(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロッカ構成部材に形成された前記検出用開口部には、可動式蓋部が設けられており、当該可動式蓋部は、前記物体検出センサの作動時に前記ロッカ構成部材に形成された前記検出用開口部を開放すると共に前記物体検出センサの非作動時に前記検出用開口部を閉鎖する、
請求項2に記載の車両用物体検出装置。
複数の前記ロッカ構成部材のうち、前記物体検出センサの車両幅方向に隣接する前記ロッカ構成部材は、樹脂で構成されると共に前記物体検出センサを保持する保持部が一体に成形されている、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の車両用物体検出装置。
前記保持部が一体に成形された前記ロッカ構成部材の車両幅方向外側には、当該ロッカ構成部材における少なくとも前記保持部が形成された部位を覆うように他の前記ロッカ構成部材が配置されている、
請求項5に記載の車両用物体検出装置。
前記物体検出センサに隣接する一方の前記ロッカ構成部材には、車両幅方向の一方側へ凹んでいると共に前記物体検出センサの少なくとも一部が内部に配置されることで前記物体検出センサの車両上下方向の移動を制限する凹部が形成されている、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用物体検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(第1実施形態)
以下、
図1〜4を用いて、本発明に係る車両用物体検出装置の第1実施形態について説明する。なお、これらの図において示される矢印FRは車両前後方向前側、矢印OUTは車両幅方向外側、矢印UPは車両上下方向上側をそれぞれ示す。
【0030】
図1に示されるように、車両10の側部には、サイドドア12(フロントサイドドア14及びリアサイドドア16)の車両下方側において車両前後方向に沿って延在された左右一対のロッカ部18が設けられている。なお、ロッカ部18は左右対称で同一であるため、左右一方側について説明し、左右他方側についての説明は適宜省略する。
【0031】
このロッカ部18は、
図2に示されるように、ロッカ構成部材としての車両幅方向内側に配置されたロッカインナパネル20と、ロッカインナパネル20に対して車両幅方向外側に配置されたロッカリンフォースパネル22と、ロッカリンフォースパネル22の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24と、サイメンアウタパネル24の車両幅方向外側に配置されたロッカモール26と、を有している。
【0032】
ロッカインナパネル20は、金属により構成されていると共に、車両前後方向に直交する断面形状がハット型形状とされている。具体的には、車両上下方向に沿って延設された上側フランジ部28と、上側フランジ部28の反対側に設けられ車両上下方向に沿って延設された下側フランジ部30と、上側フランジ部28と下側フランジ部30との間に設けられた中間部32と、を含んで構成されている。ロッカインナパネル20の中間部32は、車両正面視で車両幅方向内側へ突出されている。
【0033】
ロッカリンフォースパネル22は、金属により構成されていると共に、車両前後方向に直交する断面形状がハット型形状とされている。具体的には、車両上下方向に沿って延設された上側フランジ部34と、上側フランジ部34の反対側に設けられ車両上下方向に沿って延設された下側フランジ部36と、上側フランジ部34と下側フランジ部36との間に設けられた中間部38と、を含んで構成されている。ロッカリンフォースパネル22の中間部38は、車両正面視で車両幅方向外側へ突出されている。
【0034】
サイメンアウタパネル24は、樹脂により構成されていると共に、車両前後方向に直交する断面形状がハット型形状とされている。具体的には、車両上下方向に沿って延設された上側フランジ部40と、上側フランジ部40の反対側に設けられ車両上下方向に沿って延設された下側フランジ部42と、上側フランジ部40と下側フランジ部42との間に設けられた中間部44と、を含んで構成されている。サイメンアウタパネル24の中間部44は、車両正面視で車両幅方向外側へ突出されている。
【0035】
ロッカインナパネル20の上側フランジ部28は、ロッカリンフォースパネル22の上側フランジ部34に溶接されていると共に、ロッカインナパネル20の下側フランジ部30は、ロッカリンフォースパネル22の下側フランジ部36に溶接されている。また、サイメンアウタパネル24の上側フランジ部40は、ロッカリンフォースパネル22の上側フランジ部34に接着剤を介して接合されていると共に、サイメンアウタパネル24の下側フランジ部42は、ロッカリンフォースパネル22の下側フランジ部36に接着剤を介して接合されている。なお、サイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル22との接合では、接着剤に限らず、ヘミング加工やその他の方法にて接合してもよい。
【0036】
ロッカモール26は、樹脂により構成されていると共に、車両前後方向に直交する断面形状がハット型形状とされている。具体的には、車両上下方向に沿って延設された上側フランジ部48と、上側フランジ部48の反対側に設けられ略車両幅方向内側へ延設された下側フランジ部50と、上側フランジ部48と下側フランジ部50との間に設けられた中間部52と、を含んで構成されている。ロッカモール26の中間部52は、車両正面視で車両幅方向外側へ突出されている。そして、ロッカモール26の上側フランジ部48は、サイメンアウタパネル24の中間部44における車両上下方向に沿って延設された壁部54に当接されていると共に、図示しない複数のクリップによって固定されている。同様に、ロッカモール26の下側フランジ部50は、サイメンアウタパネル24の中間部44における略車両幅方向に沿って延設された壁部56に当接されていると共に、図示しない複数のクリップによって固定されている。これにより、ロッカ部18は、それぞれのロッカ構成部材によって閉断面構造とされている。
【0037】
ロッカリンフォースパネル22とサイメンアウタパネル24との間には、物体検出センサ58が設けられている。この物体検出センサ58は、略角柱状に形成されており、車両幅方向外側に設けられた発受信部60から車両幅方向外側に赤外線や電波等の電磁波や超音波を発信しかつ受信することで、車両10の側方側及び下方側の少なくとも一方にある物体を検出可能としている。また、物体検出センサ58は、ブラケット62とサイメンアウタパネル24とに挿通させたボルト63をナット65に締結することで、このブラケット62を介してサイメンアウタパネル24の車両幅方向内側面に取り付けられている(
図3参照、なお
図3では要部をわかり易くするためロッカモール26を省略している)。
【0038】
(第1実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0039】
本実施形態では、
図2に示されるように、物体検出センサ58は、略車両前後方向に沿って延設されたロッカ部18に配置されている。この際、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24及びロッカモール26は、樹脂製とされていることから、物体検出センサ58が電磁波等によって車両外方側にある物体を検出する際に電磁波等がサイメンアウタパネル24及びロッカモール26によって反射するのが抑制される。つまり、物体検出センサ58による物体の検出がサイメンアウタパネル24及びロッカモール26によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部18に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部18に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。これにより、自車両の側方を走行する車両、道路の路肩、中央分離帯、路面に埋設された道路鋲及びマーカ並びに道路標示等の検出がより行い易くなる。
【0040】
さらに、物体検出センサ58は、サイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル22との間に設けられていることから、物体検出センサ58はサイメンアウタパネル24及びロッカモール26によって車両外部から保護される。これにより、物体検出センサ58に異物が当たることによる物体検出センサ58の破損を抑制することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、物体検出センサ58はサイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル22との間におけるサイメンアウタパネル24に取り付けられているが、これに限らず、ロッカリンフォースパネル22の車両幅方向外側面や、サイメンアウタパネル24の車両幅方向内側面とロッカインナパネル20の車両幅方向外側面とに跨って取り付けられてもよい。
【0042】
(第1実施形態の変形例)
上記第1実施形態では、物体検出センサ58がサイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル22との間に設けられているが、第1実施形態はこれに限らない。例えば、
図4に示されるように、物体検出センサ58をロッカモール26とサイメンアウタパネル24との間に設けてもよい。この変形例では、ロッカモール26の中間部52における略車両上下方向に沿って延設された壁部53の車両幅方向内側面に物体検出センサ58がブラケット62を介して取り付けられている。
【0043】
また、その他の変形例として、図示はしないが、サイメンアウタパネル24の車両幅方向外側面に取り付けられた構成としてもよい。さらに、ロッカ部18におけるサイメンアウタパネル24の車両幅方向外側には、ロッカモール26が取り付けられた構成とされているが、これに限らず、ステップ等他の部品が取り付けられ、かつ、この他の部品に物体検出センサ58が取り付けられた構成としてもよい。
【0044】
さらにまた、その他の変形例として、ロッカリンフォースパネル22は金属製とされているが、これに限らず、樹脂により構成されてもよい。この場合、図示はしないが、物体検出センサ58をロッカリンフォースパネル22とロッカインナパネル20との間に設けてもよい。
【0045】
(第2実施形態)
次に、
図5〜7を用いて、本発明の第2実施形態に係る車両用物体検出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0046】
図5に示されるように、この第2実施形態に係る車両用物体検出装置は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、物体検出センサ58がロッカ部64におけるロッカリンフォースパネル66とロッカインナパネル20との間に設けられかつ金属製のロッカリンフォースパネル66に検出用開口部68が形成されている点に特徴がある。
【0047】
すなわち、物体検出センサ58は、ロッカインナパネル20とロッカリンフォースパネル66との間に設けられている。具体的には、物体検出センサ58は、ブラケット62とロッカリンフォースパネル66とに挿通させたボルト63をナット65に締結することで、このブラケット62を介してロッカリンフォースパネル66の車両幅方向内側面に取り付けられている。このロッカリンフォースパネル66における物体検出センサ58の発受信部60に対応した位置、すなわちロッカリンフォースパネル66における物体検出センサ58の車両幅方向外側の部位には、板厚方向(車両幅方向)に貫通された検出用開口部68が形成されている(
図6参照、なお、
図6では要部をわかり易くするためロッカモール26を省略している)。
【0048】
(第2実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0049】
上記構成によっても、物体検出センサ58がロッカリンフォースパネル66とロッカインナパネル20との間に設けられかつロッカリンフォースパネル66に検出用開口部68が形成されている点以外は第1実施形態の車両用物体検出装置と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24及びロッカモール26は樹脂製とされていると共に、同じく物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置された金属製のロッカリンフォースパネル66には検出用開口部68が形成されていることから、物体検出センサ58による物体の検出がロッカモール26、サイメンアウタパネル24及びロッカリンフォースパネル66によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部64に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部64に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。
【0050】
さらに、物体検出センサ58は、ロッカリンフォースパネル66とロッカインナパネル20との間に配置されていることから、物体検出センサ58はロッカモール26、サイメンアウタパネル24及びロッカリンフォースパネル66によって車両外部から保護される。これにより、物体検出センサ58に異物が当たることによる物体検出センサ58の破損をより抑制することができる。
【0051】
なお、本実施形態では、物体検出センサ58は、ブラケット62を介してロッカリンフォースパネル66の車両幅方向内側面に取り付けられているが、これに限らず、ロッカインナパネル20の車両幅方向外側面に取り付けられてもよい。また、物体検出センサ58は、ロッカリンフォースパネル66の車両幅方向内側面とロッカインナパネル20の車両幅方向外側面とに跨って取り付けられてもよい。
【0052】
(第2実施形態の変形例)
上記第2実施形態では、サイメンアウタパネル24は樹脂製とされているが、第2実施形態はこれに限らない。例えば、
図7に示されるように、サイメンアウタパネル70は金属製とされると共に検出用開口部72が形成された構成としてもよい。本変形例では、サイメンアウタパネル70における物体検出センサ58に対応した位置には、板厚方向に貫通された検出用開口部72が形成されている。なお、ロッカリンフォースパネル66に形成されている検出用開口部68とサイメンアウタパネル70に形成されている検出用開口部72とは、車両側面視で略同一位置に配置されている。
【0053】
また、その他の変形例として、
図5において、物体検出センサ58がサイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル66との間やロッカモール26とサイメンアウタパネル24との間に設けられていてもよい。そして、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24やロッカモール26が金属製の場合は、サイメンアウタパネル24やロッカモール26における物体検出センサ58の発受信部60に対応した位置(外観意匠に影響をなるべく与えない位置が好ましい)に検出用開口部が形成される。
【0054】
さらに、その他の変形例として、図示はしないが、検出用開口部68や、検出用開口部72は、ロッカリンフォースパネル66及びサイメンアウタパネル70の板厚方向に貫通された構成とされているが、これに限らず、電磁波や超音波を通過させる樹脂等の部材で形成された蓋部によって検出用開口部68や検出用開口部72の少なくとも一つを塞ぐ構成としてもよい。この場合、物体検出センサ58の作動時には、蓋部を通じて電磁波等を発信及び受信すると共に、蓋部によって車両走行時の飛石等の異物から物体検出センサ58を保護することが可能となる。これにより、異物が検出用開口部68や検出用開口部72に入り込むことで起こる物体検出センサ58の破損を抑制することができる。
【0055】
なお、検出用開口部68、72は、開口が車両幅方向外側に向けて形成されているが、これに限らず、開口を略車両下方側へ向けて形成してもよい。この場合、物体検出センサ58の発受信部60を開口が略車両下方側へ向けられた検出用開口部68、72に合わせて配置させることで、より車両10の下方側の物体等の検出が行いやすくなる。
【0056】
また、上記第2実施形態における検出用開口部68が形成されたロッカリンフォースパネル66や、上記第2実施形態における検出用開口部72が形成されたサイメンアウタパネル70は金属製とされているが、これに限らず、CFRP等の樹脂により構成されていてもよい。
【0057】
(第3実施形態)
次に、
図8、9を用いて、本発明の第3実施形態に係る車両用物体検出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0058】
図8に示されるように、この第3実施形態に係る車両用物体検出装置は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、ロッカ部76のサイメンアウタパネル78に保持部80が形成されている点に特徴がある。
【0059】
すなわち、サイメンアウタパネル78の車両幅方向内側面には、保持部80が形成されている。この保持部80は、樹脂で構成されたサイメンアウタパネル78に一体に成形されており、車両上下方向に離間した一対の爪部82によって構成されている。一対の爪部82の内部には、物体検出センサ58が配置されている。また、一対の爪部82の先端には、互いに対向するように形成された保持爪84が形成されており、この保持爪84が物体検出センサ58の車両幅方向内側面に当接されている。これにより、物体検出センサ58はサイメンアウタパネル78に保持されている。なお、保持部80は、車両側面視でロッカモール26と重なる位置に設けられている。換言すると、保持部80の車両幅方向外方側には、ロッカモール26が設けられている。
【0060】
(第3実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0061】
上記構成によっても、サイメンアウタパネル78に保持部80が形成されている点以外は第1実施形態の車両用物体検出装置と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル78及びロッカモール26は樹脂製とされていることから、物体検出センサ58による物体の検出がサイメンアウタパネル78及びロッカモール26によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部76に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部76に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。
【0062】
さらに、物体検出センサ58の車両幅方向に隣接するサイメンアウタパネル78には、物体検出センサ58を保持する保持部80が一体に成形されていることから、物体検出センサ58をこのサイメンアウタパネル78に取り付ける際の位置決めや取付け作業が容易となる。これにより、物体検出センサ58のロッカ部76への取付け作業性を向上できる。
【0063】
さらに、サイメンアウタパネル78における保持部80が一体に成形された保持部形成部位81の車両幅方向外方側には、ロッカモール26が設けられている。つまり、保持部形成部位81は、ロッカモール26に覆われていることから、サイメンアウタパネル78に保持部80を一体に成形した際にサイメンアウタパネル78の車両幅方向外側面にヒケが発生しても、車両10の外側からヒケが見えない。したがって、車両側部の外観品質の低下を抑制することができる。
【0064】
(第3実施形態の変形例)
上記第3実施形態では、サイメンアウタパネル78に保持部80が形成されているが、第3実施形態はこれに限らない。例えば、図示はしないが、ロッカリンフォースパネル22を樹脂により構成すると共に、保持部を一体に成形してもよいし、樹脂製のロッカモール26に保持部を一体に成形してもよい。
【0065】
また、その他の変形例として、
図9に示されるように、車両正面視で略U字状に形成した保持部86のそれぞれの車両幅方向外側の端部87をサイメンアウタパネル78に一体的に結合し、保持部86とサイメンアウタパネル78とで形成される内部空間内に物体検出センサ58を挿入させて保持させる構成としてもよい。
【0066】
さらに、保持部80、86の車両幅方向外側には、ロッカモール26が設けられた構成とされているが、これに限らず、図示はしないが、保持部80、86の車両幅方向外側には、ロッカモール26等の他のロッカ構成部材が重ならない構成としてもよい。
【0067】
さらにまた、図示はしないが、保持部80、86の車両幅方向外側に設けられた他のロッカ構成部材における保持部80、86に対応した位置に、検出用開口部が形成された構成としてもよい。
【0068】
(第4実施形態)
次に、
図10、11を用いて、本発明の第4実施形態に係る車両用物体検出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0069】
図10に示されるように、この第5実施形態に係る車両用物体検出装置は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、ロッカ部88のロッカリンフォースパネル90に凹部92が形成されている点に特徴がある。
【0070】
すなわち、金属製のロッカリンフォースパネル90の中間部94の車両上下方向に沿って延設された壁部96には、車両上下方向略中央に凹部92が形成されている。この凹部92は、車両幅方向内側に凹むように形成され、かつ車両前後方向に沿って延設されている。凹部92の内部には、物体検出センサ58が収容されている。具体的には、物体検出センサ58は、壁部96の外側面から車両幅方向外側へ突出しないように物体検出センサ58全体が凹部92の内部に収められていると共に、帯状の板材を断面ハット状に形成したブラケット98とロッカリンフォースパネル90とに挿通されたボルト63にナット65を締結することで、ブラケット98を介して物体検出センサ58が凹部92内に保持されている(
図11参照)。この凹部92の車両上下方向の寸法は、物体検出センサ58の車両上下方向の寸法と略同一とされている。したがって、凹部92内に収められた物体検出センサ58の車両上下方向の移動が制限される。なお、本実施形態では、ロッカリンフォースパネル90は金属製とされているが、これに限らず、樹脂製等他の部材で構成されていてもよい。
【0071】
(第4実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0072】
上記構成によっても、ロッカリンフォースパネル90に凹部92が形成されている点以外は第1実施形態の車両用物体検出装置と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24及びロッカモール26は樹脂製とされていることから、物体検出センサ58による物体の検出がサイメンアウタパネル24及びロッカモール26によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部88に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部88に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。
【0073】
さらに、物体検出センサ58に隣接するロッカリンフォースパネル90には、物体検出センサ58の車両上下方向の移動を制限する凹部92が形成されていることから、物体検出センサ58を予め設定した位置により確実に固定させることができる。つまり、物体検出センサ58の位置ずれによる検出範囲のずれを抑制することができる。これにより、物体検出センサ58の検出精度を向上させることができる。
【0074】
さらにまた、物体検出センサ58全体が凹部92の内部に収められていることから、車両側突時に衝突荷重が物体検出センサ58に直接的に伝達し難くなる。したがって、車両側突時の物体検出センサ58の破損を抑制することができる。
【0075】
(第4実施形態の変形例)
上記第4実施形態では、ロッカリンフォースパネル90に凹部92が設けられているが、第4実施形態はこれに限らない。例えば、図示はしないが、物体検出センサ58をロッカリンフォースパネル90とロッカインナパネル20との間に設けると共に、ロッカリンフォースパネル90の車両幅方向内側面に車両幅方向外側へ凹んだ凹部を形成して、当該凹部に物体検出センサ58が収められた構成としてもよい。また、その他の変形例として、図示はしないが、ロッカインナパネル20の車両幅方向外側面に車両幅方向内側へ凹んだ凹部を形成して、当該凹部に物体検出センサ58が収められた構成としてもよい。なお、それぞれの変形例の場合において、ロッカリンフォースパネル90における少なくとも物体検出センサ58の発受信部60に対応した部位は、検出用開口部が設けられているか又は樹脂製とされることが望ましい。また、検出用開口部が形成される場合には、当該検出用開口部を樹脂で構成された蓋部で塞ぐ構成としてもよい。
【0076】
さらに、その他の変形例として、図示はしないが、物体検出センサ58をサイメンアウタパネル24とロッカリンフォースパネル90との間に設けると共に、サイメンアウタパネル24の車両幅方向内側面に車両幅方向外側へ凹んだ凹部を形成して、当該凹部に物体検出センサ58の少なくとも一部が収められた構成としてもよい。
【0077】
さらにまた、その他の変形例として、図示はしないが、物体検出センサ58をロッカモール26とサイメンアウタパネル24との間に設けると共に、ロッカモール26の車両幅方向内面側に車両幅方向外側へ凹んだ凹部を形成して、当該凹部に物体検出センサ58が収められた構成としてもよい。また、その他の変形例として、図示はしないが、サイメンアウタパネル24の車両幅方向外側面に車両幅方向内側へ凹んだ凹部を形成して、当該凹部に物体検出センサ58が収められた構成としてもよい。
【0078】
なお、上述した第4実施形態の凹部92の内部及び第4実施形態の変形例の凹部の内部には、物体検出センサ58の全体が収められた構成とされているが、これに限らず、図示はしないが、車両幅方向内側の端部など少なくとも一部が第4実施形態の凹部92の内部及び変形例の凹部の内部に配置された構成としてもよい。
【0079】
また、凹部の車両幅方向外側に配置された他のロッカ構成部材における凹部に対応した位置に、検出用開口部が形成された構成としてもよい。
【0080】
さらに、少なくとも一部が凹部の内部に配置された物体検出センサ58は、ブラケット98を介してロッカ部88に固定されているが、これに限らず、上述した第3実施形態の保持部80、86のように、ロッカ構成部材に形成された保持部によってロッカ部88に固定された構成としてもよい。
【0081】
(第5実施形態)
次に、
図12を用いて、本発明の第5実施形態に係る車両用物体検出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0082】
図12に示されるように、この第5実施形態に係る車両用物体検出装置は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、物体検出センサ58が緩衝材104を介してロッカ部100のロッカモール102に取り付けられている点に特徴がある。
【0083】
すなわち、ロッカモール102には、緩衝材104が取り付けられている。この緩衝材104は、発泡樹脂で構成されていると共に、車両上方側、車両下方側及び車両幅方向外側の外形形状がそれぞれロッカモール102の車両幅方向内側面の車両上方側、車両下方側及び車両幅方向外側の形状と略同一とされている。
【0084】
ロッカモール102の中間部106における車両上方側の壁部108及び車両下方側の壁部110には、上下一対のリブ112が形成されている。このリブ112は、車両正面視で三角形状に形成されており、ロッカモール102に一体に形成されている。リブ112は、ロッカモール102の車両前後方向両端部にそれぞれ形成されており、これによって緩衝材104の車両前後方向の移動が規制されて緩衝材104の位置決めが行われている。
【0085】
緩衝材104の車両幅方向内側面には、車両正面視にて略U字状に形成された緩衝材側保持部114が形成されている。この緩衝材側保持部114は、物体検出センサ58の外形形状と略同一形状とされていると共に、物体検出センサ58より僅かに小さいサイズに設定されている。物体検出センサ58は、この緩衝材側保持部114内に嵌め込まれた状態で緩衝材104ひいてはロッカモール102に固定されている。
【0086】
(第5実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0087】
上記構成によっても、物体検出センサ58が緩衝材104を介してロッカモール102に取り付けられている点以外は第1実施形態の車両用物体検出装置と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたロッカモール102及び緩衝材104は樹脂製又は発泡樹脂製とされていることから、物体検出センサ58による物体の検出がロッカモール102及び緩衝材104によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部100に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部100に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。
【0088】
さらに、物体検出センサ58は、緩衝材104の車両幅方向内側に形成された緩衝材側保持部114に保持されている。この物体検出センサ58は、緩衝材104を介してロッカモール102に取り付けられていることから、車両側突時にロッカモール102へ入力される衝突荷重は緩衝材104を介して物体検出センサ58に伝達される。つまり、衝突荷重は緩衝材104により吸収されると共に、緩衝材104により物体検出センサ58に衝突荷重が直接的に入力されるのを抑制することができる。これにより、車両側突時の物体検出センサ58の破損を抑制することができる。
【0089】
(第5実施形態の変形例)
上記第5実施形態では、ロッカモール102に緩衝材104が設けられているが、第5実施形態はこれに限らない。例えば、図示はしないが、緩衝材104をロッカリンフォースパネル22の車両幅方向内側面に取り付けた構成や、緩衝材104をサイメンアウタパネル24の車両幅方向内側面に取り付けた構成としてもよい。
【0090】
また、緩衝材104が取り付けられたロッカ構成部材及びこのロッカ構成部材の車両幅方向外側に配置された他のロッカ構成部材の少なくとも一つに物体検出センサ58に対応した位置に略車両幅方向外側へ向けて開口された検出用開口部が形成された構成としてもよい。
【0091】
さらに、物体検出センサ58は、緩衝材104の緩衝材側保持部114に保持された構成とされているが、これに限らず、上述した第3実施形態の保持部80、86のように、ロッカ構成部材に一体に成形された保持部によって少なくとも一部が保持された構成としてもよい。
【0092】
さらにまた、緩衝材104の緩衝材側保持部114に保持された物体検出センサ58を、上述した第4実施形態の凹部92のように、物体検出センサ58の車両幅方向内側に配置されたロッカ構成部材に形成された凹部によって物体検出センサ58の車両上下方向の移動を制限する構成としてもよい。
【0093】
(第6実施形態)
次に、
図13、14を用いて、本発明の第6実施形態に係る車両用物体検出装置について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
【0094】
図13(A)に示されるように、この第6実施形態に係る車両用物体検出装置は、基本的な構成は第1実施形態と同様とされ、ロッカ部116のロッカリンフォースパネル118に可動式蓋部120が設けられている点に特徴がある。
【0095】
すなわち、ロッカリンフォースパネル118の中間部122における車両上下方向に沿って延設された壁部124には、板厚方向に貫通された検出用開口部126が形成されている。
【0096】
また、ロッカリンフォースパネル118には、検出用開口部126を塞ぐ可動式蓋部120が設けられている。この可動式蓋部120は、検出用開口部126と略同一形状かつ検出用開口部126より少し小さいサイズに形成された蓋部本体128と、蓋部本体128の上端部における車両幅方向内側に設けられた蓋部上側フランジ部130と、蓋部本体128の下端部における車両幅方向外側に設けられた蓋部下側フランジ部132と、を有している。また、可動式蓋部120には、略車両前後方向に沿った軸部134が蓋部本体128の車両上下方向略中央に設けられていると共に、図示しない駆動手段が接続されている。したがって、駆動手段が作動することでこの軸部134を中心にして可動式蓋部120は回転して検出用開口部126を開放又は閉鎖することが可能とされている(
図13(B)も参照)。
【0097】
蓋部上側フランジ部130の車両幅方向外側面は、蓋部本体128がロッカリンフォースパネル118の壁部124に沿った状態で壁部124の車両幅方向内側面と当接する。また、蓋部下側フランジ部132の車両幅方向内側面は、蓋部本体128がロッカリンフォースパネル118の壁部124に沿った状態で壁部124の車両幅方向外側面と当接する。
【0098】
可動式蓋部120の車両幅方向内側面には、物体検出センサ58が取り付けられている。この物体検出センサ58は、蓋部本体128の車両幅方向内側面における軸部134に対応した位置にブラケット62を介して取り付けられている。このブラケット62は、ブラケット62と可動式蓋部120とに挿通されたボルト63にナット65を締結することで可動式蓋部120に取り付けられている。なお、この可動式蓋部120に取り付けられた物体検出センサ58は、可動式蓋部120が検出用開口部126を閉鎖した状態で物体検出センサ58の発受信部60が車両下方側となる向きで取り付けられている。つまり、
図13(B)に示されるように、可動式蓋部120が検出用開口部126を開放した状態で物体検出センサ58の発受信部60が車両幅方向外側に移動する構成とされている。以上により、物体検出センサ58を作動させる場合は、駆動手段によって可動式蓋部120を回転させて検出用開口部126を開放させる、また、物体検出センサ58を作動させない場合は、駆動手段によって可動式蓋部120を回転させて検出用開口部126を閉鎖させる。
【0099】
(第6実施形態の作用・効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0100】
上記構成によっても、ロッカリンフォースパネル118に可動式蓋部120が設けられている点以外は第1実施形態の車両用物体検出装置と同様に構成されているので、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、物体検出センサ58の車両幅方向外側に配置されたサイメンアウタパネル24及びロッカモール26は樹脂製とされていると共に、ロッカリンフォースパネル118には検出用開口部126が形成されていることから、物体検出センサ58による物体の検出がサイメンアウタパネル24、ロッカモール26及びロッカリンフォースパネル118によって妨げられることなく物体検出センサ58をロッカ部116に沿って車両前後方向における広い範囲の中から必要な位置に配置することができる。これにより、物体検出センサ58を設ける位置の自由度を向上させることができる。したがって、車両10のより適した位置に物体検出センサ58を配置して車外の物体の検出具合を調整することができる。また、車両側部下側のロッカ部116に物体検出センサ58を配置することで、車両幅方向外方側かつ車両下方側の物体の検出を行うことができる。
【0101】
さらにまた、車両10が物体検出センサ58への依存度の高い自動運転モードにある際は、物体検出センサ58を作動させる。この際、可動式蓋部120によって検出用開口部126を開放する。また、物体検出センサ58の非作動時には、可動式蓋部120によって検出用開口部126を閉鎖することが可能となる。したがって、物体検出センサ58の作動時には、検出用開口部126を通じて電磁波等を発信及び受信することができる。また、物体検出センサ58の非作動時には、物体検出センサ58をサイメンアウタパネル24、ロッカリンフォースパネル118及び可動式蓋部120によって保護することが可能となる。これにより、ロッカリンフォースパネル118に検出用開口部126を設けた場合において、物体検出センサの非作動時に異物が検出用開口部126に入り込むことで起こる物体検出センサ58の非作動時の物体検出センサ58の破損を抑制することができる。なお、車両10が自動運転モード以外の状態で物体検出センサ58を作動させる際にも、可動式蓋部120によって検出用開口部126を開放させてもよい。
【0102】
また、物体検出センサ58の非作動時には、検出用開口部126が可動式蓋部120によって閉鎖可能となることから、ロッカリンフォースパネル118に検出用開口部126が形成されることによる曲げ剛性やねじり剛性の低下を可動式蓋部120によって抑制することができる。
【0103】
(第6実施形態の変形例)
上記第6実施形態では、ロッカリンフォースパネル118に可動式蓋部120が設けられているが、第6実施形態はこれに限らない。例えば、
図14(A)、(B)に示されるように、金属製のサイメンアウタパネル138に検出用開口部140が形成されると共に可動式蓋部120が設けられた構成としてもよい。また、その他の変形例として、図示はしないが、ロッカリンフォースパネル118(
図13(A)参照)に物体検出センサ58を有する可動式蓋部120が設けられていると共に、サイメンアウタパネル及びロッカモールの少なくとも一方のロッカリンフォースパネル118の検出用開口部126に対応した位置に検出用開口部と、当該検出用開口部の開放及び閉鎖を行いかつ物体検出センサを有しない可動式蓋部とを設けた構成としてもよい。
【0104】
さらに、その他の変形例として、図示はしないが、金属製とされたロッカモールに検出用開口部と、当該検出用開口部の開放及び閉鎖を行いかつ物体検出センサ58を有する可動式蓋部とを設けた構成としてもよい。
【0105】
さらにまた、可動式蓋部120を樹脂により構成すると共に、上述した第3実施形態の保持部80、86のように、可動式蓋部120に保持部を一体に成形しかつこの保持部によって物体検出センサ58を固定した構成としてもよい。
【0106】
また、物体検出センサ58は、可動式蓋部120に設けられているが、これに限らず、その他のロッカ構成部材に取り付けても良い。この際に、上述した第3実施形態の保持部80、86のような保持部を介して物体検出センサ58をロッカ構成部材に取り付けてもよいし、第4実施形態の凹部92のようなロッカ構成部材に形成された凹部に物体検出センサ58の少なくとも一部を配置させてもよい。そして、この物体検出センサ58の車両幅方向外側のロッカ構成部材に、物体検出センサ58に対応した検出用開口部を設けて、当該検出用開口部の開放及び閉鎖を行いかつ物体検出センサを有しない可動式蓋部とを設けた構成としてもよい。
【0107】
なお、上述した第1〜第6実施形態では、ロッカ部18、64、76、88、100、116に物体検出センサ58が設けられた構成とされているが、この物体検出センサ58は一つに限らず、
図15に示されるように複数の物体検出センサ58をロッカ部18、64、76、88、100、116に設けた構成としてもよい。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。