿通されている(図9(B)参照)。なお、図9(B)は、接点NC2が干渉キー101に挿通されて、接点NC2が開いている状態が示されている。また、接点NC4は位置P14の干渉キー101に挿通されており、接点NC6は位置P16の干渉キー101に挿通されており、接点NC8は位置P18の干渉キー101に挿通されている。このように、接点NC2,NC4,NC6,NC8が干渉キー101に挿通されることにより、各接点NC2,NC4,NC6,NC8は、閉じ方向のバネ力によって干渉キー101を挟持する。
【0059】
接触端子102が被連結部90Aに取り付けられた状態で、収容部44Aにトナー容器41Aが装着されると、トナー容器41Aが前記装着位置に到達する前に、互換キー81の先端が接触端子102において対応する接点NCに当接する。そして、更にトナー容器41Aが収容部44Aの奥側へ挿入されると、互換キー81の先端が接点NCに進入して、接点NCを開く。具体的には、トナー容器41Aが収容部44Aに挿入されると、4つの互換キー81が、接点NC1,NC3,NC5,NC7に進入し、各接点を開く(図9(C)参照)。なお、図9(C)は、接点NC5に互換キー81が進入して、接点NC5が開いている状態が示されている。
【0060】
4つの被連結部90それぞれに設けられた4つの接触端子102は、信号線L1及びグランド線L2によって接続されている。具体的には、図10に示されるように、各接触端子102の金属端子102Aが共通の信号線L1で結線されている。また、各接触端子102の金属端子102Aが共通のグランド線L2で結線されている。信号線L1は、制御部8に接続されている。また、グランド線L2は、基準電位(例えば、アース電位)となるように接地された状態で制御部8に接続されている。制御部8から信号線L1には、所定の電圧値の電圧が印加されており、制御部8は、信号線L1とグランド線L2間の電圧を測定し、その測定値が前記基準電位であるかどうかによって、信号線L1とグランド線L2とが導通しているかどうかを判定する。
【0061】
このように被連結部90が構成されているため、本実施形態では、4つの収容部44のいずれにもトナー容器41が装着されていない場合は、各接点NCは、図10に示される状態、つまり、一部の接点NCが閉じたON状態を維持し、このため、制御部8は、信号線L1とグランド線L2とが導通していると判定する。この場合、制御部8は、収容部44におけるトナー容器41を検出することができず、トナー容器41が装着されていない未装着状態と判定する。この場合、制御部8は、操作表示部9の液晶表示部に、トナー容器41が装着されていないことを示すメッセージ、或いは、トナー容器41を装着するように促すメッセージを表示する。
【0062】
また、4つの収容部44のいずれにも正常なトナー容器41が装着されている場合は、図11(A)に示されるように全ての接点NCが開いてOFF状態となる。このように、全ての接点NCがOFF状態になった場合に、制御部8は、信号線L1とグランド線L2とが導通していないと判定する。この場合、制御部20は、収容部44に正常なトナー容器41が装着されたと判定する。つまり、制御部8は、収容部44の前記装着位置に配置されたトナー容器41を検出する。そして、制御部8は、操作表示部9の液晶表示部に対する前記メッセージの表示出力を停止して、画像形成装置10における画像形成動作を実行可能にする。なお、図11(A)では、被連結部90Aの接触端子102の状態が示されており、他の接触端子102の状態は省略している。
【0063】
また、4つの収容部44のうちの収容部44Aに不適合なトナー容器41が装着された場合、被連結部90Aの接触端子102の接点NCのうち、一部の接点NCだけが閉じたON状態を維持する。例えば、位置P1の互換キー81を有しないトナー容器41が収容部44Aに装着されると、図11(B)に示されるように、接点NC1だけがON状態を維持し、他の接点NCは開けられてOFF状態となる。この場合、接点NC1がON状態であるため、信号線L1とグランド線L2とが導通する。このとき、制御部8は、収容部44Aにトナー容器41が装着されていても、トナー容器41を検出することができない。つまり、制御部8は、トナー容器41が実際に装着されていたとしても、トナー容器41が装着されていない前記未装着状態であると判定する。したがって、制御部8は、トナー容器41が装着されていないものとして、操作表示部9の液晶表示部に対する前記メッセージの表示出力を継続する。この場合、トナー容器41を装着した作業者は、前記メッセージが継続して表示されていることを確認することによって、装着したトナー容器41が画像形成装置10にとって不適合であること、或いはそのおそれがあることを認識できる。
【0064】
これにより、互換キー81と干渉キー101とによる非互換構造を実現することができ、また、非互換構造を実現する互換キー81を用いて収容部44における不適合なトナー容器41の検出が可能となる。また、不適合なトナー容器41が装着された場合に前記メッセージが継続して操作表示部9の液晶表示部に表示されるため、トナー容器41を装着した作業者は、装着したトナー容器41が不適合なものであると認識することができ、画像形成動作が行われる前にトナー容器41を確認し、不適合なトナー容器41を取り外すことができる。その結果、画像形成部1〜4に不適合なトナーが供給されることはなくなり、印刷不良も生じ無くなる。
【0065】
なお、上述の実施形態では、4つの互換キー81を有するトナー容器41、及び4つの干渉キー101を有する被連結部90を例示したが、互換キー81及び干渉キー101の数や位置は上述の構成に限られない。
【0066】
また、上述の実施形態では、カバー部材56に連結部80を設けた例について説明したが、例えば、トナー容器41がカバー部材56を備えていないものであれば、トナー容器41の容器本体52に連結部80を一体に形成する構成とすることも可能である。
【0067】
また、上述の実施形態では、複数の被連結部90それぞれの接触端子102を共通の信号線L1及び共通のグランド線L2で結線した例を説明したが、例えば、各接触端子102それぞれを個別の信号線で結線する構成でもかまわない。この場合、信号線が増えるが、4つの収容部44それぞれにおけるトナー容器41の検出を独立して個別に行うことができる。
【0068】
なお、上述の実施形態では、本発明の一実施形態として、トナー容器41及び容器装着部42を備える画像形成装置10を例示したが、本発明は、容器装着部42に着脱可能に構成されたトナー容器41として捉えることもできる。上述したようにトナー容器41が構成されているため、画像形成装置10は、容器装着部42に装着互換性を有するトナー容器42が装着された場合にその装着を検出することができ、画像形成動作を実行する。また、画像形成装置10は、装着互換性を有しないトナー容器が装着された場合はその装着を検出できないため、継続して前記未装着状態であるメッセージが操作表示部9の液晶表示部に表示される。このメッセージを作業者が確認することにより、作業者は、画像形成動作が行われる前に不適合なトナー容器41を取り外すことができる。
【符号の説明】
【0069】
8:制御部
10:画像形成装置
40:トナー補給装置
41:トナー容器
42:容器装着部
44:収容部
56:カバー部材
59:基部
65:カバー部材
80:連結部
81:互換キー
90:被連結部
101:干渉キー
102:接触端子
NC1〜NC8:接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11